アナタノコトガスキデス

萌え妄想のまま走るいろいろ創作小説の予定。苦情無断転載禁止。

微妙に和解?



「サスケくん…おはよう」

『おはよう、サクラ』

今日はサクラが起こしてくれたらしい。
良い朝だ。
今日も早朝から遠方への任務だったりする。

「サスケくん。遠方任務だよね?
朝は目玉焼きと味噌汁とごはんとトマトだよ?
お豆腐もあるよ」

『ありがとう』

サクラは割りとこんなふうに尽くしてくれる良い女だ。

食卓に着けばテーブルの上に俺の朝食が並んでる。
先週は狂い抱いてたからサクラも体力に余裕がなくて出来なかっただけで。
普段は出来る。

「食べて。
食べて。
サスケくん。
じゃ。
いただきます、サスケくん」

『いただきます、サクラ』

まあ…今日の目玉焼きは甘いかもしれない。
味噌汁も少し甘い…。

「サスケくん…どうかな?
おいしい…」

『…ありがとう』

「え?
甘い?
辛いどっち?」

『甘いかもしれない…』

「そっか。
え?
サスケくんって甘いの苦手?」

『…』

そんなことも知らないのか?
どれだけ俺に関する情報、知らなさすぎてる?

「返事がないってことは…大丈夫?」

勘違いされてる…。

しかし…甘いの苦手とは言いにくい…。

「うーん…。
次はお砂糖なしで作ってみるね。
で、もう一回、サスケくんに感想聞いてみる」

『ありがとう』

俺は淡々と食事を食ってる。
今日は時間がない。
したいことがある。
探し出さないとダメなヤツがいる。
あまり会いたいとも願ってないが。

すぐに流し込んだ。
しかし…少し甘い…。
気分が悪くなる。

「サスケくん…食べるの早いね?
美味しかった?」

『ありがとう…。
ごちそうさま。サクラ』

それだけ伝えて、身支度など…鞄だけだ。
一応、台所へ皿は戻す。

「サスケくん…私…やるから」

『…』

台所で髭を剃る。
もう一瞬だ。

それから…俺は鞄持って廊下を渡り…玄関へ向かう。

「サスケくん…今日は早い日なの?」

『行ってきます、サクラ』

「行ってらっしゃい、サスケくん」

サクラが強引に俺へキスをする。
これで良い。

それから俺は無言で外に出る。

サクラが嬉しそうに俺へ手をヒラヒラ振ってる。

いつのまにかサクラは…背中に"うちは"家紋入りの黒いワンピが…サマになってる。

☆☆☆

サクラへの告白は成功した。
翌日サクラと別れると急にアイツと会う気になった。

ナルトだ。
俺はアイツに面会せねばならん。
和解がしたい訳ではないが。
依頼したい。
任務先に赴くまで時間がない。
相変わらず里に住んでても勤め先は遠方だ。

早朝、足早にナルトを探した。

ヤツがどこにいるかは不明だ。
里中巡った。
が。
バッタリ出くわした。

運良く里抜けの森近くにいた。
修行でもしてるらしい。
ヤツの見た目は略す。
目が汚れる。

いつもならヤツに発見される前に、俺から退散してたが。
今日は急用がある。
俺はこれから遠方の里へ出勤する。
その前に…。

「サスケ・・・」

『よぉ。
ウスラトンカチ』

相当驚いた顔してる。
少しヤツの瞳が泳いだ。
去年の水月と同じ反応だ。
水月には…悪目立ちが酷いから報復しといた。
その後はきちんと約束を遵守してもらえてる。
暇さえあれば木の葉の里を守る契約させた。

しかし…水月には少し悪いことをしてるかもしれない。
あまり苛めるのは止めようかとも思い始めてる。
どうも俺とサクラが結婚したことについては喜んでくれてるみたいだからだ。
それは大蛇丸もだな。

闇世界と切りたくても俺は切れない状態にあるらしい。
あそこはおれの第3の故郷なのかもしれない。
家族ではない。
しかし、木の葉より俺はアソコの方が似合ってた。
今、まだ額宛てをする気になれないのが証拠だ。
木の葉を故郷とは思えない。
第七班は確かに家族だが…。

俺は…。
ナルトを草むらの奥へ呼び出した。

『来いよ』

ここでは無理だ。
密談を交わす。
そう言う意味だ。
俺の声は淡々としてる…表情も素顔だ…。

「何か用かってばよぉ?」

ヤツの声は少し震えてる…顔もビビった感じだ。
やはりこれはかなり堪えてるらしいな…。
先日、会ったとき…。
サクラの痴態を晒してしまったが…それはバレテない筈だ。
サクラには可哀そうなこともさせたが。
俺も熱が上がってすぐには止められない状態にコイツが上がり込んできた。
ナルトもどんどんますます真理に辿り着いてるらしい。

森のかなり奥まで歩いた。
何年ぶりだろうか。
俺からコイツに声を掛けたのは…。
本当に…第七班時代以来かもしれない…。
ということは7年ぶりになってくるのかもしれない。

「おめぇ。
イエローリストなったんだってばなぁ。
月に半分は里にいられるんだってばなぁ…」

ナルトは呑気な口調だ。
ナルトはいい気なものだ。

『ナルト…』

俺は低い声になった。
ナルトには背中を向けてる。

「何だってばよぉ」

後ろからとぼけたようなナルトの声だ。
ココは深い森。
きっと誰も見てないだろう。

『おまえに頼みがある』

俺はナルトに背中を向けてる。
声を潜めた。

「…」

ナルトからの声がないから俺は背中を翻してみた。

ナルトが俺を凝視する。
普通に会話するのは7年振りぐらいだろう。

『俺は月に半分、この里を離れる。
その間、おまえの命に代えても…サクラを頼む』

案外、ストレートに言えた。
しかし声は低い。
約束をたがえるなという意味だ。

「当然だってばよ」

ナルトは…おう!と言わんばかりの表情だ。

即答か。
助かる。
安堵した。
ナルトらしい。

『俺は相当のことをしてる。
サクラに危害が加わるのを恐れてる。
お前にはヒナタがいるが。
もしサクラに何かあったら…』

俺の声は低い。
ナルトを脅してる…。
ナルトを見る時…俺の瞳が和らぐはずもなく…相変わらず殺意に満ちてくる。

「分かってるってば。
サクラちゃんのことは…」

ナルトは頬を掻いて、照れ笑いだ。
しかし…興味が沸いた。

『あの当時、サクラをダシに俺を挑発した?
理由は何故だ?』

無表情だ。
俺はじっとりナルトを見詰めてる。
恨んでる…と言う意味だ。

「えとってば…」

ナルトは挙動不審だ。
目が泳いでる。
腹が立つことに…サクラがいつもする仕草と似てる。
いつの間に、こいつらはここまで似て来てるのか…。
サクラがすれば可愛いのに。
ナルトがすれば憎いだけだ。
サクラが俺よりナルトに似てるのが本当に腹が立つ。

『おまえは…。
俺より前なのか?…』

俺は最高に低い声になる。
それはあり得ないだろう。
俺は知らないふりをして…知ってる。
そういうことにしておく。
表情など沸く訳もない。
しかし俺は無表情がデフォルメだ…大昔から、怪しまれることもない。

「あー。
おまえは気づいてなかったってばかぁ?」

ナルトは呆気らかんと言い放った。

『何を…?』

俺は低い声だ。
首は動かさない。
目は…ナルトを見定めた瞳だ。

「お前…。
第7班、結成の初日…。
サクラちゃん、自己紹介する前から顔、一瞬、赤くなったてばー。
んでさ。
使えるかってさぁー。
もしかしてって…。
あの頃は…。
確信なかったってばぁ…」

ナルトは…ニコニコ照れた顔だ。
この表情…第七班の自己紹介の時に、ナルトが火影になると言った辺りで。
照れてた表情にそっくりだ。
やはり…そうなのか…。

俺の瞳が和らぐ。
素顔ともいう。

『…』

やはり俺より前に…。
関知してた…。
お前のアンテナは鋭い。
しかし…どこまで俺の本性に気が付いてるかは謎だが…。

だが…まあ…。

「それで。
おまえに認めてもらうために。
俺ってば…。
サクラちゃん争奪戦と来た」

ナルトは俺をしっかり見据えて宣言したような顔だ。

『…』

俺は黙って聞いてる。
顔はいつもの素顔だ。

「おかげでライバル認知されて当時はめちゃくちゃうれしかったてば…。
やっと…。
お前との距離が縮まったみてぇでさ…」

ナルトが嬉しそうに頬を掻いて林檎ほっぺだ。

『…殺す…』

俺は無表情で低い声だが。
そこまで怒ってない。
本気で怒れば。
逆に殺すとは言わない。
しかし…ナルトの照れた顔は何故かムカつく。
サクラの照れた顔は可愛い。
気分は良くない。
目が汚れる。

「悪かったってばぁ…。
昔のことだってば…」

ナルトは謝罪したように俺に手を合わせる。
俺は瞬きをした。

『サクラには…伝えるな…』

俺の瞳は死んでいる。
伝えるな。
そう言う意味だ。

「サクラちゃんには…ちゃんと告白したってば?」

ナルトは空気を読まない発言だ。
ナルトの表情は眉をひそめて俺達のことを心配そうな感じだ。
悪いが…どうでも良い。
俺は結果が全てだ。

『おまえ、いつ…俺の本性を察知した?』

俺は低い声だ。
ナルトには無表情と決めてる、まだ許せない。
こう言ってるが…本性など分かる訳ないだろう。
バレルくらいなら俺は悪人を演じた方がマシだ。

「戦後な。
俺の異常な敵対心と…。
全力で戦ってさ。
で。
告白出来たってばよ?」

ナルトはとても嬉しそうにウキウキしてる。
こいつのウキウキ浮かれた顔は…本当にムカついてくる。
サクラを苛めるのは萌えるが。
ナルトの浮かれた顔は腹が立って仕方ない。
俺をどこまでも蹴落とそうと企んでいる表情にしか写らない。

『うざい…』

サクラへのうざいは甘えだ。
ナルトへのうざいは死にやがれボケだ。

「え?」

ナルトは目をパチクリとした。
相変わらず表情が変わりまくるヤツだ。
一番、憎いのは…サクラと表情が似てることだ。
どこで似た?
俺のいない間にどこまで二人の距離が縮まっていた?
ここら辺は殺意に近い。
俺の瞳は…生気すら灯らず…じっとりナルトを見てる。

『俺は…おまえを相当呪ってる…』

地響きの声だ。

恨んでる…当たり前だ。
俺は恨めしそうにナルトだけを見てる。
おまえも苦しめ、そういう意味だ。

「えぇてば?」

ナルトはとぼけた様な表情だ。
その声ですら高低がある。
ナルトの表情を見てると何故かイラつく…。
ナルトは無表情で良い。
見てると醜い。

サクラはクルクル変わって良い、愛らしい花だ。
アイドルだ。

「サクラには…俺が戦後、好きになった話にした。
今の話…。
告げると…。
お前が一番悲しむ方法の制裁する」

俺はゆっくり低く…。
それから表情は硬く…。
そんなふうに…ナルトへ脅す。

「分かったってば。
ヒナタにだけは手出しするなよ…」

ナルトはヘラヘラ笑ってる。

やっと…理解したか。

俺は瞬きをした…しかし、サクラのために品行方正でいる。
自分を捨てる決意を3年前にした。
暴れることはない。
しかし…。

『おまえを…恨んでる。
だから命令に従え。
ヒナタはいても、サクラを優先しろ』

俺は死んだ眼差しでナルトを見る。
声はサクラの単語辺りから柔らかい。
前半の台詞は…低い。
サクラだけで良いという意味だ。

「両方同時に守るってばぁよぉ…」

ナルトは理解してない…やはり馬鹿らしい。
ナルトは嬉しそうな顔だ。

『サクラに手出しすれば復讐する。
サクラはもう結婚して俺の家族だからだ』

俺はじっとりとナルトを見る。
睨む気にもなれない。
こんなやつ見詰めると目が汚れてくる。
サクラだけで良い。
睨むのは。

「分かったてば」

ナルトは分かってもないくせに…。
全て解決したような顔で頬が赤い。
勘違いをまだしてるらしい。

『じゃな……』

この台詞は昔、香燐に言ったのと同じだ。
要するにおまえは香燐と同様いつ切り捨てても良い。
と言う意味だ。
俺の顔に表情など出ても来ない。
背を向けて…元来た道へ戻る。

「おいってば。
サクラちゃん…。
大事にすれよぉ…」

後ろから茶々を入れた憎いナルトの声だ。
俺はナルトの声ですら嫌いだ。

本当に耳が腐る。

俺はヤツをサッサと捨て去った。
まだ完全には仲直りしたのではない。
そこら辺、悟れ。

顔は固くもなる…。

しかし、この里でこのことを頼めるのはヤツしかいないのだ。
悔しいがヤツに懇願するしかなかった。

サクラを愛しているからこそ…した。
お前には命賭けでサクラの安全を最優先してもらう。
そのためにこれからも生かしてやると決めた。
相当の罪をナルトは持ってるが…その人生を持ってして償えば良い。
サクラの命は最優先に決まってる。

昔の件で脅迫してでも。
お前さえいなければ…。
俺は今頃、里でサクラを常時守れてた。
イチャイチャだって出来てた。
お前には服従義務がある。
そんなふうに思考回路が動く。

戦友よ。
お前は…。
俺をよく観察してた。
俺は無自覚だった…自分の中の狂気がすさまじいことにだ。
兄イタチは殺人狂へ転落したが俺も同じ人種だったことにだ。
俺の愛は重すぎる。
予想絶する…自分でも次の行動が読めなくなる…。

俺はあの自己紹介の瞬間には…。
やはり…既に…サクラを意識してたらしいな。
まあ…当たり前だろ…そこは知ってた。

いつからなのかは…謎だが…重い狂愛へ変貌したのがだ。
しかし…サクラは…俺の特別だ…これは黙っておくつもりだ。

☆☆☆

そのあと…里抜けの道へ進む。
今日もカカシから押し付けられた遠方任務だ。
俺ばかり仕事を押し付けられてる気がする。

里抜けの道から外れた…里外の森で…。

ヤツにあった。

大蛇丸だ。

 「サスケくん…招待したのに…。
来なかったのね…。
ショックだわ…」

『…』

いいタイミングだ。

『大蛇丸・・・。
お前に頼みたいことがある』

 「何かしら?」

『カグヤの情報…何でも耳に入れたら俺に伝えろ。
お前は情報収集のスペシャリストな筈だ』

 「あら?
褒めてくれるのね?
ありがとう、サスケくん…」

『おまえが流した映画…。
俺は見てないが…フィクションか?
それとも実録なのか…。
どういう映画だ?
俺を題材にした映画だと言う情報なら闇世界の人間ども全員から聞いてる』

 「昨日、私のアジト…試写会で放送したけど。
大好評だったわ。
サスケくんのせんべいはお土産品として売れに売れてるし…。
券も完売ね?
まだ何日か放送されるのよ?
サスケくんも見に来てね。
優遇するわ」

『答えろ』

「急かさないで。
そうね…。
一部フィクションかしら?
サスケくんには辛いかもしれないけどね?」

『…』

 「まあ、私なりのお祝いよ?
でも心配しないで。
うーん。
もしかして…サスケくんが見たら・・・怒るかもねえ。
でもね?
私もこういうので収入得てる訳でアジトの修理費もそろそろ必要なのよね?
カブトも研究費が欲しいみたいだし…」


『俺は見てないが…。
俺の結婚を題材にしてるのか?
木ノ葉で上映される映画"ナルトthe last"は…ナルトの結婚式を祝う我愛羅やナルト橋の住人が主催する映画だと聞くからだ…。
それに対抗するならおまえの映画"ナルトthe last"は…それがネタなのか?』

 「そうよ?
サスケくんの人生記みたいなものね?
映画"サスケthe last"の編集作業…大変だったわよ。
構想に3年はかかってるわ…」

『何パーセント真実なんだ。
俺の結婚に対する話は…』

 「うーん…30パーセント以下よ?
面白く私なりに客が喜ぶように脚色はしたわ。
したいことのためには資金が必要だからね…。
傘下の人間もそれを求めてるしね…」

『そうか…』

ということは…。
サクラの寝室で…大蛇丸が…眠るサクラへ囁いたシーンはねつ造なのかもしれない。
俺は安堵した。

『何故…おまえが俺の結婚に対する情報を得てる?
俺は何も話してない』

 「映画"サスケthe last"を闇世界のメンツへ大蛇丸アジトにて上映するためだけに…サスケくんを最近、ストーカーしてたのよ。
お蔭でいろいろ情報は集められたわ」

確かに贖罪の旅の途中で何回も頻繁に遭遇してる。
そう言う訳か…。

『俺は忙しい、散れ。
去らねばおまえを木ノ葉へ連行する。
お前には抜け忍を他とする…一族誘拐罪、大量殺戮罪、里への反逆罪、恐喝罪…その他、複数の罪がある。
判決は…死罪が極刑で下るだろう…』

俺の話も正論だろう…。
あと、俺は結果が全てだ。
あの洗脳ビデオのような映画"サスケthe last"の嫌な場面が…真実でも嘘でも関係などない。
大蛇丸に恩を売られる訳にはいかない。
大蛇丸の映画を見て相当、動揺したのも本音だが。
大蛇丸は突き放す。

 「サスケくんって、まだ…相変わらず素直になれないのね…?
冷たいわね…でもまあ、そんな反抗的なサスケくんもまた、良いわ?
私に似てるから許してあげるわよ?
サクラとの結婚…これから先もうまくいくように私から祈ってあげるわよ。
サスケくん…フフフフフ」

大蛇丸はスッと術で消えた。
あの術、どういう仕組みだ?
羨ましすぎる。

俺は今日も遠方の里で任務だ。
道のりを急ぐことにした。


大蛇丸~映画サスケthe last 完成秘話~


サスケくんを祝う映画"サスケthe last"の上映式は大成功したわ。
映画の鑑賞券や…サスケくんのせんべいも売れに売れまくったわ…。
闇世界にはコアなサスケくんファンばかりいっぱいいるから成功するとは予想してたわよ、私?
なんせ、世界を救った闇世界の英雄だからね、サスケくんは?
私が育てたことは誇りにも思うわよ?

お蔭で…私の傘下への希望入部者も大幅に増えそうではあるわ…。
凄い経済効果があるわよ?
お蔭で設備増設費用やカブトの研究費に…資金をまわせそうね?
もうボロボロで困ってたのよ。
未だにイタチが吐いた血痕とか…石の床にへばりついてて…気味が悪くてね。
私、イタチのことは忘れたいわ、あんな脅されていた過去なんてね?
しかもイタチにサスケくんの中から完全に消されたようなものですもの…。
完全に一度、綺麗に掃除をしたかったのよ、アジトはね?

サスケくんのことならもう大昔からイタチに見張るように言付けられてたから…。
私はサスケくんに関する情報なら知ってることも多いけど…。
悪いけどサスケくんの里抜けの時、サクラが求婚するシーンは…。

あの当時、サクラだけじゃなく、イノを他とするアカデミーの女子たち全員、

[サスケくんと一緒になる。
結婚する]

ってうるさかったから。
あってないようなシーンだわ?

あの当時はサスケくんはイノが好きだと信じて私も疑わなかったからね?
それなのに他の女子たちはすっかりサスケくんへの恋心は忘れたノリだけど。

まあ、私も同じだったのよ?
似たような境遇。
そういうものよ?
犯罪者を待つ人間なんて里ではいないでしょうよ。
忍者世界、強い里の英雄…エリートコース出世街道候補者が一番、モテるのよ?
この世の中なんて弱肉強食よ。
私はそれをとても感じてるわ?

今回の映画は私なりの愛とブラックジョークもいれてみたわよ?

☆☆☆

迷いの森でナルトとサスケくんのサクラ争奪戦は…。
私も見てたわよ?
裏からね?
成績争いの一環としてナルトから言い出したみたいだけど…。

ナルトに助けられた時、サクラが嬉しそうにナルトをみて照れてたのも私はしっかり見たわ?
その時、感じたのよね。
ああ、サスケくんもきっと、私と同じになりそうだわって。

でもまだ確信に薄かったんだけど…。
私が呪印をサスケくんに与えた後…。
サクラが私の部下からリンチされたあと…サスケくんが急に興奮してね?
サクラからのストップでサスケくんが冷静に戻れた…あの事件で…。
サスケくんはサクラに脈があるのかしら?とは推測できたけど…。

あの頃、イタチは全く気が付いてなかったみたいよ?
サスケくんの恋心には。

まあ、そこも交えてこの映画つくってみたわよ?

私は情報のスペシャリストよ?
どこでも神出鬼没。
この術は…私にしかたぶん無理だと思うわ。
きっと、イタチでも無理。
このどこにでも移動できる術のお蔭で私も助かってるわ?

☆☆☆

サスケくんが里抜けして…私のもとへ自らの足で走って来る前は…。
予備調査として、夜、ナルトの部屋の窓の外にも…。
それからサクラ自室の窓外にも。
サスケくんの隔離寮室の窓外にも。
私はこっそり降臨して…中は覗いてたわ。

サクラの部屋に置かれた第七班3人が映った写真入りスタンドが…。
ナルトの部分だけ切り取られてたのを…。
サクラが…夜中にセロテープで補修してるのは…私、見たわ?

その時、サクラは写真を見詰めて…確かにニコニコしてたわ。

映画でサクラが写真へ向かって語りかけてるシーンはねつ造だけど。
まあ、私が推測して台詞を与えてあげたわ。
きっとああいう意味だと思うわよ?
サスケくん。

だって私だけ里中に捨てられて、サスケくんだけ捨てられないなんてことあるわけないでしょ?
そこがおかしいわよ?
私は納得いってないわ?

☆☆☆

それから…そのあとの戦争中の会話も。
私はこっそり観察してたわ。
あの直前までサスケくんと同時行動で、共にいろんな情報を世界中を渡り歩いて…探索してたからね?
サスケくんの居場所なら…すぐに突き止められたわよ?

カカシやナルトやサクラがした一連の会話は…少しだけ改造されてるけど。
まあ。
私の解釈で合ってると思うわ?

この映画、私目線だから…悪趣味に感じるかもしれないけどね?
師匠の深すぎる愛に感謝しなさい…サスケくん。

ほぼ正解だと思うわ。
建前ではサスケくんへフィクションとは語ったけど…。
私の中ではほとんど真実のつもりよ?この映画。

☆☆☆

それから…。

サスケくんが…。
ナルトの結婚式に参列したかどうかは知らないわ?

でもね?

私はこっそり、降臨して観察したわ。
もう退屈だったわよ?
アホらしくて欠伸が出たわよ。
悔しいから私も婚活しようかしらね…。

サスケくんのことだから…。
会場中、暗部マスクの監視官は大勢、数えきれないレベルにいたから…。
変装して参列してるかもしれないけど…。

あのネタはデマよ?
サスケくんがいたかどうかは…私でも分からなかったわ。
今や、サスケくんは私以上に力のある人間だからね?
そこは私のフィクションも交えて作成したわ?

☆☆☆

…そのあと、私もナルト達とは別の酒場で…予約席まで取って。
カブトや香燐や水月、重吾とかと…大蛇丸傘下主要幹部のみで二次会をしたの…。

予約した酒場は…割りと館内は赤いとこよ?
壁も赤く、床は茶色…テーブルもワイン色の居酒屋よ?

 「ダメね…。
お酒に酔ったみたいだわ。
カブト、この場所は任せたわよ。
私、夜風に当たって来るわ…すぐ帰って来るからね…」

でも…私は急にお酒に酔ったみたいで…外をぶらつくことにしたわ。
ゆで卵をツマミに何杯でもいけるって思ってたんだけどね…。

「そうですか…。
今まで千変万化…いろいろなことがありましたね…。
それでは…大蛇丸様、私は酒場で続けて楽しませてもらいます…
それとも…アジトに帰って酔い止めの薬でも?
私もメスの手入れがしたいですし…一緒に帰還しても…?」

カブトは…あじの塩焼き、鯛の塩焼きをツマミに飲んでるわ。
カブトは私がイタチに消されてからは私を越える存在になるために頑張ったって香燐から聞いたわ。
きっと、大蛇丸傘下はカブトにとって家族、カブトも孤独で寂しかったんだって思うのよ。
私は別にカブトのこと、怒ってないわよ?

 「断るわ、カブト。
外を一人で歩きたい気分なのよぉ…」

U飲もうぜ☆酒持ってこい…↑
サスケ、帰って来いよ、ウチのとこ…。
女の一念、岩をも徹す☆
水月とは…いつか戦うぜ↑コノヤロー☆
みんなウチに構えよ…↓U

香燐はお好み焼きを夕飯に食べて、ビール片手に右腕上げて、ハイテンション。
全員へ絡み酒。
香燐にお酒飲ませたのって初めてだけど…こうなるのね?
香燐は変態言葉が過ぎるから…アジトがピンクになるし…南アジトに移動させた時代もあったけど…。
最近、落ち着いたのか…下ネタも減ってるわ。

香燐は何故か水月が嫌いみたいなんだけどね…。
でも…水月は香燐のこと、どう思ってるのかしら?
そこは分からないのよね??

「次、焼酎。
サスケ、贖罪の旅か。
まあ、ナルトにサクラ、とられなくて良かったな。
ヒヒヒ。
この世の中、下剋上だぜ…いつか俺が頂点に立つぜ。
ケケケ」

水月もヨーグルト、ゼリーやゼリーをつまみに…淡々と飲んでるわ。
水月ったら…酒飲むとわらい上戸になるのね…。
口から尖った歯がむき出して笑い転げてるわ。

でも…サスケくんがいなくて…今日は水月も覇気に欠けるわね。
サスケくんがいる時は、サスケくんの嫌味しか…常に水月ったら言ってないのにね…。

昔は水月は獄に入れてたんだけどね…私の言いつけを守らないし…。
それから、重吾も北アジトに隔離してたんだけどね、殺人狂でつかいものにならないし…。
でも戦争中にサスケくんに御手洗アンコの呪印から復活してもらって、命を救ってもらってから私も変わったのよ。
サスケくんは水月とも重吾とも仲が良いみたいだし…サスケくんとも歳が同じぐらいだし。
考えてみたら…サスケくんと歳が近いメンバーって大蛇丸傘下ではレアなのよね?

サスケくんは私がサスケくんに憑依して…逆にサスケくんの強さに負けて…サスケくんの内部に小さくしか寄生できなかったあと…。
獄に入れらてた水月を解放して、それから南アジトにいる香燐を引き連れて…あと、北アジトに隔離されてた重吾を引き連れて"鷹"を結成したって…。
香燐から戦後に全部、聞いたわよ?
香燐やカブトのお蔭で話題に乗り遅れなくて済んだわ。
二人には感謝してるわよ?

今では香燐を挟んで…。
まあ、水月と重吾とは私…和解に向かってるところよ?
まだこの二人と私の仲は…混沌としてるけどね。

相変わらず水月はイタズラや失言が今でも過ぎるし…。
重吾も夜は殺人狂で自ら鎖に繋いでるけどね。

☆☆☆

…私が酒場をそっと一人で出て、一人で酒酔いを醒ますため夜風に当たってる瞬間…。
サスケくんの姿を見たのよ…道路の真ん中辺りで…そこにはベロベロに酔ってるサクラもいたわ‥。

ビックリしたわ…。
二人が…抱き合ってるの…。
目撃しといてなんだけど…私、心臓バクバクだわ。

なんだか空気が混沌としてるわ…こんなの破壊してやりたいところだけど…。
新技の開発のためにも資金が必要なのよ、自分のためにも映画のネタ集めのためにも息を殺して待ったわ…。

私は気配に気が付かれる前に…慌てて、隣にあった廃墟へ隠れて…二人の会話を盗み聞きしたわ。
もう、サスケくんの映画を作る計画は戦後すぐしたわよ?
…ずっとサスケくんのことは情報収集目的で部下も交えてストーキングしてたからね?

映画のストーリー構想も3年もかかってるわ?

まあ、その時のやり取りも…要するにああいうことだと…映画では短く流したわよ?

サスケくんが酔ってるサクラを…サクラ宅まで送って行くとこもしっかり目撃したわ。
酔ってるからサクラも判断能力を失って、サスケくんへ抱き付きに行ったってことらしいわ。
確かに…サクラもナルトの結婚式で私たち同様に面白くないんでしょうよ…。

闇世界の二次会にはすぐ戻る気だったけど…もうそれどころじゃないから…尾行に専念したわよ?

☆☆☆

そのあと…サクラが寝言で話してるシーンは。

まあ…確かにサクラが魘されてる様子は窓の外から見えたけど…。
サクラの寝言はあれは私が勝手に想像でつけたしたわ。
きっと、そういう意味だと推測したわ?

だって、悪いけど…香燐から聞いたのよね…。
サスケくんが…サクラに里からの刺殺隊で殺されかけたって話をね?
悪いけど、もう泥沼に決まってるはずだからね。

それだけじゃないのよ?
香燐が木ノ葉で緊急病棟から去った後…。
木ノ葉にあるラーメン一楽で…サクラがナルトと二人仲良くラーメンを食べて…。
「私はサスケくんのことは諦めたの。
抜け忍だし将来性ないし、今はナルトが好きなの。
だからサスケくんを連れ戻してって約束は…忘れて」

こんなふうにサクラがナルトに頼み込んでいた話を…。
勝ち誇ったような嬉しそうな顔で香燐から聞いたわ。
だから…もうね。
この先も…私と同様の絶望的なストーリーしか、見えてなかったわけだけど…。

まあ、ここからどうなるのか…予想すら付かなかったから。
翌日9時まで…。
わざわざ、木ノ葉の宿に変装までして泊まって、サスケくん目当てで…里に潜伏したのよ?
カブト達には…木ノ葉に用事があることは伝えたわ?

「里崩しをするのですか?
大蛇丸様…。
確かに…ナルトの結婚式、あれはいただけませんでしたね。
面白味もない…」

カブトは批判してたわ。
酒屋で猛烈に酔ってたわ。
私がサスケくんを尾行してる間も飲んでたみたいだわ。

 「違うわよ。
少し用事を思い出してね。
アジトのメンツには悪いけど…私の帰りが遅くなることを伝えておいてくれるかしら?」

こういう雰囲気で術でカブトがいる酒屋へ飛んで、頼んでおいたわよ?

U大蛇丸様、ウチも一緒についていってもいい?↑↑U

香燐もベロベロよ。
成人になったから隠れずに飲めるからって嬉しそうなノリで。
ハイテンションだわ。

 「ごめんなさいね。
香燐。
今回はアジトの修理費用にも関わってくる重要な任務なの。
カブトの研究費にも必要だし、私の新しい術の開発にもいるからね…。
気配がバレルわけにもいかないし。
私一人にさせてもらうわ?」

Uウチの香水コレクション集めるために…大蛇丸様は…U

「刀の修理代金、頼むぜ」

水月だわ、本当に反抗的な子だわ。
まだ、私に敬語じゃないのね?

「木ノ葉のスパイを…今からなされるのですか?
大蛇丸様…」

カブトの眼鏡が光ったわ。
顔は真っ赤だわ、酔ってるわ…これ…。

 「それは言えないけどもね…。
まあ、あとから分かるわよ?
きっと大蛇丸傘下全員で楽しめるはずよ?」

これは映画のことよ?
サプライズにするつもりよ?

U大蛇丸様☆仕事頑張って!*↑U

香燐は酔い過ぎてだらしない顔だわ。
しかし…今日のサクラも酔い過ぎて千鳥足も良いところだったわ。
こっちも大変そうね…。

「そうですか…。
それでは…私は酒屋にて全員に言っておきます。
アジトでも伝えておきます。
大蛇丸様がいないということは…。
徒歩でアジトに帰還するのですね…。
まあ、足の運動にはなりそうです…」

カブトもフラフラみたいだわ。
千鳥足で…帰れるのかしらね?
水月は酒に強いのか…全く顔を変えてないわ。

重吾には夜になる前にアジトへ帰ってもらったわ。
夜は里で殺戮されては困るからね。
夜になると重吾…人格が殺人狂に変わるのよ…。
だから任務がないときの夜は鎖でつないでるのよ?
重吾もこれ以上、罪が増えないようにそれを望んでるのよ…。

 「悪いわね。
カブト。
カブトにはあとから楽しんでもらえるように工夫するから。
今は話せないのよね。
水月、みんなの介抱、頼んだわよ」

「了解しました、大蛇丸様.。
ケケ」

水月は二言返事してくれたわ…。
水月にお酒って飲ませたことなかったけど…お酒飲むと笑い出すのね…ヒヒヒとかケケケって、嬉しそうだわ…。
前よりは水月とも私、仲良くやれてるとは思うわよ?

それにしても香燐は絡み酒だわ…。
メンバーたちが困ってるわ。
確かにナルトの結婚式なんて…私もつまらなかったわ、独身にはあれは楽しくもないわよ…?
映画ナルトthe lastもあの調子じゃ、つまらないんでしょうよ…私にとっては。
きっと、私が上映する映画"サスケthe last"の方が、闇世界のメンツは喜ぶはずよ。

まあ、こんな雰囲気で…水月に香燐もカブトも任せたわ。
これだけ告げて私は術で酒場から…木ノ葉の宿前に飛んだわ。

本当に私の術って便利だわ?

☆☆☆

翌日、9時に木ノ葉公園ハチ公前で…。
サスケくんがサクラに結婚届の用紙を渡すところも…。
私は公園にいた複数男子のうち一人に…変化の術で化けてたわ…。

変化の術って…アカデミーの卒業試験になるくらい忍者の基本中の基本。
下忍レベルなら誰でも出来るわ?

サスケくんはサクラに用紙だけ渡すとすぐに去ったわ?

それから…サクラは確かにすぐに市役所に走らずに…。
公園のベンチに座り…時間にして数分、用紙を見て固まってたの…。

公園でサクラがずっとボーとしていたのよ?
サスケくんはすぐに去って行ったって言うのに…。
サクラは…ベンチに座って…首は地面の方向、下を向いてたわ…。
正確には手に持った婚姻届の用紙を…サクラはずっと見詰めてたの…。

時間にして数分だけど…見ていてジリジリしたわ。

その間、私はサクラは何をやってるのよ?
と思いながら…変装した童子の姿で公園のブランコ辺りから見詰めてたわ。

まあ、推測は出来たわ…。
そのとき、サクラは何も呟いてなかったけど…。
映画ではそれも流してあげたわ?

それから…公園から出て行ったわ?

別に私がサクラを市役所へ誘導したわけではないけど…。

☆☆☆

サスケくんの師匠心としての愛と深い教訓とブラックジョークも交え、この映画は作成したわ?
甘い空気なんて破壊してやるわ?
私も傘下にいる頃は…私に似て師匠の言うことを全然聞かない反抗的なサスケくんを指導するのは…大変だったのよ?

まあ、感謝するのね?
サスケくん。
私なりのお祝いを?




サスケの告白

目次

サクラの歓喜









inserted by FC2 system