アナタノコトガスキデス

萌え妄想のまま走るいろいろ創作小説の予定。苦情無断転載禁止。

ああ巫女 様@



【ああ、巫女様】

※人生初の百合キャラ執筆挑戦。
百合の人の思考回路が不明ですが多分こうなのかな?と想像して書いてみました。
トップではネタバレになるので、キャラ説明文に告知してませんが…。
ヒロインとして百合の方を選ぶのは…どうなんだろ?と思いつつ挑戦小説です。
小説のジャンル的に好き嫌いが別れそうなのでご了承を※




今日は火曜日。

昨日の夜中…外で何かが打ちあがる音がした。

--ドドン!

って響く音。
きっと、今週末はターシャ祭り…。
しかも建国記念日も兼ねて三連休。

その予行演習なんだと思う。
毎年、ターシャ祭の前にはそう言うのがある…。
窓の外から、何かが空へと上がって行く姿が見えた。
とても綺麗だった。
今年も楽しみ、巫女様が綺麗な筈。

☆☆☆

朝になってもあまり実感が湧かない。

私は念願が叶って、巫女様と付き合えてもう嬉しくてたまらない。
毎日、欠かさずミサへ通った甲斐がある。
巫女様って、もう信じられないくらいほど美人さん…人間離れしてる。
とても綺麗に発光までする。
見てるだけで癒される。

それにも関わらず、今…私は巫女様から無理難題な命令を下されてる。
寄りにもよってアイツ…悪いけど名前すら思い出したくもない。
それなのに…。

巫女様、あんなこと言ってたけど、アイツ絶対勘違いしてる。
今まで私に歯向かう態度だったけど、急にヤリタイとうるさい。
もう止めて欲しい。

私は巫女様だけに決まってる…。
家には巫女様が映るポスターなら貼ってる。

---あなたも行こうターシャ祭---

キャッチコピーの上には正装なされた巫女様。
巫女様はもう、モデルも兼ねてる。
割りと芸能界からのスカウトも多い。
巫女様はその度に断ってらっしゃる。

これが部屋にある壁には飾られてる…。
見てるだけで癒される、ムサイ男なんていらないわ…。
巫女様がまさか性転換なさるなんてもうどうすれば良いんだろう…。
私は現状で良いと思うのに…。

思い出したくないことはシャットアウトする。
アイツ…絶対、図に上がってる。
私は巫女様だけ巫女様と蜜月をすることが大好きなのに…。
何であんな奴で…巫女様が性転換する前、練習台しなければならないの?
意味が分からない…。
もう腹が立ってタマラナイ。

巫女様がトレードマークな下敷き…これがあるから自宅でも勉強に捗る。
今、ノートの表紙を…取って来たパンフレットでデコってる。
もちろん、巫女様のターシャ祭り勧誘案内。
巫女様は神話にいる女神…白人華奢長身金髪碧眼美人。
華奢な体躯で、もう浮世絵画も良いところ。
スベスベの肌に…。
巫女様の柔らかい胸。
もう思い出すだけで私は幸せマックスな気分に浸れる。

あんな奴とまさか…今日もかと思えば仮病を使いたい域。
でも…昨日、巫女様とイチャイチャタイムに一応、挨拶だけはしときなさいよって言われた。
巫女様は私が平等精神を持つ人間になってもらいたいみたいだけど…。
私だって人間。
好き嫌いならある。
私が悪いわけじゃない。
あれを性道具とは思えない。
もうグダグダ。

ああ…。
まさか本気で今日も?
壁にある巫女様のポスターを見詰める…。
巫女様の声が頭の中に流れてくる…。

『あんな奴はポイ捨てで良いのよ。
私が性転換する日のために練習台としての捨て役で良いのよ。
大変だと思うけど…頑張って。
マナナ、ごめんね。
これだけだから、他の人間ともしろとはいわないから…』

溜息を吐いた。
なんでヤツ?
いっぱい突っ込みどころがある。
巫女様も男性の体になりたいらしいけど…趣味悪すぎだと思う。
本気でまさか…巫女様、あんな人間になりたい訳??

☆☆☆


私はイヤすぎて、登校拒否を起こしてるレベル…。
なるべくゆっくり学校に着く。

 「マナナ、おはよう」

「おはよう、お母さん」

お母さんは一時、癌で入院したこともあったけど…今は元気。
それにホッとしてる。

 「最近、物騒だから早めに帰りなさいよ、マナナ」

「そうなの?」

テレビでニュースがやってる…。

---また、邪神教集団の銀行強盗があったようです。
現場から3億円もの被害が出て…今、大変な状況に…。
視聴者からの目撃情報を募ります…。
また、情報が入り次第、中継します。

---ニュースの時間です。
今日は余談にほのぼの話でも…。
昨日の夜、UFOを目撃したと言う情報が多発してます。
この立てに光る明かりはUFOなのか?
それとも…未確認生命体なのか?
まだ確認が取れてない状況です。
今、真相の解明中です…。

花火の専門家に聞いてみました…。

〜〜ええ、昨日の夜は…確かに毎年、リハーサルでこっそり打ち上げ花火を予行練習もかねて一回飛ばすこともありますが…。
飛ばさなかったです…。
打ち上げ花火の予行演習ってことはないと思います…。
僕も聞きました…。
結構な音でしたね…。

---これが各地で撮影された写真です・…。
いったい、この光の柱の正体は何なのか?
空に向かって走ってますね?

〜〜〜宇宙人なのか?
気になるところですね…。

---さて、話は変わって…次のニュースです。
最近、偽装貨幣が流通してます。
発見し次第、通報して下さい…。

---あと、戦争が続いてる邪神国の情報ですが…。
今もまだ、邪神教徒が暴れて手が付けられない状況らしいです。
最近、邪神国からターシャ国への亡命を図る留学生が増えているようです。
ココから先、この戦争が終結するのか…そこが論点ですね…。

---邪神国の将軍様に逆らって失笑をした側近の話なんですが…。
何と、この方…全員の前で公開処刑をされたそうで…。
それを目撃してる住民で泣いてる方も一緒に銃殺されたそうです…。
もう、邪神国はやることが滅茶苦茶ですね…。
今年に入り・・・300名近く…処刑されてるようで…。

今日もいろいろなニュースがやってる…。

「お母さん、今日の天気は?」

 「晴れらしいわ」

「そう…」

そのあと、ニュースは終了して、CMが流れる。

---眼鏡を買うなら…ミルルと一緒にメガネ屋へ♪---

最近、ミルルがCMに出てる。
このCM好きかも。
眼鏡をかけたミルルが桃色ノースリーブワンピを着て歌ってるCM。
ミルルは青空の上、腰まで伸びた茶髪を白い雲へ乗せて、ゴロンと…白い雲をベッド代わりに寝転がってる。
眼鏡のCMみたい…。
ミルル、頑張ってるみたい…。

 「この子…貴女の学校の子なんでしょ?」

「うん、ミルルって言うの」

 「そう・…最近、CMで流れるようになった子ね?
そう言えば…マナナの友達のミルルちゃんなの?」

「そうよ」

 「もう、大きくなりすぎて分からなかったわ。
昔、会ったのって幼稚園ぐらいの頃よね?
もう12年前なのね…。
干支まで…同じだわ…月日が流れるのも早いモノだわ…。
このCM、髪が茶色だけど…染めてるの?」

「うん、ミルルはモデル業だから…特別に学校から許可が下りて…。
それで…」

ミルルは目鼻立ちがクッキリした、釣り目の瞳に鼻筋の通った鼻と薄い唇…ストレートの背中までな茶髪…細く長い手足が特徴の女子。
読者モデルをしてる…。
クラス一美人だって、私は思う。

 「そうなの。
昔は黒髪だったわよね?
ミルルちゃん、まだキセキくんのこと、苛めてるの?」

「最近は全然よ。
逆にミルルがキセキにモーションが凄い」

 「そうなの…。
それは驚きね…。
ミルルちゃんはマナナの大親友で…。
キセキくんはマナナの結婚相手も前提で、キセキくんのお母さんとは私も仲良しで…。
マナナとキセキくんは両親公認の仲で、許婚いいなづけ)も 同然なのに…。
ミルルちゃんとマナナがライバルになってるのね…。
月日の流れは、何が起きるか分からないものね…。

お母さんがキセキくんの実家と仲良しになるためにどれほど、協力したか…分からないくらいだわ…。
キセキくんの家は…理解があって優しいご両親で良かったわ。
私の悪い過去も含めて、マナナのことを自分の娘のように不憫だって涙を流してくれるんだもの。
あんなに優しい人柄の人間はいないわ?」

「お母さん。
キセキは確かに優しい性格をしてるわ。
今でもすぐに泣くし、私が励まさないとシャキッとしないところだけが問題だけど…」

 「キセキくんもアア言う性格だから、きっと学校でもモテまくってるでしょう…」

「まあ…キセキ、最近…本当にモテるわ?
それはそうよ。
ミルルもキセキが好きみたいよ。
昔は物凄く、キセキを苛めまくってたみたいだけど‥」

 「キセキくんのお母さんから相談を受けたわ、キセキくんが女生徒から苛められる件について。
その時、マナナだけが庇ってくれたことを今でもキセキくんの両親は感謝してるみたいよ。
頑張ったわね、マナナ。
よくぞ、点数を稼いだわ」

「えと…お母さん…その…。
キセキは私の友達だし、当たり前のことをしただけで…えっと…」

 「お母さんは常に、マナナの味方よ。
頑張って、高校で良い男性をゲットしてよ。
勉強が死ぬほど嫌いなマナナが…あの高校に入れたのはお母さんも奇跡だって思うのよ。
マナナ、売春で男をゲットするのだけは止めてよ。
マナナにはお母さんと違って普通の人生を歩んでほしいのよね…。
一人の人と付き合うのは良いけど、不特定多数と関係を持つのは止めてよね。
お母さんも今では昔を後悔してるんだから…」

私のお母さんとキセキのお母さんは大の仲良し。
もう許婚いいなづけ)も 同然の関係になってたりする。
ちょっと、最近…学校でヤヤこしい話になってるのは…流石に言いにくい。
お母さんにはキセキと私の仲を取り持ってくれるように長年、依頼していたから。

その次のCMで…ターシャ祭のCMが流れる…。
巫女様だ、本当に綺麗…。

 「巫女様ね…綺麗だわ。
繊細で華奢で本当に人間じゃないみたい…妖精様。
今年のターシャ祭りも私、行くわよ。
マナナは巫女様から御勉強、教えてもらったんでしょ?」

「うん、巫女様って才色兼備みたいで」

巫女様は神話級の顔立ち…骨格が華奢で少女のまま手足が伸びたような長身体躯。
物凄く滑らかなお肌で…光までいろいろな色に変わる…。
泉の妖精様、白人系金髪ロング青眼美人。

 「そう、お母さん、マナナが巫女様と友達になれて誇りに思ってる…。
町中に言いふらしたい」

「それは止してお母さん。
巫女様が困るから、営業妨害になる」

 「あら?
今日、言うつもりだったのに…。
そうなの…」

「まさか、もう言ったんじゃ・・」

 「ごめんなさい、貴女のお婆ちゃんにだけ…あと…お父さんにも…」

「お母さんの馬鹿、ちゃんと今から電話して。
止めといて。
大変なことになるから。
巫女様は猛烈な人気者なんだから、世界中から。
アイドルも良いところ」

 「そうよね…。
浮かれすぎて…ごめんなさい」


「おかあさん、今すぐ電話してよ?」

 「マナナが言ってから電話するわ」

「もう、お母さんったら…」

私は朝ごはんを食べ終えた…。

 「あなた…ダイエットとか言ってたけど…。
朝はしっかり食べてるのね?
それはいいことだわ。
でも、お菓子までは余計なんじゃないの?」

「うるさいわね、おかあさん。
明日から頑張ってダイエットするから」

ダイエットしてるのに…気力が続かない。
学校では事件のせいで…太らざるおえない状況で…。

「おかあさん、行ってくるわね?
電話で止めてよ、噂が流れるの」

 「分かったわ、マナナ。
行ってらっしゃい」

もう、お母さんったら、私と巫女様が仲良しになれたことを無断で広めて…。
そんなことされたら困る。
お母さんの気持ちも理解できるけど…。

因みに私はその辺にウジャウジャいる平凡顔…胸だけ大きい。

ナデシコは…純和風顔、体型は身長体重が平均。
髪は黒髪ストレートパッツンで背中まで。
実家で茶道花道してるらしい。

それからカンサイは…もうロリ体型…低身長低体重、
メイド喫茶でバイトしてるらしい…髪は頭の頂点辺りでツインテール…これがよく似合う。

☆☆☆


お母さんと別れて外に出た…。

今週末はターシャ祭が開催されるから街角には巫女様のポスターばかり…。

ターシャ祭が日曜日、ターシャ祭りの前日は建国記念日。
祝日と重なって、今週は金土日の3連休になるみたい…。
年に一回だから…経済効果にもなるらしい・・。
その日は宿泊予約で埋まってるらしい・・。
海外の平和国からもお客様が来る行事、私も楽しみにしてる。

☆☆☆

それにしても…。

…巫女様。
…本気で、大丈夫かって心配してる。
私のこと、好きなの?
何でこんなことを平気で頼めるわけ?
そこは…もう私は失恋にも近いくらい、暗い境地…。

ミルルのCMは気に入ってる…。
お蔭で男子からミルル人気が最近、凄い・…。
ミルルはお昼ご飯すら食べずにダイエットしてるみたい…。
ちょっと、そこは心配かも。

このCMに出てからミルル、更に痩せた気がする…。
どうしても看板モデルになりたいみたい…。
まだ、ミルル…読者モデルみたいで…。
私はミルル、猛烈に美人さんだって思うんだけどな…。

巫女様のCMは相変わらず綺麗…。
背景がターシャ祭の夜で…泉の上に金髪ロング碧眼で長身華奢な巫女様が立ってるそれだけの映像。
巫女様はミニの白いドレス。
周りには草花。
それが神聖で本当に綺麗。
まるで神話の女神。
あれはタロット占いから飛び出してきた級の美しさ。
綺麗だと感動してる…見る度に…足が猛烈に長い…。

☆☆☆

学校に着いて…教室の扉を開けた途端、幼馴染のキセキが私へも馴れ馴れしい。

キセキって…色素が薄い…オランダとのクオーターらしい…。
1か月ぐらい前に知った…。
そう言う系の顔、天然茶髪茶眼長身、もう12年来の幼馴染。

「マナナ、おはよう。
戻りたければ寄りを戻しても良いんだぞ?
君、成績、本当に大丈夫か?
そこは心配してる…」

どうせ私にまだ未練たらたら。
あの時はミルルにも見せつけるつもりでいたし…。
ノーマルになれるかとも思ったけど…悪いけど、顔面偏差値の差がキセキと巫女様では歴然級に違う。
巫女様はもう神話級。
ちょっと妖精さんスタイルで細すぎるし…骨組みが人間離れしてるけど、そこがまた良い…。
さわり心地も柔らかくて、繊細で・・むさくるしくない。


「おはよう、キセキ。
確かにキセキには御世話になったし、恩は返さないとダメだって…。
私も分かってるの…。
でも…」

無理に決まってる。
もう、私と交際した過去は忘れて欲しい。
キセキ、私はこれから自分を認めて、レズとして生きていく。
偽ることにもう疲れたの…。

≪キセキさん狙う虫がやってきたわ。
ミルル腹立つ≫

ミルルがこっちを睨んでる。
ミルルってやっぱり好みのタイプ…脱がしたらどんな体なんだろ…。
ちょっと気になるかもしれない…。
少しだけ似てるかも…体型が…巫女様に。
でもそんなこと考えてたら、真面目に巫女様に私は叱られる…。
私は見張られてるかもしれない巫女様を思い描いて…視線は逸らした。
巫女様って不思議な能力で、私が送る…日常まで覗いてるらしくて…。
どんどん隠してたことまでバレテ私は焦ってる。

だけど…気のせいなのかな?
毎日、見てるから分からないけど…。
前よりミルルが痩せてる気がする…。
二の腕とか…巫女様並みとは言わないけど…何と言うか…ちょっと細すぎてるような…。
今日見たテレビCMで出てるミルルより細い気もする。
気のせいかな?
ちゃんとご飯、食べてるのかな?
今…ミルルって何キロぐらいなんだろ?
前で…165cm45kgって聞いて物凄く細いって感動したけど…。
気のせいかな?
顔がフックラしてるし…大丈夫なのかな?

クラスに着けば…ミルルのことを噂する男子たちの声がする。

[何だよ?
俺らがいるっていうのに、キセキが全部取って行って]

[今日も見た?
俺さ、ミルル様って制服よりワンピの方が似合うってビックリした。
あのCMと今と全然違うぜ]

[そうだよな?
あそこまで美人とは思わなかった。
撮影技術もあるのか?
あれ?]

[確かにミルルちゃんは高嶺の花だ。
よくタリアもあんな女に好きと公言できるぜ]


[もう俺らとは住む世界が違うらしいな…。
テレビの中の住人か…]

[まあ、美人過ぎて小心者で無口なタリアが声掛けできねえのは分かるぜ]

[ミルルさん、あのCMでは良い女だったよな?
しかし…口が悪いが…]

全員、あのCM見てたみたい…。
確かにミルルって正統派モデルって感じがした。
眼鏡がとっても似合ってた。
あれ、本当に良かったと思う…。
ただ、最近…あれより痩せてる気がして仕方ない…。
大丈夫かな?
ミルル、昼ご飯食べてるの最近、全く見ないけど…。

☆☆☆

それにしても…コイツ、タリア・・。
何なの?
あの顔…。
凄く何か言いたげに私を見てる。

止めて欲しい、変に気を持つのは…悪いけど、私は巫女様を思うからこそ命を捧げてる。
モテないからって昨日しただけで勘違いすることは止めて欲しい。

瞬時に、私はヤツをキツク睨んだ…。
コイツはモテない。
だからこれぐらいハッキリしないとストーカーしそうで怖い。
私はだからこそ突き放す。

以前は…教室にいる時は、クラスで今日は誰が一番、可愛い女子か常にチェックしてたけど。
それも止めた。
全ては巫女様への愛ゆえ。
巫女様を崇拝すればこそ何でもする気。

Uウチもマナナ嫌い。
キセキくんと仲ええなんて。
幼馴染撲滅するU

この子はロリ体型。
これも結構可愛いかも。
私は好み。
胸がなくて尻もなくて小学生みたいな体つきだけど。
気さくで一緒にいると癒されそう…。
放課後、最近…メイド喫茶でバイトしてるみたい。
一度、見たけど…もう物凄く萌えた。

Uご主人様、ウチ買ってや、儲けるでU

って、メイド喫茶で勤務中に黒いメイド服で言われたときは悶えた…。
カンサイって…萌え服が似合うみたい…。
ちょっと、仲良くなれそうな気さえした…。

私は何故かキセキのせいで…女子から嫌われてる・…。
こんなに女子がすきな女だっていうのに…。

||マナナなんてどうでもいいわ||

大和ナデシコ。
羨ましいことに私より背が高い。
ちょっと好きかも…。
放課後は自宅で茶道や華道をしてるみたい。
茶道の時、着物で歩いてる姿目撃したことある。
結構色っぽかった…。
ナデシコって、物凄く和風顔だって思う。

「タリア、おはよう」

嫌だけど、巫女様を思えばこそ挨拶する。

『マナナ、おはよう』

やっぱりタリア…前までは私を睨んでたくせに・…。
絶対、昨日で味を占めて勘違いされてる。
コイツ、女体が好きらしい。
私も女が好きなのに…。
勝手になんか喜ばれまくってる…。
ちょっと気持ち悪いかも…。

「そう言えば…君はあのあと…。
マナナに殴られたのか?
何か睨まれて呼び出されてたが…。
本当にタリアとマナナは昔から仲が悪いな…。
僕も収拾に追えない…。
今もマナナはタリアを睨んでる…」

「タリアのことなんてどうでも良いわ。
キセキ…」

当たり前よ。
昨日のことなんてオゾマシイワ、精神的に…。
タリアは変に気を持たれないように威嚇する。
コイツは私と巫女様の関係を知ってるらしいから。
私たちの関係に入れるやつなんている訳ない。
モテないから性病の心配はないかもしれないけど…。
もう、嫌すぎて…。
思い出せば、もう顔も引き攣る。

「そうか。
君たち二人は昔から犬猿の仲だ…。
タリア、君もマナナと和解しろよ。
どうせまた君はマナナを苛めてるんだろ。
マナナは君を憎んでる」

そのとおり、キセキ。
コイツに私は巫女様との関係について恐喝されて貞操まで奪われたようなモノ。
コイツは卑劣男、憎んで当たり前。

『…』

「素直になって、ミルルには声を掛けて落とし…。
マナナとも仲直りするんだな。
まあ、タリアには難しそうだが…。
僕は君に期待してる」

『…』

これからは前以上にタリアは睨みまくる。
でもあまり見ると目が疲れる。


キセキ達がいる窓際から去って…自席へ行き、座り込んだ…。
早く巫女様の下敷きに会いたい。
しばらくエロい目で見てしまう…。
大好きな巫女様と関係をモテたことは嬉しいから…。
その間も視線を感じる、タリアからのこれは困ったこと…。

☆☆☆

そこへまた、キセキがやって来る。
私が座る机の前へ。

「マナナ、無理するな。
僕が教える…」

≪キセキさん、もう諦めなさいよ?
ミルルにしたら?≫

Uそう言えば、マナナ聞いたで。
ウチ、バイト先で。
マナナ巫女様と友達になったんやってな。
あの噂、ホンマなん?U

私の前でカンサイがビックリすること言ったから…目が点になった。

「なってないけど…。
それってメイド喫茶で聞いたの?
誰から?」

Uなんや、噂か・…。
いろいろな人から伝達してるらしいわ…。
最初、誰が言ったか知らんけど…。
結構な噂になってるみたいやで。
マナナって、あのミサ、連日通ってるらしいなU

≪そうなのよね?
マナナ、ミサだけは昔から毎日、通ってるみたいで…≫

「結局、君は未だに巫女様と友達になれてないのか…。
それは切ない話だな」

||無理でしょう?
巫女様はアラ人神、友達になんてなれる訳がないわ||

「キセキ、私…自分一人で勉強するから。
さよなら。
アッチへ行ってて」


どうしよう…。
お母さんのせいで…もう、そうとう噂が広がってしまったみたい…。
一応、否定したけど…巫女様の耳に入ったらどうしよう・・・。

猛烈になんか、視線を感じる、タリアから…。
やっぱり、私が思った通り、勘違いされてる。
顔を真っ赤にして…タリアは睨んだ。

猛烈に怒ってると言う意味。
アイツ、最低男だと思う、私。
巫女様もなんであんな奴を…。
タリアも断れば良いのに…。
ヤリタイからって引き受けて。
酷過ぎる。
巫女様は許す、愛してるから。
アイツは元々憎い、アイツは怒り狂って当たり前。
ムカつきすぎてる。

しばらくして…鞄から…下敷きを出して…。
私は・・溜息を吐いた・・。

私が愛する恋人がそこにいる。
絵に暮らす天女。
この方を手に入れるためだけに私は10年間もほぼ連日通い詰めた。
建前は友達になるために…本音は気が付けば、恋心のみで。

いつ見ても綺麗すぎる。
見れば心が癒されて仕方ない。
脳裏に巫女様の裸が…目に浮かぶ。
それから笑顔。
もう巫女様って本当に可憐で美しすぎるお方。
私だけじゃない…複数の客がファンになって…。
なんか脈があるの?っていうくらい、プレゼントまで…。
巫女様に渡してる…。
巫女様を見れば俗世まで忘れる。
神の存在まで信じる域。
だって・…常にクルクル発光して色までお変わりになるから…。

私は巫女様へ忠誠を遣わし、自己犠牲を強いられてる…。
恨みは全部…アイツへ向けてる。
巫女様は悪くない、天使…。
巫女様に早く会いたい。
ココはもう嫌。
今日もアレがあるって言うの?
正直、そりゃ私も人間だから感じないわけでもないけど…。
精神的に屈辱過ぎる。
どうすれば良いの?
私が慕う巫女様…。
これが私に与えられた巫女様を手に入れるための試練なのですか?
私は巫女様から出た言いつけを仕方なく…耐えてます。
どうか…巫女様も・・。
私を愛してください。
もう、この役目、疲れてます。

ああ…。
またなの?




巫女様と私が会ってから、いったい…もう何年なんだろ…10年以上かもしれない…。

初めて会った瞬間は、確か…。

私は父がターシャ教幹部で…ターシャ国立公園に勤めてるから…。
よく、幼い頃は…父親が仕事から帰って来る折に、母親が私を連れて父を迎えに行ったり…。
…私や母まで…父が仕事関係で交流する重要な人と会うこともあった。

ある日、そういう関係で…初めて、夜7〜9時に開催されると言うターシャ泉のミサに…。
私と母は出席した。
入園1か月前だったらしい…お母さんから聞いた話によれば…。
と言うことは…キセキより私は巫女様と交流してる縁が長い。

当時は…ターシャ泉に妖精がいるなんて本当か?って子供心にワクワクしたらしい。
もう昔過ぎて覚えてない、母がしてくれた語りもある。
初めて行ったとき、母から聞いた話では…ターシャ教が示すシンボルマーク…右半分オレンジ色の笑顔、東半分紫の泣き顔で出来た鬼面を被った女性と。

あと…巫女様がいたらしい。

私は巫女様のことだけ覚えてる。
巫女様は天使だった。
それぐらい。

そこから…あまり覚えてないけど、母に頼み込んでミサへ連日出席したらしい。

それから…幼稚園でキセキと私は知り合った。

キセキはアイツとも友達だから、私とキセキ、アイツの3人で仲間って思いたいみたい。
勝手に幼馴染扱いされてるけど…そこは違う。

確かにずっと金魚のフンみたいにアイツもキセキの隣にいた中学までは…常につるんでた。
キセキとアイツは友達だったのに…キセキが女子にモテ始めてから二人の仲も疎遠になった…。
アイツが邪魔で…私は昔、キセキに会いに行くことが憂鬱だった。
当時、キセキって本当に美少女級だったから…私、狙ってた…でも…最近、幻滅してる、キセキに…。

私は…キセキと友達だけど…タリアは別に…。
アイツは、キセキの友達だって思う。

幼稚園時代はミルルがキセキを苛めるから、私が助けてた。

私はいつもミルルがキセキを苛めるのを止めるフリして…ミルルの体へ抱き付きに行ったり…。
しがみ付いて今日のパンツを見たり・・。
エロしか頭にない幼稚園児だった。

私は…ミルルとキセキ、私の3人で幼馴染っていう認識。

キセキはミルルを幼馴染って認めてないみたい。
まだ、キセキには…昔のしこりがあるのか…。
キセキは…全面的に、自分の親友タリアと、自分を苛めてたミルルとの恋を…協力してる…。

因みに、ミルルの家は躾がキツイみたい…。
未だにタリアのことも苗字で”月神さん”、キセキのことも…。
”キセキさん”。
異性を呼ぶときは…敬称”さん”が語尾に付かないと、ミルルは叱られるみたい、親に…。

それに対して、私の家は甘い…放任主義。
ミルルと私は、よく正反対と言われる…。


それから、小学時代は覚えてる…。
名目は…母と共に父が務める仕事場へ、迎えに行くついでとして…母とミサへ行った。
母も父も、泉に住む妖精さんと私が友人になることは…超協力的だった。

泉で働く妖精さんって村人にも…謎が多い存在ってされてるらしくて…。
父なんて、もうターシャ祭りが開催された時しか会えないから…いつも巫女様はどんな人かって、聞いてた。
母も巫女様へは褒めまくりで。
もう巫女様って村に存在する生き神様だから…。

当時した願い事は…やっぱり勉強に関することだった。
お蔭で少しは効果があったかもしれない…。

高校も結局、ギリギリだけど…クラス一才女なミルルが通う高校へ…ドベに近い私が入れたことは…たぶん、奇跡。
全員、ビックリしてる。

それにしても、幼稚園時代…キセキって、本当に可憐な女の子みたいで…よく女子に女の子って間違われて、カラかわれてたのに…。
ミルルからも…。

小学校時代も女の子みたいな見た目だったのに…。
中学1年生時代も…女装コンテストで優勝しそうな雰囲気だったけど…。
だんだん、むさくるしい。

しかも性格まで上から目線に最近、キセキがなってる。
もうキセキが女装しても…似合わないかもしれない…。

私に残された希望の男子なんてもういない。
キセキが成長した姿については…予想を覆されて、ガックリ来てる…。

幼稚園ぐらいは…ミルルを含めた女子から女みたいな見た目と言われて、泣くキセキを…私が庇ったのに…。
キセキが…だんだんムサイ。
もう私は見捨てた。

キセキは顔だけがまだ今でも、中性的でジャーニーズとか通りそうな気もする。
でも…何か肩幅が邪魔。
あれをマフラーを駆使して隠して…根性で女装させたら…。
だけど…最近、どんどん…何かムサクなってる…。
もっと儚げで線が細い女装が似合う可憐な美少年に育つと期待してたのに…。

私に残された希望は巫女様だけ。
その巫女様まで18歳以後は性転換なさるなんて…。
もう泥沼も良いとこ。

確かに私は女しか愛せない…男なんてむさ過ぎる…長年、先天的にそういう性癖。
今はまだ17歳で自分について迷ってる。
真性レズからマトモになることは至難業。
巫女様のため、猛烈にムサく醜い男、タリアで慣れた方が良いのかもしれない…。
巫女様を愛してるから…。




今、朝礼前なんだけど…今日は、机に座って真面目に暗記してる。

その時、朝礼のチャイムが鳴った…。

---キンコンカンコーン、キンコンカンコーン。

しかし…今日は担任が来ない…。
カンサイの親戚らしい先生・…。
女性で、カンサイに似て…子供体型のオールバックショートカットな女の人…。
オシャレ染めでオレンジに髪は変色してる、それから服は薄ピンクのワンピースが多い。

本当にアニメ声。
時々、小学生に間違えそうになる…。

---みなさん…2年1組は一限目、ホームルームにします。
ゆっくり待っていてくださいね…。
カンサイに似た特徴のあるアニメ声が流れてきた。
ウチのクラスの担任だ。

難波アニメって名前の先生。
本当にアニメ声…声だけ聴くと本当にびっくりする。

教室中が大歓喜。

[やったぜ、遊びまくるぜ]

[何して遊ぶ?]

[やっぱ、懸けごとだろ?
今日こそ、タリアはミルル様に声掛けれるか]

[誰でもわかるだろ、無理だろう]

[他のネタにしろよな?]

[そうだな…。
いつになったら、高嶺の花にタリアは声がかけれるんだ…?
じゃ、連日ミサへ行ってるらしいマナナがいつになったら巫女様と友達になれるか懸けようぜ]

[あの噂、嘘だったのか…。
なんか、俺の家にも流れてたけど…]

[さっき、聞こえてた話では…マナナ、否定してたよな?
ああ…俺の両親も面白そうに話してたのに…その話…]

[何円懸ける?
友達になれると思うか?]

[無理だろう、何せ…神話の妖精様だ。
アラ人神だろ?
無理すぎるだろう…]

[そうだよな?
ミルルちゃんを落とすのも難しいが…更に無理だろう、友達になるなんて。
恐れ多い…俺の母も祖母も妹も姉も無理らしいから…]

[男はターシャ祭りでしか会えないなんて…七夕かよ]

いつも通りに男子たちの会話に花咲いてる…。
この男子たちに入学当初に頼んでミルルと自分の恋を取り持つように頼んだのは…。
アイツ。
それなのに…アイツったら。
下心に落ちて。
巫女様からの依頼を引き受けてる。
面白いわけない。

それから…お母さんのせいで…クラス中に噂が流れてる…。
どうも、私だけじゃなくて…全員、巫女様と友達になりたくてたまらないみたい…。
それはそうだと思う…。
巫女様、いつもミサの時も全員に頼まれるたびに断ってる…。
ココは誇らしい。

☆☆☆

タリアから見た日常F


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ああ巫女様A






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