アナタノコトガスキデス

萌え妄想のまま走るいろいろ創作小説の予定。苦情無断転載禁止。

サスケ の贖罪の旅 



戦争から数年経過し。
俺も19歳。
俺はまだ里帰りを果たしてない。

しかし、里の情報なら常に張ってる。
里の外から…情報を漁る術は相当技術もいるが…。
サクラとイノはよく、里抜けの道でダベッテ会話してる。
会話の断片から・・サクラの男情報も分かるが…。
今のところ、安心らしい。
たまに寄れたときは…覚えたこの技をつかってみる。
かなり、体力がいる。
自分で偵察に行った方がマシなレベルではある。

里へ帰ると自分の弱さが染み出て、甘え出すからだ。
特にナルトは殺しそうだ。
俺より権力がある…力は引き分けだが…。

それから、心の内に飼っている凶暴な大蛇が…暴走する。
蛇とは灼熱の欲情。
それは、サクラを合図に…狂い出る。
俺はわざと独りを選ぶ。

二年前、カカシから貰った報告書に
『サクラはお前のことを10年でも20年でも待つと言っている。
あの子のためにどうか女遊びは慎んでくれ。
それか、駄目なら返事が欲しい。
あの子をハッキリ振るのも優しさだ。
好きなら好きで返事してあげてくれ。
俺は見てられない』
と執筆されていた。

俺は何も書けなかった。
そこは空白にして、報告書だけポストへ入れた。

【待ってくれ】と書けば、サクラに悪い。
何年になるか分からない旅だ。
【待つな】と書くのは本意ではない…
そういう理由だ。

サクラは待つらしい。
それが俺に対して神聖な愛と美徳な情けではないことを祈っている。
カカシには
『サクラは昔のようにお前のことを力付くで手に入れようとしていない。
救いたいのだ、助けたいのだ』
と諭されたこともある。

でも…この報告書を読む限り…。
待つ…の解釈は…。
やはり下心か?

カカシは『女遊びするな』『返事が欲しい』と書いてる…。
『ハッキリ振るのも優しさだ』。
この文面は…全部、親愛では意味が通らん…。
あの兄さん独自の愛情表現は…効力を発揮したようだ…。


俺は…。
ナルトに別の女が出来ることを日夜祈祷してる。
丑の刻参りだ…。
戦死したネジの分までだ…。

世界平和目的のカグラの痕跡探し…本当の目的は更なる力を求めて…打倒ナルト。
里同士の和平…本当の目的は里の友好を深め、里の男連中をサクラから遠ざけ、里外の女に目を向けさせるため。
俺は…贖罪の旅。
片腕探しを開始して…二年前旅に出た。

今まで抜け忍は、死罪とされていた。
カカシはその里同士の枠組みをなくし、離里同士の自由恋愛ができる社会。
強いては和平強化。
即ち経済発展を促し。
戦争防止を目指したいらしい。

それは俺も賛成だ。
抜け忍だけで死罪は残酷だ。
あと色々復興事業も視野に入れたいらしい。

この二年、俺は大変だった。
昼夜問わず仕事に明け暮れ。
就寝前だけ…ナルトとサクラの離別祈祷…念を送り。
サクラの回想時間に割り当ててた。
心の中でサクラと俺はフィアンセも同然だ…夜はいつも仲良しだ…。

カカシに頼まれる筋合いもない。
俺の兄さんは 4〜5歳で戦争を経験。
7歳で忍者学校主席卒業。
8歳で写輪眼が使えるようになり…。
10歳で中忍、13歳で暗部隊長。
21歳で亡くなった。

俺は兄さんのように責めて21歳まで仕事を専念するつもりでいた…。
兄さんは俺の理想だから。

本当は…兄さんが女遊びに没頭していたのか…。
俺に甥がいるのか、姪がいるのか…。
兄さんに隠し子がいるのかは知らない。
いたとしたら俺は激愛するだろう。
しかし、ただ一度だけ転生術で出会った兄さんは、どうも…。
『一族でお前だけ生き残らせてすまん』
と懺悔してたから…。
たぶん、俺はうちは一族の…最後の人間なのだろう。

本音は…今すぐにでも里へ帰りたい。
でも、自分が弱くなるから堪え忍んでいた…ナルトを殺し、サクラを犯しそうだからだ。
ナルトには権力がある…サクラがナルトに転びかねん。
力では俺とナルトは引き分けでも…サクラも子供ではねえ、将来性に魅力があるらしい…最近では。
権力では俺はナルトに激負けだからだ…。

俺のこの瞳は…。
何かを求める力が強くなるほど能力を増す。
自分でも相当の欲求不満に陥ってる自覚はある。
そのせいで…。
印を結べなくても…。
腕を片方、失っていても…。
瞳の力だけで討伐出来る。

つい最近、森でカカシと二年ぶりに遭遇した時。
空から隕石が里へ降りそうになった。
俺は瞳の力だけでそれを、破壊した。
これでまた…俺の罪は消えた…。
分かっている。
前以上に俺は何かを求めてる。
その正体も知ってる。

そうとう溜まってる。
本音はサクラとしたい…。
13歳からずっと。
何の苦行なのだろうか。
贖罪の旅のはずなのに俺は折れそうになる。
俺は弱い。
兄さんほど強くもない。
だから、会ってない。


カカシの前では
『ナルトがいなければ里を守るのは俺だ』
と建前を述べたが…。

本音は…。
ナルトに負けてこの道を歩んでることに心が折れそうになる…俺は今、修行僧だ。
贖罪の旅は長い。
初心は兄さんを目指し、自己犠牲の精神でいる気だった…。
が、俺はサクラへの色欲に溺れてる。
ナルトはもう殺したくてたまらん…早く、ヒナタとくっつくべきだ。
あれから2年も経つのに…まだなのか?
何をやってるんだ、ヒナタも?
色仕掛けしやがれ…。

☆☆

そんな折、カカシを助けた功績で、やっと里へ帰還が許された。

それは木の葉の里へ早朝、着いて。
カカシへ報告書渡しを済ませたあと。

ブラブラ木の葉の里を探索していたら…。
ちょうど昼飯時。

長蛇の列が走る御手洗団子を売る屋台に…。
サクラとその両親が先頭にいるのを目撃した。
両親だとわかった理由は、サクラが二人を『お母さん』『お父さん』と呼んでいたからだ。

俺はその時、暗部のマスクを装備してた。
数年ぶりに、サクラの顔が見れて…胸が高鳴った。
そこへ、サクラの方に…ナルトが歩み出た。
そして…サクラは自分の両親を屋台の行列に放置したまま…隣の茶屋に…ナルトと二人で入店した。

俺は慌ててマスクを着けたまま、茶屋に尾行した。
報告書眺めて仕事をしてるフリをする。
アイツらの仲がどうなのか…。
気が気じゃなかった。
隣のテーブルで側耳を立てた。

サクラたちの声がする。
『これ、健康診断の結果』
『サクラちゃん、ありがとう。
いやー。
病院に忘れちゃってさぁ。
サンキュー』
サクラが医療忍者だからその関係の書類渡しらしい。安堵した。

『サスケくん…。
いつになったら…。
帰ってくるのかなぁ…』
俺の話題が始まった。

『さあな…』
『カカシ先生が、私の代わりに…二年前。
サスケくんに…報告書で…。
私への気持ち聞いてくれた時…』
『……』
『何年も待つ私が可哀想だから、私を好きか嫌いか…返事しなさいって送ったら…。
返送された報告書は…そこだけ空欄だったらしいの…。
カカシ先生から後で詳しく聞いたら…』
『ま、サクラちゃんからそういうことは、直接サスケから聞けよ。
だから、それまでドドンといてやれよ。
そんなサクラちゃん、格好良いからさ…

『私ね、デコピンで浮かれてたけど…私のことサスケくん、どうでも良いのかな…?
だから…。
しょげて…』
『元気出せよ…。
サクラちゃん』
『…。
サスケくんって…。
もしかして女の子に興味ないのかなぁ…。
だから、私、待っても無駄なのかなぁ…』
(お前らは何も分かっちゃいねぇ…)
俺は飲んでる茶をむせそうになる。

『サクラちゃーん、大丈夫。
あいつ絶対むっつりスケベだから』
『私、脈あるかな…?』
『サスケからの返事、待ってやれよ。
サクラちゃん…』
『ナルトはヒナタと付き合ったのに…。
私だけ一人で…。
はあ…寂しくて…』

どうもナルトに彼女が出来たらしい。
祈り続けて…2年…やっとか?
もう嬉しくてたまらねえな。
このままナルトは…サクラと永遠に恋仲にならず別れるべきだ。
黒笑した。
俺は非情に上機嫌だ。

『じゃ、俺、これからヒナタとデートしてくるわ』
『いってらっしゃーい』

二人は去っていく。
俺は、サクラを見詰めていた。

とても綺麗だ。
更に色っぽくなった。
本当は声掛したいが…俺は耐えた。

自分のなかに凶暴な蛇を飼ってる。
サクラを見ればその蛇が暴れだす。
俺はサクラに噛みつきたくなる。
その体が欲しくなる。
全て蛇のせいだ。

だから、まだ少し堪え忍ぶべきだ。
俺の兄は21まで耐えた。

だが、しかし…。
今日、サクラの姿を見て…。
俺は急激に自分の信念が揺るぎ始めたことを悟り始める。

早くここを去らなければなるまい。
しかし、今日は嬉しすぎる日だ。
ナルトにやっと別の女が出来た、これで虫が減った…一匹だ…。

決めた…。
ナルトが結婚したら、その日に俺はサクラに求婚する。
サクラは今の会話で寂しそうだし、同僚が結婚したと聞けば…。
すぐに俺へ落ちそうだ。

その時、贖罪の旅の途中であろうと…。
俺はこの思いを告げる。
ここは暑い。
決心して俺はテーブルから立ち上がる。

長居をすると怪しまれる。
それに…。
俺はアイツを見ると…余計に欲求不満が増すからだ。

ああ。
いつまで…この生活が続くのか?

なぜ俺だけが13歳以後は里を出て…。
16歳で二回、17歳で一回だけサクラと出会って…。
そしてまた…。
年単位の旅に出発なのか。

16歳の一回目は高台の上から遠目に見ただけ。
サクラの隣にいるナルトだけ飛び術で殺そうした…。
ナルトがサクラの隣にいるのがとても気に喰わなかったからだ。

どうして俺の隣は大蛇丸で…。
ヤツの隣はサクラなのか…。
殺してやりたいほど嫉妬した。

その時、攻撃するより前に…隣にいる大蛇丸から
『別に殺さなくてもいいのよ…心を痛めることもないわ…誰でも傷付けたくない人がいるものよ…』
と止められた時だ。

結局、俺は大蛇丸の意見に賛同した訳でもないが…。
サクラに被害が加わっても駄目なので、攻撃せず、高みの見物に徹した。

あの頃の大蛇丸は綱手を過失で負傷させて…後悔してたらしい。
俺はサクラを傷付けるつもりはなかった。
三年ぶりに出会った友に殺意を抱いただけだ。
しかし、そこは返事しなかった。
三年間で俺の中の気持ちが変わったから…。
仲の良い二人を見ると無性に腹が立った。

それは今も。
やっとナルトにも別の女が出来たようだが。
俺は二人で茶屋に入ってることに対して良い気がしない。
だから、この里には帰ってない。
和解を果たしたはずの友に対して、凶暴になりそうだから。

しかし、ここでナルトと本気の戦闘すれば…俺にサクラと里で暮らす未来は断たれる。
俺は早く刑期を終わらせて…サクラとイチャイチャしたい。
辛抱してる…。

二回目はサクラに殺すふりして絡んだ時。ただ、欲望のままに触りたかった。

17歳の一回は戦時中。
ほとんど照れて話せなかった。

これは何の試練なんだろう。
色欲の抑制訓練なのか?
悟りを開くためなのか。
はたや菩薩になるためなのか…。
煩悩を捨てるためか。

でももし今、子供が出来たら…。
サクラの両親は俺のことをどう思うだろう?
只でさえまだ刑期が終わってないというのに。
あぁあ…。
心の中で絶叫悶絶。

俺は13歳からサクラを手に入れたくて…。
こんなにサクラを慕うのに…。
どうして、サクラの側にいつもいるのは…ナルト。
お前なのだろう…?
俺には分からない。
理解出来ない。
この世の不条理が。
俺はとても切ない。

ナルトには彼女が出来たのに。
俺だけまだ里で認められてない。
俺は一刻も早くサクラと深く交際したい。

自分の犯した罪は理解してる。
復讐、惨殺、暁への加担、里の反逆者。
抜け忍。
死罪を免れただけでも喜ぶべき悪行だ。
かなりの任務をこなしてるから…。
刑期も減ってるはずだ。
遊んではいけないことくらい分かってる。

しかし…。
だが…。
俺は…。
ああ…。

あれから…たった数年なのにもうキツイ。
サクラのことを思えばこそ。
任務より辛い。
限界に近い。

サクラ、すまん。
あとしばらくだ。
俺のことを見捨てないで欲しい…。
俺は煩悩を抑えて茶屋を出た。

茶屋には…サクラ以外にも、人間がたくさんいる。
それから…茶屋の隣ではみたらし団子屋屋台で…サクラの両親が行列に並んでる。
いろいろキツイ状況だ…。
特にサクラの両親の前でだけは…点数を稼がねばならねえ。
サクラの両親とはこれから一生、付き合っていく可能性が高いからだ…。
今日は…ここで事件を犯す訳にもいかねえ。

今日は品行方正を貫くつもりだ…。

どうしてナルトには彼女がいて、俺だけまだ里で認められてないのか。

サクラは何年でも待つと…カカシからの報告書に入ってた…。
絶対、俺のモノだ、もう決定だ。

しかし…。
『ナルトはヒナタと付き合ったのに…。
私だけ一人で…。
はあ…寂しくて…』

また隙を男に見せてる、心配ではある…。
他の男に、寂しさから縋り付かないかとは…。


※そして映画thelastナルトの結婚式へ続く…。※







香燐の幸せのためにサスケが原作より真剣に断る話(贖罪の旅)


目次

サスケの贖罪の旅A





















 

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