アナタノコトガスキデス

萌え妄想のまま走るいろいろ創作小説の予定。苦情無断転載禁止。

俺が欲しかったもの(ナルト)



俺は渦巻きナルト。
なんとかアカデミーの卒業試験に合格して、俺はうれしいってばよ。

俺の夢は火影。
そして打倒サスケ。
この里で家族つくる。
絶対だってば。

まあ…新学期、始めてすぐ。
おそろしい事件が起きたが、アレは思い出したくもねえ。
サクラちゃんには

「サスケくんを汚した」

とボコられるしさ。
俺は、いつもショボーンとしてるってばよ。
俺も女の子の味方が、欲しいってば。
イルカ先生には…親代わりに愛されてることにゃ、分かるけどよお。
癒されたいってばな…。

俺は学校入ったら、いつもこの里で誰が自分と結婚してくれるのか…って悩んでるんだ。
俺ほど「家族」を求めてるヤツもいねえと思う。
生まれてすぐからいなくて。
とにかく憧れてた。

でも女子たちは、どうしてか俺のこと見ようともしない。
見てくれるのは…サクラちゃんな。
いつも冷たい目だけど、一応、視界に入れてくれてる。
俺がサスケ、批判するたび、こっちを睨み付ける。
他の女子は知らんぷりだ。

あとは、暗い奴なのか知らねえが…日向な。
俺がチラ見したら…いつも向こう側、見られる。
やっぱり嫌われてるのかってばよ。
なんせ、ドベだからな。
あああ、俺も癒されたいってば。

おりゃ、よくサクラちゃんに

『好きだってば』

と言う。
ありゃ、

『認めてくれよ』

って意味な。
でも実はさ…。
おりゃ、家族に憧れてるんだ。
俺のこと好きになってくれる女子なら、誰でも俺は大事にする。
それぐらい、自分の身分を弁えてるってばよ。
サクラちゃんが好きになってくれたら、当たり前だが大事にするってばよ。

でも、無理っぽいわな。
信じられねえことに…この里にいるクラスメイトの女子は、ほとんど…サスケに取られてるんだわ。
なんなんだってばよ、アイツは。
それから日向も、俺が見るとアッチ向いてホイだ。
何なんだ、あれは。
ドベは嫌いだってばか?

まだサクラちゃんの方が、積極的に俺にアタックしてくれてるってばな。
アタックって殴るってことだけどよ。

ああ、つまんねえな。
今年こそ、俺はドベ挽回だ。
そして青春を手に入れてみるってばよ。

第七班の自己紹介が始まったばな。
俺の夢は

「火影」

これな、サクラちゃんにアピールもかねてんだってばよ。
俺はこの里の女子が、俺を認めて好きになってくれた暁には、誰でも命懸けで恩返しする気だ。
自分を弁えてるし、それが愛ってもんだ。
サクラちゃんのことは、少しは意識してる。
それから、この里の女子ども独り占めしてるサスケへの挑戦状だ。

次はサクラちゃんな。
ありゃ、俺は一生忘れられない。
サクラちゃんが話す前からサスケの顔が一瞬、赤らんだ。
どういう意味か、俺は不審がった。

「サスケくんのお嫁さん」

俺はそこで、理解した。
サスケも俺と同じで、孤児だ、この里で…実は〈家族〉を求めてる。
クラス中の女子をものにしてるのが証拠だ。
その中にいるサクラちゃんも、これは満更でもない。
悔しい気分だった。

ヤツに先を越されている。
ヤツは…このままだと俺が一番、求めているものを先に、入手してしまうってば。
〈家族〉だってばよ。
俺だってな。
女の子に

「私、ナルト君のお嫁さんになりたいの」

って一人でも言われたらさ。
滅茶苦茶喜ぶってばな。

俺はモテないからこそ、猛烈に腹が立った。
やっぱりこいつは好かん。

そして、サスケな。

「復讐と一族復興」

復讐の意味は知らん。
一族復興だけは理解した。
やっぱりコイツ、女好きだ。
里中の女を手中にしようと計画してる。

俺は…コイツが孤児で、寄宿寮のどこかにいることを知ってる。
コイツだけ他人にばれないよう隔離されてる。
クラスメイトは知らない。

俺は…イルカ先生との〈男の約束〉で、誰にも秘密をばらしてねえってば。
コイツ、まさか…里中の女共と…ハーレムを形成する気なのか…と猛烈に腹が立った。
悔しくて仕方なかったてばよ。

☆☆☆

アカデミー時代のイルカ先生に一楽のラーメンおごってもらったてばよ。

「ナルト、忍者学校入学おめでとう」

「おうってばよ、このラーメン、うめえってばよ!」

「おまえ、サスケと同じ班になったんだってな」

「おうってば。
サスケは俺が倒すってばよ」

「そうか、威勢良いな」

「サスケの将来の夢な。
復讐と一族復興だってよ」

「ほおお」

「俺さ、サスケが寄宿寮のどこかに隔離されてるの知ってるてばな。
アイツも俺と同じ孤児だ。
アイツが…ハーレム形成して、世界中に復讐するのを阻止する!」

「サスケの夢は…復讐と一族復興ね…」

「アイツの家族がいねえ理由は知らねえ。
サスケ、自分に家族がいないのをムカついて…おおかた、この世界を恨んでるんだろうよ。
アイツ絶対、俺ら男子たちの敵だってば。
女子はたぶらかして捨てる気だってばよ。
世界中に子供だけ作って、サスケの一族復興する気だってばよ。
サクラちゃんかわいそうすぎて…俺、見てられねえってばよ。
人間として最低野郎だってば」

「そおか…、そおか…。
もしかして…サクラとも同じ班か…?
他の女子の話題が出ないが…」

「そうだってばよ。
クラス全員の女子、アイツの味方でよ。
男子どもも悪口言ってやる。
そんなの許さねえ。
俺が実力で超えてみせる、アイツは俺の敵だ」

「そうか。
ナルト、頑張れ。
応援してる」

「おうってばよ!」

☆☆☆

第七班の人間テストが始まったってば。

カカシ先生の鈴を取る試験な。
あれは三人で協力してって意味だったらしいが。
俺は理解できず、サスケは一人で突っかかり、
全然、協力プレイにならず…腹すかせて一日経過だ。

「三人のうち一人は落第決定」

とかカカシ先生に言われて。
俺、猛烈に泣きそうだったてば。

戻る訳にいかねえ。
俺はこの里に家族がいねえ。
サスケみたいに顔面だけでモテる訳でもねえ。
実力が命なんだ。
ここで負けたら俺の望む未来が手に入らん。
ど根性だった。

俺、もう悲しくてな。
(ショボーン)としてたわ。

俺だけ弁当なしだしさ。

そのときな、ビックリしたわ。
あの俺にとっての最大の敵、サスケが…。
俺に弁当くれたってばよ。

「俺の食べろ…」

一瞬、モテねえ俺は

(サクラちゃんの前で良いとこ見せたいだけだろ。
女好きめ)

とか僻んだけどな、嬉しくてよ。
サクラちゃんも弁当くれてな。
「私のも…」

「ありがとうってば」

エサでつられた訳でもないけど…サスケの評価少しだけ上がったてばな。

今まで、アカデミーでは会話もしてくれんし、

『ウスラトンカチ』

呼ばわりだし、常時女侍らせてしけた顔だからさ。
ただの女好きだと確定してたけどよ。
少しだけな、ポイントあげたった。
でも…サクラちゃんがいないとこでして初めて、俺は見直してやるけどよ。

俺はこの里でサスケに

『一族復興』

とか馬鹿なこと言われて、ハーレムを形成される訳にゃいかねえ。
絶対、俺は死ぬ気でコイツを超えるってばよ。

☆☆☆

それからさ。
もう死にもの狂い。
死を恐れず敵に向かう。
だって俺には捨てるものなんかねえしな。
全力でこの里の女、サクラちゃんには…いいとこ見せて、好きになってもらわにゃならんってばよ。

あいつに

『ビビリ』

呼ばわりされたけど。
サスケがビビッて、俺がビビッてねえ。

当たり前だ。
俺は死ぬ気で家族を手に入れることにしたんだ。
俺は今に未練なんてないってばよ。
未来に掛けることにしたんだってば。

絶対、この里の女を奪い落としてやる。
認めてもらうってばよ。
実力でな。

毎日、コミュニケーション能力磨いたり、毎日、修行に明け暮れたり、
今に満足してねえ。
欲しいものがあったから死に物狂いでやってた。

チャクラの修行だって俺だけドベだってば。
俺は欲しいものがあったんだってば。
ずっと家族だよ。
絶対に、負けられねえ。

毎日、サクラちゃんには馬鹿にされ、他の女子どもには無視され…ほぼ全員サスケファンクラブ。
この里に残された唯一の女子、日向にも目が合致すれば…視線逸らされ知らんぷりされてる。
絶対、勝ち取ってやるんだってばよ。
毎日、気合入れてたってばよ。

☆☆☆

こんなふうにショゲた時にはラーメンが一番だってばな。
イルカ先生と食べるラーメン、最高だってばよ。

「イルカ先生、ラーメンありがとうってば」
「チャクラ修行進んでるか?」

「今日も俺ってば…サクラちゃんに殴られてよ」
「そうか…」

「イルカ先生。
俺さ。
この里で家族出来るか、すげえ心配なんだってばよ。
ほとんどの女子、サスケに取られてるしさ。
俺ほど、家族に憧れてる人間もいねえってのによ」

「…。
きっとおまえの頑張りを見てくれてる女子もいる」

「え?
いるってばか?
誰だってばそれ?」
「それはな…」

「サクラちゃんには今日も積極的にボコられたってばよ。
アタックじゃねえし」

「一度、ゆっくりとクラスを見てみるんだ。
きっと答えが見つかる」

「本当かってばよ」

「先生は応援してる」

でも…見つからなかったてば。
本当だってばか?
イルカ先生???

☆☆☆

☆☆☆

そして、ど根性で白を成敗したんだってば。
あまりいい話でもねえ。

やったのはカカシ先生だが。
あのときゃ、俺は気絶したサスケのために大活躍できた。

俺は信じられないことを知った。
サクラちゃんがいねえのに。
女の前でもないのに。
サスケが俺をかばって命を懸けた。

俺は…自分が今までサスケを散々批判してたことを撤回した。
意外だけどコイツ、愛情深かったんだってな。
友達になれた気だった。

きっと木の葉の里の男子どもは…知らねえことだろうな。
他の男子どもは相変わらず、女侍らした木の葉の里のボス呼ばわりだってば。
ちゃんと感情があったらしい。
今まで男子にだけは完全無視だったのによ。

☆☆☆

「イルカ先生」
「ナルト」

いつも俺たち仲良しだってばよ。
アカデミー卒業しても変わらない愛情をイルカ先生注いでくれてるってばよ。

「ラーメンうめえ」
「本当、ナルトはラーメン好きだな」

「俺、火影になって絶対、イルカ先生には恩返しするってば」
「ありがとうな、ナルト」

「俺、友達出来たってばよ」
「友達か?」

「サスケだ」
「サスケはお前のライバルじゃなかったのか?」

「ライバルはそうだけどよ。
オレな、アイツに命助けられてさ。
カカシ先生から引き受けた白討伐の…任務でよ。
でさ、少し見直したってば」
「そうか、友達がナルトにもできたのか…」

イルカ先生涙ぐんでたってばよ。

「サスケはしけた野郎だって思ってたけどよ。
意外に愛情深えヤツだってばよ」

「そうかそうか…」

「でもな、サクラちゃんには認めてもらうってば。
俺はこの里で家族つくんの必死なんだってばよ」

「ナルト」

「なんだってば?」

「きっと、もう既にお前のこと認めてくれてるやつがいる」

「誰だってばか?
クラス中見渡したけど、俺のこと見て見ぬフリだったてばよ。
積極的にアタックしてボコってくれるのはサクラちゃんしかいねえってばよ」

「そうか…」

「先生」

「先生はな、おまえの幸せを祈ってる」

「ありがとうってば」

☆☆☆

それからはまあ、友好関係もかねて、サクラちゃんでお色気の術とか、下ネタとかしたわ。

「サスケくん、えっとね」

サクラちゃんに化けて、サスケをボコろうとした。
が、サスケに避けられた。

「ウスラトンカチ。
おまえは変身が下手だ」

「本当だってばか?
なんで毎回わかるんだってばよ」

「仕草が似とらん」

「えっ?ってばよ」

「サクラは俺にボコらん」

「そうだったてば…」

「俺は課題がある。
去る」

「待ってくれってば、構ってくれってばよ」

なんかな。
サクラちゃんは化けやすいんだってば。
日向とかでは化ける気になれねえ…。

この時は、俺はどっちが好きなのか…悩んでたってば。
俺を積極的に見てくれて、ボコりにアタックしてくれる…サクラちゃんが俺は好きなのか。
俺のこと知ってて、知らんぷりする…日向なのか。
正直、分からんかった。

でも、サスケには…日向で化ける気になれん。
理由はさ、自己紹介の日、サスケが赤くなったのはサクラちゃんが言う前だ。

だからなんだけどよ。
全く無反応。

それから他の仮想の女でも無反応。
あまりに乗らねえから。
コイツ、女好きじゃなかったのか?

あれ?
でも、サクラちゃんの前で赤くなかったか?
あれは何だったんだってば?
ずっと不明だった。

何で赤くなったのか。
緊張なんかするキャラじゃねえ。
俺が火影になるのを聞いて…顔赤らめたんだってばか?
ずっと男子から遠ざかり女と一緒にいたが、心が女なのか。
そんな気持ち悪い人間じゃないことだけは、祈ってるってば。
おまえは俺が潰すべき壁だって祈ってるてばよ。
毎日、悩んでたってばな。

☆☆☆

中忍試験が開始された。
俺、第一試験でもう駄目かと思った。

その時に忘れられねえわ。
隣に座った女の子が

「ナルト君、私の解答見ていいよ」

って言ってくれたんだわ。
日向な、これ。

でもよ。

カンニングがばれたら、試験落第。

俺は

(俺を誘惑してるってばか?
性悪なのか?
どっちなんだってばよ)

と迷いまくったが。

日向の顔が真っ赤。
何故か可愛いなと思ったてばな。

断っといたけど。
何だかサクラちゃんが、サスケの前でしてる顔に似てる気がしたんだが…。
気のせいかもしれねえ。

始めて日向から…積極的に声掛けられたんだわ、俺。

性悪で…俺のことが好きっぽい顔して、俺を試験から落とそうとしただけかもしれねえ。

そこは不明だ。

俺はドベだし、モテる訳もねえ。

俺は実力でこの里の女を落とすってばな。

☆☆☆

その後な、中忍試験も第二関門越えて。

いろいろあったわ。

「サスケ。
俺とサクラちゃん、助けるのどっちが早いか勝負だってばよ」
「…。
わかった」

サスケとは腕試しした。

「サクラちゃんは俺が絶対守るってばよ!」

「これでサクラちゃんも俺のこと好きになるってばよ!」

俺はサクラちゃんに認めてもらうため、必死だ。
いつもこの里で頑張ってる。

死の森でサクラちゃんってば、サスケに正面から体密着して猛烈に誘ってる。

俺にはない。

俺も頑張ってるのによ。

何だってばな?
この差?
でも、最近、サクラちゃん。
前より少しは俺に優しくなったてばな。

俺が助けたら、

「ナルト、ありがとう」

って照れながら褒めてくれるんだってばな。
俺は認められるの滅茶嬉しくてさ。

「てへへへへ」

ど根性で頑張ろうと決めらんだ。

絶対、この里で俺の居場所を作って、家庭を形成する夢を諦めなかった。
隙があるならとことんまで戦う気でいた。
サスケは俺のライバルだった。

サスケもいっぱいいるんだから、ひとりぐらい譲ってくれても良いのによ。
と言うか。
サスケってサクラちゃんのこと、好きなのか?
そこは全くわからんかった。
アイツ、表情に出さないし、どうなんだ?
と思ってたのによ。

☆☆☆

俺が気絶してる間に。
サスケとサクラちゃんの仲が…なんだあれ?
親密だわ。
カップルかよ。
みたいな感じ…。

サクラちゃんがボコられたあと、アイツ、発狂しかけて…それをストップさせたのが、サクラちゃんらしいって。
第二試験の気絶から目覚めた後、聞いたってば。

木の葉の里のクラスメイトも、他里の連中も…ほぼ見てるらしいんだってばよ。
なんだよ、そりゃ。
ヒーローとヒロイン映画ってかよ。

主人公は俺だ。
アイツはわき役だ。
譲る訳にはいかねえ。
俺はそう信じてる。

俺は、まだまだ諦めない気でいた。
全力でつぶす気でいた。
そんな甘いムードは、修行に要らねえ。
俺が叩き潰す。
許さねえ。

☆☆☆

それから。
中忍試験の第三関門な。
最後のトーナメントの前の予選で…。

日向がネジと闘ってる場面を観戦してた。
俺はこの時には、里で唯一、サスケくんファンクラブに所属してねえ女だ。
しかも、初めて第一試験で俺に声掛けてきた。
色仕掛けだった。

あれは俺を試験で落とす魂胆だったのかもしれねえが。
気にはなってたばな。

☆☆☆

その前日も、
俺が…サスケとサクラちゃんがくっ付きそうで…。

「サスケの野郎、ぶっ殺す。
この里の女子、落としてんじゃねえってばよ」

ムカムカしながら、木をボコボコに殴って修行に明け暮れてたらさ。

「サスケには絶対、負けねえってばよ!」

木が亀裂入ったてば。

「火影になって。
俺はこの里で家族つくる!
里の女に…認めてもらうってば!」

日向が夕暮れにやって来てな。

「ナルト君、修行…頑張って…」

と言ってきたんだってば。
俺、タオル渡されたってばよ。

「おうよ、ありがとうってば」
「じゃ。
また明日・・・・(赤)」

今回は魂胆は感じなかったてば。
すぐ真っ赤になって去っていくし。
もしかして…俺の話…聞かれてたってばか?

相変わらず

(暗い奴なのかってば?)

と首を傾けたがな。

少し浮かれてたってば。
もしかしたら。
俺に脈があるのかってな。
俺も最近、強くなったし。
やっとこの里の女子に認めてもらえたのかってばな。

☆☆☆

中忍試験、トーナメント予選で。

日向がネジと闘ってる。
負けそうになってる。
俺は必死で応援したってば。
俺が闘ってるときもしてもらえたからな。

それから…日向は

「ナルト君に認めてもらうために戦う」

ってな…。

俺、言ってもらえたんだわ。
俺はさ、めちゃうれしくて。
よっしゃって来たわ。

日向、ボロボロになったけどさ。
そっからは気になってたわ。

サクラちゃんがここら辺から好きなのか突然、分からなくなったてば。

サクラちゃんとは、俺と仕草も同じで。
会話も似てるけどよ。
俺にまったく似てない日向のこと、よく考えてた。

☆☆☆

中忍試験のトーナメントはクーデターが起きて中止された。

その時、俺は我愛羅と戦闘したんだが。
サスケってば大蛇丸の呪印のせいで倒れこんで。
サクラちゃんに庇われた。
俺は必死で助けた。

運もあった。
うれしいことにガマ親分を召喚でき倒せた。
サクラちゃんの前で、いいところが見せれた。

俺は花々しかった。
晴れやかな気分だ。
これできっと、サクラちゃんも俺の力を認めてくれる。
もう『ドベ』なんて呼ばわせないって言う気持ちだ。

☆☆☆

そのあと、サスケは入院したらしい。
呪印のせいで不調だからな。

相変わらず、サスケは俺のライバルだが。
サスケは…サクラちゃんのこと、どう思ってるってば?
気になってた。

「俺…最近、強くなったてばよ。
サクラちゃんも…前より優しくなったし、俺のこと好きになったてばよ。
もっともっと強くなって…サクラちゃんを、もっと俺のこと好きにさせるってばよ」

確かに浮かれてた。
女子ども全員、俺に優しくなってさ。

『ナルト、助けてくれてありがとう』

顔を染めて喜んでくれるサクラちゃん。

『ナルト君、頑張って。
ナルト君に認めてもらうために頑張るから』

って言ってくれた日向。

どっちも種類は違うが…かけがえのないものだった。

どちらも大切に思ってた。

サスケには両方奪われたくもなかった。

サスケは異常にモテてるから、それぐらい良い気もしてた。

「ナルト、俺と真剣勝負しろ」

俺はサスケに戦闘を申し込まれた。

「おうよ。
おめえとは戦ってみたかったんだってばよ。
俺、強くなったてばよ」


やっと、ライバルとして認めてもらえた気がして…純粋に嬉しかった。
俺の能力が認められたみたいでさ…。

その時、サクラちゃんが泣きながら…間に入った。
あれは悪いことしたってば。

サスケが焦ってるのが伝わってきた。
大蛇丸の呪印でだと思う。

でも俺は浮かれてた。
やっとこの里で家族が出来そうだからだ。

サスケはモテるから、一人ぐらい譲ってくれよ…と長年、思い続けてた。
女の子に優しくされるの嬉しすぎる。

どっちも大切だが。
種類は違う。

日向は色仕掛けで来る。
サクラちゃんはおかんとして接してくる。

知ってるけど。


どっちも俺にとって…大切な女性だ。

俺のために残してほしかった。

☆☆☆

そのあと…。
最後の茶屋での任務を挟んだ。
俺とサクラちゃんの仲はピッタリ。
どっちか言えばサスケの方が浮いてる。
勝った気でいた。

浮かれてた。
やっと、俺の黄金時代が来るのかと。
サスケがサクラちゃん好きかは知らん。

「おまえ、サクラちゃんのこと、どう思ってるんだってばよ?」
(おまえが、サクラちゃんを幸せに出来ねえなら、弄ぶ気なら、俺が代わりに幸せにしてやる気でずっといた…。)

「サクラか…。
どうでもいい」
≪サクラか…。
どうでもいいわけない≫

「そうか…。
俺がサクラちゃんとくっ付いても良いんだってばな」
(でも、俺は…日向に傾いてる…)

「関係ない」
≪関係ないわけない≫

「協力してくれってばよ」
(俺は…サクラちゃんのためにも、おまえの反応が知りたいってば)

「ウツツに抜かす暇もない。
俺の頭には復讐だけだ。
兄を倒す。
そのために力を求めてる。
時間などない。
自分のことは自分でするんだな」

≪ウツツに抜かす暇もない…サクラのことを考えすぎて成績が下降してる…。
俺の頭には復讐だけだ…最近、狂気が頭を走ってる。
兄を倒す…アイツはサクラを殺しかねん。
そのために力を求めてる。
時間などない。
自分のことだけでも忙しい。
俺はサクラが…くっつくのを…、お前と仲良くなるのに、協力する気は全くない≫

「ちぇってばよ」

「俺は帰る」
≪おまえは俺の敵だ≫

「遊んでくれってば〜〜」

最近、似たような質問ばかりしてるんだが…今日もこの調子で、わかされた。
アイツの頭には…復讐しかねえようだ。

アイツの兄の話は…最近、知った。
イタチってヤツで、俺らより5歳上でだ、アイツの一族全員殺したらしい。
それが原因でアイツは孤児になったらしくて。
兄さん、倒すために…強くなることしかアイツは興味ねえみてえだ…。

サスケは分かりにくすぎる。
いつも

『復讐のため』

としか言ってない。

『復讐のため、力が欲しい』

二言目にはこれだ。

コイツはハーレムと復讐しか頭にないのかもしれん。

ずっとそう思ってたからだ。
幼い頃からコイツの女への態度については…煮えくり渡るものがあった。

アイツの境遇には同情の余地もあるが…。

俺からすりゃ、大切に扱えばいいのに。
クラス中、手に入れて。
しかも、努力もなく。
それから、高飛車顔。

許せん…と男子らもずっと恨んでた。

そんな目でしか見てなかった。

俺も同じ孤児だからこそ…サクラちゃんを無下に扱うヤツの姿が悪く映ったのだ。
断るなら断る。
受け入れるなら受け入れるでハッキリすれってば。
何人も女、侍らせてるんじゃねえってば。

って、思ってた…。

☆☆☆

サスケが…。
そのあとすぐ…里から去った。

どうしてだってばよ?

俺は頭、真っ白だ。
やっと俺のこと、ライバル認知してもらえて。
俺は毎日、楽しくてたまらなかったからだ。
アイツの気持ちには…なれなかったてば。

「力を求めて大蛇丸のところへ行った。
サスケくんを私、止められなかった。
ナルト、一生のお願い。
サスケくんを止めて」

サクラちゃんに、泣いて頼まれたってばよ。


俺は走って追いかけた。
サスケのために里中の仲間が途中、死にかけた。

俺は、サスケをライバル認知してたが。
命を懸けて止める気だった。
アイツは里の一員。
俺の仲間だからな。

アイツが里から離脱して女奪う方法は望んでなかった。

実力で正々堂々戦いたかっただけだ。

そのことに気が付いてた。

(この里から出ていけ。
死ね)

なんてことは一度も思ったこともねえってば。

(倒す)

とは思ったことは何回もあったがな。

☆☆☆


終末の谷で俺は、サスケと命懸けで戦った。

「俺はな、サクラちゃんに頼まれてお前のこと止めに来た。
サクラちゃん、俺に泣きついてきた。
俺とサクラちゃんは友情以上だ。
お前のことは命に代えても俺が止めるってばよ!
俺とサクラちゃんの仲だ。
俺は約束を絶対守る」

俺とサクラちゃんは友情以上だ。
家族にも近い。
あの第七班は俺にとって失った家族だ。
それから、サスケも俺の家族だ。
俺は根性でサスケを止めてやりたかったてば。

でも、俺、力足りなかった。

サクラちゃんの約束守れなかった。

悔しかった。

サクラちゃんも泣いてる。

アイツは、里より…力のために復讐を選んだ。

俺が焦らせたからだ。
アイツの力が伸び悩んでることを。

サクラちゃんごめん。
俺は悲しくてたまらなかったてばよ。


☆☆☆

それから。
その日を境にサクラちゃんは変わった。

フェロモンがなくなった。

異常にモテてたのに。
サクラちゃんはモテなくなった。

サクラちゃん、死んでる。
サクラちゃん、サスケがいないから悲しそう。

俺はその時、理解した。

サスケの前で顔を赤らめたり…。
サスケの前で必死に頑張ったり。
サスケの前でいじらしくなる…。

俺はそんなサクラちゃんが好きだったんだと。

女らしくて…。
ひたむきで。
見てると泣きそうにもなるぐらい走ってる。
そんなサクラちゃん、俺は大好きだった。

馬鹿だ。
見てると、アホらしいと。
アカデミーでは心で貶しつつ。
認めてた。

サクラちゃんはアイドルだった。
映画の中のヒロインだった。
恋をしてるサクラちゃんは美しかったのだ。
いつも戦ってたから。

クラスで一番のイノとも…無理な戦いもメゲズに戦ってた。
髪が長い子が好みって噂が流れて、サクラちゃんは望み薄しでも。
サクラちゃんは諦めなかった。

俺は昔、サクラちゃんが公園で泣き虫だったことを知ってる。
恋がサクラちゃんを変えたのだ。
俺はそんなサクラちゃんが…格好良くてたまらなったてば。

サクラちゃんのアホすぎるひたむきな愛な。
俺、ボコられるけど。
認めてた。


いつか俺にも同じように見てくれることを祈ってた。

でも俺がサクラちゃんのそれを壊した。

俺は悲しくて部屋で泣きまくった。
サクラちゃんが死んだ。
今のサクラちゃんは男と同じだ。
俺が奪った。

俺は…サクラちゃんに、死ぬ気でサスケを取り戻す気だった。
サクラちゃんは、俺にとって家族に等しい。
俺は、サクラちゃんの幸せを祈ってることに…気が付いた。

日向のことは…全てが終わるまで、お預けにすることに決めたってば。

一人の女の子を俺は殺したからだ。

サクラちゃん、あれからずっと…。
俺の好きだったサクラちゃんではない。
そういうことだ。
もう恋する乙女の瞳ではなくなったってば。

俺は泣いてたってば。

俺は確かにサスケが最近、力がないことを挑発してた。
浮かれてた。
言葉でも故意に挑発を仕掛けてた。
おまえは伸び悩んでる、俺が里の女をとる。
と宣言してた。
焦られてやってた。
悪乗りが過ぎた。

俺がサクラちゃんから幸せを奪ったのだ。
俺は悲しすぎて仕方なかった。
その日から俺も、簡単には『好き』と言わなくなった。
俺のせいで人間がまた悲しんでもダメだからだ。
サスケがサクラちゃんを好いてたのかは最後まで分からなかった。

それを確認する意味もあってわざと挑発し続けてたが。
最後まで『力を求め復讐に向かう』としか言ってこなかった。

サクラちゃん、ごめん。
役に立てなくて。

俺は命を懸けてサクラちゃんの幸せを取り戻す。
ごめん、ってば。

俺は初期はサスケにひたむきなサクラちゃんがあんまり可憐だから。
サスケはつれない野郎だし、サクラちゃんを幸せにしてやる気でいた、俺がドベから挽回したら。
でも、俺の好いてるサクラちゃんは。
サスケの前でしか、現れねえ。

俺は、サクラちゃんのひたむきな乙女の愛が、大好きだった。
体当たりの愛だ。

どこまでも後先考えずに突き走るそんな愛だ。

今、俺にはやっと、俺に向けてくれる、女が現れ始めたように思ってるてば。
俺は、ひたむきな愛に弱いんだってば。
それはな、表現できない。

サクラちゃんは輝いてた。
今、輝いてない。
そういうことだ。
サスケのことを思うとき、サクラちゃんは…密かに今でも光る。
俺はサクラちゃんには走り続けて欲しいってば。
俺の知ってるサクラちゃんは映画の中のヒロインのようにひたむきで格好よく、聞き分けの悪い女なんだってば。

俺は浅はかだったてば。
ごめんな、サクラちゃん。


実はさ、俺、もう、中忍試験の最終トーナメントの予選でさ。
日向がネジと命懸けで俺に認められるために戦いで。
落ちたわ…。
はやっていわれるかもしれねえけどよ。
俺モテた経験ないし、あれは凄かったてばな。
落ちん方が変だってば。
おれもずっと誰かに認められるために戦ってきたからこそ、分かる。
こんなモテねえ俺のためにあそこまでしてくれたんだ、ズドンと来たってば。
本音は今すぐ、あっちに転びてえが…。
少し、置いとくわ。

俺は体当たりの愛に弱い。
自分がそうだったからだ。

サクラちゃん、ごめん。
好きな人できたわ。
俺、あまりにつれないサスケを見てられず、サクラちゃんに目を覚まさせて幸せにする気だった。
余計なお世話だったってば。

最近、俺に愛情くれた日向、意識し始めてるってば。
俺に認めてもらうため闘ってたヒナタ、めっちゃ輝いてた。

サスケは根性で俺が連れ戻す。
サスケは何考えてるのか最後まで分からんかったってば。
俺が命懸けでも連れ戻す。
アイツの愛は分かりにくい…。
サクラちゃんが好きなことを祈ってるってばな…。





ウツツは捨てる13歳(里抜け)「ありがとう」


目次

04うちはサスケの苦い青春日記13〜14歳。
サスケが大蛇丸のところへ行ったところから始まるストーリー。恋の自覚?






 
inserted by FC2 system