アナタノコトガスキデス

萌え妄想のまま走るいろいろ創作小説の予定。苦情無断転載禁止。

カカシの 考察。 



サスケが贖罪の旅へ出掛けて随分になる。

俺は火影としての職務に日々追われ目まぐるしく忙しい。
サクラにはよくサスケのことを尋ねられるが…。
一度報告書を送ったきり…。
俺はサスケの所在地すら掴めない。

サスケも毎日任務をこなし、向こうからの報告書は来るが…。
ヤツの居場所は神出鬼没で転々としてる。
サクラが俺にこう宣言した。

『私、サスケくんのこと…。
10年でも20年でも待つ気でいます。
だから…。
カカシ先生…。
サスケくんの減刑に協力してあげて下さい』
『サクラ…』
俺はサクラの深い愛に打たれて声が震えた。
『サクラ…。
お前はサスケに殺されそうになったこともある。
サスケは…。
昔のおれに似てる。
アイツなりの事情があって、復讐に目覚め一時、闇へと落ちたのだろうが…。
お前は…。
どうしてそこまでサスケのことを待ってあげられるんだ。
俺は…。
お前のひた向きな思いを聞くと辛い』
と漏らした。

サクラがサスケのことを一生待ちそうな気配だ。
俺としてもサスケの減刑に相当協力している。

『サクラちゃん、格好良いからなぁ。
頑張れよ』

アッケラカンと、ナルトが笑う。
ナルト。
お前には分かっていない…。
待たされる方がどれほど辛いか。

『そうか…。
余計なお世話かもしれないが…。
サスケには一度目に報告書を送ったとき…。
サクラのことも聞いてやった。
あいつの居場所は…今不明だが、返事なかったな…。
ナルトは…。
サスケのことをどう思う?』
『アイツから聞かなきゃってば』
『サクラは…どうして待ってあげられるんだ?
そうか…。
好きになるのに…理屈はないからな。
嫌いになるときだけ理由があっていい…』

俺は…。
教え子のために何かしてやりたい。
サクラもモテないわけではないのに未亡人のように…。
脈があるかどうかも分からない人を待つ様を見て、忠犬ハチ公が今はもう他界した主人を待って…死んでいくようで…。
辛いのだ。

『カカシ先生…。
いえ、火影様。
私、サスケくんと別れるとき、サスケくんは私に〈また今度な〉ってデコピンしてくれたんです』
『アイツがか…』

それは確かに珍しい。
他のやつがサクラにするなら…友愛に聞こえるが、俺の知ってるサスケがそんなことするのは…想像つかない。

『私、少しでも希望があるなら信じたいんです。
だから…。
次こそ会ったら、サスケくんに私への気持ち聞いてみます』

サクラの顔が輝かしい。
俺の教え子も成長したらしい。

俺は昔のことを思い出した。
友の真意に気がつけず、バカやってた時代の。
俺が口出しを出来る身分ではないのは分かってる。
だが、俺はサスケにもサクラにも幸せを祈る。

『なるべく、サスケの減刑には力を入れる。
サクラが言うように10年も待たせない。
すぐにしてやる。
それが俺の火影としての指命だ』
『カカシ先生…』
サクラが泣いてる。

『サクラちゃん、俺、応援してってばよ』

確かにあの戦争で…。
サスケが…俺が教えた仲間を守るための技、千鳥でサクラ刺殺を謀ったことを。

〈この子はもう力付くでもお前を手にいれようとしてない。
殺されそうになってもなお…。
お前のために泣くのは…。
お前を愛してる。
救いたいからだ〉
〈嫌いになる時だけ理由があって良い〉
と俺は説得した。

すると…。
やつから
〈恋愛ごっこしろと?〉
という言葉が出た。

俺の言葉は一言も恋愛とは言ってない。
親愛だ。

訳せば
ーーお前を親のように愛してる相手を傷付けるな!
恋は無理でも親愛してやれ!
嫌いになるな!ーー
と責めた。

それをヤツがそう返答したのは…。
どういうことだ?
話が噛み合わない。

俺がサクラとサスケの恋を強制してるように…サスケには聞こえたのだろうか?

あの時、俺の潜在意識でサクラの恋愛を後押ししてたのだろうか…。
そして、それをサスケが暗に察知して、嫌悪を示したのだろうか…。

俺には恋愛が分からない。
帰ったら小説でも読もうか…。





I【後日談】ナルトの視点。
数日後のナルトの視点。

目次

香燐の幸せのためにサスケが原作より真剣に断る話(贖罪の旅)

















  inserted by FC2 system