アナタノコトガスキデス

萌え妄想のまま走るいろいろ創作小説の予定。苦情無断転載禁止。

ああ巫女 様D



☆☆☆

学校の敷地内に裏山がある…。
そこに、ボロボロ窓ガラスが張り巡らされて、壁もひび割れてる廃墟がある。

誰が見ても多分、人は住んでない。
昔はここを管理人用住居として利用した頃もあったらしいが。
今は廃墟として放置されてるらしい。
現在、管理人用住居は違うところにある。
寮室と併合されているらしい。
そこに関西から転校生して来た難波カンサイまで暮らしてるらしい…。

この廃墟、確かに…古すぎて、修築不可能。
壊すより放置する方が費用も掛からないだろう…。

☆☆☆

廃墟内部に到着した。


ずっと、見たくもないから地面を見詰めてた。

早く終わって欲しいから、自分からパンツは脱いだ。

水色スカートもめくって

「終わったらミサに行くから。
3秒で今日は終わって」

こう言った。

タリアは沈黙して。

『まあ。
こっち来いよ』

と言った。

下を向いたまま近づいた。

目はつぶった。
近付いたら。
そしたら…勝手にキスだけしてくる。
これも嫌だけど。
仕方ない。
黙ってる。

昨日みたいに終わった方が反抗するより楽。

嫌だけど深いキスも終わった。
口が離れたのも分かる。
目は綴ったまま。

「勘違いしないでよ。
私のことは終わったら忘れて。
ミルルを落としなさいよ。
ゴムはしてよ」

それだけ告げる。

勝手にすれば良い。
勝手に揉んでくる、胸を。

タリアは静かに私の胸を触りまくって吸ってる。
目を瞑れば、少しは耐えられる。
巫女様がしてると感じれば。
私も楽だ。

勝手に私の女性器をヤツが触ってる。
流された方が楽だ。

『マナナ。
今日もトイレでオナニーしてたか?
濡れてる』

何でコイツがそれを知ってるのか?
昨日、見目麗しき金髪碧眼の妖精様…巫女様と話した秘密なのに。

『マナナは、学校ですらそんなことしてるんだろ?
巫女様から信託があった』

「どうして、巫女様がアンタに…」

目はつぶって言葉も出る。
脱力してる。

『俺は…』

勝手に乳は吸われ、秘部は手で愛撫されてる。

返事がない。

「どうして…」

『巫女様に聞け』

「どうして、巫女様はこんなことを私に。
私をどうして…」

声が小さくもなる。

全く声はしない。
私は目を閉じてる。
ヤツは愛撫してる。

『マナナ』

勝手に入って来たみたい。

『このまま射精したら気持ちいいはずだ。
お前は感じてる。
俺には分かる』

確かに目はつぶっても感じてはいる。

「ゴムしてるよね?」

差は分からない、そこは怖い。

『してないと思ってみろ。
おまえがピル飲んで、中でするのも良いかもしれない』

勝手にバックでされてる。
水色スカートが上がってる。

「…」

反抗する気にならない。
その方が楽だから、流されてる。

ヤツが勝手に…私の水色スカートも、服も脱がす。

『この廃墟、誰もいない。
大丈夫だろう』

目は開けない。
感じてはいる、でも精神的に…。

勝手に終われば良い。

勝手に胸も触られてる、勝手にバックされてる。

『もうすこし、素直になってもいいんじゃないか?』

『俺、おまえが素直になれたら…ミルルはもういい。
おまえと付き合っても』

「それはダメ。
アンタはミルルに行きなさい。
根性なし」

怒った、けど・・・ぼーとする、私はこういうの弱いみたい。
体がガクガクする。
頭だけ振った。

勝手に尻が動いてた。

『声は出すなよ』

キスされた、もうグダグダ。
流されてる。
巫女様にも叱られる。

勝手にいろいろな体位にされてる…。

根性で耐えて終わった。

何かやってる間もやっぱり、コイツ、ズに乗り過ぎ。

『男の体、好きだろ。
おまえ。
絶対、そうだ』

何かいっぱい言ってた。
あまり覚えてない。

『俺と付き合ったら、昼休み、オナニーなんかしなくていい。
俺がピルさえ飲んでくれれば中に出してやる。
お前の性欲に俺が務まる自信が少ないが…』

いろいろ言われてた。

これ言われた瞬間、頭を振ってしまった。

どうしたらいいんだろう…アイツ、絶対勘違いしてる。

終わるとグッタリした。

座り込んだ。

それなのに期待してる。

どうしたらいいんだろう…私はビッチへの道を歩んでる…。

私は今日、最後まで目を瞑らずにアイツの顔は見ないのに、アイツの体だけ見てしまった。

私はどうも体の欲に弱すぎるみたい。

根性で喘ぎ声なら最後まで一回もせず、息を殺してでも止めたけど…。

どうしたらいいんだろう…。

浮体しかけてる…。

もう一回してと頼みそうになる前に…去ることに決めた。

まだしたりない…もうグダグダ。

☆☆☆

『まあ、おまえは頑張ってる。
巫女様から今日も褒めてもらえるはずだ。
しかし、掃除はしろ』

目を開けた。
今日も昨日と同じように、嫌だけど、ヤツのアレは舐めた。
男の体になれるのがこれの目的。

終わったから・・・。
今日はすぐに服を着た。
それから躊躇なしに走り去ることに決めた。
昨日はタリアが先に去った。
私だけボーとしてるのに、ココに残された。

鞄を持って、走り去る。

『明日もよろしく、マナナ』

後ろで勘違いしてる、声が聞こえた。
無視した。

私はどうしたら…このまま、まさか…高2でビッチへ転落して援助交際をして…AV人生なの?
それは絶対、嫌なのに…。
学校でもビッチとか貶されることも嫌がってるし…AVに出てる子に似てると言われるたびに嫌気が差してたのに。
どうしたら…。

巫女様は男の体に慣れろって言ったけど。
私は男の体も女の体も好きになりつつある…両方すきかもしれない…。
自分の性癖にビックリしてる。
誰でもOKなのかもしれない。
顔が不細工でも…やってみて気持ち良ければ…誰でも・・・。

私は気持ちが良いエロさえできれば誰でもOKなのかもしれない…。
もう、どうしたら…。
セフレなんているって知ったら・…親も悲しむに決まってる…。
レズだけでも…親に悪いって思ってたのに…。
もうどうすれば…。

アイツはセフレ、巫女様は本命…恋人。

中途半端に終わったからまだ変な気分。
ムラムラする。
巫女様に慰めてもらいたい…。

病院では薬でも貰って自分の性欲を止めたい…もうどうしたら…。

☆☆☆

赤いテント6角錐の建物―――ミサ施設に着いた。
体は火照ってる。
中途半端な感じ。
巫女様に慰めてもらいたい。

ヤツのことは忘れたい。

座り込んだ。

今日はミサ…巫女様より早く着いた。

今は…6時15分。

変に抵抗するより…早く終わった方が楽。

ちょっと、疲れたし・…。
座って、寝ることにした。

巫女様の言うとおり…昨日より慣れてる。
慣れると楽なのかもしれない。
そんな気もする。
でも、なんか嫌かも。
私はキモチイイことに弱いかもしれない。
まだし足りない…そんな気もする。

アイツ、好きくない。

巫女様とこういうことしたいのに。

☆☆☆

暫くして…。
巫女様が来たみたい。
今、6時30分かも知れない…。

緑からオレンジ色へ発光する巫女様へ抱き付いた。
巫女様って、ランダムに光り方が変わって…本当に美しい妖精さん。
線が細くて地上生物とは思えない骨格で…さすが泉下で暮らしている別世界人間。

手足が長すぎる少女風でもある…可憐で柔和な神話的顔立ちをしてらっしゃる。
髪色もユラユラ…クラゲ並みに変わる…全身が発光体。
今はまだ少し明るい。
でも…もっと夜が深まれば…それは壮絶に美しい。
夜に巫女様はとても似合う、昼間も常に発光してる。


「巫女様、こんばんは」

指も信じられないほど子供並みに細い骨組みだけど…長い。
骨格が普通じゃない、絶対別世界にいる人。
巫女様が手をヒラヒラと振ってる。
巫女様は撫で肩で首も長い。
泉の下は重力がないから…こんなふうにひょろ長く伸びるのかしら?

巫女様は青眼を泳がせてる…。
巫女様ってきっと、意外にシャイな女性だって感じる。

常識外れに近い命令を下したり…鬼畜プレイを強要して来て混乱が続いてるけど…。
そう信じてる…。
巫女様を愛してるから。

『マナナ、こんばんは』

巫女様の青眼が潤んでる…奥でオレンジ光が煌めいてる…。

「巫女様、会いたかった」

私は巫女様とキスをした。
深いキスになる。
巫女様の胸を揉んだ。
癒される。

細いけど…巫女様には脂肪もある。
ということは…骨組みが普通以上に細いはず。
触ってても骨骨しくなく…とても美肌。
細いけど曲線美があることってもう凄いと思う。
多分、人間が持つDNAじゃない。
これは新人類な域…。
絶対、何か普通ではない。
肩幅も私より狭い…小学生低学年から中学年ぐらいで…背が高い華奢な少女って雰囲気…身長だけ175cmもある…。
もう世界ビックリ人間。
しかも全身が色々な光に変貌する、突然。

巫女様に、そこでストップされる。
巫女様の金髪は…うねってるけど、キューティクルが凄い…子供並み。
私より綺麗すぎる髪。
特に瞳色が…空にある色をまるごと映したような…淡いブルー。
泉の底には…紫外線がないのかもしれない…。
巫女様って光ってないと多分、肌は真っ白に近い。
今は紺碧な瞳が・…オレンジにも光ってる…。
まつ毛は長い。
泉の底へ行くとき…目にゴミが入ってはダメだからなの?
長い睫だけど…まつ毛も金髪。

『今日も良く頑張ったわね。
ご褒美ならあげるから、ここでは待って』

唇はサンゴ色…頬にも赤みがある。
血色は悪くない…細いけど健康的。
絶対、異世界にいる人…ちょっと普通の人間ではないことは認めてる。
妖精に決まってる、真似すると、無理だろう。
光ってることがその証拠。

巫女様は柔らかい瞳をしてる。

「巫女様」

私は目を潤ませた。
巫女様へ抱擁する。
華奢なのに…アンダーも狭そうなのに・・・胸がある、Aぐらいかも。
だけど…全身が華奢だから…アンダーまで狭いから…少しふくらんでても…大きく見える。
それは小学生低学年から中学年でAカップだとカラかわれて、ブラジャーを強要される域に近いかも。
骨格が細いけど柔らかい。

『テントの鍵を開けるわ…。
マナナは本当に頑張り屋さん。
見直してる。
ありがとう、私のために…』

巫女様も私の背中へ腕を絡めてくる。
癒される。

「巫女様。
大好き」

私は巫女様へ擦り寄る。
巫女様は頭を撫でてくださる。
指が長い…それから肌が透き通るぐらい綺麗…オレンジに光るから余計。

巫女様が一端、私から離れて…。
青い20畳ぐらいありそうな高床式鉄筋赤いテント玄関へ行き…巫女様が首から吊るしてる鍵付きネックレスで…扉を開ける。
私は隣で待ち、巫女様を見詰めてる。
巫女様は…扉しか見てない。

『鍵、開けたわよ。
ほら、中で…。
7時からミサだから…。
あまり、出来ないけど…。
お客さんも来るかもしれないし…。
そろそろ…』

巫女様が赤いテント内部へ入り、部屋にある電気を点ける。
巫女様が光ってることが分かりにくくなる。
でも、巫女様が…オレンジ味掛かった白肌であることは…微妙に分かる…。

部屋にある電気を灯してもなお、巫女様は…肌周り空気1cmが…オレンジ色に光ってる。
特に、闇夜…漆黒な野外では…1mぐらい…巫女様の周りだけ幻想的に光ってる…。
それが…泉に映ると…もう想像絶するぐらい綺麗。
誰もが息を飲むレベル。

「巫女様…ミサが終わったら…甘えていい?」

私はもちろん巫女様をウットリ見てる。

『もちろんよ。
マナナ、学校で勉強、分かってる?』

巫女様も嬉しげに私を見つめ返してる。

「もう全然…。
どうしたら」

私はここで、まだ体熱もあるし・・・。
甘えに行った。
巫女様へ体をすり寄って、胸を服の上から揉み…。
自分のパンツへも手を突っ込んだ。
まだ、濡れてる。
巫女様は…困った顔をなさった。
巫女様から体を離された。
私はショゲた。

『今、教えるわ。
さすがにエッチは客に見られたら、私も商売あがったりだわ。
でも、勉強ぐらいなら』

巫女様をまとう後光が…少しオレンジから桃色へ変わり…今度は緑へなって…そこからオレンジに戻る・…。
これがまた美しい。
巫女様も目が泳いでる。

「ありがとう。
巫女様は天使、本当に女神さま」

巫女様は綺麗で美しく優しいお方。
私は部屋に着いてからも抱擁してる。
巫女様は…テント内部に設置された鍵付きロッカーへ行き、巫女様が持ってたターシャ教のシンボルマークが刻まれた風呂敷づつみをそこへ収納し。
それから…巫女様は首から掛かってる鍵付きネックレスで…ロッカーに施錠した。
そのあと…スタスタ、ゆっくり6人掛け職場用デスクへ座った。

机には…ステンドグラス模様のテーブル掛けがある。

『良いわよ、こっちへ来なさい。
マナナ。
貴女はよく頑張ってる、感謝してるから私。
無理な注文ばかりでごめんね』

巫女様は椅子へ座り…テーブルかけを見詰めてる。

「ううん。
巫女様だけのために頑張る。
だから…これからもずっと」

私は巫女様が座る椅子がある隣へ着席した。

『そうね…。
マナナが本当に18歳まで勤めを続けられたら、良いわよ。
マナナなら出来る、貴女はきっと私のためにしてくれる。
期待してるから。
私のこと、嫌いにならないで続けてね。
大変なのは理解してる。
期待してる、貴女の私への愛を』

巫女様が柔らかく目を細めてる。
オレンジ光が瞳の底からも灯ってる。
夢みたいに綺麗すぎる人。
声が少しだけかすれたような…色っぽい女性風な艶声で…そこもまた良い。
巫女様は視線を…テーブルかけへ注いでる。
私は巫女様をじろじろ全身見詰めてる…。
脳内で、私は巫女様を裸にして…視姦してる…。

「巫女様…」

こんな感じで巫女様に甘えながら…机に座って、巫女様は勉強を今日は教えて下さるみたい。
本当に天使…泉の妖精。

巫女様、嬉しそうに目が潤んでる。
そんなふうに感じる。

☆☆☆

「巫女さま・・でもアイツ・…なんか、勘違いして」

『マナナ、もうすぐ客が来るの、そういう話はミサのあとで…。
ストップして。
ごめんね、理解して。
聞かれると私もヤバいの。
ここで働けないと…私は処刑されるらしいの。
これは真実よ…私の家に流れる、神話だけど…』

巫女様は…一瞬、赤く光り…そこから強い水色へと変わる…。

「え?
本当なの?
巫女様」

『確かにミサをサボった私の祖先がその日のうちに…心臓発作になって、死に・…。
村に大洪水が起きて、何名もの死者が出たって言う神話が…。
私の家にはあるの。
神話は真実かは私…分からない。
でも、一応、従ってるの…。
理解してほしい、今は聞かないで欲しい』

水色が深まってる…光が持つ大きさが強くなる…。
もう、絶対…妖精。
巫女様には不思議な能力があるに決まってる。
私は全身見たからこそ分かる。
ミルルはトリックがあるって疑ってるみたいだけど…私は知ってる…巫女様は…トリックがない。
体の中…唇から見える内部まで…光ってた…。
舌まで煌めいてる…。

「私は信じる。
巫女様の家にある神話。
巫女様が存在すること自体、神様が存在するに等しい事実だから。
今も綺麗に巫女様は全身違う色に発光してたから」

『そう…。
それならいいわ。
マナナは本当に良い子。
私、マナナのこと…だんだん好きになれそうだわ。
絶対、18歳まで勤めを続けてね。
約束してね、お願い』

巫女様が放つ発光が…水色から緑に変わり…次は赤へと変貌し、桃色にもなって…そこからオレンジに落ち着く…。
まばゆい後光が…ランダムにクルクル変わる、予想なんて付かない域。
見てて、全然…飽きない。
巫女様の光り方は自然界にいるクラゲみたいで…目がチカチカしない…不思議な柔らかい光。

巫女さまは…私を見ずに…ずっと、机にあるステンドクラス模様をしたカラフルなテーブルかけを見詰めてる。
私だけ隣で机に座ってから、ずっと巫女様を視姦してる。

「巫女様…。
はい、巫女様だけのために耐える。
えと…この今日の宿題だけど」

巫女様と勉強するのは楽しい。
勉強大嫌いで逃げたいけど…少し癒される。
だけど、本音は巫女様とエロがしたい。
今は開店前、耐えてる。
巫女様が処刑されないために。

だんだん、30分もしないうちに眠くはなる。
巫女様は寡黙にまとめてくれる。
それを見ても眠い域。
また…巫女様が仕事中に寝てしまう可能性もある…。
それでも良い。
ヤル気だけある。
いつか報われるはず。
きっと私も絶対賢くなれるはず。
ミルルも越せるそんな気がする。

そう思いたい。

☆☆☆


今日も巫女様が開催するミサへ様々な方々が救いを求めて訪れる。
ミサ会場赤いテントはまるで教会…。
6角錐の高床式赤いテント。
協会前にはバス停があり、バス停看板には”ミサ前”と表示されてる。
バス停には水色ベンチ、風や雨よけ用水色アーケイドがバス停ベンチにはある。
連日、バスでもここへ訪れる。

ターシャ国立自然公園に走る循環バスは200円。

テント側面には”ストップポイ捨て自然を守ろう”と表示されたポスターや
”祈祷料1000円→”と告示されたポスターが張られてる…。
それからテント背後には”関係者以外立入禁止橋”と記された白い看板が草むらに立ってて、そこから白い橋がターシャ泉上に架かってる・・。
この橋を渡った先が何か…それは私には分からない。
ターシャ泉関係者以外立入禁止橋中央から…巫女様は泉の真ん中に開いた深い穴へ潜り込み…異世界へ帰ると言うもっぱらな噂だ。
真偽は謎だ。

赤いテントは20畳程度だ、内部に窓が二つある。
巫女様が座る6人掛けテーブル上には桃色キノコ型ランプ。
それから、机の上にはステンドグラス紋様をしてるカラフルなテーブルかけが掛かってる…。
ランプで炎がメラメラ燃えてるが、あれはフェイクらしい。

それから…灰色待合ソファーと横に茶色い本棚がある。
茶色い本棚にはターシャ教公式聖書や”ターシャ国立自然公園の自然”と書かれた雑誌、”ターシャ泉の生物生態図鑑”などが並んでる。
割りと読むことは面白い。
”巫女様の祈祷後体験談冊子”まである…。

巫女様が座るテーブル横には灰色十字架のブロンズ像。
それから巫女様が座る背後には黄色いツイタテがある。
これがあるお陰で間仕切りになってる…。
この後ろには…布団などが収納できる鍵付き灰色ロッカーが壁面にあり、壁面に開く窓からは…ターシャ泉が眺望できる。
台風が来た日は雨戸を閉めるみたい…。

床は木目調で茶色だけど、天井や壁は赤い…鉄筋造りで頑丈なテントだ。

☆☆☆

今日も巫女様を頼る人間が多いこと…。
私はお客様から目線が見えない、黄色い間仕切りで遮られた後ろ…寝室で会話が丸聞こえ状態。

[私は結婚して夫の家事に追われる生活に憧れなんてなく、一人でいるのが気楽で。
それでも子供は欲しいので、夫も成績優秀で容姿堪能な精子バンクと…自分のことだけ考えて生きてきました。
DNA優秀な手のかからない子を産んで…娘には子役スターにさせて…サッサと稼がす気で最初はいました。
強欲で億万長者を夢見てました…そういう計画してました。
そしてサッサと嫁に出す気でした、思考が短絡的でした。

でも、最近…変わりつつあります。
娘が可愛くて仕方ないんです、学校で苛めっ子だったことも知ってます。
私にも母として自覚が出て来ました…娘は私にも似てるんです。
この頃、娘が反抗期です、部屋の壁に穴が開いてます…。
どうか道を間違えないように…巫女様、力をください]

『瞳を閉じて…こちらへ手を差し出してください』

---まさか…ミルルのことなのかしら?

[まさか…私の作った弁当を破棄してるなんて…。
学校から聞いたときは悲しくて…。
何とか…食べてくれるようになったんですが…栄養失調が酷いことに親なのに気が付かなくて…]

『力を与える作業が終わりました』

[何だか体がポカポカしますわ。麗しの巫女様、ありがとうございます。
娘も巫女様のことは認めているようですわ。
ところで…マナナって言う私の娘のクラスメイトと…巫女様が友達って言う噂…本当ですの?]

『違います、私はアラ人神…友達なんて作る存在ではないので』

[そうですか、噂って宛てになりませんね?
私も巫女様とはお友達になれたら…何て光り輝く美しさ。
これこそ妖精様ですわ]

『お褒めにあずかりありがとうございます。またのお越しを…』

---どうもミルルのお母さんな気がしてたまらない…。
気のせいなのかな?

私が巫女様と友達って言うお母さんが広めた噂が流れたの…巫女様にもばれたみたい…。
どうしよう…。

実は私、ミルルのお母さんってみたことない…。
ミルルのお母さんは仕事で忙しくて…家政婦さんを雇って、参観日に向かわすことはあっても…。
何故か、一度も会ったことがない…。
実は…先生ですら、会ってない…個人懇談ですら…毎回、家政婦さんが代理してる…。
ミルルも子役から稼いでる…家は金銭的に余裕みたい。
ミルルのお母さんも弁護士で何不自由ないけど…お父さんは精子バンクみたい…。

つい立から見てみた…。

ミルルのお母さんにしては…容姿が何と言うか似てないと思う…。
太くて眼鏡をしててそれからパンチパーマショートカットで…目と鼻はない…鼻が大きくて目が糸目。
口が異様にタラコ唇…。
ミルルの正反対…首も短く背は低く、おなかは出て…手足が短すぎる…。

そう言えば…ミルルってお父さんに似てるらしいって自分で言ってた…。
精子バンクで容姿端麗な人を選んだって…。
少し納得、全くミルルに似てない…ミルルのお母さんじゃない可能性もある。

私もよくミルルと正反対って言われてきたけど…。
また違う、ミルルには今の人…似てなかった。

それからも依頼が来る…。
私はこっそり聞いてる・・。

[麗しき巫女様…。
ウチの子が…ネットで勧誘されて邪神国へ走ってしまった可能性が自宅のパソコン履歴を観覧して発覚して…。
もう数日間も音信不通で・・・心配で。
どうか帰ってくるように祈ってもらえないでしょうか…。
何で、あんな国に…]

『瞳を閉じて…こちらへ手を差し出してください』

---最近、本当にこんな事件が多い。
物騒になって来たと思う…このターシャ国まで、邪神教のメッカの被害が及び始めてる…。
今日はゼロって言う留学生が来たけど…。
本気で逆に何であそこへ行くのか…こんな客もいる。

『力を与える作業が終わりました』

[何だかホッとしました…。
今日、辺り…帰ってくるような気がします…。
きっと、私の勘違いな気がしてきました…]

---そうだと言うことを祈る…。

[あと、巫女様に友達が出来たって言う噂は真実でしょうか?]

---どこまで…お母さんが流した噂は…広がってるんだろう?

『違います。私はアラ人神…。
勝手にその者が流した噂でしょう』

[そうですか…噂なら私でも流せますものね…。
私の願いが叶うように…祈ります。
巫女様、ありがとうございます]


それからまたお客様が来たみたい…。

=今日は依頼はないんですが…巫女様の芸能界入りの件について…お返事が聞きたくて…=

『そう言う話はお断りしていますので…』

---巫女様はこんなふうに断ってる…。

=そう言うことを言わず…。
マナナって言う高校生と友達になったって言う噂聞きましたよ。
私の願いも叶えてもらっても良いでしょう?
今、眼鏡ミルルっていう売出し中の子が出てるCM,眼鏡屋CMを次期は貴女でって言う…要望が…巫女様ファンから多くて・・・。
番組は無理でも…ここで眼鏡だけかけて・・CM撮影でも…=

『結構です…。
それからその噂はデマです。
私のファンが勝手に流して、良い迷惑を今日はしてます』

---そっか。だからミルル、最近…荒れてたんだ…。
確かに巫女様は美人でファンが大勢いらっしゃる。
私もそのうちの一人…。
巫女様が…怒ってる…。
どうしよう…。
今日は一日、こんな話ばかり…聞いてくる。
ちょっと嬉しくて…お母さんに友達になれたことを報告したばかりに…。
お母さんには…黙っておくべきだった…。

『私は神に仕える巫女ですので…。
そう言った件ならお断りです…』

=そうですか…それなら、私が芸能界で女性スカウトレディーとして生き残れるように…目が出るように…力をください。
噂はデマですか…週刊誌に掲載しようかと思ってたのですが…巫女様がそう言うならそうなのでしょう。
熱狂的なファンとは芸能界でもそんなものですから。
週刊誌にも流れた噂はデマだったとインタビュー記事として掲載しておきます。
記事にするの許可してもらえるでしょうか?
謝礼は払います…”週刊ターシャ国”という雑誌ですが…=

『それなら良いでしょう…あまり酷い記事になさらないで下さいね。
さあ、目を閉じて手をこちらへ』

数秒経過した…。


『終わりました』

=何だか…将来に対してビジョンが沸いてきたようです。
あのミルルって子も結構、真面目で良いかもしれません…。
本格的にマネージャーでも付けてみようかと…。
それと巫女様の記事に対するビジョンも沸きました。
世界中で巫女様ファンは大勢いらっしゃいますから…=

『汝に神のご加護がありますように…。
またのお越しを』

---きっと、ミルル…喜ぶはず。

☆☆☆

そこから先も無理難題な依頼が続く…。
この後は…ちょっとビックリするような話ばかり…。

☆☆☆

[巫女様に…友達が出来たって話本当ですか?
えっと…今日の用件なんですが・…。

私は自宅にある息子のエロ本を勝手に捨ててしまいました。
あの日以来、息子との会話が成立しません。
どうか仲直りできるように力をください。
エロ本ばかりじゃなく、息子には勉強をしてもらいたいです。
私の言うことを全く聞かず、エロ本ばかり読むウチの子が参考書を読むようになり…成績が上がるように…どうか力をください、呆れてます]


[近所中で…妖精の巫女様とお友達になれた子がいるって噂になってるのですが…どうなんですか?

本題は…。

私には娘がいるのですが…勉強も芳しくなくて…。
本気で将来の身を案じてます…。
娘が真面目になれるよう力をください…。
今、ヤクザの人と交際してるらしくて…どうか撲滅させてください…。
何とか更生しますように…家で暴れて…壁が崩壊して…手が付けられない状況です。
私の何がダメだったんでしょうか…せめて娘と会話が成立するレベルに戻りたいです]

[最近、息子が食欲が多いのか…食べたいとうるさいです。
学校や病院からは100キロに近そうなのでダイエットしろと強要されてます。
しかし、ご飯を与えないと痙攣を起こして泣くのです。
アレが可哀そうでつい、根負けします。
私のかわいい子だけモテなくて、私の子供の友達だけモテて、子供たちが失望してることも知ってます。
どうか…私に力をください…。

それから…あの、有名な巫女様が人間の一般市民と友達になったって話は…本当ですか?
私もお友達になりたいです。
サイン貰えますか?]

[親に黙って売春しました。
今、子供がいます…どうしようか悩んでます。
赤ちゃんバンクへ走りそうです…親にだけはばれない様に…。
どうか私に力をください…。

こんな私でも友達になって下さい、マナナって言う子とは友達になったって…滅茶苦茶みんな、批判散々です。
私だってなりたいです!]

[実家の会社が倒産しそうなんです。
どうか…今日、買ったジャンボ宝くじが1等3億円が当選しますように…。
去年、巫女様から願ってもらった方から当選者が現れたと聞きました。
私の願いを聞き入れてくれますよね?巫女様?

私と友達どうですか?
一緒に旅行もしますよ?当選すれば…。
マナナって言う子と友達になられたんですってね???]

[あの…パトロンから聞いたんですが…マナナって子と友達なんですってね?
私もなってもらえたらな…。

そのパトロンと浮気してたんですが…。
最近、何か勘違いされたみたいで…奥さんと離婚するみたいなんです…。
私はもしかしたら奥さんから慰謝料を請求されないかと怯えてます。
貢いでもらうだけで良かったのに…。
今、職場は止めて電話は解約しました。
何とか逃げ切れるように力をください]

いろんな悩みが皆あるみたい…他にも悩みは続く…。
私は巫女様が座る隣にはいない…遠く離れた壁4隅で、英単語を覚えてるフリをしてる…。
でも、呪文みたいに聞こえてくる…。
私が座る前には黄色い敷居があって…。
私が背後に隠れてる事実はきっとお客様も気が付いてないと思う。

途中から私は欠伸をする。
猛烈に噂って一瞬で流れるって知った、これからは口は慎もうと思う。

それにしても…みんな言いたい放題で…。
重すぎる悩みばかり…。
巫女様も大変そう…。
巫女様は本当に聖人君子。
どんな悩み事でも。
否定すらせず…最後まで聞き役に徹して…。

『汝に神のご加護がありますように…』

この一言で全部解決してくれてる…。
世界には…こんなに悪人がいたのかって…。
疑うレベルに想像絶する話ばかり。
巫女様へわざわざ1000円払ってなさる悩み事って…。
もうビックリするレベル。

巫女様が開催する教会には…人には言えない悩みを包み隠さず…言いまくってる。
巫女様の聞き役で返事すらしない性格が…みんなに受けてるみたい。
悪いけど私なら…出来た子供を赤ちゃんバンクなんてダメでしょう?と叱りそう…。
責任持ちなさいよとは注意しそう…。
巫女様は何も助言すらしない…。
お蔭で客が物凄く来る。
想像絶する話ばかりしてる…。

これを巫女様はもう7歳からずっと捌いてらっしゃる。
絶対、人間が出来てる人に決まってる。
クレーム聞くことって大変そう…。

特に去年の宝くじが昨日、発表されて…。
"巫女様に祈ってもらったのが当選の秘訣"とか当選者の体験記を雑誌で掲載されてから…。
今日は…宝くじ当選祈願者が…多い。
ここを何か間違えてる客ばかり…。
私も…実は…宝くじ当選祈願してほしいかも…でも、耐えてる…。



ああ巫女様C


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