アナタノコトガスキデス

萌え妄想のまま走るいろいろ創作小説の予定。苦情無断転載禁止。

愛ゆえにA



☆☆☆

今回の中忍試験では…。

正直…サクラが可愛くて浮かれてた…。
俺に接近するから…。
どこでそんな技を覚えたのか…。

もしかして…俺の勘違いではなく…誘われてるのだろうか…。
いろいろ思い悩む。
サクラは…性的に…旺盛だったのだろうか…。
俺の体を求めてるのか…。

☆☆☆


そんな時だ…。
その空気を覆すかのように…迷いの森…奥地で…強敵が現れた。

大蛇丸…。
長い黒髪に…蛇のような瞳…爬虫類のような白肌。
長すぎる舌…。
白装束の着物の男。
見た目も異質で凶悪だが。

想像、絶する強さだった。

「サスケくん、こっちにいらっしゃい・・・・」

俺は…大蛇丸に…首をガブッと噛まれて…悶絶した。
大蛇丸に噛まれた瞬間…いろいろの映像が…俺の脳裏を駆け巡り悶絶した。

「ウワアアアア!!!」
俺は絶叫した。

「サスケくん、しっかりして…」
隣で愛しいサクラの声がする。

俺の視界は…突然…幻覚の中へ飛び始める…。


頭の中で

『力さえあれば全部解決できるのに』

俺の声が響いた…。

今までの一番嫌な記憶…。

兄が狂乱して一族を殺した瞬間や。
復讐に燃えて…兄を殺す場面や…。
ナルトを殺す映像や。
里を捨てる俺や…。
サクラに強姦しようとする動画など…。
いろいろが目に走ってきた。

俺は首を抑えた。
俺の中の裏側が…一瞬にして体中走り回り…俺は生死を彷徨った。

俺は苦しく悶えて痙攣を起こし…一瞬…視界がボンヤリした。

「サスケくん…?」

心配そうな瞳で俺を見詰めるサクラが…目に付いた。

(現実世界に戻れた…)

気を抜いた刹那を最後に…意識が朦朧としてきた。
全てが暗闇の中に墜落した。



☆☆


数分後、俺は血が飛び交う…死臭漂う…魔界にいた。

ーーーここはどこなのだ?
ーーー俺は夢を見てるのか?
ーーー幻術でも掛けられてるのか?

俺は怯え始めた…。

一族が殺された時より…酷い。

人が死んでる…。
俺の一族が…。
兄は死んだ…。
ナルトも死んでる…。
里も死んだ…。

その死に方も…むごい。
五体満足ではない…。

ここは地獄なのだろうか?

最後にサクラが生き残っている…。
号泣してる。

「サスケくん。
どうして?
皆を殺したの?
ナルトも…リーさんも…カカシ先生も…私の家族も…里の皆も…。
それ以外にも全員…。
返して…」

サクラが最後に誰か刺そうとする…。

その相手が…俺だ。

そんな映画を鑑賞してる。

スクリーンの中の俺は…。
それを交わして。
サクラが傷つかないように絡んで…。
それから…。

愛しいサクラに…暴行しようとして…。
それも俺の大切なサクラに…。
無理やり…。
押し倒そうとしてる…。
そのあと何するかは…俺には理解できる…。

アレは…そうとう落ちている…。

急展開だ…。
サクラが危ない…。

「お願いだから、何でもする、止めてくれ!
この映像を止めてくれ。
俺が死んでも良い…もう殺してくれ…」

と俺は絶叫して落涙に咽ぶ。
一番、目に入れたくない映像だ…。

そこで…。
大蛇丸がストップに入った…。
映像が停止した…。

俺は…血塗れの地面に倒れこんだ。

「私には分かる。
サスケくんは…いろいろなものを求めてる。
力こそ全てよ。
今のままでは…これ以上強くなれないことも…知ってるわぁ。
力が欲しいなら…私の元へ来なさい。
強大な力を…あ、げ、る」

そこから…。
またずっと…何回も同じ映像ばかり繰り返し再生されて…俺は精神崩壊を起こしそうになった…。

「アアアアアア…」
俺は頭を抱える…。

「俺は…」
今、絶望だ…。

救いは…サクラを押し倒す前で映像が終わってるところだ…。
これだけは覗きたくなかった…。
でも俺の次の行動は…読めた…。

映像の中の俺は

『サクラを犯す』

と叫んでるからだ…。
実は知ってた。
狂気もだ…最近、余計、酷いが。
大昔から予兆もあった。

俺は涙を流して。
「もう見たくはない…」

と大蛇丸に懇願してた。

「これは…全て…今…サスケくんが求めていること…。
分かるかしら…?」

自分の中に…これだけの魔人を飼っていたのか…。
巣食っていたのか…。
俺は恐ろしくあったが…悟りも開いてた…涅槃の境地でもある。

「最後の映像だけは…私なりの優しさから…。
止めてあげたわ…」

「…」

声にならなかった…。
俺は…異常人格者だ…何となく白や…ヒナタを見てても、それは感じてた。
狂気がある…ずっとだ…、サクラに捨てられば、もう俺は終わりだ。
俺がナルトのために命を庇ったあの瞬間、悟った。
俺は自分が死ぬか…発狂するかしかねえ。
しかも…俺はサクラの前で命を庇わんかった。
俺の命はサクラだけにあげる気だったのに。
もうナルトのモノになった…俺は負けた、ナルトに精神で屈服した。
俺はナルトとサクラの恋を応援しようとしてた…ナルトは骨のある男だ。
しかし、俺はサクラの体を求めてるらしい。

この里ではもう暮らせない…。
サクラに危害が加わる…。
俺はここから離れるべきだ…。

俺はもう…既にアブノーマルな域だ…サクラへの愛が…。
俺は…。
どんな手段を用いてでも…犯罪に手を染めてでも…力付くで…サクラの肉体を奪おうとしている…。
世界中全員を道ずれにしても…。
殺戮を続けてでも…。
サクラの精神を汚してでもだ…。
サクラも罪はある…俺に期待させ過ぎた…今更、ナルトの方を向いて強くなったから顔真っ赤にして照れてる。
俺は一言もモーション掛けずにアカデミーではサクラを苛め続けてたが…ナルトみたいに伝えられんかっただけで…。
慕ってた…家族認知してた。
けど、もう強さもアイツに負けてきてる、しかもアイツの方が言葉も巧みだ。
俺は苛めることでしか愛を伝えられん、愛を試すことでしか…無理だ。
それなのにナルトはサクラが喜ぶ言葉も知ってる…誰が考えても…サクラはナルトと一緒になった方が幸せになれる。
理解してる。

俺はもう普通の人間レベルでもない…狂人だ…。
この手を血に染めても無味感動の…無表情だった…。
あれは…常人ではない…。
俺は理想世界を…築き上げようとして…。

おぞましい…。

「…」
苦しすぎて悶絶だ…。
アレが俺とは認めたくねえ・・・。
しかし、俺は暴れないために秘策は取ってる。
サクラを恋愛対象と見ねえため、サクラでだけは…想像の慰めにはせんかった。
大切だからこそ、無理だったが。

しかし…俺はやはり…白と再不斬の愛し方と似てる。
あの頃からそうなる予感もあった。
俺が求めてる世界についてだ…。

映像の中の俺は…

『サクラ以外を全員処刑にして…理想世界を構築する。
この世を呪ってる…。
俺が全てを変える…。
復讐を決行する…。
お前らに俺の何が分かる…
全員、皆殺しだ』

と唸ってた…。

「ああ…」

言葉の意味が解釈できる。
この言葉強がってはいるが…。
全員倒して…サクラと俺の世界を構築するってことだ。
俺は兄と同じ殺人狂なのだ。
こんなダメなやつとサクラは一緒になるべきではない…俺は…毎日、苦しかった。
自分の力がねえせいで…しかもナルトには会話スキルボロ負け。
思考回路も俺は恐ろしい。
ナルトは正論ばかり。
サクラがしかも…俺じゃないナルトを見た…もう無理すぎた…。

俺のサクラは天使だ…この映像は…やめてほしい。

殆ど悪いが知ってた。

「誰か…あの映像を止めてくれ。
頼む」

大蛇丸が眼前に歩み寄った…。

「サスケくんは強くなれるわ。
こっちにいらっしゃい。
優遇してあげるから…」

(この映像が…無限に続くのか…)
俺は…絶望だ…。
失恋で俺は死ぬ・・・全身痛い。

俺は失恋するぐらいなら。

最後はサクラのために命を捧げたい。
そのために生きたい。
サクラが喜ぶことに身を捧げたい。
最後までバレナイ方がいい。
自分の感情には鍵しときたい・・・これからもだ…。

サクラの中での理想を崩したくもねえ。
もっと想像以上酷い…俺はすでに殺人狂だ…殺戮兵器だ。
サクラの中での俺は『格好良くて、強くて、優しい』
あれを守りたい。
実は自分勝手で自分中心で演じてただけだ。
格好良くもねえ、精神は脆くビビリで弱い。
優しいの、サクラだけにだった。
強いのもひたすらモテるために頑張った…それだけだ。
俺は理想を守りたい、サクラの中にいる男を見させてあげたい。
俺が演じた人間をだ。

そのうちバレルだろう。
殺人狂だったことに。
兄と同じ道を俺は辿るらしい…。

夢の中で…ずっと暴れていた…。
見渡す限り死体の山だ。
俺はアアはなりたくもないが。
自分の未来だとは信じたくもねえ…。

「まず、その前に…これ、全部倒せたらの話だけど…ここで死んだら…終わり?
分かるかしら?
呪印つけちゃったら…殆どの人間が死んじゃうのよね?
困ったものだわ…」

大蛇丸が蛇を式神として…数多、降臨させて…俺の身体を傷つけようとする…。
いろいろな敵が倒しても…たくさん現れる。

背景には…あの狂気に満ち満ちた映画…。
早く再生を終了させたい。
ここは鉄の錆びついた香りしかしないから…。
平和な世界に戻りたい…。
俺の故郷…第七班へ…。

「サスケくんが生き残ってくれること祈ってるわ。
そして…私のアジトにいらっしゃい。
サスケくんに力をあげるから…。
待ってるわよ…。

甘ったれた根性を叩き直して、あ、げ、る…。
復讐にも役立つわよ…。
フフフフフフ…」

暴れて暴れて…自分へ対抗する蛇や…。
敵をバサバサ全てやっと倒せたところで…。
開眼した…現実世界へ…。

やっと…。
サクラに…。
会える…。

☆☆☆


しかし…両瞼を開けてみれば…
手前で…俺の魂以上に大切なサクラが…。
大蛇丸の部下どもに…。
リンチされてた。

いっそ殺された方がマシなレベルで…。
目をボコボコ。
体、足蹴り。
服ボロボロ。
髪…抜かれ…。

ーーーー絶対、ぶっ殺す。一番酷い方法で。
グオリャアアアアアアアアアア…。

俺は発狂した。

何をしようとしてたのかはわからない。
一番酷い制裁で微塵切りにする気だった。
生きながら少しづつ…。

寄りにもよって…。

俺の…。

俺の…。

震えあがった。

もうここは本気だった。

爆発して暴走しそうな俺に…。
サクラが後ろから抱きしめて…。

「サスケくん、もう止めて」
と縋り付いてきた。

「サスケくんは…優しいの。
サスケくんじゃないみたいで…怖い。
お願い、止めて…サスケくん…」

俺は正気に返った。
あの大蛇丸に提示された映像通りになる訳にはいかない…。
俺の精神は安定し始めた。
サクラの抱擁が暖かい。
お前は…。
俺のために…。

こんな目に…。

俺が横を覗けば…嬉しそうなサクラがいる…。
ここが俺の住むべき世界であって欲しい。
心から祈った。

俺はこの日…。
自分の中の秘密を目の当たりにして…恐ろしかった。

呪印が発動しないようにカカシには術を掛けてもらった。
それから…。
呪印が放出する映像は俺にとって精神的に最悪だ。
だから…自ら志願して…カカシに精神修行をしてもらうことを願い出た。

俺は狂気を知ってしまったのに。
まだ甘えて…隠してこの里でサクラと一緒にいる気でいた…。
呪印が止まれば…俺の中の狂愛が消失することを毎日…祈祷してたのだ…。
詳細は…秘密にしておいた…。
俺は…それから毎晩、魘されていた。

夢の中の俺は…サクラを犯そうとするところで止まってた…。
サクラが服着てないレアな夢は…さすがになかったが…。
もう昔の服を着て、笑顔だけの夢ではなかった。

ナルトやリーなどは斬っていた…。
前まではナルトのために俺は命を懸けたのに・・・。
一度、諦めたのに…。
俺はサクラの精神ではなく体を求め始めてるらしい。
困り果ててた。

俺はそれでも…潜んで…この里にいることを望んでいた…。

サクラが……。
俺のことを必要としてくれる限りは…。

俺は…この里で強くなりたかった…。

☆☆☆

何とか。
カカシが施した呪印の暴走を抑える精神修行にも耐え抜いた。
遅刻はしたが…中忍試験最後のトーナメントへ出場できた。

俺の対戦相手は砂隠れの我愛羅。
この中忍試験一番の強者だろう。

俺は…この日を待ち詫びていた。
写輪眼は使用せず、体術だけで挑む気でいた。
呪印に反応するからだ。

この目の力は…俺の感情からくるパワーを源にしてるから。
もろに呪印と相性が悪い…。

かなり手ごたえあったのに…。

途中で…大会はクーデターが起きて、停止された。
我愛羅が大会から俺を残して逃げやがる。

俺は自分の強さを誇張するため、戦闘を交わりたかった。

ーーーサクラに認められるためだ。
アイツは最近、ナルトを認め始めてる。
気に食わない。
俺の強さを広めたい…。
最近…どんどん思考回路がおかしくなっている…自覚してる。

サクラを意識しないように制御してた筈なのに…。
何度も…。
サクラは慕ってないと自己暗示を与えてるのに…意識が狂乱へ向かってる。

だんだん、止められなくなっている…収集つかん。
それでも走りたい…。

絶対…逃しはしないと…我愛羅を追跡した。

木端微塵レベルで八つ裂きにするつもりだった。
自分の強さを他者に誇示することで…。
自分の存在価値を知らしめ…羨望の眼差しを頂くつもりだった。

また俺の中で狂気が暴走した。
やはり…呪印が反応したらしい。

俺は…この前と同じ映像…。
全てを血祭りにして…サクラだけを強姦しそうになる恐ろしい映像が走って。
体中痛くなって、倒れこんだ…。

俺は無力だ。
あの動画が流れると…体の自由まで奪われる仕様らしい…。

そこへ寄りにもよって…。
サクラが登場し…。
俺を捨て身タックルで庇おうとした、我愛羅の攻撃から。

俺は自分の非力さに屈辱を味わってた…絶望だ…。

(サクラが・‥我愛羅に叩かれた…俺のせいで…)

それから…ナルトが大技を…我愛羅に食らわして…敵を撃退した。
アッという間だった…。

☆☆☆

そのあと、兄に会うこととなった。
兄はサクラに接近したらしい。
カカシなどの野郎どもは負傷したらしいが…サクラは無傷で済んだらしい。
不幸中の幸いだ。
俺は兄を仕留めに行ったが…。
兄と俺の力の差は歴然だった。
瞳術、天照で気絶させられた…。
何年たっても埋まらない…この力の差はなんだ?と苦悶した…。


☆☆☆

俺が入院中…気絶して目を覚ませば…サクラが甲斐甲斐しく看護してくれてたらしい。
泣きながらサクラが俺の首に…腕をからめてきた。
俺の胸に、サクラの膨らんだ胸が当たりそうになった。
サクラは何歳になっても昔のノリで近づいてくる。
サクラは体の線が細く…いつもブカッとした服しか着てねえから…普段は分からねえが…。
華奢なのに胸がある…。
密着すればとてもよく分かる…。
俺は…誘われてるのかと…毎回、動揺してる。
もう俺は子供でもない。
サクラは…幼児のノリだ。

ナルトは焦ったような顔をして…去って行った。
どうも…ナルトは…やはりサクラが好きらしい。
ココは納得いく。
ナルトが…今回、手柄を取ったが…俺はサクラに庇われ…サクラは我愛羅に叩かれ…。
そのあと…サクラを我愛羅から救ったのはナルトだ。
しかし、それでもサクラは俺を明らかに好いてる。
勝ち目はない…悔し涙で恐らくナルトは去ったのだ。


サクラが俺のためにリンゴの皮を剥いている。
この時、初めて俺はあの不器用なサクラから皮剥き林檎を戴けたのだ。
嬉しい。
一人暮らしでいつも丸かじりだった。
『リンゴの皮むきぐらいできる女を俺の嫁にする』
アカデミー時代にはこんな命令を女子どもにした時もあった…。

花も2輪…ベッドの上にあるが…。
毎日、入れ替えてくれてるようだ。
これも俺の家に入った時、仏壇の花に毎日、入れてくれそうな気配がする。
本当に出来た良い女だ…。
サクラは。

俺は「サクラを助けたのは俺ではない。
ナルトだ…」

一応、報告をした。

「アイツは死に物狂いでお前を助けた。
今まで見たことのないような新技披露して…」

サクラはどちらが助けたのか知らなかったらしいからだ。

「え?
サスケ君じゃなくて…。
ナルトだったの…。
そうだったの…。
悪かったわね…ナルトに…」

その時…。

サクラはナルトに我愛羅から助けられた瞬間のエピソードで…。
…とても照れながら……瞳がキラキラしてた…。
恋する乙女の瞳だった…。

つまり…。
俺が…サクラを助けて気絶したから…甲斐甲斐しく世話をしたという意味だ。
ナルトに…恩を返さなかったのを…後悔してる。
ナルト、ありがとう…こういう意味だ…。
サクラは…俺を見てない…デレデレ照れてる…。
しかも新技まで披露してた…いいとこどりだ。

俺は…もう必要とされなくなったのかと…おまえはナルトに助けられたら…。
俺にしたことと同じことをして…おまえの胸のふくらみを…男に泣きながら密着させるのか?
あれは…どう考えても誘ってると思われて仕方ない…行動だ…。
ナルトもお蔭で見せつけられて…焦ったような雰囲気で去って行った…。
いろいろ考えれば…沸々と…湧いた。

暇さえあれば…サクラに恋慕の情は存在しないと…自分を洗脳し続けてるのに…。
態度に現さないよう努めているのに…。
俺はだんだん弱くなる。
行動の収拾がつかない…。

それでもまだ懲りずに…この里にいる気だった…。

しかし…耐えきれなくなった。

心の中で兄の声がした。

(なぜ弱いのか?
憎しみが足りないからだ…)

俺は…ナルトへの憎しみが弱いらしい。

そこで…サクラから切ってもらったリンゴは…捨てた。
目の前にナルトが来た。

「ナルト。
俺と勝負しろ」
「病み上がりの癖に何言ってるんだよ」
「どうしたの?
サスケくん…」
「五代目か…。
俺目当てじゃなく、ナルト目当てで…来やがって…」

ここは俺よりナルトの強さを…自来也が認めてることを俺が激怒してるという雰囲気をナルトに醸し出した。

「まあ、良いってばよ。
俺もちょうど、おまえと闘いたかったんだってばよ」

二言返事だ。

「ナルト…。
サスケくん?」

☆☆☆
病室の階段にて…。
屋上に到着するまでに…。

「俺…最近、強くなったてばよ。
サクラちゃんも…前より優しくなったし、俺のこと好きになったてばよ。
もっともっと強くなって…サクラちゃんを、もっと俺のこと好きにさせるってばよ。
俺、サクラちゃんに好きになってもらうために新技覚えたんだってばよ。
これでサクラちゃんも、サスケより俺のこと好きになるってばよ」

サクラがいない二人の席では…最近、自慢ばかりしていて煮えたぎる。
ナルトの顔がニヤけてる…頬が真っ赤だ。
毎日、自慢してる…コイツは…サクラの見えないとこで常に…。
四六時中、コイツの頭の中は…そんなことしかねえらしい…。

伸び悩む俺とは対象に…ナルトは絶好調のようだ。
腹が立つから、勝負を挑むことに決めた。

「ナルト、俺と真剣勝負しろ」
「おうよ。
おめえとは戦ってみたかったんだってばよ。
俺、強くなったてばよ」

「何笑ってやがる?」
「ここでお前にやっと勝てると思えばよ」

ココは俺には…サクラからの寵愛をやっとナルトがいただけるのかと思うと、嬉しくてたまらない…と挑発されてるようにしか、俺には感じねえ…。

口喧嘩が始まった。

「ドベの癖に図に乗ってんじゃねえよ」
「クールなおまえがいつになく、わめいてるんじゃねえの?
まず木の葉の額宛てをしろよ」
「そんなものしねえ」

俺はもう木の葉にいる理由もねえ…。
それから俺はクールなわけでもねえ。
確かに多弁ではねえ…本性は感情のアップダウンが凄まじい。
良い子さんではねえ…サクラの前で良い子さんぶってただけだ。
しかし何年間も。
俺は復讐、憎しみ、征服…悪の言葉が大好きだ…。

「この木の葉の額宛ては対等に戦うって意味なんだってばよ」
「おまえと俺では対等ではねえ」

サクラは…俺を好いている…明らかにだ。
もう長年、俺の方がナルトより明らかに強くて…サクラは俺にしか寵愛の目線を向けなかった。
それが証拠だ。
勝ち目がナルトにある訳もねえ。

「サスケは最近、弱いままだってばよ。
俺は一度もおまえなんかに負けてるって思ったことないってばよ」

班結成何年も前からおまえが…サクラにモーションしてたことなど知ってる。
俺からサクラを奪おうと必死だったこともだ。

これはサスケは最近、弱い。
悪いが…サクラは俺のモノだ…。
こういわれてるようにしか…俺には聞こえん…。
俺の本性は知らねえだろうが…本気でそう聞こえる…。

(オレの弱さの原因は憎しみが足りないからだ…。
俺とサクラを引き離す里へのだ)

そして、俺がカカシから教わった千鳥と…ナルトが自来也から伝授された螺旋丸で、格闘した。
このナルトの螺旋丸…また新技だ。
サクラの前で…披露してる…。
サクラが新技に弱いことも…強い男にえげつないレベルで弱いことも…既に…6年にも渡るアカデミー時代で知ってる筈だ。
クラスメイト、全員知ってる…。
途中、サクラが…俺たちの死闘に狂気を感じたのか…。

「やめて!」

と泣きながら中間に入ってきた。
サクラはウロウロして邪魔なところもある。
空気は読めないようだ…気絶させとくべきだった…。

サクラに傷がつく前に、カカシが俺たちの戦闘を中断させた。

沸々した気分だったが…。
隣のドラム缶を確認すれば。
ナルトの螺旋丸の方が…俺の千鳥より破壊力があるのが一目瞭然だった。
更にイライラがつのった。

サクラの前でまた弱さを見せた。
ナルトの方が…強いと言うことを知らしめたからだ…。
しかも…新技までナルトはサクラに見せびらかせた…。

☆☆☆

それから…。

遠征任務先の茶屋でサクラは…ほかの男からナンパされてた。

「そこの君、名前なんて言うのかな?
俺と将来結婚とかどうかな?」

サクラがモテることぐらいは…自覚してるが…。
サクラの反応はしっかりチェックしてる。
あの調子じゃ、大丈夫だろう。
俺は平然としてる。


あとで…判明したが…俺が中忍試験の時の試験管、特別上忍拷問のスペシャリスト…森乃イビキの弟、『森乃イダテ』だ。

かなり強かったが、

サクラに脈がなくてよかったな…だんだん、俺はおかしい…苦しすぎる、毎日・・・。

俺はこの間も毎晩、魘されてた。

ずっと決心が鈍っていたが…。

節々でサクラはナルトと今では俺より意気投合してる…昔から似てたが…どんどんだ…。
サクラのナルトへの態度が最近、急にぐっと前より優しさを増してる。
ナルトへの声が柔らかい…。
昔と違う…。
これは…時間の問題だと判明した…。

俺は日々、決意を固めていた…。

この里を捨てることをだ。
今のままでは…サクラに危害を加えかねない。
それよりマシだった…。
それでも毎日…溜息ばかりだった…。

いっそ…サクラを犯せば…俺の狂恋は止まるのか…。
それともそれでも…サクラが他の人間を崇拝すれば…他の連中は皆殺しにするのか…。
他に好きな女が出来れば…サクラが傷つかずに大量殺戮も防げるのか…。

俺にはどんどん…自分が分からず…己に怯え…。
ドツボだった。

日々、俺は…。
サクラを好きではないと…自己暗示を与えて…自分の行動をコントロールしていた。
正直、辛かった。

俺の力が伸び悩んでいる理由は…憎き殺人狂の兄が言うには…憎しみが足りないらしい…。

イライラする。

俺は、殺人狂の兄…。
サクラは可憐で幼児心を残す妹。
ナルトは将来有望な妹の義兄…。

本気で、これになりかねない。
俺は…一度、木の葉の額宛てを外した。
その時、里にいる理由もなくした。
今では…俺より明らかにサクラは、ナルトと会話してる。
サクラは俺を見ず、ナルトを見てる。
動作まで一緒だ。
俺は溜息ついてる…。
このまま一生、これなのか…ますます、これが酷くなっていくのか。
サクラは信じられないレベルで、強い男に弱すぎる…。
時間の問題だ。

里にいれば…。
いつか本気でナルトに転ぶかもしれん…。
それでもいいのか…。
今は違うが…サクラならあり得る。
サクラは俺の血筋…血継限界の人間でもない…常人レベルの愛だ。
ヒナタがナルトから心変わりは一生ないだろう。
ナルトがサクラからヒナタへ行くのはあり得そうだ。

サクラが、俺からナルトへ行くのもあり得そうだ…サクラは強い者に常に屈する…幼児時代からそうだった。
俺は疲れてる…。
あと一人…里には俺の血筋の男がいる…。
ネジだ・・・ヤツは誰を好きなのか…。
サクラが好きになりそうなタイプでもある…。
いろいろげんなりしてる…しかし、ナルトにネジは負けたらしい…なら、やはり…サクラはナルトに転ぶのか…。
ナルトとばかり、サクラはべたべた慣れ慣れしい…。

ヒナタは…ナルトのために身を庇って自殺を選ぶのか…。
ネジはテンテンと一緒になるのか…。
それともヒナタがまさか…好きなら…ヒナタのために自決を選ぶのか…。

ネジがサクラを好きなら…サクラのために自決なのか…。
そこも知らん。
ネジはナルトに負けてから…急に聖人君子だ。
我愛羅もそうだ。

サクラの性癖は強い男…急に態度を変える…割りと軽い。
ヒナタは精神力…殺人レベルの重い愛を注ぐ。
イノは…顔、それプラス強さ。

しかまるのデーター記録だ。
勝手に聞かされた…俺は興味ねえ。

ヒナタの項目が…よくぞ、シカマルに解析出来たと関心はする。

この里で俺とネジ…それとシカマルだけ…ヒナタの本性を知ってるらしい。
もしかすれば…俺はシカマルにだけは…本性がばれてる可能性もある。
晒す気ねえから友人になるのは拒み続けてたが。

俺の血筋の人間が考えることなど逸脱してる。



俺は右か左しかない人種らしい…。

イライラが続いていた…。

愛ゆえに


目次



木ノ葉クーデター13歳(イタチ&サスケ視点)「早く来い」「行きたくない」




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