アナタノコトガスキデス

萌え妄想のまま走るいろいろ創作小説の予定。苦情無断転載禁止。

大蛇丸レポート 



【大蛇丸目線】


ここは私のアジト。

また私にとって最大の敵がやって来たわぁ。

最近に入って頻繁に来訪するのよねぁ。

また…ゲホゲホと咳を続けているわぁ…。

口から血を流して…廊下に続いているわ。

本人いわく…余命があともって3年らしいけど…。

アイツの瞳の力には私、逆らえないの…。

時々、カブトから調合された薬を月一程度に渡してるのよ…。

私も今日は感傷に浸ってるんだから…ソッとしておいて欲しいのにねぇ?

「そろそろだな。
俺の命もあまりない…。
サスケに力をつけなければ。
調査行って来い」

「はあい」
(早く死にやがれ、イタチめ)

…サスケくんのお兄さん…イタチねぇ…?
サスケくんを激愛してるのよぉ…。

で…ほぼ。
全員の下っ端の闇世界の人間を…小間使い代わりにしているわけで…。

何年もこの調子よぉ…。
本当…早くくたばって欲しいわ…。
コイツ、私のこと探偵か何かと勘違いしてるのよ…?
この闇の世界…上下関係うるさくてぇ…力が全てなの…。
私…コイツより弱いから逆らえないの…。
悔しいわ…。

一人になりたいときだって…あるのにね…。
私にだって…。

今…むなしいのにねぇ…。

「サスケは…お前の呪印に耐えれそうなんだな?
保証はあるんだな?
死ねばお前とアジトは全壊する…」

「ま、大丈夫でしょ。
サスケくんならねぇ」

別に死んでも…痛くも痒くもないわよ?
悲しむのはイタチでしょねぇ…。

「そうか……」

「私の調査内容聞くかしら?」
「一応聞こう」

「私の部下からの報告なんだけどぉ…。

春野サクラね。
サスケくんと同じ班の女の子なんだけど。
この女の子の後ろからの抱擁でサスケくんの呪印の暴走が止まったらしいわぁ。

中忍試験、第二関門…迷いの森でね…」

「そうか…。
サスケも班で仲間が出来たんだな…。
せっかく青春まっただ中で楽しんでるだろうに…。
悪いなあ」

「もうそろそろ私も忙しいの。
今日はこの辺で良いかしら?」

「少し尋ねたい、呪印はどういう仕組みで生き残るか死ぬか決まるんだ?
純粋に体力勝負なのか?」

「それは…ね。
呪印つけたら…本人にとっての闇が見えるらしいわね。
実は…その辺は私には伝達しないのよね。
私の力の一部が入り込むってことで伝わるかしら?
サスケくんが何を見たのかは不明だわ」

「想像に値する。
おそらくあの一族惨殺事件と俺の夢なんだろう」

「そうでしょうね…」

「なるべく早めに頼む、マダラが来るまでにサスケには鍛えて欲しい」

「はあい、じゃ、もうそろそろ…」

「サスケがこのアジトに来たら、俺は毎日1分はこのアジトに来る。
お前がサスケを傷つけでもしたら容赦はしない…。
ゴボゴボゴボ…。
それから木の葉の里にいる住人をサスケが殺傷しようとしたら…お前は止めろ。
全力で…。
ゲホゲホ」

「はいよぁ」

「それから…俺は最終的にはサスケは…全部お前の呪印が影響して狂ったことにして…里に帰してあげるつもりだ…。
マダラ退治が終わったら…。
そこら辺…理解しておくように」

「私、急用があるのよね。
もうそろそろ暁に帰った方が良いんじゃないかしら?」

「時間か…。
分かった。
更なる報告を頼む…
お前の全てに変えても…サスケは…守れ…」


☆☆☆


やっと帰ったわ…。

今日は特に饒舌だったわ。
よほど…サスケくんに会えたのが嬉しいと見て取れるわ。

サスケくんの中忍試験トーナメントを停止させたのは…私。
私の長年の夢も達成できたし…良いけど。

そのあと、サスケくんの対戦相手…我愛羅には…私が変装をして

「クーデターを起こして…大会は棄権しなさい」

と促したの。

そのあとに…久々にイタチ、サスケくんに会えたらしいわ。

サスケくんの能力がよほど見たかったと察するわね。

いつまでこの恐喝が続くのかしらね?

因みにあの調子じゃ…サスケくんと親しい…春野サクラのことはどうでも良いみたいね。
私は…少し…気になるんだけどね…。

サスケくん…もしかして…サクラって子のこと…好きなんじゃないかしら?
好きって?
仲間の意味じゃないわよ…恋の意味よ。

まあ、イタチは恋愛とかには鈍いからね。
気が付いてないみたいだし…言うの忘れたわ。

イタチって…もしかして…恋愛とかしたことないのかしらね…。
まあ、確かに…13歳ぐらいからもう既に失明してるらしいし…。
…私は地雷は踏まないわ…。

どっちかって言えば。
サスケくんの親友、ナルトの方がイタチには興味あるらしいわね。
これも以前に尋ねられて…調査たくさんして…レポートにまとめて渡したのよ。
サスケくんのライバルの力量が気になるらしいわ…。

それにしても…。

何かしらね…。
この満たされない気持ちは…。

私は私を捨てた師匠を殺して憎しみや復讐を果たした気でいたのに…。
それなのに…。
全然、嬉しくはないの…。
今、あるのは空虚感。
次にどんな目的のために生きるべきか…そんなことばかり考えているのよ…。


☆☆☆


サスケくんのことはイタチに頼まれて…。
サスケくんの一族惨殺事件の頃から密かに時を潜んで張って来たけど…。

今回の調査でも判明したけど…昔の私にクリソツなのよね…。

だからこそ…。

私、当時のことを思い出して…余計に感傷に浸っているのよ…。
サスケくんも私と同じ未来を辿るのかしらね?
このままで行けば…。

イタチはそこら辺の心情を全然理解してないみたいだけど…。
私の勘では…サスケくんは二度と木の葉の里には帰らないと思うわ。


だって…サスケくんにはもう居場所がないからね…。
あの…里には…。

イタチが望まない未来になりそうな気がしてたまらないわ。
だって…昔の私とサスケくん、そっくりだものねぇ…。
思考回路よ?

ああ…。

私はね…そんなことしてる暇ないの。
そんなことしてる暇があったら…よっぽど世界征服したいのよ…。
それが…私の現在の夢ね…。

世界征服したら…今より…満たされるのか…不明だけどね…。

でも、今回は…私の小まめなレポートの成果が認められてやっと…念願を果たせたわけ…。
その代わり…サスケくんを無傷で大蛇丸アジトに迎え入れることが決まったわけ。
イタチからの依頼なのよね…。
サスケくんを私が噛んだのは…。

☆☆☆

だけど…不思議ね。

里への復讐は一つ終わったはずなのに…。私に残ってるのは空虚感…。
私は…何のために生きているのかしらね?
私は…絶対、いつの日かあの里に復讐する気よ…。

でも…かつての師匠を望み通り殺してからは…何だか…力抜けしたみたいで…。
不思議な感覚ね。

今は里崩しより…イタチを殺したいわ。
それこそ…私の生きてる理由…。

私はイタチに従う演技をして…サスケくんを乗っ取って…私が逆にイタチを殺して…。
サスケくんの体と精神を奪い去り、私がこの世界の頂点になる気でいるわ。
弱気になってる暇なんてないわ。
恨みで心を満たして…更なる強さを求めなきゃ…。
そのためにも…長生きを求めなきゃねえ。

フフフフフフフフ…。


☆☆☆


ああ。
因みに…。

既にイタチが…サスケくんへ…瞳術を施してるの…。
それは…。

「醜く生に縋り付いて。
俺に復讐へ来い」
ってお告げね?

一族惨殺事件の瞬間の悪夢を見せる…秘術ね…。

サスケくんがアレを…しっかりと忘れず…修行に専念できるようにね?

サスケくんは知らないでしょうけど…。

イタチから聞いたわ。

「あの…惨殺事件で…最後。
サスケと出会った瞬間に…その術を放ったから…。
きっと…サスケは…ここへ自らの足で来るはずだ…。

呪印で死なないように頼む…。
お前の説得は…そこまでで良い…」

ってね?

イタチがサスケくんに強くなってもらいたいように願ったとき…頻繁に夢に出る仕様らしいわ。

サスケくんに…過保護すぎるんじゃないかしら?

私は少しサスケくんが羨ましいわ…。
私にも兄弟が欲しかったわ…。

サスケくんは全く気が付いてないでしょけど…。
そこだけ…サスケくんと私の違いかしらね?

はあーーーーーー。


あああ…。


いつまで私は…扱き使われるのかしらね…?


☆☆☆

イタチも去ったし…。
今は一人だし…久しぶりに回想してみようかしらね…。

もう何十年も前ね…。

私は木の葉の里のトップだったわ。
サスケくんと同じ年頃だったかしらね?

その頃、私は天涯孤独でね。

あの里で「居場所」を求めてた訳。

私の師匠を私は…親として認めてたのに…。

私の能力が落ちた途端、私より強い人間へ師匠は目移りするし…。

それから…私が闇世界へ行ったら…。

昔、私にモーション掛けてた女は…他の好きな男出来るし…。

友は私のこと…見捨てるし…散々ね?

私には里に居場所なんてないわけ。

友は自来也のことで…。

私を慕ってたのは綱手なんだけど…。

知ってるわ。

自来也はね…綱手のことが好きなのよ。

だから…私が去って一番喜んだのは…自来也でしょうね…。
恋のライバルが去ったら普通、喜ぶでしょ?
それは人情だし…私は別に恨んでもないわよ…?
そう言えるのは…今、私を捨てた師匠を殺して…感傷に浸ってるせいかもね…。

当時は…お前さえいなければ…私が師匠の寵愛も…「居場所」も確保できたのに…。
(絶対、殺す)って決めて…ずっと生きてきたのよ…。
でも年月は人を変えるのよ。
綱手の気持ちが心変わりして…二人が私を恨んでいるのと同様に…。
私の感情も…だんだんね…途絶えてるわ。

私はね…実はあの当時…綱手のこと満更でもなかったのよ…。
幼少期は…家族に憧れてたしね。

もし…待ってくれてたら…違う未来もあったかもね…。

と言っても…別に私は…綱手のことを力付くで犯し倒す気は…毛頭ないんだけど…。

前回のサスケくんのレポートからは…少し…サスケくんの中の狂気を感じたわ…。

私の部下を生きながら…みじん切りにするところを…サクラって子が止めたらしくて…。

私の勘違いなら良いけど…サスケくんの兄…イタチも…サスケくんのことを激愛してるらしいし…。

「うちは」一族は…「愛」が重くて…よく反乱を起こす一族らしいから…。

私が想像してるより…サスケくん…もしかして…アレは…かなり来ているんじゃないかしら?

推測だといいけど…。

私もそんなモンスター預かるのは…イヤよ…。


☆☆☆

それにしても…。

綱手は鈍いからね…自来也のことも気が付いてないみたいね…。

未だに二人がくっついてもないところを確認すれば…。

三角関係って、疲れるのよね…今の方が楽だわ。


現在は消えたけど…。

婚活でもしようかしらね…?

忍者世界ってね…掟と力が全てなのよね…。

可愛そうだけど…サスケくんもあの調子じゃ…サクラって子に見捨てられるでしょうね。

世の中、そんなものだわ…。

里のエリートと…人殺しの犯罪者と。
女がどちらを選ぶって誰でも分かるでしょうよぉ…。

あああ。

超、面倒くさいこと、引き受けてしまったわね…。

サスケくん…まさかだけど…私以上に…えげつないんじゃないかしら?

気のせいなら良いけど…。

サスケくん…イタチを超えそうな予感がするわ…。

私ね…。

今までたくさん人間バサバサ殺してきたけど…時々…こんな人生で良かったのか…悩むときもあるわけ…。

別に里に未練はないわよ?
全くね。
恨んでるけど…。

師匠を殺すべきだったのか…今頃になって…振り返ってるわけ…。

少し今、生きる目的を失ってるわけね…。

これからは…世界征服のためだけに生きる気よ?













木ノ葉クーデター(イタチ&サスケ視点)


目次


サクラへ






























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