アナタノコトガスキデス

萌え妄想のまま走るいろいろ創作小説の予定。苦情無断転載禁止。

タリアA 



金曜日だ。
昨日はミサで泊まった。
朝食も弁当で済ませたし…。
昼はカンサイがいると言う噂のメイド喫茶へ行こうかと思ってる…。

『今日はカンサイがいるメイド喫茶へ行くんだよな?』

「うん、カンサイのコスチュームかわいいんだよ?」

『どんな店なんだ?』

「ここから外れた繁華街で…近所には飲み屋とかもある遊楽街。
カンサイ、いつも頑張ってる…。
ハートマークの壁で割りとオシャレな店で…屋根に…十字架とターシャ教のお面が乗ってる…。

館内も綺麗だよ?」

『そうなのか…』

「コスチュームがフリフリで可愛いよ」

『そうか…』

興味は沸いてた…。

『じゃ、行くか…』

「うん・・えっと…。
ミサの外を出たら…タリアは元に戻るんだよね?」

『当たり前だ』

「そうだよね…。
カンサイ…どんな反応するんだろう」

それは知らない…。

☆☆☆

赤いテントの電灯は消し、それから…首から掛かった鍵付きネックレスでドアを施錠をする。
関係者以外立ち入り禁止の泉に走る白い橋を渡れば…その先に青い着替え用のテントがある…。
今日も…泉ではタコ2匹が仲良く背泳ぎしてる。

☆☆☆

青いテントへ侵入し、着替える…。
白いドレスは脱ぐ…。
そこに映るのは強いオレンジ光を発した…髪が長い金髪碧眼女性だ…。
時々…自分がこの姿に変貌してることを忘れかける…。
絶対、ボロを出してはダメだった筈なのに…とうとうマナナに暴露した。
母親にバレルと特に怖そうな気もする。

青いテントに…俺の服がある。
普通のチェックのtシャツだ。
これがとても楽しみにしてた。
デートだ。

マナナは私服だ、赤い肩出しの前開き服…黒いミニスカートに生足…。
太めの黒ベルトでウェストを絞ってる…割りと露出がある服だ。
鞄は黒く大き目だ、あそこに下着などが入ってるらしい。

☆☆☆

「もしかして…これってデートなのかな?」

青いテントから更に進んで…それから俺が元の姿に戻ったところで…。
マナナが上目がちに瞳を泳がしてる。

『そうだろう』

「そうだよね…」

エロスばかりもだが、たまには普通にデートもしてみたい。

手は繋いでみたいのだが…。
マナナは勝手に先へ進んでる。

オカッパ黒髪の下に…マナナの細い首筋、うなじが映った。
手は繋がない方が良いのだろうか?
ここら辺はちょっと切ないかもしれない。

ミサの近辺にはバスがある。
そこでマナナが立ち止った。
カンサイの勤めるメイド喫茶へ行く交通手段は、どうやらバスで行かなければならない場所にあるらしい。
暫くして、犬イルカ状に塗装されたオレンジ色のバスがやって来た。
観光として、バスもデコレーションされてるのが時々来る。
犬イルカはターシャ自然公園ではマスコットアイドル的存在だ…あまり人に懐いてはくれないが…。
バスへ乗車する時に、マナナからおねだりされた。

「タリア!
私の分の交通費ぐらい払いなさいよ!」

可愛くおねだりではない…ちょっと怖い。

『え?
俺がなのか?』

「払いなさいよ!
男でしょ!
ふんっ」

仕方なしに払うことにした、バスは前払いだ。
突然、機嫌が良い…。

「わあい♪
ありがとう」

最初から礼を言うつもりなら、もう少し可愛く甘えてくれればいい気もするが…。

それにしてもまだ手を繋ごうとは言ってこない…。
取りあえず、バスの値段は200タ$だ、合して400タ$だ。

「帰りも払いなさいよね?」

何か、可愛くない…。

『帰りもなのか?』

「お願い、タリア…」

目が泳いでる。
溜息を吐いた。
俺は機嫌が良いし、仕方ない…。
マナナは俺の隣で景色を見詰めてる…。
何か、良いようにつかわれ始めてる気がしてたまらない…。
気のせいなのか??

☆☆☆

遊楽街へ着いた。
時間にして20分ぐらいバスに乗ったと思う…。
館内もオレンジ色のバスだ・・どことなく犬イルカ臭が漂うバスだ。
これは時間帯によって乗れる。
窓の外から海が見える。

あまり、ここら辺は来ないかもしれない…。
市内循環バスではない、今日のバスは港町行きのバスだ。
遊楽街は危険で学生は立ち入り禁止と校則がある。
それから校則では男女交際も禁止だが…全部、こっそり破ってる。
カンサイもここでバイトをしてるし、同罪だ。

☆☆☆

クラスメイトのカンサイが務めるメイド喫茶はこの辺らしい…。
そろそろ手を繋ごうと言おうかと思った。

『マナナ…手は…』

「え?
そんなことしたら…ムラムラしちゃうでしょ?
耐えてよ、タリア」

そうなのか?
目をパチクリとした。

「ほら、あそこがカンサイが務める、メイド喫茶よ」

可愛いこじゃれたお店だ。
屋根がピンク色でオレンジ色のメイド喫茶と言う看板が屋根に掲げられれる…。
それから屋根の上には黄色い十字架とそこにターシャ教の鬼面…右半分が笑顔、左半分が泣き顔で出来たシンボルが十字架の真ん中にある。
壁は黄色く、ハート形の赤い装飾が施されている。
ドアは赤く、ドアノブは水色だ…。
かなり奇抜な屋敷だ。

店へ入った。

[いらっしゃいませ、御主人様♪]

[いらっしゃいませ、御主人様♪]

[いらっしゃいませ、御主人様♪]

数名の女子が入った途端、頭を下げる…。
いろいろな種類のメイド服を着たメイドさんがいる。
こう言う店って初めてだ…。
いろんな客がいる。

男性だけじゃなく女性客もいる。

「おしゃれな店でしょ?
コスチュームも割りと可愛くて」

『ああ…』

U来たん?
帰ってや?…。
ウチの店の邪魔やで♪
でも、注文だけはいっぱいしてやU

カンサイは髪型は常と同じ黒髪ツインテールで水色のフリフリメイド服だ。
カンサイの華奢で低身長なロリ体型に店の制服は若干、ブカブカだ。

「ココのメイド服も日によって違うのよ。
今日は水色なのね。
タリア、もちろん…奢りなさいよ?」

ちょっと可愛くないぞ、もう少し…甘えて言えないのかコイツは?

『分かった』

何か良いように扱き使われてる…。
可愛いとも思ってはいるが…。

Uまあ、ウチ…キセキとマナナが撲滅して嬉しいわ。
トリマ、祝ったるでU

「え…えと」

Uそれにしても月神くん、マナナにたかられてるねんな…。
まあ、仕方ないわ、モテへんから。
マナナ、頑張ってコイツでも捕まえとけや。
ウチはゼロくんかキセキくん狙いやわ、さすがに奢ってもらっても月神くんはありえへんわ…U

猛烈に言いたい放題だ。
何故か謎だが…俺は永年、モテない運命に生まれてる。
キセキが猛烈にモテまくってるのに反して、俺は巫女姿でターシャ祭の時、鏡へ向かって…『モテますように』と祈祷したせいなのか…力が反射したのか、何 なのか…と疑うレベルに女性受けが悪すぎてる。

正直、ぐれてしまいそうな域でもある。
思っていても心の中で留めて欲しいと願う、ここまで俺ほど言われたい放題な人間もいるのかと感じるレベルだ。

確かに、カンサイは誰にでも平等にこんなノリなヤツだが…食べに来てまで、これは酷い。

「えっと…最近、少しはタリアを見直しているって言うか・・」

勝手に本気で言いたい放題だ…。
ちょっと怒ってる。

Uまあ、機嫌なおして買って行ってや、ご主人様…U

メニュー表を見た。
メロンの木ジュース600タ$
トマトの木ジュース400タ$
オムライス1000タ$と書いてある…。

Uこれがウチの店の看板メニューや。
そうやな…。
メロンの木ジュースとトマトの木ジュースとオムライス2皿でどうや?U

「タリア、良いの?」

勝手にメニューが組まれている…。
俺が払う話なのに…選ぶ権利すら与えられていないらしい…。
これがモテない男の世界なのか??

『いいだろう…』

持ってきた小遣い、足りるかと一瞬思った、大目には持ってきてるが…この調子でたかられまくる気も一瞬、した。

「わあい♪」

U太っ腹や、ご主人様…。
お礼にウチおどったるで、略して猫猫踊りやU

別に踊っていらないが…カンサイは猫のように踊って手を招き猫のように動かして…

UニャアU

と鳴いた…。
首を振って、頭の頂点から垂れた黒髪ツインテールを猫の耳みたいに動かす。
つっこみどころ、いっぱいだが…メイド喫茶ってこういう店なのか?

「わああ、すごい、可愛い。
物凄く萌えた♪
ありがとう、カンサイ!!」

マナナがオカッパ髪を揺らし、拍手し…大歓喜してる。
周りの客も見てる…。
他の席でも…メイドさんに…顔を手で叩かれてる客もいる…。

[ご主人様のイジワル!
フン]

なんか…よく分からないこと言ってる…。

変な店だココは・・。
出てくるメニューは大丈夫なのか??

カンサイがテーブルから去った。
マナナはニコニコしてる。
まあ、良いか…とも一緒、思うが…。
マナナは俺のことをどう思ってるのか?
そこら辺は気にもなる…。
まるでこれではたかられてるだけな気も…。

『マナナは俺のことをどう思ってる?』

「え?」

『ほら、一応…付き合い始めたし…』

「それはね…」

しばらく沈黙が開いた。
この沈黙が長い…。

「うーん、見直してる。
付き合うっていいね♪」

勝手に言われたい放題だ、ガックリ来た。

「タリア、奢ってくれてありがとう、好きだよ、タリアのこと」

『本当か?』

物凄く調子が良い。
本当かどうか謎もある、たかり魔な気も次はする。
そういえば…冗談抜きで…マナナの母はビッチで売春まで…それから一回り以上離れた男とも…それがマナナの父らしい・・。
それを見てるからか…何か、似てるぞ、やり口が・・。
しかし、何故か憎めない…。

「タリア!
私、いつも見てるからね?
大きい声では言えないけど、お客様から1000タ$貰ってるでしょ?
私はそんな女々しいの嫌いだからね?ふん」

『…』

と言うか、それはココでは禁句だ。
カンサイに聞かれなくて良かった。
カンサイからUなんで1000タ$、貰ってるん?Uて聞かれたら…終わりな話だ。
暗黙に脅されてる。
メイド姿なカンサイは…今の会話を聞いて、不思議そうな顔だ。
誰も、まさか巫女様の正体が俺と思うヤツが存在する訳ないと確信に近いが…。
外でこの話は止めて欲しい。

何か、全然…可愛くないぞ…。
ちょっとは甘えて来てもだな…。
そこへ水色の皿の上に乗ったオムライスがやって来た。
カンサイが持ってきてくれた。

オムライスには…。


v帰れv

と書かれている…赤いケチャップで…。
それからメッセージカードには

(祝)キセキくんとマナナ撲滅v
マナナとタリアの交際が続きますように。

何だろう?
この相反する…メッセージは・…。
これがメイド喫茶ってものなのか?
黄緑色のメロンジュースと、赤いトマトジュースにはストローが二つ入ってる…。
これは一緒に飲めと言う意味なのか?
それは良いかもしれない。
まあ、望むとこだろう。

「この…ジュースにストローが2本入ってるのは…」

Uああ、一緒に飲めってこっちゃ、まあ…大変やろうけど…マナナも頑張れ。
キセキ君のことは忘れろ。
タリアにしとけ、ウチは応援してるでU

勝手に言いたい放題で…呼び捨てだ…メイド喫茶ってこんなんなのか?
俺のテーブル席はオレンジだ。

「そっか…タリア、飲む?
それとも…私が半分飲んでから…タリアが…」

ちょっと、それはダメだろう、怒ってる。

『…』

「ううん、飲もうよ?
タリア、ほら…そっちのストローで」

マナナが言うからストローに口を付けた。

まあ、良いだろう。
割りと…このトマトジュース、甘くておいしい…。
マナナも同じ感想なのか…。
嬉しそうだ。

「うーーーん♪」

それにしてもマナナって強い、そんな気がする。

☆☆☆

何だろうか?
割りと癒される。
メイド喫茶は初めてだが。
カンサイ以外にも、ここには可愛いバイトの子がいる。
マナナも嬉しそうな顔をしてる。
楽しいかもしれない。

「このオムライスも美味しいよ♪」

マナナは喜んでる。
食べてみたが、まあ、美味しい。

『そうだな』

向こうの席で…メイドさんに食べさせてもらってる客がいる…。
男性客だ。

Uオプショナルツアー1000タ$で、ウチが食べさせるでU

それはどちらかと言えば、今日は遠慮しよう。
マナナも見てる。
そう言うのって…彼女がいない時にするイメージだ…。

向こうの客は男2人組だ…。
向こうのテーブル席は赤色だ…。
白デブ眼鏡のいかにもな雰囲気のアニメシャツを着たオタク風の男と…。
隣にいるのは金髪で顔が真っ黒で耳にピアスしまくってる柄が悪そうな客だ。
しかし、メイドさんに食べさせてもらって…あれで癒されてるのか…そんな表情をしてる…。
と言うより…向こうの客、メイドさんを口説きに掛かってる…。

[カンサイちゃん…俺らも癒して…]

---カシャ。

メイドさんにご飯を食べさせてもらって更にカンサイの隠し撮り写真まで撮影してるらしい。
向こうの客のテーブルの上にある黄緑色の皿の上にある青い焼き魚が光ってる…名物の翼ウオのムニエルを頼んだらしい。
あれは…青光りするから食べる時に観光客はビックリすると聞く。
魚の骨を綺麗に取ってもらって箸で食べさせてもらってる…。
一生懸命、メイドさんを口説いてるようだが…。

全くメイドさんには相手にされてない気配が漂ってる…。
商売文句で上手に交わしてる…さすが、プロのメイドさんだ…。

マナナの方を見た。

「タリア、まさか…私に食べさせてもらいたいの?
それともカンサイに?」

鈍いらしい…。
俺が巫女様の時にはハンバーグ弁当を食べさせてくれたくせに…。
全然、態度が違う気がする。
最近、巫女様姿でも前ほど崇拝の目線じゃない…。
暴露するの間違いだったか?

「別に奢ってもらったし、それぐらいならするわよ」

俺は何も言ってないが察してくれたのか…。
マナナはスプーンで俺のオムライスを掬った…。

「ほら、口開けて、食べなさいよ」

全然、可愛くない。
これは違う…。
しかし、まあ、良いだろう。
パクリと食べた・…。
オムライスは普通の味だ。

「まあ、カンサイにしてもらったら…オプショナルツアーで1000タ$も料金取られるわ。
私で我慢しときなさいよ、あんたも」

Uウチ、雇ってもよかったで、ウチのバイト収入やからなU

カンサイは手を腰へ回して、言いたい放題だ。
まあ、許そう。
しかし…可愛い態度ではなかった…。
そこは減点だ。

帰り際になってカンサイの態度が急変した。

Uご主人様、また来てや♪
ウチ、来ないと寂しいで☆U

「出たわ!
これぞ、王道のツンデレなのよ!
タリア、知ってる?
ツンデレって」

『…』

「ツンデレって言うのはね、最初…冷たくて、帰ろうとすると急に甘えてくるキャラのことを言うのよ!
オタクメイド界では絶大な支持があるんだから」

『…』

Uこんといてやなんて嘘やで…、ココ利用しまくってや。
ウチの儲けやで。
来てや、ご主人様U

「カンサイが私に甘えてるわ!」

『…』

☆☆☆

食事を終わってお会計の時だ。
俺が3000タ$払わなければならないらしい…。
マナナは何も言ってこない…。
躾がなってない女である。

『マナナ、ほら、少しぐらい俺が払うんだ、お前も甘えてこい。
何でそんなに上から目線なんだ?
お前は?』

「え?」

言いたくもなる…。

『他のメイドさんを見てみろ、どれだけ上手に言い寄ってるか…。
オマエにメイドさんは務まらない…』

「タリア…だって、約束したでしょ?」

『そう言う問題じゃない』

さすがに拗ねる…。
こいつ、さっきから何か上から目線過ぎてる…。

「タリア、お願い頼むわ…」

一応、ノリなのか何なのか…レジの前で乳を俺の肩に摺り寄せてはきた。

『まだ足りない…もっとシモテに』

「もっとなの?」

マナナが目をパチクリとした。

「これ以上どうすれば…」

『自分で考えろ…』

一応、3000タ$は出しといたが…。

「タリア、ありがとう・…。
愛してる」

これぐらい普通言うだろう…。

『…』

「帰りのバス代も」

『…』

頭が痛くなった…。

『もっと可愛く言え、可愛くないお前は』

「え?
またなの?」

『メイドさんを見てみろ…』

メイドさんは客の前へ…。
盛大に甘えてる…。
何か、嫌だ。
マナナは可愛げがないぞ。

「タリア…お願い…」

俺に密着はしてくる…。
しかしまだ足りない…。
どこまでも調教してみたい気分だ、俺に出させるなら…。
ムカつくからなおさらだ。

『…』

「出してくれるよね?」

『可愛くない』

「え?」

『…』

「タリア、愛してる…お願い…」

『…』

「このあと、頑張って奉仕するから…」

『…』

「タリア…ダメかな…?」

俺に密着はしてる…そのままバス停に着く…。

「ダメなの?ええ?」

ずっと言わせておきたい気分だ。
こう言うの味わうのも良いだろう…。

「タリア…。大好きだから…お願い…」

いっぱい言ってくる。
これぐらいで良い。
ちょっとだけ機嫌が治りつつはあるが、まだ可愛いとは言い難い…。

「タリア…ダメなの?
分かったわケチね、私が払うから…」

俺の魂胆が読めなかったらしい・・・。

「200円ぐらいで小さい男ね…呆れたわ、タリアって」

『…』

「本当に付き合ってあげてるだけでも感謝しなさいよ?」

全然、可愛くない…。
もう涙が出る域にだ。

「さっきは男らしいと思って私、勘違いしたわ」

誰が躾けたらここまで可愛くない女に育つ?

『…』

「ふん」

バスが来た…。
ちょっと元気がない…。

マナナは走ってバスに飛び乗った。
そして、バス料金を払った、俺も払う…。

そのあとに俺の隣で不機嫌だ。

「ふん、良いわよ…。
アンタなんて嫌いだから」

俺も元気がない…。

「ふん、もう帰るわよ。
泊まらないわよ、ふん」

『…』

マナナは怒るとこうだ。
俺は困ると声が出ない…。
流されて喧嘩になってる。

「ほら、今からでも良いから200タ$ぐらい出しなさいよね?
怒ってるわよ?
出さないと帰るわよ?私?
アンタにサービスなんてもうしてやらないから、ふん」

『…』

「ほら…待ってるわよ」

マナナは厚かましいが…強いヤツだ、仕方なしに…200タ$、ヤツの手の上に置いてみた・・。
いったい、どんな反応をするのかと思ってだ。
マナナは急に明るい顔になった…。
どうしよう、コイツ…分かりやすすぎだ、ちょっと叱りたい気分でもある…。

「タリア…もちろん、泊まるわよ。
やっぱりタリアが大好きよ…。
ごめんね、嘘なんて吐いちゃって…」

『…』

「さっきのは嘘よ、拗ねただけよ?
愛してるわよ」

『…』

「まだ怒ってるの?
これで良いでしょ?
これでもまだ私が可愛くないとでも言う訳?
自分の身分を弁えずに…どの面下げて言う訳?」

『…』

「ごめん、嘘よ?
タリア…ミサに泊まるでしょ?」

『勝手に言っとけ…』

「え?
タリアは私のこと、どう思ってるの?
まあ、ミルルには…釣り合わないのは分かるわ。
高嶺の花過ぎる…。
私で我慢すべきだわ、あんたも…」

『…』

「カンサイはアンタはダメらしいから…。
仕方ないわ、私がいてやるわ…」

『可愛くない…』

「ありがとう、バス…奢ってくれて…。
200タ$ぐらいで小さい男ね?」

『…』

「ううん、愛してるわ。
タリア、格好良いわ…惚れちゃいそう」

俺にマナナがすり寄ってる…。
まだ足りない気分だが…。
良いだろう、少しだけ許そう・・。


ターシャ国立公園のバス停では下りた。

☆☆☆

「タリア、ミサって便利だね?
泊まれるから」

『…』

しかし…今日はミサに泊まる気がない。
ミサに泊まれば…俺は女体化する…。
だから余分に持ってきて…ラブホに泊まってみたいと言うのに…。
手持ち金、足りるだろうか…?

マナナは知らないだろう…。

『マナナ、今日はラブホに行かないか?』

「え…」

『あそこ、18禁らしいが…制服じゃないからバレナイ可能性が…』

「でも、手持ち金、足りるの?」

『だから、あまりたかられると困る…。
一応、多い目に今回は持ってきてる。
でも…』

ここはバレテはダメだから耳打ちにした。

『ミサに入れば俺は女だ…男として泊まりたい』

伝えて耳を離した。

泊まりは毎回レズプレイになる…。
今回だけで良いから…普通にしてみたい…。

「そうね…私はいつもどおりでも…」

俺はマナナの先を歩いた、このミサから外れた小道を抜ければ…。
その先に急な坂があり、10分ぐらい歩けば…ラブホテルがある。

それから…ミサからその先…10分で俺の自宅だ…。
先に、俺の自宅へ行った…。

「ココは神社だけど…」

『マナナ頼みがある…その道で少しだけ待ってくれ』

「え?」

一万円ぐらいしか持って来てなかった。
あと、弁当か食材を取って来るとは言いにくい。

「あの神社、俺の家だ」

「え?そうなの?じゃ、私も一緒に」

『止した方が良い、そこで待っていてほしい』

「あ、うん…」

『なるべく、俺の母さんにだけはあわないように…木陰に隠れていて欲しい』

「え…うん」

マナナはとりあえず、頷いた…オカッパ髪の天井から旋毛が見えた。
俺はダッシュで自宅に入った…。
ミサから近い場所にあって良かった…。
そこからもう1万円は取っておいた…。
あと、弁当箱に白いごはん、その他、食パン…。
それからレトルトハンバーグ…。
もう適当だ…。

ヤリタイ放題でもある…。
考えれば…日曜日もだ、多い目にとっておくべきだ、今は金曜日だからだ。
3連休はいろいろ費用が掛かる。

☆☆☆

マナナは10分程度待たせたのか…知らない。
とにかく家の外へ出た。

マナナは待ってくれたらしい・・。
悪いとは思う…。
これで何とか助かった。

「何を取りに帰ったの?」

『まあ、何でも良い』

「え?」

『要るモノもあった。
3連休だからだ…』

「そっか…」

俺はそのあとも歩き出す…。
 
『ここから13分だ、歩けるか?』

「うん…」

13分も歩けば・…結構歩ける…。

古い路地がある…。

そこへ行ってみる…。

一番安いところではある…。

「えっと、金曜日は15時から24時間でも3500タ$。
ここ安いわね?」

『その代わり古い、ここで良いだろうか?』

っていうか、手持ち金が少ない…。
3連休って大変だ、本当。
自宅へ呼び込むわけにはさすがにいかない。
俺が物凄く親に叱られるのは目に見えてる・・。

「うん」

なんか俺が出すのは前提だが、今回は出そう。

☆☆☆

その日のミサも終了し…。
ラブホテルへ9時も越え…10時頃に着いた。
初めてで使い方が分からなかったが…。
どうもボタン式らしい…。
部屋の番号はカタログがロビーにあり、ボタンを押して…エレベーターを昇り、入室した…。

不思議な感覚だが…来てしまった。
大きなダブルベッドがある部屋だ…。
マナナが嬉しそうにウロウロしてる。

「こんな部屋なんだ」

『…』

俺はモテないし、まあ彼女が出来ただけで喜ぶべきことなのは理解もしようとはしてる…。
しかし、それにしてもこの女…時々、子憎たらしい…。
可愛くない、上から目線だ。
今日は絶対に躾ける気だ。

「タリア、早くしましょうよ…」

俺にサービスするとはさっき言ってたが・・。
まだ、理解してないらしい…。
もう少し可愛くなるべきだろう…。

テレビを付けてみた…。
アダルトCHも見れるらしいが…過激だ…。
それから…ニュースのチャンネルをまず見た…。
昨日はミサで情弱も良いところだったからだ…。

‐‐‐今日、ターシャ村で…ターシャ大学の女学生(21)が…死亡しました…。

最後の…文面が…ネットに書き込まれた。
”ターシャ祭りに爆破予告する…祭りは中止しろ”
これです。

現在、今年の祭りは中止にすべきか…会議になってます…。

しかし、書き込み者本人は自殺か他殺の線が強く……。
確認が急ぎ次第、また報道を再開します…。

大学生は…邪神国からの留学生と見られ…これは事件性があるのか…。
それとも…ただの自殺前の嫌がらせなのか…そこが論点です…。

大学生の部屋には青酸カリが発見され・・・。
自殺と言う味方も強いのですが…。
青酸カリの入手ルートについて現在、詮索中です‐‐‐

「タリア、大変なことになってるわ…。
どうなるのかしら?
今日は金曜日でしょ?
日曜日のパレードは…」

『そうだな…』

「ねえ、タリアはどう思う?」

『俺には分からねえ、警察に任せるべきだろう』

「そうね…」

『実際、邪神国なら何でもありそうだが・・・。
単に自殺前の嫌がらせか…。
ここは判断が難しすぎる…。
パレードまで2日だが・…あれは経済効果がある…。
国としても中止にはしにくいだろう・・。
そのために予約も詰まってると聞く・・』

「そうよね?
キセキの家も…お得意様が平和国からわざわざ予約までして…パレードに来るらしいし…。
中止したら…」

『客がカンカンになって…経済的に大赤字だろう…。
返金も大変そうだ…』

「と言うことは?」

『よほどのことがない限り…続行されそうだ…。
ただ、警戒は強くなりそうだが…』

「そっか…」

空気が重い・・。
せっかく宿泊までしてると言うのに…。


タリア@


小説目次

タリアB






☆☆☆


☆イラスト☆
















いや…。
漫画はやっぱりわかりやすいですね。
文章力が欲しいです、世界観が伝わってるか時々、不安に感じてます。
特に創作はファンタジー臭が漂うほど、伝えるのが難しいなと感じます。
イラストも下手絵ですが割りと描くのは楽しいです♪
ノートに書いて減色系のフリーソフトで…下絵だけ減色してあとはペイント仕上げです。


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