アナタノコトガスキデス

萌え妄想のまま走るいろいろ創作小説の予定。苦情無断転載禁止。

ウツツは捨てる。



最後は…遠征任務先の茶屋で…。
俺が中忍試験の時に受けた第一関門の試験管の弟。

俺が中忍試験の時の試験管、特別上忍拷問のスペシャリスト…森乃イビキの弟、『森乃イダテ』に。
「将来、お嫁さんになって下さい」と…。
サクラが初対面でナンパされた任務。

俺は別にサクラがナンパされてても無反応を決めていた…。
恋愛事には興味もないからだ…。
俺はここのところずっと沈んでいた。

夢で大蛇丸が俺に勧誘を仕掛けてくる…。

「サスケくんはあの里にいれば…ダメになる…弱くなるわぁ。
早く私のところへ自らその足で来るのねぇ…」

と変な夢ばかりで…。
真剣にそのことについて悩んでいた…。

俺の中の狂気は相当だ。
日々、爆発しないように注意をし、サクラからも距離を置いてた。
あまりに壮絶すぎて…カカシやナルトにも相談が出来なかった…。
サクラ暴行映像がなければ…もう少し相談のしようもあったのだが…。
あれは…さすがに話せない…。
毎夜苦悶の中にいて…それでもサクラ以外に目を向ける努力を続けていた…。

俺が上の空になっても…ナルトとサクラは意気投合して会話が弾んでる。
俺は演技して仕草を真似てただけだった…。

☆☆

最後の任務も俺は呪印のせいで…活躍できなかった…。

それも終了して…俺は…第七班を結成してからのことを振り返ったのだ。

第七班一番最初のあとのアカデミーに戻るかどうかカカシが出した試験では…。
俺は確かに先手必勝と言わんばかりに強さを誇示できたが…。
あの試験は結局、力を問う試験ではなく、仲間の協力度を図る試験だった。

それから…白との対戦も俺は気絶して…そのあと全てをナルトがしたらしい…。
サクラは俺の介抱をしてた…。

更にだ…。
そのあとの中忍試験の予鈴前…リーと対戦して俺は負けた。
サクラの前で…。

中忍試験開始して…第一関門はペーパーだった。
その後、第二試験では…俺は大蛇丸に噛まれ…サクラに庇われる失態だ。

その後、ずっと悶絶していて…中忍試験のトーナメントでは…。
やっとサクラへ…力のあるところを披露できると喜べば…。
クーデターが起き…。

追いかけて激突を仕向ければ…俺は呪印で倒れた。
中途で割り込んだナルトが…瞬殺で大技を食らわし…我愛羅を倒す…。
その時、俺は…サクラに庇われた…。

その後、ナルトと真剣勝負をすれば…。
サクラが泣いて止めに入ったが…。
俺がカカシから教わった千鳥より…ナルトが自来也から教わった螺旋丸の方が…。
それを受けたドラム缶を確認すれば…明らかだった。
サクラも…それを目撃したはずだ…。

俺は今年に入って…一度も力のあるところを見せてないのだ…。
考えてみれば…サクラがナルトに崇拝の目線を向けて当然だった。
そのことに辿り着いた途端…。

俺は地獄に落ちた…。
このままではダメだと失意した。

☆☆☆

しかも…。
挽回しようにも…。

最近…第七班に所属されてからというもの…夜、自室に戻って…術式の暗記が…全然、進まない。
アカデミー時代は現在習っている範囲より…随分、上級の内容まで必死に覚えていたのに…。
教科本を広げても…集中力がもたず…注意散漫だ。
恐ろしいスピードで自分は崩壊への一途を歩んでるのかもしれない。
ナルトに成績を越される訳にはいかないのに…。
自分の人生で現在が黄金時代であることは理解してる。
だからなのか…。

帰宅したら…大抵、今日のサクラがした行動と会話と仕草のお浚いをしているのだ…。
一日の素敵な出来事が…耳に流れ…瞼に浮かぶ…。
それも自分の意志とは無関係に…。
勝手に脳内で自動再生がエンドレスで…しかも…無意識に考察をしてる…。
幻覚だ…。
そのせいで時間が奪われる…。
もう手遅れなのかもしれない…。
勉強に身が入らない…。

それで里を捨てる決断をした。

☆☆☆

サクラへ最後に尋ねた…。

「ナルトの力をどう思う?」

サクラの反応から…現在の俺には…力がないことを…暗に認めるそぶりを…感じ取った…。
俺の力を褒めなかった。
ナルトの力についてもサクラは語らなかった。
ただ照れて…。

「私が…サスケくんの前で…四苦八苦してるの見て笑ってるイヤな奴」

と返しただけだった…。

まず、ナルトの話題なのに、サクラは照れてる…。
これでは、赤面してる理由が…俺に現在、語りかけられてるからか、俺の前で悶絶する自分を恥じてるからか。
ナルトが好きだからか…判別しにくい…。

俺は先日のことを回想した。
千鳥と螺旋丸で対決した時、サクラが困りながら泣いてたのに…。

『サクラちゃんも俺のこと強くなったし、好きになったてば。
もっと俺、強くなってサクラちゃんを好きにさせるってば』

と頬染めてナルトは浮かれてた。
最近、ずっとそうだ。
ナルトは俺が力が伸び悩んでいるのを見て…笑ってる。

サクラは…俺と匹敵し始めて…笑顔になったナルトを見て…。
今までモーション掛けられても…ドベだからと相手にしなかったが…最近、見直してる。
という解釈もあり得るのだ…。

サクラの今の気持ちは…俺:ナルト=2:1だと踏んだ。
俺とナルトへ気持ちは…いつ転んでもおかしくない…。

しかも…中忍試験最終トーナメント予選試合で…サクラは…くの一bP実力者イノと…互角。
引き分けだったらしい…。
サクラはここ数か月で…圧倒的に実力が上がったというのに…。
成績が平均からトップにうなぎ上りなのにだ…。

俺は…。
俺には…。
迷いがなかった。

☆☆☆

そして…。
里を捨てようと里抜けの道を通った時…。
そこにサクラがいた。

あれは一生忘れられないだろうが…。
その内容は俺の胸に留めておく。
俺は…つかの間の幸せを味わえた…。

台詞全文は回想もせん…。
端的に要約してみれば。

「この場所でサスケくんが親がいないってこと、どれほど孤独か教えてくれた…覚えてる?」

『ナルトはドベで家族がいないから躾がなってない…』

(あの時はいろいろ思った…。
何故サクラが…俺の家族がいないことすら知らないのかと…調査ぐらいしてくれよとか…。
アカデミーから6年間、おまえは何やってたんだよとか…。
ただ『恋愛ごっこ』をイノたち女子軍団と楽しんでただけなのかよとか…)

(あと…サクラはだ…、やはり『ドベで家族がいなくて躾のなってない男』は嫌いらしいな…と…。
…冷たい奴だなとも…)

(今も…まだ信用してない…)

(今、俺はドベのナルトに負けつつあるからだ。
おまえの性癖なら、俺は知ってるからな…。
呆れるほど強いヤツに屈服しすぎる…おまえは…。
初対面が最悪でも、強いとわかれば豹変する…それがおまえだ…、ナルトやリーにもそうだな)

(その証拠に…昔から…本性は泣き虫なくせして…
自分と同族で内気だった日向とはつるまんのに…。
勝気な…くの一bPの女イノと、つるんでた…。
おまえは弱い者になど見向きもせん)

(ドベのナルトは嫌いだ。
理由は…おまえが昔ドベだったから同族嫌悪なのか?
そこは知らん…。
おまえは強い人間が好きらしいな…)

「あの日からいろいろ任務をこなして…わたし、楽しかった…」

(楽しいこともあったが…。
良いとこ、一度も見せれなかったな。
俺はずっと自分の力に焦ってた。
ナルトとサクラだけ…段々、力が上がってるのに…。
俺だけ忍者学校に入ってからスランプ続きだ。
明らかにだ…。
毎日、イライラしてた…いろいろにだ…)

「俺は復讐することに決めた…」

(いろいろ理由は付けたが…。
いっぱいありすぎる…本当のことは言えん…俺はこの里を出ることに決めた)


「サスケくんは家族がいないのがどれほど孤独かって言ってた。
今、意味が分かる。

私には友達も家族もいるけど…サスケくんがいない日常は…私にとって孤独と同じ。

行かないで」

(俺はお前がいても孤独だった。
理解はされてない。
あの第七班で、浮いてたからだ。
ナルトとサクラはいつもピッタリ同じ反応で…俺は演技してただけだ。
考え方もだいぶ違う。
お前らと俺とでは人種も違う)

「またここから一から始まるだけだ…」

(さようなら…)

「行かないで、私はサスケくんのことが大好きでたまらない。
サスケくんのこと絶対に幸せにする、復讐も手伝う…だから私を連れて行って…。
行くならここで大声出す」

「ありがとう」

今までの礼を述べた。

…サクラは気絶させて去った。

☆☆☆

今ならまだ…サクラは、俺に気があるらしい。
しかし将来は予測できない…この里で俺が弱くなっていくのを見て…サクラは…ナルトに気変わりしないという保証すらない。
不甲斐ない姿を見せた末での…サクラからの告白は効いたが・…。

サクラの星いっぱいの目で判明した。
アレは昔、俺の力で封印させたものだ…。
アレが出て来たからには…時間の問題だろう…。
サクラの本性は…モンスター並みに強い者に弱い…俺の見立てではそうだな…。
人畜外レベルにだ。

サクラは、まるでゲームの中に生息する愛らしいレアモンスターだ…。
一度では落ちんが…数回、あの星の瞳を頂いた暁には落ちてくる類の人間だな…。
何回目なのかは知らん…。

この里に俺が留まり…弱くなるのを許すような女ではない…。
この里にいて、弱くなる俺を見れば…強いヤツに転ぶ。
あの目や…顔の表情を見ればよく分かる…。
普通、隣に好きな奴がいれば…他人を思ってあんなことはせん…。
俺が絶対的に強かったときはせんかった。

アイツの中で最近、転びつつあるらしい…。
少なくとも…俺や日向や…ネジもだな…、あと白とか…血継限界の人間でする者はおらん…。
どう考えてもあれは…そうだろう…。

ココは去る。

俺はこの里にいれば強くなれないことを実感したからだ。
本音は側にいたかったが…。
このままでは…。
トップどころか…ドベになってしまう…。
俺は自分の力に悩んでいた。

サクラにも…ドベ認知される…。
時間の問題だ…。
サクラは…。

…ドベで家族がいなくて躾のなってない…男は嫌いだからな。

俺はウツツに抜かす暇はない。

俺は別にサクラを恋い慕ってた訳でもない。

ただ…昔の恩義で…この5〜6年は里に留まっただけだ。
暴走も起こさず…甘えてた。
別に俺は…サクラは…求めてなどはいない…。

俺は…里のことは…完全に忘れる決心をした。
そして一族惨殺の復讐へ向かうことにした。
兄討伐のためにだ…。
世捨て人となることにした…。

俺なりのプライドだった。
苦しかった…。
後ろ髪引かれる思いだった…。

☆☆☆

最後に…。
終末の谷で…ナルトと戦うことになった…。

「俺はな、サクラちゃんに頼まれてお前のこと止めに来た。
サクラちゃん、俺に泣きついてきた。
俺とサクラちゃんは友情以上だ。
お前のことは命に代えても俺が止めるってばよ!
俺とサクラちゃんの仲だ。
俺は約束を絶対守る」

大蛇丸ところへ走ろうとする俺を力付くでも止めようと防止しに来たらしい。

(望むところだ)

俺は思いっきりボコボコに倒した。
スッキリした。

嬉しいことに…やっとナルトに瀕死の重傷を与えられたのだ。
これで俺の力も証明されて…ドベから挽回されたはずだ…。
あとでサクラも…俺とナルトの能力差を実感してくれる筈だ。

「ドベで家族がいなくて躾のなってない」男、呼ばわりされることもないだろう…。

その時、トドメを刺そうか迷った。

俺の狂乱した兄は…。

「親しい者を殺せば…万華鏡が開眼する…更に強くなれる。
それを持って俺の元へ来い」

と命令してたからだ。

☆☆☆

あれは俺が6歳の頃…。
今から7年前…。
兄は最後にこう言い残した…。

「良き兄をおまえの前で演じてただけだ、見抜けなかったおまえが悪い」

「己の強さを図るため…一族は殺した」

「おまえは将来、己と同じ瞳を開眼する可能性が高いから生かした」

「己の元へ復讐に来い」

「親しい友を殺せば…己と同じ瞳が開眼する」

「おまえが万華鏡を開眼したなら…その瞳は役に立つ…そのために己はおまえを生かす…」

「シスイの瞳は…己が殺して奪った…万華鏡を開眼してたからだ」

兄が一族を惨殺した時の記憶…。

☆☆☆

嫌な思い出だ。

要するに兄は…俺が親しい友を殺し…万華鏡を開眼したら…。
すぐに俺の元へ訪れて…俺を殺しにくる…俺の瞳だけ奪う…と言う意味なのだ。
俺の死後、奪った万華鏡は自分の世界征服に利用すると??

だれがそのために…友を殺して、万華鏡を開眼する?
アホらしい。
俺が…兄に殺される時期が早まるだけだ。
俺は兄の言いたいことなど、すぐに見抜いた…。

兄は俺が万華鏡を開眼するまでは…殺す気にはならんらしい。
前回もそう語ってた。

「早く万華鏡を開眼するんだな。
その瞳を持って己の元へ復讐に来い」

建前は…ああだが。
俺の瞳を…利用する気でいやがる…。
俺は万華鏡を開眼したら…すぐ兄に殺される運命にあるらしい。
俺の頭をなめんなよ、兄も。

それが証拠にシスイ兄さんの死体にも…両目えぐられてなかったらしい。
シスイ兄さんは…俺の兄が殺したって言うもっぱらの噂だ。
あの日、以来…兄の瞳に万華鏡が開眼したからだ。

俺は当時は…違うと否定したが…。
現在は兄が…従兄弟のシスイ兄さんをやったと…理解してる。

シスイ兄さんの瞳に万華鏡があったから…兄は…シスイ兄さんを殺したのだ。
俺もきっと、万華鏡を開眼したら…すぐに…兄が訪れ…殺される運命だろう。
それまでに力をつけなければならん。

兄よりも強い…絶大なパワーが。

ナルトは恨んでる。
しかし…俺は万華鏡を開眼する訳にはいかん。
今、開眼すれば…兄より断然弱い。
兄に殺される…すれば…サクラとの未来もない。

ナルトは確かに…俺にとって親しい人間だ。
親しくてもサクラは殺す気になれない。
だが…。
俺は兄には反抗する気でいた。
兄を怒ってるからだ。

☆☆☆

(そんな理由なら殺さん…)

(やっと…これでサクラにも俺の力が…認められる筈だ…)

安心した。

そして…大蛇丸のところへ自ら行ったのだ…力を求めて。

☆☆☆

まあ、この一年、振り返ってみればいろいろあったけど。
確かに最初は浮かれてた。
でもそんなものは捨てることに決めたのだ。
俺に今、一番必要なのは力だ。

別に甘ったれたものを求めているわけでもない。
この世の中、力さえあれば大抵のものなど手に入る。
他に欲しいものがあれば。
力を手に入れてから考えりゃ良い。

まあ、実際は安心もあった。

この里にいる限りは規制がきついから。
サクラは他の男と18歳ぐらいまでは引っ付くこともないだろう。

そこら辺は闇世界の方が緩い。

木の葉の里で不純交際をした人間を俺は一人も知らないからだ。
割りと住民共が潔癖だし、心配には及ばんだろう。

俺は力が欲しい。

絶大な力が。

今までありがとう…。

☆☆☆

俺は本音を話せば…。
友を殺し、万華鏡を開眼し、絶大なパワーを手に入れ…里を捨てて犯罪者の道を辿り、兄の元へ復讐に向かう人生には…。
憧れてなかった…。

俺はそのために生きてるのではない。

サクラと一緒になるために生きてると思いたかった。
そのためなら手段を選ばない気でいた。

でも今年に入って、何回、サクラは殺されかけただろう?

俺の兄、イタチがやって来て…サクラを殺しはしないかと恐怖した回もあった…。
それから…大蛇丸から…俺が連れ去られるのを防ぐため、サクラは死に掛けた。
それ以外にも我愛羅から俺を助けるため、サクラは命を懸けて庇った…。

あと…ナルトに挑発されて、頭に血が上り…千鳥と螺旋丸で対決した瞬間…、
サクラが間に入って戦闘を止めようとして絶体絶命になったのを…カカシが助けた出来事もあった。

俺は…。
自分さえ甘えてこの里にいなければ…迷惑がかからなかったと自責してる。
助けるどころか…危害が加わってた、この一年で。
俺はもう大切なものが自分の前で殺されるのは見るに堪えられない。
今年、サクラが生死を別けた事件は全て自分が原因で起きてるのだ。

白との戦いは…俺のせいではなかったが…サクラはカカシに援護され、命に別状なかった。
俺は…今、猛烈に力が欲しい。
無力に嘆かないだけの絶大な能力が…。
俺と共にいるとサクラがこれからも…命に危険が加わる…。
俺はサクラはこの里に預ける。
また会えれば良い、生きてくれれば良い…。





桜色日記


目次


俺が欲しかったもの(ナルト)「ひたむきな愛だ、家族だ」


















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