アナタノコトガスキデス

萌え妄想のまま走るいろいろ創作小説の予定。苦情無断転載禁止。

命令を下す。 

俺はまだ贖罪の旅の途中にいる。
空から木の葉の里へ…落下する隕石を…眼力のみで破壊したのは…最近だ…。

里にも一度は帰り、茶屋にも寄った。

ここは里から離れた山道。

空の雲行きが怪しい。
一雨来たようだ。

細かい雨粒が…俺のポンチョに滴る。
フードを頭にして…俺は忍んで歩くことにした。

額のバンダナも濡れてる。

前より少し伸びた髪が雨に濡れる…。
今、肩より短いくらいだ…。
切る暇もないほど多忙を極めてる…。

ココを抜ければ…隣の里までもう一息だろう。
足早に進みたい…。



と…。
そこでヒョッコリ人影が現れた…。

白い短髪に異様に白い蛇のような肌、目がギラギラで。口からギザギザの歯。

アイツだ…俺の大蛇丸傘下配属時代の部下…水月だ。

コイツはいけ好けねぇ野郎だ。

雨のせいで靴がベタベタだ。

小雨が大雨になってきた…。

横かけの鞄も雫が滴る。

どこかの木の下でも…。
雨宿りがしたいとこだ。

急な雨で…。
隣には水溜まりがある。

ココは…。
地面には雑草だらけの田舎道だ。

「よお…」
アイツから声をかけてきた。
何やら企んでる表情だ…。


「水月か…」


俺は…。
大蛇丸傘下で…同じ部隊に所属してた頃、
コイツに弱味を握られ、毎日…精神的に脅されていた過去がある。

ある日、怒りのあまり制裁を下してやった。
それ以来…。

少しは影を潜め…大人しくなったが…。
あまり気にくわない…。
それに…。
思うところ…もあるからだ。

「サスケ、里に帰ったんだってな…」

水月の目が金色にギラッと光った。
口元がニヘリと上がってる。
唇からギザギザの歯を…わざと見せる…。
こういうときはコイツが良からぬことを、計画してる証拠だ。

「お前に関係もない」
「サクラと交際できたか?」

俺は…。
白い眼で睨んでやった。
万華鏡で倒そうかと悩んだが…。

アイツ…。
少しビビりやがった。
目が泳いでる…。

昔の報復が効いたようだ…。

コイツは…。
あのアジトで唯一俺の弱味を知ってるヤツのうちの一人だ。

仕方あるまい…。

「水月…」
「何だ?」

「俺は任務がある。
命令下す。
木の葉の里を守れ。
サクラに、何かあるときは…無条件で命に変えても守れ。
サクラに傷があったら…お前を…コ…ロ…ス…、
サクラにバレないように警備しろ…。
バレたら…コ、ロ、ス…」

頼んだ。

「サスケ。
サクラに…振られたか…?」

「殺す…。
今、殺そうか…?」
「教えてくれてもよぉ…」

答えろ…。

「万華鏡をお前に下す。
それか…イザナミ…。
どちらが好みだ?
選べ…」
「わかった、約束する…」

それだけ眼力で脅して…去ろうとした。

が…。
馴れ馴れしく…。
そこから水月のマシンガントークが始まった。

「お前らの恋、気になってた…」

…地雷を踏む気か?


「ナルトと戦ったらしいな…。相討ちだったらしいな…。お前、罪人で…里にいねぇよな?ナルトはサクラと同じ里にいるよな…」

ガン無視した…。


「ナルトにサクラ、とられるなよ…」

「…うざい…」

…万華鏡を使った。
気絶した…。

傷は出ないだろう…。
別に死にはせん。
しばらく苦しめ…。
一週間。


水月、お前は…。

あの当時…。

サクラはナルトと混浴旅館で…二人泊まりしたと情報を流した。

それ以外にもサクラは荒れて…。
他の男とも遊んでると俺を茶化した。

が…。

少し前のサクラからの手紙には…。

《 本音はサスケくんと会いたい。
私はずっとサスケくんだけだから。
サスケくんのファーストキスはナルトに奪われてムカッとしたけど。
私のファーストキスは…。
最初からサスケくんに予約してるから…。

勝手に決めたら…迷惑かなぁ?》

と…あった…。

サクラはまだキスもまだだと手紙に書いてある…。

お前の情報が全部…嘘であるなら…。

俺は一度お前に報復を加えなければなるまい…。

どちらが真実なのか…。
まだ俺には分からねぇが…。

お前はタチが悪すぎる…。

嘘なら…なぶり倒そう…それか半殺し程度にしよう…か?



俺は…。
決めた…。


水月に限らず…。
昔の奴らには里の警備を徹底するように命令を下す…。

サクラには…。
俺の不在時、ミジンコ足りとも怪我させねぇ。


アイツは俺の女だ。

来年には俺のものだ…。

遠くで雷鳴がした。
これは本降り決定だな…。

俺は…。
水月は道端に捨てて、隣里へ急いだ…。

少しは頭を冷やすがいい…。


☆☆

ーーこうして…。
木の葉の里は更に厳重警備となった…。






サクラの手紙

目次


ありがとう。(サクラ秘伝より妄想)「恩は返す」





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