アナタノコトガスキデス

萌え妄想のまま走るいろいろ創作小説の予定。苦情無断転載禁止。

それぞれ の視点



【サスケ視点】


サスケは早速帰省して、一日の出来事を回想した。
先程の耽美な記憶が離れない。

サクラの唇、
背後から抱擁した体温。
柔和な胸。

それからサクラの話し声。

その情景でまず抜いた。

そして…。
決めた…。
俺は来年までにイエローリストになる。
現在は月一程度帰里許可のレッドリストだが。
イエローリストになれば…月に半分は里にいられる…。

そのためには…今の三倍の仕事を遂行する必要性がある。
兄も三重スパイだったが、アレは壮絶で、寿命が一年で三年縮まるらしく。
食べても吐血するほど痩せる噂だが…。
俺は兄とは違って大食だから、無病息災を祈る。

来年までにはイエローリストになって、サクラと入籍出来ることを願う。
里からの一本道で
『何年でも待つ』
イノにサクラは宣言してくれた。
胸が震えた。
だから、限界に近いことを悟った。
里に帰って自分から弱さが染み出た。

それに成人越えればサクラの両親の判子も要らんからやり易い。
反対されてもサクラの意思のみだ。
まず、役所に赴き、紙を貰って、自分の分を全て書き…。
酔わせたサクラに記入させて…。
それから翌日、サクラに捺印してもらう。

もし、捺印が無理なら…。
ここは辛いが…。
強行手段に出たい。
酒に酔わせ、針で気絶させ、犯し倒し…。
そして、既成事実をつくり…。
サクラを孕ませ…。
強制的に入籍したい。

それしかない気がする。
なんせ犯罪者だから。
サクラもスンナリ承諾しない可能性もある。
俺は今、弱ってる。
早く里から認められたい。
そのためにもすぐ送る。

サスケは決心してカカシへの報告書へ
『今は生ぬるい。
暇だ。
一年以内にイエローリストになる量の依頼を頼む』
と筆でしたためた。

そして、封書を片手に外出する。

空は煌々の三日月深夜。

郵便ポストに投函しに疾走する。
あとは飛脚忍者に郵便を任せた。

空気は麗々で木々はざわめく。

家々の電灯は細々としてる。


それから道をUターンする。

深夜で道路は無人だ。

気配を消し、和風宿屋玄関に戻る。
階段を上がり、鍵を回し、扉を開く。
そのまま入室する。

漆黒の寝台に横たわる。

溜息吐き、木の葉の里の土産を食う。

辛口の御手洗団子は割りと上手い。
小説サクラは少しずつ読もう。

これから予想以上の激務で読書の暇もない可能性もある。
カカシから膨大な依頼内容が届くまでに読破しよう。

当初の予定では贖罪の旅を完全に終えてから、サクラとの交際を始める予定だったが、これでは年期も未定だ。

次の作戦は責めて兄の亡き年齢まで耐えようと決意したが、長すぎる。

それからナルトの結婚式に…。
結婚したくなったムードのサクラに敢えて酒に酔わせて落とすのも…。
いつになるか不明だ。

段々早まるが、来年で結論にしよう。
『寂しい』
サクラも茶屋で漏らしてた。
俺も同感だ。
カカシに報告書を送れば、自動的にサクラへ伝言板になる。

そうすればサクラもきっと他の男に転ばずに済みそうだ。
ナルトは日向と交際した。
サクラの幼馴染みのイノまで、サイと交際開始した。
サクラだけ1人は可哀想だ。
俺の気が気じゃない。

カカシの話に寄れば…。
サクラも俺のために、他のヤツからの告白を断ってくれてるらしい。
サクラに感謝してる。
ここは期待に応えるべきだろう。
それが良い…。

今日はサクラの自宅も覚えた。
大収穫だった。





【カカシ視点】

ここは火影のデスクワーク。
カカシはサスケから来た珍しい封書を飛脚忍者に手渡されて、中身を読んだ。
中には一枚のメモがあった。

『今は生ぬるい。
暇だ。
一年以内にイエローリストになる量の依頼を頼む』
それだけサスケの字で書かれている。

『一年以内にイエローリストねぇ…』
カカシは…。
サスケからの手紙を眺め、溜め息を吐いた。

(暇か…。
今でも結構ハードだと思うんだけど…。
確かに俺より暇なのかな?
でも…これは…三重スパイになるな)

三重スパイは確かにサスケの兄はしていたが、かなりの神経を使う。
それから覚えることもだが、常に緊張を張りつめ、最終的にどちらにつくかの判断も重要だ。

カカシの本音ではサスケにはあまり危ない橋は渡らせたくない。
やってることが昔と変わらない内容になることが予想されるからだ。

しかし、その分、里へ情報が漏れるという利点はある。
ただし、サスケが最終的に裏切らなければの話だが、その辺りはカカシは信用してる。

(仕方ないか。
アイツも早く終わらせたいようだし、アイツのこれまでの人生を考えれば…。
暇なのかもしれないから)

カカシは依頼内容書面をいつもの三倍、指定の住所に送ることにした。

(ナルトとサクラもサスケがイエローリストになったら、喜びそうだしな…。
月の半分は会えるだろうから…)

一般的にレッドリストからイエローリストになるのと、イエローリストからホワイトリストになるのとでは…。
前者の方が大変だ。

逆を言えばイエローリストになれば、ホワイトリストになるのは早い。

(三倍やってもらうか。
サスケ、死ぬなよ)

サスケのことだから、片腕はないが…。
サスケの亡き兄ーーイタチ以上の強い瞳力があるので大丈夫だろうとカカシは憶測してる。

(また俺がサスケに会える日もすぐそこかもしれないな…。
俺も火影としての業務を真っ当しなければな)





【サクラ視点】

私はサクラ。
今は里抜けの一本道の芝生で報告書を眺めてる。
私はこの場所に暇さえあれば来る。
心が落ち着くスポットだからだ。
ここは白つめ草やクローバーが多くて。
子供時代はよくイノと一緒に花輪を作ってた。
木漏れ日に柔らかい風。
今でも癒される場所だ。

☆☆

私が最後にサスケくんと出会ったのは二年前。
第四次忍界対戦以来。
あれ以来、サスケくんと遭遇してない。
最近に入って、ナルトもだけど、イノまで付き合い始めて、私につれない。

少し寂しく感じてる。

ナルトも日向に忙しいのか、私と距離を置かれたし。
イノもサイに付きっきりで、最近は綱手様と1人が多い。

サスケくんは相変わらず帰ってこないし。

それ以外にもオープンにはしてないけど…。
シカマルも砂葉隠れの里のテマリと 何だかとても、怪しい雰囲気。

それから他にも私が知らないだけで…。
くっつきそうだったり…。
もう付き合っているのか…。

はあ…。

私はリーさん以外にも時々。
モーションはあるけど…。
やっぱりサスケくんのあのデコピンが忘れられない…。

あの意味が気になって…。
今でも考えると…夜も眠れない。

また今度って言ったきり…。
顔を見せずに、とても悶々として辛い。

カカシ先生にはいつもサスケくんのこと、聞いてるけど。
神出鬼没で毎回借り住まいが、違うらしいから、連絡は向こうからしか付いてない状態らしい…。

この前、里に落ちそうな隕石破壊の功績でサスケくんが里に帰って来たらしい。

一日の滞在だったらしいけど、私には会ってくれなかったみたいで…。

本当はとても会いたかったのに。
今、どんな見た目なのか確認したかったのに。
会話できなくても良いから。
一目で良いから。

最近は毎日暇があったら、里からの一本道で読書や始末書も晴れの日はここでしてたりする。
今もそれの途中だ。

サスケくんとの思い出の場所だし。
必ず里に入るときは…サスケくんはこの道を通るはずだから。
里にいても知り合いのカップルばかりで居場所がない。
親とは、つるむけど…。
最近、仕事が恋人になってる。

サスケくんが隕石落とした功績で里へ帰って来たらしい日。
その日もここで待っていたのに…。
私がここに来たのは…夜でその時間帯じゃなかったみたいで。

サスケくんは早朝に里を出たらしいから。
カカシ先生の話に寄れば…。

あの日。
私は鮮明な夢を見た…。
サスケくんから抱擁されて…。
それから…。

『ありがとう』

声がして…キスされる素敵な夢だ。
かなり素敵な夢で目覚めたくないのに、一瞬でイノに起こされた。
また夢で会えれば良いんだけど…。

夢の中のサスケくんは背が伸びてた。
顔はボヤけて分からないけど…。
夢のなかでどうしてなのか、サスケくんと分かって浮かれてた。

胸も揉まれてた気がする…。
私も相当溜まってるのかな…。

ナルトにはさすがに夢の内容は言えなくて…。

『サスケくんが帰ってきたであろう日に、偶然、里からの一本道で、たまたま居眠りしたら…。
サスケくんに夢で会えたんだよ。
これって…。
私とサスケくんは運命なのかな……』
と…ナルトには訴えてる。

何だか私の顔が赤いのを茶化すので…。
思いっきりナルトは殴っておいた。
夢占いで調べたら…好きな人と上手く行く夢は願望夢って呼ぶんだっけ…。
何だか吉夢でもないみたい。

私はとても会いたい。
断られても良い。
姿だけでも見たい。

カカシ先生の情報によれば…。
サスケくんは現在、月に一度程度の里帰りが許されるレッドリストらしく、

『今は生ぬるい。
暇だ。
一年以内にイエローリストになる量の依頼を頼む』

と手紙が来たらしいから。
今回は住所が分かるらしい。

だから、カカシ先生にお願いして、私は…サスケくん宛の手紙も同封してもらうことにした。

サスケくんからの報告書は極秘内容なので、カカシ先生から見せてもらえないけど…。

『今は生ぬるい。
暇だ。
一年以内にイエローリストになる量の依頼を頼む』

の一枚のメモ用紙は…。
サスケくんらしいとても綺麗な字で。
サスケくんの几帳面な性格を思い出した。

サスケくんは今、とても真面目に頑張っているみたい。
昔を思えば喜ばなくては駄目なのに私はどんどん貪欲になってる。

イエローリストになれば里に月の半分は居られるようだ。
サスケくんは月に一度程度は帰ってきても良いのに…。
現在は仕事に忙しく、帰って来てくれないみたい。

カカシ先生が言うには来年までにイエローリストになるのは…相当ハードらしいけど、サスケくんなら出来るって。
私は信じてる。

本音はサスケくんと会いたい。
私はずっとサスケくんだけだから。
サスケくんのファーストキスはナルトに奪われてムカッとしたけど。
私のファーストキスは…。
最初からサスケくんに予約してる。

早く会いたい…。
こんなにもサスケくんをただ求めてる。
私に何が出来るのだろ…。
こんなにサスケくんが大好きなのに…。

夢で会い焦がれるくらい、サスケくんのことが大好きで…。
好きで好きで堪らないのに。

私はこうやって…。
サスケくんのために手紙を書くことしかできない。

私もサスケくんの贖罪の旅に付き合いたいのに。
サスケくんもカカシ先生も綱手様も許してくれなくて。
私はただ…サスケくんに寄り添いたいだけなのに。

サスケくんは返事も…。
今回も…。
私については全く書いてない。
私はサスケくんに真剣に告白もしたのに…。
今、自分の仕事のことだけで精一杯みたいで…。
私との恋愛なんてどうでも良いみたいで…。
私はどうしてこんなにもサスケくんが好きなんだろ…。

サスケくんは今、他に女の人がいるのか…。
あのデコピンは他の女の人にもしてるのか…。
サスケくんはただのプレイボーイになってしまったのか…。
いつもサスケくんの隣でベタベタ引っ付いてた、香燐さんとの恋仲はどうなのか、二人は出来ているのか…?

私のことを殺そうとしてたんだから…私も諦めるべきなんじゃないか…。
脈なんてあるわけないんじゃないか…。
ナルトも殺されそうになったんだから…昔のサスケくんを期待してはダメなんだと…。
私は夜も眠れないくらい…いろいろ悩むのに。

サスケくんは私に会おうとすらしない。
カカシ先生には手紙を送るのに…。
それからナルトにも会ってないみたい。
サスケくんにとって、私やナルトより…カカシ先生の方が大切なのかな……。

それでも私はサスケくんのことが理由なんてないけど忘れられないの。

サスケくんがイエローリストになれたら…。
絶対私からサスケくんに会いに行くね。
来年まで待ってるから。

だから。
サスケくん、お仕事。
頑張ってね…。



カカシ視点

目次

人の恋路を邪魔するものは馬に蹴られて死んでしまえ(ナルト視点)














 

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