アナタノコトガスキデス

萌え妄想のまま走るいろいろ創作小説の予定。苦情無断転載禁止。

温泉宿B



~サスケ視点~



外でも出来た。

無人の海の砂浜でサクラの浴衣を崩し、犯させてもらった。

第七班時代から…俺は想像してたが…その頃はサクラはずりネタにしなかった。
好きすぎると近くにいれば逆に出来なかった。
大蛇丸のところに行ってから全てが変わった。

思い出すと悲しくなる苦しい思い出ばかりだった…。
俺はサクラのことを思うたびに泣いてた。
地獄の悶絶から死を受け入れつつもあった…。

しかし今はサクラを見る度にホッとする。

したいと願ってたことも…終わると呆気ない。
が、とても満たされる。
ずっと、このままでいたい…。

海は綺麗だ…。
さっきまで…全く綺麗には見えなかったが。
砂浜から…海が押しては流れて行ってる。
俺とサクラは隣で座って…遠くで光る…船の明かりを見詰めてる…。
夕焼けは海に沈み…外は真っ暗で星が出てきてる…。
月も出てる…三日月だ。

それから…向こうの灯台が空へスポットライトを照らす…。

随分、遠いところへ来たような気分に離れる。

俺はその間もサクラの乳房をもんでる…。

浴衣の間に手を入れてだ。

誰も見てねえことは確認したが・・・一応、結界は張ってる。
サクラには伝えてねえが。
それもあって、覚えた。
香燐から貞操を守るために覚えた術は今、とても役に立ったらしい…。

「サスケくん…誰かが…見てたら…」

『俺が好きなら俺の命令に何でも従え。
俺はおまえを試す』

こう言うが…結界のことは黙ってる。
言わない方が返ってサクラが照れる。
少し萌える…。

昔は回りくどく言ったが…最近は分かりやすく噛み砕きまくって言ってる。
しかし、まだ鈍い…サクラがだ…。

誰が聞いてもこの言葉…告白にしか聞こえねえだろう…。

「サスケくん…私からキスしても良い?」

俺は黙ってる。
勝手にするのを…今か今かと…待ってる。
胸が震えてる。

「サスケくん、大好き。
浮気しないでね。
ずっと私と一緒にいてね。
飽きないでね」

サクラからキスされた。
最近、言わなくても出来るようになったらしい・・

『飽きない。
ただ夫婦生活は真面目にする気だ、俺はこれからはそれに集中したい』

「そうだよね…早く…赤ちゃん欲しいよね。
私も頑張る。
協力する…サスケくんが大好き」

返事はしねえ・・・。
機嫌半分悪しだ…。

(俺は今はまだおまえだけで良い…)

『俺は飽きるまでは夫婦生活をする…子供が出来ても飽きてなければやる…』

「飽きないでね。
私のこと、ずっと求めてね。
サスケくん。
大好き」

やっと求めてた言葉がもらえた。
一瞬、ヒヤリとした…。

サクラの周りだけ空気が暖かい。

旅館に戻ることにした。

『じゃ、帰るぞ』

やらせてくれたから…帰りは密着も許してやった。

「さすけくん…ちょっとフラフラで…ありがとう…」

サクラは俺の肩に寄り添いながら…歩いてる。

サクラの胸が俺に当たってる。

「サスケくんしたあとは密着許してくれるんだね…。
香燐さんとはいつも密着してたけど…どういう関係なのかな…」

『喋ってねえで宿行くぞ』

嫉妬してるらしい…。
逆切れもあり睨み目でサクラを見た。

(一度、否定はした…)

「そうだよね…」

良い旅行だったと思う。

今日はもちろん、旅館に帰っても…起きてる限り…ヤリまくる。
そのために来た。
外でもやっと出来たし…。
嬉しくてたまらん…。

夕飯は女体盛りで戴く。
最高に機嫌が良い…。

大人になるのも悪くない…。

☆☆☆



今回は…ロビーでもだが…旅客名簿帳を確認して、ココに決めた。
邪魔者のナルトがいないことを確認してだ。
ナルト以外の里の住人も邪魔者でしかねえ。

人生でそんな瞬間が限られるほど一瞬しかなかったからだ…。

今回はサクラと俺だけの帝国の気分だ。
明日の貸切温泉でももちろん、やりまくるし…。
そんな旅行で良い。
他にネタなど俺は要らねえ。
どうせ来週も刑期が待ってる。
むさくるしい男共と会話だ。
女の顔もサクラとは比較にすらならねえ。
サクラには悪いが…遊ばず、真面目に…夫婦生活だけを俺は集中してやらせてもらう。

何とでも誤解をすれば良い。
俺は子供が欲しいとでも思えばいい。
俺はまだ子供は要らねえ。
少しぐらいは新婚の気分を最低2年は味わいたい。
飽きるまではやらせてほしい…。

この平和がずっと続き、10年目ぐらいにヒョッコリ生まれるレベルでも良い。
そこまで焦らなくても良いだろうと感じてる。

生まれれば激愛するかもしれねえが。
今はサクラとヤリまくりたいだけだ。
邪魔者ナルトのいない世界は、天国でもある。
恋人気分だ。

それから別に一族には悪いが子供は一生いなくても良い、出来ない場合は仕方ねえ。
そういうもんだ。
サクラの体調もなるべく気遣う、そんなもんだ。
まあ、今まで散々天から見放されたのかと恨むレベルにつまらなかったから。
今日はとことん甘えまくる。

サクラが俺への絶対服従者に戻ったらしいからだ。
俺だけを崇拝すればいい。

この平和が永久に続き、俺の罪も完全に消え、年中、自宅でいることを許されればシナリオは完璧だ。
何のアクシデントも求めてねえ。
カグヤももう二度と出てこないことをひたすらに祈ってるが…。
いろいろ、情報は出てきてる。
俺は平和大好き人間ではある、旅行してる暇があれば家にいたい。
ナルトだけ里でのうのうといるのは本当に憎しみが湧く…。
しかし、罪は償う…。

俺は平和を祈り続けてるが…この忍者社会、そうとも言えねえだろう。
悔しいが俺の生きてる間にまた…何か起きるんだろう。
任務中は里崩しする危険因子に圧力は掛けてる…。
俺が6歳から13歳までの平和時代も…考えてみれば全て兄が俺のために…大蛇丸を止めてくれたらしい。
それは…一度葬った大蛇丸を戦争直前に召喚した時、聞いた…。

力さえあれば何でも未然に防げる。
旅行してる暇があれば、サクラと家でダベりたい。

しかし…サクラが最高に喜んでる…良いだろう。

俺は子供生まれたら激愛できるだろうか…。
それともサクラを子供にとられたことを嫉妬するだろうか…。
少し自信がない。
女の子であればいいな…と願う。

あまり良い父親にはなれないかもしれない…。
早めに子供には出て行ってもらいたい…。
結婚してもらいたい…。

まだ、生まれてもねえから想像もつかねえが…。

任務先でも自慰しまくって、液は薄めとく。
そんなにすぐ出来なくて良いと願ってる。
サクラはすぐ欲しいらしい…俺が家族を増やしたいから結婚したとでも…勘違いしてるらしい。
サクラは日まで決めて…10人は産むと俺に宣言したこともあった…結婚してからだ…。
うちは一族復興とは言ったこともあったが…そこまで、まだ望んでない。
子供は一人いれば十分だろう。

天国の俺の一族は怒り出すかもしれねえが…少し荷が重い…。

今は羽目を外して遊びたい気分だ…。

☆☆☆

俺の一族は母の寵愛を巡って兄弟で殺し合いをしたり…愛ゆえに闇に転じ、闘争心が強い一族らしい。
兄からも六行仙人からも聞かされた。

子供には、サクラに似て欲しい…俺の血も薄まった方が良い。

俺の両親も血族婚だが…今、もしかしたら…父が、俺にあまり構ってくれなかった本当の理由は…。
俺が、母にとられたことを…少し嫉妬してたからかもしれねえとも思う。
父は兄にも冷たく厳格な父親だった。
兄弟がいれば争いが起きるらしい…。

俺の一族の中でも稀に発現する血継限界の能力…写輪眼。
これは強い愛ゆえに…発現するものだ。
これが出た段階で…その者は誰かに猛烈に執着をする性格である証拠でもある。

兄は一族よりも俺を選び、愛してくれた。
俺はサクラだけだ。

子供が出来れば…子供の愛がサクラへ向かず…早めに…その愛が、嫁か婿へ行ってもらうことを祈る。
俺の子供は…サクラに似てくれることも祈る…。

俺は家族で殺し合いをする歴史はもう終わらせたい。
それは祈る。
天国の兄もそれを祈ってると思う…。
俺がサクラを奪ってると…子供に恨まれて、殺される可能性も…なきにしろあらず。

サクラにそっくりな子供が生まれれば良いなと願う。
”うちは一族”に関する歴史を…いろいろ聞くにつれては…少し荷が重い…。

力の強大さゆえに多忙極める任務ばかり請け負わされ、死の境目に晒される…、人格に関して偏見があり里で不遇など、様々な里への不満を切っ掛けに…一族が結託してクーデターを計画し…自分達の帝国を作ろうとする。
それが、里にバレて、兄が一族を殺す処刑人となり…その兄を弟が…追い詰めて殺す。
母の寵愛を戴くために兄弟間で死闘。
こういう黒歴史は…俺の代で終わらせたい…。

☆☆☆

俺が浴衣を着付けると…どうしてもサクラの胸元が開く。
大蛇丸のところにいた頃は視力も弱ってたが今は違う。
俺がサクラの肌蹴た浴衣姿を見たいだけかもしれねえ。
女の肌蹴まくった浴衣は色っぽい…想像以上だ。
しかし、サクラはこれは恥ずかしいのか…隠そうとする…。
それでもいいのかもしれない、他の人間に晒すわけにもいかねえ。

潮風が香る。

海の香りだ。

夜の行灯が灯る街を探索する…。
サクラが…。

「土産買いたい」

とうるさい…。

俺は早く、部屋に帰りたい…。

『旅館にも土産屋があるだろ…』

「少しだけね?
寄ろうよ…。
サスケくん…」

『…任務課題もたくさん、俺は残ってる…』

「サスケくん、お願い…。
あとから何でもするから…」

これ以上、何をしてくれるのか…もう十分幸せでもある…。

『少しだけだぞ。
俺は忙しい。
しなければならないことだらけだ』

いつもこう答える決まり文句だ。

「サスケくん、優しい…」

温泉街だけある…。
祭りのように…綿菓子とかが売っている。
昔はこんなことなかった…。
今日は何か行事でもあるのか?
確かに土日は休みだったが…。

屋台の赤や青や黄色のテントが道に並んでる…。
たこ焼きとか売ってる…。
それから…土産屋もある…。

「サスケくん…。
見て見て」

何が良いのかは全く理解できねえ。
いっぱいある。
キーホルダーとかだ。
あと名物の菓子とかだ。

俺は菓子もキーホルダーも好きではねえ。

『何でもいい…』

「お菓子買っても良い?」

サクラは…花より団子らしい。
それも可愛らしくもある。
そう言えば…サクラが…してるアクセサリーと言えば…カチューシャぐらいか?

『買えよ』

サクラは大抵のことでも御手洗団子や餡蜜さえ渡せば許してくれる出来た女なのだ…。

「どのお菓子にしようかな?
えっと…ヒナタとナルトとイノと…カカシ先生と…サイと…綱手様と…」

『おまえの分だけにしとけ…』

「え…」

『俺はナルトのハネムーンで何も貰ってねえ。
別に他の奴らには要らねえ』

「でも…祝儀貰ったから…お返しで…。
サスケくん…お願い…」

『あまり良いのは止めとけよ。
おまえのは良いのを買っとけよ』

こうとしか言いようがねえ。
まるで小さい男だが…ナルトとサイ、カカシ…その他、ヒナタ、イノ…。
誰一人として別に要らねえ。
特にナルトは要らねえ…。

「ありがとう…サスケくん。
私、サスケくんが里で認められるようにこれをみんなに配って頑張るから。
私とサスケくんが結婚したこと、絶対に私は後悔させない。
私はサスケくんを幸せにする…」

『ありがとう…』

決まり文句だ。
何も伝わってねえ…。

サクラのために認められたいだけだ…。
別に里とか俺はどうでもいい…。
しかし、サクラがこう言うから乗ってはやる。
ナルトと接触を極力俺は減らしたいのが本音だ。
どうやって引き離そうかそれしか頭にねえ。

『ナルトからは俺が渡しとく』

「え?サスケくんが…?」

『長いことあってなかったから、ヤツも喜ぶはずだ』

「サスケくん。
そっか…。
そうだよね。
私、空気読めなくて悪かった。
サスケくんとナルトが仲良くなるの応援してるね。
もう前回の会合で二人は仲直りしたんだったものね。
私、お邪魔だよね…二人で友達同士の会話楽しんでね」

ナルトとは和解などしてねえ。
おまえがナルトに接触するよりマシと言う意味だ。
郵便受けにメモと一緒に入れてやる。
会う気は全くねえ。

『…。

ヒナタの分もそれはセットにしとく…。
サイもリーも俺から渡しとく…。
カカシも任務指令の時に会うからついでに渡す。』

「そうだよね…。
サイもリーさんもサスケくんと会って、和解すべきだよね。
サイにもサスケくんの優しい人柄伝わると良いな…。
リーさんのサスケくんへの誤解が解けると良いな。
カカシ先生は…サスケくんがよく会うんだよね…。
ありがとう。
サスケくん、私の代わりに動いてくれて…」

『まあ、べつに…』

「このお饅頭おいしそうだよ。
”温泉まんじゅう”って言うみたい。
これをひと箱づつどうかな?
私の分も買っても良い…」

『おまえだけ二箱にしとけ』

「え?」

『他の奴らの分などオマケだ…。
俺は…俺の一族を殺した里の住人をまだ完全に許せるわけでもねえ。
理解してほしい…』

ここは渋い顔になった。
これぐらいでいい…。

「そうだよね…。
サスケくんは本当にいろいろ耐えてる…。
それに…サスケくんももしかしたら…家で食べるかもしれないよね」

『…』

俺は要らねえ。

「サスケくんが里を完全に許せない気持ち私、一緒に暮らしてみてよく分かる。
サスケくんの屋敷は墓ばかりで夜は一人だと怖いの」

『そうだな…』

「気持ち汲んであげられなくてごめん。
でも…サスケくんが里に認められるために私は何でもしたい…」

『ありがとう…』

もう良い。
勝手に買え。
俺が渡す…。
ナルト…リー…サイへは、メモと一緒に…郵便ポストへだ。

サクラはレジで精算してるらしい。
浴衣がほどけないか…俺の方がハラハラしてる…。
胸元をキツメにサクラが閉めたが…。
俺は早く旅館に帰りてえ。

サクラが清算終えたらしい…。
土産の箱が…袋に入ってる。

「サスケくん、待たせてごめん」

桃地にサクラ模様の浴衣…濃い桃色の帯。
本当に良く似合ってる。

機嫌は良い。

サクラが俺について来る。

「待ってサスケくん…」

早く旅館でくつろぎたい。
サクラといればどこへ行くのか予想がつかねえ。

サクラが俺の背中に密着してる…。
さっき確かに海でした。

しかし…。
今日はサクラの胸がそろそろ触ってみたいな…。
浴衣の間から少し谷間が見えてる。
誘われてるらしい。

☆☆☆

行灯が灯った夜の橋を渡る。
下に川が流れてる。

「サスケくん、見て見て…。
鯉が泳いでる…。
ライトアップされてるよ」

昼間…見えてた筈だ。
サクラは相変わらず鈍い…。
こんな鈍い俺のサクラが…本気で…死なずに済んだのは奇跡にも近い…。
よくぞ、サソリを倒せた。
千代婆には感謝しきれねえ…お蔭で我愛羅の罪は消えつつある…。
里の人間ぐらいだ…俺が恨んでるのは…。

外は星空だ。

橋を渡れば…ライトアップされたアジサイとツツジ畑だ。
これも朝見てる…。

そこにはサクラは目がいかねえらしい…。

旅館の赤い暖簾を嬉しそうにくぐってる…。
また…エレベーターでキャキャと喜ぶのだろうか…。
サクラといると子供といる気分にも慣れる。
俺がサクラに子供として甘えることもあるが…。
サクラはまだどこか童心が残ってる女だ…。

フロントは・…いかにも温泉旅館の雰囲気で…。
入浴券などが自販機で売ってる。
食堂もある。
俺達は宿泊だが…レストランも隣にあるらしい。
壁が竹藪のように緑の竹で塗装されてる…。
広い館内だ。
布団と前には大きなソファー2つが控室の前にある。
間に机もある。
花も壁に飾られてる…。

「サスケくん。
温泉つかるね」

サクラは…。
海へ行く前…温泉につかった。
俺も一応、男湯につかった。
部屋の檜風呂も楽しんだ。

しかし…男湯と女湯ほどつまらねえものはねえ…。

『屋上の貸し風呂、つかうか…』

「え?
良いの?
サスケくん…」

『よく考えればおまえと新婚旅行がまだだった。
これでいいことにする…』

「サスケくん、優しい。
ありがとう…」

一泊だけになるが許せ、サクラ。
俺は忙しい。
早く刑期を終わらせる。
旅行より家でサクラとしてる方が楽しい…そんな味気ねえ人間でもある…。

『フロントに言え』

「うん、私から言う」

楽だ・・。
俺から言うのは疲れる。
サクラは昔のように俺への従順な下部だ。
最高に機嫌は良い。

*かしこまりました*

赤い着物を着た仲居が了承したらしい。
開いていて良かった。

『ま、部屋に戻る。
それから…屋上行く』

「うん、サスケくん」

サクラの顔は上気して赤い。
俺にデートは合わねえ。
ナルトは惚けて1週間も馬鹿なハネムーンへ有給まで取って行ったらしいが。
俺は今日一日で終わらせたい。
やってるだけで良い。
やってない時は飯を食うか…課題仕事するぐらいで良い。
それか…サクラをヌイグルミとして触れてるか。
それぐらいが俺の理想でもある。

会話すればどんどんボロばかり出る。
寝る前にだいたい、言い訳ばかり考えてる。
木の葉の額宛てをしてないことについても…。
予め理由を考えてた。

俺はしたいだけだ…。
サクラが側にいれば別にどこでもあまり変わってない…。

エレベーターでサクラがまた喜んでる。

「見て見て。
船が小さくライトが光って…夜の海…綺麗だね。
どんどん上がって行くね…。
木ノ葉にもエレベーターあったらな…」

『カカシに言ってみる…』

「え?
サスケくん、言ってくれるの?
私も言ってみようかと…」

『俺から言っとく。
カカシにはどうせ任務命令でよく会う』

おまえを、里の男共から引き離す…。

「そうか…そうだよね?
サスケくん、ありがとう」

部屋に着いた。
さっきまで…このダブルベットの黒い布団でしてたのだなと考えると。
幸せには浸れる。

「先、風呂行くか…。
そのあと、夕食にするか」

「うん」

屋上の温泉は…。

天井は星が溢れてる。
綺麗な空気だ。

景色が眺望出来てまるで展望台のようだった。

海が見える…。
灯台が遠く線状に煌めいている。

潮風がキツイ…香る。
サクラの髪が揺れてる。

俺の髪もだ。

風呂は3畳ぐらいはある…広い水色の浴槽だ。
下からボコボコと泡が出て…。
それからライトアップされてる。
夜で暗い中…風呂の中だけ青や赤や緑の光で溢れてる…。

「うわああ。
見て、サスケくん。
泡がモコモコ」

『…』

サクラが喜んでくれればいい。

サクラが俺の隣に寄り添って風呂に入る。
海でも下から砂で汚れた。
隣に座ってくれるのが暖かい。

ここでもしても別に良いが。
脱水になる…。
少し、サクラを抱き締めてるままでも良いかとも思う。

部屋に帰ってもどうせする…。

「タオルは外せよ。
湯が汚れるだろ」

黄色いタオルでサクラは体を隠してる。

「え…。
そうだよね…」

タオルは取られた。
機嫌が良くなる。


☆☆☆

ま、キスぐらいはした…。
何回でもしたかったが。
サクラの体調もねぎらって、脱水倒れしねえために。
触れてそれぐらいの気だったが。

やっぱりせっかくなので…。
風呂の中ではなく…シャワーの前あたりで事は終わった。

やはり…サクラはぐったりした表情だ。
部屋に戻って水を飲ませてやりたい…。

☆☆☆

部屋に戻れば料理が来ていた。

刺身やみそ汁やてんぷらなど…。
いろいろだ。
和食中心らしい。
タイの煮つけ…。

それからほうれんそうのお浸しなど…。

シャブシャブ用の鍋もある…。

「おいしそう…。
でも、太るかも…」

『食べとけ。
せっかくついてる…』

「そうだよね…。
いただきます」

『いただきます』

誰かと一緒に食べるご飯はうまい。
昼もおいしかった…ここの料理。
昼は…湯葉豆腐と魚の餡かけだった…。
夜もうまい。

「サスケくん…。
美味しいね」

『そうだな…』

テレビをつけてる。

朝、動物園の熊が脱走したらしいが…。
あの熊…迷いの森にいる…大熊にそっくりだ…。
まさか…密漁してるんじゃねえよな…と感じながら…。
俺はニュースを見てた。

動物園特集に変わった…。

しかも…動物園の檻の中にいる…あの大蛇…。
大蛇丸が飼っていた蛇にそっくりだ…。
まさか…あれも盗んでるんじゃないよな…と俺は怪訝な表情になった。
チャンネルはこれしかないらしいが…。

サクラに動物園に行きたいなどと言われては困る。
温泉宿ならヤリまくれるが…動物園など何が楽しいのか分からねえ。
迷いの森でモンスターを見て…そこでサクラとヤリまくる方が俺にとって幸せだ…。

「サスケくん、テレビも良いけど。
一緒にお話ししようよ。
サスケくんは大蛇丸のところでは友達、出来たの?」

テレビを俺は消した。
動物園に行こうと誘われる前にだ…。

『いねえ』

「いつもなにやってたの?」

『修行のみだ』

「香燐さんとは…本当に何もなかったの?」

この質問、少しかわいい…。

『どうだろうな・・』

「サスケくん…」

少し誤解を招くことを言ってみた。
可愛いと俺は逆の反応をすることがあるらしい…。

「否定してよ、お願い」

『そうだな…。
ま、そういうことにしておく…。
俺は任務仕事に忙しい。
離れてもらいたい』

「せっかくのハネムーンなんだよ。
たまには仕事も忘れようよ…」

『分かった、やりたいならしてやろう』

「え、サスケくん…えと」

『記念にたくさんするのもいいだろう。
温泉旅館と言うのもまたとない機会だから…』

「サスケくん…」

自分から来てほしい。

「サスケくん…もしかして…私との会話から…逃げてる…。
気のせい?」

『昔のことは水に流せ。
俺は現在を生きてる。
未来を見詰めてる。
昔に返る気などない…』

ここは格好よく決める。

「サスケくん、カッコウいい。
そうだよね、グダグダ昔のことばかり言ってちゃだめだよね。
私、サスケくんのこと、応援してる」

この台詞…。
まさか…まだ…香燐のことをサクラは疑ってるらしい…。
訂正する気にならねえ。
サクラに少し拗ねさせてみるか。

俺もナルトを完全に許してねえ。
これぐらいの罰をサクラに与えても良いだろう。

「サスケくんは…私のこと好きだよね?」
『そうだなぁ…』

曖昧な音声の言い方だ。

「サスケくん…」

俺はサクラが可愛すぎると苛めたくなる性格らしい…。

「私だけ…だよね?」

『そうだなぁ…』

「サスケくん…えと」

サクラが半泣きだから…デコピンをしてやった。
サクラの顔が真っ赤になった。

『昔のことは忘れろ。
将来に生きろ。
今が大切だ』

「サスケくん…」

可愛い女だ。

☆☆☆

夜も更けた。
いろいろ見て回った。
館内もだ。
サクラは…。
廊下から見える海を見て。

「平和っていいね。
サスケくん…」

としんみり呟いてた。
相変わらず、サクラの周りだけ輝いてる…いつものことだ。

今、隣でサクラは寝ている。
腕枕がサクラは好きらしい。

「サスケくん、腕枕して」

甘えてくる。
愛しい気分だな。

どうせすぐするから、寝るとき服は着てねえ。
サクラもやっと理解できたらしい。

俺も寝ることにするか…。

邪魔者がいない旅はここまで楽しいとは知らなかった。
昔、任務でここへ来たときは焦りばかりで苦しかった。
大違いだ。

サクラも同じであればいいが。
サクラは俺が里抜けの時

「いろんなことがあって楽しかった…」

こういう雰囲気で表現してた…。
やっぱり俺にとっての最大の邪魔者はナルトだったらしい。
ナルトはヒナタの所属する班へ移動し・・・4人班になるべきだ。

俺にとっての第七班は2人班だ。
俺は今日も額宛てをする気にはなれねえ。


☆☆☆

翌朝。窓から日の出が見えた。
寝ているサクラを起こしてやった。

『サクラ、日の出だぞ』

「え…サスケくん?
起こしてくれたの?
ありがとう…」

海から上がる日の出が綺麗だ。
それがサクラの頬に当たって、オレンジ色に染めてる。
相変わらず眩しい女だが、これからも寄り添って生きていければ良いと願う。

「すごい綺麗だね、
サスケくん。キャー。
感動しちゃう」

本当にまだこんなノリだ。

『ああ…』

声も柔らかい。
海が揺れてる。

海なんてどうでも良いと思ってた。
しかし、海は綺麗だ。

きっと、隣にサクラがいるからだ。

景色を美しいと思いつつあるらしい。
サクラとみる景色は美し過ぎる。

昔もこんな時があった。
俺の一族全部なくなって里抜けを考えて…
それから…。
しばらくして…。

サクラの隣にある木に咲いてる金木犀の花や…コスモスの花畑…。
綺麗だった。
シカマルと同じ班だった。

6歳の11月頃か…。
サクラは事件のあとたった2か月で俺の心を溶かしてくれた。

サクラの心はきっと誰より綺麗だ。
俺の心を溶かしてくれる。

「サスケくん、香燐さんとのこと…私…信じても良いの?
昔のことばかりグダグダ聞いてはダメなの、理解してる・…。
昔のことは…水に流さなきゃダメなの…わかってる…。
サスケくんが大好きすぎるから気になってたまらない…。
今、夢でうなされて…」

まだその質問か。

『…』

もう返事はしねえ。
勝手に嫉妬してろ。

「サスケくん…。
ううん、私とサスケくんの心は通じ合ってる。
私、信じる。
しゃーなろ」

『…』

俺もナルトを完全に許してねえ。
俺もずっと夢でうなされてた。

サクラも香燐を醜く恨み続ければいい。
これが俺なりのサクラへの復讐だ。
嫉妬に怒り狂うサクラも悪くはねえ。


☆☆☆


こうして…俺にとって幸せすぎる旅は終わった。
来週はまた里を離れる。
ガクリと来てる。

ナルトとの3年前の闘いから…ここ3年は死んだような瞳を俺はしてた。
だが…瞳に今は表情が灯ってる。
手に入れて見れば…したかったこともやってみれば呆気ない。
しかし、嬉しさがつのる、そんなものらしい。




40温泉宿A

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永住権@





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