アナタノコトガスキデス

萌え妄想のまま走るいろいろ創作小説の予定。苦情無断転載禁止。

ター シャ泉の巫女E







月神家は…突然変異で…。
昔、人間に文明もなかったころ。
もっと先を進んでいた神様が…雷を当てて…毎日、科学実験したが…。
失敗して生まれた血筋だという伝説すらある。
それは知らない。

もともと…この泉に生息してたクラゲみたいに蛍光するクマノミに似た魚をとても気に入っていた神様は…。

人間がその魚を乱獲することに対して、腹を立てたらしい。

そのあと…その魚と人間を掛けあわせて…。
神様は人面魚をつくろうとしたが…。
てんでダメで失敗したから捨てた人間が…俺の先祖が発祥したルーツだとすら言われてる。
それは知らない。

もうその魚は…太古に絶滅したと言う噂もある。

だから…神様が気に入ってた魚の遺伝子がある俺の一族がココへ来れば…。
神様の怒りが収まる…。

これが月神家に伝わる昔話でもある。

聖書では”ミサ儀式神殿から続く場所に異世界への扉があって、泉の妖精様は異世界から生まれた…神様が作成した半漁人”となっている。

まあ、寓話だろう。

☆☆☆


この青いテントも…かなり頑丈なつくりだ。
テントと言っても…鉄筋だ。
お蔭で…長年、耐久してる。
村が重要文化財に指定して…補修はしてるらしい。
昔ながらなつくりをしてるテントでもある。

そこで俺は白いドレスとベールに着替える。
そこに全身鏡がある、緑の光に覆われた浮世絵離れした人間味が少ない神話の生き物がいる。
草飾りの髪輪をしたら…もう完璧にミロのビーナスだ。

そこから…湖にかかる…細くて白い橋がある。
関係者以外立ち入り区域と表示された看板先にだ。

これを渡れば…俺が出勤する仕事場だ。
夜道、俺だけ緑光に覆われてる。

俺は…村で守り人として、赤いテントへ今日も出向く。

三日月月が天井に出てる。

湖は透き通るように清い水で満たされ…空に浮かぶ三日月を鏡反射して映し出してる。

白い橋を渡って、赤いテントに辿り着けば…。

まだ今日は6時30分だ。

少し早いが…。

玄関前で、マナナが…待ってる。

鍵を閉めてる。

赤いテントにある玄関扉前で、俺は立ち止まる。
首に掛けられたネックレスに吊るされた鍵で…開ける。

「こんばんは。
泉の巫女様」

相変わらず、夏服水色セーラー服だ。

『…』

俺は扉を開けて…それから十字架前にある机前に設置された椅子へ座り込んだ。
机上には…難解な模様をした絨毯が敷いてる。

床は…木だ。

それから天井は鉄筋だ。

ここも重要文化財に指定はされてる。

俺はこの椅子にいなければならない。

手洗い場も一応、右手にはあるが…。

あまり、つかってない。

2時間程度なら耐えられる。

夏は冷暖房もついてる。

村から施された御厚意でもある。

逆を言えばここまで…この施設に力を入れる理由は…。
やはり本気で祟り神がいるとでも言うのだろうか?

俺は平和ボケして全くピンと来ない。

俺は女体化を既にして、長い金髪が…。
机にかかる・…。

白いドレスは…ノースリーブだ。
確かに。
ミロのビーナス誕生絵図並みではあるが…。

「えと…。
私、今日は…。
彼氏とは別れました。
それから…一日、大人しくいました。
あと…勉強も頑張りました。

これで私も泉の巫女様と友達になれますか?」

マナナは顔がウットリと赤い。
今日はオカッパな黒髪が落ち着いてる、時々…アホ毛が出てるが…整えて来たらしい。
めかしこんでる。
いろいろ突っ込みどころはある。

『…』

俺は緑からオレンジの光に包まれる。
本気で何故か言葉すら出てこない。

「無視なのですか?
私の目を見てくださってはいるのに…。
どうして、何も話しかけて下さらないのですか?
私は従者にはなれないのですか?」

『私は…』

何て言えば良いのか。

数秒以上経過して沈黙を破ったのはマナナだ。

「やっぱり私のことを嫌いになりましたか?
しかし…私は…本気であなたのことがすきです」

『…』

俺から放つ光がオレンジから赤へと変貌する。
俺は地面を見た。
この空気は重い。
破りたい。
真面目に暴れそうでもある。

「私はずっとあなたしか見てません。
泉の巫女様を我が神のように崇拝してます。
命令ならどうか何なりと言って下さりませ」

逆に崇拝されてると言われた方がまだ顔も見れる。
マナナの顔へ視線を移した。
マナナは黒目が潤んでる、俺はまた机にある難解な紋様を見た。

俺には無理かもしれない…この勤め。
今、赤いテントから逃げ出してみたい。

「ダメなのですか…?
お友達は…。
従者でも。
下僕でも良いです。
何なりと私をつかって下さい。
愛してます」

俺は机を見詰めて目を瞑った。
頭が狂いそうでもある。

「私は・・・。
泉の巫女様が最初に見た時から神々しくて尊敬の情すら沸きました。
ずっと隠していてごめんなさい。
でも…本当は」

『黙って下さい』

「え?」

俺は溜息を吐いた。

『今日も仕事です。
アナタは黙るべきです』

「えと…」

『うるさいです』

もう本気で対応すら出来てない。

いろんな意味でマナナは痛い女だ。

「私は…」

『それ以上、喋ると。
私はアナタが大嫌いになります』

他に言いようもなかった。
しかし…。
効いたらしい。

マナナは泣きそうな表情でもある。
俺はもう困り過ぎてる。

『少し頭の整理をさせてください。
今日も仕事ですから。
私は。
神仏に身を捧げる…そんな人間です』

「ごめんなさい…」

マナナは泣いてる。
そこまでショックなのか?
もういろいろ困り過ぎて、俺は眉を潜めた。

それから机上へ肘を付き、両手で頭を抱えて…。
長髪で自分の顔を隠して…。
視界を遮った。
目はつぶった。

見ない、聞かない。
整理したい。
と言う意味だ。

「集中するんですね。
私、待ってます…」

まだ喋ってる。
俺は何も返事などしない。

『…』

俺だって辛い状況だ。
これはどうすれば良い?
真面目にマナナは…いろいろ酷い女でもある。
溜息ばかり最近、出てる気がする…。
今も吐いた。

溜息を吐けば幸せが逃げるとは…昔、聞いたことがあるのに。
しないとスッキリ出来ない。

俺はノーマルだ。
マナナはアブノーマルだ。
それを昨日、知った。

俺は女が大好きだ。
これはまたとないチャンスなのかもしれないが。
来年、18歳の誕生日を境に…。
誕生した時間を瞬間として…俺はこの役目からやっと解放される。
昆虫が変体するが如く、俺は不思議な能力を失う。
俺のおばさんもそうだったらしい。

いろいろ酷い状況でもあるが。
俺はモテない。
今しか利用が出来ないのか?

俺はノーマルだ。
何故、この姿でいる時にしかモテない?

瞬きをした。
俺もモテたい。
キセキが憎すぎる。

決意はした。

『良いでしょう。
あなたが望むなら友達とは言わず。
交際しても』

悔しいが男でいる瞬間、俺はモテない。
今を逃せば絶対後悔する。
そう言う回答だ。
顔を上げて、マナナを見た。
マナナは目が点になってる…口が小さくあいてる。

「え?」

『あなたの性癖には悪いですけど…私、死ぬほどドン引きはしました。
アナタにはしないとは約束しましたが…』

嘘は一つも言ってない。
流れるように言えた。

「では、どうして…。
許して下さったんですか?
私が善人になれたからですか?
とても嬉しいです。
ありがとうございます」

マナナの頬が赤い。
微笑んでる。
照れてるらしい。

俺はモテない。
手段なんて選ぶ暇もない、女がいればそれでいい。
男の時、モテなさすぎる。
どうせこの役目が終われば…もう女すら無縁になりそうだ。
レズなんて嫌に決まってる。
だが…花がない人生は疲れた。

『その代り。
私の命令にはとことん、付き合って下さい。
アナタはまさか…私の体を狙ってるのですか?』

もうハッキリ聞いた。
悪いが俺は下心しかない。
やっと女が手に入るということぐらいだ。

俺は聞いてて顔が赤くなったのも気が付いた。
もう悪いが俺はノーマルだ。

マナナも顔が釣られたのか赤い。

「えと…。
私は…そのとおりです。
アナタの肌、触れたいです。
その発光してる肌、どういう仕組みなんですか?」

逆に俺は停止した。
良いのだろうか?
本当に俺はこれで…。
俺は桃色光に覆われた神話の女神…現実味の少ない天使だ。

瞬きをした。
俺は今、迷ってる。
騙して触りまくっても良いのか?
念願の女体が目前にいる。

しかし…早い気もする。
確かに来年、この役目は下ろされるが…。
だが…どっちにすれば…。

「あの…。
触っても良いですよね?
いつか…。
私のこと、好きですか?
えと…いつか好きになってもらえたらな」

いろいろ俺は止まってる。

「この前のキス、心地よくて」

俺は机を見た。
目が泳いだ。
やっぱり逃げたい。

時間を見た。
もうすぐ開演だ。

『もうすぐミサの時間ですわ。
アナタはどこかに行ってください』

俺は相変わらず突き放してしまう。
冷静にならないと仕事に専念も出来ない。

「待ってます。
終わるまで」

俺は机しか見てない。
どこまでマナナは…レズなのか?
本気で驚きまくってどうしようもない境地でもある。
良いのだろうか?
俺はこれで?

そこで今日の客がやって来た。

[まあ。
神々しく美しいターシャ神に愛されたと言う泉の妖精様。
私の願いを叶えて下さりませ。
フィアンセとの結婚がなかなか決まりませんの。
逃げてばかりで…結婚が早まるように私に力を…]

結婚適齢期な女性か…。

女性はこんな悩みも多い。
マナナはあんな性癖だが…一生、結婚はしない気なのか?
突っ込みどころばかりだ。

『分かりましたわ。
私は神に仕える身。
汝に力を与えましょう』

いつもどおりな会話だ。

『瞳を閉じてくださりませ。
それから私の元へ手を差し出してくださりませ』

言ってる間もどうせ…後ろからじっとりマナナは見詰めてる。
俺は気が散る。
目を閉じて…力を与える作業へ集中する。
雑念は全部消す。

その方が俺も楽だ。
今、オレンジ光に…俺は覆われてる。

[何だか…。
手が暖かい…。
ああ。
力が沸いて来るようです。
さすが…見目麗しき神に愛されたターシャ神の化身…]

俺が女性の手を持てば…。
何か呻いてる。
いつものことだ。

『終わりました…。
これで力は入ったでしょう。
汝の元へ』

[本当に夢のように美しき女性ですね。
髪が桃色から橙に変貌して光っているわ…。
全身、微細に光ってるのね。
アナタ…本当に人間なのですか?]

『…』

[確かにターシャ神話そのものだわ。
さすが正統の血筋の泉の巫女様は…凄いわ。
えと…サインくれないでしょうか?
巫女様。
私…ここにまた通いそうです。
今度は…出産願いの祝いで…]

来る人来る人、初対面で崇拝される状況にある。
これは神から送られた化身を認める類な褒め言葉だ。
まさか…マナナみたいにレズとして誘ってはないと思い続けてる。

[えっと…拝観料以外に。
どうしても叶えてもらいたい願いなので…。
お布施も入れても良いですか?]

『お好きにどうぞ。
汝に神のご加護がありますように…』

決まり文句だ。

[あの…その代り、
その光る長い髪に触れても…]

「ダメです。
巫女様は嫌がってます」

俺は視線が横に動いた。
俺を覆う明かりがオレンジから赤になる…。
マナナは…俺がいる隣で座ってる。
これが一番、困る。

[アナタは…何なんですか?
セーラー服を着てますが…]

『すいません。
私のファンです。
私がココでお祈りをしてれば…。
今まで何名かの方がリピートして通ってくださってます。
みなさま、よく私が与えた力で人生に活力が沸いたみたいで…。
それはとても私としてもうれしいです。
これからも私は神に身を捧げたいです』

適当に誤魔化した。
息が苦しい。

[そうなんですか…。
それなら私も御利益がありそうですね…]

何とか…通じたのか?

「私は巫女様の従者になる気です。
髪に触れることは許しません。
巫女様はお怒りです。
巫女様はあらびと神で…。
神聖なる者です。
そこはターシャ神話にも書かれているでしょう」

俺だけ固まってる。
目の前の女性はパチクリとマナナを見て。
俺を凝視して…。
それから…。

[申し訳ございません、巫女様。
私はとんだ失礼を。
これからは慎みます…]

本気でこんな調子で誤解され続けてる。
住人は俺を神の化身と信じて疑わない。
ターシャ神話などデマだと俺は思ってるのに…。
俺が得意体質なのは認めるが…。

「お分かりになられたのでしたら良いですわ。
巫女様、お仕事、頑張ってくださいね。
迷える子羊を正常な道へ導くのを私、後ろから応援してます」

この発言ですら突っ込みどころ満載だ。
一番、迷える子羊なのはマナナに決まってる。
マナナは昔から俺がする予想を覆す発言しか出来ない。

『…』

[また来ます。
巫女様。
ありがとうございます…]

俺は余りな衝撃に任務中であるに関わらず、会話が最後…出来なかった。
その間に…。
女性は手をヒラヒラ罰が悪そうに振って、去って行った。
顔には会釈。
お布施は…2000円。
つまり…3000円か?
よほど、叶えたい願い事らしい。
叶うことを祈る。

今、物凄く疲れた。
マナナのせいだ。

しかし…マナナへ喋りかける気にすらなれてない。
マナナは本気でモンスターも良いところだ…。

☆☆☆


ミサが終わった。
今日は7人捌けたが…。
後ろから従者として口出しするマナナに俺は精神的に疲れ切っていた。
黙ってもらえるようには頼んでおいたが…。
途中から黙っては貰えた。

マナナは客が…女体化で変貌した俺の金髪へ触れようとしたりするたびに、怒ってるらしい…。
そう言うことにしておく。

何故だろう?
疲労困憊だ。

ミサが終わるまでは黙ってもらえるように強制はした。
時刻が9時になれば…。

俺から話さなくても…マナナから嬉しそうに寄って来る。

「泉の巫女様。
私たちの蜜月タイムが始まりましたね。
ずっと、ミサが終わるのを待ってました。
それにしてもあの…初めに来た人、勝手に巫女様の御断りもなく髪に触れようとするなんて。
恥もない人。
私ですら触らせてもらえませんのに」

『…』

俺は困った顔だ。

「巫女様、私は触っても良いですよね?
愛してます」

俺は顔が引き攣ってる。

「私たちカップルですものね?
交際ってことは…キス、もう一回しても良いですか?」

俺は下を向いて溜息を吐いた。
良いのだろうか?
俺は騙してる、マナナを。
マナナの性癖を利用して自分の欲を満たそうとしてる。

しかし俺はクラスではモテない。
長年、モテてない。
黙ってればバレナイかもしれない。
良いのだろうか?

いろいろ悩んでると、マナナが勝手に俺の輝く金髪へ触れて。
それから…俺にキスしてる。
俺は机下を向いてたのに。
もう頭が止まってる。
キスは確かに柔らかいモノらしい。
マナナの唇はポッテリしてる。

「これからは毎日しましょうね。
泉の巫女様。
愛してます」

マナナは離れて、照れたような笑顔みたいなそんな感じだ。

俺だけ動けてない。

「キス嫌ですか?」

『…』

悪いが何も言えない。

「あの…。
足舐める方が良かったですか?」

『…』

前、言ったことは忘れて欲しい、嫌がらせだった。

「今、巫女様の足を舐めても良いですか?」

何だろう?
本気で頭が働いてくれない。
俺がほっといても勝手に向こうから来てくれそうなノリだ。
これがモテ男が味わう気分なのかもしれない。

マナナは照れて赤面してる、嬉しいらしい。
マナナは勝手に俺の脚へひざまずいて。
舌で俺の足をなめた。

これ、かなりエロい。
マナナのオカッパ黒髪の…つむじが見えた。
俺の脚をネットリと舌を這わせて舐めるマナナから…逃げるように…足を強引に動かし、跳ねのけた。
マナナは俺の脚が唇から離れ、床へ正座をしたまま・・困ったような寂しい表情で上目づかいで俺を見た。
マナナは変態らしい。

「巫女様?」

頭を整理したい。
追いついてない。

『…』

俺は黙ってる。

「嫌でしたか?」

『…』

「私は大好きです。
とても楽しくて幸せです」

『…』

物凄く停止してる。
沈黙が長い。

「どこまでなら良いですか?
私は巫女様が大好きです」

俺は瞬きして溜息を吐いた。
これぐらいしか無理だ。

マナナは俺を嬉しそうに見つめてる。
俺はボーと水色セーラーを着たマナナを見てる。

「髪だけでも良いので触らせてください。
巫女様の髪、綺麗なので触りたいです」

『どうぞ』

勝手に触っても良いと言う意味だ。

マナナが少し微笑んで…それから俺の輝く金髪で遊んでる。
長い金髪へ顔に当ててスリスリしてる。

俺の横にマナナがいる。
マナナの膨らんだ胸。
俺は触ってみたい。
女体に興味がある。
俺が女体化した体ともマナナは違う。

それがなかなか言えない。
どんな体なのだろうか?

「まるで金糸のシルクみたいに手触りが良いんですね。
巫女様の髪って。
私、これでお洋服を作ってみたいです。
巫女様の人毛を私に下さい」

残念だが…金髪も…ターシャ泉半径1kmを越えれば元姿…男の黒い短髪に変わる。
それは無理だろう。
今も、髪一本、マナナに取られてはダメだ。


『私の髪を許可なく奪ったり切ったりして…自宅へ持ち帰れば。
私はアナタと離れます、永久に。
それは掟になってます、泉の巫女としての』

「そうですか…。
ごめんなさい、巫女様」

俺の長い金髪へ鼻をあてて匂いを嗅いだまま言ってる。
あまり聞いてないだろう?

『絶対、死守してくださいね。
違反すれば、本気でアナタとはサヨナラです』

「守ります。
大好きですから」

俺の肩にマナナの乳房が当たってる。
柔らかい。
マナナはワザと当ててるのか?
マナナは俺の女体化して伸びまくったネオン調に光る金髪しか触ってない。

頭がボーっとなる。
まあ、モテてる気分も良いかもしれない。
キセキは長年、モテすぎてた。
いつも女とベッタリ。
しかも正面から密着されて誘われてる時もキセキはあった。
マナナの抱き心地はどうなのか、抱擁すればどんな感じなのかは気になる。
モテ男が送る気分を味わってはみたい。
今、女の体なのだけが残念なとこでもあるが。

『抱擁までなら許しましょう。
正面から抱擁ぐらいなら良いです』

良いだろう。
ここまでは。

「え?
良いのですか?
巫女様、優しい」

キセキ、アイツは毎朝そんな状態だ。
ずっとそうだったし、どうせこれからもそうだ。
モテ男な気分を俺は味わう。
今、桃色のトモシビに俺は覆われてる…。

『私はなんびとにも平等ですから。
それぐらいは別に良いです』

「ありがとうございます。
巫女様」

俺は椅子に座ってるが…机が前にあるが…。
俺の女体化した光る金髪ロングへ触り、俺の横で立ってたマナナは…俺の背中に腕を絡め…。
俺の正面へ胸を当ててくる。

それから、大胆にもマナナは俺へ軽いキスしてくれる。
あと、俺の髪を相変わらず手で愛でるように摩ってる。

頭がボヤンともなる。
女体はとても柔らかい。
良い香りもする。
俺も黙って、マナナの背中に腕を回してみた。
もっと密着できるし…柔らかい。
マナナの胸は肉感的だ。

これが…キセキが過ごす日常らしい。
モテ男は羨ましすぎる。

俺は黙ってずっとそのままだ。
俺が言わなくても向こうから言ってくれる状況だ。
マナナは俺を神仏の化身として崇拝してる。
脳中にマナナの乳房を舐める映像なら流れてる。
レズも良いかもしれない。
悪いが一年間、レズとして女体を味わうのも悪くないのかもしれない。
煩悩が沸いてきてる。

しかし。
マナナはそこから動いてくれない。
抱擁で満足してるのか…自分の体をオレへ擦り付けてるだけだ。
あと、俺の煌めく金髪を嬉しそうに摩ってる。

「巫女様って本当に綺麗。
きっとお洋服の下も綺麗なんでしょうね…」

さりげなくセクハラ発言はしてくれてる。
良い気分でもある。
俺は今、モテ期にあるそんな妄想にさえ浸れてはいる。

頭がボーとする。
どうせバレナイ。
脱がせてみたい。
そんなことしか頭にない。
良いのだろうか?
マナナは嬉しそうだが。
マナナの顔を見れば。
もう顔が真っ赤で幸せでたまらない…そんな表情だ。

「巫女様。
私、嬉しいです。
もっと先へ進んでも」

レズのマナナは変態発言までしてくれてる…。

「巫女様の胸、触っても良いですか…」

俺は触られるより触りたいが。
言えないでいる。

俺が黙って、マナナを見詰めてれば…。
マナナは赤い顔で俺の胸を触って揉んでる…服の上から。
マナナは本当に変態だ。
レズの極みらしい。
ココは困ってはいる。

しかし、何だかうれしそうだ。
マナナは。
マナナも男が好きになれないのかとは…。
思いもする…。
良いのだろうか?
俺は来年18歳にはこの役目、下ろされる。
そのあと、マナナはどうなるのか?
変態レズ道を俺がいなくなったあとも極めていくのか?

しかし、俺はモテない。

『…』

言葉すら出ず、マナナの肩揃えな黒髪を触ってみた…腰がある柔らかくはない。
マナナは剛毛かも知れない…。

次に…マナナの水色セーラー服の上から胸を触ってみた。
ムニュウと柔らかい。
猫の肉球にも似てる感触だ…例えようがない。
ゴムまりとも違うし…。
クラスの男子で太い奴がいて、三段腹の脂肪を触ったこともあるが…アレとも違う。
アレより固い、弾力がある…下にブラジャーがあるせいかもしれない。
水色セーラー服の上から揉んでみた。

確かに、現実世界では猛烈にモテない毎日だが…今、つかの間の癒しを味わえてる。
女体って素晴らしいものだ…ホワアとなる。
生きてて良かった、人生とは素晴らしいものだ。
そんなふうに悟りを開きそうになる。
エロは楽しい。

マナナは不思議そうに俺を見てる。

「巫女様も触りたいのですか?
どうぞ…私の胸、どうですか?」

『…』

聞かれると困る。
柔らかい。
俺は今、キセキにも勝った気分でもある。
良いのだろうか?

物凄く柔らかい。
脱がせて舐めてみたい。

『…』

ずっと揉んでる。
服の上から。
何も言えないからだ。

そしたら…マナナが感じたのか。

「ああ。
巫女様。そんなに激しく揉まれると」

俺はここで悶絶してる。
もう本気でアブノーマルでも良いからやってみたい。
そんなことしか頭にはない。

セーラー服をまくってみた。
ブラジャーと谷間が見えた。

「巫女様…あの…」

マナナは目を潤ませてる。
綺麗な女体だ。
ブラジャーを下げてみれば。
乳首は尖ってる。
左手で揉んで右手は右乳房に添えて…右の乳首へ舌をはわした。
吸ってみた。
肉感的だ。

「ああ…
そんな…」

良いかもしれない。
マナナから変な声も出てる。
というか。
まだ早すぎる気もするが…良いのかとも思いつつ、マナナの尖ってる乳首を吸う。
女体って良い。
俺の元姿とは違う。

「巫女様。
はあ。
嬉しいです。
抱き合っても良いですか?
今夜」

マナナは…ここまで手が早い女だったのか?

『それは…』

「女同士の体ですし、出来ることは決まってますが。
私は巫女様と裸で抱き合ってみたいです。
巫女様の美しい体を眺望したいです。
私は美しいモノが大好きですから。
巫女様は神仏の化身。
私は巫女様をお慕いしてます」

『…』

良いんだろうか?
好意に甘えても。
マナナはこの通り、俺を泉に棲む妖精か…神仏の化身としてしか見てない…。
熱狂的すぎるターシャ教絶対信者でもある。

『あなたは…女の体と…男の体…。
どちらが好きなのですか?
私が好きなのですか?
それとも…女が好きなのですか?』

昨日、同じことを言われた気もするが…。
聞かずにはいられなかった。
アブノーマルなのか…ただのターシャ教熱教徒なのか…。

「私は女が好きです。
男の体なんて気持ち悪い、大嫌いも良いところです」

『そうですか…』

ここら辺はもうどうしようもない女なんだなあと…嘆かわしいような気分にすらなる。

『アナタは彼氏が昨日までいました。
彼氏に誘われれば…する気だったんですか?
アナタは今、女が好きで男は嫌いだと言いました。
矛盾しすぎてます』

いろいろビックリする女でもある、マナナは…。

「それは…」

『クラス男子で一番美しい人間を彼氏として選んだと…。
アナタは昨日、私の前で言いました。
しかし…あなたは男の体が嫌いらしいですね…』

「そうです。
私は女が好きです」

どうすれば良いのだろうか。
俺は幼馴染なマナナが将来、どんな道へ行くのか…心配になってる。
俺がこの役目を下ろされた後…どんな人生がマナナに待ってるのだろうか・・・。

『…』

「私は彼氏に誘われても出来てなかったかもしれません。
実はステータスもあって…。
クラスで好きな子の前で見せつけてやりたかっただけなんです」






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