アナタノコトガスキデス

萌え妄想のまま走るいろいろ創作小説の予定。苦情無断転載禁止。

ああ巫女 様A



暗記は巫女様に何とか…まとめてもらえた。
巫女様って字が綺麗…さすが泉の妖精様、神の化身…文字を見るだけで癒される。
キセキとはあれから距離を置いてる。
私はキセキと付き合ったせいで、可愛い女子に嫌われてる。
本当は私も女の子とイチャイチャしたいのに。
胸だって友好を交わすフリして触ってみたいけど。
耐えてる…だって、私には巫女様がいるから。

女の子と仲良くなれて、触れ合えたら、ココは男子禁制地区…花園になるのに。
私もずっと良い子さんを貫いてる。
もうずっと。

でも、今日もミサでは巫女様に甘えさせてもらえる。
巫女様って本当に綺麗。

今日は何か痛い視線感じる。
物凄く嫌がってる、私は観察されてるみたい。
何かコッチばかり見てる。
腹立つ…絶対視線、合さない。

やっぱりアイツ、予想通りに勘違いしてる。
巫女様も甘すぎる。
私には分かる…アイツ、モテないから…危ないと思う。
何かコッチばかり見てる、あからさまに。
ムカつく、アイツに私と巫女様がどう言う関係かバレタことも含めて。

私が楽しい場面なんてミサだけ。
何かアイツに見れれることは一番、イヤ。
アイツがまさか監視してるの?ってレベル。
どうして、あんな奴に巫女様も夢で信託なんて。

イライラする。

アイツには痛い目を見せさせたい。
確かにクラスでは言わないって約束させた。
でも、脅されそうで仕方ない。
私もアイツが持ってる弱みを握らないとフィフティフィフティじゃない。

そんなこと考えながら、昼休みはご飯食べてる。

そこへいつもどおりにキセキがやって来る。
ミルルやナデシコ、カンサイを引きつれて。
キセキもモテすぎてる…最近、特に酷い。
昔は女の子に苛められてたくせに…。

幼稚園時代に起きたミルルを含める女子からキセキへ起きた熱烈な苛め事件も…キセキが美少女めいて可愛いから…女の子たちは…狙ってたからしてたの?
その頃、キセキは…茶髪茶目で背が低く、涙がちな御姫様だった。

興味で近付きたかっただけか…。
そこは分からない。
でも…最近、キセキが私目線では、可愛くない…。

「やあ、マナナ。
勉強、進んでるか?
分からないことがあれば、無理せずに僕に聞けよ」

「…」

どうすれば…。
一瞬、悩む。
巫女様へバレナイかと少しは…迷ってる。
刹那、やっぱり向こうの方から痛い視線を感じる。
いつもはアイツがいる方角を見ることすらなかった。

でも…昨日を境に、目が腐るけどシッカリ見てみれば…異常に見られてる。
しかも…横目で…。
そんなことしてもバレバレ。

ミルルを見れば良いのに…。
絶対、勘違いされてる…。
ストーカーになりそうな気配が既に漂ってる…。
巫女様へ相談した方が良いと思う…私。

ヤツは…幼馴染と認めない。
キセキの親友だ。

はあ。
溜息、吐きたくなる…。
私は下敷きに映る巫女様を見詰めた。

≪キセキさん、諦めなさいよ。
ミルルだけを見てよ≫

Uウチも同感や。
もう、マナナ、見捨てろやU

||キセキ君、あたしも勉強で分からないところがあって…||

「マナナは落第まで…しかけてたんだ。
さすがに気になる。
それにしても僕と付き合うためにマナナは勉強をして…。
それから自力で一問、数学の問題を解いたのも僕のための筈なのに…。
マナナ、君はどうして僕と別れたんだ?
本当の理由が知りたい。
どうして僕と距離を置く?」

「…。
キセキと私は釣り合わないと思って…。
だって、キセキはモテるから」

「僕はカンサイ、ナデシコ、ミルルの3人トリオより君だと感じた。
まえはクラス全員同じレベルに見えた。
別れてから分かった。
君はこのクラスで僕の中では一番、輝いてる…」

「そう…。
でも…」

こんなふうに言われると逆に逃げにくい。

≪あり得ないわ?
マナナのどこが言い訳?
逃がした魚は大きく感じてるだけじゃないの?
キセキさん。
ミルルにしなさいよ。

何で一番交流が長いミルルだけ…一番最後に呼ぶわけ…?
ミルル、幼稚園からなのに!

ミルル、ナデシコ、カンサイの3人トリオって訂正しなさい?
怒るわよ!≫

Uウチ、さらにマナナなんて大嫌いや!!
もう、この女最悪やろ?

そりゃウチが高校からで…一番、キセキくんと親交が短いけど…愛は絶大や!
ノリで落として、尽くすで…ド根性やで!U

||嘘でしょ…そんなキセキ君、マナナのどこを気に入ってる訳?
あたしは中学からだけど…どれだけ、キセキ君が好きか…。
いつも慎まし気なあたしなのに…キセキ君の前でだけ怒り狂ってでも戦ってるって言うのに・・。
あんまりだわ…||

「マナナは心配になるんだ。
勉強できないのに…また落第になるんじゃないかと…。
それと長年の付き合いもある」

≪マナナ…あんた…やっぱり、ミルルの敵ね?≫

Uウチ、マナナなんて世界の果てまで苛めてやる。
この泥棒猫U

||どうしてなの?
ああああ…||

こんなふうに言われた方が困る。
私はキセキから視線を外して…下敷きにいる巫女様を見詰めて…ハア…と溜息を吐いた。

「どうしたんだ?
マナナ、下敷きを見詰めて…。
そう言えば、今週末、日曜日・…ターシャ祭が開催されるが…君も行きたいのか?
一緒に。
そうならそうと僕を誘えば良いものを…。
ターシャ祭は僕、行く気だ。
今週は建国記念日と兼ねて…3連休か…楽しみにしてる、ターシャ祭」

「…。
キセキは私と別に来なくても…」

「え?
マナナ…何故だ?
毎年、一緒だっただろ?」

≪キセキさん、マナナなんて放置してミルルとだけ行きましょうよ?
ターシャ祭へ…今週の日曜日。
それと3連休だし、デートなんてどうかな?≫

Uウチ、関西からやしターシャ祭…。
楽しみやわ。
金、土はメイド喫茶でバイトやけど…日曜やったら行けるわ。
そう言えば…巫女様には会ってきたで。
昨日の月曜に。

物凄く混んでたわ、あそこ…メッチャ、別嬪さんやな、巫女様。
ウチ、マナナとキセキくんが永久に別れるように祈っといたで。
あと、ウチとキセキくんが一緒になれるように祈りたかったのに…。
何か、巫女様…体調悪いのか…『仕事は一人につき、ひとつ』って言われたわ。
特に…あの日だけ…多いみたいでU

そんな話は・…巫女様から聞いてない。
月曜日?
昨日なの?

そう言えば…巫女様に仕事を邪魔をしてはダメだと諭されたから…。
大人しく遠方へ行って…英単語を覚えてたけど…。
もう何だか眠くなって…途中から少しだけ寝てたかも…。
こういうことが、割りと多い。
ヤル気はあるんだけど、難しいものを読むと…もう頭が痛くて…。

巫女様へは勉強したフリをして、ニッコリ笑ってたけど…。
巫女様も仕事が大変みたい…。
何だかあまり、クラスメイトには巫女様が務めるミサへ来てほしくないかも…。
みんな一度は行ったことあると思うけど…。

≪行ったの?
カンサイ。
でもミルルはあまりオカルトって好きじゃないのよ。
まあ、ミルルは読者モデルしてるし、巫女様も出来るだろうけど…。
でも、あの光るのが変わるの…。
トリックがある気がして仕方ないのよ。

それにミルルより綺麗って言うのが腹立つわ!
それになによ、あのCM…。
ミルルがどれだけ努力してCM女優になれたか…巫女様ってだけで…図に乗って!
何の苦労もなしにCMまで流されて…私がどれだけ…。

ミルルは…宗教とか、あまり信じない派だからね?
この村ではそんなこと、許されないけど…。
平和国でミルル、キセキさんと暮らすのも良いかもね?≫

||え?
ミルル、ターシャ教、信じないの?
信じられない、そんな人がいるなんて。
あたしは巫女様、綺麗だとは思ったわ…。
3連休か…デート出来たらな、キセキ君と||

そうに決まってる。

巫女様は神話にいる女神級。
ミルルって巫女様を見てもまだ、神様がいることを信じないって。
現実的を通り越して、変わってると思う。
巫女様が存在する事実こそが…ターシャ教が諭す言葉が全て正しいって言う意味だって。
私は信じてる。

「ミルルはターシャ神を信じないのか…。
でも、あまりその話はダークだ。
村で言えば…ミルルは捕まる。
僕の心に留めておこう。
デートは無理だ、僕は塾に忙しい、勤勉だからな」

≪デート無理なの…ミルルも実はモデル教室が…。
ごめんね、キセキさん。

えっと、将来…ミルルと戦争と宗教がない平和国で暮らすなんてどう?
もちろん、戦争ばかりする邪神国とか論外よ?
今日もニュースで邪神教のメッカ、邪神国の報道がされてたわ。
何なの?あれ?
アソコの国の住人、イカれてる訳?≫

U邪神国な…仕方ないんちゃう?
アア言う国や。
あとな、キセキくんはウチと一緒になるべき人や。
ウチはこの学校で運命の人に出会えたんや、転校して来て正解や。
まあ、ウチはこのターシャ国で感謝してるで♪
この国好きやわ…特にターシャ村は一番スキやで。
だって、キセキくんがいるから、オアシスやわ♪U

||あたしが…キセキ君を…。
この二人は潰す…あたしは怒らせると怖いわよ?
普段、大人しい分ね?
あたしも同感ね?
ターシャ村で、キセキ君と抹茶でも飲んで…蜜月タイムするわ?
三連休、私の実家にこれば良いのに…。
ターシャ祭りでは抹茶を私、出す役よ?||

ミルルとカンサイが…ナデシコの逆鱗に触れたみたいで…殴ろうとして、白目まで向いてる。
相当、怒ってるみたい。
ナデシコはふだん、無口だけど…キセキがいる前でだけ、一生懸命…アピールしてる。

本当に…タリアとは大違い。
アイツも見習え。
私はヤツは嫌い過ぎる・・・。

アイツ…今もまだ、こっちを見てる…。
ミルル見れば良いのに…私を…。
ちょっと怖い。

「カンサイ、ナデシコ、ミルル…僕を巡って喧嘩するな、親友だろ。
見苦しい…。

それにしても…どうしたんだ?
何故、マナナは突然…最近…僕に冷たいんだ。
あれだけ僕に言い寄ってたくせに。
僕は失望してる、君に…」

「キセキ…」

確かに罪悪感がある。
初期は男子と思えないレベルな美少女だった。
そこからだんだん、今度は何とか美人さんだった。
もう今では…段々、男ムサイ。
だからと言って…私は…。
私は自分が持つ性癖を隠してマトモな道を行くためにキセキを…。

「…」

≪こんな女、もう良いでしょ?
キセキさん。
ミルルがいるから≫

Uウチも同感や。
ってか…何なん。
マナナはもうキセキくんを手に入れた途端、興味なくしたん?
どんだけ目移りしまくる女や。
ウチがキセキくんのこと、慰めたるでU

||ミルル。
もうキセキ君はあたしが貰うから||

≪何言ってるのよ?
ナデシコ。
キセキさんはミルルのモノに決まってるでしょ?≫

Uウチやって。
何言ってるん?
はあ?U


ミルルとナデシコとカンサイまで…キセキを巡って喧嘩してる。
今までは3人とも私を攻撃してたのに…。
私が消えた途端、3人で喧嘩になってる…。

キセキって本当にモテる。
ちょっと羨ましいかもしれない…。

「僕を巡っての喧嘩は止めろ。
カンサイ、ナデシコ、ミルル…君たちは親友だったんだろ。

それからミルル。
君はタリアと一緒になるべき女だ。
僕も応援してる」

≪キセキさん…そんな…。
ミルルにとって辛いことを…≫

Uミルル。
そのとおりや、キセキくんが好きなら、キセキくんに従うべきやでU

||と言うことは…あたしとのライバルは…カンサイね?||

U望むところやで、ナデシコ?
ウチ、勝つ自信あるで。
ウチは夜も尽くすぐらいなんでもヤリまくるで。
大道芸人並みにU

||何言ってるの?
まな板ロリコン体型な癖して。
キセキ君はあたしの方が好きに決まってるでしょ?||

≪ミルルに決まってる、ミルルは落とす。
月神くんなんて、ミルル…どうでもいい≫

「ミルル。
タリアの気持ちになってやれ。
アイツは小学時代から君のことが好きなんだぞ…」

≪知ってるけど…。
でも…ミルルは…キセキさんが…≫

タリアもミルル好きな癖に私の体だけ奪って、本当に最低な男だと思う。
私は下敷きを見詰める。
そこに美しい天女がいる、私の恋人…。

「マナナ。
まさか…今週末にある今年のターシャ祭りは…誰かと行くのか?
僕以外の?」

「まだ分からないわ。
キセキには悪いと思う。
でも…私…キセキ以上に好きな人への気持ちに気が付いて…。
ごめん。
これしか・・言えない。
私のことは忘れて欲しい。
ごめん…」

もちろん巫女様のこと、神話級の顔立ち・・華奢な金髪白人碧眼系美女。
しかもクルクル発光なさって癒されまくる。

「マナナ」

≪キセキさん、こんな奴。
もう落第してもサヨナラしましょう?
ミルルと向こうの席へ行きましょうよ。
イチャイチャしたいわ、ミルル≫

Uそうや。
もうマナナは敵じゃない。
腑抜けヤロウ、ビッチ。
キセキくん、ウチ選んでやU

||キセキ君、マナナはこういう女なのよ。
浮気女なんて忘れるべきだわ||

女の子たちから私は好き放題言われて・・・辛いかもしれない。
みんな可愛い子でちょっと脈だって…ミルルにはあるのに・・。
でも、私はレズなことは学校では黙ってる…。
親も一人娘だし、絶対心配するから・・。

しかも・…カンサイから”ビッチ”って言われた…。
お母さんが元ビッチって、私が小学生4年の頃、バレテ以来…。
時々、呼ばれるあだ名。
まだ偏見があるみたいで…転校生のカンサイまで言ってくる。
どれだけ噂が流れてるんだろう・…。
今のところ、ビッチじゃないのに・…。

お母さんは性病だけならなくて良かったってあっけらかん。
エイズにはならなかったみたいだけど…若気の至りが原因で子宮癌に一時なって大変だった。
巫女様の祈祷で治ったようなもの。
その時に…お母さんから懺悔を受け…私にはビッチにならないように、お母さんにはよく、心配されてる。

大丈夫だと思うけど…。
私は…お父さんが風俗でお母さんを買った時に出来た子らしい…。
もうショックも良いとこ。
お母さんも複数相手がいたから誰か分からなかったけど…。
勘で詰め寄ったらしい…職場まで…。

私はお父さんの子であることは確実みたい…DNA鑑定までしたらしい…。
お母さんは16歳で私を産んでる、若い。

私は10歳で知った時、それなりにショックだった・・。
あと、確かに自信少ない…ずっと家でオナってばかり…。

レズだから女の子とイチャイチャする妄想で…。
いつから女の子が好きかなんて生まれた時から。
別に病気とかそんなのじゃないと思う…。
気が付いたら・…この中ではミルルが一番、好みかもしれない。
ムサイ男なんて論外に決まってる。

☆☆☆

「そうか…。
好きな人が…。
実は隠してたが…僕にもまだマナナ以上に好きな人もいる。
今年のターシャ祭ではその人のことを祈るとしよう」

≪え?
マナナ以外にまだミルルにはライバルがいるの?
キセキさん…嘘でしょ?≫

Uえ?
誰?
ウチのこと?
ウチはすぐに交際オッケーやでU

||誰なの?
クラスメイト女子全員敵に見えるけど…クラスでは…マナナが一番とか言うことは…外なの?||

「それは言えない…。
この席は去る。
勉強で困ったことがあれば、マナナ。
僕を頼れば良い。
僕はいつも君のことを心配はしてる」

「ありがとう…キセキ」

≪誰なの?ミルル、ムカつく≫

Uその女、ウチ、殴りたいかもU

||悔しい、イライラするわ||

キセキにまだいたなんて知らなかった。
キセキって何人、好きな子がいるのか…。
私、実は・…分からない…。

信じられないことに今してる会話…。
ずっと、アイツ…こっち見てた。
アイツっていうのは…タリアのこと…。

もう止めて欲しい…。
ずっと私がいる席ばかりアイツ見てる。
ちょっと怖すぎる、絶対、アイツ…ストーカーになりそう。
もう確実…。
ミルルを好きな癖に。
今日こそ、落とそうともせず。
取りあえず、女体へ持つ欲望に狂ってるみたい。
凄くオゾマシイ。

---キンコンカンコーン、キンコンカンコーン。
1限目が終わりました。
休憩の時間です…----

校内アナウンスが流れる。
休憩の時間みたい…。

☆☆☆

ミルルを私も好きなのに。
あんな奴、嫌いに決まってる。
ちょっと酷過ぎると思う。
いくらヤリタイからって。
巫女様に言われても好きな人がいますって断れよ。
ムカつきまくってる。
ずっと監視されてる、怖いから休憩時間はトイレへ逃げる…。
その間ですら横目で見てくる。
これは…ちょっと危険すぎるレベル。
巫女様へ真剣に相談した方が良いのかもしれない…。

巫女様が務める職場、ミサにも不細工にストーカーされて狂気を感じ、逃げたいから…。
巫女様に力を貰ってる女子高生がいた。
私もそれ、して欲しいかもしれない。
ちょっと、本気で…ずっとコッチばかり見てる。
息がつまりそうかもしれない。

それにしても…今日は一限目…ホームルームになったみたい…。
先生が…朝礼のチャイムが鳴っても…来なかった…。
こんなことは初めてかもしれない。

あのアニメ声も結構癒されるのに…。
ウチの担任、本当に小学生みたいだと思う…。
カンサイの親戚って皆あんなの、なの?

何で来なかったんだろう?

☆☆☆


☆☆☆


教室へ戻ることにする。
やっぱりこっち見てる。
真面目にイヤ。
というか…。
ミルル見てよ、今…アイツがいる目の前にいるのに…。
ミルル見られることも昔はムカついたけど。
今、私は巫女様命人間。
ミルルは譲る。

---キンコンカンコーン、キンコンカンコーン。
2限目です…----

そこで担任の先生が入って来た。
2年1組の担任…難波アニメって言う、難波カンサイの親戚な先生…。
この先生も途中から関西から引っ越ししてきた先生みたい…。
この先生も訛ってる…。
どっちかと言うとこの先生って…兵庫訛があるらしい…。
私は大阪訛と兵庫訛の差なんてわからないけど…。
そうらしい…。
それから何故か赤ちゃん言葉になることが多い先生。

*みさたん、良い子にしてまちたか?
自習できまちたか?*

アニメ先生は緑の黒板に白いチョークで…。

”自習(>_<)”

と書いた。
茶目っ気のある先生だ…私は好きかもしれない・・。

*今日、この学級に新しいクラスメイトがやって来ます☆
仲良くしてやってくだたい。
ほら、恥ずかしがってないで来てくだちゃい…*

いつも通りのノリ。
富士額の狭いオデコをオールバックで出してる。
オシャレ染めでオレンジに脱色してるみたい、ショートカットな女性。
背の低い桃色ワンピな先生。
担当は家庭科みたい。
何故か…ロリに見えてくる…カンサイに体型がソックリ。
頑張って大人っぽくしてるのは伝わるけど…喋り方がもう何故か噛んでる…。
どうしてなのか・・・赤ちゃん言葉…。

カンサイが転校するちょっと前にこの学校にやって来た新任先生…。
まだ若いと思う…。
慣れてない感じも結構良い。
因みにこの先生…。

*3年に一回は全国の高校を私は転々と転校したいでちゅ、飽き性でちゅから♪
それが私の夢でちゅ、採用試験次も頑張るでちゅ☆
一生の間に色々なところで暮らすのが夢なのでチュ☆*

って宣言してる…。
ちょっと変わってる先生、やっぱりカンサイに似てる…冒険心があるみたい。
一つのところに留まるのが苦手な先生みたい…。
確かにカンサイもわざわざ転校してきた…。

新しいクラスメイトが来て、教室中がざわめきだった。
男子みたい…背が高い、って言うか外人…。
アラブ系なの?インド系なの?肌が黒い…185CMあるかも…。
キセキより高い…さすが外人の血って感じ…。
って言うか・・何故、私のクラスに?

*戦争が激化する邪神国からの留学生でちゅ。
ニュースでもヤッテまちたけど、最近、亡命を図って留学生が増えてまちゅ。
仲良くしてやってクラタイ*

【印度ゼロと言う名ダ。
亡命者ダ。
ヨロシク・・・】

割りと、女子に好評みたい…。

Uうわああ、エキゾチックやわ。
キセキくんは王子様って感じやけど、こういうのもウチ、ええわU

||そうね、外人って言うのがツボね…。
それにしても…何人なの?||

≪ミルル、キセキさん、一筋だけど…たまにはいいかもね?
本当、ミルルのクラスメイトはダメなのばかりよ?
取りあえず、この留学生、顔は通過ね?≫

なんか…女子達…ミルルも含めて…喜んでるみたい…。

*それでは印度くん、開いてる席へすわってくだたい。
ないから今日は特別に用意しまちた。
一番前の中央席です、嬉しいでしょ?*

時々、訛ってる…アニメ先生は…。


無言で印度くんは席へ着いた。
男子たちがブーイングしてる。

[キセキだけでも敵だったのに…また敵が増えるのかよ?]

[って言うかミルル、譲れよな]

[まあ、タリアには落とせないに決まってるが…]

[誰だよ、アイツ…。
って言うか何人だよ?
あの目・・コンタクトか?]

確かに、浅黒い肌に黒髪なのに…印度君って目だけが緑色…。
カラコンしてるのかな?
何故か…コチラを睨まれた気がする…。
気のせいなのかな?

ミルルもファッション関係でたまにカラコンするみたいだけど…。
視力わるいから一番前の席なのかな?

ミルルがキセキを見たり…それから印度君を見たりせわしない…。
ミルルだけじゃない…ナデシコやカンサイまで・・。
他の女子達も…。
どうも日本人ばかりで飽きてたの?
そうじゃないとは思うけど…。

確かに…教室にエキゾチックな美女が入って来ても私は歓喜しそう。
これは本気でキセキとは違うタイプ。
因みにキセキって…オランダとのクオーターらしい…。
最近、知った。
そう言えば…色素が薄い。

でも、今回の男子はモロ外人。
それなのに何か女子達、喜んでるみたい…。
私にはあんまり…。
どっちか言えば・・巫女様級のアラブ系美女が欲しかった…。

☆☆☆

それは体育の時間、4時限目のこと…。
信じられないことに…徒競走で走ってる途中でミルル倒れ、眼鏡ごと地面へ激突した。
ミルルの腰まで伸びた茶髪が砂交じりになった。

Uどうしたん?
ミルル、死んだふりしても助けてやらへんでU

||まあ、どうせ男達への点数稼ぎでしょうけど…||

「ミルル、どうしたの?」

ミルルの顔が青かった。

≪ちょっと眩暈がしただけよ、大丈夫だから≫

「ミルル、大丈夫?」


[ミルルが倒れたらしいぞ]

[俺たちが運びに行くか…]

[いや、それはさすがに丸わかりだろ…欲が…]

[どうせ、タリアは声掛けれないし…良いんじゃね?]

≪元気だから、大丈夫よ?
アンタは邪魔よ、マナナ!≫

---そうか…ミルル大丈夫だったのか…。

体育の先生が労いの言葉、体育の先生は男性。

やっぱり私が連れて行った方が良い気がする。

茶髪眼鏡系女子ーミルルが心配だからか・・・タリアもキセキもこっちを見てる。
男子たちもだけど…そりゃ当たり前のように浅黒い肌に黒髪緑眼な留学生の印度君も見てる。
女子達だけが…[点数稼ぎなんでしょ?]ってウルサイ。



「先生、私…ミルルを保健室に連れて行きます。
私、授業抜けても良いですか?
ミルル一緒に歩こう」

≪いい迷惑よ、マナナに送ってもらうなんて…≫

「ミルル、友達なんだから私たち」

≪ミルルはマナナなんて友達って認めてない。
私の幼馴染はキセキさんだけ≫

「私はキセキとミルル…あと私の3人で幼馴染って思ってる…。
私が送る」

---美しい友情だ。
行って来い、任せた異能---

「はい、先生」

本音は体育なんて大嫌い。
だって、運動音痴だから。
これでサボれる、ちょっと嬉しい。

「ミルル、行くわよ」

≪ミルルはアンタと違って運動大好きなのよ?
勘違いしないで…≫

私がトンと押すと…やっぱりミルル、ふらついてる…眼鏡も曇ってる。

「ミルル、行った方が良いと思う…。
私のために行こう…」

≪マナナのために行くなんて最悪だわ≫

「ミルルって最近…昼ご飯食べてないけど…いつ食べてるの?」

≪うるさいわね?
分かったわ、保健室に行くから黙りなさいよ…≫


ミルルがヨタヨタ歩いてる…。
何だか…心配してた通り…ここ1か月で…ううん、あのCMが出た頃から…2か月経つけど・…ミルルの顔を見れば…ゲッソリはしてない。
丸いんだけど…。
というかむくんでる気がする…。
あと、痩せすぎてる気がする…。
気のせいなのかな?
クラスメイト誰も気が付いてないみたいだけど…。
ミルル、スカートの丈が長いから分かりにくいし、今も赤いジャージだから分かりにくいけど…。

なんか、違和感がある…。
看板モデルになりたくて無理してる気がしてたまらない…。

それにしても…タリア、ミルルが好きなら黙ってないで動いてよ。

『・…』

キセキも頼りない。

「タリア、君はミルルが好きなんだろ?
今がチャンスだ…走るんだ!
ポカーンとしてる暇はない、僕は応援してる!」

それは浅黒い肌したゼロくんも…舌打ちだけしてた。

【チッ…興醒めも良いとこダ】

ウチのクラスの男子…使い物にならない…。
他の男子たちはミルルを誰が送るかで…喧嘩になってた…。


[ミルル様を送るのは俺だ]

[ミルルちゃんは俺のモノだ、邪魔だ、どけ]

[何を言ってるんだ、ミルルさんは俺が送り届ける…ついでに触りまくる]

私が一番、ミルルに役立ってる…。
これでミルルも私に落ちそう…。

ミルルの胸・・前より痩せてる…。
勝手に触れる…。
切ない気分…。

☆☆☆

保健室に着いた。

女の先生…。

ミルルの顔は丸い。
体が細いの知ってるのって…今、介抱して…抱き付いた私ぐらい…。
先生もミルルは細いってCMでも思い込んでる…。

---疲れたんでしょう?
連日、CM流れてるの見てるわ。
眼鏡さんが芸能界で有名になるの、応援してるわよ。
ベッドで寝ときなさい---

≪ありがとうございます≫

ミルルって完璧主義、モデル業もCMも学校の成績まで…完璧にこなしてる。
きっと忙しいんだと思う…。

「ミルル、今日は昼ごはん、食べるの?
最近…見てない気が」

≪黙りなさい、保健室の先生に聞こえるでしょ…≫

「そう…」

ミルルって今…何キロなの?元々細かったけど…。

聞きたくて耳打ちした。

「ミルル、40KGある?」

ミルルの眼鏡から覗く瞳が…パチクリ瞬きしてる。
どっちなのか分からない…。
顔を見てると丸いけど…何か物凄く細い…体が…。
気のせいなの?

≪マナナに関係ないでしょ?
私にはライバル、泉の巫女を潰すって言う野望があるの…≫

「ミルル、巫女様をライバル視してるの?」

≪当たり前よ、私がどれだけ苦労して、ここまで上がってると思うの?
ザけんじゃないわよ!
何で、ヤツの方がCM時間が長いわけ…≫

「ミルル、止した方が良いわ‥。
巫女様って骨格が変、人間離れしてる…絶対、異世界の人間。
アレは真に受けない方が良い数値だから…」

≪知った口を叩くんじゃないわよ?
あまり喋ると声が掠れるでしょ?≫

ミルルに反抗する力はあるみたい…。
でも、心配かもしれない…。
私から言っても聞かないかもしれない…。
これは…キセキ辺りに説得してもらうのが一番、効きそう。
ミルルはキセキが好きみたいだから…。

「そう、昼休みには帰って来てね?」

≪寝るわ、あんたは授業へ戻りなさいよ?≫

声が細い…、まさか…水しか飲んでないのってレベルに…。
細い気がする。
毎日、ミルルの体しか見てなかった私だからこそ、分かる。
絶対、ミルルは細くなってる…。
顔だけ丸い・・・。

☆☆☆

ミルルが眼鏡を外し、素顔で寝た…。
私は授業が元々、イヤ。
椅子で座って寝ることにした。
保健室の先生もそっと私を見てる。


手招きされた…。

---今の会話、聞いてたわ。
眼鏡さんが大変な状況なのも分かる…。
顔しか見てなかったわ…ジャージだし…ゆったりした服だから…。
今の話…本当なの?---

「ミルルには言えなんですが…どう見ても…痩せてて…」

---確か、眼鏡さんって165cmはあるよね?---

「そうです。
大きい声で言うと、あれですが…心配してます。
どう見ても細いです、前より」

---そう…。
はあ…点滴になるのかしら?
顔が丸いから気が付かなかったわ…。
今日、昼ご飯食べるように促してくれるかしら?
眼鏡さんって本当に頑張り屋さんだからあまり言うと余計に酷くなりそうで…。
親御さんには電話で連絡しとくから…---

「先生、ありがとうございます。
でも、あまり言うとこれが大変で…。
ミルルなりに頑張ってて…必死みたいなんです」

---そうよね?
理解してるわ、だからこそ…入院を勧めないのよ。
モデルとして細くあるのは職業柄仕方ないことだから…。
でもね、倒れるレベルまで来たら、さすがに心配だわ…。
あまり、聞けないわ…眼鏡さんの体重とかは…---

「そうなんです…。
ミルルのことは応援してるんです…。
ただ、巫女様は…本当に骨格が人間じゃないので…。
アレを真似するとミルルは死ぬと思います」

---確かにミサには私も通ったことがあるわ…。
巫女様って…まるで少女のような骨格ね…手足は長いけど…。
生理あるのかしら?---

「どうなんでしょ?
妖精様ですから…人間じゃないので…」

---そうよね。異世界の人間で巫女様は通ってるから…。
あれが眼鏡さんの理想なら…止した方が良いわね。
どうすれば…---

「お昼休み、ミルルの好きな男の子に頼んでみます。
ソイツの言うことなら、ミルル…聞きそうです」

---そう…。
それなら…良いかしら。
一番、良い手ね?---

「はい。
きっと、奴ならミルルも言うこと聞くはずです。
私とミルル、キセキで幼馴染ですから」


タリアは認めない。
幼馴染って。
今日もまだ、ミルルに声掛けが出来てなかった…。
ミルルが大好きな癖に…。
アイツ、何やってるんだか…。
ビックリした顔で…私の方を見るだけで…。
結局、動こうとしてなかった…。

今日で、ミルルに点数が稼げた気がする。

☆☆☆


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ああ巫女様@


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ああ巫女様B









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