アナタノコトガスキデス

萌え妄想のまま走るいろいろ創作小説の予定。苦情無断転載禁止。

ああ巫女 様I



☆☆☆

そのあとキセキが教室へ到着した。
これまた私は気まずい。
タリアの席にいることが…。
キセキから挨拶がある。

「おはよう、マナナ、タリア」

「おはよう。キセキ」

『おはよう、キセキ』

キセキの茶色い瞳と合致し、どう説明すれば良いのか一番、戸惑う。
お母さんには傷つかないように言うのよと朝、諭されてる…。

「マナナ、君がタリアの席にいるなんて珍しいな」

「そうね…」

『…』

私の目の前にいるタリアを見る…。
全く表情が変わってない。
言わなきゃダメなのか…。
やっぱり何かの罰ゲームとしか言いようもない。

「タリア…言うべきなの?」

『…』

タリアはこの通り、無言に徹してる…。
どうせ黙ってても他の男子たちから分かりそうなものだけど…。
キセキがタリアの席へ歩み寄った。

「君とマナナが和解するなんて今日は夢のような日だな」

『…』

向こうの方から男子たちの声が聞こえる…。

[そう言えば…マナナって前までキセキにアタックしてて念願叶って付き合えたのに、突然…メールで振って…。
で、今…タリアと罰ゲームで付き合ってるんだろ?]

[普通に考えて今、物凄く気まずい空気なんじゃね?]

[良いのか?
あれ?
放置してて]

[俺らが解決できる問題を越えてる…]

男子たちの声は大きい。
お蔭で私が言わなくても伝わった。
私はキセキを見詰めてみた。
キセキは目をパチクリとしてる…。
何て言えば良いのか私ですら困ってる…。

「君たちは罰ゲームで付き合うことになったのか?

今、男子たちから聞こえた言葉は真実なのか?」

私はさすがにタリアへ救いの手を求めて…目をじっとり見詰めたのに…。
奴は私の方しか見てない。

「タリア、たまには対応しなさいよ。
何で、私ばかりなの?」

『…』

「マナナがそんな反応だってことは本当なのか?」

「キセキ、アンタからも頼むわ。
タリアを叱って。
コイツなんも反応してくれない」

『…』

「タリアが無口なのは昔からだ」

それでよく、キセキって・…タリアの親友ヤッテル。
ある意味、凄いとは思う。

「君へ聞く…。
まさかタリアと付き合ってるのか」

あまり、どう反応すればいいのか分からず…。
言葉もよどむ。

「自分でも理由が謎なのに、何故か付き合うことになってしまってるの…。
こうとしか言いようがなくて…」

「そうなのか?」

「そうなの…。
何でこんな話に?」

『…』

スッキリした。
まさか体の欲に落ちて、タリアを許し…交際が始まったとは言えない。
タリアを見た。
困った顔だけしてる…。
本当に役立たず。
何の対応もせず、私だけ困ってるに決まってる。

「タリア…」

『…』

溜息吐いた。
タリアが元々下心も含めて…ミルルを諦め、レズな私が巫女様に言い寄って…。
体だけ私の貞操を奪った話から始まった。
なし崩しに交際になってる…。
そうとはまさか言えない。

「そうか…君はとうとう、転校生ゼロの存在で…ミルルを諦めたのか…。
それにしても…マナナ、君はタリアが嫌いだったはずだ。
それからタリア、君もマナナが嫌いだったはずだ。
本当に不思議な話だ。
この話にはどうも裏がある気がしてたまらない…」

そのとおり、私が…タリアが女性姿に変身するなんて全く知らない…。
タリアが美しい金髪華奢美女、巫女様の時、猛烈にアタックして、何とか落とした。
レズとして…。

そこから…女体に味を占めたタリアがとうとう…・ミルルを諦め、私で良いと言い始めた。
そして、何故か私もエッチが好きだからもうこれで良いと付き合う話になってる…。
今日の昼もするのが楽しみ。
そんなことが言えるわけはない。

「キセキ、私…キセキが塾で落とせること、祈ってるわ」

「マナナ」

『…』

そこへミルルやナデシコ、カンサイまでやって来た。

≪キセキさん、おはよう。
ミルルが手洗いへ行ってる間に…来ていたなんて≫

Uウチもおはようや。
キセキくん、ウチにしろや?U

||キセキ君、今日こそあたしにしてよね?||

良く言う…。
手洗いへ行く前は…浅黒い肌したゼロくんにアタックしてた。
アラビア系男子ゼロくんも呆れて…どこかへ逃げた。
あの人、猛烈に足が速い・…。
きっとクラス一早い…。
体育の時間、みんなびっくりしてた。
余りの速さに…徒競走が。

さすが…邪神国で戦争を味わってるだけある…。
走り方がすさまずくて…死活問題並みの速さ…。
あれがあるからゼロくんも亡命が出来たんだと思う…。

「君たちは僕より…ゼロに目移りして、悩んでいたんじゃないのか?」

≪うーん、ゼロさんも悩むのよ?
でも、どちらの花も良いのよね?≫

||あたしもいろんな種類の花を生けたくなるのよ?
だって、実家で花道やってるからね?||

Uたまには違う種類もいいわ、おこらんといてや、キセキくん。
テヘ♪U

物凄く、カンサイはノリが良い。
首を激しく振り、誤魔化すかのように黒髪ツインテールをユサユサ動かしてる。
やっぱりメイド喫茶の子は対応がうまい。
見習いたいところ。

「そうか…。
そうなのか…」

キセキの茶色い瞳が…何か暗い。
ちょっと挫折してるのかもしれない…。

『…。
キセキ…おまえはターシャ祭で…塾の子のことを祈るんだろ?』

やっと、タリアが会話し始めた。

「そうだ。
そうだった、僕にはまだいたんだった。
それ以外にもバス停の子や、喫茶店の子も。
元気を出さなくては」

急にキセキが元気出し始めた。
キセキ…タリアが巫女様って知ったらどうなるんだろう。
でも言わない。
タリアの家が路頭に迷うらしいから…さすがに…。
タリアにしてもまあ、そこまで覚悟して話したんだから…。
私のことが満更じゃないのかもしれないけど…。
ミルルのことはもう過去で・・下心に落ちてるらしい…だって、モテないから。

ミルルのことがもう7年以上も好きだったくせに無理っぽいのも理解できる。
なんせ、ミルルはCMに出るレベルの美女、タリアもミルルが好きなら声掛けすればいいのに…。
結局、最後まで好き過ぎて…緊張して声がかけれなかったらしい…。
何やってるんだろう、タリアってへタレすぎてる…。

でも、タリアだけじゃない…。
このクラスの男子ですらミルルには…緊張しすぎて、近づいてないやつも大勢いる…。
高嶺の花ではある…。
そこは認める。
だって私ですらミルルを好きだったんだから…結構長いこと。

「キセキなら出来るわ。
私には分かる、教室で一番、格好良いのはキセキだから」

「マナナぐらいだ、そうか…君の目にはゼロより僕の方が格好よく見えてるのか…」

「うん」

私は見慣れないゼロくんよりまだキセキの方がいいかもしれない。
タリアはまあ、体だけはしてるときキモチイイなってレベル。
顔は…うーん。

好みじゃなかったけど…うーん…。
まあ、今は嫌いでもないかもしれない、味があるってことにしておく。
タリアは目をパチクリとしてる。
でも自分の身分は知ってる筈。
反抗はしてこない・・。

『…』

じっとりした目で私を見詰めてるだけ…タリアは…。
タリアは暴言吐かないと…本当に大人しい…。
ここまで大人しい人間とは思わなかった…。

まあ、仕方ない。
キセキは確かに子供時代、美少女だった。
でも、いつの間にむさくるしく育ったのか…。
母として悲しい気分。
格好良いと言うのは建前…昔、姫様だった分、まだ許してあげるっていう意味。
もう、絶対女装は似合わない…。
それでも良いかとも思ってる。

お母さんにもキセキを振る時は傷つけないようにって今朝言われてる…。
”格好良い”は私なりのお世辞に決まってる。
これでキセキも図に乗ってる、タリアが対応しないからこんなことになる。
大変すぎる。

まあ、やってみればタリアでも気持ち良かった。
見目はともかくそんなものらしい。
前ほど男に嫌悪もない。

☆☆☆

キセキは自分の席へ戻ったみたい。
それからミルルやナデシコ、カンサイも一緒にベッタリ密着したまま。
新入りゼロくんの席へも行きたそうな顔を3人ともしてるけど…。
ゼロくんはどこへ行ったのか未だに帰ってない。
学校周辺探索に忙しいのかも。

向こうにいるキセキの席から声が聞こえる…。

「ミルル、元気出せ。
今日は悲しい知らせがある…」

≪何なの?キセキさん?≫

Uミルルにだけか?
ウチも気になるわU

||ミルルの不幸はあたしの幸せよ、言ってみて?
キセキ君?||

「ミルル・・君はとうとう、タリアに振られた。
タリアはマナナと付き合ったらしい」

≪え?≫

U嘘やろ?
あの根性なしU

||さすがに…留学生ゼロ君の存在で諦めたのね…ミルルのことを||

「元気出せ、ミルル。
君を狙う男子は他にもたくさんクラスにいる。
その奴らを僕は協力する」

≪ミルル嬉しいわよ?
これでキセキさんがミルルを断る理由もなくなったわね?
遠慮なんてしなくて良いのよ?
ほら?
ミルルへ行きなさい?≫

Uくー、なんや?
あのマナナはビッチかいな?
それから月神くんは腑抜けヤロウの根性なしかいな?U

||何なの?
今のニュース。

あたし全然、嬉しくなんてないわよ?||

「ミルル、君はゼロが好きなんだろ?
そっちに行け…。
ゼロは今、教室に何故かいないが」

≪ゼロね…悩むわ?
キセキさん、ミルルがゼロさんへ行くと泣くかしら?
そんなこと言って≫

Uミルル、ゼロくんもキセキくんもウチのものや!U

||何言ってるのよ、
両方…。
いいえ、どっちかがあたしの将来の夫確定よ?
ゼロ君にはターシャ祭りであたし、着物姿で抹茶を振る舞うわ。
これでいちころよ?
悩むわ…キセキ君とどっちにしようかしら?||

「君たちは…。
優柔不断すぎる…。
僕は失望してる…」

邪神国からゼロくんが来てから…キセキを崇拝する女子達の対応が変わりつつあるみたい…。
私はカンサイからビッチ扱いされてるみたい…。
完全否定しがたいのが辛いところ…。

ミルルは全然、応えてないみたい…眼鏡の奥から嬉しそう。
タリアが不憫にも感じる、タリアが余りの苦境に諦めるのも納得は行く…。
こんな結末でタリアの7年以上続いた初恋は終わったみたい…。

☆☆☆

「ねえ、タリア?」

私はタリアの席にいる…。
朝礼まで5分しかない。
と言うことは休み時間もそれ以外も15分程度、昼休みまでは・・ヤルの無理そう。
そんなことが頭にある。
こっそり、タリアのズボン、股間辺り触ろうとして、手を抑えられた。

タリアはノートを出してきて…。

”クラスでは止めろ、すぐにばれる”

と鉛筆で描いた。
少しつまらないとは思った。
私は密着だけはさせてもらうことにした。

何も聞かなかったけど。
前まではキセキに密着してたのは私。
これぐらいなら良いだろうと鷹をくくってた。

タリアは無言。

しかし…向こう岸から男子らの声が聞こえる。

[なんだよ、罰ゲームで付き合って…イチャイチャしてやがる、タリアの席。
それからキセキの席…相変わらず花がまわりに3本だ、両手に花どころではない。
前左右にだ…。
花一本がそれただけかよ…]

[本当につまらない。
タリアのどこが?
でもどうせ、罰ゲームだ。
明日には別れるはずだ、100タ$は懸けてみよう]

[俺も300タ$ぐらいなら懸けても良い。
前まで散々にマナナは貶してた]

いつの間にか…タリアにもキセキにも呼び捨てで幼馴染だから呼ばれ続けてる…。
他の男子たちにも呼び捨てなことが多い。
ちょっとクラスの男子も馴れ馴れしいと思ってる…。

[ああ、モテたい・…。
今年のターシャ祭、それを頼もうかな?]

[あれ、物凄い人気で…定員が会場から溢れるレベルらしいぜ…。
くじ引きになることも多いらしい…。
巫女様が番号札を引くらしい…]

[そうなのか…]

[それか、巫女様が客を選ぶ権利まであるらしい。
巫女様に当日までに…何とか通い詰めた女性客は取れるが…。
男はそれが無理だから一般では通えないし…大変らしい]

[そうなのか…]

[謁見は許されても力を与える儀式は物凄い人気で、一日で終わらないことも多いらしい。
世界中から寄ってたかって来るかららしい]

[なるほど…]

[女性は一般もあるから一応、男性客を優先してるらしいが…。
無理難題過ぎると…逃げられることもあるらしい]

[おまえ、何がいいたい?
俺がモテるのが…無理難題だとでも言いたいのか?]

[そう言う意味ではないが…彼女が出来るようにレベルぐらいの謙虚な願い事の方が通過しやすいんじゃないか?
一度、アホな男子が…世界征服とかくじ引きの紙に書いたが…除外された。
無理なのは落とされるらしい]

[まるで、入試試験だな]

[そうだ…それぐらい、ターシャ祭は人気だ]

もうすぐ今週末、ターシャ祭りだから…その話をしてるみたい。
まさか、誰がその選抜してるか…タリアだとは誰も思ってないだろう…。
タリア…今までよく…やってきたとは思ってる…。
言いたい放題の願い事ばかり、ミサでも女性客全員だから…。
さすがに世界征服っていう願い事はなかったけど…。

そんなふうにも利用できるみたい…。

☆☆☆

授業が開始される。
何故か…留学生の癖に、ゼロくん、勉強できるみたい。
物凄くスラスラ。
というか日本語どこで覚えたんだろう?
小テスト…ミルルを越えてた。
ミルルもこれはビックリ。
さらにキセキのライバル決定因子。
というか…ここ数日の小テスト…ゼロくん全部100点。
流石、日本語まで覚えて亡命する人間は違う。
ミルルが揺れ動いてるのが明らか・・。

[キャーまたゼロくんが100点だわ]
[徒競走も一番だったわね]
[悩むわ]
ゼロくんは…教壇の中央、最前列にいるけど…。
周りの女子がアタックをしてる…。

【ウルセェ】

[良いわ、もっとしゃべって!]
[どうして、休み時間、ほとんど教室にいないの?]
[ねえ、何やってるの?休み時間は…]
[学校が終わったら…瞬間移動並みにいないけど…。
どこが家なの?
私だけに教えて]

【ダリぃ】

[ゼロくんて…日本語もだけど…漢字もカタカナもどこで覚えたの?]
[邪神国で日本語の科目ってあるの?]
[こっちでは邪神国の言葉って知らないけど…。
独自の言葉があるって聞く…本当?]
[あの国のニュース、報道されてるけど…。
どう思ってるの?
ゼロくんは]

【平和ボケすんな、ゴラァ】

[そう…あたしたちのこと、好き?]
[この国気に入った?]
[両親はどこにいるの?ターシャ国?]
[兄弟とかいるのかな?]

【スキになれっかよ、オマエラ…敵ダ。
ウゼェ】

この調子…ゼロくんって…。
ミルルの弁当で怒った件もあるけど…クラスメイトにまだ馴染んでないみたい。
ゼロくんってスラグ用語が多い。
よほど、苦労して生きて来たんだと思う…。
なんかそんな気がする。
だって、邪神教のメッカ、邪神国だから…。
あそこって…共食いまであるレベルの食糧難らしいから…。
もう本当なのか…ニュースで聞くたびに怖すぎて、チャンネル変えたくなる域。
亡命するのも大変そう…。

☆☆☆

ミルル達はそれぞれバラバラな席。

≪困ったわね…苛め甲斐がある、キセキさん。
苛め甲斐がないけど…オールマイティで逃げ足まで早すぎる、ゼロさん。
どっちが良いかしら?≫

Uうん、ウチも悩むけどな、完璧すぎるとまたこれはおもろないんやU

||少しぐらいの毒を見せないとね?
だって、顔良し、頭良し、運動神経良しになると…。
なんか逆に興味なくすのよね?
真面目すぎも詰まらないでしょ?
キセキ君のような時々泣いてくれるぐらいでも…。
うーーん、まだ足りないわ。
キセキ君の涙顔を越えるぐらいの胸キュンが欲しいわ。
あれ、あたしも好きなのよね…||

勝手に授業中、化学を聞かずに…。
男子の考察をしてる。
男性の化学の先生が物凄く呆れた顔してる。

知らなかった…ナデシコまで…キセキの泣き顔が好きだったんだ…。
Sだったらしい…。
まさか、カンサイもなの?
この女子、3人…好みが似てるとは思ってた…。
でもちょっとビックリしてる・・。
カンサイはどっちなんだろう?

---眼鏡ミルル、おまえは、CMにまで出たからって調子に乗り過ぎだ。
学校でもお前だけは茶髪を許してやってる。
この学校の成績を上げるためにもだ、成績が良いのも知ってる。
しかし…授業ぐらい集中しろ。
男子どもも呆れてる…---

≪先生、ミルルは完璧過ぎないからモテるんです。
このSキャラな切り口が更にモテるんです。
この意味、分かりますよね?≫

Uそうや、ゼロくんにはそれがまだ足りん…。
だからキセキくんとウチも悩んでしまうんやU

||どっちにつけば、あたし…良いのかしら?||

良いのかしら?
化学の先生が悲しそうな顔になった。
化学の先生ってそう言えば、独身…。
もしかして、ロリコンで…ミルルファンなの?
ミルルが美人なことは分かる。
クラス中の男子、全員が狙ってる…。
別にロリコンじゃなくてもミルルファンは根強いと思う。

私は別に男になりたいと思わないけど、私が独身男性でミルルみたいな美少女を見たら絶対デレデレする自信がある。
ミルル人気は凄まじく、年下からも歳上からも同じ歳からも支持を得てる。
そして私のようなレズからも…。

あのメガネがここまで似合うのもミルルがドSでしかも…知的キャラで運動神経まで抜群だからこそ。
ミルルって苗字まで眼鏡だけど…。
本当に眼鏡が良く似合う。

ミルルの苗字が眼鏡なのは…。
法律改正で…大昔、平民に苗字がなかった時代、平民に苗字を与える時、銘々各自自分で考えた苗字を役所に提出することになったらしい。
その時、ミルルってこの国では珍しく無信教者で身分的には卑しかったらしいの。
だからこそ、ミルルって宗教大嫌いらしいの、今でも…。
その当時はターシャ教でも位別に職業まで決まってたらしいの。
ミルルの家は…眼鏡を削るための職人だったらしくて…。
勝手に眼鏡っていう苗字で通ったらしいの。

で、未だにミルルは眼鏡って苗字らしいの。
ミルルの先祖は代々、近眼で眼鏡をしてるのもあって、そんな苗字らしいけど…。
これが覚えやすい…。
きっと、テレビで流れてるあの”眼鏡ミルル”…。
絶対、知らない人は芸名だって思ってると思うけど…。
そうらしいの。

ターシャ国も…大昔はターシャ国王による絶対王政で、伯爵家以外の平民、それからその下に当たる卑しい身分の人間はことごとく迫害を受けた時代もあったら しいけど…。
国民から勃発したクーデターにより、今ではターシャ国王は平民に監視されてる存在らしいの…。
それでも警察も動員して…今でもまだ、ターシャ教は世界へ広めようと頑張ってるらしいけど…。
あまり、詳しいことは…実はよく分からない。
自分の国のことでも難しすぎるから…。

私は授業で…市民革命を境に…ターシャ教の平民が力を付けたって習ってる…。
これぐらいならきっと、この村の人も…もっと大きな町の人も…国民全員知ってると思う…。
今や、国王はターシャ国の象徴。
政治は…国民が選んだ人間がしてる…。

☆☆☆

ミルルが先祖代々、近眼で眼鏡必須だとは言ってた…。
ってことは…。
先日、相談に来てた…ミルルと全く容姿が違う…中年女性・・・。
確かに眼鏡だけは共通項目…。
まさか…ミルルの…お母さんなの?

ミルルはまさか…自宅で…壁に穴が開いているって言うの?
お母さんが手を焼いてるらしいけど…。
本当なのかな?
ミルル、品行方正で全くそんなふうには学校では見えないけど…。

☆☆☆


ちょっと痩せすぎてたけど…ミルルは連日の過食で…またすぐに体型が戻ってる・・。
凄い、生命力。
結局、点滴なんていらなかった。
心配したの損だったかも…。

今、公式プロフィールに身長と体重のサバを読もうと狙ってるみたい…。
今度は・・あっけらかんってしてる…。
公式プロフィールが純清純系って書かれてるけど…。
クラス全員がドSキャラだって知ってる…。
ミルルに清純系なんて無理だと思う…。
それで無理が出て、まだ読者モデルなんだって思ってる…。
ミルルは足蹴りするレベルの…Sだって思ってる。

ミルルとのプレイ、気になってたけど…最後まで出来なさそう…。
私は実はMなのかもしれない。
タリア、鬼畜過ぎてる…今のところ。
アレがまた良い。
気持ちが良い。

☆☆☆


お昼休みになる…。
ゼロくんは学食みたい…。
女子達何名か付いていってる…。
キセキも学食らしい…。

キセキはちょっと元気がない…茶目がドンより曇ってる。
私がタリアと付き合ったこと、少しジョゲてるのかもしれない。
確かに…長年、私もアタックしすぎてた、キセキに。

それとも…アラビア系男子ゼロくんからクラス中の女子を奪われそうな現実のせいなのか…。
どっちなのか…。
ミルルやナデシコやカンサイが嬉しそうに…キセキに付いていってる。
というか…キセキって塾にも好きな子がいる癖に…。
気が多いって思う。
あれぐらいの罰があっても仕方がないとも思う…。

☆☆☆

休み時間はタリアに勉強、教えてもらってた。
なんか不思議な感覚。
慣れるとドってことないのかもしれないけど…。
外野席で男子がうるさい。

[いつのタイミングで別れると思う?]

[さあ、罰ゲームらしいし…。すぐだろう]

[なんか見ててイラつく空気だ、潰したくなる]

[タリアに良いとこがある訳ない。
絶対、俺の方が勝ってる]

言いたい放題。
実は私もなんでこんなことになってるのか分かってない。
ただ、昼間、エロスがしたくてたまらなくて…。
負けた、欲に…。

☆☆☆

お昼休み、今日は雨だけど…。
傘を差して…裏山の廃墟へ行った。

ここって良い。
誰もいないからやりやすい。

「タリア。
これから」

『おまえ、ピル飲んでるのか?
俺が渡したけど…初日に…』

「うん」

私はこれが楽しみで付き合ってる。
タリアとキスした。
全然嫌悪感がない、だんだんいいかもしれない…。
タリアの肌に密着して…自分の体を擦り付けた。

タリアも勝手に私の胸を揉んだり…吸ったりしてくれる。
これからこれが毎日できると思えば、もう楽園。

私はエロが大好きみたい…。

「はあ」

私は服を脱ぎ捨てた。
タリアも私が脱いだら脱いでくれる。
フェラをする。
これもいい。
パイずりもしてみる。
これも良い。
地べたに寝転がって。
腹を床に付けて…尻だけ出す…。

「タリア、早くして」

『…』

タリアっていつもそうだけど…。
ビックリすると…声が出ない性格みたい…。
そうなんだって思ってる…。

タリアは静かに私の下を手で触り…それから…さっき、私がフェラとパイずりをして濡れた性器を入れてくれた。
これが良い…。

勝手にタリアが私の尻を掴んで勝手に…しこってくれてる…。
乱暴なぐらいでもまた気持ちが良い…。
声も漏れそうになる。

『あまり声出すなよ』

「はあ」

私は耐える。
もうこれがしたくてたまらなくて付き合ったようなもの。
タリアがするエロス、好きかもしれない.
静かにやられて体だけシコリまくられて…。
グッタリした。

終わるとスッキリ出来る…。
中で出されるのがまた良い…。

『気持ち良かったのか?』

「うん…」

終わった後はタリアの胸に乳房を擦り付ける。
キスをする。
これがまた良い・・。

『今日もおかわりなのか?』

「どっちでも…とてもいい」

『そうか…』

タリアも大変だと思う…。
少しこのままでも良い。

「これからもいっぱいしてね」

『分かった』

これから先、どんなプレイをやりまくれるんだろう?
楽しみ過ぎる。
タリアがどんどん好きになってるみたい…。

☆☆☆

お互い、服は着た。
お弁当を食べ始める。
タリアは勝手に私の胸を触りに来たりする。
巫女様の時もされてたけど…触るの、好きらしい。
そのままにさせてあげてる…。


「タリア。
今週末は三連休でしょ?
ミサのテントに泊まっても良い?」

これが嬉しい。
何だろう…。
私たち、本当にカップルみたい。
えっと、付き合ってるのは分かってるけど。
前まで鬼畜プレイ続きだったから。
今日は初めて普通にした気がする…。

巫女様が大好きなのに好きな人に他の奴とやれって命令されることほど屈辱もない。
何だかホンワカした気分。

『良いだろう』

「わあい♪」

テンションも上がる。
最初はアレだったけど、流された気もするけど、いいかもしれない。

「巫女様とずっと一緒に?」

『それでも良いが…いつも学校終わったら、すぐにミサへ直行だ。
普通にデートも良いかもしれない。
泉の外で』

「って言うことは…。
普通になの?」

『そうだな』

「うーん」

一瞬、迷ったけど…。
良いかもしれない。
行きたいところがある。

「行くなら、カンサイが勤めてるメイド喫茶に行きたい」

『メイド喫茶なのか?』

「うん、可愛い子がいっぱいだし…癒されるよ?」

『俺はそういうのは…』

「でも、一度ぐらいデビューしようよ。
メイド喫茶。
萌えるよ?
行きたいな…」

『良いだろう』

やった、行ける。
いつもミサと時間が重なるから全然行けなくて困ってた。

「ありがとう」


『おまえ・…ひとつ聞くが・…。
留学生のゼロ。
アイツのこと、どう思う?』

「どうって?
別に気はないわよ?
私はエキゾチック系美女がクラスに欲しかったな…。
って思うだけ」

『そっか…』

何か言いたげな顔…。
まさか、ゼロに嫉妬してるのかな?
確かに物凄く女子から突然やって来てモテまくってるみたいだから。

「アンタがモテないのは昔からでしょ?
嫉妬するなんて、ダメに決まってる。
少しは賢くなりなさいよ?」

言いたくもなる。

『はああ…』

タリアは溜息を吐いてる。

「どうせ、キセキにも嫉妬してるんでしょ?
キセキと仲直りしなさいよ。
これだからモテない男は…」

まあ、こんなところも可愛くはある。
少し最近、タリアの評価は上げてる。
そこは内緒。


ああ巫女様H


小説目次

第3部を読む前のイラスト








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