アナタノコトガスキデス

萌え妄想のまま走るいろいろ創作小説の予定。苦情無断転載禁止。

精神崩壊を起こした理由 

それは…。
水月が言ってしまったのだ…。
もともとサスケには夜中抜く声が出てることに全く自覚がない節で…。
大蛇丸傘下では…かなり噂にはなっていた…。

最初の頃は小さく「サクラ大好きだ、ナルト殺す」程度に呟く…可愛らしいものであった…。
香燐が、扉にわざと耳を引っ付けて、拝聴しなければ聞き取れないレベルの音量であった。
しかし、昼間は醜態を全く顔に出そうともしない。
常に平然として無表情に近い。

大蛇丸は
「サスケくんもねぇ。
里にいた頃は夜中、一緒に暮らしてくれる人がいなかったみたいで…。
どうもあの時間だけ弱音吐くみたいなのよぉ…。
昼間、隠してるんだから、ソッとしておきなさい…」
とは、傘下に諭していた。

どうも大蛇丸はサスケにだけは贔屓目だ。
最初から隊長の位を与えたり様々だ。

実は裏でサスケの兄…イタチが大蛇丸を脅して、サスケを優遇するように強制してるのだが…アジトの連中にはその事実は隠蔽されてる。


水月には、大蛇丸が…サスケだけ甘いのが非常に気にくわない…。

水月はサスケのその件に着目して…。
興味本意で情報を与えてしまったのだ…。

「サスケ、お前の昔の仲間の話だが…」
「昔の仲間は捨てた…」
「お前、知ってたか?」
「…」
「サクラって女と、ナルトが…。
捜査って名目で…。
一緒に混浴温泉宿へバスタオルをして、入ったそうだなぁ」
「…」
「二人で宿に泊まったらしいな…」
(ま、二人しかあの宿で見てねぇから他にもいたかもしれねぇが)
水木は見たままに伝えただけだ。
「どうでもいい」
「そおか…。
そうだよな」

やはり反応を示そうとしない。
水月は上機嫌だ。

水月は…サスケの弱味を…やっと握れた気でいた。
これから毎日この話題で…水月はサスケを動揺させるつもりでいた。
水月にとっては…サスケへの日頃の鬱憤を解消するための…軽い遊びのつもりだ。

水月はニタリと力一杯、口角を上げた。

しかし、その晩のこと…。

それは深夜12時頃。

獣のようにうめく声がアジト内で震動した。

「なんで…俺に隠れて…オメェガ…」

サスケの部屋の方から壁をドンドンドンと叩く騒音がする。

「ナルドゴロス、サクラダイスキダ…」

「わかってる。
お前も同じだ、うん、そおか…。
分かった。
アイシテル」

ひたすら空想のサクラに一人で話してる声と…。
壁を叩く音がする…。

「サクラ大好きだお前も同じ気持ちかアア気持ち良いお前も同じかサクラこの前ナルトと温泉宿に行ったらしいなアイツは殺すサクラ泣くな俺が倒すサクラ泣くなよアイシテル…」

流石の水月もこれには肝が冷えた。
自分以上の狂気を感じたからだ。
霊媒師のように…会話を永遠に続けてる。

「サクラ犯すナルト殺す木の葉潰す世界征服俺は辛い苦しい死にたい暴れたい助けて欲しい惨めだお前らは俺を裏切ったサクラアイシテルダイスキダ復讐スル孤独ダ切ない奪いたいサクラオマエノカラダハオレノモノダ…ダイスキダアイシテル…」

もしや…。
サスケが内に秘める狂気は…大蛇丸傘下で一番なのではないか…。
と水月は戦慄した。
それを昼間全く隠すのが…異常を感じる…。
重すぎる愛で…水月はドン引きした。

そして渡り廊下には…。
急所を外し斬られた部下。
半殺しの屍の山…。

床は血塗れになっていた。
壁も返り血だらけ…。

香燐まで怯えたのか、今日は扉に寄り付かない。
いつもは「サスケ、一緒に寝よう」と色仕掛けをして、モーションかけているのに…。

鉄の臭いが立ち込める。

アジトは魔界と化していた。

サスケはさながら…扉の中へ封印された魔獣のようだった…。

尚もサスケの唸り声と抜く声だけする。

「ウウッ」と啜り泣き、「ゴォラァ!」と壁を激突して、中で暴走を起こしてるらしい。
扉が揺れてヒビが入っている…。

目の力も使って悶絶してるのだろうか?
軽い…地震が先程から続いてる…。

水月は流石に…自らが犯した罪を推し量り…知らない顔で…早々に部屋へ帰ることにした。

そうして…。
アジトは無人になった。

イタチへ極秘テープを渡すため、
大蛇丸が、闇世界上層部臨時会議から帰宅した。

いつもは二次会に参加するから朝帰りだが…。
今日はカブトらを酒場へ残し…。
アジトに一人で到着した。

変わり果てたアジトを目前に…。

…大蛇丸ですら…。
(今日のサスケくんの様子はおかしい。

まるで魔王か何かのようだ)と、

廊下に並ぶ死にかけの屍を眺めて、たじろんでいた。

ーーサグラァ、サグラァ!
あー!
ナルドゴロスぅ!ぶっ殺す!ザケェンシジャネェ!
ウワァァア…。
ザクラ…、ドォシテェ…

尚もピンクな音声だけが続いてる。
文章に拾うのも大変なレベルである。

大蛇丸は止めるべきか悩み、遠くへ距離をおいた。

ーードォシテ!温泉宿!!
グォラー!!
ナルドぉ…。


そこへタイミング良く、イタチが訪問したようだ。

イタチはサスケの部屋の前に…この時間帯、訪ねるのは初めてである。

大蛇丸に以前耳にして興味が沸いたから寄ってみることにしたのだ。

すぐにイタチは判別できた。
弟の艶声だ。

イタチは愛する弟が…泣き怒り狂っている様子を知り、固まった。

大蛇丸がイタチを目にして、ソッと…細目で手招きをした。

二人して…いたたまれず、息の根が途絶えかけの負傷者で続く…悲惨な廊下をトボトボ徐行した。

最初に言葉を発したのは大蛇丸だった。

「わかったかしらぁ?
サスケくんのこと…」
「あぁ。
あれは己の予想以上にかなり精神が崩壊への道を辿ってる…。
かなりイッていると推測する…」

向こうの方から尚も獣かライオンのような淫声がしている。
まさか…あれが人の声だとは誰も思いまい。

地面が先程から地響きを起こしている。
天井から埃が舞い落ちる。

「ナルトなんだな。
サスケの宿敵は…」

イタチは呟いた。

遠方から尚も轟く。

ーーナルドぉゴロスぅ、ォメェハ、ウァー。

耳が痛い…。

「そうよ、それが…サスケくんの本当の敵ねぇ…」
「己に何かしてやれないだろうか?」
「さぁねぇ…。
里へたまには自分で…足を運べば、どうかしらぁ?
毎回、私だしぃ…」

ーーヒドォのぉモノ…ウォ…!
ナルドぉ…。

大蛇丸はイタチに恐喝されて、里の偵察隊なのだ。
イタチは頼む癖に自分では里へ全く潜入捜査をしないのだ。
大蛇丸の部下まで…里の潜入捜査にこき使われて…。
大蛇丸としては里崩しのチャンスすらなく、日々忙しいのだ。


「そうしよう…」
イタチは思案顔になった。

「サスケくん、アンタを越えられるかもね。
私はここにいて…。
サスケくんはアンタ以上の欲求不満を持ってることが分かったわぁ…。
強くなるわよ、きっとサスケくん…」
「そおか…」

ーーサグラァ。
ダイスキダ…。

尚も向こうの方から野獣の咽び泣きが響く。

ーー15歳デ混浴!?
ナルドぉ…
ゴロスぅうぅ…


「もう…。
アンタの知ってる可愛いサスケくんとは違うのよぉ。
子供の成長とは早いものよぉ…。
そこら辺を弁えて欲しいわぁ…」
「……」
イタチは返答できなかった…。





2イタチのサスケへの手記サスケ15歳、イタチ20歳。
イタチの思い(涙もの…)

目次

2精神崩壊(サスケ視点)

















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