アナタノコトガスキデス

萌え妄想のまま走るいろいろ創作小説の予定。苦情無断転載禁止。

ああ巫女 様B



☆☆☆


教室へクラスメイト全員が帰って来る前に…ミルルの制服を取りに教室へ戻る。
私は教室でジャージから制服へ着替えることにした。
窓の外でクラスメイトが走ってる、体育サボれて嬉しくてたまらない…。
運動は苦手だ。
ミルルの水色セーラー服だけ持って…保健室へ向かう。
ミルルには保健室で着替えてもらう。

ミルルの体型がしっかり生で見れるかもしれない。
私の目の前で着替えてくれるかもしれない…。
ちょっと物凄く期待してる。
みんなのアイドル…CM流出美少女の生着変えが私の前で上映されるなんて。
感激過ぎる。

☆☆☆

昼休みになった・…。

まだ怒ってるミルルを連れて、教室へ戻った。
着変えの瞬間は見せて貰えなかった…嫌われてるみたい、ショボン…。
保健室で、ベッドの周りのカーテン閉められて…。
≪ミルル着替えるから出て行って、邪魔!≫って眼鏡を光らせ、拒まれた・…。
シュン…。

ミルルはいつもお弁当を最近…ゴミ箱に捨ててる…。
中身事…。
親にばれたくないみたい…。
ちょっと教室で知ってる人はうわさしてる…。

まだキセキにはバレテない…。

ミルルの家はお母さんしかいない…。
お父さんは精子バンクから選ばれた人で…ミルルはずっと、お母さんも家に仕事へ出かけていずに…。
辛い思いしたんだとは思う。
ミルルのお母さんって躾がきついみたいで…。
ミルルは異性を呼ぶとき絶対”さん”付けじゃないとダメみたい…。

きっとお弁当、捨ててるなんてバレタラ…怒られるじゃすまない気がする・・。
お弁当はミルルじゃなく…ミルルのお母さんが作ってるらしいから…。

美味しそうなのにもったいないと思って…私は代わりによく食べる…。
太ってしまった…。
どうしようか…。
今日も捨てるの勿体無いから…私が食べるの?
また太りそう…夕飯も私は時間がこれば痙攣する、抜くことなんて出来ないのに…。
確かに、ミルルのお母さんが作る弁当は美味しい。
得した気分。
でも、これで本当にいいの?
ずっとこの2か月そうだった。
美味しいだけではダメな気がする…。

≪どうせ、あんた。
今日も私の弁当食べるでしょ?
食べないなら捨てるわよ≫

「ミルル、倒れたんだから・・食べた方が…」

≪食べないなら、捨てるわよ?
今…≫

「ダメよ、ちょっと待って」

慌てて、キセキの方へ走ろうとした。
キセキを頼るのがこの場合、正解な気がして…。

でもそこで意表を突かれた…。
視線があった、今日の浅黒い肌に黒髪緑眼な留学生と…。

「あの…そこ、通してくれる?」

【学食行くカラ】

「そう、今の会話…聞いてた?」

あまり他人に聞かれたくない話だった。

【本当にターシャ国は平和ボケしてる。
そこの女、骨と皮だ。
オレの国もそうだ、全員死んだ。
そこの弁当、やれば何人…生きれたか…。
そこの女、弁当は舐めてでも残すな。
食えなくなった瞬間、オマエは死を持って後悔するだろう…】

印度君は相当怒ってるみたい…ミルルを叱り付け緑の瞳で睨んでる。
ゼロって名前だったっけ…。

「これからはゼロって呼んでいいかな?
なんか印度くんって変な名前だね。
芸名みたいで」

【…】

それだけ告げて去って行った。

私はキセキのところへ走ろうかとした。
その前にミルルがストップした。

≪あんた、まさか。
私の好きなキセキさんに告げ口する気?≫

「え…。
だってミルルはそれ以外では…。
私の言うことなんて聞かないでしょ?」

≪うるさいわね。
弁当ぐらい食べるわよ≫

ミルルは弁当に箸を付けた。
眼鏡の奥から泣いてる…ミルルが…。


「ミルル、良かった。
気が付いてくれて」

≪何よ、ムカつくわ。
ミルルのことを死にかけのボロボロ戦災孤児とでも言いたかったわけ?
ムカつきまくるわ。
あの留学生≫

「ミルル、怒らないで。
でも…まあ、本気で…ゼロくんのいた国はそうなんだと思う。
亡命してきたらしいから…邪神教のメッカから・・・」

≪…。
ミルルはね、この国も邪神国も嫌いだわ。
いつか平和国へ行って、スターになるのが夢なのよ≫

「ミルル、応援してる」

≪ふんっ、だから体力いるわね。
ムカつくから、前ぐらいになってやるわよ。
腹立つ≫

「うん、ミルル…応援してる」

≪アッチ行ってなさいよ。
邪魔よ≫

ミルルは急に元気が出たみたい…。
ミルル、結構…実はゼロくんのこと、気に入ったんじゃないかな?

ミルルってキセキ以外の人の言うこと、聞かないから…。

Uミルル、ごはんたべたんかいな?
ウチもホンマは心配はしてたで。
まあ、ミルルはウチの潰すべきライバルやけどな…U

||それにしても…ミルルはキセキ君にもだけど…。
ゼロ君にも嫌われたみたいね…||

勝手に留学初日で下の名前を呼んでる…。
やっぱりゼロくんって人気者…。
さっきから…体育の時間でさえ…女子たちがゼロくんの噂してる…。

[運動神経まで良いなんて…ゼロくん]

[今まで似たような顔で飽きてたけど…。
別の種類も良いわね?
ゼロくんって良いわ]

[邪神教のメッカも美男美女が多いのに…もったいないわね?
ゼロくん狙おうかしら?
キセキくんにしようか悩むわ…]

[それにしてもどこでゼロくん日本語を覚えたのかしら?
うーん、キセキくんも捨てがたい]

もちろん誰もいつも通り、タリアのことは言ってない…。
タリア…今日は一日・・・私の方ばかり見てる…。
昨日、あんなことになったからって勘違いしてもらったら困る。

みんな勝手にゼロくんの下の名前を呼び捨てにしてる…。
どれだけウチのクラスの女子って…男好きなんだろ?

私もみんながそう呼ぶから逆に印度くんって呼びにくくなってしまった…今日、一日で…。
それにしても…時々、ゼロくんと目が合う。
まるで、私に興味があるような目線…気のせいかな??


☆☆☆

そのあと…。

昼休みだから…アイツが座る席へ…ミルル、ナデシコ、カンサイを連れたまま…キセキが行ったみたい…。
キセキとタリア…友達同士で弁当を食べるみたい。
ミルルまで自分の席から離れて、長い腰まで伸びた茶髪を揺らしながら接近し…キセキと一緒に仲良く、食べてる…。

これはいつものこと。

今頃、ゼロくんは学食デビューなんだと思う…。
この学校、割りとお好み焼きやカレーうどん、蕎麦など…日本定番食でメニューがそろってるから口に合うかは分からないけど…。

私は勉強に集中するし、別に…向こう側で交わしてる会話とか、気にならない。
どうでも良い。
アッチへ近づく気になれない。

席に着いた。
アイツが座る前には・…キセキ、ミルル、ナデシコ、カンサイがいるのに…。
猛烈に下心を含んだ視線を感じる。
怖い。

でも、少しだけ会話が聞こえてきた。

「ほら、今、君の前にタリアが好きなミルルがいるぞ。
今日こそ君はミルルへ声を掛けろ」

Uもしかして月神くんってミルルに対して臆病なん?
月神くんって…考えてから行動して、人の目を気にしすぎちゃう?
かっこわるいわ…。
ああ、それにしてもキセキくんもやけど・・ゼロくんも捨てがたい…。
学食行くか今日は悩んだわ‥はあU

≪ミルル…いい加減な人って嫌い。
月神さんもミルル好きなら思いやりのある態度で接しなさいよ?
カンサイ…あんた、キセキさんの前でどうどうと浮気宣言?≫

||あたし、会話能力のない人って好きなれないわ。
どうして、月神君ってミルルに話せないわけ?
うーん…確かに学食に付いていこうか悩んだわ…。
カンサイ、同感だわ、キセキ君も良いけど…ああいうタイプも良いわよね?||

ミルルを含む女子三人トリオも同感なのか…呆れてる…。
と言うか…。
こんなこと初めて…。
中学からキセキ崇拝がうるさかった黒髪ロングで純和風顔なナデシコや…。
転校初日からキセキ熱狂徒のツインテール系ロリタイプの女子カンサイまで…。
浅黒い肌に黒髪緑眼、エキゾチック系男子ゼロくんにしようか…。
茶髪茶目、白人系キセキにしようか…悩み始めてるみたい…。

このクラス、残念な話に…ターシャ人系黄色人種のイケメンは存在しない。
女子の容姿レベルは高いのに…男子の容姿レベルはどうでも良いレベル、ドングリの背比べも良いトコ。
クラス中の女子達がお蔭で嘆きまくってるけど…。
私的にはこれ以上、ライバルは増やしたくない…レズって大変。

『…』

アイツ、タリア…。
本命なミルルいる癖に…今日も話せないみたい。
それから…下心に負けてるのか…コッチばかり見る…。

あれ、何?
今日もさせてくれって意味?
私、相当…嫌がってる…。
巫女様、絶対アイツ…勘違いしてる…。
私は巫女様だけなのに…絶対、なんか…下心に負けてストーカーしそう。

嫌すぎるから下敷きの麗しな我が君を見ることにした、巫女様がいる。
目に包容も必要。
全ては巫女様のために耐えてるんだと…これで洗脳してる。
巫女様…本当に美しい、早くミサで愛し合いたいのに。
どうして…こんな試練を神様は…私に…。

もう早く18歳になって欲しいかもしれない。
この役、早く…終わって。
アイツとは縁が切りたい。

というか…女子大行きたいのに、巫女様は共学にしろと…。
そればかり。
巫女様は性転換をなさるみたいで…男に慣れて欲しいらしい。
ションボリしてる。

絶対、アイツと同じ学校に行くのはイヤ、というか。
たぶん無理だろう、成績の関係で。
私はシスターの道は行きたいけど…。
きっと、ヤツともミルルともキセキとも違うところに行きそう。
今のままだと地方の短大や大学も危ない。
下宿になるかもしれない。
親には迷惑も掛かる。

下宿は困る…ターシャ泉に通えない。

そんな状況だ。

どうしても近所へ受かりたいから…机で暗記する。
はあ…。
巫女様のため。
私は今、頑張ってる…でも寝てしまいそう…難しすぎて集中力がもたない…。
☆☆☆

女子トイレで溜息がやっとつけた。
私は教室で居場所がない。
全ては巫女様のため、命を捨てる覚悟。
教室へ巫女様パンフレットで自作した下敷き、置いてきた。
あれ見る瞬間、癒されるのに・・。
巫女様と…私のツーショット写真、欲しいかもしれない。
今日はミサで写真撮らせてもらおう…。

ちょっと、トイレで自慰したくなる。
巫女様を思って。
今、ストレスがあるかもしれない。
胸を揉んだら少し、精神的に落ち着いた。
巫女様だけが良いのに。
どうしてなの?
パンツの下を触ってみる。
少し濡れてる。
私は欲望に弱いかもしれない。
巫女様といる時もエロばかり迫ってる…。
これをすれば、満たされる。
声が出ないように擦るだけ。

それにしても…今は昼休み…。
教室戻れば…どうせまた見られてる…。
物凄く居心地悪い。
アイツ、ヤルことしか考えてない。
本当にむさくて下心しかない醜い男。

私は巫女様だけが良いのに。

溜息も出る。
私は泣きたい気分。
家でも泣いてた。
巫女様のことと、それから嫌なことで。
大好きな人からあんな命令。

親にも言えない。
もうアイツが憎い。
それなのに…巫女様も男に慣れろって命令する。
ゾッとする。

少し自慰出来たし、スッキリは微妙にした。
学校でするときはあまり出来ない。
触る程度。
全然、集中なんて出来ない。
早く巫女様へ甘えたいだけ。

私はよくAVに出演する子の体型と似てると女子からカラかわれる。
因みに顔は普通過ぎるぐらい普通。
その辺にウジャウジャいそうだと…よく女子に言われる。
ミルルの方が遥かに綺麗可愛い顔してると私も認めるし、女子も認めてる。

偏見で、女子からビッチと貶されてる。
キセキと親交してる時も。
女子が好きなのに切ない…。

ビッチではない。
でも、女子に嫌われてる…。
キセキと仲が良いせいで…。
そうかもしれない…結構、性に濃い。
旺盛かもしれない。
私以外の女子がどうか分からない。
ミルルがどうか…私は気になる。
でも、今は巫女様だけ。
謹んでる。
ミルルの性感帯開発に前は興味があったけど…。
今は巫女様だけ。

猛烈に女子を求めるレズなだけなのに。
女子から目の敵にされてる…。
最近、キセキがモテ始めてから特にそう…。



☆☆☆


幼馴染な眼鏡茶髪女子――ミルルに憧れて、この高校を受験したけど、私が合格したことって本当に奇跡だと思う。
記号問題式なテストだったけど…運で受かったと思う…凄い確率だと感激してる。
巫女様がする祈りってかなり効くと思う。

転校生でやってきた黒髪ツインテールのロリ系女子――難波カンサイは…コネみたい。
少しムカつく。
親戚が…この高校で先生やってるらしい…。
私がいるクラスで担任を勤めてる先生が…そうみたい…。
難波アニメ先生でアニメ声、オレンジ髪の若干ギャル系・・・新米ホヤホヤ、先生。
恵まれすぎてる、カンサイは。

でも、衝撃的なことに…カンサイにも私は負けてる…。

学力順は…ミルル、ナデシコ、カンサイ、私な順番かもしれない…。
カンサイは赤点で落第の危機じゃないみたいだから…。

ちょっと…酷過ぎる…もう泣きそう。
落第の危機は…何とか巫女様が助力してくれたお蔭で免れた。
無理して入ってるぶん、授業が早くて付いていけない…。
もう、そこも困ってる。
奇跡が起きて、入れたけど…。
一生、シスター見習い住み込みな道に憧れてる。

ターシャ泉で暮らせるなら…どこでも別に良いかもしれない。
シスターはもちろん、女子だけ暮らすところが良い。
というか修道院でも良いかも。
ターシャ泉がある近くに神社はたくさんある。
修道院もある。
そこが良いかも。
でも、なんか巫女様、女子がいる花園は許してくれない。
男に興味持てと…巫女様、昨日したエッチでもうるさかった。

巫女様が性転換なさるなんて…。

考え事してたら、勉強してる手が止まってた。
頑張って、暗記しなきゃ…。

英単語は眠すぎるけど、唯一、ターシャ経典…ターシャ教公式聖書だけは読める。
やっぱリ私はシスターが向いてる。
…”ターシャ教の始まりについて…。
ターシャ大学宗教課教授解説書”。
まで…興味があるから読めた。
やっぱり、私はオカルト方面が向いてる。

ミルルは長身スレンダー茶髪ロング…眼鏡で視力が弱く…。
RH+AB型、成績も優秀で現実的。
性的に濃いのか薄いのかは知らない。
タリアの気弱でミルルに声掛けすら出来ない性格に幻滅して、ミルルは…タリアのことはどうでも良いノリ。
男は好きみたい。

私は低身長モデル体型の全く反対で、黒髪オカッパ、視力もよくて…。
RH−O型、成績悪くてオカルト大好き…。
性的に濃いと思う、タリアの容姿は許せないし、大嫌いも良いとこ。
レズだと思う。

全てにおいて、私の正反対にほぼ近い…。
なんで私は…こんなに違うミルルを…結構、好きなんだろ。
ミルルから嫌われてるのに…。

もっと好きな人は巫女様。
巫女様のために私は、頑張らなきゃダメみたい…。

☆☆☆

学校が終わりに近づく。
もう一日、視線を感じる…。
この席、嫌かも…。
私が座る真横の方から…タリアからの視線。
キセキは私の後ろ側だから視線は分からない。

浅黒い肌に黒髪緑眼――留学生ゼロくんは教壇中央最前席、何故か…たまに目が合う…。
教室が珍しいのかチロチロ観察してるみたい…。
そりゃ、邪神教のメッカとこのターシャ村とでは…全く違うからだろう。
物珍しいような表情で…休み時間は学校中を探索しにウロウロしてるみたい…。

ゼロくんが座る席前に…ぞろぞろ女子が寄ってる…。
今は休み時間、終礼の前。

[ねえ、邪神国ってどんなところ?]

[お話聞かせて]

[どこで日本語覚えたの?]

[カラコンしてるのかな?
おしゃれだね?]

[今…彼女は…]

【オマエらに関係ねえ話ダ】

[キャー、クール]

[渋い声]

[良いわね?]

[まったく、キセキくんとタイプが違うわ]

[さすが邪神国。
王子って言うより魔王ね…]

私のクラスの女子、言いたい放題…。

【オレは去る】

[さよなら]

[明日もクールで渋くいてね?]

[ちょっとキセキくんと悩むかも…]

[ブラックな感じがたまらない…]

本気で私のクラスって男好きの女ばかり。
私みたいに女好きの女子がいないみたい…そこは悲しい…。

☆☆☆

ちょうど、偶然にも列が違う…タリアと横並びになってる。
タリアは窓際前から5番目、私も中央席の前から5番目。

どれだけ、すぐにミサへ駆け込みたいか…。
分からない。

担任の先生が終わりの号令をかける。
私は巫女様の下敷きを眺め、切なげに沈黙する。
いつまでこんなことが続くんだろう…。

一目散に教室を走り出るのはゼロくん、その瞬間も目線が私と合致する。
女子に絡まれるのが嫌みたいな雰囲気なんだって推測してる。

それから…終わりのチャイムが鳴れば、まだ諦めきれないのか…キセキが茶目を嬉しそうに細めて、やって来る。
昔はキセキの席へ走るのは私だった。

あの日を境に関係が逆転してる。
キセキもまだ私のほかに好きな子が何人かいる癖に。
私のことを家族のようにも心配してくれてるみたい。

「マナナ、勉強は進んだか?
僕が教えても良い」

キセキと私は男女を意識しない友達なのかもしれない…。
そんな気もする。
かつては、キセキの面倒を私が見たこともあったけど…。

「大丈夫よ。
キセキ、ありがとう。
相変わらず、進まないけどね…」

「無理するなよ。
マナナ。
君のことは女だけではなく、友達として…僕の家族にも近い存在だ。
僕はタリアと君は僕の幼馴染と認めてる。
幼馴染のことは大事にする性格だ。
ミルル、君はタリアを好きになってやれ。
タリアは君を愛してる」

≪キセキさんの思いやりがあって優しいところ、ミルルは好きだけど。
マナナって本当に自分勝手。
冷静に分析してみたら…月神さんって、無口で控えめ過ぎるし…何考えてるのか不明だし、キセキさんといる時ですら大騒ぎしないし…印象薄すぎだし。
執念深くミルルを好きなことは知ってる…けど、陰湿そうだし…ミルルの理想じゃない。
ミルルはキセキさんの精神、気に入ってる≫

ミルルは眼鏡を光らせた………そう見えるんだぁ・・・。
確かに、タリアって私とは長年の付き合いだから・・よく喧嘩にもなってるけど…。
他の男子たちとも女子達とも会話してるの、あまり見ないかも…。

いつもキセキの後ろに隠れてる影の薄い根暗男だった。
私は別にアイツは…醜いし、幼馴染とも認めてない。
いつも…キセキにくっついてる人間だったっていう認識。
私がキセキに近寄ると怒ってる、キセキの親友っていう感じ。

☆☆☆

Uミルルって…ほんま、理想高いからな…。
まあ、本当にキセキくんって頼りがいあるし、流石やわ…とは思う。
ウチなら色仕掛けも、キセキくんに大胆にするで。
ウチにしときや、もう…。
でも…悩むわ…もうゼロくんも全く逆のタイプやからな。
あこまで逆やともう…どっちがええやろ?
ウチに合うのは…U

ミルルの理想が高いのは知ってる…。
眼鏡を下から冷静に判断して…男子の点数をことごとく付けてるのも…。
ちょっと切なかった時もあった。
私、ミルルを狙ってた頃もあったから…。

それにしても…何か、黒髪ツインテールロリ系女子なカンサイが迷い始めてる…。

||キセキ君って…顔だけじゃなくいろんな才能まであるのね。
それに対して、マナナって軽薄だし、感情が薄いって思うの。
キセキ君への宿題写しの恩もまだ返せてないわけでしょ?
しかも…メールで振るなんて最低。

行動力まであるキセキ君は…あたし、好き。
あたしなら…キセキ君を束縛しない。
あたしを選んでって言いたいけど…。

今日のゼロ君も悩む…うーーーん。
ああいうタイプ、今まで周りにいなかったから新鮮かも。
突けば毒が出て来そうでそれがまた良いと言うか…。

邪神国ってどんな国なんだろ?||

どれだけ茶髪茶目のキセキはモテるんだろう…。
それから浅黒い肌したゼロくんもどれだけ一日で女子のハートを掴んでるんだろう…。

私は…どれだけ可愛い女子から批判される運命にあるんだろう…。
ボロ糞すぎる…私のことが…。

こんなに…私だって、女子達全員とイチャイチャしてみたいのに…。
キセキだけが…両手に花状態…。

それからあたりまえだけど…。
タリアのことは女子達も完全無視みたい・・。
今も私…タリアにじっとり見られてる…。
ちょっと、怖いかも…。

「君たち、マナナを攻撃するな。
マナナは僕の家族にも近い幼馴染だ…幼稚園時代からの付き合いだ。
大切にしろ。
分かった、マナナ。
僕は…タリアのところへ遊びに行ってくる。
たまには僕を頼れよ。
この女子達、堅苦しくて…気をつかいまくる、僕は大変だ。

それにしても今日から僕にはライバルが出来たらしい…。
ゼロ…ちょっと一日でモテすぎてないか?
僕はマナナがクラスで一番と気が付く前は…クラス全員の女子…平等に愛していたと言うのに…。
まさか、僕の敵が現れるなんて…。
不思議と僕はあの留学生、あまり面白くない…」

キセキはそれだけ言って…タリアの方角へ遊びに行った。

昔は…金魚のフンみたいに…キセキに引っ付くのはタリアだったのに…。
いつの間にか逆転してるみたい…。

キセキは色白天然茶髪の王子様スタイルだって女子は歓喜してる。
ゼロくんは浅黒い肌のアラビア系エキゾチック美男子だって女子が喜んでる。
全く、タイプが違うみたい。

キセキはノホホンってしてる…。
ゼロくんは戦地で育っただけに…毒がありそうな気がする…。

帰りの時間だ…。
私、嫌なのに今日もあの勤めがあるの?
ちょっと逃げたくて今、タマラナイかも…。

下敷きにいる巫女様を見詰めた。
私は…切ない…。



☆☆☆

ハアアア…。

キセキは…今でも私とタリアとキセキ…3人揃って…幼馴染って思ってるみたい。
でも、私は違うのに…。

今日は帰りたくない。
タリアが帰るまで・・・この教室で勉強を続けて…時間つぶして…逃げ出したい。

巫女様へは

「タリアは先に帰りました。
だからもう良いでしょ?
巫女様、愛してます」

と泣き付いて甘えたい…。

私ほど、不幸な女もいないと思う…。
どうして大好きな人から他の人間と肉体関係を持つことを…強要される運命にあるのか。
好きでもないのに、タリアなんて…。

胸が痛い…。
悲しくて泣きそうにもなる…。
どうしてなの?

胃潰瘍になるかもしれない…私…。
タリアなんて大嫌い。

☆☆☆

ああ巫女様A


小説目次


ああ巫女様C









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