アナタノコトガスキデス

萌え妄想のまま走るいろいろ創作小説の予定。苦情無断転載禁止。

班結成A



☆☆☆

俺は機嫌がとても悪い。
せっかく二人っきりで密着世界にいたのをシカマルに妨害されたからだ。
いつもに増して顔が暗い。

察するに俺に関すること…。
サクラのことか…。
俺の家族についてか…。
どっちだ。
コイツの父は高級職だから…昨日の隣里、我愛羅に関する噂で発覚した。
俺の事情も知ってる可能性が高い。

【サスケ…。
おまえも大変だな…】

『何の話だ?』

相変わらず俺の声は低い。
どうとでも取ればいい。

【おまえ、いつも…。
その調子か…】

『どういうことだ?』

顔に表情などねえ。
こんなむさくるしい男の前で笑う訳もねえ。

【女子いるんだから、少しは優しくしてやれよ】

『…。
サクラか…』

一瞬、反応に困ったが。
俺は低い声を貫いた。
威嚇だ。
サクラは俺のモノ決定だ。
おまえが取るすきなど与えん。

【男は女に優しくするもんだろ…。
さすがに酷えだろ…】

『俺には関係ない。
強くなることしか…他に要らん』


【ああ。
だりい…】

『これで俺の話は終了だ』

俺はこの男嫌い過ぎだ。
隙も見せれん。

【サクラは割りとお前に尽くす女だ…。
女としては悪くもねえ…】

『どうでも良いことだ…』

溜息を吐いた。
嘘つけば…ため息が出る…。
ストレスもある…。

【俺は…だりいが…聞いてる。
おまえの家族な…。
亡くなったんだな…】

『…』

やはりか…。

無反応だ…目だけ瞬きした。

【知ってるが、黙って見てる…。
あと、ナルトは…事情は知らんらしいが…。
おまえが孤児であることも知ってる…】

『何がいいたい…?』

【突っかかんな。
サスケが…里の一員であることは認めてる。
里抜けなんて馬鹿、考えるなよ】

『…。
その台詞、お節介だな…』

ココで昨日、覚えた単語”お節介”を使うとも思わんかったが…。
シカマルに”うざい”と言う気にならん。
あれはサクラにだけでいい。
コイツに甘える気はねえ…認めん、照れもせん…。

【まあ。
俺は面倒見わりい、しかし…。
クラスメイトは知らねえみたいだが…。
俺から里の一員であることは認めさせてる…。
めんどくせえがな…】

『余計だな…』

【だりいが…。
おまえ、イノ…好いてるらしいな】

『そうだ、俺は…強い者の元へ走りたくなる…。
自分が強くなりたいからだ…。
俺ほど力を求める人間は…いねえ…。
あの中では…ヤツ以上に強いヤツもおらん…。
それ以上がいればそちらへ行く…。
ウツツには全く興味ねえ…一生、なくてもいい…。
俺は強さだけを求め続ける…。
全ては…復讐のためだ…』

ここは少し…動揺した。
他に言葉が出んかった。
隙を作るのが恐ろしかった…。
かなり…頭を使って言葉を繋いだ。
嘘だからだ…。
俺は…シカマルが怖い。
シカマルのIQは200を超えてるらしいからだ…。
拷問に近い…。
逆に台詞が長くなった…。

【だるいな…。
これ以上は聞かねえ…。
サクラは…良い女だ、信じてやれ】

『俺は…強さを求めてる。
復讐のためだけに生きる…それだけだ…。
強くなれば…時が来れば…里を出る…。
そんな宿命にある人間だ。
強さだけを求めてる。
おまえがサクラに興味あるなら……。
おまえも強くなればいい、俺には無関係な話だ。
絡むな』

無表情は貫いてるが…内心、鼓動が激しい。

【めんどくせ〜。
おまえが他人の愛を信じられん気持ち、分かるがな。
女を泣かす男は最低だ。
サクラはいたわってやれ…】

--俺を理解しとらんヤツだ。
俺は…俺のために泣いてくれる人がいることがどれほど嬉しいか分からねえ。
アイツだけだ、俺のために泣いてくれる人間は。
俺は毎日、泣いてる。
俺の代わりにアイツが泣いてくれてる。
アイツを泣かせるたびに俺は救われてるのに…。
俺は…部屋で泣いてる、その時、サクラも俺を思い泣けばいい。
そんなアイツが可愛くて仕方ねえのに…。
俺のこと、愛してる証拠だ、あれは…。
泣いて俺へ縋るアイツは天使だ。
それ以外で愛を確かめようもねえ。
シカマルには…たくさんいる癖に…。
妹は可愛すぎると苛めたくなる…最近、分かったことだ。

『話は終わりか。
サクラを呼べ。
落としたければ、落とせ…。
おまえと俺は合わん…それを感じた』

落とせはせん。
サクラは強い者しか認めん。
おまえは俺より下だからだ。
俺に精神的拷問してる暇あるなら、修行しろ。

【はあ…だりい…。
分かった、めんどくさいからもう良い。
おまえと友人になってやる気だったが…。
サスケは望まんらしいしな。
素直じゃねえな】

『俺は常に孤高でありてえ。
復讐に生きる…』

ここで”孤高”を使うとは思わなかった。
サクラの前で使う予定の単語が…。
ほぼシカマルの前なのが腹立つ。
俺は機嫌マックスに悪い。
俺の顔は怒りの顔だろう。

【おまえさ、その堅苦しい顔と、素っ気ない言葉、あと変に固い言葉。
本当にそれがおまえの本性か?
めんどうくせえが…崩せよ】

『うるさい』

【俺らまだ6歳だぜ。
そりゃ、わりいが。
女取り合戦で俺ら男子もな。
おまえを敵認知はしてるが。
あれはゲームだ…おまえとの遊びだ…。
成績を競うのも目的だ…。
里のレベルが上がれば…里の安全も良くなる。
俺は…木ノ葉を愛してる…。
何かねえと…全くやる気も出ねえ…。

サスケを苛める目的でも…、ナルトを阻害する訳でもねえ。
おまえは認めてる。
ナルトも里の一員だ。
おまえを鬼と思ってる…こっちはドロボウ。
そんな域だ…誤解すんなよ…】

『…』

--成績目的か…。
俺は…。
そんなものでは落ちん…。

女子どももそうなのか?
だから…ラブレターや告白がねえのか?。
シカマルには悪いが…。
俺は…。
そんなゲームに付き合う気はねえ。
真剣さが足りん…。

俺を恨めば良い…。
男子ども全員だ。

女子全員…俺を本気で好きになれば良い。

俺が死にそうになれば…服従して、命懸けで身を挺すべきだ。
それから人生は他の男になど目移りもせず…俺だけのために生きるべきだ。
俺の支配下となり、俺の命令に忠実になり、俺が殺せと言えば…手を下すぐらい…洗脳レベルでも良い。
俺は…この里を内部から制圧する。
死に物狂いで、俺を愛せばいい…狂い求めれば良い。
俺に他の女が密着すれば、痙攣を起こし…殺意を抱くほど嫉妬に怒り狂いだし、激闘を交わすぐらい馬鹿で良い。
熱く激しく愛せば良い。
俺はそれを高みの見物をしてやる。

それが俺の求めてることだ…。

ゲームなんぞ生ぬるい。

そんなもの求めん。

俺は…愛を求めてる…。

俺は…里の平和より…。

靴箱いっぱいのラブレターや。
毒薬なしの…愛妻弁当攻撃や。
手編みのマフラー渡しに憧れてる。
あと…胸に響く…真剣な告白だ…。

おまえは…俺の気持ちが…わかっちゃいねぇ。

家族がいるおめえに…俺の孤独が分かるわけもねえ…。

そんな軽いゲームは、いらん…。

俺は…成績で落ちん…少なくとも俺は強い女など好いてねえ、好みでもねえ。
女子どもの趣味は理解も出来ん、しかし茶番劇には付き合ってる。
里の本にも…モテたきゃ強くなれと書いてあるからだ。
この乱世、強いヤツがモテるのは理解してる…しかし俺は男だ、女の思考回路は理解も出来ん。
俺はゲームは求めん、萌えと癒しを求めてる…。
今は”血の繋がらない妹萌え”の気分だ。

シカマルに渡す気はない、ゲームなどではねえ…友になどなれん。
おまえが少し前まで一位だったのに、平均なのも気に食わん。
おまえは、危険因子だ…俺は絶対、友にならん。
友になるなら、ドベで良い…俺はとても謙虚だ。
強い男は嫌いだ…殺意すら芽生える…。

俺はサクラの手前、品行方正を続けてるが…正直、シカマル、チョウジ、キバ辺りは…殺しても良いかとも思えてる。
イルカ先生もだ…。
ムカつきまくってる。
サクラの…あの光る乙女目線は絶対に俺の力で封印させる。

特に、サクラが俺に絶対服従するまで…。
おまえがサクラの光目線を戴いてた事実を…猛烈に憎んでる。
俺は…里の男子を許す気になれん、友は無理だな…。
ライバルなら、受けて立ってやったが…。

恨んでるからこそ、誰ともつるまん。

これが、俺の本性だ…ブラックだろ?

コイツ、知能は高いらしいが…今の会話で…どこまで俺を読んだ…?

俺はサクラに命令されれば別に人殺しても良いかとも思えてる、アイツは俺の恩人だからだ…。
ゲームなんぞ生ぬるい。

俺は第二の家族…妹のためなら、何でもする気だ。
俺ほど家族を求めて、仕方ねえヤツもそういない。
ナルトもそうかもしれんが…。

【父さん言ってたぜ。
あまり子供のころ遊びまくらんと…大人になると、ぐれるんだとさ。
おまえは生真面目すぎだ。
ナルトは孤児らしいが、いつも門限ギリギリまで…公園で遊んでら。
俺ら仲間にはいれてやらんが…嫉妬もあるが。
認めてはいる、里の一員だ。
アイツが敵に襲われりゃ、助けてはやる。
サスケ、おまえもだ…めんどくせえが】

『要らん話だ…』

何言われても心に沁みん。
機嫌悪すぎだ。
サクラを呼べ。
おまえの顔に癒される訳ねえ。
サクラは俺の忠実なる”家族”。
シモベだ。
コイツ、空気読めねえのか…いや、それはねえ…、俺を精神的に落とす作戦か…。
知ってて言うなら、更にタチが悪い…。

【ああ、だりい…。
俺じゃ、無理か。
たまには遊べよな。
まっすぐ家帰んな…公園にも寄れ】

『俺は強くなるだけでいい。
公園などで遊ばん。
低俗に染まらん』

ここで”低俗”をつかった。
全てサクラのために覚えたのに…。
また機嫌が悪い。
早くサクラ、呼べ。
会話終わらせろ。
顔も怒ってるだろう。
痙攣が頭で起きてる。
サクラを俺に戻せ。

【本当に…オメエ6歳かよ。
俺はだりいが…おまえの将来、心配だ…。
ぐれんなよな…おまえ秒刻みのスケジュールだ…俺が見てると…】

『俺はおまえと友好関係交わすつもりもねえ』

本心だ。
”友好関係”…。
昨日、覚えた単語…全部…シカマルの前でだということに関して俺は怒り狂ってる…。
アレは…サクラのために、俺は暗記してるのにだ…。

【強がんなよ。
ああ。
だりい。
ナルトも、おまえのこと、絶対心配してやがるぜ。
アイツもこの件、知ってるから…。
俺には大役だ。
めんどくせえ。
ナルトに任せる】

『ナルトも要らん』

勘違いするな。
ナルトも最近、サクラをチラチラ見てやがる。
俺はナルトとサクラが窓際で仲良く隣通しな席なのを全く良く思ってない。
納得などしてねえ…。
ドベなことだけは許す…。
サクラはドベは大嫌いだからだ。

【サクラ、呼んでくるぜ…。
ああ、だりい…。
俺、めんどうなの苦手だ…】

『ひとつだけ聞いてやる。
おまえは気が強い女が好みなのか?
ヒナタは…おまえの論外なのか?
イノか…サクラを狙ってる。
だから、俺が邪魔か?』

疑問を口にした。
これぐらいなら…バレンだろう。

【邪魔とは思わね。
そうだな…確かに俺は気が強いくらいが好みだが…。
この里の女は痩せぎすすぎだな、少し太ったぐらいで俺は良いな…。
最近、恋愛ゲームでも隣里のキャラに嵌まってる。
修行ダルイ…ゲームぐれえか…俺の癒しも…】

『…』

俺の目は瞬きだ。
しかし、内心は動揺だ。
やはり…ヒナタ派ではねえらしい…。
イノか…サクラ…。

容姿で落とせるイノなど、無理すぎる。
つまり…成績で、サクラをまだ…コイツは落とそうと…してやがる…。
それが無理っぽいから…ゲームの世界に逃げてやがる。
そういうことだ、この台詞…。

おまえ、まさか…。
わざと…サクラと同じ班になるために…クラスの平均を目指したのか??
わざと…今回のテストでの平均点まで…予想して…。
成績を下げたのか?

ドベが上になるのは難しい。
トップが成績下げるのは…簡単だ。

トップがドベになるより・・・トップが平均になる方が難しいだろう。

平均点も毎回変わるそれを予想せねばならん。
だいたい教師共も平均は…60点ぐらいには持ってくるが…。
コイツは知能犯だ…猛烈にあり得る。
イノかサクラが…好み…ということだ…。

俺も以前、手裏剣下手なふりして…制裁してた。
逆は簡単だ…。

【サクラ、呼んでくるぜ…。
おまえの好みも分かった…】

シカマルは去って行った。

俺は動揺しまくりだ…。

サクラの方まで行って…。
呼びに行ってるらしい。

俺はアイツとは最強に合わん。
俺が合うヤツは誰もおらんが…。
アイツは無理だ。

どこまで…知ってる?
俺のことを…。

ヤツはこの里一番の切れ者だ…。
今の会話で…どこまで俺の本性が分かった?
俺は…シカマルが嫌いで仕方ない…。

俺は鈍い女が好きだ。
鋭い女なんぞ大嫌いだ。
賢すぎる女も嫌いだ。
馬鹿で良い…俺のウソに付き合ってもらえるぐらいで良い。
こんな緊張感要らん。

シカマルも鈍くなればいい…俺とは合わん。

俺は…よく『うざい』と口癖で言うが…今日判明した。
シカマルに対して言う気にならん。
サクラには言いたくなる…あれは照れも入ってる。
シカマルは…不要だ。

俺は…。
最近、家族もいねえし…自分をさらけ出す場所すらねえのに…。

この頃、自分の言葉まで考えてから話してる。

サクラの前で…格好よく映るため演技し始めてる…。

いろいろ…あれだが。

サクラは格好良いヤツが好きらしい。

第二の妹、サクラには俺はよく思われたいらしい。

少しでもそう映るよう、努めたい。

情けなく映るわけにはいかん…。


☆☆☆

シカマルが…金木犀の咲く木の下で待つ50メートル離れたサクラの元へ足を運ぶ。
シカマルが…サクラに何か会話してる。
足元には…コスモス畑…。

そのあと…サクラが…そこから離れ…、俺の元へシカマルと戻ってきた。

こっちは…石だらけの川原だ、灰色だ。

俺は…。

どうして自分からサクラに声掛けが出来んのか…。

悔しい。

俺はサクラに限らず、誰にも自分から声を掛けれんらしい。
いつも待つ方だ。

自信がねえからかもしれん。

「サスケくん…。
話、終わった?
友達出来た?」

サクラに心配されるのは嫌だ。

『低俗な日常には染まらん。
友好関係など築かん。
シカマルは、お節介な野郎だ…。
俺は強くなるのに必死だ。
俺は、孤高でありてえ…』

”孤高””日常””お節介””低俗””友好関係”。
昨日、覚えた言葉…やっとサクラの前で全部言えた。
俺なりの…口説き文句なのだが…。
伝わってるだろうか…。

「サスケくん、カッコウいい!」

サクラが顔を染めてる。

これは正解だ。
心がぬくいな…。

「サスケくんは…私だけにしてね。
他の女の子にいかないでね。
サスケくん、大好き」

サクラが俺に左横にくっついてくる。

今、機嫌良い。

空を眺めてる。

今日は良い天気だ。

【めんどくせえ…】

シカマルは俺の前で…俺達を眺めて、感想述べてる。
これは…諦めたのか?
それとも嫉妬なのか?
そこは分からん。

しかし、この里にも花はある。

森から緑も減り、肌寒い季節だが…俺の体は温い。
サクラが温めてくれてるからだ。
俺の第二の家族…決定、俺の妹だ。

☆☆☆

魚釣りはだ。

今日も個人プレーで動く魚を無理やり仕留めてえが…アレは失敗も多い。
手裏剣の無駄遣いにもなる。
一発で仕留めれば格好良いんだが…失敗は…減点にもつながる。





シカマルには羨ましすぎる術がある。
カゲマネだ。
影で魚を追い込み、動きを止める。

それを俺が仕留めた。

大量に釣れた…他の班にも配れば…また俺の票が上がるだろう…。

ナルト、ヒナタ、イノの班は…苦戦らしい。

譲ってやろう。


最後にたくさん、釣ったのは俺だ。

「キャー凄い。
サスケくん。

最後に手に入れたのはサスケくんよ?
手柄はサスケくんだからね?
勘違いしないでよ、シカマル?」

サクラは俺の絶対的味方だ。

【めんどくせ〜】

気が強い女が好みらしいが…これで分かってくれただろうか…?
諦めただろうか?
俺はコイツが嫌いだからだ。

「サスケくん、これ…他の班に配っても良い?」

俺もそれを考えてた。

『好きなだけ配れ』

「サスケくん、優しい。
惚れちゃう!!
しかもクールで…カッコウいい!!
それから強い!
サスケくんに欠点なんてないのよ?
シカマル…?
分かったかしら?
サスケくん、大好きすぎる!!」

毎日、この調子で俺は褒められてる。
確かに…最後に仕留めたのは俺だ。
この魚は全部、俺のモノだ。

【めんどくせ…。
サクラ、俺も褒めろよ】

「平均は相手にしないわ…人並みよ?
サスケくんの強さを越えてから…言うのね?
サスケくん、一人でも魚くらい射止められたんだから。
ね?
サスケくん」

『俺は強さだけを求めてる。
人と交わらん…。
俺一人でも魚は釣れた、それは確かだ…。
シカマルのために、茶番劇に付き合った。
俺ばかりの手柄も…毎度、気の毒ではあるからだ…。
俺なりの情けだ…』

--俺一人では…2匹が関の山だ。
3匹目は釣る気力も沸かねえ。
シカマルの魚など、釣る気にもならん…。
大量に釣れたのは…シカマルを利用したからではあるが…。
こう言っておく…。
サクラは俺の絶対的味方だ、何を言っても俺だけ崇拝するはずだ。

「本当に痺れる…。
しかも…優しい!
シカマル…サスケくんの御厚意を、感謝しなさい?
サスケくん、大好き♪」

--やはり。
俺の第二の妹は…良くできた女だ。

いつものことだ。

俺はサクラに縋り付かれてる…。
可愛い奴だ。

「サスケくん、じゃ…イノとナルトとヒナタにもおすそ分けしてくるね♪」

『勝手にしろ』

【ああ、だりい…】

こんな日常も悪かあねえ…。

この里は花が咲いてるからだ。

ま、単純だ。

俺が理想の兄でいる限りは…第二の妹サクラも俺を慕ってくれるだろう。
俺は”家族”の期待にはこたえねばならん。
他に理由もねえ。

俺はこの頃、季節の果物…。
林檎ばかり丸かじりだが…。
サクラは…どこまで器用になれただろうか?
今、柿も丸かじりだ。
しかしサクラが剥いてくれんということは…まだなのか…。

昨日もまだ…術式の文字がずれていた…。
信じられないレベルの不器用さで…。
お蔭でまだドベだ。
ペーパーだけ100点だが。
全科0点だ。

平均、20点以下なのか?
まさか・…。
ここまでえげつないのも…他に見ないレベルだ。
俺は違う意味で驚いてる…俺の一族ではあり得ん…そこもまた凄いが…。

体術はナルトより負けてる気がする…。
ナルトの方が拳に力がまだある…。
手裏剣もだな…ナルトより酷い。
サクラが持つと落ちる…握力、足りねえのか…。
確かに…5キロの手裏剣は、6歳の女子の片手には…重いかもしれねえが…。
サクラ、俺はおまえが心配だ。
強くなれ…、弱いと長生きも望めぬのが…この世の理だ。
いつも俺の亡くなった家族も言ってやがった…。

ナルトは平均点いくらなのか…知らん。
ドングリの背比べか??

俺はそんなサクラも好きではある。
いつも見守ってる。

しかし、体術だけは極めろ。
他の女子にリンチで下手すれば殺されれば…。
俺はブチ切れどころではすまん。
スパルタ教育だが、徹底はする…。

毎日、ナルトをボコ殴りして…力を付けるんだ。
とても応援してる…。






【サクラの日記】


☆☆☆

私は少し前まで泣いてばかりの女の子で苛められてた。
それを集団の輪に入れたのはサスケくん。
それから私はドベだけど…サスケくんはドベの女の子でも平等に接してくれる。
私は男子でもドベなんて嫌いなのに。
サスケくんは本当に優しい男の子。
私は大好きでたまらない。

私は弱いのなんて大嫌い、常に上昇思考。
女子でも強いのと、つるみたい。

サスケくんは、ドベのナルトにもボロくそに貶さない。
クラス中ドベのナルトを貶してるのに。
それから女子全員、ドベの私も相手にしてないのに。
本当に博愛主義の優しい男の子。
凄い聖人君主。

人格者過ぎる…。

お母さんもビックリレベル。

ドベにでも平等。

サスケくんの密着面積までドベでも平等。

優しすぎる男の子。

私は躾がなってないってサスケくんに批判された。

強い男を光目線で見るのは人間として最低…フシダラだって。

サスケくんは一度もそんなことしてるのを見たことない。

サスケくんってどうしてあんなに素敵なんだろ…ドベにでも男子全員平等に接してる…。
ドベの女子にも平等。


差別と偏見、跳ね子が嫌いな素敵な男の子。


私はサスケくんに…たくさんのことを教えてもらってる…。
頑張って、強い男を光目線で見るのは止めようと願う。

フシダラと思われなくないから…。

サスケくんにはだんだん嫌われてる気がするけど。

諦めきれない。

私は弱いのなんて人間と認めない。
どれだけ自分が守られてばかりで、弱いことにコンプレックスだらけか分からない。

ドベなんて大嫌い。

早く抜け出したい。

お母さんにも自分より上と付き合いなさいっていつも教育されてる。
ドベと付き合うとドベが移るって言われてる。
強い男を選べって言われまくってる。
貴方は弱いから、弱いのなんて選んだら敵に殺されるわよとも。
この乱世、男は強さが一番よ…とも言われまくり続けてる。
私は強いサスケくん大好き。
きっと女の子達も全員そう…。

図書室に行っても…。

”この乱世、誰より長く生きるには…?”
”里の英雄になる方法”
”力のある人に認めてもらう方法”
”力のない者の最低限の護身術”
”若者よ、強さを切に求めろ…。
苦行に忍び耐えろ…”
”人より早く強くなる方法”

こんな本ばかり。

私は里の英雄に憧れるけど…。
私の力では無理そう…。

女も力さえあれば一目置いて貰える時代。
私は力をつけてサスケくんに認めてもらう。
力さえあれば相手にしてもらえる。

私はドベが嫌だったけど、そのお蔭で今日はサスケくんと班が組めた。
シカマルは邪魔。
サスケくんはクールで格好良い。
惚れ惚れしちゃう。
出てくる単語が他の男子とは全然違う。
考え方も…恋愛よりも修行って感じで。
そこがたまらない…。

私が河原で綺麗なガラスの石を探している間も…。
サスケくんは瓶の底のビー玉を見てるけど…。
何だが…雰囲気が大人っぽいの。
キャピキャピしてない。

そこがたまらなく魅力的。
しかも…みんなの分の魚を釣って…譲ってあげようとしてる。
平均のシカマルにも仕方なしに手柄をあげようとしてる。
サスケくんだけでも魚ぐらい釣れることは私、昨日で知ってるのに。

みんなのことも考えて、シカマルと行動を共にしたみたい。
私はサスケくんのこと以外、どうでもいいのに。
私はサスケくんが好きすぎる。

私にとってサスケくんは神様に近い。
この里に現れた素敵すぎる男子。

難易度高いけど。
いつか一緒になれたらな。

サスケくん、男友達作りたいかって私、心配してたけど。
それより強くなりたいみたい。
更に強さを目指してるみたい。
そこがまた痺れちゃう。
他の男子と違い過ぎるよね。
もう好きで好きでたまらない。

どれだけクールで格好良すぎる男子なんだろ。
毎日、にやけてる。
好きすぎる…。


私が公園でキャピキャピ、イノと喧嘩してるときも…。
サスケくんは…強くなるため、すぐ自宅で本に向かってるみたい。

それから休み時間も難しそうな忍術の本を読んでる。
私の知らない術もいっぱい知ってるみたい。
たまに披露してくれるけど。

凄い術ばかり。
もう、凄すぎる。

私も遊んでる暇ないから。
漢字だけは覚えるのを決めた。
普通の勉強…一般教養だけは極めたい。
私にはそれしかない。
実践はもうサスケくんがはるかに上過ぎる…。


比べ物にもならない。
手裏剣の腕もだけど…剣術も…クナイも…。
全部…。
戦法から…。
ありとあらゆる面…。
呪符も…。
全部、サスケくんオールマイティにダントツ。

格好良すぎる。

サスケくんぐらいのスキルだったら…一学年上の生徒とでも対決出来そうなくらい…。

もうクラスの神様状態。

私は…筆記だけ。
あと…時間さえあれば…木を殴る練習。
私は才能なんてないから努力だけ。

頑張ってる。

暗記は良いみたい…。
デコって苛められてたけど…暗記だけ出来るみたい…。
でも、実践で今のところ、芽が出ないのが…困ったとこ…。
サスケくん、凄すぎ。

クラスで今はドベで…。
ペーパー以外ダメで…。
木をボコるのすら…拳が痛いけど…。
いつか…せめてクラスの平均にはなりたいな。

それまで…サスケくんと同じ班じゃなくなるかもしれないけど。
サスケくんに認めてもらいたいから。

家に帰ったらいつも大好きなサスケくんの話をお母さんにしてる。

お母さん笑ってる。

それから、サスケくんに似た漫画なら読んでる。
もう好きすぎる。
恋愛なのか慕ってるのか…どっちでもいい。
きっと、私はサスケくん、大好き人間、理想だもの、欠点ないモノ…サスケくん。
サスケくんはクラスのアイドル。
だけど…私もいつか…イノではなく、私を見て欲しい。
憧れの人…サスケくんがいるから学校が楽しい。

サスケくんがドベになることなんてあり得ない。
私はなってもサスケくん大好きな気もするけど…ドベになるの、全くピンと来ない。
独走だし…サスケくん。
いつも強さを求めてるし。

一生、そんなことはあり得なさそう…なってもサスケくんのこと…好きだと思う。
サスケくんには…集団の輪に入れてもらえた恩がある。

サスケくんが私と同じで跳ね子にされても…力に悩んでも…。

私は離れない…サスケくん、集団の輪より修行に明け暮れそうだけど…サスケくんは批判できない…だいすきだから…。

受けた恩は私、忘れない…当たり前。
選んで貰えるの、物凄く大変そうだけど…一緒になれたらと願う…側にいてくれるだけで良い…。
サスケくんのいない日常は…泣いてばかりの孤独だった。
サスケくんとで会えた日から…私は強気で…花がある。

私は夢見がちかもしれない…。
少女漫画の甘い恋愛、大好き。

サスケくんのお嫁さんになるの夢。
それを決心してから…。
私は強気になれたから…素敵な思い出。

ライバル多いけど頑張る。

6歳だけど…恋愛はよくまだ分からないけど。
サスケくんが大好きな気持ちだけは変わらない。

私のサスケくんはヒーローそのもの。
私を泣いてばかりの孤独から救ってくれた人。

いろんな素敵な男子いるけどもうサスケくんがダントツ。
私は強くて格好良い男の子大好き。
この里には素敵な人がいすぎるけど。
サスケくんとは比べ物にならない。

浮かれちゃうことも頻繁だけど。
サスケくんにフシダラと思われたくない…いろんな男の人見てだらしない顔しない。
ドベのナルトと同格なんて、思われたくない…頑張る。

サスケくんに選んでもらうためにも…。






俺は部屋に帰れば誰もいねえが。
第二の家族サクラを思えば心が温まる。
本音は抱きしめたいとも願う。
強がり過ぎてる。
それも知ってる。
それを言う気にもならん。
このままで良いかとも願う。

俺に恋愛は合わん。
俺の両親も似た感じだった。

俺の精神は弱く、繊細な根暗ビビリで…嫉妬に怒ってばかりだ。
いつも待つ方で。
そこは母さんに似て。
怒ってばかりなのは父譲りだ…。
両親ともに社交性に欠けてたが…俺には、そんなもの存在はせん。
強さのみだ。
うちは一族の血のお蔭で…今、俺は誰よりも力があるだけだ…。

俺が頑張れば…里で認められれば…。
サクラに見合い話を持ってけばすんなり進む。
これで良い気がする。

俺は自室に帰れば…よく…アカデミーの入学写真を見る。
そこにサクラの顔も映ってる。
サクラに崇拝され続けるのも良いかと思えてる。

それすら…隙も見せん。
この部屋には頻繁に上層部がやって来るからだ。
俺は行動を逐一に監視されてる…いつ兄と同じで狂乱せんかと…殺人狂にならんかと…。
この部屋にも、監視カメラがある可能性も高い。
忍者と言うものは、常に警戒せねばならん。
ここは木ノ葉戦災孤児VIP寄宿舎で…俺だけ隔離されてる。
しかも、木ノ葉の忍者能力を考慮すれば…充分、あり得る。
俺は常時、入念に人を疑ってる…期待を裏切られ、傷付かないためにだ…。
しかし、心では…よく…第二の家族、妹を…思い出し、溜息を吐く…。

兄が殺人に狂った理由が分からん。
やはり…女なのか…本気で分からん。
どうして一族を殺した?
殺意が芽生えた?
兄の恋愛を…一族全員で寄ってたかって…反対でもしたのか?
俺には謎だらけだ…。
13歳ぐらいに面会予定があったが…見合いがよほど嫌だったのか…?
父と何で揉めてた?
不思議で、溜まらねえ…。

俺の母さんは…綺麗で儚げで大気汚染の酷いとこでは生きれねえような…そんな女性だった。
父さんのことは慕ってたらしいが…結局言えず、見合いでだ。
父さんは怒ってばかりの男だった…しかし、同じく…母さんには言えもせず…。
そんな関係を続けてきたらしい。

13歳ぐらいで見合いで面会してからはだ。
俺も…一族が生きてれば見合いだったのかは知らん。
兄さんは面会前に見合い相手まで殺してしまった…。
信じられん…。

恋愛は俺には合わねえ…と節々で感じる…感情が壊れて、疲れそうだ。
言い寄られるのは、悪くねえ。
俺は…理想の壁であるようにこれからも努めてえ…。
陰から慕ってる…俺の家族、第二の妹をだ。
サクラの好きを恋愛と認める気もねえ。
俺の感情も恋愛とは認めねえが…もう家族決定してやろう…。

まだイルカ先生を星ひとつの瞳で見てやがった、どれほど教育がなされてねえのか…。
俺は幻滅はしてる、しかし…俺は力付くでそこは調教する。
妹には貞淑を求める…毎日でも苛める、あれが治るまでは。
おまえぐらいなものだ…このクラスであんなことするのは。
イノもしかねんが…。
いろいろビックリしてる。
可愛い妹だがあれだけは治療したい。
ナルトも頻繁にしてやがる…女子全員、いいのか?おまえはってレベルだ。
博愛主義もたいがいにしろ…俺はヒナタを不憫に感じてる。

俺から…クラスメイトの男子どもも…ナルトに、ヒナタの愛を伝える気にもなれん。
サクラとナルトは似ている。
ドベだからか?
違いもある、そこを俺は評価してる…違いはサクラは断トツで可愛い。
ナルトは不細工だ。
これが一番だ。

それ以外は…サクラは何しても可愛いで許される。
しかし、ナルトはどうでもいい…。

大きな違いだ。

今、サクラとナルトが窓際で隣同士の席だが…仕草まで似てやがる。
俺が観察してればだ。
いろいろムカついてる。
しかし…ナルトが女になればきっと不細工だ。

サクラが男だったら俺を越えてる顔の良さに決まってる。

性格も…奴らは似てるのか?
まだ…ナルトとはつるんでねえから分からん…。

ただ、行動が似てる…仕草が重なってやがる…最強にムカついてる…。

サクラの性格は愛らしく子供らしいが…。

ナルトの性格は知らん、興味ねえ。
イルカ先生とばかり話してやがるが…サクラとは似てねえと感じる。

ただ…やつら恋愛観が似てる気がしてならねえ…。

気のせいであればいい。

ナルトのクラス中の女子へ…構ってアピールがえげつないのは幻滅しまくりだ。
サクラが…まさか、あのレベルでないことは祈る。

俺はそんなやつ、うちは一族に入れる気はねえ。

あれだけは好いてない…。

絶対、俺が変える…うちはのキャラに改造する…俺の妹決定だからだ。

手段は選ばん、何度でも苛め続ける…。

泣かせまくる。

シカマルに心配されようが、妹は…苛めたくもなる、不満があればだ。
そんなものだ…。




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日陰の愛(ヒナタ)



















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