アナタノコトガスキデス

萌え妄想のまま走るいろいろ創作小説の予定。苦情無断転載禁止。

ああ巫女 様E







巫女様のお仕事が終わったみたい。

巫女様をまとう光はオレンジ。
いつもクルクル色が変わってる…これを見るだけでも癒される。

巫女様は梅干しが入ったお握りを食べてる。

時刻は9時…。

巫女様って夕飯、いつ食べてるのかな…?

「巫女様、お仕事お疲れさま」

『…』

「お握り美味しい?
夕飯はいつ食べてるのかな?」

『暇がある時に。
ミサの前か後ね…』

「私は食べて来たよ?
コンビニで買って…それから巫女様が来るまで時間があったし…。
店の前で食べてた」

『…』

「隣、行っても良い?」

『良いわよ』

巫女様ってこんなノリ。
巫女様は黙々とお握りを一つ食べ終わったみたい。
お茶も飲んでる。

「巫女様の力を与える儀式って…どういう仕組みなのかな?
巫女様には不思議な力があることは知ってる。
私の境遇を当てたり…その発光する色がクルクル変わるのも…。
それから…私の母がなった癌が完治して未だに再発してないことも。
このミサのお蔭。
結構、大変なのかな?」

『…』

巫女様って本当に静か。
終わるとこんな感じ。
特に今日は確かに宝くじ当選祈願者が後を絶たなかった。

『マナナ・・・私と友達になったって噂流したでしょ?』

「巫女様、ごめん…。
えと…お母さんにだけ、友達になれたって話したら…。
先週は”土日と宿泊して、勉強まで教えてもらえた”って話したら…。
大歓喜して…おばあちゃんとお父さんに話したみたいで…。
今朝、”噂は止まるように電話して”って…お母さんに頼んだけど…。
遅かったみたいで…」

『そう…』

「巫女様、ごめん」

巫女様は…突然、隣に座ってる私を抱き締めて来た。

「えと」

『今からでしょ?』

「うん、良いの?
巫女様」

『次はないわ。
でも、週刊誌の力は大きいでしょうよ。
その代り…あなた、しばらく世界中から冷たい目で見られそうよ?
良いの?』

「うん」

確かに…勝手に巫女様と友達だって噂を流した熱狂的な悪質ファンとして…”週刊ターシャ国”っていう雑誌に掲載されるのかもしれない…未成年だから匿名 で…。
家に帰ったら…お母さんに叱りたい気分…。

☆☆☆

巫女様って綺麗な方。
線が細くて柔らかくて夢のような美しさ。
それからいつの間にか…巫女様を包むオレンジの明かりが…桜色に変わってる。
巫女様ってクルクル光の色が変化して、見ていて飽きない。
柔らかい波長光…。
水色に光る時は…ちょっと、ターシャ泉上をよく飛んでる翼ウオに似てる。
この前、近所のターシャ自然料亭で食べた翼ウオのムニエル…結構おいしかった。
地元では翼ウオ唐揚げが名物。…味噌と食べるとまた格別な味わい。

巫女様は指を繊細に私の頬へ絡めて撫でる。

巫女様は静かに肩揃えな私の黒髪を撫でてる。

巫女様は青い瞳底からも発光がある・・桃色とオレンジの間な綺麗な光り…。

全身が発光体。

私の背中へ腕を回して…巫女様は静かに…私の水色スカートの下へ手をまさぐり始める。

私は今、秘部が濡れてる筈。

今日は放課後からずっとそうだった。

「巫女様」

巫女様は…私の水色スカートの下へ手を入れてる…尻から醸し出された曲線美を触ってる。

『待たせてごめんね』

「はあ」

私は小さく声を上げた。

巫女様は私の水色セーラー服をたくし上げて…私が装着してるブラジャーを外しにかかってる。
巫女様がピンク色に輝いてる…、この色も綺麗。
私も巫女様が着てるドレスを脱がしたい。
巫女様ドレスは1枚着。
脱がしやすい。
私が上半身裸になってから。
巫女様がお召になる白いドレスを剥いだ。
巫女様は本当に綺麗、白い肌がなまめかしく…夢のような天女。
巫女様へ縋り付いて…私は巫女様の召し物を全て奪い取った。

巫女様は滑るように透き通る肌。
水気を含んだ…泉の妖精に相応しいもち肌。
私が巫女様から伸びる脚を撫でてると…。

巫女様が私が履いてる水色スカートを剥いだ。
私は実は…巫女様に触ってもらいたかったからパンツを履いてない。

でも巫女様は突っ込まない。
そういう性格みたい…。
反応が見たかったのに…。

『こっちへおいで』

巫女様は私を床へ寝かしつけ…私へ深く口づけてくれる。
巫女様の体を開発することに興味があるけど…。
いつも何故か…巫女様が私を調教なさる。
私はレズとして普通のプレイに憧れてたけど…。
巫女様は心が男らしくて混乱するときもある。

夢のように美しい天女。
私は触りまくりたいのに…。
巫女様は私へ甘えるように…私から突き出た胸を触って吸って忙しい。
巫女様の秘部へ私が指を突っ込もうとすると…。
巫女様も濡れてる…。

私は巫女様の美しい体を舐めて快楽世界を堪能したい。

「巫女様」

私は巫女様を押し倒して上に乗って。
それから巫女様の耳や首や胸へ愛撫する。

母の腕へ帰るような不思議な心地。
巫女様が喜んでくださるならそれが本望。
「巫女様はどこが感じるの?
胸?
それとも下?」

『マナナ…』

キモチイイみたい。

「今日は快楽の世界を堪能しましょうよ?
巫女様、私と・・」

私はいつも迫ってる気がする。
家に帰ってもまた自慰しそうな気もする。
一日何回…ムラムラしてるんだろう…。

今日のことを思い出した。
あまり好きな奴でもない。
それだけど、体のみ墜落しつつある…どうすれば良いんだろう…。
流されてそれを言うことを忘れてた。

巫女様は瞳が美しい…。
桜色に輝いてる…。

「巫女様。
たまには巫女様がマグロでもいいの。
私が巫女様にしたい」

『どうぞ』

「巫女様、今日の話だけど…。
アイツ…タリア…。
勘違いしかけてる」

『そう…』

「アイツ、気に入らない。
好きな奴がいる癖に。
取りあえず私の体で満足して。
もう好きな子のことすら諦めるって。
私は嫌がってる」

『…』

巫女様の乳首が尖ってる…私は吸ってみた。
巫女様から喘ぎ声の代わりに息が漏れた。
巫女様が紫に光る…。

「危険な気がする。
巫女様…。
アイツ、こっちばかり教室でも見てて。
やっぱりモテない分…ダメな気がする」

他にもいっぱい文句言いたかった。

そこで私は巫女様に髪を撫でられた。
巫女様は悲しそうな顔だった。
巫女様が美しい海の色に光る…。
私にはそれが不思議だった。

勘違いかもしれない。
ただ感じてるからそんな顔なのか…。

「巫女様、キモチイイ?」

『…』

「巫女様。
アイツ、私の体ばかり狙ってる。
私が昼間、トイレでオナってる話。
巫女様から聞いたって。
巫女様、どうしてそんなこと…ヤツに」

『…』

「巫女様」

『モテない男かもしれないわ。
でもまあ、せっかく関係持ってるんだもの、好きになってやりなさいよ。
ヤツなりに初めてなんだから』

「巫女様。
それは返事では…。
どうして巫女様はヤツだけ優遇するんですか?
なぜ私の体をあんなのに斡旋して…。
もう訳が分かりません。
私を快楽の世界へ導くのは巫女様だけで良いです」

巫女様はポンポンと私の背中を叩いてる。
私はいつの間にか泣いてた。

「巫女様だって知ってるはずです。
私の母が…性に豪遊して…一時、荒れてたことを。
私はどうも体の快楽に弱いみたいで。
アイツが好きじゃないのに。
ムラムラして誰でも良くなってくるんです。
巫女様だけで良いのに。
だから、もう男の体にもなれたし…ここら辺でアレは終わりにしてください」

『マナナ。
私が好きなら私が性転換するときまでは続けなさい』

「どうしてなんですか?
意味が分かりません。
巫女様は本命、アイツは醜いセフレ。
そんなの嫌に決まってます」

『体に正直でありなさい。
貴女は私だけでは務まらない。
良いでしょう、アイツを別に…第二の付き合う相手として選んでも』

「嫌に決まってます。
巫女様、私は怒ってます。
無理難題な注文ばかり。
私のこと、どう思ってるの?」

『好きになれそうね』

「と言うことは好きではないんですか?」

『そうね。
クリアー出来たら認める。
頑張ってマナナ。
アイツと付き合っても良いわよ』

「意味不明です。
巫女様は何を考えて…。
アイツはダメです。
だんだん本命を諦めて…体の快楽に落ちて…。
絶対、危険です…別れる日に暴れそうで仕方ありません。
だって、モテないやつですから。
すんなり切れそうにない気配が今から漂ってます」

『まあ、ヤツにも大変な勤めでしょうね。
良いんじゃないの?
どうせ交際してても破局するカップルなんて山のようだし…。
ヤツの感情も考慮してやっても。
貴女も受けれてやったら?
1年ぐらい付き合ってみなさいよ?』

「なんでそんなこと」

私はボタボタ泣いた。
巫女様は私の体を…胸を舐めたり…秘部を摩ったり忙しい。

『私もね…この泉からは出れない運命なのよ。
デートぐらいしたいかもね。
休日に。
アイツと散歩でもして来たら?』

「嫌です。
今ですら勘違いが入って来てます。
もう、巫女様…私もアイツもあまり困らせない方が良いと思います。
アイツも早めに切ってあげた方がヤツのためです」

『私が好きなら…。
奴を私と思って好きになりなさい』

「だから、どうしてそんなことばかり」

『試練です。
私が好きなら出来るはずです』

「無理に決まって…」

巫女様は怒ったように私の胸を揉んでる…。
今、濃紫の明かりに覆われてる…巫女様が。
それから…また、壁面にある灰色鍵付きロッカーへ…。
まさか…今日もペニスバンドなの?
たまにはあれなしで、レズなプレイでもって。
だけど、巫女様に私は合わせたい。

「巫女様。
私を好きになって下さい。
もうヤツは解放してやって下さい。
私も人間として…アイツを困らせるのは不憫です。
ヤツの恋に協力してやって下さい。
やっと、私はミルルを完全に諦められつつあります。
タリアとミルルの恋を応援してやってください。
頼みます」

『…』

巫女様は溜息を吐いてる。
そして、ペニスバンドだけ装着してこっちへ来たみたい。
でも実は期待してるかも。
快楽に弱すぎる、私って。

『貴女はどうだったの?
女の体と、男の体…。
どっちが良かった?』

「確かに体だけはどちらでもキモチイイものだとは学習しました。
でも、私にも倫理はあります。
今のままでは良くない気がします。
アイツは今、女体に狂って目的を見失ってます。
ミルルへ向くように仕向けて下さい」

『…』

巫女様は勝手に私の中へ入ってくる。
これが快感。
と言うか体だけは誰でも良いレベルなビッチ体だと私は自覚してしまった。
そんな私にでも一応、道徳はある。
私はキモチイイから喘いでる。
勝手になんかいっぱい揺れてくる。

『中出し興味ある?
ピルなら買ってあげるわ。
それとも…。
このままが良い?
合わせるわ』

「はあ…」

巫女様全身が濃ピンクなネオン光に変化する…。
頭がボーと私はする…。
頭にエロしかない。
どんどん酷い…体を繋げた日から。
その前から…酷かったけど…どうすれば…。

「お願いです、そんなことすれば私はまた変に。
もうここら辺で」

『体へ正直になったら?
好きなんでしょ?
本物のペニス』

「止めてください、もう」

私は顔を抑えた。
どんどん巫女様が変態になってる…私もどんどんビッチへなりそうで怖いのに。

『貴女って本当に快楽に弱過ぎね?
今もココ、尖ってるでしょ?』

巫女様は私の乳首を指ではじいた。

『分かりやすいわ。
どれだけ貴女が感じやすい体質か。
見れば分かる』

「…」

頭がボーとした。
中を動かされると良い。

「巫女様はこんなペニスバンドなんて…。
巫女様の乳首を私が吸ったり‥下を舐める方が気持ちよくないですか?
巫女様はどうなの?」

『これ、結構気持ちいいわ。
クリが擦れるからね?
アア。
本当はタリアに中出ししてもらいたいんでしょ?
貴女』

「止めてください。
私はそんなこと…」

変態なことも自覚ある、私は快楽に弱すぎてる…あんな奴でも気持ち良ければと落ちそうでもある。

『出して貰ったら?
でも、ピルは買うわ。
どうするの?
なしでも良いわ』

「アア」

頭が狂う、母親と同じで私もビッチ転落道へ行きそうな気がしてたまらない。

「巫女様、お願いこれ以上苛めないで」

『そうね…。
昼休みもアイツとならエロしても良いわ。
どうせ貴女、溜まってるんでしょ?
他に浮気するよりかマシね。
してきたら?』

「止めて。
自分で解決できてます」

『せっかく言われてる内が花よ。
ほら』

動かされることは良いけど…どんどん思考回路がおかしい、私の。

「巫女様…アア。
キモチイイ」

『どうせ、エロしか貴女って頭にないんでしょ?
素直になったら?
私は夜のミサしか出れない身だし…この泉から離れられないから…。
良いわよ』

ココから先はもう何言ったか覚えてない。
勝手に体が動いてた。

こんな雰囲気で事が終了して…グッタリとした。

☆☆☆


「巫女様はどうしてそんなに快楽主義なんですか…。
確かにキモチイイです。
でも…」

『…』

巫女様は私の体を終わった後も抱き締めてくれる。
ホッとする。
巫女様は緑光に包まれてる…。

「どうしてこんなに巫女様が好きなんだろ…。
とても好きみたい・・」

『ありがとう』

事後ってダルイ。

今日は缶コーヒーを飲むことにした。
巫女様の奢りみたい。

「巫女様、ありがとう」

『まあ、良いでしょう…』

巫女様から放出される発光は緑からオレンジ光になる。

コンセントもあるし…。
ココって自由に使いたい放題。
幸せかもしれない…。
あまり、生活臭を出したら…村の重要文化財だから叱られそうだけど…。

「巫女様は普段は…?」

『泉の下にいるわ』

「あそこの犬イルカ・…。
たまに会うのですが…仲良くなれる秘訣ってある?
パン与えても良い?」

『あまり餌付けはここ、世界遺産だし、お勧めしないわ。
私ですら生まれてこの方、懐かないわ。
食事なんてあげたら…逆に怖いわよ?
集団でたかられるらしいから…。
犬イルカは見てるだけの生き物よ。
たまに吠えるけど…すぐに逃げるし…。
犬みたいな顔してるけど…警戒心が強くて賢い生き物よ?
だから…絶滅せずにいるんでしょうけど』

「あの…おなかの袋…カンガルーみたいだけど…。
あれって…メスだけ?」

『謎が多い生き物みたいで。
余り解明されてないみたいだわ』

「巫女様もクルクル発光するけど…。
泉の妖精ってみんなそう?
巫女様以外にはどれだけの人数がいるの?
この泉の自然。好き。
真ん中がミゾになってて…深いって言う噂本当?」

『どうかしらね?』

「巫女様はどこから泉の下へ。
やっぱり関係者以外立入禁止橋の中央から…バシャンと泉に飛び込んで…自宅へ泳いで帰ってるの?
村人全員、そう言ってるけど…。
巫女様がこの泉に暮らす不思議生物の一つみたいな扱いを…村人はするけど…。
神聖なる泉の妖精様だって私も信じてる。
いつか連れて行ってくれたらな、異世界へ。
巫女様の自宅が知りたい。
どうして、高校の勉強まで巫女様は解けるの?
どこで勉強は習ったの?
いつかこの泉で泳いでみたいかも」

『…それは止した方が良いわ。
ココは重要文化財だから…。
そこは意外に深くて…溺れるっていう噂よ。
上と下では流れが違うらしいの…。
浅いのは…最初のところだけらしいわ』

「そうだよね…。
でも巫女様は溺れずに帰ってるっていう噂だけど…。
本当?」

『…。
どうかしらね。
真実を話すと私は処刑される身だから…』

「そっか…」

巫女様はあまり境遇を語ってくれない。
それにしても…。
私は他に経験ないからアレだけど…。

巫女様がするプレイもヤツはセフレだけど…。
アイツがやるプレイも似てる気がする、どっちも鬼畜プレイ…。
体はキモチイイ。
でも、どうして巫女様って…ここまで鬼畜なんだろう。
私が好きか…不安にもなる。
グダグダになる。

「巫女様は私に境遇すら語ってくれない…。
それなのに奴ばかり優遇して不公平。
なんであんな奴へ私の肉体を斡旋するの?
まるで…売春も良いとこ。
明日もまさか、あれを…」

『気持ちが良かったんでしょ?
要するに』

「人間ですから誰でも感じるのは当たり前のことです。
でも精神的に苦痛が伴います」

『貴女の当り前は常人では違うわ。
良いわよ、素直になっても。
奴を私の代わりに利用しなさいよ』

「無理です。
アイツはただのオナニーマシンとでも思ってます。
本命がいるのにそんなこと無理です」

『偽物のペニスより本物の方が良いでしょ?
貴女』

巫女様はオレンジから桜色へと光り方が変わる…。
本当に妖精のような美しさ。

「私はレズプレイで満足です。
そこは間違えてます…巫女様」

『そうかしらね?
貴女、ノーマルエッチ物凄く感じてたんじゃないの?』

「そんなわけないです」

『素直にエロ目的でも良いから付き合ってあげたら?
ヤツは喜びそうよ?』

「無理です。
アイツも本当に、快感に弱い。
長年、好きなミルルまで諦めて・…下心に走ってる。
エロしか頭にないみたいで。
どうすれば」

『まあ、ヤリタイ盛りに決まってるでしょうね。
もうミルルのことはヤツの中で過去になってるんじゃないかしら…?』

「そうなんです、アイツ。
情けないことにミルルを諦めるって…。
もう、余計にアイツと関係持てば泥沼へ転ぶのが目に浮かびます。
巫女様、どうすれば。
私はエロに弱いみたいで。
巫女様が大好きなのに…どうして巫女様からこんなことばかり毎回頼まれて。
ハア…」

『…』

巫女様が桜色光からラベンダー的な明かりへ変わる。
巫女様って本当に自然界に存在するネオンみたい。

「巫女様。
アイツはセフレで良いでしょ?
付き合うのは無理です、デートするなんて無理ゲーです」

『私と一緒でも泉の外には出れないのよ、私は。
興味ないの?
デート』

「これで満足です。
今が良い」

『そう…』

「あまり困らせると巫女様が嫌いになりそう。
巫女様、許して」

巫女様がラベンダー色発光から次はサファイア調に煌めいてる。
まるで光る宝石。

『…。
まあ、いろいろ耐えてるのは分かったわ。
良いでしょう』

「巫女様」

私は巫女様へ擦り寄った。

「嫌いになるなんて嘘です。
ただ巫女様、私を困らせすぎ。
たまには反抗したい、理解して」

巫女様はサファイアの輝きから次はミカン色光に変わってる…。
見てるだけで綺麗、私と一緒にいる時もそれ以外もクルクル変わって予想が付かない。
私はどの色も好きかもしれない、電気を消すと更に美しい。
巫女様から流れる髪がオレンジ色に輝いて眩しいくらい。

『そう…』

「…」

『マナナ、こっちにおいで』

巫女様へキスした。
なんかこれがホッとしてキモチイイ。

「私、エロより更にキスが好き」

『ありがとう』

☆☆☆


巫女様は軽やかな天女、軽く微笑むと…視線を窓の外、ターシャ泉へと逸らした。
それからまたこちらを見詰める。
巫女様の瞳にはダイダイ色蜜柑が灯されてる。

「巫女様、今日も帰るんだよね、泉へ」

『ありがとう、楽しかったわ』

巫女様は照れたように軽くキスをしてくれた。
私も応じて舌は入れる。
巫女様に抱き付いて甘えようとして、そこで止められた。

『また明日ね』

「巫女様…あの橋の向こうには何が?」

『…』

巫女様は帰り支度をなさってる。
灰色の鍵付きロッカーからターシャ教の鬼面シンボルマークが刻まれた風呂敷包みを手に取って…そこへペニスバンドなどを収納してる。
あと、缶コーヒーのゴミも入れてる。

私も黙ってないで、帰り支度しなきゃ。
慌てて、服装の乱れを直し、それから携帯電話の充電器は抜き、学生鞄に入れた。
あまり遅いと…親に心配される。
巫女様のミサに通ってる話で通じてるけど…。
それでもなるべく早く帰らなきゃ。
巫女様と友達になれた話で通じてる…。

親は大歓喜してるけど…なんせ、巫女様は村の妖精…生き神様状態だから。
しかも、勉強まで教えてもらってると言えば…もう親は喜び狂ってる…。
11時までには自宅に着きたい。
ミサが終わるのは9時。
いつも1時間ぐらいしかココにはいれない。

『今週末は祭りね。
マナナは誰かと来る気?』

「え?
今年は一人で」

『そう』

「キセキから誘われたけど断ったわ。
タリアは毎年、何故か祭りに参加しないみたいで。
私は誘ったことはないけど…。
キセキは誘ってるけど断られてるみたい」

『そうなの…。
昨日の夜中…パレードのための花火が上がったわよね?
マナナも見たかしら?
私…ドドンっていう音だけ聞こえて…。
縦に走った光り…ニュースでは・…宇宙生命体って報道されてたらしいけど…』

「巫女様ってニュース見てるの?」


『ある程度何でも知ってるわ。
泉の妖精だからね。
私は…』


「そっか。
私も聞いて…てっきり…パレードのための花火だって思ったけど…。
朝、起きると…それはないって…花火の関係者が否定してるシーンから始まっていて…ニュースが…。
あれって何だったのかな?
泉の近所で上がったかな?」

『…。
マナナ、今日はバスが来るまで見ていてあげるわ。
最近、物騒だから…。
マナナの家はバス停から徒歩何分なの?』

「徒歩3分…。
近所は大丈夫だと思う…。
今のところ、何も起きてないから・・」

『そう…』


「それにしても…。
本当にアイツと私は…嘘でしょ?
巫女様、そんな交際を許可するなんて。
というより私に強制するなんて。
さっきの話をまとめると…そういう意味?
どうして…もう毎日、混乱続きで。
巫女様」

『ごめんね』

「デートならこのターシャ泉に生息する生物を一緒に観察するだけでも私は満足です。
その辺、一緒に散歩しようよ、犬イルカとか割りと可愛いし…」

『でも、もう10時でしょ?
さすがに貴女、帰宅が遅くなるわよ。
そろそろミサ会場の今…私たちがいる、この赤いテント・…。
その前に・・バスが来るでしょ?
バス停へ行くべきよ、貴女』

「巫女様とデートがしたい。
ダメなの?
次のバスでも別に良いから…30分後だけど…」

『そうね…』

「これから先のこととかたくさん話し合って。
イチャイチャ出来たら」

『どうせ明日も会えるわよ。
マナナはもう帰りなさい。
支度終えた?』

「ええ」

『気を付けてね。
このテントも鍵をかけるから』

「巫女様…。
明日、奴は振ります。
絶対、私は巫女様だけです。
認めない」

『強情ね。
良いんじゃないの?
もう少し欲望に正直になっても』

「巫女様、だって。
矛盾だわ。
巫女様、本当に私…好きなの?」

『好きになれそうね。
マナナがタリアと付き合ったら私はもっとマナナを好きになるわ。
約束する』

「絶対嫌です。
どうしてそんなことばかり」

『…帰るわよ、おいで』

「巫女様、何故?」

私は首を床へ下げた。
どうしてこんなことに?

『そうね。
タリアを私と思いなさい。
それが出来たら、私たちきっとうまく行くわ』

「何言ってるの?
無理です、全く違います。
注文も酷いも良いとこ」

『今のがヒントね。
貴女はもしもの話だけど、私と奴が同一人物だとしたら、どういう対応をするのかしらね?』

「そんな訳ないです。
見れば分かります」

『そう…。
でももしもよ?
そしたら、貴女はアイツを愛すかしら?
まあ、この課題…難しいでしょうね。
私は今で満足よ?
期待してるから」

『巫女様があんなヤツなわけないと思います。
でも、まさかそうなら。
うーん…」

『…』

「難しいです。
ちょっと悩みます。
うーん」

『…』

「あり得ないでしょ?」

『そうよね?
でも面白いから聞いてみようかしらね?
どうなの?』

「う…ん。
巫女様を取るか…あの醜い顔か…。
はあ。
うーん」

『そこまで悩むの?
貴女の私への愛はその程度?』

巫女様を包む明かりがアメジスト。
巫女様って本当に生き宝石。
でも、質問は難しすぎる。

「え?
違います。
巫女様。
ただ難問過ぎて。
例えてみるなら、美少女アイドルの正体が実はゴキブリが変身してた姿で…変身がとけた…その瞬間並みに私的にはショックです」

『そう』

「巫女様、例えが悪かったです。
それぐらい、私はアイツを許してません。
害虫も良いとこ。
本当に良い迷惑してます。
嫌がってます」

『私は泉へ帰るわ』

巫女様はテントから出た。
私も出た。
巫女様は首からかけた鍵付きネックレスで施錠する。
それから巫女様はいつも通りに関係者以外立ち入り禁止の橋へ足を進める。

「私は奴を憎んでます。
本当に根性なし、ミルルが好きな癖に私の体だけ奪って。
というか私はあんなヤツ、無理に決まってます。
巫女様、もう少し私に優しくしてください。
こんな質問、簡単に決まってます。
あんなヤツ…スリッパで叩いてやりたいです、明日にも頭を。
勘違いされて良い迷惑も良いとこ。
そんな訳ないからです」

『そう…さよなら、マナナ』

「え?
また明日ですよね?」

『バイバイ』

「え?巫女様」

巫女様なんか機嫌悪いみたい…。
私が反抗したからかな?
命令に…。

「巫女様、明日もミサへ来ますね」

巫女様はトボトボと橋を歩いた。
振り返って下さらない。

「私は長年、アイツを見れば…見て見ぬ振りしたり、攻撃したり・…。
もうその域にヘイトです!
目が腐ります、オゾマシイ…。
体が勝手に逃げ腰になって震える域なんです、最初からです。
無理です。
巫女様ももう私を苛めないでください。
私をもっと理解して優しくなって下さい。
巫女様、今回ばかりは反抗しました。
拗ねないでください…愛してます、巫女様だけを」

私は一生懸命自分の思いを伝えた。
巫女様はまだ分かって下さらないみたい…。
私はボタボタ泣いてる。
どうして巫女様からあんな言葉を…。
ムカついてる、あんな奴と交際しろと命令された件について。
巫女様にはどうして私の女心を理解して下さらないの?
あんなヤツ、明日…振るに決まってる!
大好きなのは巫女様だけなのに。
神様はどうして私を苛めて来るの?
もうイチャイチャしたいだけなのに…。

でもやっぱり夜の闇に水色発光する巫女様は幻想的。

巫女様はああ言って私を困らせてばかりいる。
でも私の気持ちも尊重してほしい。
私は…バス停を確認した。
あまりバスは利用しないけど…。
ここ11時30分まである。
街内循環バス。
結構便利かも。
青いベンチに座った…。

もうきっと、すぐにバスが来る…。

緑の草むらで…今日も赤いタコが仲良く2匹キスをしてる…。
もう嫉妬するレベルに仲良し…。
これもターシャ泉にしかいないタコらしい…。
巫女様もターシャ泉にしかいない人間だけど…。
ココの生き物って変わってる…一歩進化が早い感じ。

私も巫女様とイチャイチャしたいと言うのに…。
赤いタコはスリスリと2匹仲良く・…泉にポチャンと入って行った。
つまらない…。
巫女様、どうして鬼畜なことばかり命令なさるの?




☆☆☆



ああ巫女様D


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ああ巫女様F






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