アナタノコトガスキデス

萌え妄想のまま走るいろいろ創作小説の予定。苦情無断転載禁止。

タリアC



ターシャ祭が開催された。

パレードは毎年のごとく、ターシャ国立自然公園で、花火が上がったり、割りと盛大だ。
夜には赤や青や緑の花火が打ちあがる。
昼間には神輿が通り過ぎる。

俺はその間も客をさばくのに忙しい。
ミサ会場は果ての見えない行列だ。

今日は俺は…ターシャ祭用のマーメードドレスに頭には緑の草飾りをしている。

水色の生地に魚の柄がプリントされたノースリーブのロングドレスだ…。
足の裾が絞られていて…歩けば人魚のように足首がくびれて見える丈の長いドレスだ。

今日は…。

入るのですら、願い事を紙に書いて…俺が振り分ける。
あまり酷い願い事は事前に断る。
それぐらい人間がワンサカいるからだ。
酷いのでなければ大丈夫だ。
世界征服なんて言うのは論外だ。

友達の成績が下がるようにっていうのもこの日は許さない。
というか…普段の方が緩いかもしれない。
一日で全員を捌くのは無理だ。

ダメな人には絵馬だけ買うことを勧める。
神社の境内に絵馬がある。
500円だ。
そこに願い事を書いてもらうようにする。

その他、お守りの販売もしてる。
これは500〜300円ぐらいだ。

それからおみくじは100円ぐらいだ。
ターシャ祭りは一つの行事だ。
しかし、特にミサへやって来るのは…男性客ばかりだ。

◎巫女様、普段は何を。
とても綺麗ですね。
惚れそうです…えっと俺の名前は…うへへへへ♪◎

女から言われると嬉しい言葉も、男から言われると気味が悪い。

キャラもののTシャツにキャラもの帽子…のオタク風な見た目の客だ。
黒縁メガネに白く太った男性客だ。

『申し訳ございません。
そう言う言葉は不要です。
私は仕事だけで忙しいので、うるさいようなら帰ってもらいます』

◎そんな冷たいところがまた来るね?
く―――♪◎

やって来る男性客、だいたい…アホらしいセリフしか言わない。
チャらい。
どれだけ、振り分けても悪質な客ばかりだ。
監視員もいない分、ヤリタイ放題だ。

『願い事をどうぞ』

◎えっと…バイト先の子を落とせるようにって書いたんですが。
やっぱり変更して巫女様とデートでも♪
うへ♪◎

『汝に神の天罰が落ちるでしょう』

◎違います、えっとバイトの子の方で…でへ♪◎

『目を閉じて…手をこちらへ』

手をこちらへ持ってくる。
これが緊張してるのか知らないが手がベトベトしてる、気持ち悪い…男の手だ。
ゾゾっとする。
早く離したい。

しかし、業務は適当に済ませる。
力を入れる作業に集中はする。
何とか、一点へ入念して、脱力する。

『終わりましたわ』

◎ありがとうございます、これで巫女様と仲良しに俺もなれた気が!
もうそうですよね♪ルンルンです!◎

キャラ帽子もツインテールのアニメプリント…それから、胸元にも美少女アニメキャラがプリントされたTシャツを着た白デブ眼鏡男だ。

『お帰り下さい』

◎年に一度の七夕です!
俺は諦めません、写真だけでも…。
それかキスだけでも〜〜♪◎

オタク風の客はしつこい…。

『オゾマシイ。
帰って下さい、気持ちが悪い』

◎巫女様…◎

こんな客ばかりだ、まだキセキの方がマシだ、
客として来てここまで暴れないからだ。
警備員ぐらい国も雇ってくれればいいモノを…。

{どけよ、前の客…!!巫女様、今年も来たっスよ〜〜!}

3番目の客がうるさい…。
1番目の客は終わったと言うのに…退席しない…。

◎うるさいな、俺もまだここにいる…えへへ♪◎

この調子だ。
警備員はまだなのか?
警備員が今年は少ない…。
去年は…。

[君たち、帰れ!]

とは言ってくれたと言うのに…。
2番目の客は見慣れた奴だ…。

「巫女様か…久しぶりです。
ほら、巫女様の前で君たちも失礼だろ…。
帰るべきだ、自分の居場所へ」

キセキだ…。
茶髪碧眼白人系クォーター背が長身…俺の友達だ…。

◎なんだよ?
おまえ、巫女様の知り合いか?
慣れ慣れしいんだよ。
巫女様、デレデレ♪◎

列1番目の客は帰らない…聞き分けが悪い奴だ…。
コイツが帰らないと、4番目が入りにくい・・。

一応、毎年…やって来るのがキセキとマナナだ。
キセキも一躍は買ってはくれてる…。
思えばそうかもしれない・・。
嬉しくはない。

『大人しく帰るべきでしょう。
汝に神のご加護がありますように』

俺の姿を見て…ウットリした顔をしてる男性客…。
気持ち悪すぎる…いかにもオタク風で…スポーツ帽子をしてTシャツだ。
何歳なのか分からない・・太い眼鏡をしてる。
とにかく男ってだけでゾゾっとする。
俺も正体が男だからだ…。

「巫女様、マナナは今年は…僕と一緒に来ないみたいで…。
僕の友達、タリアと付き合ったみたいで…。
今日も一人で来るらしくて…」

キセキが元気ない声だ…。
キセキは青いチェックの上に下は黒いズボン…割りと普通だ。
コイツは茶髪碧眼白人系クォーターで180cmで背が高い。
見た目が大きい分…ボディーガードとして役に立ちそうだ…。

『分かりました』

「僕の願い事を叶えてくれるでしょうか?」

『汝の願い事をどうぞ…』

「バイトの人がこっちに向きますように…。
こんな不純な願い事でも良いでしょうか?」

毎年、女からモテますようにと…キセキは願ってた…。
それよりはマシな願い事だ…。

『良いでしょう、瞳を閉じて…手をこちらへ』

いつもどおりのイメージで…力を与える作業をする…。

『終わりました』

「ありがとうございます…巫女様…。
少し勇気が沸きました」

『そなたはそこで待っていて良いでしょう』

「え?
どういう意味ですか?
僕がここで待つと言う意味は…」

一応、テント内にはソファーがあるが…。
しかし、3客までしか…入れない仕組みだ…。

どうするべきか…。
こいつは割りと役には立つ…。
実はつい立の後ろにはマナナがいるが…。
そこへは行かせたいと願わない。
今年は俺だけでこのクレーマーを対応なのか?
警備員は何故来ない?

『少し、御待ちを。
お客様』

◎はい、なるべく早く♪◎

1番目の客はまだ帰らないららしい…。
本当に…・クレーマーだ…。

「巫女様、僕もココで待ってろと言う意味でしょうか?」

キセキが瞬きをした。

『待っていてくださいね』

俺は黄色いつい立の後ろへ行った。
キセキはポカーンと待ってる。
黄色いつい立の先、寝室にはマナナがいる。

服を着替えたらしい…。今日はノースリーの無地の桃色ワンピだ。
オカッパの髪が…頬に張り付いてる…。
胸の谷間が丸見えだ…。
それから…尻が大きく、足もムチムチしてる…。
肉感的な体だ、くびれがある…。

床でゴロンとしてる…。
怠慢だ。

『マナナ、頼みがある。
キセキが来た…』

「来たの…」

『一緒に警備をして欲しい…。
あと…絶対、キセキへは俺の正体だけは話すな…』

「え?」

『他の客へもだ』

「あ、うん…」

『アイツ、役に立つ。
俺だけでは手におえない…。
お前も出来れば…客共の警備を頼む。
収拾がつかない、今年は警備員が何故か来ない』

「うん、わかった」

『巫女様とヤツの前では呼んでほしい。
バレルと俺は家族諸共路頭へ迷う…。
男性客を捌くほど、大変なこともない…』

今、つい立の後ろで音がした…。
信じられないことに…1番目のアニメ服を着たオタク風な客が…勝手に入って来そうだ。

それは困る…。
俺はミサの机へ戻ることにした。

「頑張って、私も行くから…」

俺は机中央に座った…。
向い合せ席には客がいる…。

キセキへ手招きした。
マナナは俺の右隣に座らせた。
6人テーブルだ・・・。
俺の隣に…あと一人座れる。

「マナナ、君はもう既に来てたのか…。
タリアとは来ないのに…。
君は一人で…今年は…」

『キセキさん、どうか…私の左隣りの席へ』

「え?
良いのですか?」

キセキが不思議そうな顔してる。
キセキの茶色い瞳…瞳孔が開いた。

「巫女様の警備を頼むわ、キセキ。
男性客は暴れて大変だから・・巫女様」

マナナは首を傾げ、肩揃えな黒髪を揺らせた…今日はノースリ薄桃色ワンピだ、似合ってると感じる。


「そうか…確かに巫女様の細い手足では…力が足りないな。
分かった、巫女様…僕が助力しよう…」

『…』

キセキは昔…そのまま幼稚園男子服姿で警備員の目を通過できて、ミサへ通った過去がある・・。
キセキは白人系クォーターで今でこそ、長身茶髪堀深色白茶眼な王子様スタイルとか女子から勝手に崇拝されて…俺は全然、面白くないが…。
昔は…茶髪色白な色素が抜けたような華奢で、成長が遅れて華奢だった…。

みんなが女子に間違えて…そのせいで…幼稚園時代はことごとく、女子から≪女っぽい!≫と言って苛められていた過去を持つ…。

それ以来、巫女様姿でも親交はあることにはなってる…。

「それにしてもマナナ、君は巫女様と友達になれたのか?
何故、君がそこにいる?」

「それは…」

キセキの質問にマナナが言いよどんだ、俺は隣で言い訳をする…。

『今年は警備員がいないので、私の絶対的ファンに頼んだだけです。
友達と言う訳では。
私はアラ人神、友達を作るような存在ではないので…』

{巫女様、お願い事しても良いッスか?
因みにそこにいる男は巫女様とどういう関係ッス?
めっさ気になるッス、俺のことは巫女様…どう思ってるッスか?
モロ可憐ッス、巫女様って〜〜♪}

次の客も変だ…。
青い半ズボンに”海”と漢字で書かれた白いTシャツ、金髪でツンツン頭…。
それから耳にはピアス…。
顔も焼けてる…柄が悪そうなイメージがする…目付きまで悪い…。

1番目の客がまだ帰らない…。
4番目の客が入って来れない…。

『ただのファンの一味ですわ。
世界中に私のファンならいますから。
さあ、願い事をどうぞ』

{紙に書いたこととは違うッスが…巫女様と結婚できるようにと言う願い事は?
ダメっすかね?}

『天罰が下るでしょう…汝に』

{そんなことを言わず…。
めっさ好きっスよ、巫女様}

「巫女様に恐れ多い、これだからムサイ男性客は…。
気持ちが悪いも良いところだわ。
帰りなさいよ?」

マナナが攻撃してくれてる。
マナナは前髪パッツンと親近感が沸く顔立ち…。
それからムチムチした手足にノースリーブ桃色ワンピ…。
肉感的な女性らしい曲線美がある体つき…まるで、天使だ。

「そうだ、どう見ても…ほら、巫女様は全身、鳥肌まで立って嫌がっている…。
君も分かるべきだ。
他に女性を選べ、僕でも巫女様だけは恐れ多くて、そんなふうには言わない。
他に目を向けていると言うのに…」

キセキはどうでも良い奴だが…今こそ、昔の恩を返す瞬間だ、キセキ。
一度、男性客に無理やり…抱き付かれたときは…死にかけた。
つい立の後ろにいる癖に…マナナは寝てたのか?
客は根性で引き離した。

モテすぎも困ったものだ。
気持ち悪すぎる…俺をアイドルかホステスか…何かと勘違いしてるらしい…。

{ちぇなんだよ。
つまんねえ。
じゃ、俺の収入がアップする願い事で頼むっス}

このミサ、早く終われば良い…。
そして、マナナと蜜月タイムを味わいたい…。

☆☆☆

『良いでしょう』

その時だった…。

外が騒がしい…。

俺は胸騒ぎがした…。

突然だ…机が動き出した…。

湖がボコボコ鳴ってる・…。

突然、外で…爆発音がした…。

☆☆☆

机で固まった…。

◎何だ?ふふふふ!◎

馬鹿なオタク風な客は確認しに、出て行こうとする…。

俺は止めようとした。

『騒がないでください…』

客たちが固まった…。

『大丈夫です』

◎まさか…テレビニュースで言ってたように爆発じゃねえだろうなぁ…。
萌え萌え戦士助けて!
ヘルプミー!◎

オタク風な見た目…キャラ帽子キャラTシャツ、白デブ眼鏡男は会話内容まで…変わってる…。

{違うっすよね?巫女様}

金髪の目付きが悪いピアス男が暴れ出す。


◎何なんだ?うひゃー。まさか、なのか?!!
萌えちゃんアタック!!◎

黒縁メガネの白デブアニメTシャツ、帽子を被ったオタク風男も暴れ出す。

『パニックにならないでください…』

と言うが…ミサが揺れてる…。
と言うか…外がどうなってるのか謎だ。
扉はしまった…。
爆風でだ…。
一瞬過ぎて…頭が働かない…。

パレードが始まってる筈だが…。

窓の外に…黒い服を着た人間の列が見える…。
邪神教集団だ。

{何っすかこれ?
ドッキリじゃ}

金髪ピアス男は地面を踏み鳴らした。

◎ウへひゃ---…。ちびるぅ◎

アニメオタク白デブ男は股をガクガク震えさせてる…。

「巫女様、何があったんですか?
僕は頭が働かなくて…」

茶髪茶眼長身青いチェックTシャツに黒いズボンを着たキセキも…混乱してるのか…泣きそうな瞳だ。
見た目はこの中で一番、まともなのに…頼り甲斐のない態度だ。

俺も働かねえ…。

「しっかりしてください。
えと…どうすれば
・…」

黒髪パッツン肩揃えなオカッパの髪をマナナは首を震わせ揺らしまくり…、胸元が開きまくり谷間が見えまくった桃色ノースリワンピ…に皺が入ってる…。


どうなるんだ?

これ?

何が目的なんだ?

やはり、テロか!?

自爆テロなのか?

☆☆☆

外から、声が聞こえる…。
演説をしてる人間がいるらしい…。

〈我々は邪神教の集団だ、邪神教は今やネットを通じて、勧誘を起こし…この国にまで勢力を伸ばしている…。
大人しく降伏するがいい…。
神からの裁きを下そう…〉

☆☆☆



箱を持ってる…黒い服着たヤツが…泉に…箱を置いた…。
そのまま逃げだそうとするのが見えた…。


危険な気がしてたまらない…。

◎俺は逃げる!外へだ!家に帰ってアニメ見る!◎

オタフ風の客が大声を上げた。

{怖いっす、何なんスか…これ?!}

金髪ピアスサーファー風の客は低い声だ…。

「巫女様、僕をお助け下さい!
ああ、神様・…」

茶髪茶眼長身なキセキは柄になく泣いてる…。

巨乳巨尻ノースリ桃色ワンピのマナナは…ガタガタ震えてる…。

恐れてたことが起きてる…。

どうして、今日に限って…警備員が来ない?
変すぎるとは感じてた…。
どうなってるんだ?
外は…。
携帯を確認する気にすらならない。
警察はどうなってる??


『みなさん、付いて来てください…』

投げやりだが・・。

俺は夢のお告げがあった…。
頭が働かない…。
これが夢なのかもしれないが…。
押入れに入ることにした…。


しかし、俺とマナナ、キセキ…あと2人も入れたものでもない・・・。
ギュウギュウづめだ。

ここは夢と違う…。

{苦しいっす…巫女様、助けてっす}

金髪ピアス色黒男は悲鳴を上げてる…目付きは相変わらず悪い…。

◎うひゃああ、この世の終わりだ!◎

アニメ帽子Tシャツを着た、黒縁メガネ白デブは甲高い声で踊り出した。

「僕はまだ死にたくない!助けてくれ!僕はまだ童貞だ」

茶髪茶眼長身男、キセキが本格的に泣き出した。
知らなかった、キセキはモテるのに童貞だったらしい…。
どうも本命に操を立てる良い奴だったらしい…。
今まで偏見で悪かった…。

{俺も女も知らねえっス!
死にきれねえっス}

今日来た客はいい年してるように見えるが…そこはどうでも良い。

◎俺の彼女は二次元だ!
 萌え萌え戦士だけだ!!!
 悲しくなんてない!
 自宅に帰るんだ!!

 巫女様、俺と付き合って!

 アアア。

 分かった、そこの桃色ノースリワンピな女でも妥協しよう!
 喜べ!
 
 黒髪オカッパ女でも許してやる!◎

そこの女とはマナナか…図々し過ぎるが…。
しかし…それどころではない…。

「静かにして!
居場所がばれるわ!…」

マナナは怯え狂ってる…。

『…』

俺もだ…。

その時だ…。

押入れの後ろはレアメタル柱とは聞いてたが…。

押入れに…鍵穴がある。

これは初めて知った…。

敵が向かう音が聞こえる…。


その前に…鍵穴に…俺が持つ鍵を入れてみた…。

その途端だ…。

驚いたことに…。

押入れごと・…地面が急速度で落下する。


{ぎゃあああ!しぬっす}

◎頭、いってえええ!◎


「何なんだ!!
僕はどうなるんだ!!
神様っ…ウウ」

「何なの?えええ!!」

『…っ』

全員がパニックだ…。

押入れが…とにかく…動いてるらしい…。

落下したり…左右に行ったり忙しいのは分かるが…。
ひしづめ状態だ…。

どこへ向かうのか…。

これは…何なのか…。

俺は死んでるのか?

{開けてみるっス!!
外、気になるっス!!
苦しいっす…巫女様、助けてっす}

馬鹿なチャラそうな金髪ピアス男性客が開けた…。
風がびゅんびゅん吹く…。

◎馬鹿、止せよぉ、うひゃあ…◎

マナナのパッツン前髪肩揃えな黒髪が風で上がって、オデコ全開になる。
同時に、マナナのノースリ桃色ワンピのスカートが風で思いっ切り上がって…。
全員にムチムチな脚とパンツが丸見えに一瞬なった・…。

「ちょっと、止めて!」

マナナが桃色ノースリワンピのスカートを手で抑える…。
パンツ、履いてて良かった…マナナは性欲魔人で…ノーパンの時もあるらしいからだ…。
今日は赤い紐パンだ…ラインがきわど過ぎる…ほぼ半ケツだった。
風がきついせいでヘソまで見えかけた…。

「何だ、これは…僕はどうなるんだ!?」

『…………・…』

キセキも客2名もマナナのパンツを見ただろうが…誰も突っ込まない…。
それどころでもない、外が…猛烈な風だ・・。
一度あけると…閉めるのが大変だ…。
と言うか…扉の外へ落下したら…死ぬだろう…。

俺の金髪ロングな髪も…揺れまくってる…クラゲどころでもない…。
突風のせいでだ…。
壁にへばりつくのがやっとだ、一応、マナナだけ庇ってるが…。
マナナは自分のパンツを必死に隠すため、桃色ワンピのスカートを手で抑えてる…。
そのせいで…壁に引っ付けないからだ…。

俺のスカートは裾絞り水色マーメードドレスロングなお蔭で、風には揺れるが、パンツは見えない…。

今は…赤い紐パンが見えることより、命なのに…マナナには乙女心が発動してるらしい…。
露出狂な癖して見られるのは余程、恥ずかしいらしいが…背に腹は変えられない…。

全員、必死で声すら出ないらしい…。

地面が小さく見える・・・。
ヒュンヒュン…移動してる…。
速度どれぐらいなんだ?
これは…。

布団収納用の灰色倉庫の下にレールがあるらしい…。

俺も謎だが…。
ここは地下世界らしい・・。
地下にあるコンドラのようだ…。

俺から発光する青い強烈に明るい光だけで…視界が分かる…。

地下施設らしい・・・。

押入れが止まった…。

ブロック状金属の線路を押入れが…渡り…終わったらしい…。

その先に…白い扉が見えた…。

「何なの?
この扉は…」

マナナの目が泳いでる…。
今日は桃色袖なし無地ワンピドレスだ…。
胸元が開いてる…黒髪は通常通り、肩揃えだ、さっきまでデコ全開で髪が乱れてたが…元に戻ってる…。

{何だ、何だ…何っすかこれ?}

金髪ツンツンした髪の空気を読めなさそうなピアス男は…青い半ズボンに”海”と習字で描かれたような白いTシャツだ、
体を乗り出してる。

◎さすが巫女様だ、俺は期待してたぁ!!◎

デブにスポーツ鞄、スポーツ帽子…アニメ萌え子の白いキャラものTシャツを着た、いかにもおたくな…黒い髪の短髪剛毛男がぴょんぴょん飛び跳ねてハイテン ションだ、腹がTシャツから時々、覗いてる…。

「僕は…もうどうすれば良いんだ…」

茶髪碧眼長身なキセキは…青いチェックのTシャツとジーンズでマトモそうだが…泣いてる…Tシャツの腕裾は濡れてる。

俺は華奢な金髪碧眼美女に変身して…水色の丈が長いマーメイドドレスを着た妖精だ…。
時々、忘れて男言葉を使いそうになる…あまりにも混乱しすぎてだ…。
今、強い水色に包まれてる…。

『…』

少し、夢とは違うが似てる光景だ。

扉を押してみた…。


タリアB


小説目次

タリアD








inserted by FC2 system