アナタノコトガスキデス

萌え妄想のまま走るいろいろ創作小説の予定。苦情無断転載禁止。

タ リアから見た日常F



木曜日だ。
今週末の日曜日には年に一度のターシャ祭で建国記念日と重なり、金土日の三連休だ。

☆☆☆

登校して、教室に入り、着席する。
今日はキセキがまだだ。
ナデシコやカンサイ、ミルルは…ゼロの席の前にいる…。

何故か・・またゼロの緑眼と視線合致した。
どういう意味か・・。
これは?

マナナが教室へ着いたらしい…。
クラスの扉が開閉して、低身長巨乳系女子――マナナがオカッパ黒髪を揺らし入室してる姿が目撃できた。

ゼロがいる教卓中央に近い、中央列最前席で…。
女子3人トリオ…眼鏡系女子ミルル、和風女子ナデシコ、ロリ系女子カンサイの3者が結集してる。

≪初日はあんなのだったけど、苛め甲斐もないヤツだけど、気に入ってあげてるわ?感謝しなさい?≫

Uなあ、ゼロくんってどこに住んでるん?
どこで日本語覚えたん?
寮生ちゃうらしいなU

||あたしはナデシコよ?名前で呼んでね?
ゼロくん…。
キセキ君、遅いわね…。
つまらないのかしら?||

【ハン?
ノウノウとしたヤツらだ…。
オマエら全員ソウダ…】

≪このブラックな感じも良いわね?
で、どんな家なの?
家族構成は?≫

Uミルル、アンタはキセキさんだけにしとき。
ウチはゼロくんとキセキくん両方戴くわU

||何言ってるの?
カンサイ、アンタには…メイド喫茶のお客様もいるでしょ?
お客様が知ったら泣くわよ?
バイトしないと…下宿への仕送りだけではキツイ癖に||

Uウチ、苦学生やで・・・!
ココがウチのポイントや!
ゼロくん、ウチにしとけよ!
メイド服見せたるから♪U

マナナが今日は俺の席へ迷わずスタスタ歩み寄った。

「おはよう、タリア」

『マナナ、おはよう』

マナナが…はにかんだ笑顔で照れた様子だ…。
機嫌良しだ。

「えと…教室でバラスって本当なの?」

『俺はどっちでもいい』

期待してる。

「ミルルのこと、どうする気?」

『ミルルは強い…。
俺もビックリしてる…。
留学生が来た途端…幼馴染のキセキがいない席では…猛烈にゼロへアタックしてる…』

大丈夫に決まってる。
へこたれる訳ない女だ、当たり前だ。
俺のこと…眼中にすらないだろう。

[あれはタリアの天敵…マナナだろ?]

[今までタリアのこと、容姿散々に貶してた女子だ。
どうせ、今日も猛烈にタリアを攻撃してるに決まってる]

[それにしてもミルル…。
留学生ゼロが来た途端…あの調子だ・・。
タリアは大変そうだ…。
落とせるのか?]

[無理だろう。
俺達ですらミルルは高嶺の花に決まってる。
なんせCMに出てるレベルだ…。
もう学園レベルなんてものではない…テレビ世界の人間だ…]

[タリアもそろそろ自分の身分を弁えて…諦めましたと俺達に宣言した方が良い]

男子たちが周囲で勝手に噂話へ花咲かせてる。
聞えよがしだな。

『おまえに合わせる。
さすがに…言いにくい…。
おまえもあまりにも俺を長年、攻撃しすぎてた。
余計に騒がれてる…』

「そうよね。
どうしようかしら…」

そこへ男子たちが接近してくる。

[タリア、おまえ…どうしたんだ?
まさか…マナナと付き合っているって本当か?]

『…』

俺は黙った。
早く言ってくれと言う意味だ、とても期待してる。
ワクワクしてる。

「罰ゲームみたいに付き合うことになったの」

俺はマナナを凝視した。
(ハア?)と頭はなった。
クエスチョンマーク全開だ、今。

『…』

[罰ゲーム?]

[どういうことだ?
異能?]

[マナナは罰ゲームをしてるのか?
誰からだ?]

「それは言えないわ。
とにかく、何故か付き合うことに…」

『…』

俺は困った顔だ。
何を考えてるのか?
意味が分からない…。
俺が聞きたい。

[タリア、罰ゲームなのか?
タリア?
ミルルはどうしたんだ?
7年近くは…好きだったんだろ?
さすがに留学生ゼロまで現れて諦めたのか?]

『…』

どうでも良い。

[確かにアイツは強敵だ。
俺も懸けには勝った。
悪いがおまえがミルルを落とせるに懸けてる人間なんて誰もいなかった…]

『…』

そうだろう、別に良い。
ちょっと悲しそうな顔にもなる…。
期待してただけにショックが酷い。
意味が分からない。
何を言ってるのか?

[まあ、罰ゲームか…。
すぐ別れるだろう…。
おまえだけがモテて良いはずもない…]

『…』

そんなことないと願ってる。

[ミルルのこと、諦めたのか…。
小学生時代から好きだったらしいのにな。
初恋なんてそんなものだ、元気出せよ、タリア。
確かに留学生ゼロ…アイツは俺も気に食わない…。
先におまえが付き合うなんて…女子と。
ムカつく]

『…』

まあ、機嫌は良いが…。

「そういうことなの…。
タリアも悲しそうな顔してる…ミルルをゼロにまで奪われたの…。
余程辛いみたいで…」

マナナがミルルの方角を見た…。
ミルルの腰まで伸びた茶髪がいつにも増して、キューティクルに輝き、教室天井ライトに反射して天使の輪っかが出来てる。
マナナは若干、髪がボサボサになることもあるが…羨望の眼差しを送ってるのだろうか?

この件に関しては、別に辛くない。
マナナはまだ…幼馴染の女子――ミルルに…未練があるのか?
違うだろ?
少し、意味が分からない回答だ…。

[確かに、そうだな…ミルル…顔が真っ赤になって…ゼロを見てる…。
あれはタリアにとっては絶望だろう…。
タリアの気持ちが俺らにも伝わってくるようだ]

[まあ、良かったな。
どんな罰ゲームか知らないが…マナナと和解したのか…。
俺らなりにミルルとタリアの恋を協力してたのに…結末とは寂しいモノだな]

『…』

罰が悪い、協力させててなんだが…アレは嘘だ。

[っていうか・・タリア・・おまえ、マナナだけは嫌いだと俺達に言ってなかったか?]

『…』

カラカワレルのは好きではない。
今と状況が違い過ぎてた。

[マナナ、罰ゲームなんだろ?
明日には別れるだろう…。
そっちに懸けよう…]

『…』

そんな訳ないだろう、多分。
俺の体に落ちてるだろう。

[罰ゲームってことからして、マナナは別にタリアを好きでもないらしいから…。
安心した。
そうだろう…。
そりゃわかる]

『…』

言いたい放題だ、ムカついてる。

[タリア、罰ゲームで付き合ってマナナに本気になるなよ。
自分の身分を弁えろ…それから、ミルルは高根の花過ぎる…。
なんせCMに流れるレベルの美女だ。
自分の身分も弁えず、面食いにも程がある]

『…』

ウルサイ奴らだ。

男子たちは去って行った。

ちょっと元気がない・・。
目が泳ぐ…。
予想してたのと違う…。
マナナがだ…。

「元気出しなさいよ?
ミルルのことは諦めたんでしょ?」

『そうだな…』


☆☆☆

そのあとキセキが教室へ到着したらしい。
キセキから挨拶がある…。

「おはよう、マナナ、タリア」

「おはよう。キセキ」

『おはよう、キセキ』

ちょっと機嫌が良い。
紹介してもらえるはずだ、マナナから。

「マナナ、君がタリアの席にいるなんて珍しいな」

「そうね…」

『…』

マナナからジーと見られる。

「タリア…言うべきなの?」

『…』

当たり前だ、待ってる。

キセキが茶髪をボリボリ掻き毟りながら、マナナがいる俺の席へ歩み寄る。

「君とマナナが和解するなんて今日は夢のような日だな」

『…』

向こうの方から男子たちの声が聞こえる…。

[そう言えば…マナナって前までキセキにアタックしてて念願叶って付き合えたのに、突然…メールで振って…。
で、今…タリアと罰ゲームで付き合ってるんだろ?]

[普通に考えて今、物凄く気まずい空気なんじゃね?]

[良いのか?
あれ?
放置してて]

[俺らが解決できる問題を越えてる…]

マナナがキセキを見詰めてる。
キセキは茶眼をパチクリしてる…。

「君たちは罰ゲームで付き合うことになったのか?

今、男子たちから聞こえた言葉は真実なのか?」

マナナは俺をじっとり見詰めてる…俺は期待を含めた目線でマナナを注視してる。

「タリア、たまには対応しなさいよ。
何で、私ばかりなの?」

『…』

期待してる。

「マナナがそんな反応だってことは本当なのか?」

「キセキ、アンタからも頼むわ。
タリアを叱って。
コイツなんも反応してくれない」

『…』

それもあるが、俺も実はキセキには気まずい。
俺がもともと交際してたキセキとマナナを撲滅して…。
根性で誘導して、寝とった。
マナナが今では俺が好きですと宣言すれば大解決だ。
俺が望む回答はそれだ。

「タリアが無口なのは昔からだ」

「君へ聞く…。
まさかタリアと付き合ってるのか」

「自分でも理由が謎なのに、何故か付き合うことになってしまってるの…。
こうとしか言いようがなくて…」

そんな筈は。
もう少しハッキリ、コイツには言うべきだ。
「今ではキセキよりタリアなのよ?」と言っても良いだろう?
当たり前だ。
その方がコイツにとっても身のためだ。

「そうなのか?」

「そうなの…。
何でこんな話に?」

『…』

俺は困った顔になる。
また期待してた回答と違ってる。
何故、言えないのか?
照れやなのか…マナナは…。

「タリア…」

『…』

マナナが溜息吐いてる。
どうも察するに照れてそれは言えないらしい。
仕方ない、許そう。

「そうか…君はとうとう、転校生ゼロの存在で…ミルルを諦めたのか…。
それにしても…マナナ、君はタリアが嫌いだったはずだ。
それからタリア、君もマナナが嫌いだったはずだ。
本当に不思議な話だ。
この話にはどうも裏がある気がしてたまらない…」

裏はない、ただ…マナナが照れてハッキリと言えない性格なだけだ。
もうキセキに勝ち目がないことは確かだ。

「キセキ、私…キセキが塾で落とせること、祈ってるわ」

「マナナ」

『…』

マナナもこう言ってる。
もう、キセキも忘れるべきだ、過去の出来事に決まってる。

≪キセキさん、おはよう。
ミルルが手洗いへ行ってる間に…来ていたなんて≫

Uウチもおはようや。
キセキくん、ウチにしろや?U

||キセキ君、今日こそあたしにしてよね?||

うるさい女子3人組がやって来た。
どうでも良い。

「君たちは僕より…ゼロに目移りして、悩んでいたんじゃないのか?」

≪うーん、ゼロさんも悩むのよ?
でも、どちらの花も良いのよね?≫

||あたしもいろんな種類の花を生けたくなるのよ?
だって、実家で花道やってるからね?||

Uたまには違う種類もいいわ、おこらんといてや、キセキくん。
テヘ♪U

「そうか…。
そうなのか…」

キセキが暗い。
ちょっと挫折したのかもしれない。
慰めるべきか?
しかし…。

『…。
キセキ…おまえはターシャ祭りで…塾の子のことを祈るんだろ?』

本命に行け。
どれだけ目移りしまくりだ、モテ男は羨ましすぎて仕方ない。
マナナは諦めた方が良いだろう。

「そうだ。
そうだった、僕にはまだいたんだった。
それ以外にもバス停の子や、喫茶店の子も。
元気を出さなくては」

急にキセキが元気出し始めた…茶目に爛々と光が灯り始めた。
タフだ、コイツ…。

「キセキなら出来るわ。
私には分かる、教室で一番、格好良いのはキセキだから」

「マナナぐらいだ、そうか…君の目にはゼロより僕の方が格好よく見えてるのか…」

「うん」

俺は…目をパチクリとした。

『…』

じっとりとマナナをを見詰めた…。

何を言ってるのか?
この女…。
幻滅だ、やはり…俺の敵は未だにキセキらしい。

一瞬、浅黒い肌した異国から来たゼロも敵かと思ったが…間違いだったらしい…。
根性でもこの茶髪茶目長身モテ男――キセキと女子大生をくっ付けなければ…。
アレは…大変そうだと言うのが感想だ…。

☆☆☆

キセキは茶目を右往左往動かして、茶髪を手で触り…女子3人組を侍らしたまま、自分の席へ戻った…。
アイツ、憎い。
やっぱり、キセキはムカつく。
友とは認めない。

キセキの席で…女子3人に報告をしてる…。

「ミルル、元気出せ。
今日は悲しい知らせがある…」

≪何なの?キセキさん?≫

Uミルルにだけか?
ウチも気になるわU

||ミルルの不幸はあたしの幸せよ、言ってみて?
キセキ君?||

「ミルル・・君はとうとう、タリアに振られた。
タリアはマナナと付き合ったらしい」

≪え?≫

U嘘やろ?
あの根性なしU

||さすがに…留学生ゼロ君の存在で諦めたのね…ミルルのことを||

勝手に勘違いされてる。

「元気出せ、ミルル。
君を狙う男子は他にもたくさんクラスにいる。
その奴らを僕は協力する」

≪ミルル嬉しいわよ?
これでキセキさんが私を断る理由もなくなったわね?
遠慮なんてしなくて良いのよ?
ほら?
ミルルへ行きなさい?≫

ほら、タフだ。
分かってた。

Uくー、なんや?
あのマナナはビッチかいな?
それから月神くんは腑抜けヤロウの根性なしかいな?U

||何なの?
今のニュース。

あたし全然、嬉しくなんてないわよ?||

「ミルル、君はゼロが好きなんだろ?
そっちに行け…。
ゼロは今、教室に何故かいないが」

≪ゼロね…悩むわ?
キセキさん、ミルルがゼロさんへ行くと泣くかしら?
そんなこと言って≫

Uミルル、ゼロくんもキセキくんもウチのものや!U

||何言ってるのよ、
両方…。
いいえ、どっちかがあたしの将来の夫確定よ?
ゼロくんにはターシャ祭りであたし、着物姿で抹茶を振る舞うわ。
これでいちころよ?
悩むわ…キセキくんとどっちにしようかしら?||

「君たちは…。
優柔不断すぎる…。
僕は失望してる…」

マナナが心配することなんて何もない。
予想出来てたことだ。

☆☆☆

「ねえ、タリア?」

マナナが俺の席にいる、朝礼まで5分だ。
あろうことか…マナナはこっそり、俺の股間辺り触ろうとしてる。
俺は、手を抑えた。

可愛い女だとは思うが・・・教室では慎んでほしい。

ノートを出してきて…。

”クラスでは止めろ、すぐにばれる”

と鉛筆で描いた。
しかし、マナナは密着だけはしてくる。

ここまで甘えて来るんだ。
絶対、俺にメロメロな気がする。
それなのになぜ、キセキの容姿を未だに褒めるのか。
いい気はしてない。

[なんだよ、罰ゲームで付き合って…イチャイチャしてやがる、タリアの席。
それからキセキの席…相変わらず花がまわりに3本だ、両手に花どころではない。
前左右にだ…。
花一本がそれただけかよ…]

[本当につまらない。
タリアのどこが?
でもどうせ、罰ゲームだ。
明日には別れるはずだ、100円は懸けてみよう]

[俺も300円ぐらいなら懸けても良い。
前まで散々にマナナは貶してた]

どうせ僻みもある。
勝手に言わしとく。

[ああ、モテたい・…。
今年のターシャ祭、それを頼もうかな?]

[あれ、物凄い人気で…定員が会場から溢れるレベルらしいぜ…。
くじ引きになることも多いらしい…。
巫女様が番号札を引くらしい…]

[そうなのか…]

[それか、巫女様が客を選ぶ権利まであるらしい。
巫女様に当日までに…何とか通い詰めた女性客は取れるが…。
男はそれが無理だから一般では通えないし…大変らしい]

[そうなのか…]

[謁見は許されても力を与える儀式は物凄い人気で、一日で終わらないことも多いらしい。
世界中から寄ってたかって来るかららしい]

[なるほど…]

[女性は一般もあるから一応、男性客を優先してるらしいが…。
無理難題過ぎると…逃げられることもあるらしい]

[おまえ、何がいいたい?
俺がモテるのが…無理難題だとでも言いたいのか?]

[そう言う意味ではないが…彼女が出来るようにレベルぐらいの謙虚な願い事の方が通過しやすいんじゃないか?
一度、アホな男子が…世界征服とかくじ引きの紙に書いたが…除外された。
無理なのは落とされるらしい]

[まるで、入試試験だな]

[そうだ…それぐらい、ターシャ祭りは人気だ]

モテるのは無理だろう。
俺でも難しい。
そんな願い事、跳ねのける。

キセキが同じ願い事したが…それが叶って、未だに酷い目に俺は合ってる…。
絶対、そんな願いは受け入れない。
俺がモテたい。

☆☆☆

授業が開始される。
浅黒い肌した異国情緒漂う男子―ゼロは勉強もできるらしい…ムカつくが徒競走も死ぬほど早かった。
女子が喚起してる。
しかし、マナナ目線ではキセキより下らしい、容姿が。
それは良いだろう。

[キャーまたゼロくんが100点だわ]
[徒競走も一番だったわね]
[悩むわ]

ゼロは…教壇中央に座ってる。
最前列ゼロへ周囲の女子がアタックだ…。
あとから入って来た新入りが俺より注目を浴びてる…。
しかし、マナナ的には、キセキより格下らしい。
そこは評価しよう。

【ウルセェ】

[良いわ、もっとしゃべって!]
[どうして、休み時間、ほとんど教室にいないの?]
[ねえ、何やってるの?休み時間は…]
[学校が終わったら…瞬間移動並みにいないけど…。
どこが家なの?
私だけに教えて]

【ダリぃ】

[ゼロくんて…日本語もだけど…漢字もカタカナもどこで覚えたの?]
[邪神国で日本語の科目ってあるの?]
[こっちでは邪神国の言葉って知らないけど…。
独自の言葉があるって聞く…本当?]
[あの国のニュース、報道されてるけど…。
どう思ってるの?
ゼロくんは]

【平和ボケすんな、ゴラァ】

[そう…あたしたちのこと、好き?]
[この国気に入った?]
[両親はどこにいるの?ターシャ国?]
[兄弟とかいるのかな?]

【スキになれっかよ、オマエラ…敵ダ。
ウゼェ】

何故、俺とよく目が合う?
初日は…マナナばかり見てた。
今はマナナがいないとこでも俺ばかり見てる…。
何が魂胆だ、コイツ?
あまり好きになれない、休み時間の狭間、チラチラ俺と奴の緑眼な視線が合う…。

☆☆☆

化学の時間…ミルル達はそれぞれバラバラな席だ。

≪困ったわね…苛め甲斐がある、キセキさん。
苛め甲斐がないけど…オールマイティで逃げ足まで早すぎる、ゼロさん。
どっちが良いかしら?≫

Uうん、ウチも悩むけどな、完璧すぎるとまたこれはおもろないんやU

||少しぐらいの毒を見せないとね?
だって、顔良し、頭良し、運動神経良しになると…。
なんか逆に興味なくすのよね?
真面目すぎも詰まらないでしょ?
キセキ君のような時々泣いてくれるぐらいでも…。
うーーん、まだ足りないわ。
キセキ君の涙顔を越えるぐらいの胸キュンが欲しいわ。
あれ、あたしも好きなのよね…||

---眼鏡ミルル、おまえは、CMにまで出たからって調子に乗り過ぎだ。
学校でもお前だけは茶髪を許してやってる。
この学校の成績を上げるためにもだ、成績が良いのも知ってる。
しかし…授業ぐらい集中しろ。
男子どもも呆れてる…---

この教室の女子、何故か誰も俺のことを言わない。
何故なんだ?
せめて授業中、マナナ一人だけでも独り言で褒め称えれば良いモノを。
俺のことを…。

化学の独身男性教師は呆れた顔をした。

≪先生、ミルルは完璧過ぎないからモテるんです。
このSキャラな切り口が更にモテるんです。
この意味、分かりますよね?≫

Uそうや、ゼロくんにはそれがまだ足りん…。
だからキセキくんとウチも悩んでしまうんやU

||どっちにつけば、あたし…良いのかしら?||


化学の先生は悲しそうな顔になった。

それより…マナナがまた…茶髪ロング眼鏡系女子―ミルルばかり見てる…。
ちゃんとレズは治ったのか…。
少し心配でもある…。

☆☆☆


お昼休みになった…。
浅黒い肌した留学生ゼロも…キセキも女子3人トリオも学食へ走った。
ゼロとキセキは険悪だ。
ゼロの緑眼がチラリと俺をまた捉える。
キセキの茶色い瞳から…いつもより、陰鬱なオーラが醸し出されてる。
女子3人トリオは弁当持参で学食へ行くらしい…。

☆☆☆

休み時間はマナナに勉強、教える。
二人っきりのアツアツムードに決まってる。
外野席で男子共の妬みはウルサイ。
気持ちは理解する、虫よけ対策にもなる。

[いつのタイミングで別れると思う?]

[さあ、罰ゲームらしいし…。すぐだろう]

[なんか見ててイラつく空気だ、潰したくなる]

[タリアに良いとこがある訳ない。
絶対、俺の方が勝ってる]



☆☆☆

お昼休み、今日は雨か…。
傘を差して…裏山の廃墟へマナナと共に行った。


「タリア。
これから」

『おまえ、ピル飲んでるのか?
俺が渡したけど…初日に…』

「うん」

マナナが俺へキスして来る。
俺の肌に密着して…自分から擦り付けてくる。

俺も勝手にマナナの胸を揉んだり…吸ったりする。
癒される。

「はあ」

マナナは水色セーラー服を脱衣した。
俺も学ランは脱ぎ捨てた。
フェラやパイずりしてくれる、気持ちが良い。

マナナが地べたに寝転がって。
腹を床に付けて…大きな尻だけ出した…。

「タリア、早くして」

『…』

誘われてる。
そのまま、濡れた俺の性器を入れた。
中が暖かい…。

マナナの尻を掴んで、動かしてみる。
激しくしたり、俺が気持ちよく感じるレベルで動く。
マナナから声が漏れかけてる。
オカッパな黒髪を振り乱し…マナナは悦に浸る表情へ変貌した。

『あまり声出すなよ』

「はあ」

いろいろ動きまくって、中で果てた。
本当に気持ちが良い。

『気持ち良かったのか?』

「うん…」

俺の性器をマナナから抜いたあと、俺の胸にマナナが乳房を擦り付けてくる。
マナナからキスされる…マナナの黒目が情欲に潤んでる。
とても機嫌が良い・・。

『今日もおかわりなのか?』

「どっちでも…とてもいい」

『そうか…』

「これからもいっぱいしてね」

『分かった』

どう見ても段々、俺へ落ちてる。
分かる、分かりやすい女だ。

☆☆☆

お互い、指定制服を着て、持参した弁当を食べ始めた。

勝手にマナナの水色セーラー服から突き出た胸の膨らみを触りまくる。
これも癒される。

「タリア。
今週末は三連休でしょ?
ミサのテントに泊まっても良い?」

『良いだろう』

「わあい♪」

「巫女様とずっと一緒に?」

『それでも良いが…いつも学校終わったら、すぐにミサへ直行だ。
普通にデートも良いかもしれない。
泉の外で』

「って言うことは…。
普通になの?」

『そうだな』

「うーん」

「行くなら、カンサイが勤めてるメイド喫茶に行きたい」

『メイド喫茶なのか?』

「うん、可愛い子がいっぱいだし…癒されるよ?」

『俺はそういうのは…』

「でも、一度ぐらいデビューしようよ。
メイド喫茶。
萌えるよ?
行きたいな…」

『良いだろう』

一人で行けばモテない男の極みだが、マナナと行けば良いだろう。
モテ男気分が更に味わえそうだ。

「ありがとう」


『おまえ・…ひとつ聞くが・…。
留学生のゼロ。
アイツのこと、どう思う?』

アイツ…何か、俺ばかり見てる…。
どうも何か…俺は引っかかる…。

「どうって?
別に気はないわよ?
私はエキゾチック系美女がクラスに欲しかったな…。
って思うだけ」

『そっか…』

「アンタがモテないのは昔からでしょ?
嫉妬するなんて、ダメに決まってる。
少しは賢くなりなさいよ?」

『はああ…』

俺は溜息を吐いた。
叱られていると言うのに…何故かマナナが嫌いになれない。
可愛い女だと感じてしまう。

「どうせ、キセキにも嫉妬してるんでしょ?
キセキと仲直りしなさいよ。
これだからモテない男は…」

マナナの乳は服の上からでも触り甲斐もある。
何故かここまで言われても、どう言う訳か…。
俺はマナナを嫌いじゃない、可愛く感じる…。


タリアから見た日常E


小説目次


ああ巫女様@







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