アナタノコトガスキデス

萌え妄想のまま走るいろいろ創作小説の予定。苦情無断転載禁止。

……社RQ学校へ行けばいつも通りの日常が。



『え』

「あ。好きな子と言っても。私が大好きなのはアナタだけです。巫女様だけです。私は浮気者ではございません」

 マナナは……・また、恐るべき衝撃発言をしてる。

『クラスに好きな子が……私以外にいるのですか? 』
「いえ。忘れて下さい、今の発言は」
『私のことは貴女は大好きだと今日も昨日も……。連日10年間は言ってくれましたね。しかし……クラスにいる好きな子とは……誰なんですか? 女ですか? 男ですか? 』

 ここまで言われれば逆に気になる。

「忘れて下さい。私はアナタだけです。そんな浮気者ではございません。アナタと今日、深まりたいです……。愛してます、大好きです」
『私は嘘を吐く人は大嫌いです。私の前で自らの罪を懺悔するまでは……先へは進みません。正直におっしゃってください』

 神父のような口調は営業言葉だ。もう慣れもあり……普通に言えてる。

「えと……」
『言えないと言うことは……。やましいのですか? 隠されると余計に疑います』

 誰だ? クラスにいる好きな子は。キセキならキセキでも良いから、ハッキリ言ってほしい。俺は大好きで。キセキは好きなら。それでも良いだろう……ま あ、バイになるのか? 男も女もいけるのか? ただ、女の俺が……美貌が勝ってたから……マナナは好きになったのか? そう言う意味なのだろうか? 

「怒らないでいてくれますか……。私と別れると言わないでくれますか……。話せば……嫌いになりませんか」
『私よりその方を好いてるのですか? 』

「それは違います。アナタに勝る人はいません、私にとっては神仏……。しかし……クラスにいる人は気になってただけです。体だけです」
『え』

 固まった。

 『体だけとは。性格は嫌いだと言うのですか……その方は』
「はい。私があんな奴を好きになれるわけなどないです。ただ、良い体をしてるとは認めてはいました」

 誰なんだ? キセキの性格……嫌ってたのか? 他に思い当たらない。

『どんな人なんですか? 特徴を教えてください』
「読者モデルをしてて、成績も上位の眼鏡をかけた私に威圧的な女です。腰まで伸びた茶髪は手入れがされていて……ストレートで美しく、華奢で背がスラリと伸び……。手足も長くて憧れの的です。あの体を頬ずりしてみたいと長年、思っていました」
『……』
「体だけは私の好みであることは認めます。私はアイツが……好きな男を……落として、苛めてやろうかと思いました。しかし……私はその人以上に更に……ア ナタが大好きです。この件は忘れてください。私はアナタだけです。私はアナタとは叶わぬ恋だと思ってたので……目移りしそうになった時期もありました。今 は過去の話です」

 絶句してる。まさか……ミルルなのか? マナナが好きな人間とは……クラスで。確かに二人は……険悪な仲ではあった。まるで、正反対も良いところではあるが……。

『そうですか……』

 溜息を吐いた。ちょっと胸が痛いかもしれない。本当に驚くぐらい残念な女だ。

「それだけではございません。私は……好きな子に対して堂々とアピールも出来ないのに……。私を差し置いて……アタックするにはムカつく男には悪口散々でした。そんな私を救ったのは貴女です」
『……』

 どう反応すればいいのだろう。そのムカつく男は俺なのか……まさか……そうなのか。目が点になった。しかし……マナナ。おまえは俺がクラスでミルルを好 きだと言う噂を流す前から……既に俺へ悪口散々だった。それはどういう意味だ……? 悪いが……殆ど、初対面でだ。コイツ、俺の容姿をことどとく貶す悪い 人間だった。

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 アレは幼稚園入園式後だ。

「不細工、どうしてコイツがキセキの友達? 邪魔だからキセキ、疎遠になったら? 目が汚れるでしょ? 容姿が悪いのが移ったらどうするの? 」

 こんな台詞の連続で……最低最悪だ。今より中傷が酷かった……。子供は正直すぎる……。入園式後、すぐに男同士だし……マナナより前からキセキと友達に なってたと言うのに……。まあ、キセキも当時は上から目線ではなく、精神的に遅れてた。面倒見ても良いかとも思えた。 それなのに……キセキと友情が成立しかけた場面で……。途中からマナナが……強引に乱入して来て……マナナはキセキにタックルして抱き付いた。必死で、俺 とキセキを離そうと……。俺だけ

「不細工、邪魔」


と猛烈に攻撃しまくってた。 それに反して……キセキの容姿は初対面で……


「まるで神童。神の奇跡,、美しい。私をお嫁さんにして。私好みなタイプ。今から目を付ける。一目惚れかもしれない……私。私の名前はマナナ」


と自己紹介までして、絶賛しまくってた。


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 マナナの過去を振り返れば……。どう考えても……マナナが今、した話は……信憑性が薄すぎる。

「全て神の前で罪を懺悔しました。私を許してくれますか? 泉の巫女様」

 マナナの思考回路は……解読不能だったらしい……。ビックリはしてる。

 『まだ謎はあります』
「え? 」
『貴女を差し置いて好きな方へ言い寄るムカつく男……。貴女はその方が……アナタの好きな方へ言い寄るより前から・・・。攻撃してる……。そんな映像が私 には神の力を借りて流れてきました。私はこのとおりまばゆい光を放つ天の使者。特殊な能力ならあります。嘘ならすぐに見抜けます。貴女は嘘ばかりですね。 私は信用も出来るわけがございません……』

 逆に動揺すると……言葉が長くなった。

「え……。えと……。それは……」
『貴女はまだ大嘘吐きです。完全なる善人とも言いにくいようです。私は迷える子羊を正常へ導くのが天から与えられた役目……。貴女には失望も良いところです』
「違うんです……。えと……それは……」
『これ以上なんだと言うのですか? 貴女は嘘しか吐いてません。ターシャ泉の巫女の前で……。罪深い人間ですね』

 適当に交わした。 マナナは瞬きを何回もしてる。顔まで白い。少し苛めすぎたかもしれない。

『貴女は正直に理由を無理やりつけずに懺悔をするべきです。神の前で罪を……』

 少し溜息すら出そうになった。

「その通りです。巫女様は本当に不思議な能力者なんですね。まるで私の私生活が筒抜けレベルに……。さすが神から選ばれた巫女だけあります。体も発光してますし……」
『……』

 これはどんどん俺が嘘吐いてることがバレタら……どうなるのだろう。一瞬、脳裏に不安は過る。

「確かに……私は……。あの憎いヤツが。私が密かに慕い始めかけてた人間へ私を差し置いてクラス中を仲間にして落とそうとして腹は立ってました。しかし……その前から……そいつは何故か許せなかったのも確かです。私は綺麗なモノしか許しませんから」
『そうですか……』
「巫女様、すいません。私は心の狭い人間です。これからは改心します。もう人を差別なんてしません。私は巫女様の言いなりです……。だからこれから……」
『いいでしょう。今日はここまでで夜も更けました。私は家路を辿ります……』
「え? 今から私たちは……」

 先ほど、まくったマナナの水色セーラー服も……重力の関係で……元に戻ってる……。前へ突き出した乳房は見えない。 今日は良いだろう。そんな気分だ。

 『私は忙しいので。神に仕える身。また明日も会えるでしょう。それでは』
「巫女様、私のこと、好きですか? 私は大好きです」

 ”関係者以外立入禁止区域”の……泉の上に走る橋……白い小道をあるく。全身が夜道、紫色に光ってる。まあ、誰が見ても人間ではないようにしか思えないだろう。 マナナの声は無視した。どうせ明日もある。今日はここら辺でも良いかもしれない。そんなふうにも思えてる。
 青いテントに着けば……学ランや学生鞄がある。

―――今日は10時だ。遅くなった。さすがに11時になれば……今度はマナナが帰宅するのも物騒だ。服に着替えて……ターシャ泉の半径1kmを越えれ ば……。体が性転換を起こす……元の非モテ男になる、発光も終わる……。つかの間の幸せなら今日は味わえた。モテ男は素晴らしいモノだ。初対面であんな世 界らしい……。これから一年は毎日、ホステスに通ってる気分には浸れそうでもある。しかし……本気でマナナは凄い人間だ。明日もマナナのことなら……観察 するとする……。今日は機嫌が良い日だ。良い体してた、マナナは。良い体なのに……もったいない人間だとは思う。触り心地が良かったし、マナナは女には甘 く優しいらしい。俺は女体が好きに決まってる。どうすれば良いのか。最後までしてもよかったのか。しかし。衝撃発言の連続で……エロをする気が失せたのも 確かで……。 本当にマナナはどうしてあんな女なのか……。

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 翌朝も登校を果たし、教室へ到着はする。金曜日だ。 キセキの周りには女性3人トリオが密着して囲まれてる状態でもある。キセキは女に密着されてることは嬉しいのだろう。 なされるがままだ……。
 自分の茶髪へ手を伸ばし、ボリボリ掻き毟り……茶目をグルリと廻して動かす。これはキセキが……優柔不断なことを考えてる時の癖だ。気が多い男だ。

≪キセキさん、ミルルと付き合って。もう、マナナのことは忘れてよ? ミルル、どうしても月神さんのことは好きになれないのよ? ミルル、読者看板モデルしてるのよ……≫
「君は僕の好みではない。君はタリアを好きになるべきだ。マナナのことは残念には思ってる」

 キセキの好きな塾のバイトの子は……2歳年上の19歳、巨乳美人女子大生らしい……。体目的で熱烈にキセキは狙ってるらしいが……まだその人からは告白はされてないらしい。
 ターシャ泉通いにその女子大生は嵌まってるらしいという情報を……キセキは塾で得てるらしい。 聞いてれば……俺のターシャ泉に通うスピチュアルに嵌まってる女子大生の特徴にそっくりだ。まさか……偶然か……どうなんだ……? 

Uマナナじゃなく、ウチを好きになってや。お好み焼きぐらいウチ、つくれるで。それから夜はウチ尽くすで、てへへ♪U

 ツインテールロリ体型の難波カンサイだ。転校してきた女子だ。

 「僕はロリコンではない……すまない……」
||あたしは品のないことなんてしないわ。貞淑でしかも体型もロリではなく、普通よ? ||
「僕は変態ぐらいでも良い。上品さは求めてない」

 キセキは言いたい放題だ。そうだろう……。キセキは体目的に決まってる。いつも裏では一緒にSFエロ小説同好会を開くレベルには下ネタが開催されて る……。アイツとは好みが合う。 マナナの方を見た。昨日は一度も学校で喋られてない。確かに貶されてはいないが。マナナは真面目に勉強してる。そのあと、つまづいたのか……キセキの方角 を……チラリとマナナは上目づかいで見詰めてる。
 しかし、正確には……ミルルの腰まで伸びた手入れされた茶髪を見てる。それから……舐めまわすように、ミルルの華奢でスラリとした体躯を観察してる。その後、視線を……また教科書へ送ってる。 いろいろ、突っ込みどころがあり過ぎる図だ。

 「タリアか。おはよう。昨日の小説は想像絶するレベルに良かった。お蔭で失恋の痛みも忘れられそうだ、僕は。君は今日こそ、ここにいるミルルにモーション掛けるべきだ。ほら、嫌がってないで」

 毎度、ミルルでカラかわれてる。 キセキ以外の男子も。俺がミルルにアタックするのを懸けてるらしい。確かにそんな噂は流れてる、全校にだ。 自分の席に座った。その方が良い気がする。

「タリアは本当にシャイだな。ミルルが落ちないぞ。僕も協力してるのに」
≪月神さんなんて無理よ、ミルルはキセキさんだけ≫

 ミルルはキセキにベッタリ引っ付いてる。それから……脇にはカンサイや……ナデシコもくっ付いて……。女子3人で一人の男子キセキを取り合い状態でもある。 俺は着席したまま、マナナを観察した。
 マナナはちらりと……キセキの方角……正確には、ミルルを見て。それから教科書に目を戻し、溜息を吐いて。ノートを広げてる。肩揃えな黒髪を揺らして……勉強するなり呻いて、肩を落としてる。
 どういう……場面なんだ? これは……。 マナナの気持ちもやっと理解はできた。マナナがキセキを見詰める訳もだ。しかし、何故か面白くはない。

 「タリア、恥ずかしがらずにこちらへ寄れよ。ミルルもいる。仕方ないな。僕から君の席へ行こう」

 学ランを着た茶髪茶目長身の男―――キセキが俺の席へ来る。






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小説目次

→『M』







≪眼鏡ミルル≫……タリアの幼馴染。


「異能マナナ」
…月神タリアの幼馴染


☆「王族レイカ」
…スピルチュアルの好きな女子大生

 
『月神タリア』 (女体化)

 
「灯台キセキ」
…タリアの親友

 
U難波カンサイU
…キセキを崇拝する女子

 
||大和ナデシコ||
…キセキを崇拝する女子



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