heavy級の愛に謝る【サスケ。(失恋)←香燐】
俺は今、贖罪の旅の途中にいる。
片腕はまだ、見つかってない。
昼間、里と里への移動で、
平野から山里へ登る途中、
懐かしい顔ぶれに対面した。
『サッスケェー!』
久しぶりの遭遇…。
大蛇丸配下時代の元同僚、赤い長髪眼鏡の女。
香燐だ。
『おめぇ、里帰ったんだってな♪
うちと付き合ってくれないか?
サスケェ』
相変わらず、瀕死状態まで斬ったのに…。
まだ諦めてくれないらしい…。
香燐はあのナルトと同じうずまき一族の血を引き、ゴキブリ並みの生命力があるらしい。
これはカブトからの話だ。
別に今回の戦争でも全く守ってなかったが…。
生きてたらしいな。
すまなかったとは謝罪したが…。
通じてないらしい。
困ったな…。
俺は言葉にするのが苦手だから。
☆☆
第七班時代。
俺は夜毎、ストレスに頭を抱えてた。
無力さ。
それと毎日正面からくっついて来るサクラ。
誘われる夜のデート。
正直な話。
年頃13歳なので、アカデミー時代までにはない鬱憤に襲われてた。
サクラにくっつかれると戸惑うのだ。
俺は自分で説明するのは何だが…。
アカデミーでは常にトップで…。
常時、女が勝手に俺目掛けて、磁石のように接近してたので…。
引き離すのも面倒だし、ベタベタ引っ付かれても…ほってた。
その中にイノもいたが、無反応だった。
正直、帰る家もなく、慰める家族もおらず、頭を撫でる先生もいず、俺の相談に乗る男友達もいない。
それぐらいでしか、人肌を感じることも出来ず…幼少次代、俺はとても寂しかった。
人に隠れて夜中…何回泣いてたのか分からない…。
俺は抱き締められると弱いのだ。
だから、第七班時代。
今まで刷り寄られようが、屁でもない。
優しい空気のようだったのに…変に意識しだして戸惑った。
俺もそんな年齢なのか…。と悩んだ。
ナルトたちも会話はほとんど下ネタだらけだった。
俺だけ素面を決めて乗ってなかった。
周りがそうなので…自分もそんな歳だと推測だ。
自分のチャクラと比べて、ナルトのチャクラの壮大さは明らかだった。
俺は知ってた。
俺の長所は学年で首席で女にモテること。
それをナルトに奪われたら…俺は想像絶する孤独の闇だ。
俺を抱き締める人も…。
俺のために涙を流す人も…この世から存在しなくなる…。
俺にはナルトのように、必死で自分の居場所を確保するため、里中の全員に声を掛けて…。
甘えたい、構って欲しいと…。
醜く他人にすがり付いて、アピールすることも出来なければ…。
人の心を溶かす能力もない。
ナルトをウスラトンカチと呼びつつ、本心は劣等感だった。
最初は俺の方が優位で、ナルトとは親友だった。
優越感に浸れたが、あいつの能力が上がるにつれ…いつ頃からか、イライラしてた。
あの大蛇丸に噛まれた頃から、特にだ。
訳が分からないくらい、理由も不明で…。
毎日、力の足りなさに涙しそうだった。
サクラまで…ナルトの強さになびきそうな様を感じ、俺は決めた。
ナルトに負けるのは時間の問題だ。
里にいても楽しくない。と…。
里を去ることばかり当時、考えてた。
惨めだった。
サクラに正面から来られるとムラッと来る自分にも腹が立ってた。
誰でも良いから結局、したいのか、自分は?とか。
里では悪評が立つから、ここを出たら好き勝手に…適当に女と遊んで…。
復讐して。
悪の道へ転がり込む道も悪くないかと…怒りつつ悲観してた。
甘える相手もおらず、心が空で…人肌がとても恋しく。
夜は一族惨殺の悪夢にうなされて…。
自分の失態に嘆き。
第七班にてナルトとサクラの距離が近付き、俺は一人茶屋で会話に付いていけず…。
寂しさの中にいて、宙を眺める。
大蛇丸に噛まれてから余計にイライラして。
ここにいても誓約ばかりで…厳しい掟を守らなければ…自分を偽り、優等生ぶらければ、居場所もつくれない。
俺はこの里に…嫌気が差してた。
自分の感情を隠すのに疲れてた。
俺は悪の道の方が相応しいと、アイツらのテンションに付いて行けず、距離を感じてた。
毎日、楽しくなく…。
悔しかった。
俺は里を捨てた。
ヤツらは忘れると決意した。
そして、香燐という女の名簿を大蛇丸のとこで見たときには、少しは期待した。
これで楽な人生が歩めるのかと。
あのムセ返るようなイライラがなくなるのかと。
俺は解放されるのかと。
初対面は普通だった。
だんだん変態だと分かった。
俺はいつもコイツにくっついてもらってた。
だが、どうしてか性欲は沸かなかった。
夜、求められるのはイヤだった。
一度もしてないし、自分でする方が良かった。
コイツとサクラを想像のなかで天秤に掛けたこともある。
俺は過去に縛られ、サクラを選んだ。
違う。
その時、初めて。
俺は別に誰でも良いからヤりたかったのではなかったと…知った。
俺は結局、アカデミーの頃と同じで潔癖だった。
ただの好みのうるさい人間だった。
俺は子供時代、母が好きで…。
母のように髪の長い慎ましい女性を理想としてた。
しかし、現実好きになったヤツは正反対も同然で…。
俺は離れてから…第七班の頃のサクラへの行動の一つ一つが…。
特別なことに…自覚した。
あの頃、ナルトは火影になりサクラを妻に迎える。
そして…俺は闇の道へ疾走し…香燐と子をなし…その子は大蛇丸の器として乗っ取られ、生涯を終える。
そんな未来を予想しては…怯えて…嫌気が差してた。
いつまでも…劣等感から自分の感情を殺して逃げるわけにはいかない。
俺は里へ帰って…。
ナルトと真剣に対立して戦うべきだ。
そのことに気付けたのだ。
それはサクラが…里から俺への刺殺隊として送られてきた…あの日に。
俺はお前には…深く懺悔しなければならない。
☆☆
『香燐、俺のことは諦めてくれ。
すまなかった』
『何言ってんだよ☆
サスケぇ!
コノー』
俺はそのとき、仕方なく土下座をした。
生まれて始めての経験だ。
片手でするのは結構きつい。
『俺は…。
お前をただ利用してた…。
お前は俺に助けられて、中忍試験で俺に好意を持ったらしいが…。
俺は…自分に襲い来る熊を討伐しただけだ。
アレは…お前を助けるための行動ではない。
忘れてたがお前があまり言うから思い出した。
お前の勘違いだ。
それを知りつつ、今まで黙っていた』
『じゃあな…。
ってウチに言ってたじゃんかー』
『一応、切り捨てた熊に対して<じゃあな>と挨拶しただけだ。
そういう理由だ。
俺はお前のことなんてあの頃、全く眼中にない…。
自分のことだけで精一杯だった…』
『うち、諦めないし☆』
『俺はお前を斬った。
瀕死レベルで斬り捨てた。
その時にも<じゃあな>と俺はサヨナラした。
悟れ。
これ以上言わせないでくれ…。
お前だけは恐らく知ってるはずだ。
俺が誰を好いてるか…』
香燐にはチャクラが関知できる。
俺の感情の変化も機敏なはずだ。
俺が誰に好意があるのか察知しつつ、自分に脈がないことを認知しても…俺を…その身で、服の上から抱き締めてくれていた。
俺は根性でお前を性的に抱くことも出来たが…。
それは俺が全く望まなかった。
俺はお前の恋慕を感じつつ、利用した。
お前だけ…。と言ったが…。
あと数人知ってるかもしれないが…。
ここは建前だ。
『すまなかった…』
何回、土下座したか分からない。
これで承知してくれなければ。
俺はお前のためにもう一度瀕死レベルで切り捨てなければならない。
俺は自分の傷を回復するためだけにお前を噛んでいた。
蛇のように。
お前が変な声を出そうが俺にとっては上の空だった。
しかし、サクラに同じことをした日には…。
即日に犯し倒してただろう。
お前だからこそ。
無反応だった。
すまなかった…。
俺は天の邪鬼だから。
サクラには…。
連れ去ることすら出来ない。
俺は卑怯者だ。
☆☆
『一から新しい人生を歩んで欲しい』
奇しくもサクラと離別したときと同じセリフだが…。
俺の気持ちは…。
サクラに対する気持ちと、お前に対する気持ちでは全く違う。
俺は一時、お前を愛そうとしても無理だった。
お前を必死で俺の仲間だと自己暗示して助けた経験もある。
しかし、それが…無理だと実感したのは…。
お前を斬り捨てたのに…。
サクラには傷ひとつ、つけれず…。
サクラに殺そうとされた、あの瞬間。
絶望からサクラに刺殺される道を選んだ時。
死を覚悟した間際に悟った。
俺はサクラに殺されてもいいが…。
お前を殺してもいい…。
それが感情に込み上げてきた…。
俺は卑劣人間だ。
だから、とことん恨んで欲しい。
☆☆
『知ってるよ。
サスケェの気持ちは…』
『香燐…』
『ウチじゃ、サスケェのチャクラ、冷たくなる一方だけど。
あの女の前じゃ、サスケェのチャクラ、暖かい。
わかってたって☆↓』
『香燐』
『斬られたときより。
胸いたい、けどウチ諦めないから☆』
『諦めてくれ…』
土下座した。
『じゃサスケェ。
またな☆♪』
『お前に会うのは金輪際、最後にしたい』
土下座して、ハッキリ告げた。
返事はなく、香燐は消え去った。
☆☆
やはりこれぐらいでは…許してもくれないか…。
俺はお前に相当のことをした。
理解してる。
香燐は並大抵の神経ではないから。
俺のことは諦めて…別々の人生を歩んで貰いたい。
どこまででも俺はお前の気が済むまで…。
土下座と懺悔を繰り返して…。
いっそ無理なら急所外しの瀕死で切り捨てよう。
利害が一致すればお互い組む日もあるかもしれないが。
俺にとってお前はナルトと同じだ。
お前にナルトと同じ血が流れているせいなのかもしれないが…。
どうか。
サクラに手出しはしないで欲しい。
俺とサクラの恋路をお前に阻害されるのは…。
俺は本望ではない。
サクラは俺の宝だ。
俺のことはどこまでも憎んで欲しい。
恨んで欲しい。
あの悪業を許してくれなどと願わない。
☆☆
中忍試験の頃。
既に恐らく俺はサクラに気があったのだろう。
俺はこれからもたくさんの人にこの旅を通して謝る…。
世界平和のためのカグラ情報探しも里同士の友好条約も重要だが、過去の不始末をつけることで…。
俺は未来へ進めるのだ。
俺は今、未来のために生きてる。
一時はお前とサクラ、復讐と里への帰省を天秤してた。
俺の目には過去しか写ってなかった。
俺が選んだのはサクラだった、ずっと。
騙してきて悪かった。
今、やっと俺は将来のために生きてる。
何回でもお前の恋慕を断る。
お前の気が済むまで。
悪用して…すまなかった。
悪かった。
お前も幸せの道を発見してくれ。
頼む。
それを願ってる。
俺は深い森の中を迷走した。
正直、ウチ、めっちゃショックだった。
斬られたときより。
心の痛みが。
サスケェに言われたこと…。
当てはめると…。
もう、辛くて…。
『俺は…。
お前をただ利用してた…。
お前は俺に助けられて、中忍試験で俺に好意を持ったらしいが…。
俺は…自分に襲い来る熊を討伐しただけだ。
アレは…お前を助けるための行動ではない。
忘れてたがお前があまり言うから思い出した。
お前の勘違いだ。
それを知りつつ、今まで黙っていた』
初めて聞いた。
ウチは…。
ショック…。
『じゃあな…。
ってウチに言ってたじゃんかー』
『一応、切り捨てた熊に対して<じゃあな>と挨拶しただけだ。
そういう理由だ。
俺はお前のことなんてあの頃、全く眼中にない…。
自分のことだけで精一杯だった…』
今、心を斬られた…。
『うち、諦めないし☆』
あれがウチの恋の始まりだったのに…。
だから…。
ウチ、サスケぇのこと好きになったのに…。
嘘だろぉ?
サスケぇ…。
『俺はお前を斬った。
瀕死レベルで斬り捨てた。
その時にも<じゃあな>と俺はサヨナラした。
悟れ。
これ以上言わせないでくれ…。
お前だけは恐らく知ってるはずだ。
俺が誰を好いてるか…』
サスケぇ…。
ヒデェッて。
ウチは熊と同じなん?
サスケぇ…があの女が特別なこと、
ウチ、サスケより前から知ってた。
でも諦められなかった…。
サスケぇ…がウチのこと助けてくれたから…。
ウチ、期待してた…。
簡単に諦めない!
とことんまで…サスケェも苦しんだら良い。
ウチもメッチャ苦しい。
愛と憎しみは紙一重だし!
『知ってるよ。
サスケェの気持ちは…』
ウチはオメェの好きな女と初めて接触したとき、サスケの好きな女に
『今のサスケは昔とは違うから諦め。
すごい冷たいから』
と諭して、邪魔した。
だって悔しかったから。
どうしていつも一緒にいるウチより…あの女なのか?と。
すぐわかってた。
サスケェに切り捨てられたあと、オメェの好きな女に助けられたのも腹立たしかった。
『香燐…』
『ウチじゃ、サスケェのチャクラ、冷たくなる一方だけど。
あの女の前じゃ、サスケェのチャクラ、暖かい。
わかってたよ』
サスケのバカ野郎ーー☆
糞野郎ー!
『香燐』
『斬られたときより。
胸いたい、けどウチ諦めないから☆』
悔しいけど…。
ウチの気が済むまで謝りとおして、サスケェ。
ウチは強いから一回程度の土下座では絶対許さないし。
『諦めてくれ…』
また土下座した。
『じゃサスケェ。
またな』
『お前に会うのは金輪際、最後にしたい』
ウチはサスケェの気持ちぐらい、チャクラ、見えるから知ってたけど…。
言葉にしてくれてありがとう。
言葉にされると…。
めちゃ痛いわ☆。
斬られた方がマシ…↓。
サスケェ↓。
こんなんではウチは許さんから…?↓。
でも…。
ウチ、知ってる。
サスケェがナルトと戦った本当の理由…。
サスケェは……。
ずっと。
大蛇丸様のとこに来てからも…苦しんでたことも。
夜になったら!
サスケの部屋から扉に耳当てたら…。
『サクラ…ダイスキ…。
ナルト…コロす』の
抜く声が耳について
仕方なかった!
ウチ〜…(汗)
サスケは気付いてないだろけど…。
大蛇丸様も…。三月も…。
うちのアジトでは…
ほとんど、みーんな。
知ってるよ…??☆
アレ。
聞く方、滅茶↓ハズい↓☆
ウチ、サスケのこと…。
慰めたかった↓
サクラって言う女の変わりに…↓↓
ウチは…↓→
腕切られても戦った…サスケのことが…。
嫌いになれない…。
分かってる…
サスケがどれほどあの女を激愛してるか。
ウチがあの女に手出ししたら…。
簡単にサスケはウチを殺すことも…っ
ウチは…。知ってる↓
ウチは…。力ではサスケに勝てねぇ↓
だから。
諦めたる☆。
見限ったる☆
サヨナラ↓
ウチがサスケより強なったら…。
その時、ウチが心変わりしてなかったら…。
力付くでもウチは…。
サスケを押し倒す。
大蛇丸様のとこでやってたように…。
ウチは…。負けねぇ☆♪。
ウチも本音は辛い↓。
だからサスケが…。
ウチがそんなこと望まねぇよう…。
ウチを粉々にして心変わりさせて…。
諦めさせて欲しい☆。
それが優しさだし…☆♪。
今日の土下座と
ウチとサスケの出会いのエピソードの真相は衝撃的だったけど…☆↓。
これでは足りねぇ↓。
頼むから、サスケェ…。
☆☆
その日、サスケからウチは…。
何度も『お前を好いてない』と土下座された。
諦めきった訳でもない…。
しかし少しだけ呪縛が解けた気もする。
失恋は辛いものだ。
☆☆
帰宅後、回想する。
すごい辛いけど…。
時が解決するって本当か…?
ウチは…。
精神力はタフだし、身体能力もゴキブリ並みに強いとカブトから念押されて…。
誉められてるのか貶されてるのか謎だけど。
胸の痛みの方が、回復が遅い気がする!
でも…。きっと明日、明後日には
この胸の痛みも回復する!☆↑
ウチ、凄く強いから。
サスケェは…。うちは一族で…
深すぎる愛ゆえに暴走を起こして…闇の道に転落するぐらい…精神力、弱いみたいだけど…?☆
ウチは…。
うずまき一族の生き残りだし☆↑。
あり得ないほど精神力も生命力も強いから☆↑
すぐに、絶対回復してみせる☆♪↑
次の恋、…探したる!!。
それまでサスケェはウチの敵だから…☆。
サヨナラ、サスケェ☆♪
カカシの考察
目次
サスケの贖罪の旅@
片腕はまだ、見つかってない。
昼間、里と里への移動で、
平野から山里へ登る途中、
懐かしい顔ぶれに対面した。
『サッスケェー!』
久しぶりの遭遇…。
大蛇丸配下時代の元同僚、赤い長髪眼鏡の女。
香燐だ。
『おめぇ、里帰ったんだってな♪
うちと付き合ってくれないか?
サスケェ』
相変わらず、瀕死状態まで斬ったのに…。
まだ諦めてくれないらしい…。
香燐はあのナルトと同じうずまき一族の血を引き、ゴキブリ並みの生命力があるらしい。
これはカブトからの話だ。
別に今回の戦争でも全く守ってなかったが…。
生きてたらしいな。
すまなかったとは謝罪したが…。
通じてないらしい。
困ったな…。
俺は言葉にするのが苦手だから。
☆☆
第七班時代。
俺は夜毎、ストレスに頭を抱えてた。
無力さ。
それと毎日正面からくっついて来るサクラ。
誘われる夜のデート。
正直な話。
年頃13歳なので、アカデミー時代までにはない鬱憤に襲われてた。
サクラにくっつかれると戸惑うのだ。
俺は自分で説明するのは何だが…。
アカデミーでは常にトップで…。
常時、女が勝手に俺目掛けて、磁石のように接近してたので…。
引き離すのも面倒だし、ベタベタ引っ付かれても…ほってた。
その中にイノもいたが、無反応だった。
正直、帰る家もなく、慰める家族もおらず、頭を撫でる先生もいず、俺の相談に乗る男友達もいない。
それぐらいでしか、人肌を感じることも出来ず…幼少次代、俺はとても寂しかった。
人に隠れて夜中…何回泣いてたのか分からない…。
俺は抱き締められると弱いのだ。
だから、第七班時代。
今まで刷り寄られようが、屁でもない。
優しい空気のようだったのに…変に意識しだして戸惑った。
俺もそんな年齢なのか…。と悩んだ。
ナルトたちも会話はほとんど下ネタだらけだった。
俺だけ素面を決めて乗ってなかった。
周りがそうなので…自分もそんな歳だと推測だ。
自分のチャクラと比べて、ナルトのチャクラの壮大さは明らかだった。
俺は知ってた。
俺の長所は学年で首席で女にモテること。
それをナルトに奪われたら…俺は想像絶する孤独の闇だ。
俺を抱き締める人も…。
俺のために涙を流す人も…この世から存在しなくなる…。
俺にはナルトのように、必死で自分の居場所を確保するため、里中の全員に声を掛けて…。
甘えたい、構って欲しいと…。
醜く他人にすがり付いて、アピールすることも出来なければ…。
人の心を溶かす能力もない。
ナルトをウスラトンカチと呼びつつ、本心は劣等感だった。
最初は俺の方が優位で、ナルトとは親友だった。
優越感に浸れたが、あいつの能力が上がるにつれ…いつ頃からか、イライラしてた。
あの大蛇丸に噛まれた頃から、特にだ。
訳が分からないくらい、理由も不明で…。
毎日、力の足りなさに涙しそうだった。
サクラまで…ナルトの強さになびきそうな様を感じ、俺は決めた。
ナルトに負けるのは時間の問題だ。
里にいても楽しくない。と…。
里を去ることばかり当時、考えてた。
惨めだった。
サクラに正面から来られるとムラッと来る自分にも腹が立ってた。
誰でも良いから結局、したいのか、自分は?とか。
里では悪評が立つから、ここを出たら好き勝手に…適当に女と遊んで…。
復讐して。
悪の道へ転がり込む道も悪くないかと…怒りつつ悲観してた。
甘える相手もおらず、心が空で…人肌がとても恋しく。
夜は一族惨殺の悪夢にうなされて…。
自分の失態に嘆き。
第七班にてナルトとサクラの距離が近付き、俺は一人茶屋で会話に付いていけず…。
寂しさの中にいて、宙を眺める。
大蛇丸に噛まれてから余計にイライラして。
ここにいても誓約ばかりで…厳しい掟を守らなければ…自分を偽り、優等生ぶらければ、居場所もつくれない。
俺はこの里に…嫌気が差してた。
自分の感情を隠すのに疲れてた。
俺は悪の道の方が相応しいと、アイツらのテンションに付いて行けず、距離を感じてた。
毎日、楽しくなく…。
悔しかった。
俺は里を捨てた。
ヤツらは忘れると決意した。
そして、香燐という女の名簿を大蛇丸のとこで見たときには、少しは期待した。
これで楽な人生が歩めるのかと。
あのムセ返るようなイライラがなくなるのかと。
俺は解放されるのかと。
初対面は普通だった。
だんだん変態だと分かった。
俺はいつもコイツにくっついてもらってた。
だが、どうしてか性欲は沸かなかった。
夜、求められるのはイヤだった。
一度もしてないし、自分でする方が良かった。
コイツとサクラを想像のなかで天秤に掛けたこともある。
俺は過去に縛られ、サクラを選んだ。
違う。
その時、初めて。
俺は別に誰でも良いからヤりたかったのではなかったと…知った。
俺は結局、アカデミーの頃と同じで潔癖だった。
ただの好みのうるさい人間だった。
俺は子供時代、母が好きで…。
母のように髪の長い慎ましい女性を理想としてた。
しかし、現実好きになったヤツは正反対も同然で…。
俺は離れてから…第七班の頃のサクラへの行動の一つ一つが…。
特別なことに…自覚した。
あの頃、ナルトは火影になりサクラを妻に迎える。
そして…俺は闇の道へ疾走し…香燐と子をなし…その子は大蛇丸の器として乗っ取られ、生涯を終える。
そんな未来を予想しては…怯えて…嫌気が差してた。
いつまでも…劣等感から自分の感情を殺して逃げるわけにはいかない。
俺は里へ帰って…。
ナルトと真剣に対立して戦うべきだ。
そのことに気付けたのだ。
それはサクラが…里から俺への刺殺隊として送られてきた…あの日に。
俺はお前には…深く懺悔しなければならない。
☆☆
『香燐、俺のことは諦めてくれ。
すまなかった』
『何言ってんだよ☆
サスケぇ!
コノー』
俺はそのとき、仕方なく土下座をした。
生まれて始めての経験だ。
片手でするのは結構きつい。
『俺は…。
お前をただ利用してた…。
お前は俺に助けられて、中忍試験で俺に好意を持ったらしいが…。
俺は…自分に襲い来る熊を討伐しただけだ。
アレは…お前を助けるための行動ではない。
忘れてたがお前があまり言うから思い出した。
お前の勘違いだ。
それを知りつつ、今まで黙っていた』
『じゃあな…。
ってウチに言ってたじゃんかー』
『一応、切り捨てた熊に対して<じゃあな>と挨拶しただけだ。
そういう理由だ。
俺はお前のことなんてあの頃、全く眼中にない…。
自分のことだけで精一杯だった…』
『うち、諦めないし☆』
『俺はお前を斬った。
瀕死レベルで斬り捨てた。
その時にも<じゃあな>と俺はサヨナラした。
悟れ。
これ以上言わせないでくれ…。
お前だけは恐らく知ってるはずだ。
俺が誰を好いてるか…』
香燐にはチャクラが関知できる。
俺の感情の変化も機敏なはずだ。
俺が誰に好意があるのか察知しつつ、自分に脈がないことを認知しても…俺を…その身で、服の上から抱き締めてくれていた。
俺は根性でお前を性的に抱くことも出来たが…。
それは俺が全く望まなかった。
俺はお前の恋慕を感じつつ、利用した。
お前だけ…。と言ったが…。
あと数人知ってるかもしれないが…。
ここは建前だ。
『すまなかった…』
何回、土下座したか分からない。
これで承知してくれなければ。
俺はお前のためにもう一度瀕死レベルで切り捨てなければならない。
俺は自分の傷を回復するためだけにお前を噛んでいた。
蛇のように。
お前が変な声を出そうが俺にとっては上の空だった。
しかし、サクラに同じことをした日には…。
即日に犯し倒してただろう。
お前だからこそ。
無反応だった。
すまなかった…。
俺は天の邪鬼だから。
サクラには…。
連れ去ることすら出来ない。
俺は卑怯者だ。
☆☆
『一から新しい人生を歩んで欲しい』
奇しくもサクラと離別したときと同じセリフだが…。
俺の気持ちは…。
サクラに対する気持ちと、お前に対する気持ちでは全く違う。
俺は一時、お前を愛そうとしても無理だった。
お前を必死で俺の仲間だと自己暗示して助けた経験もある。
しかし、それが…無理だと実感したのは…。
お前を斬り捨てたのに…。
サクラには傷ひとつ、つけれず…。
サクラに殺そうとされた、あの瞬間。
絶望からサクラに刺殺される道を選んだ時。
死を覚悟した間際に悟った。
俺はサクラに殺されてもいいが…。
お前を殺してもいい…。
それが感情に込み上げてきた…。
俺は卑劣人間だ。
だから、とことん恨んで欲しい。
☆☆
『知ってるよ。
サスケェの気持ちは…』
『香燐…』
『ウチじゃ、サスケェのチャクラ、冷たくなる一方だけど。
あの女の前じゃ、サスケェのチャクラ、暖かい。
わかってたって☆↓』
『香燐』
『斬られたときより。
胸いたい、けどウチ諦めないから☆』
『諦めてくれ…』
土下座した。
『じゃサスケェ。
またな☆♪』
『お前に会うのは金輪際、最後にしたい』
土下座して、ハッキリ告げた。
返事はなく、香燐は消え去った。
☆☆
やはりこれぐらいでは…許してもくれないか…。
俺はお前に相当のことをした。
理解してる。
香燐は並大抵の神経ではないから。
俺のことは諦めて…別々の人生を歩んで貰いたい。
どこまででも俺はお前の気が済むまで…。
土下座と懺悔を繰り返して…。
いっそ無理なら急所外しの瀕死で切り捨てよう。
利害が一致すればお互い組む日もあるかもしれないが。
俺にとってお前はナルトと同じだ。
お前にナルトと同じ血が流れているせいなのかもしれないが…。
どうか。
サクラに手出しはしないで欲しい。
俺とサクラの恋路をお前に阻害されるのは…。
俺は本望ではない。
サクラは俺の宝だ。
俺のことはどこまでも憎んで欲しい。
恨んで欲しい。
あの悪業を許してくれなどと願わない。
☆☆
中忍試験の頃。
既に恐らく俺はサクラに気があったのだろう。
俺はこれからもたくさんの人にこの旅を通して謝る…。
世界平和のためのカグラ情報探しも里同士の友好条約も重要だが、過去の不始末をつけることで…。
俺は未来へ進めるのだ。
俺は今、未来のために生きてる。
一時はお前とサクラ、復讐と里への帰省を天秤してた。
俺の目には過去しか写ってなかった。
俺が選んだのはサクラだった、ずっと。
騙してきて悪かった。
今、やっと俺は将来のために生きてる。
何回でもお前の恋慕を断る。
お前の気が済むまで。
悪用して…すまなかった。
悪かった。
お前も幸せの道を発見してくれ。
頼む。
それを願ってる。
俺は深い森の中を迷走した。
正直、ウチ、めっちゃショックだった。
斬られたときより。
心の痛みが。
サスケェに言われたこと…。
当てはめると…。
もう、辛くて…。
『俺は…。
お前をただ利用してた…。
お前は俺に助けられて、中忍試験で俺に好意を持ったらしいが…。
俺は…自分に襲い来る熊を討伐しただけだ。
アレは…お前を助けるための行動ではない。
忘れてたがお前があまり言うから思い出した。
お前の勘違いだ。
それを知りつつ、今まで黙っていた』
初めて聞いた。
ウチは…。
ショック…。
『じゃあな…。
ってウチに言ってたじゃんかー』
『一応、切り捨てた熊に対して<じゃあな>と挨拶しただけだ。
そういう理由だ。
俺はお前のことなんてあの頃、全く眼中にない…。
自分のことだけで精一杯だった…』
今、心を斬られた…。
『うち、諦めないし☆』
あれがウチの恋の始まりだったのに…。
だから…。
ウチ、サスケぇのこと好きになったのに…。
嘘だろぉ?
サスケぇ…。
『俺はお前を斬った。
瀕死レベルで斬り捨てた。
その時にも<じゃあな>と俺はサヨナラした。
悟れ。
これ以上言わせないでくれ…。
お前だけは恐らく知ってるはずだ。
俺が誰を好いてるか…』
サスケぇ…。
ヒデェッて。
ウチは熊と同じなん?
サスケぇ…があの女が特別なこと、
ウチ、サスケより前から知ってた。
でも諦められなかった…。
サスケぇ…がウチのこと助けてくれたから…。
ウチ、期待してた…。
簡単に諦めない!
とことんまで…サスケェも苦しんだら良い。
ウチもメッチャ苦しい。
愛と憎しみは紙一重だし!
『知ってるよ。
サスケェの気持ちは…』
ウチはオメェの好きな女と初めて接触したとき、サスケの好きな女に
『今のサスケは昔とは違うから諦め。
すごい冷たいから』
と諭して、邪魔した。
だって悔しかったから。
どうしていつも一緒にいるウチより…あの女なのか?と。
すぐわかってた。
サスケェに切り捨てられたあと、オメェの好きな女に助けられたのも腹立たしかった。
『香燐…』
『ウチじゃ、サスケェのチャクラ、冷たくなる一方だけど。
あの女の前じゃ、サスケェのチャクラ、暖かい。
わかってたよ』
サスケのバカ野郎ーー☆
糞野郎ー!
『香燐』
『斬られたときより。
胸いたい、けどウチ諦めないから☆』
悔しいけど…。
ウチの気が済むまで謝りとおして、サスケェ。
ウチは強いから一回程度の土下座では絶対許さないし。
『諦めてくれ…』
また土下座した。
『じゃサスケェ。
またな』
『お前に会うのは金輪際、最後にしたい』
ウチはサスケェの気持ちぐらい、チャクラ、見えるから知ってたけど…。
言葉にしてくれてありがとう。
言葉にされると…。
めちゃ痛いわ☆。
斬られた方がマシ…↓。
サスケェ↓。
こんなんではウチは許さんから…?↓。
でも…。
ウチ、知ってる。
サスケェがナルトと戦った本当の理由…。
サスケェは……。
ずっと。
大蛇丸様のとこに来てからも…苦しんでたことも。
夜になったら!
サスケの部屋から扉に耳当てたら…。
『サクラ…ダイスキ…。
ナルト…コロす』の
抜く声が耳について
仕方なかった!
ウチ〜…(汗)
サスケは気付いてないだろけど…。
大蛇丸様も…。三月も…。
うちのアジトでは…
ほとんど、みーんな。
知ってるよ…??☆
アレ。
聞く方、滅茶↓ハズい↓☆
ウチ、サスケのこと…。
慰めたかった↓
サクラって言う女の変わりに…↓↓
ウチは…↓→
腕切られても戦った…サスケのことが…。
嫌いになれない…。
分かってる…
サスケがどれほどあの女を激愛してるか。
ウチがあの女に手出ししたら…。
簡単にサスケはウチを殺すことも…っ
ウチは…。知ってる↓
ウチは…。力ではサスケに勝てねぇ↓
だから。
諦めたる☆。
見限ったる☆
サヨナラ↓
ウチがサスケより強なったら…。
その時、ウチが心変わりしてなかったら…。
力付くでもウチは…。
サスケを押し倒す。
大蛇丸様のとこでやってたように…。
ウチは…。負けねぇ☆♪。
ウチも本音は辛い↓。
だからサスケが…。
ウチがそんなこと望まねぇよう…。
ウチを粉々にして心変わりさせて…。
諦めさせて欲しい☆。
それが優しさだし…☆♪。
今日の土下座と
ウチとサスケの出会いのエピソードの真相は衝撃的だったけど…☆↓。
これでは足りねぇ↓。
頼むから、サスケェ…。
☆☆
その日、サスケからウチは…。
何度も『お前を好いてない』と土下座された。
諦めきった訳でもない…。
しかし少しだけ呪縛が解けた気もする。
失恋は辛いものだ。
☆☆
帰宅後、回想する。
すごい辛いけど…。
時が解決するって本当か…?
ウチは…。
精神力はタフだし、身体能力もゴキブリ並みに強いとカブトから念押されて…。
誉められてるのか貶されてるのか謎だけど。
胸の痛みの方が、回復が遅い気がする!
でも…。きっと明日、明後日には
この胸の痛みも回復する!☆↑
ウチ、凄く強いから。
サスケェは…。うちは一族で…
深すぎる愛ゆえに暴走を起こして…闇の道に転落するぐらい…精神力、弱いみたいだけど…?☆
ウチは…。
うずまき一族の生き残りだし☆↑。
あり得ないほど精神力も生命力も強いから☆↑
すぐに、絶対回復してみせる☆♪↑
次の恋、…探したる!!。
それまでサスケェはウチの敵だから…☆。
サヨナラ、サスケェ☆♪
カカシの考察
目次
サスケの贖罪の旅@