アナタノコトガスキデス

萌え妄想のまま走るいろいろ創作小説の予定。苦情無断転載禁止。

イルカ先生の野望。




イルカ先生の野望。


俺はイルカ。
今年で18歳になり、やっとエロ本も解禁された。
しかし、自宅には頻繁にナルトが遊びに来る。
置いとけば、ナルトの教育に悪い。
そのせいか…ナルトは下ネタばかり、言う。

去年のことだ…自来也から無理やり渡された…エロ本を・…俺が隠した場所がばれたらしい。


「イルカ先生、本棚の後ろに変な本発見だってばよ。
これ、何だってばか?」

「ナルト、それは見てはならん」

「え?ってば?」

「おまえにはまだ早すぎる」

「イルカ先生?
これは大人の本だってばか?」

「そうだ、大人にしか許されん本だ。
厳密には18歳からだ。
おまえには難しい。
無理だ。
俺ですら来年だ」

「そうだってばか…。
わかったってばよ。
イルカ先生」

ナルトはニコニコ承諾してくれた。
ホッと胸を撫で下ろした。
ナルトは、俺にとって可愛い子分だな。

☆☆☆

このせいで…最近、事件が起きた。
ナルトが学校でこれを自慢してたらしい。
クラスメイト全員に広められてしまった。
もう最近、教室で俺は恥ずかしいったらありゃせん…。

☆☆☆

このアカデミーの教師となって、もう1年か。
俺の野望は…このクラスからエリートを出すことだ。
里の住民は…忍者を目指すならば…大体、このアカデミーへ通う。
いったい何クラスあるのか…俺は未だに覚えられねえ。
頭の出来は、未だにドベレベルだ。
クラスメイトも…7名くらいしか…名前、覚えてねえ。

他にしなければならんことだらけで、頭が追い付かん。
必要最低限しか覚えんタイプだ。
上からの指令や…行事ごとなどはちゃんとインプットされてる。
要らんことは頭に入らんタイプだ。
自動的に振り分けられてると言えば…聞こえがいいが・・・。
要するにバカで、コンプレックスがある・・。

虫使いのシノ、
犬使いのキバ、
うちは一族の生き残り”うちはサスケ”、
火影の息子…体内に九尾を飼うナルト、
エリート隊長の息子シカマル、
デブのチョウジ、
平凡だけど、以前にクラスの花として大活躍を果たした…クラスの希望の光…サクラ、
陰からナルトをストーカーするヒナタ。
これが限界だ。

この七名に関しては細かく調査してる。
特にナルトは…寵愛してる。
俺は、確かに依怙贔屓ばかりの教官だ。
頭の出来が…悪いのも関係してる。
俺は…シカマルの逆だ。

シカマルはIQ200を出す神童らしいが…全くヤル気出してねえのが腹立つが…。
俺は猿並みだ…。
四則の計算はできる…常用漢字は読める、書ける…。
必要最低限の掟も頭に入ってる、指令も覚えられる…行事なども入ってはいる。
しかし…どうでも良いことは覚えられねえ。
猿よりかはもちろん良いが…未だにクラスメイトの数が覚えられん…。
未だにクラスメイトの名前もよく分からん。
未だに何クラスあるのか謎だ。
未だにこのアカデミーはいったい、生徒数何名か…難しい数字で覚えられん。
数字にも弱い、人名にも弱い。
俺はもちろん、幼少時代、苦労した…努力の天才で、今がある。

ばれない様に名前を憶えてない生徒にも上手に接してる。
今のところ、本性はバレテねえ。
バレれば…隣のクラスのアスマ教官にもきっと幻滅されるからだ…。
アスマ教官に聞けば、分かる。
しかし…アスマ教官が言っても…。
クラス数と…クラスメイト数が覚えられん馬鹿だ。

☆「イルカ先生…次の授業の件なんですけど…」

「次ですか…えっと…」

(今日も絶世の美人だ…会話できた…嬉しい…)

☆「お尋ねしますけど…」

「えっと…忙しいので」

(何を話せばいいのか…照れる…)

☆「そうですか…。
では、また…」

「……」

(え?
アスマ教官…あの…その…)

俺はそんな瞬間、頭を停止して、アスマ教官の顔と胸の当たりしか見とらんからだ…。
いつもこんな感じだ…。
目の前に来られると異常に照れるらしい…。
去ってから溜息だ。

「はあ…」

(今日も普通に会話できんかった…)

それでも教官試験には合格できた。
俺のアカデミー時代…忍者学級時代の努力が認められたからだ。
そうとうの馬鹿だったのに…根性で人並みに読み書き算盤は出来、
それから体術、忍術も人並みになれた…その根性。
それがとても評価された。
俺ほど、いろいろ頑張りまくって対人スキルも上げた人間もねえ。
そこは誇りだ。
出来が悪いからこそ、頑張った。
面倒見てもらった先生との相性もあったが…それで今がある。

俺は…生徒の名前、覚えられんから…授業中は…名簿帳見て毎回、呼んでる。
手裏剣の課題授業でも名簿見て読んでる。
そして…そこに…今日のクラスメイト達の実力値をメモしてレポート作成してるフリだ。
実はあれ…名前知らんからやってる…。
もう障害の域だ。
普段は適当に会話をしてる…。

廊下で会ったときが一番、キツイ。

「そこの女子ども、これを運べ」
「そこの男子も手伝え」
「おまえ、最近、修行頑張ってるか?」

この調子だ…。

しかし、俺は…体術や術は…忍者学校入ってから出来るようになった。

努力したからこそ、今…人並みに文章が打てる。
それが嬉しい。
作文も出来る。
子供の頃は本当に野性児だった。

ナルトにも期待してる。
ナルトの父は火影で…同じように学力は全然だったらしいが。
偉人になれたらしいからだ。
オールマイティになんか出来んでもいい。
俺は、必死で努力してる…ナルトが大好きだ。
期待してる…。
努力は続けることが大事なのだ。
目標を常に高く最後まで持つ…その精神も俺は気に入ってる。

俺もずっとそうだったからだ…。
どれだけ俺は昔、自分の先生に世話になったか分からねえ。
そのお蔭で現在、小説も読めるし…漢字も書ける。
計算も可能だ。
そのレベルだ…。
学級人数すら分からん、クラスメイトの名前すら覚えられねえ。
クラス数すら分からん。
そんな俺が…今、教師になれるのは…昔の努力あってだ。

俺は忍術だけは…まあ、人並みだな。
忍者で良かったと思う。
忍者以外なら…なかなかキツかった。
長年、こんな劣等児でも…教師になって、自分と同じように苦しむやつを助けたいとは願っていた。

隣のクラスにアスマ教官がいる。
これだけは覚えてる。
このアカデミーに人間が何名通ってるのか。
全校生徒数は知らねえが…。
1000〜2000〜3000名…。
もう分からねえ…数えきれん…。
里一番のドームに集まれば…入りきらん。

もし里が奇襲掛けられた時、生徒を避難させるのは大変だろう。
大勢いる。

クラス替えは…一年に一度、自分から望んだ者だけ希望を受け入れられる。
最初のクラスも…自分の希望でだ。
定員数があるから…だいたい50名前後はいるが…、希望に応じられんこともあるが…。
そこは調整する。
クラスごとに人間の数が同じとも限らん。
俺は自分が受け持った生徒は…最後まで面倒見る気だ。
サスケには飛び級を進めたが…。
あれは、能力値があると認めたからだ、見捨てたわけでもねえ。

俺と合わねえと言ってだ。
去る人間を減らすのが目的だな。
このクラスからエリートを選抜して、俺は里で認められ、エリート教師になり…隣のクラスのアスマ教官に羨望されるのが夢だ。
叶うと良いなとは願う…。


☆☆☆

俺のクラスだけ現在、一番、人間が少ねえ。
クラスの受け持ち人数が増えれば増えるほど、俺の給料もうなぎ上りだ。
まあ、俺ほど馬鹿な教師に受け持ちたいと願う…親や子供もいねえ。
俺についての情報を知ってるやつは、そうだな…。

サスケがこのクラスにやって来たのも…奇跡だな。
ナルトは…俺が好きだから、当たり前だな。
サスケはどうせ、どのクラスでも良いから、勝手に決めたのだろう。
他のクラスを選べば…定員の関係で…希望に沿えず廻されることもあったが…。
当日までサスケがどのクラスかは分からんかったが…。
公園でサスケを見てファンになった女子軍団全員が…。
サスケと同じクラスだ…。

クラス決めは基本、早いもの順だ。
他のクラスは…もう定員満席だった。


不人気なクラスに…希望したのは…サスケと、サクラとイノは…ほぼ、同時だった…。
行列のできる…他のクラスと…不人気そうな俺のクラス…。
サスケはどうでもいい顔して…俺のクラスへ、ゆっくり足を運びだした…。
まだ、俺のクラスに来るとも限らん…他のクラスへ行くのかもしれん…。
俺はナルトからも聞いてた人物だから…自分が受け持てたらいいな…と感じながら観察してた。
会う前から…名簿写真で確認してた。
願書の時に全校生徒の証明写真は撮る。

(コイツか…。
ナルトが話してるヤツは…。

”うちはサスケ”。

”うちはイタチ”の弟…。

俺の中忍試験の時、同じ試験会場にいた神童の弟か…。
ナルトのライバルには相応しい人物だな…)

と覚えてた。

俺は必要なことだけは覚える頭だ。


「うちはサスケ、俺のクラスに来い。
おまえを歓迎する。
おまえには期待してる。
来るんだ。
ナルトが、もう既にいる。
おまえのことを、俺は…認めてる。
おまえには、里の勇者になれる才能がいっぱいだ。
さあ、このクラスを選んで…自発的に来てくれ」

俺は一生懸命、サスケを勧誘した。
サスケと…俺の目が合った。
サスケも名乗る前から・・・俺がサスケの名前を知っていたことに関して感動したのだろう。
これは効いたはずだ…。
サスケは何も言わん。
しかし…足を止めてた。

「サスケ、自らの足で…入って来い。
一人もう、クラスに先客がいる。
ナルトと言う男子だ。
おまえと同じクラスになることを待望してる。
おまえが今日ここへ来る前からだ…。
早く、俺のクラスの扉を通過するんだ!
サスケ…歓迎する…」

俺は必死だ。
まだ、ナルト以外…一人も入ってこんからだ。

両隣のクラスは…凄い行列なのにだ。

その時、イノが…。

≪サスケ君のあとを…私、追うわ?
サクラは…他のクラスでも良いわよね?
どうなの?≫

「待って…イノ。
私たち、親友なのに……同じクラスになりたい…」

イノとサクラと言う名前の女子らしい…。
サクラは泣いている…。
何だ…この関係は?

≪そうね…私たち、親友よ…。
その言葉を待ってたの…。
サクラ…からかっただけよ。
これからも…サクラの面倒を見るわ?
泣いてないで…私の元へ来なさい?≫

「うん!イノ…」

サクラとイノは慌てて…俺のクラスの方へ走って来た。
サクラは少しオドオド目が泳いでた。
イノは勝気な表情だ。
サスケはどうでも良いような無表情だ…。

「サスケ、来るんだ。
こちらへ来い。

イノ…おまえも来ても良い。
サクラも大歓迎だ。

早く足を運べ…俺は、待っている…」

三人がそれでも来ねえ。
俺はとても焦ってる。
隣のクラスにサスケを奪われる訳にはいかねえ。
コイツは絶対、強くなれそうだ。
兄は飛び級で6歳で卒業出来て、既に、10歳で中忍試験に受かり…それから…今は暗部隊長らしいからだ。

「俺はおまえたちのためなら…何でもして力を付けてやる。
来るんだ!
強くしてやる!」

これは俺なりの殺し文句だ。

力を付けてやる…の単語辺りから…サクラって女子の目がキラキラに輝いた。

「うわあ、カッコウいい…。
ねえ…私、つよくなれるかな?
イノ…このクラスにしようよ、ねえ?」

≪そうねえ?
どうかしらね?
どうしようかしらね?≫

サクラが感嘆してくれた…とても可愛い女子だ。
向上心のある子らしい。

「その足でこのクラスの扉を通過するんだ。
三人とも来るんだ。
強さを俺は与える!
力を付けてやる。
そのためなら手段など選ばん。
待ってる…おまえたちは絶対、俺なりに優遇してやる…」

それから…本当に偶然だったのだろう…。
サスケの真後ろに…イノとサクラ…。
3名は…ほぼ同時に俺のクラスの扉を通過した。

サクラとイノの話は聞いたこともある…。
集団の輪に入れん、サクラを助けたのは…イノだと。
ナルトからイノは面倒見の良い女だと…聞いた。
ナルトの話は俺は覚えられる。
難しい話をしねえからだ。
サクラは突かれるとすぐ泣く女の子らしい。


ここで、
サスケ、イノ、サクラが入って来た…。
俺のクラスには…4人揃った。

その途端…突然、ぞろぞろぞろと…サスケファンの女子が入って来た。

[キャーーーサスケくんがいるから、このクラスにしよっと]

[待って、サスケくん]

[私、サスケくん大好き…正直、修行なんてどうでも良い]

[有名教師じゃなくてもサスケくんがいるならこのクラスで良い]

[サスケくん、私を見て]

どうやら公園でサスケの顔面でファンになったらしい。
イノが作ってるサスケファンクラブのメンバーだ。
これでほぼ全員の女子が埋まった。

俺はこの女子共の名前は覚えてやらんと心に決めた。
動機が不純すぎだ…。

ナルトは教壇の前だ…。

サスケは扉に一番近い席だ…。


教室で…サクラとイノが仲良く腰掛け会話してる。
サスケの後ろの席をイノがそそくさと…着席してる。
サクラは慌ててイノの隣だ。

俺は扉の前にいる…。

イノとサクラの会話は筒抜け状態だ…。

≪サクラってどんな男子、好み・・・≫

「えとね…」

≪優先順位は…
顔?性格?強さ?どれなのかしら・・・≫

「うーんと…」

≪サクラ、ハッキリ言ったら?
ほら…≫

「まだ…わからない。
私、自信ないから・・・私に言い寄ってくれるだけで幸せ」

≪なに謙虚なこと言ってるのよ?
男なんて、もっと突っぱねるぐらいで良いのよ?
隙なんて見せたら…勘違いされるでしょ?
私の美貌に男はクラクラするの知ってるから、犯罪に走られても困るでしょ?
私は常に、それぐらいの気よ?
サクラはデコ出したけど・・・よく見れば可愛い顔してるんだからね?≫

「イノ?」

≪強くなりなさいよ?
サクラ・・・。
正直になるのよ?
ほら、どれが好みなの?≫

「えっとね・・・。
いっぱい・・・顔のいい人ならこの里にいるし・・・だから…」

≪里にいるかしら?
私にはこの里、不細工の動物園みたいだわ…。
サクラは容姿で決めないのね?
私は顔面オンリーよ?≫

「えっとね…。
えと…」

サクラの顔が照れて真っ赤だ…。
どんな好みか…。
とても俺は気になった…。

≪まあ、良いわ。
そのうち、教えてね?
サクラ。
私たち、親友でしょ?≫

「うん…」

サクラの顔がホッコリしてる…。

サスケはしけた面してる。
ナルトはサスケを睨んでる…。
ナルトは…サスケをライバル視してるからだ。
サスケの周りには女子軍団が密着してる。
どれだけ…アイツはもてるんだ?
お蔭で俺が勧誘しなくても…サスケが来たとたん、人間の数が増えた。
これで…俺の収入もアップするのだが…。
なんか、うれしくはねえ…。
俺はモテる男が嫌いだからだ…ライバル、ミズキを思い出すからだ・…。

イノとサクラは素敵な友情を築いているらしい…。
デコを出してから…友人関係になったらしいとナルトからは聞いてる。
サクラのカチューシャ黄色いリボンは…似合ってる。

俺のクラスに、一番最初に入ったのは…ナルトだが…。


それから、教室の外の廊下でヒナタが歩いてる…。
窓を通して…教壇の前…中央最前列のナルトを見て…ヒナタは…目を輝かせて…廊下から走って扉まで寄って来た。

「えと・…。
おまえの名前は何だ?」

||「ヒナタ…」||

「そうか…入って来るんだ。
俺のクラスへ」

ヒナタは…嬉しそうにナルトの方角だけを見て、慌てたように…入って来た。
変な女子だな、と感じた。


ヒナタは最初からナルトしか見とらん…。
このあと…女子は来なかった…。

ナルトは…ヒナタもサスケファンの一味かと思ってるが…。
俺には…ヒナタは最初からナルトを見てた…。

クラス決定初日、ナルトの後ろの席に座り…ナルトを赤面したまま、マジマジ観察してた…。
一人だけ、明らかに…クラスで浮いてた…。
ナルトが自分の後ろに女子が着席したことを不思議に感じたのか…後ろを向いて、ヒナタを見れば…。
ヒナタはアッチ向いてホイ…サスケの方角を見てる…扉の方だ…無表情で…。
ヒナタの視線の先…サスケには女子がぞろぞろ集まってる…。
あれでは…サスケに群がる女子を…ヒナタは恨めしそうに見てるようにしか・・・ナルトには映らんだろう…。
ナルトはフンッと言う表情で、サスケを睨み…黒板前を向いた。

俺は…ヒナタに…興味が湧いたから、個人的に名前を聞いた。
俺が目付してるナルトを好いてそうな気配だからだ…。

しかし…あれでは伝わらんだろう。
ナルトが前向いてる時だけ。
ヒナタの顔は真っ赤だ…。
ナルトがヒナタを振り返れば…無表情でサスケの方角を見てる…。
ヒナタが着席してから、3回以上はそれが繰り返された。
それからナルトが…。

「おまえのなまえ、何て言うんだってばよ?」

と尋ねても…ヒナタは返事すらせん…。

サスケの方角、教室の扉を無表情、無言で見てる…。
ヒナタは…ナルトを無視して…女を侍らしたサスケを恨みがこもった視線で見ている…。
ナルトの立場になれば…あれでは誰でも、そう感じるだろう…。

ナルトは怒った顔で…前へ向き直り…女侍らせたサスケを首を横にして睨み…。
後ろからサスケを見てるイノとサクラも見て…。
カンカン状態だ。

「サスケ、おまえは俺が倒す。
そして火影になる。
この里、皆に…俺は好きになってもらうってばよ!。
頑張るってばよ!」

ナルトは席を立ちあがった…。

しかし…サスケは反応せん…。

「絶対、諦めないってばよ!
うちはサスケ…おまえは俺の敵だってば」

ナルトは…サスケを指さしてる。
サスケは…女共に話しかけられて…それどころではないらしい…。

「俺は渦巻きナルト!
よろしくだってばよ!
おまえは俺のライバルだってば。
俺は火影になる器の男だってばよ!!
女共、俺を…好きになれってばよ。
サスケから離れろってばよ!」

ナルトは…サスケに食ってかかって…女子共へ近づいた。
女共が

[こっち来ないで…]

[邪魔よアナタ?]

[うるさいだけよ]

[すきになんかなれるわけないでしょ]

[サスケくんオンリーよ]

可哀そうに…ナルトは…女子に拒まれてる。

サスケはどうでも良い面して…。
女だけサスケに語りかけてる。
ナルトは…ずっと、無視されてる。

「きーー!!悔しいってば。
俺はぜったい、みんな、俺を好きにさせる。
俺の能力でだ。
俺は負けねえ、へこたれねえ。
何回でもいうってば。
俺は火影になる男だってば。
おまえは俺のライバルだってば。
覚えとけ!」


ナルトには…伝わってないらしい…。
その間、ヒナタは…ナルトをウットリした表情で見ている。
顔がバラ色だ…。
ドキドキしてるような表情だ…。
サスケに突っかかって接近してるナルトを見てると…俺は判断したが…。

ナルトから見れば…ウットリした赤い顔で…ヒナタもサスケを見詰めてるように見えるのかもしれん…。
サスケの周囲に侍らした女子どもは、その間もウットリした顔で…サスケの顔面を見てる…。
サスケの真後ろの席のイノもだ…。
イノの右隣にいるサクラだけ…目を不安そうに泳がせてる…戦いにならんかと…心配してるのかもしれん。
サスケの隣にいるナルトは…表情が怒りに満ちて…今にも食ってかかって、何かが始まりそうだ…。

しかし…これは喧嘩開始と言えるのか?
ナルトからの一方的な挑戦状だ。
全く、サスケは相手にすらしてねえ…。
今、このクラスで…戦いの火ぶたが始まるとも思えん…サクラの心配は、杞憂だろう…。

「俺は…おまえを倒す。
火影になるってばよ…。
例え、これから成績がドベでも、俺はおまえにだけは負けん。
いつかすぐ追い越す。
お前に勝ってる…俺には自信があるってばよ。
俺は…女に好きになってもらうってばよ!」

この台詞、どこにヒナタには…ツボがあるのか…俺には理解できねえ…。

☆☆☆

中途ぐらいで……シカマル、チョウジ…。
この二人は…同じクラスを希望だったのか…他のクラスを選べば…バラバラになるかもしれん…。
そういう意味かは知らねえ…。
他のクラスは…行列も凄い。

【しかたねえ…、眠てえ…。
並ぶのめんどくせえ…このクラスにするか…。
チョウジ…】

シカマルが、チョウジに言う。

◎おかしうめえ、シカマル…。
俺、お菓子が許されるクラスならどこでもいい…。
モグモグ…◎

チョウジは廊下でお菓子ボリボリだ…。

俺は

「クラスでお菓子を許す。
来い、チョウジ…。

俺のクラスは…昼寝も許す。
来るんだ、シカマル…。

おまえらには期待してる…」

俺のクラスだけ、あまりにも不人気だ、必死で勧誘した。

【めんどくせ…ちょうじ。
このクラスにするか…】

◎お菓子大丈夫ならこのクラスにするぜ、シカマル!◎

「お菓子が落ちても掃除する。
ここにしとけ」

それで、何とか獲得できた。
扉を二人は通過して…一安心だ。

それからシノ…。

{虫を飼っているのだが…。
飛ばしても構わんか?
熊蜂で猛毒なのだが…。
他にも様々な虫を飼ってる…。
良いだろうか…?
他のクラスでは…行列に並ぶ女子どもに、嫌がられた…}

「俺のクラスは何でも許す。
俺のクラスにしろ。
事件が起きる前に俺が止める。
おまえには期待してる…」

そして、キバと子犬”赤丸”…。

●俺、犬飼ってるんだ…。
まだ、躾切れてねえし…途中でコイツ、マーキングするかもしれねえが…。
他のクラスでは断られて…●

●バウウウウ!●

「俺は何でも許す。
俺のクラスに決めろ!

床はしっかり掃除してやる。
おまえには期待してる…」

勧誘を必死で頑張った。

ナルトも毎日、必死で公園で友達作りに励んでる。
俺も勧誘に燃えた…。

そのあと…他のクラスだけ定員が決まった…。
仕方なしに…数名の男子どもが流れてきた…。
定員に溢れた人間がだ。
俺はコイツらには期待してやらん。
俺を望んできたのではねえからだ…。

「ちぇ、アスマ教官のクラスに行きたかったのに…。
イルカ先生のクラスかよ…。
胸がねえ、むさくるしい男の先公かよ…」

男子ども数名の…この言葉に殺意を抱いた…。
隣のクラスのアスマ教官は18歳。
透き通るような綺麗な肌だ。
滅茶苦茶別嬪で…幼児にも、色気は分かるらしい…。
あれぞ、くの一の鏡だ。

腹が立つからおまえらの名前など…最後まで覚えてやらねえ。
それに俺はそこまで賢くもねえ。
一度に7つまでしか…覚えられねえ…。

これで俺のクラスメンバーも決定だ。

☆☆☆



アカデミー入ってから…サスケが俺のクラスにいるのを見て、

[私もイルカ先生のクラスにしとけばよかった]

と言ってる女子どもの多いこと…。
そこは知らねえ。
動機が不純だな…。

俺はこれ以上、人数を増やす気はねえ。
俺のクラスに希望者が出ても…。
受け入れん。
それは…まだ俺は新米だ、現在でもいっぱいいっぱいだ。
給料が上がることより、今は一人一人の生徒に力を注ぎたい。
特にこの七名に俺は期待してる。
動機が不純すぎだ。
今更、遅い。

俺はサスケに、群がる女子の奇声を聞くたびウンザリしてる。
俺はアカデミー時代、馬鹿だと女子どもに蔑まれ、ライバル…ミズキにことごとく女子を取って行かれ…悔しかった過去がある。
これ以上、ナルトの心を傷付けたくもねえ。
俺は常にナルトの味方だ。


日陰の愛(ヒナタ)6歳、11月末(ナルト、ヒナタ、イノ班)

目次<

こどもの日@アカデミー2年



















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