アナタノコトガスキデス

萌え妄想のまま走るいろいろ創作小説の予定。苦情無断転載禁止。

サクラの奮闘



私はサスケくんの”居場所”をつくってあげたい。

それこそがサスケくんが求めてるものだから。

まず私がそれになる。

それから…。
里でも増やす。

だから、今日は里の皆にお願いすることに決めた。

私が忍者医療班に到着すると。
すでに白衣の綱手様がいた。
相変わらず、忙しそう…。


「綱手様…。
おはようございます」

//サクラか。
今日からサスケは遠方だったな。
仲良くしてるか?//

「はい」

//そうか…//

「…。
綱手様…」

//何だ?//

「私がサスケくんのために…この里でできることってなんだと思います?
私…サスケくんの居場所が作りたくて…。
それで…」

//居場所か…//

「サスケくんも…早く里の皆に認めて貰いたくて…奮闘してるのが…伝わってくるんです。
私に何かできないか…。
ずっと悩んでて…」

//サスケを陰から見守ってやれ。
辛いとき笑顔で出迎えてやれ。
貞淑であれ//

「綱手様…」

//あとは…。
お前が幸せそうな顔だと…。
里の皆にもサスケの評判が上がるもんだ。
そういうもんだ…//

「最近のサスケくん…。
とても優しいです…」

//アツアツ自慢か…。
独身には辛い…//

「いつも報告書見詰めてるし必死なのが伝わってくるんです。
あと…。
私の両親に土下座してくれたり…。
餡蜜や御手洗団子や婚姻指輪くれたり…。
いろいろ私に対して優しくて…。
嬉しくて…」

//サクラ…。
私にノロケは辛い…//

「すいません…。
綱手様…」

//サスケの居場所の件なら…私も協力してやる…仕事しろ…。
もうすぐ客も来る。
私は専門書を読み込む//

「クスン…」

綱手様のあとからイノもやって来る。
イノもサスケくんが里を抜けてからは私と同じ医療忍者の道を目指してる。
職場では同僚。

でも最近のイノは…。

≪今日のサイとのデートはどこにしようかしら?
私から、毎回…ガイドブック片手にリードしてるけど…。
木の葉パークの観覧車ももう行ったし…。
映画ナルトthe lastももうサイと見たし…。
動物園も水族館ももうサイと行ったし…。
サクラ、他に良いとこ、思いつかない?≫

さりげなくサイとの仲を自慢してくる。

「しゃーなろ!
仕事しなさいよ、イノ」

≪それだけ私に歯向かえる元気があるなら。
サスケくんとはうまくいってるみたいね≫

「サスケくん…今週は任務で家にいなくて」

≪アンタも大変ね。
サスケくん、まだ贖罪の旅の途中なんでしょ?
それに対して、私もまあ毎日デートで大変なのだけど…サイはうるさいレベルで構ってほしいみたいで…≫

「うん…。
毎日、危険と隣り合わせで大変なんだって思う。
私が付いて来るの…昔、反対してたから…」

イノは恐ろしいレベルで…ずっと惚気てる…。
もう困ってる。

≪ま、良かったじゃないの?
取りあえず、結婚出来て。
おめでとう。
私ももうすぐだから≫

「ありがとう」

≪で…サスケくんとは…デートしたの?
デートのネタ教えなさいよ。
私ももうサイと行く場所に困ってて≫

「え?」

≪結婚して一週間は一緒だったわけよね?
まさか…何もないなんてことはないでしょ?
初夜が無事に終わった話は…前、聞いたわよ。
先週は土日金と3連休だったでしょ?
どこへデートしたのよ?
私は今週はサイの実家泊まりだったわ…ネタも尽きたしね?≫

「えと…」

≪もうね?
最近、サイと行く場所に困ってて。
良いところあったら教えなさいよ。
まあ、サイも私の家に泊まることも多いけど…。
もうすぐ今月中かもしれないけど私たち結婚なのよ≫

この通り、常にイノは自慢だぞ。
しゃーなろ、憎い。

「…」

≪サスケくん、アンタのこと、何て言ってたの?
サイも、サスケくんとアンタのこと…気になってるみたいよ?≫

「それが…」

≪え?≫

「はぐらかされてるというか…。
私はサスケくんのことを信じる気でいるけど…。
サスケくんは重婚はしてないみたいだけど…。
外で女の人がいることを…否定してくれなくて…。
イノは違うと思うよね?」

≪え?…サスケくんが…。
確かに、サイも…それを一番、恐れてたみたいだけど…。
サスケくんは僕の見立てでは…信用に値しない男だって、サイは…私の隣で批判してたけど…≫

イノの顔が白くなった。
私、また失言しちゃったみたい…。
空気読んでなかった。

「ううん、この話、忘れて。
きっとサスケくんに限ってないから。
サスケくん、頑張ってるよ」

サスケくんの株を上げるために話してるのに…。
逆に下げることして、私は何やってるんだろう?

「家で課題仕事したり、私のためにお団子買ってきてくれたり。
それから私のために指輪や今着てる服も用意してくれて。
精一杯、刑を減らすのに専念してるみたい…」

もうパニックだけど、頑張って褒めまくらきゃ…。

≪まさか…。
サスケくん…香燐さんとは…。
サイも二人の姿を里抜けの道で…16歳ぐらいの頃、目撃したみたいで…。
でも…≫

「お願い、イノ…。
さっきの話は忘れて頂戴。
サスケくんは頑張ってる。
イノにも協力してもらいたいの。
サスケくんが里で認めれられるために…」

≪…。
そう…。
サスケくんは…もう闇世界とは切れてるのよね?
それからもう里崩しはしないのよね?
毎日、私にそのことを…サイがうるさくて…≫

「大丈夫、絶対。
しないと思う。
私はサスケくんが里に戻ってくれて嬉しい。
みんな、信じてくれてたらなあ…サスケくんを」

≪サクラ…≫

「えと…イノ…。
聞きたいことがあるんだけど…」

≪何よ?≫

「映画ナルトthe lastってサスケくん出演してた?
あと、木の葉パークの観覧車や、動物園や、水族館の土産話…聞かせなさいよ。
しゃーなろ!」

≪ごめんなさいね。
サイがうるさくて…。
サクラを一緒に連れて行ってあげられなくて。
サイったら…私とサクラを引き離したいみたいで…もう困っちゃうわ…≫

こんなこと言ってるけど、私は知ってる。
サイとイノの間に入って…一番、怖いのはイノ…。
サイの方がまだ優しい。
デート、憎いぞしゃーなろ!

//そこ、うるさい。
黙れ・・・。
私は専門書を読みこんでる。
しかし…説明は許す//

「綱手様、必死で専門書を読んでるみたいだから。
イノ、声…抑えて」

綱手様はデスクにかじりついて…専門書を見てるみたい。
たぶん…髪の毛から核融合で子供をつくる秘術だと思う。
綱手様も自分の子供が欲しいみたい…。

≪そうね…≫

イノは私に目くばせした。

≪映画ナルトthe lastはアンタ、結構出てたわよ?
サスケくんは出演1分だったけど…。

それから木ノ葉パークの観覧車は…天に届くくらい景色が良かったわ。
星が綺麗に見えたわよ。
夜行くのがおすすめね。
木ノ葉の景色が眺望できるわ。
望遠鏡、持って行っても良いかもね。
前に風船売り場もあったわ≫

「へえ…観覧車なんて乗ったことないけど…。
機械なのよね?」

想像してウットリした。

≪あんたの持ってる携帯電話と同じ機械よ。
砂がくれからやって来た文明らしいわ≫

携帯電話…。
そう言えば…修理されて戻って来たけど…。
全メモリーが…消えてた…そこは完全に戻せないみたい。
また、いっぱい携帯の中に思い出つくらなきゃ。
ナルトやサイやイノやみんなの写真がいっぱいあったのに…。

「我愛羅の里か…えと…。
イノ。
携帯電話…修理に出したの、戻って来たから・・・。
あとでメアド送信して」

≪分かったわ≫

「続けて…説明」

≪えっとね…それから動物園は…迷いの森にいた動物が凝縮されてる感じかしら?
それ以外にも他里の森のモンスターもいるわ。
割りと説明プラカードとか檻の前にあって、読んでて楽しかったわよ?≫

「良いな…。
いってみたいな…。
お土産とか売ってる?」

≪売ってたわよ。
特大巨大蛇のヌイグルミとか…。
特大巨熊のヌイグルミとか…。
割りと癒されるわよ。
家に巨熊のヌイグルミ…サイに買ってもらったし飾ってるわ…≫

「…」

さりげなく…イノは自慢してくる…。

≪動物園の隣には昆虫館も隣にあるわよ?
あとね…植物園も密集してるのよ。
アソコら辺いったい…なんでもありのパークだわ≫

「へえ…。広いとこなの?」

≪そうね…。
物凄く広いわ。
入館はそれぞれ別料金だけど…。
動物園で一日、水族館で一日、昆虫館で一日、植物園で一日…普通に潰せるわよ?
みんなの遊び場って感じね≫

「へえ…」

「そして水族館も…同じ感じかしら?
迷いの森にいた川魚もいたし…それから他里の森の魚や…海の魚。
館内は座席があって…冷房が効いてて涼めたわ。
たこ焼きをお昼に食べたわよ。
忍者レストランもあるのよ?≫

「そっか…。
忍者レストランってなんなの?」

≪うーん。
館内が真っ暗で…ふつうに忍者服着た人が…料理を持ってくるだけよ。
クナイの形のおにぎりや…手裏剣型のステーキとか…。
メニューが面白いわよ≫

「へえ…」

≪私は常に流行の先端をリードしてるのよ?
誰よりも先に。
情報なら私に聞きなさい?≫

リードって言うのは…イノの…十八番言葉だ。

≪最近、突然、いろいろなものが増えて来たからね…。
知ってる?
隣里にはカラーテレビがあるのよ?
木ノ葉にはないけどね…。
私も隣里の旅館で見たんだけど…あれがあると説明しやすいかもね。
今はガイドブックぐらいでしか説明できないから≫

「いいな…。
私もサスケくんと行ってみたいな」

≪サスケくん、頑張って誘ってみなさいよ?
何はともあれ結婚できたんだから≫

「はあ…。
そうだよね、イノ…」

//コホン…//

机で必死で専門医療書物と睨めっこしてる綱手様が…咳払いした。
イノは惚けたような顔から…突然、表情をクルリと変えた。

≪サクラ…。
最近、サスケくんのことばかり毎日、喋ってるけど…。
もう9時よ。
任務の時間よ≫

「そうね。
頑張るぞ、しゃーなろ!」

イノはどうせ昼休みになれば…サイと一緒にどこかへ消えて行く。
綱手様に叱られるのは怖い。

私は最近、綱手様につきあってるぞ。
しゃーなろ!

//サクラ…。
サスケがデートしてくれなければ…私で良ければ協力しよう。
木ノ葉パークの観覧車、水族館、動物園、映画館。
もう私は悪いが…その4つは…シズネと行った。
イノほど全てを回ってるわけではない、今の話…遊び場所の参考にはなった。
しかし…サクラのために私は再度、助力する…。
木ノ葉パークの観覧車…水族館…動物園…映画館、サクラと…また行ってやっても良い//

「綱手様…」

綱手様は必死に専門書を読みながら…優しいお言葉…。
綱手様…実は木ノ葉パークの観覧車と…水族館と…動物園と…映画ナルトthe last。
もう一回、行きたいのかな?

綱手様は秘書のシズネさんと…もう行ったみたい…くすん。
私だけ木ノ葉で乗り遅れてる…しゃーなろ!

それにしても…今日は黒髪ショートカットの秘書シズネさんが遅いみたい…。

「綱手様…今日は…秘書のシズネさんは…」

//私の命令で調べて貰ってる…。
髪の毛から子供が出来ないか…そういう術をだ。
シズネも興味があるらしい…//

二人とも医療忍術を私利私欲につかいまくってる気がする…。


☆☆☆

昼休みは…予想通り、やっぱり…サイがニコヤカに押し掛けて来た。
一応、サイにも

「サスケくんが里で認められるように協力してくれる?
サイ?」

とは頼んだ。

サイは…。

+僕がしっかり見てから彼のことは決めよう。
さあ、イノ…今日も良い天気だ。
デートをしよう。
凧揚げなんてどうかな?+

≪もうサイったら、子供みたいなこと、言いだして?
じゃね?
あと、頼んだわよ、サクラ?
どうせヒマでしょ?≫

そして…イノとサイは仲良く外出して行った。

私はシズネさんと綱手様と会話に参加してもらってる。
もちろん、シズネさんにもサスケくんが里で認められるようにお願いした。

昼食時間が終われば…午後の任務。
イノが戻ってきて…医療班は再開する。
医療班も嬉しいことに平和が続けば負傷者もいない。
少し前まで頻繁にナルトの治療ばかりだった…。
サスケくんがいない頃は…ナルトが何回ボロボロになって医療班に来たか…。
リーさんだけ未だにやって来る…かすり傷レベルだけど…。

<サクラさん…僕、また腕に怪我してしまって…。
もうヘマばかりで…。
生徒にもこれでは馬鹿にされますよね?>

「そんなことないわ。
リーさん、頑張ってる。
きっと…リーさんのこと、生徒も慕ってると思うわ」

<僕、サクラさんに褒められて嬉しいです。
サスケくんは…今週、里にいないんですよね…>

「贖罪の旅で忙しいみたいで…」

<そうですか…。
サスケくんがいない時でもいる時でも…何かあったら僕を頼って下さい。
僕ならすぐ解決します>

「リーさん。
ありがとう」

これは決まり文句。
常にこんな状態。

それ以外にも…何人かの男性忍者は…任務で大変みたいで…足に怪我とかするみたい。
消毒はしてあげてる。

シノも結構来てる…。
足に怪我してるみたいで…。

「シノ、この足の傷は…」

{任務中に階段から落ちて…後ろから押されて…}

シノの眼鏡が光ってる…よほど、落胆してるみたい。

「そう…」

私は消毒液を含ませたガーゼで治療する。

{今週は昆虫館に行ったが…。
さすがに…一人ではつまらない。
全員、グループで行ってる…。
サクラは…サスケとは行ったことがあるか?}

虫使いのシノは…やっぱり昆虫オタクみたい。
アカデミーの頃から虫のことしか話してなかった。
今も体内に虫を飼ってると思う。

「サスケくんとは…なくて…」

{俺でよければ協力しても良い…}

「え?」

{サクラが木ノ葉パークのの観覧車…水族館…動物園…映画館に興味があると言う話は聞いたことがある。
行っても良い…。
さすがに俺も一人で行くのはつまらなさすぎた。
アソコら辺いったい、遊び場になってるが…。
全員、グループで来てる。
何名かでつるんで行こうかと思ってる}

「でも…綱手様と約束して…朝。
それでも良い?」

//私はシノと行っても良い//

デスクの上の綱手様は二言返事。
シノは嬉しそう。
さっき、腕の治療をしたリーさんも目を輝かせた。

<僕も行っても良いですか?
サクラさん…>

リーさんまで。
そうだよね。
一人で行っても確かにつまらないよね…。

「えっと…。
完全にうんとは言えないけど…。
保留ってことで…。
サスケくんと行ってからにしたいし…。
あ…。
リーさんもシノも…サスケくんが里で認められるように協力してくれる?
サスケくん、必死なのが伝わって来て…」


私は少し目を泳がせた。
頭の中にサスケくんの顔を思い浮かべながら…。

//そうか…。
サスケに断られたら言えよ。
まあ、サクラなしでシズネと私とリーとシノの4人でも良い//

綱手様はよっぽど、行きたいみたい…。
医療書物をバタンと閉めた。
私も興味ある。
因みにイノは今…サイとデートしてる。
しゃーなろ!

<それでは僕、昼休みですが…。
これから生徒たちに修行付けて来るので…。
まあ、サスケくんのことは時間が解決するはずです。
サクラさんは心配なんてしなくて大丈夫ですよ、僕が保証します>

リーさんは顔が真っ赤。
よっぽど、木ノ葉パークのの観覧車…水族館…動物園…映画館に行きたくてたまらないみたい。

「リーさん…ガイ先生と行ったとばかり…」

<行きましたが…。
また違うメンバーで行くと楽しみも変わるので>

リーさんの目がひかり輝いてる。
そうだよね。
ガイ先生とばかりもつまらないよね。

{俺も任務がある…足の治療、ありがとう。
まあ、サスケのことは、ほっといても大丈夫だろう。
そういうヤツだ、あいつは昔から…}

シノももう医療班から退室するみたい。

「リーさん、シノ…。
怪我に気を付けて」

最近は平和だからみんなかすり傷レベル。
平和って良いけど…暇が出来たら遊びに行きたくなっちゃう…。

サスケくんと行きたいな…。
サスケくんに聞いてからにする。
みんな、一人で行きにくいし…行きたいみたいだけど…。
私にはサスケくんっていう夫がいるんだから。
行きたいのにな…。
サスケくんは私のこと…どう思ってるんだろ??

☆☆☆

最近、そう言えば…里の人たちも里外の任務がないみたい…。
まさか…サスケくんに全部押し付けてるの?
そんな被害妄想が沸くけど…違うことを祈るぞ、しゃーなろ!

ナルトも…最近、ヒナタと結婚してからと言うモノ、本当に付き合いが悪い。
きっと、新婚でずっと一緒で浮かれてるに決まってる。
今日は探してもナルト…どこにもいない…。
どうせヒナタとデートに決まってる。

私だけサスケくんが里に…常時…いない。
ナルト…憎いぞ、しゃーなろ!

☆☆☆

(あとは…。
カカシ先生にも…。
サスケくんの誤解を取りに行かなきゃ)

綱手様に挨拶して別れ、カカシ先生のいる火影室へ…ノックして入る。

「サクラか…」

「カカシ先生…」

(つい昔の言い方に戻ってしまう…)

「それでいい。
お前から"火影さま"と呼ばれるのも困る。
何か用か?」

「サスケくんが…この里で居場所出来るように…計らってください。
お願いします…」

「居場所か…。
分かった。
全力尽くす」

「ありがとうございます」

「いえいえ」

「サスケとは…上手くいってるか??」

「はい。
サスケくん…。
結婚前が嘘みたいにとても優しいし…。
とても仕事も頑張ってます」

「プロポーズは…サクラからなのか?サスケからか?」

「私からです…」

「そうか…。
サクラ?
今、幸せか?…」

「はい。
婚姻届の紙もサスケくん…。
持ってきてくれたし…。
指輪もくれたし…。
それから…。
リーさんのこと…私の代わりに土下座して断ってくれたり…。
餡蜜や御手洗団子くれたり…。
私の両親に御手洗団子、渡してくれたり…。
私の両親に土下座してくれたりで…。
見ていて辛くなるぐらい必死なんです…。
"この里で不遇なのが分かってるから"って…。
サスケくんが言ってて…。
私、辛いんです。
私に出来ることと言えば…。
里の皆にサスケくんの居場所作りをお願いすることしか出来なくて…」

「そうか…。
それはすごい話だな。
本当か?
サクラ」

「はい…」

「そうか。
俺の知らないうちにアイツも変わろうと必死なんだな…。
そうか…急成長したな…俺は…涙ぐむ…」

「カカシ先生…」

「俺は全力出す。
俺はサスケがこの里で認められるよう…全面協力する」

「ありがとうございます…」



☆☆

何とか、カカシ先生にも頼んでみた。
私で協力できることなら何でもしてあげたい。

私は帰宅途中。
イノのフラワーショップへ立ち寄ってみた。

イノが出迎える…。

ここも昔からよく、通うお店。
イノはいつも丁寧にお花のことを教えてくれる。
私は大雑把でお花の手入れなんて苦手だから本当に役に立つ。
お店に入るとイノが生けた花がある。

木ノ葉流の花道みたい。
イノは何をしても上手。
何だか花と言うよりもう芸術の域。
カスミソウがまるで白鳥みたい。
私は感動して見詰めた。

それ以外にもここには盆栽もある。
ザクロの盆栽や…姫林檎の盆栽。
盆栽を見れば…実があると…食べれるの?ってイノについ、尋ねてしまう。
でも…観賞用で食べれないみたい…くすん。

松で生けられた庭園みたいな自由花がある。
イノってやっぱり凄い。
くの一としての素質がある…。

チューリップの花もいっぱいある。
それから…見たこともないようなキツネみたいな黄色い実がついた花もある。
あれは…何て名前だろう?

毎回、イノには花言葉まで教わるのに。
何故か私は覚えられない。
ペーパーは良いはずなのに。

興味ある筈なのに、そこは不思議。
何故かマフラーもまだ編めない。
さすがに、お味噌汁は出来るけど…。
大雑把な性格みたい。

イノは実家でフラワーショップを経営してるだけあって、もう花博士状態。

もしかして…チューリップの隣にある…。
あの巨大な巨熊のぬいぐるみは…。
サイから買ってもらったものなのかな?


「イノ」

≪サクラ…お花ね…≫

「頼むわ…。
えと…あのチューリップの隣にある…巨大な巨熊のぬいぐるみは…」

≪サイから買ってもらったものよ?
サクラに見せるためだけにわざわざ家から昼間、こっちへ移動したの。
大変だったわ…感謝するのね?
見せて貰えて≫

「…」

≪花なら適当に見繕うわ。
今の気分は?≫

「気分は…サスケくんが遠征で寂しいかな。
サスケくんの里での…居場所つくってあげたくて…。
イノ…。
私に何か出来ること…あるかな?」

≪サクラが幸せでいることよ。
それが一番だわ。
そうすれば昔馴染みにもいい評判が流れるわ。

私のサイもあんたのこと…。
心配しててね。
でも…私は…アンタ達のこと…信じてる…≫

「ありがとう…。
サスケくん…優しいよ?」

今日のイノは機嫌が良いみたい。
サイとのデートが順風満帆なんだと思う。

≪そう…。
プロポーズは…アンタからなんだってね…。
サスケくん…何て言ってた?≫

「酔ってる時で…あまり覚えてなくて…。
でも婚姻届の用紙は…持ってきてくれたし。
指輪もくれたんだよ…」

(とても嬉しかった)

≪そう…。
サスケくんなりに頑張ってるんじゃないかな?
私は信じてるわ…。
今の貴方には…この青い花。
ブルースターを選ぶわ。
花言葉は信じあう心。
あと数種類セットにするわ…≫

「綺麗なお花……」

≪私も協力する…≫

「イノ…。
ありがとう…。
その他にも…御手洗団子や餡蜜も買ってくれるし…。
私の両親に土下座してくれたり…。
リーさんにも土下座して…断ってくれたりで…。
正直…。
優しすぎて怖いくらいで…。
私に…。
何か出来ないかって…。
いつもサスケくん…。
里の皆に…認められようと…とても頑張ってる…。
見てると辛いくらい…」

≪…サクラ…≫

「サスケくんの家…。
広すぎて…。
夜はお化けでそうで…一人では怖いくらいの広さで…。
サスケくんは…。
きっとこの家で…。
何回泣いたのかな?と思えば…。
どうしてあの頃…。
私がサスケくんの居場所に…なってあげられなかったんだろ…。
って悲しくて…」

≪サクラ…≫

「イノ…??」

≪大丈夫よ。
この里で…。
サスケくんの居場所は出来る。
私からも…昔のサスケくん巡る戦友にも…伝える…≫

「サスケくんの評判上がって…。
モテモテになったら…。
それは…それで私…。
困るんだけどね…てへ」

≪100名はいるから…メールで送ってあげるわ。
サスケくんが…里で居場所が出来るように噂流してって…≫

「ありがとうね…」



☆☆


そんなこんなで…私の一日は終え、仏壇と墓に花を備え、 一人の夕飯を食べる。

鮭と味噌汁と豆腐と野菜。
サスケくんの大好きなトマトもあるのに。
今日はいない…。
私の大好きなサスケくん…。

やっぱり…この家は広すぎて一人の夜は…。
とても寂しくなる…。

サスケくん…。
今頃…。

どうしてるかな…?

今日は早めに眠ることにした…。

先週は寝不足だったから…。
サスケくんって…。
すごく激しかった…。
野暮な話だけど…。
ハードだった…。
えへ。

思い出すと照れてくる…。
ギャー。
あんなことやこんなことした…。
えと。
もう…。
寝よ。

ああ…。
サスケくんに入れられた媚薬が疼く…。
でも寝る…。
寝させてもらう…。

昨日はね。
私の隣でサスケくんが肩を寄せて眠ってたんだ…。
裸で…。
と思うと…。
夢みたい。

私、サスケくんのお嫁さんになるの夢だったんだ。
叶って嬉しい。

私、最近、ほとんど寝てなくて…。
三連休の一日目午前と…結婚一週間目のお昼と…医療室のベッドでのお昼寝ぐらいしか…。
寝てないんだよ…。
サスケくん…おやすみ…。
少し体、火照ってるかも。

サスケくん…。
今日、分かった。
私のためにいろいろしてくれてるよね。
私、すごく感謝してる。
私もサスケくんのために頑張る。
そしてサスケくんの心を射止める。
振り向いて…。

私だけがこんなに好きなんて…。
辛いよ。
サスケくんは…私のこと好き?
そうだと信じたい…。

サスケくんの本心を聞かせて欲しい…。
プロポーズ、私からだし…。
でも私からのプロポーズ受け入れてくれたんだし…。
喜ぶべきなんだよね…。
サクラくん、承諾してくれて…ありがとう。

ああ。
何か思い出すと悶々する…。

はぁ…。

サスケくんは今、元気?

何をしてるの…?

サスケくん…大好き。




サクラの女心+サスケの杞憂


目次


遠征任務(サスケ)














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