アナタノコトガスキデス

萌え妄想のまま走るいろいろ創作小説の予定。苦情無断転載禁止。

ゼロB






記憶が押し寄せてくる…。
オレは鮮明に思い出せる…。

ミルルと会った時のことをだ…。

もう段々、現実と過去の記憶…その差が分からねえ…。
薬よりもオレはこのまま、記憶へ沈みてえとも感じる。
邪神国は地獄だからダ

☆☆☆

オレは学力優秀高校への留学生として派遣された。
理由は…泉の巫女と…異能マナナとの関係性を調べろってこった。
友人と言う噂が…ターシャ村全体で…流れてるらしい…。
泉の巫女とはターシャ国では…神童とも崇拝されてる存在らしい…。

---キンコンカンコーン、キンコンカンコーン。
2限目です…----

*今日、この学級に新しいクラスメイトがやって来ます☆
仲良くしてやってくだたい。
ほら、恥ずかしがってないで来てくだちゃい…*

アニメ先生と言う名前らしいが・・・。
オレンジ色の髪に染めてるのは…オシャレなつもりらしいな…。
あと、オールバックで…ピンク色のワンピだ…。
喋り方が変だ、ターシャ国の教師は…オレの国の教官とは大違いも良いトコだぜ。

一応、異能マナナの写真なら戴いてる…。
そこの方角は見る…。
ヤツと巫女の関係性をオレは探る気ダ。
それが目的だった…。

【印度ゼロと言う名ダ。
亡命者ダ。
ヨロシク・・・】

Uうわああ、エキゾチックやわ。
キセキくんは王子様って感じやけど、こういうのもウチ、ええわU

||そうね、外人って言うのがツボね…。
それにしても…何人なの?||

≪ミルル、キセキさん、一筋だけど…たまにはいいかもね?
本当、ミルルのクラスメイトはダメなのばかりよ?
取りあえず、この留学生、顔は通過ね?≫

---≪ミルル、ゼロさんが気に入ったわ。
  ゼロさんと結婚しても良いかもね?
  キャ、イケメン≫---

その瞬間…何故か、ミルルっていう人間の声が…脳裏に聞こえた。
ゼロの妹ダ。

---<ミルルか…。
 まさか…僕の妹なのか?
 ゼロ…。
 似てないかぁ。
 ミルルの顔…。
 僕の顔に…>---

(ああ、そうだ…。
眼鏡を外せば…クリソツだ)

オレは少し固まった。
初めて…オレの内部にいるゼロとの意見が一致したからだ…。
これは珍しいことダ。

奴は・・オレが追跡すべきターゲット…マナナの後ろ席だ…。


*それでは印度くん、開いてる席へすわってくだたい。
ないから今日は特別に用意しまちた。
一番前の中央席です、嬉しいでしょ?*

[キセキだけでも敵だったのに…また敵が増えるのかよ?]

[って言うかミルル、譲れよな]

[まあ、タリアには落とせないに決まってるが…]

[誰だよ、アイツ…。
って言うか何人だよ?
あの目・・コンタクトか?]

オレは指定された席…教壇近くの中央最前列へ着席した。

---≪キャ、一目惚れだわ。
   ミルル、ゼロさん…良いわ♪
   絶対、ミルルが落とすから≫---

何故か・・・脳へ声が直接、聞こえてくる…。


---<僕の妹だ、絶対そうだ…♪
  しかし、僕と同じ歳だ…。
  まさか…ターシャ国で生まれた精子バンクの子なのか!?
  似すぎてる>---

頭の中でうるさい…。

---≪ミルル、ゼロさん…好きよ≫---

---<凄いな、君は僕だけじゃなく…僕の妹にまで好かれてる…。
  君なら良いだろう…僕の妹をやってもだぁ>---

(うぜぇ)

確かに…ゼロに似てる…。
目鼻立ち…配置…顔の大きさ…。
肌の色…体型まで…。
13歳ぐらいのゼロに似すぎてる…。
だが…決定でもねえ。

---<ゼロ、君は僕の妹を気に入ったのか?>

(どうでも良い…オレは恋愛など興味もねえ…)

走竹馬のように人生が流れる・・・。
幼少時代、散々…扱き使われ…男娼として生きた歴史がだ。
オレの心は闇だらけだ。
いつから心が分裂へ向かってるのか…分からない…。

特に助けたゼロが亡くなり…それを食べた日を境に錯乱が続いてる…。
その後、初日の授業での死刑犯罪者への射殺授業…。
血なまぐさい日常…。

だんだん…記憶が飛ぶ瞬間すらある…。
誰とも交わる気にならねえ。
人格が…壊れてるのを押し隠して…生きている…。
バレレバ…用済みとして・…オレは処刑だ。

自覚がある…そこが救いだ…。
人に話せば…オレは牢獄行きどころで済まねえ…死しか待ってねえ。
政府にガス室送りだ…。

まだ平常心がある…しかし…いつの頃からか…。
癒しを求めて…心に別人格が故意に現れてる…。
オレは毎晩、鏡に向かって・・・ゼロと会話をしてる…。
邪神国での癒しはこれだけだからダ。

---<僕は気に入った。
  絶対、僕の妹だ。
  君はミルルを調べるべきだ>---

---≪ミルルのこと、調べてくれるの?
  嬉しい…ゼロさん、好きかも≫---

(ウゼエ奴らダ…)

幻聴であることも自認がある…。

しかし、このままにしてる…。
ラジオだと鷹を括ってる…。

オレの教育係…シッターのように…ボロを見せる訳にはいかねえ。
心が崩壊へ進んでる…。
いつ壁燐が出るのかと怯えながら…身を潜んでる…。


☆☆☆

4時間目の体育…。
オレは誰よりも足なら速い…。
平和ボケした民に驚かれたぜ。
まあ、当たりめえだ。

Uどうしたん?
ミルル、死んだふりしても助けてやらへんでU

||まあ、どうせ男達への点数稼ぎでしょうけど…||

「ミルル、どうしたの?」

≪ちょっと眩暈がしただけよ、大丈夫だから≫

---≪もちろん、ゼロさんに点数稼ぐためでしょ?
  ミルルはゼロさんが良いんだからね!≫---

何故か…聞こえてくる…。

---<僕も歓迎だ、きっと…ミルルは僕の妹だ>---

頭の中でゼロが喚起してる…。



「ミルル、大丈夫?」

マナナがミルルへ近付いていく…。

[ミルルが倒れたらしいぞ]

[俺たちが運びに行くか…]

[いや、それはさすがに丸わかりだろ…欲が…]

[どうせ、タリアは声掛けれないし…良いんじゃね?]

≪元気だから、大丈夫よ?
アンタは邪魔よ、マナナ!≫

---≪ミルルは体育の時間、絶対出て…ゼロさんにアピールするんだから…。
  ミルルの初恋はゼロさんなんだから…≫

---<良かったな、共学は僕…大好きだ。
  君にもやっと青春が来そうだな>

頭の中で声が喚いてる…。

[点数稼ぎなんでしょ?]

「先生、私…ミルルを保健室に連れて行きます。
私、授業抜けても良いですか?
ミルル一緒に歩こう」

≪いい迷惑よ、マナナに送ってもらうなんて…≫

---≪ミルルはゼロさんに送ってもらうんだから≫

---<妹は積極的だな…君はどうする気だ?>

(オレはどうでも良い、任務をこなすだけダ)


「ミルル、友達なんだから私たち」

≪ミルルはマナナなんて友達って認めてない。
私の幼馴染はキセキさんだけ≫

---≪もうキセキさんなんてどうでもいいわ。
  ゼロさんに傾いてるわよ?
  ミルルは≫

---<ゼロ、良かったな>

(オメエがゼロだ。
オレはNo.6688ダ。
関係ねえ)

「私はキセキとミルル…あと私の3人で幼馴染って思ってる…。
私が送る」

---美しい友情だ。
行って来い、任せた異能---

「はい、先生」

「ミルル、行くわよ」

≪ミルルはアンタと違って運動大好きなのよ?
勘違いしないで…≫

マナナがトンと押すと…やっぱりミルルはふらついてるのが分かる…。

---≪ミルル、弱い女なの…誰か介抱してほしいな?
  ゼロさん…ダメかな?≫

---<ミルルは素直な女だな…さすが、僕の妹だ>

頭がずっとうるさい…。
今日から…また一人…オレの中で住人が増えたらしい…。

(良い迷惑だ…オメエも…、オメエの妹疑惑なヤツも…。
 オレの心を占領する能力があるらしい…。
 オメエ達には…特殊技能があるのかってんだ…)

---<まあ、怒るな。
  僕は住人が増えて嬉しいなぁ♪
  女の子がいる方が癒されるぅ♪>

(うぜえ)

「ミルル、行った方が良いと思う…。
私のために行こう…」

≪マナナのために行くなんて最悪だわ≫

---≪ミルルはね、ゼロさんのために行くのよ!
  マナナなんてお呼びじゃないわよ!≫

---<僕の妹だ…僕はうれしい、家族に出会えてる!>

(オメエ達はうぜえ…)

「ミルルって最近…昼ご飯食べてないけど…いつ食べてるの?」

≪うるさいわね?
分かったわ、保健室に行くから黙りなさいよ…≫

---≪ミルルはね、ゼロさんが良いの!
 今日からゼロさんと一緒に暮らすの!≫

---<僕は妹と暮らせるなんて♪
  幸せだぁ♪
  いいだろう?
  ゼロ?>
 
【チッ…興醒めも良いとこダ】

舌打ちもしたくもなる…。
ゼロだけでも大変なのに…また、頭がいかれてる…。

[ミルル様を送るのは俺だ]

[ミルルちゃんは俺のモノだ、邪魔だ、どけ]

[何を言ってるんだ、ミルルさんは俺が送り届ける…ついでに触りまくる]

☆☆☆

≪どうせ、あんた。
今日もミルルの弁当食べるでしょ?
食べないなら捨てるわよ≫

「ミルル、倒れたんだから・・食べた方が…」

≪食べないなら、捨てるわよ?
今…≫

「ダメよ、ちょっと待って」

慌てて、オレが追跡しなければならないターゲット…マナナがキセキの方へ走ろうとした。

---≪ミルル、ゼロさんが良いな…≫

---<僕の妹だぁ♪>

何故か頭の中で…死んだはずのゼロが喜び、そこから新たな住人がいる…。
オレのいる教壇中央に近い席へ向かってきたマナナと目が合った。


「あの…そこ、通してくれる?」

【学食行くカラ】

「そう、今の会話…聞いてた?」

【本当にターシャ国は平和ボケしてる。
そこの女、骨と皮だ。
オレの国もそうだ、全員死んだ。
そこの弁当、やれば何人…生きれたか…。
そこの女、弁当は舐めてでも残すな。
食えなくなった瞬間、オマエは死を持って後悔するだろう…】

オレは相当怒ってる…。
ミルルの方を睨んだ…確かに…ゼロが言う訳でもないが…似てる…。
茶髪の長髪は・…違う…それから眼鏡も違う…線が細すぎる女性の体だ…。
ゼロは同じ邪神国としては白めな肌…痩せぎすな体躯、黒髪ストレート…眼鏡はなかった…。
将軍様は…浅黒い肌、眼鏡なし…チョビ髭…筋肉質…痩せすぎではねえ…。

---<まあ、怒るなぁ♪
  絶対、妹だ…大目にみてやれよ♪
  父より僕に似てる…ミルルは♪>

---≪ミルル、ゼロさん好きになったかも。
  結婚したいな…≫

---<ミルルは君が気に入ったらしい…。
  僕もきっと君と異性なら一目惚れだった♪
  熱視線だ>

(うぜえ…どうでもいい)

「これからはゼロって呼んでいいかな?
なんか印度くんって変な名前だね。
芸名みたいで」

【…】


☆☆☆

---<僕の妹だ、君の青春だ♪
  僕は気に入った♪
  ターシャ国って良いところだなぁ♪>

---≪ミルル、ゼロさんが良い、気に入ったわ≫

頭がうるさい…。
一人増えた分…余計にだ…。
これは1週間ぐらい前の記憶らしい…。
よほどうれしかったのか…何回も思い出してるが…。
時々、現実と妄想がごちゃ混ぜになりそうになる…。

その時、一応、軍から支給された携帯にて連絡ならした…。

〜将軍様の偽造経歴に引っかかり…ターシャ国でも精子バンクから娘が生まれた可能性がある…〜

しばらくして…即レスがあった。

〜少し詳細に調べろ。
 事と次第によっては…一大事でもある…。
 容姿は…将軍様に似てるのか?五体満足か?健康状態はどうだ?〜

軍の上層部からだ…。


〜健康状態は良好だ、容姿は一目瞭然レベルに似てる…〜

返信をした…。

即座に…メールが来た…。

〜将軍様は自分の容姿に似て…五体満足で健康な子供を望んでらっしゃった…。
 ただちに、調べ上げろ…。

 それと、もし将軍様の子供であった場合は・…。
 近々、開催される…ターシャ祭りのパレードで起こす予定のクーデターで怪我をしないように警備しろ…。

 調べた結果をこちらへ回せ…。
 話はそれからだ。
 もし、将軍様の子供であった場合には、この件を私が将軍様に取り次ぐ、ウホホホホ〜

オレは一応

〜了解〜

と送信をした。


---<君は父を探しに外国へ飛んだんだな…。
  君の母さんは残念だった…空爆で…10年も前に死んだらしいな…。
  1年前の調査で…僕も見た>---

(オレが調べた街がそうだった…どうでも良い話ダ)

オレが1年前・・・16歳で指令され、ヘリで空爆を落とした街…あとから知った…。
幹部から聞いた…その町で…オレは拾われたと…。

オレの母は…。
幹部も名前を聞いてねえが…家なら教えてもらった…。
行けば…何もなく…枯れ野原だ…。

仲間へ尋問かけて…住所だけ付きとめ…戸籍標本取れば…。
母にはオレと歳が近い子供が夫との間に5人はいたらしいガ…。

邪神教のオアシスを巡る利権問題で…そこは反乱を起こす街として…。
潰した…。
もういねえ…。
後の祭りだ。

オレは生まれてこの方、母に捨てられ…将軍様に拾われ…ある時はストーリートチルドレン。
有能と判断されたのちは…軍へ進み、政府の必殺仕置き人などで扱き使われてるが…。
お蔭で将軍様の側近へと近づきつつある…。

その間、無能と判断された仲間は臓器移植へ売りさばかれたり…自爆テロへ回されたり…。
邪神国で…捨て子の末路は大抵、悲惨なことを目撃してる…。
墓すらねえ。

---<君は家族が欲しい筈だ>---

(もう隠し子ぐらいいるかもしれねえ…。
 なんせ散々、14歳ぐらいまでなら男娼ならした…
 売り子もしまくってる…)

---<悲しむな、昔は忘れろ…。
  君は家族がいると知れば喜ぶか?>---

(どうでも良い話ダ。
 関係もねえ)

---<いや、君は隠し子でも救い出すはずだ…。
  将軍様もきっと、ミルルを大事になさるだろう…>---


(オメエはミルルをどう思う?)

---<妹確定だ…。
  しかし、邪神国へ送るのは反対だ。
  君からも将軍へ誘導するべきだ>---

(オレは長生きがしてえ…。
他人には無関心ダ)

---<ミルルは僕の妹だ、絶対に命に代えても僕は救う…。
  僕の勘は当たる>

頭の中で…会話が続く…。
オレの顔は無表情だ…。
外で・・・狂気を悟られる訳にもいかない…。

(オレには重荷ダ)

---<僕がする、君は眠れば良い…。
  君は頑張り過ぎてる…。
  それにしてもターシャ国は楽園だぁ♪
  僕はこの国、ダイスキだぁ♪>---

(オレはどこも好きになれねえ、畜生めが…)


☆☆☆

…ターシャ国で教育を受けるにつれて…頭が痛くなった・・。
偽善者だらけの集団だ。
オレが自国にいれば…全員、通報して、ガス室送りにならなければならない…大罪人ばかりの集団だった。
感性が…全く、オレとターシャ国民とでは違い過ぎたからだ。

長年、受けた教育とは恐ろしいモノだ…。
全員が…神の大罪人、偽善者…モンスターに見えて仕方ナイ…。

☆☆☆

オレの国で拒食症なんて存在しねえ。
あるのは栄養失調児ダ。
オレの国でモテる女と言えば生命力にあふれて健康的で強い女とされてる。
長生きが難しすぎる世界でもあるからだ、あまり顔のパーツより…何故か、強いのがモテてる。
弱い女は確かに…10歳までで他界シタ。
何人、見送ったか…分からねえ…。


国民平均年齢17歳…オレですら到達した。
0〜1歳の間に…ほぼ死ぬ。
栄養失調、先天性エイズ、臓器転売…理由は色々ダ。
平均出産年齢もそれが理由で14歳と若い。
生きれるのは将軍様のコネがある家系だけ…。
将軍様には奥様が何人いるかしらない…子供もイル筈だが…何故かあまり似てない息子ダ。
将軍様には似てない、だからこそ…将軍様は愛情を子に注げていないラシイ…。
DNA鑑定は一応シタ。
一人は将軍様の子ではなくて奥様ごと公開処刑された。
すぐにバレル世界ダ。
残りの3人の息子は…確かに将軍様の子ダ、しかし…似てなさ過ぎてる…今のところ…。
似てないから、整形手術までしようかと…政府内では出ている。
その方が国民を洗脳しやすいからダ。

将軍様の子が…奥様と愛人で出来た子供だと噂されれば困ったどころの騒ぎでもネエ…。




☆☆☆

オレは放課後…ミルルが精子バンクを依頼した病院へ侵入して…書類のファイルを奪って来いと…命令を下されてる…。
バレれば牢獄行きだが…毎回、こういう任務ばかりダ…。
お蔭で有能と判断されて命は食い繋げてはイル。

裏口から…病院の病棟へ鍵を外して、深夜12時侵入スル…。
そのあと、ピンク色のファイルに…アイウエオ順で倉庫に並んでる。
探すのは割りと得意だ、すぐに発見し、過去のファイルを読ム。

---<ミルルが僕の妹か調べるのかぁ?
  僕の勘は当たってる…ドンピシャだ♪
  それより君は遊ぶべきだ>

---≪ミルル、ゼロさんとデートがしたいな≫

(うぜえ奴らダ)

オレの頭はふいに…音が聞こえる…。

監視カメラの死角は…部屋に入ってすぐに、確認スル。
手に持ってる…機械…これがあれば、何とか…機械感知は出来る。
機械が反応する位置に…だいたい、監視カメラがある筈ダ。

見回りが来る前に…音なしの夜用カメラで撮影だけスル。
月明かりにも見れば分かる…。
ターシャ国精子バンク20000843から提供…。
あとは、この会社へ更に調査しなければならない。

☆☆☆

ついでに精神病に効く関係な薬は根こそぎ奪った…。

---<それは薬か?効く訳ないだろう?僕たちは仲間だ!飲むなよぉ♪>

---≪ミルルもココにいたい、ねえ?ダメなの?≫

(うるさすぎて…仕事にならねえ…。黙りやがれ糞が)

オレは水なしで適当に3つ飲んだ…。

---<良いのか?
  勝手に飲んで?>

---≪ミルル、ゼロさんのこと…諦めないから…。
  ミルルはゼロ、気に入ってる!
  愛してる!!≫

あとで…尋問されれば…これは毒殺のために使う薬だと言い訳をすれば良い…。
お蔭で寝れねえ…。
今日からまた一人…増えやがった…。
どれが効くか知らねえが…飲み比べればそのうち良い筈ダ・・。

髪一本から調べた方が効率的な気もするが…髪をミルルは染めてる…。
いろいろ調べにくそうだ、ファイルは戻し…。
見回りが来る前に…。
窓を開けて…。窓の外から…下へ…壁はよじ登って、帰る。
これも昔から得意だ…。

別に高層ビルレベルは登れる…。
滑り止めの手袋さえあれば、身体能力だけは長けてる。

☆☆☆

ひたすら・・帰り道を走り急ぐ…。

いつの間にか…静かダ…。

確かに…飲めば…数時間もしねえうちに…。
ゼロの声も…ミルルの声すら消えた…。
今日はやっと安眠が出来そうでもある…。

と言うことは…ゼロはオレに憑り付く幽霊ではなかった…。
ミルルの声が聞こえた今日…変だと確信へ近付いた…。
それがなければ、病識を持てなかった筈ダ…。

☆☆☆

20000843…。
暗記はした。
メモは一応する、ミスがあれば…処刑ダ。
また…侵入しなければならない…。
精子バンクの会社へだ。
しかし…この精子バンクの会社名から…照らし合したとこ、勘ではやはり将軍様ダ。
将軍様が昔したところの会社と同じダ。
もうほぼ確定の筈ダロウ。
物を盗めば…あとが付く。
深夜に侵入するのが鉄則ダ。

この病院にも邪神教徒の事務員…バイトとして侵入してるスパイがイル。
オレより年齢が上の女性だ、何とかこういうことが出来る分、自爆テロの役目から外されたラシイ…。
表の顔は…事務員、裏の顔は…邪神教徒の軍事医師だ、パレードの日…将軍様に傷が付いたとしても…。
この方が、治療をなさるだろう…。
その前の予備調査が、ここで行われてる。
文明はどの程度、進んでいるか…あと、病院の見取り図などダ…。
こう言う雰囲気で…何名か…いろいろな場所でスパイをシテル。

しかし…お蔭ですぐに病院の地図が分かったから楽ダッタ…。


☆☆☆

自爆テロの役目にまわされるほど、恐怖もない。
あれは死ねと言う意味だ。
数日前から精神が可笑しくなるのを防ぐため、麻薬を打たれて…精神的に変にされて・・・。
オマエは神のために向かうのだ、神から送られた使者なのだと洗脳され…ボロボロになったところで…向かわされる。
オレですら不憫とも思う瞬間もあるが…血は凍らせないと生きることは大変だ。
感情は切る…。

一度、自分の兄弟がそれに抜擢されて…反抗したオレの友人は…殺された。
オレには兄弟がいない分、楽かもしれない…。
天涯孤独で逆に良かった、天に感謝してる。

友人なら向かったこともある。
友達は作らないに限る、もう学習してる。
この国でも作る気はない。
あまりにも思考回路が違い過ぎて…交わることもないだろう…。

お蔭で…今日は12時に侵入するまでは寝てた。
借り住まいへ戻って寝ることにしよう。
近所にある普通の借りアパートだ。


ゼロA


小説目次

ゼロC






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