アナタノコトガスキデス

萌え妄想のまま走るいろいろ創作小説の予定。苦情無断転載禁止。

バイオレンス☆後日談【ナルトの視点】 



サスケが病院から出ていったらしい。
また、俺に挨拶もせずに。
サクラちゃんが俺の前でデレデレしてる。

『サスケくん、行ってしまったのよ』
『また、サスケの野郎。
性懲りもせず、俺に告げず…』
『えへへへへ』

サクラちゃんが気持ち悪いくらい笑ってる。

『えと…。
サクラちゃん?』
『えへへへ。
私…。
サスケくんにデコピンされちゃった。
ナルトはされたことある?』
『ないけどー…。
それ本当かってばよぉ?』
『えへ?
もしかして…。
サスケくんって私のこと、好きなのかな?
ナルト、どう思う?
それともサスケくんがプレイボーイになっただけなのかなぁ?』
『サスケに聞けよ。
何だってばよ。
サクラちゃん、昨日まで暗かった癖にさぁ…。
本当、いつもサスケのことばっかり…。
俺の心配は?』
『あんたも傷口治ったでしょ。
サスケくん、いつ頃帰ってくるのかな…。
ね、ね、私のこと、サスケくんはどう思ってると…思う?
えへへへへ』

サクラちゃんのテンションが高い。
俺ってばサスケに殺されかけたのに。

『知らねぇよぉ…。
年は越えるだろうよ…』
『そうよね…。
カカシ先生が火影になったから、計らいで刑を縮めて…。
極秘任務型の刑期に変えてくれたけど…。
はあ…。
いつ帰ってくるのだろ…。
デコピンされて、すっごく喜んでたけど…。
勘違いなのかな…?
私、待ってても良いのかな…。
サスケくんのこと』

『いっつもサックラちゃんってば、サスケのことばっかりだけど…。
そーいうのはサスケが帰ってから聞けよ。
だから、サスケのこと、10年でも20年でもドッと来いな気持ちで待ってやれよな。
そんなサクラちゃん、滅茶苦茶格好良いってばよ』

『ナルト…』
『サクラちゃん、頑張れってばよ。
応援してってばよ』
『ありがとう。
ナルト…』


☆☆

サクラちゃん、知らねえだろうけどよ、
サクラちゃんが気絶してからあいつの口から『恋愛』なんて言葉が出たときにゃ、俺、死ぬほどビックリしたってばよぉ。

俺はな。
あいつの兄さんにもサスケを止めれるのは俺しかねぇって頼まれて、真剣に戦ってみれば…。
あいつの気持ちが分かると思って…。
今回は本気で迷いなく闘ったんだってばよぉ。

で、分かったんだ。
あいつの悲しみは俺以上だ。
あいつは今でも孤独だ。

俺にはイルカ先生がいた。
あいつはな。
俺より不器用な性格で甘えることが出来ないやつなんだ。
だから…。
あいつには誰もいないんだ。
頼れるやつが。

アイツ、言ってた。
『俺にはお前にないものがあって、それが悔しかったって』
アイツはしけた野郎で女にはモテて、先生には目を掛けられず…。
男どもには嫌われ、家族もなく。
俺と違ってすがることが出来ず。
俺よりも大きな孤独を背負ってたんだ。

俺はな。
あの頃、あいつの弱点を知りたくて…。
毎日だって探してた。
ライバルに認知されたくて。
で、サクラちゃん争奪戦と来た。

今のサクラちゃんの言葉も繋ぎあわして、改めて分かった。

俺は…。
アイツから取ってはいけないものを取ろうとしてたんだ。

俺も最近、日向に、告白されてやっと恋愛とか分かるようになった。
日向のことはまだ友達だけどよ。

深く思われるってことは悪いことじゃない。

きっとアイツにとってサクラちゃんは特別だったんだ。

それを俺が茶化してアイツからわざと奪おうとした。
サクラちゃんのこと、好きだけど、あいつと命をかけて戦う気もないのに。
軽い気持ちで。

俺がバカだったんだ。
アイツを更なる孤独に陥れたんだ。

だから、サクラちゃん、あいつのこと、愛してやってほしい。

俺は…。
親友のことが全く分かってなかった。

自分の方がずっと孤独だと思ってた。

俺が悪いんだ。

待ってやってほしい。

サクラちゃんにはこのことは言わねえ。
アイツから直接言うべきだ。
あいつはな。
物凄く不器用なんだ。

きっと俺がイルカ先生にしてたように…。
サクラちゃんに甘えたいだけなんだ。

サクラちゃん…。
ごめん。


☆☆


Hサスケの翌日回想Fの数日後。
原作699話の翌日サスケの回想。

目次


カカシの考察




















inserted by FC2 system