言葉にできない
今日もだ。
起爆弾の術式で手間取ってるヤツらのために授業が続く。
サクラは小さく爆発できたようだが…文字がずれてるのか…ヘボい。
ナルトは…とうとう覚えられないから教科書片手に…書いてやがるが…。
サクラ以上に字が下手らしい…。
全く爆発すら無理らしいな。
結界はイルカ先生に…机の上に張ってもらって全員やってるが…。
基礎的なことが出来てない人間ばかりだ…。
今日は退屈だった、一学年上…ネジの学年は…何をやってるのか?
☆☆☆
休み時間、机で集中してれば…女子どもがつるんでくる。
≪サスケくん?
今日もお勉強かしら?
今日こそ私の美貌に魅了されたかしら?≫
イノだ。
「離れろよ。
机の上で集中してる時まではくっつくな」
迷惑してる。
[ええ]
[私たち、そんなつもりじゃ]
[サスケくんの邪魔?]
「サスケくん…」
サクラだ…相変わらず…。
接近すら許されておらん…。
おまえがこの中で一番になるまで待てば…。
いつになるか終わりの見えぬ旅だ。
『成績下がるだろ。
ほかにやることあるだろ』
命令だ…俺に従え。
≪そうね?
さすがにサスケくんが机で集中してる時はやめときましょ?
みんな理解できたかしら?≫
イノが女子どもに指導してるな…。
[仕方ないわね]
[つまんない]
[フン]
「サスケくん…応援してるね」
サクラからのエールは受け取ってやる。
≪いつなら良いのかしら?≫
イノだ…、今にも密着して来そうだが。
『ウザい』
断った。
強い者の意見に従え…、俺はイノより強い。
[ええ]
[私、密着したいな]
[サスケくんはみんなのアイドルだから]
[お願い、引っ付かせて]
女子どもから非難轟轟な悲鳴か…。
「サスケくん…私もひっつきたい」
サクラだ。
耳触りが良い。
『そうだな…。
授業の移動中ぐらいに控えろよ』
折れてやる。
≪サスケくん、サクラのあとに喋らないでくれる?
私が…話した後で≫
イノだ。
文句言ってるな…。
『勝手にルール作んなよ。
どのタイミングで話そうが良いだろ。
女子全員の意見、聞いてからにしてるんだから…」
俺は大きく溜息を吐いた…。
[そうよね]
[イノばっかり喋って前からムカついてた]
[どうしてイノばかりサスケくんと話してるのか]
[不平等すぎよね]
女子は大賛成らしいな。
『サスケくん…ありがとう』
サクラは感謝してる…。
『密着するときも成績順じゃなく、平等に面積…譲り合えよ。
俺はあの戦い、いつも見苦しい…。
幻滅してる、おまえらに。
暑苦しい』
本音だ。
≪ええ。
サスケくん…そうなの?
お気に召さなかったの?
読みが外れたわね≫
イノが焦ってるな。
俺に従え。
勝手な掟つくるな。
強い者へ…巻かれろ。
俺が…この中で、ダントツに一番強い。
[私は…平等じゃない方が良いけど…。
サスケくんに幻滅されるのは…]
[私はどっちでも良いけど…。
サスケくんに好かれるなら]
[私は…それでも良いかな?]
[私もその方が良いかも]
[サスケくん、ありがとう]
ここは賛成:反対=6:4か…。
上位の奴らも俺に『幻滅される』という単語で…。
少しは効いてるらしいな…。
「しゃーなろ!
嬉しい」
サクラは大喜びらしいな。
当たり前だな。
『俺は課題に集中するから…遊びたいなら向こう行けよ。
変なルール裏で作るなよな、俺の気持ちも尊重しろよな』
正論だろう。
≪サスケくん…ごめんなさいね?
理解が届かなくて…≫
イノも、やっと謝罪し始めた。
[私たちのこと、好きになってね?]
[悪気はなかったのよ?]
[今日はご機嫌斜めなのね]
[去りましょうか?]
[サスケくん、目が冷たいし…今日は離れましょう?]
[サスケくん…頑張ってね、課題]
サクラぐらいだな…求めてる言葉をくれてるやつは…。
他の奴らは…俺のお伺いを立ててるだけらしい…。
俺は…お代官様なのか?
偏見も良いとこだ…。
『イノ…。
俺は…おまえがつくった掟に対して歯向かう者に…。
集団リンチするやり方は気に入ってない。
あれは取りやめろ』
≪サスケくん…どうしてそれを…。
そんなつもりじゃ…≫
イノ、堪えたか?
おまえは…俺の部下同然だ。
[サスケくん、だって…]
[えと…その…]
[あ…]
[ウ…]
「サスケくん…」
サクラだ。
『掟をつくるなら仲良くやれ。
俺はイノが作った掟は好いてない。
どうでもいい…。
誰ともつるむ気はない…。
ウザすぎる…』
≪サスケくん…えとえと…私、そんな気じゃ…。
ええ…。
サスケくん、私のこと…好きじゃないの?
喜んでないの?
まさか…好きな子苛め?
サスケくん…≫
イノだな。
俺がイノを好いてると言う噂を信じて疑わないらしい。
まあ、良いだろう…。
お蔭で女子から連日喧嘩を受けてるらしいから。
[サスケくん…嫌いにならないで]
[悪かったわ。
課題や修行の邪魔して]
[これからは控えるから]
[つるみ過ぎないから]
「サスケくん…私、サスケくんと一緒にいたい…。
ダイスキ…」
サクラだ。
今日ほど、ドベで良かったと思う日もねえ。
『たまでいい…。
今は集中したい、去ってくれ』
おまえがドベだから…。
おまえのあとに会話できる。
いちいちイノが横から入るの…疲れてた。
≪サスケくんがこう言ってるのですもの…。
仕方ないけど…去りましょう、みんな?
あと…掟の方も…サスケくんの意見を導入しましょう。
私は物わかりのいい出来た女だからね?
サスケくん…?≫
勝手に女子全員、リードしとけ。
本当、頑丈な神経を持ってやがる…嫌味も通じねえ。
[悔しいけど幻滅されたら負けね。
受け入れるわ]
[サスケくん、私を見てね]
[応援してるわよ]
[ファイトサスケくん]
[今日も素敵ね。
サスケくん]
[さらに惚れるわサスケくん]
[サスケくん…大好き]
サクラだな。
女子どもは全員、俺の前から去っていた。
俺はこれから課題や一学年上の教科書を眺めたり…忙しい。
ボケボケしてると…ネジとの差が付きまくる。
最近、甘ったれてるせいで成績が以前ほど上がらん。
一年上をキープするだけでも本当、必死だ。
まあ…あれぐらいの台詞なら…。
きっと…女子どもにサクラも制裁を喰らわんだろう。
魂胆も読めてはおらんだろう…。
☆☆☆
次の授業は…課外授業だな。
芝生が生え…。
木が生えた運動場みたいな好条件な修行場だ。
空は雲一つない快晴だな。
良い空気だ。
手裏剣の数が…前は三本だったが…。
少し大型の手裏剣一本に変更された。
これを3メートル離れた的に命中させる…。
それだけだ。
悪いが…簡単だな…。
手本が出来るぐらいだ。
しかし…ナルトは苦戦してるらしい。
サクラも飛び術は苦手らしい…。
俺はいつもサクラを見守ってる。
俺だけ女子から絡まれる前に…教室へ向かう。
少しはこたえたのか…。
イノも…すぐにはこっちへ来ない。
これは正解だ。
俺は殺気立ってるからだ。
☆☆☆
先に帰った。
教室で一人だ。
つるむより…一人の方が楽だ。
男子たちは…課外でつるんでやがる。
ナルトは…イルカ先生とだべってやがる…。
芝生が生えた…課外でだ。
イノと女子軍団は…俺を落とすための作戦を練ってるらしい。
≪密着線は『暑苦しい、幻滅してる』と断られたね?
…次はどの手で落とす?
みんな案が会ったら、この私に言ってね??≫
このことに、ついてだ…。
どうでも良い会議だ。
俺だけ一匹オオカミだな…。
☆☆☆
昨日は、いろいろな方法を考え巡らせた。
イノに嫌いになってもらう方法だ…俺のことを。
俺がボコる方法程度で、イノは折れん。
精神力が並大抵ではない…根性が座ってる。
イノは強く勝気だ。
イノを俺が倒そうが…他の女子もいる…。
徹底的に冷たくして、嫌ってもらうしか方法もねえらしい。
サクラにだけ甘いと…女子たちの怒りが…サクラに向く。
イノをボコれば…サクラもボコらねば…。
あとでサクラが嫉妬されて、ボコられる。
そんな連鎖が始まるだろう…。
この問題は…サクラが女子を制圧できる力を得る以外で…。
解決が困難だ。
女子ども全員、殺そうが…俺が里に裁かれる。
里からサクラだけ連れて出て行こうが…。
現在の俺では自分だけでも、のたれ死ぬ…。
サクラは即死だ。
いろいろ策を練ってた。
俺はこういう揉め事が一番苦手だ。
いっそ、力で制圧出来たら楽なのに。
俺だけの掟が作れたら…楽なのに。
そう感じた。
しかし…女子ども、完全には従いそうにもねえ。
俺はサクラの護身術が上がるのを見守るしかねえのか?
毎日、悩み続けてる…。
☆☆☆
俺が教室で一学年上と二学年上の術式を眺めてた…。
最近では、一学年上だけではぬるい…。
ネジは恐らく一学年上の首席だ…どうせ、さらに上の術式を覚えてる。
どこまでも覚える気でいる…。
集中してたら…。
最初に到着したのは…サクラだ。
サクラは…イノの設立したファンクラブに加入してねえらしい。
俺はそこは嬉しい。
「サスケくん…」
『サクラか…』
机の上には術式の教科書広げたままだが…。
サクラがすり寄って来た。
「サスケくん、後ろから密着しても良い?
幻滅しない?」
『…』
俺は大きく溜息を吐いた。
サクラは無理やり…うしろから抱擁してきた。
俺が里抜けしようとした日以来…。
2回目だな。
本当に女子が邪魔すぎて。
久しぶりだな、二人で会話できるのが。
「サスケくん…最近、冷たいね。
怒ってる…?」
『…』
「昔は…優しかったよね。
私のモーション、怒ってる?」
『…』
「サスケくんは…私と…友達に戻りたいのかな…」
『…』
「でも、できない。
私、サスケくん…大好きだから。
サスケくんが男子に嫌われて…男友達欲しがってるの、知ってる。
協力してあげられなくてごめん…。
私が…サスケくんに行ってから…余計に男子たちが…サスケくんの悪口言ってるの、知ってる。
私は…どうすればいいんだろ…。
サスケくんは…私、迷惑?
もう分からなくて…」
『うざい』
「サスケくん?」
『自分で考えろ』
「え?」
『俺に聞くな』
「サスケくん…。
えと…。
私、好きでいても良い?」
『うっとうしい』
「いつか私のこと、お嫁さんに」
『うざすぎる』
「サスケくん…」
『早く体術上げろ、修行してろ』
「サスケくん…。
そうだよね…。
サスケくん、強い女の子、好きだものね。
私、頑張る。
だから…私のこと、好きになってね」
後ろの人肌が離れた。
「時間あるから…そとの課外広場で…木をボコってくる。
私、絶対、強くなるから。
サスケくんに認めてもらうために頑張る。
サスケくん大好き」
サクラは手を振って去って行った。
今回も肝心なことは話せんかった。
俺の家族についてや…。
今の状況説明だ。
二人っきりになれたら…余程、
『兄が一族を殺して現在、孤児だ。
俺は頼れる人間を失った。
気力に乏しい』
伝えたかった…。
貴重なチャンスだったのにだ…俺はサクラとの和解より…。
サクラが俺のために戦ってくれることを、激望みしたらしい…。
またとない機会だったのに…。
サクラは鈍いな…、言わなくても察してくれれば楽だが…。
教室で溜息が出た。
次にやって来たのは…女子軍団…。
今日は俺が集中して読書してるのを察して…。
色目線は送るが…接近はせん。
それから男子集団。
女子達から俺への歓声を…今日も嫌そうな目で見つめてる。
それから…ナルトとイルカ先生のペアーだ。
サクラは今頃、木をボコっているのか?
どこらへんまで体術が付いたのか…。
頑張れよ、サクラ。
とりあえず、女子に力喧嘩で勝てるレベルは望む。
【サクラ視点】
☆☆☆
サスケくんは私が…
里抜けの道でサスケくんを待ち伏せして…。
「サスケくんがダイスキなの。
しょうらい、サスケくんのおヨメさんになりたい!」
「サスケくんと…かぞくになりたいから…。
今日から…ガンバるね?
それだけ…」
って…宣言した日から…ずっと冷たい。
確かに…昔も私が泣いてる話を聞いてくれる程度で…。
サスケくんからって訳でもなく。
平等精神の強いサスケくんは…私に普通にしてくれただけ。
お蔭で私は…女子軍団の輪に入れた。
それはサスケくんの力があったからこそ。
それは理解してる。
私がしてることは…邪魔なんじゃないかって…いつも不安になる。
サスケくんだって…本当は男子の輪に入りたいかもしれないのに…。
私が壊しているんじゃないかって。
だって。
私たち6歳だもの…サスケくんだって、男友達欲しいはず。
私にはライバルだけどイノって言う友達もやっと最近できたし…。
私に何かできないかっていつも考えてる…。
男子たちはサスケくんを理解してない。
敵にしか思ってないみたい…。
私はサスケくんに認めてもらえるために強くなりたいけど…。
集団の輪に入れてもらえた恩返しもしたい。
泣いてばかりいた私を変えてくれたのはサスケくん。
サスケくんがいなければ…私は今でも学校で一人だった。
きっと泣いてるだけの子だった。
サスケくんのために何が出来るんだろう…。
家に帰ると…私は…ペーパーを覚える。
私は飛び術はてんでダメ。
それから術式も不器用すぎてダメ。
印を結ぶのすら…不器用でタイミングがずれる…。
そんな私が出来ることは…暗記と…。
木を殴る練習ぐらい…。
あとは…唯一の読書…。
お母さんから生まれて初めて買ってもらえた”里の英雄伝説”。
これが…本当に好き。
何故かはわからない。
私の生れてはじめての少女漫画で…。
私も夢が見たいからなのか…。
何回でも読み返してしまう。
サスケくんに…受けなかったのが…ショック…。
サスケくん、少女漫画は苦手みたい…。
サスケくん、家でいつも何やってるのかな?
漫画とか読んだりしないのかな…。
サスケくんに漫画って似合いそうにないよね…。
術式の本しか読んでないのかな?
本当にサスケくんって真面目だよね…。
女子たちはサスケくんが冷たい人間みたいに言ってるけど…私は知ってる。
サスケくんはとっても暖かい。
蔑んだ態度なんてしない…。
私は今日もサスケくんに突き放されたけど…。
だけど、諦めきれない。
理由は分からない。
【サクラ視点】「里の英雄伝説」
私は「里の英雄伝説」って少女漫画がとても気に入ってる。
まだ6歳だけど…。
割りと…大人っぽくて好き。
主人公の年齢が高いけど…ドラマチックな話で。
映画みたいだなって…。
他の女子たちは、理解してくれないみたい…。
イノの”転校生はスパイ”って、少女マンガの方が好きみたい…。
コッチの方が…主人公も16〜18歳くらいだよね?
分かる。
でも何かシックリこない…。
転校生が…レディーファーストなのが…イノに激受けみたいだけど…。
サスケくん…”里の英雄伝説”本当にしっかり読んでくれた?
読むの滅茶苦茶早かった。
すっ飛ばされたような気がして仕方ない…。
私の超お気に入りなのに…。
ショボン…。
私は、この漫画の主人公に…私…。
この漫画の勇者に…サスケくんを…。
感情移入してるんだよ?
知ってた…?
サスケくん…。
この漫画の勇者役…性格は全くサスケくんに似てないけど…。
でも…顔の雰囲気が少し似てて…表紙でビビってきて。
お母さんに買ってもらえるように、おねだりしたの…。
主人公の性格も私に完全一致なわけでもない…でも。
サスケくんに似た顔が配役に出演する漫画ってだけで…私は十分、癒されてる。
☆☆☆
主人公は…泣いてばかりの女性。
とても夢見がちで、恋に恋するタイプ。
いつも就寝前は自室の窓外に映るお月様を眺めて…。
(運命の人に出会えますように…)
手を組んで、ホロホロ泣きながら祈ってる。
宗教儀式のように何年も連続して行われてる。
夜空の星を眺めれば…主人公の瞳に星が灯る…。
反射して…煌めきだす。
主人公は…本当に夢見がちな女性。
年齢は20歳前後?
童心を忘れない女性。
それを終えると寝台につく。
髪も今の私と同じ肩揃え。
泣くことでしか感情を伝えられない女性。
主人公が外を歩けば…世界は煌めいている。
いっぱい素敵な男の人だらけ街角に歩いてる。
毎日、
(誰と私は…将来、一緒になれるの?
結婚できるの?)
と期待に胸を膨らませてる…。
でも、女性は…語りかけることすら出来ない。
とてもシャイだから。
いったい、主人公に何人ストライクがいるのか分からない…。
この漫画の中の男性はみんな魅力的。
主人公は出会えるたびに喜んでる。
そこも私のツボの一つ…。
主人公にモーション掛ける昔なじみの男性もいる。
主人公には憧れの男性もいる…。
でも、両方…何かが違う。
恋に恋してる感覚がして…、仕方ない日常。
全力で突き走りたいのに…どこか、空虚が襲う…。
(私の運命の人は…誰なの?)
周りを見渡せば素敵な男性ばかりで…目が動いてしまう…。
毎日、寝室で夜空へ祈り続けてる…。
主人公は…本気の恋を探し続けてる…。
ある日のこと、里に危機が現れる。
鬱蒼と暗い空から…全身黒の人影のような強敵が数万体…降り落ちてくる…。
世界は暗闇に襲われ…主人公に命の危機が…。
もう絶体絶命って言うところで。
主人公は叫び始める。
(まだ私は独身。
死ぬわけにはいかない…)
主人公は死にきれないみたい…。
「キャア誰か助けて」
そこへ超絶主人公の好みドストライクな男性が現れる。
20歳前後の男性。
「キャア!
里の勇者様!!」
名前も知らない男性に…主人公は胸が高鳴り…一気に恋に落ちる。
里の英雄が…現れた途端、黒い人影のような敵は…どんどん消えて行き…。
世界に平和が訪れる…。
「キャア!
素敵!
格好良い!!!」
主人公はもう大歓喜。
背景に光がともされる。
世界を覆う黒雲は消失し、天から太陽光が燦々と降り注ぐ。
周囲は、栄光の拍手喝采と歓声で溢れかえる…。
日差しの良い昼間へと急変する。
地面にはたくさん連なるコスモスの花…。
しかし…主人公と同じことを思った女性は…たくさんいたみたいで…。
そこから…バトルが始める。
まわりにいた女性全員が…その名もなき”里の英雄”を視界に入れた途端、虜になってしまう。
登場も…仕草行動も全部、格好良すぎるから。
≪勇者様!≫
[強くて凛々しい]
[格好良い]
[痺れる!]
[里を守ってくれて…ありがとう…]
[アナタは英雄よ!]
[里の平和に万歳!]
女性全員が…里の英雄に抱き付きに行ってる…。
里の英雄は、しかし…紳士なのか…デレデレしてない。
仕事を終えた表情で…眉ひとつ動かしてない…。
英雄の顔が日光に照らされる…。
凛々しく颯爽としてる。
天からの風来児のようだ。
神々しくもある。
そこが主人公の胸を更にトキめかせる。
主人公は(泣き虫で根暗な私なんて相手にしてもらえない…)
と…。
遠目に眺めてるだけ。
しかし顔がポオオとしてたまらない。
今まで見た男性の中で一番…素敵すぎるみたい…。
ライバルだらけみたいだけど…。
主人公がボケーとしてたら…。
信じられないことに里の英雄が…主人公に向かって…甘い言葉を投げかける…。
『おまえの瞳に惚れた。
天使だ。
これからも…おまえを守る』
「え?
そんな?」
主人公がもうタジタジ…。
それから…主人公の瞳には億万の星。
『俺は去る』
「待って!
去る前に私の…ファーストキスをアナタにあげたいの。
命の恩人だから」
主人公は受け入れてくれないと諦めてたけど…捨て身タックルで頑張る。
『いいだろう…』
主人公の申し出に勇者が承諾した瞬間、数名の男性が激怒し始める。
主人公にモーション掛ける脈のない男性と…、
主人公が憧れてた男性…他数名が…里の英雄と闘うことになる。
この主人公、意外にモテてたみたい…。
今頃、気が付いて少し喜びつつ、戸惑う主人公…。
『この女は俺のモノだ、勝ち目などない。
君たちに催眠術を掛ける…諦めろ、他に目を向けろ…』
勇者は制圧する。
主人公の前で…主人公を巡る戦いの劇が幕開く。
しかし、里の英雄の強さは超人並み。
誰一人叶わず…数秒で無傷で相手をノックダウン。
主人公を慕う反抗する男性たち他数名は…一瞬で気絶させる…。
道端に横たわるのは…安らかに寝息を立てて眠る…男性たち。
なんだか…催眠術に掛かったみたい…。
主人公は…ハラハラドキドキ…アタフタしてる…。
本当に…里の英雄は強いみたい…それからカッコいいみたい…。
時間が流れ…全ては終える。
こうして里の英雄と主人公は軽いキスをする。
このシーンも割りと私は大好き。
背景には…西の空に紅色の夕日がポッカリ浮かんでる。
黄昏が夜風を染めていく。
赤トンボが列を連ねて空を舞う。
主人公の髪も…勇者の髪も…茜色に煌めいて揺れている。
それから…里の英雄の名前を主人公は教えてもらう。
周りの女の子たちは嫉妬してる。
でも主人公はその瞬間から強くなることを決意する。
里の英雄は誰にも渡さないって。
頑張ることを決めるみたいで・・・。
内気で泣き虫だったのが…。
「あの人だけは渡さない…。
あなた達も脈はないと諦めて。
私のことがスキだって言ってくれてる」
って宣言して頑張ってる…。
周りの子たちは。
≪納得いかない。
どうしてあなたが…あの人と≫
[里の英雄は私のものよ]
いろいろ文句轟轟。
「理由はないのよ。
恋はそんなものでしょ」
主人公は強気に出てる。
それから…。
「私、生きてて良かった」
主人公、死ぬほど嬉しそう…頬が最高潮に真っ赤。
ここも私の感動のツボ。
秋はつるべ落とし…、日は急いで完全に暮れ。
空に月が上がり…星が煌めく…雲一つない世界。
主人公は積極的に里の勇者と手を繋いで…森の中に誘い出す。
外は濃紺の夜空……満月が大きく広がる。
地面は緑の草むら…。
虫の音がリンリンと鈴の音を合唱してる…。
風流なムード。
主人公のカバンの中に白いお団子が入ってたみたい。
今日は…中秋の名月みたいで…。
(月にうさぎが映ってるね…)
主人公はウットリしながら…平和な情景を見詰めてる。
隣には今日、出会ったばかりの里の英雄。
初めての本気の恋。
ファーストキスの相手。
『君の瞳に完敗だ…一目惚れだ…天使だ』
「勇者様…」
『俺に敬語は止めろ。
今夜、君を抱かせてくれないか?』
「それは…えと…」
『明日早朝、発つ』
そのあと…主人公は里の勇者を自宅に泊める。
歓迎する主人公の家族。
もう家族ぐるみの付き合いになってる。
一夜を明かし…何事もなく…勇者は主人公とは別の部屋で寝てるみたい。
主人公は…勇者と一緒に暮らすことを夢見て仕方ない。
今日一日で電撃的に…恋に落ちたみたいで…。
しかし…。
翌日…。
主人公が起きてみれば…両親から里の勇者が止めるのを聞かず…。
旅に出たと諭され、青ざめる主人公。
慌てて…里から外へ抜ける一本道まで走る。
何とか間に合ったみたいで…。
そこに勇者様がいる。
空は朝焼けに染まってる。
赤、桃、紫、水色…マーブルに混ざってる。
「行かないで」
『俺には世界中の危険を守るという仕事がある…。
ここにいれば俺が原因で事件が起きる。
今日は小さな収穫があった。
本音は君の側にいたい…。
愛してくれてありがとう…』
主人公はそこで涙を流す。
「いかないで。
お願い。
私のファーストキスを忘れないで…。
私の瞳に惚れたって話…本当?
私を弄んだだけ?」
ボタボタ泣いてる。
「これからも私を守るって言ってたくせに嘘つき」
主人公は咽び泣いてる。
『嘘ではない…。
死ぬ気で守る。
君の情報なら常に張り巡らせる…』
「勇者様…」
『今は耐え忍んでほしい…。
俺も辛い…でも耐える。
死ぬほど愛してる』
「いつかきっとまた会えるよね?」
『こんな美しい女性を忘れられるわけなどない…。
絶対帰ってくる…。
君は、俺の人生の希望の光だ…』
里の英雄は…主人公と…涙の別れのキスをして…。
颯爽と…里の外へ去って行った。
主人公はその日を境に…強くなることを決意する。
寝る前にはカーテン開き、寝室にある窓の外からお月様に…。
(勇者様が私の元に帰ってきますように…)
毎晩、手を組んで…祈り続けてる。
(例え、素敵な女性が現れても…心変わりが起きませんように…)
ずっとだ。
☆☆☆
主人公を陰ながら慕ってくれた男性は深い昏睡から既に覚め…それぞれ別の道を歩む…。
勇者の…催眠術が効いたみたい。
主人公が憧れてた男性は旅に出たみたい…。
主人公に積極的にモーション掛けてた昔なじみは…里に留まり他の女性に気変わり…。
仕事に没頭してる男性もいる…。
それぞれの道を歩んでる。
意外にモテる主人公みたい…。
少女マンガだけに…逆ハーレムなのかな、この漫画…。
その後も主人公は…違う人にナンパされてるけど、全く相手にしてない。
女子から主人公は冷たい目線。
毎日、苛められる日々。
季節は冬に移り変わる…。
窓に冷気がこもり、水滴が…滴る。
主人公は里に留まっているに飽き足らず…勇者様を自分から探しに行く。
命懸けで…。
深い森の中へ…ある晩、里の住民に黙って旅に出る。
事前にみんなに承諾を得たかったけど…
+おまえの力量では無理だ。
勇者のことは諦めろ+
と里中全員に猛反対を受けた上での苦渋の決断。
主人公にとってはこれが初めての旅。
お供の者も連れずに…出かけた。
命知らずも良いところな主人公。
護身用に…お札は…服の裏いっぱい張り巡らせて。
眠り薬など…鞄に詰め込み…旅に出る決意。
空から小雪がちらついてる。
外には白い野兎が走ってる。
雪が少し積もってる。
里の勇者様がいない日常は主人公にとって…死に近いみたい。
主人公は…あの甘いキスが忘れられないみたい…。
冒険に胸が高鳴ってる…。
深夜人目を忍ぶ一人旅。
毛皮のマントで…身を隠し…忍び歩く。
懐中電灯を頼りに…ヒッソリ動く。
雪に主人公の足跡が残される…。
吐く息が白い。
しかし…外の小道で、全身黒いポンチョのマント…顔は仮面マスクで武装した…不気味な格好をした夜盗集団に襲われる。
命と貞操の危機が訪れた時、里の勇者が現れる。
もう主人公は黄色い悲鳴大歓声。
空気も冷たい…何も見えないレベルの暗闇。
「勇者様」
『里の外には出るな。
危険がたくさんだ。
俺は今回、里に落ちる隕石を破壊するついでに立ち寄った。
異世界からの侵略者を制圧するためにだ。
俺がいなければ君は今頃、無事では済まなかった…』
「会えて嬉しい」
『君は美しすぎる…狙われる…。
君を狙う夜盗どもは…瀕死にしといた。
君が見てる前で…人殺しは出来ない。
現在、外は危険すぎる。
君の体が傷つかなくて良かった…』
「助けてくれて嬉しい。
心より慕ってる…だいすき…」
主人公はもう…涙を流して…里の勇者の胸に縋り付いている。
主人公の瞳は…月光に照らされキラキラ輝いてる。
頬は外の冷気で赤い。
「勇者様…。
私以外に女遊びしてない?」
『してない…。
…眼中にない…。
君だけで充分だ』
勇者様は…本当に紳士的。
主人公は…今回も決意を固める。
次、いつ会えるか分からないから。
「私の胸、触っていいよ?
私の思い出、どうか忘れないで…」
『良いのか?』
「私は勇者様に命を助けられたあの日から。
勇者様に全部捧げる決意だから…。
これぐらいなら平気だから…」
主人公は色仕掛けで一生懸命、勇者を惹きいれようと必死だ。
勇者は…。
服の上から触り…、主人公にキスだけする。
なんだか…深いキス…。
おとなな話…。
「勇者様…」
主人公と勇者様は…里の外、夜の道で…。
立ちながら…抱擁し合って…。
主人公は勇者様の胸元に寄せ合って…。
惚けた顔。
星影がそれを照らす。
「私のこと、覚えていて…。
だいすき…」
『素敵なものを…ありがとう…。
今回全部欲しいが……』
「勇者様…えと」
『またな』
「次、いつ会えるの?」
『きっとまた会えるだろう。
ここに俺がいれば…それが原因で事件になる…。
慕ってくれてありがとう』
それだけ告げて…勇者様は里まで…主人公を紳士的に送り迎え…。
夜の暗い森へと去っていく。
主人公の顔は真っ赤。
唇と…胸をふれられた感触が忘れられないみたい。
里に着くなり…脱力して…座り込んでる。
勇者様は平然と颯爽と凛々しい…。
それからも…主人公は指折り勇者様が帰ってくるのを待ってる。
里の住人には…。
||止めときなさい、私はあなたのことがただ、心配なの。貴女さえ幸せになってくれたらそれでいいのよ||
≪キスもだけど…服の上から胸まで触らせたの?
きっと遊ばれてるだけよ≫
[ハードルが高過ぎよ、他にも女の子わんさかいるわ、弄ばれて捨てられるだけだって]
[アンタも軽すぎだわ]
U止めとけよ、本気で体目的だってU
特に女性たちの苛めが酷い。
嫉妬もあるみたい。
Uウチだって…里の外で出会ったら…してもらえたんだから…。
何よ。
体だけなの理解しろよ?U
[アンタのこと、本気でもないわよ]
いろいろ非難いっぱいで泣きそうになる主人公。
しかし…たった2回しか出会ってないというのに…主人公は命の恩人。
里の勇者様がどうしても忘れられないみたい。
『愛してる』
と囁かれたことも…。
もう…虜になってるみたい…。
捨てるものなど何もないと…。
里にいても…
[里の勇者に遊ばれてるだけ…体に飽きたらすぐ捨てられる。
何人…女がいるか分からない…]
と中傷される日々に疲れ果てた。
主人公…。
☆☆☆
季節は春を巡る。
山の雪も溶ける。
木に桜が咲く…満開だ。
温泉宿に行くと言って…目的は勇者様に出会う…。
それだけ…。
勇者様の約束を破り…、今度は日中に里の外へ。
うららかで…もんき蝶が飛んでる。道端にはタンポポ。菜の花畑。
隣の里へ何とか到着したみたいだけど…勇者様の情報は…乏しい。
ただ、全員、知ってるみたい。
[英雄ね。
確かに格好良いし、凛々しくて私も助けられたわ]
||たまに見かけるけど…殆ど立ち寄らないわ||
≪遊ばれてるんじゃない…?≫
U諦めろよ?U
[私が落としたいわ]
みんな勇者様目当てみたい…。
泣きそうになる主人公。
主人公に残されたものと言えば…最後の貞操ぐらい…。
次こそ、全部を捧げようと決意する主人公・…。
[止しときなさい。
相手にされないわよ]
[体が傷つくだけよ]
[もっと現実に目を向けなさい]
[やり捨てポイよ…アンタなんて]
みんなに思いとどまられて…切ない主人公。
日が暮れる前に次の里へと出発する主人公。
深い森で…太陽の光すら…下に届かない。
夜桜が綺麗だ。
ジメジメした空気で…不穏な空気が漂う。
主人公は若草色のマントを被り…身を隠しながら…慎重に歩いてる。
そこで…。
野獣が現れる…。
森に生息する獣だ。
主人公はもう…アタフタして仕方ない。
ガタガタ…クナイは持つけど…。
起爆弾は周りに巻くけど…。
頭が混乱して…体が動かないみたい…。
また…命の危機に見舞われて…。
神出鬼没で現れるのは…。
勇者様。
勇者様が…目の前の獣を…拳でなぎ倒す。
大熊がバタリと倒れた。
「勇者様」
『俺は今回、里に反乱を起こす隊を討伐するために…近くへ寄っただけだ。
繰り返す…。
里の外には出るな。
理解しろ』
「会いたくて…。
勇者様」
主人公は頬を染め…瞳はひかり煌めく。
主人公が…勇者様にキスをせがむ。
勇者様はキスしてる。
「勇者様…。
私の初めてを貰って…。
アナタは私の命を3回も助けてくれた…。
私はアナタに人生を尽くすから…。
ね?
隣里の旅館へ一緒に泊まろう…」
主人公は強気だ…。
勇者は溜息を吐く。
『君が大好きだ。
ずっとだ』
そこで抱擁が始まり…二人は隣里の温泉旅館で泊まることに…。
シーンはカットされ…。
朝に変わってる。
主人公が寝ぼけ眼で…隣を確認すれば…勇者はいない。
主人公は慌てふためく。
机の上には…ラブレター。
『初めて見た時から、君のことがビビって来た。
それからずっと好きで…ずっと付けていた。
今日、会えて…とても嬉しい。
君は俺の初恋だ。
どうか一緒に結婚してほしい…。
君じゃなきゃ嫌だ。
君が他の男にいけば…俺は呪い殺しそうになる。
君がいないと…俺は死ぬ。
今、断れば…俺は暴れる。
とても愛してる…大好きだ。
これからも里を守り続ける。
君のことを命懸けで守る。
俺にしろ』
読んだとたん、主人公は驚いて…涙を流す。
主人公は慌てて…外へ出る…。
勇者はもう出発の準備。
「勇者様…あれ、本当?」
主人公が感激して、里の英雄に抱き付く。
『そうだ。
君が俺に注目する前から、俺は君に目を付けてた…』
「私も愛してる…。
アナタが大好き」
『今度こそ里で留まってくれ。
俺は去る』
勇者様は里から出て行く…。
主人公は慌てて後を追う。
「待って…」
勇者は主人公を手で抱きかかえ、里へ送る。
一瞬だ。
「勇者様、ありがとう…」
もう主人公は幸せいっぱいだ。
主人公と勇者は軽いキスをして離別をする。
『また帰る』
「待ってる、ずっと…」
主人公はもうとってもウットリ。
背景にはサクラの花が満開だ。
主人公は顔が真っ赤だ。
帰宅してからも…3回しか会ってない…勇者のことが忘れられないみたい。
本当に電撃的な恋の物語・・・。
☆☆☆
それから…3か月も経過した…。
燃える夏。
主人公に…子供が身ごもったことが判明する。
そのときになって、主人公は…あわてだす。
でも産む決意をする。
大好きな勇者様の子だから。
主人公は…畳に寝そべり、扇風機の前で汗だくになりながら涼んでる。
勇者様の子を身ごもったことが里中に知れ渡る。
里中が主人公の身を案じる中…。
また里に危機が…主人公の知らないところで起きたらしくて…。
勇者様が帰ってきて…すぐに討伐してくれたらしい。
勇者様は…主人公のいる居間へ面会して…。
『里の脅威は撤退させといた…。
しかし、また懲りずに…何度でも襲い来るかもしれない。
奴の無念も…理解はできる…敢えて完全に殺さん…力の差は歴然だ。
生きている限り、暴れれば良い…。
俺は…表の世界を生きる。
奴は…裏の世界を…さ迷うのかもしれん…。
奴を見れば…自らの過去が映る。
素直になれず嘘ばかり吐いてた頃。
君の存在を知りながら…伝えることも出来ず…修行に明け暮れた時代をだ。
俺は長旅を通して自分を変えた…色々な人から愛の伝え方を教わった…。
多くの犠牲をもとに現在がある…。
この里には…何物にも変えがたい宝がある…。
俺の宝は…君だけだ…。
俺はこの里に留まり、永久に君を守る。
俺と結婚してほしい、愛してる…昔から。
俺の人生は君にやる』
と手を握り、言う。
「ありがとう…。
里の脅威って?」
主人公は承諾する。
『知らない方が良い…。
時間が解決するはずだ…』
そして里中が…お祭り騒ぎになり…。
二人は盛大に祝われて…終わる。
みんなが盆踊り。
それから先は…勇者様も里に留まることを決意するみたい。
最後のオチは…。
二回目…主人公を襲った全身黒いポンチョのマント…顔は仮面マスクで武装した…不気味な格好をした夜盗集団。
三回目、里に反乱を起こした隊。
4回目主人公が知らぬところで起きた里の脅威…。
そのすべてが…主人公を陰から慕う男性が起こす反乱行動だと…。
全く知らない主人公。
主人公を力付くでもモノにする気みたい…。
主人公の貞操を今でも狙ってるみたい…。
『男はオオカミ』って言う教訓を…この少女マンガ…教えてるのかな??
私は…。
6歳だし…。
まだ難しいかも…ここら辺は…。
私、一度も感じたことないけど…そんな道徳漫画みたい…。
里の勇者様は大変みたい…。
何回読んでもすごく甘いロマンスで…ウットリな話。
私は好き…この話。
凄い逆ハーレムな漫画だけど…少女マンガだし、フィクションだし。
そこは割り切ってる…。
メインキャラがサスケくんの顔に似ているのが一番ツボ。
性格はサスケくんとは正反対もいいとこだけど…。
顔見るたびに癒される。
サスケくんの方がずっと格好良いけど…表紙が特にお気に入り…。
毎日、サスケくんに家の中でも会えてる気分に浸れる。
サスケくん…大好きだよ?
☆三角関係…始まりの予感6歳「人間不信」「サスケくん?何故?」「俺がサスケは潰すってば!」
☆目次
☆第二の家族…俺の妹
起爆弾の術式で手間取ってるヤツらのために授業が続く。
サクラは小さく爆発できたようだが…文字がずれてるのか…ヘボい。
ナルトは…とうとう覚えられないから教科書片手に…書いてやがるが…。
サクラ以上に字が下手らしい…。
全く爆発すら無理らしいな。
結界はイルカ先生に…机の上に張ってもらって全員やってるが…。
基礎的なことが出来てない人間ばかりだ…。
今日は退屈だった、一学年上…ネジの学年は…何をやってるのか?
☆☆☆
休み時間、机で集中してれば…女子どもがつるんでくる。
≪サスケくん?
今日もお勉強かしら?
今日こそ私の美貌に魅了されたかしら?≫
イノだ。
「離れろよ。
机の上で集中してる時まではくっつくな」
迷惑してる。
[ええ]
[私たち、そんなつもりじゃ]
[サスケくんの邪魔?]
「サスケくん…」
サクラだ…相変わらず…。
接近すら許されておらん…。
おまえがこの中で一番になるまで待てば…。
いつになるか終わりの見えぬ旅だ。
『成績下がるだろ。
ほかにやることあるだろ』
命令だ…俺に従え。
≪そうね?
さすがにサスケくんが机で集中してる時はやめときましょ?
みんな理解できたかしら?≫
イノが女子どもに指導してるな…。
[仕方ないわね]
[つまんない]
[フン]
「サスケくん…応援してるね」
サクラからのエールは受け取ってやる。
≪いつなら良いのかしら?≫
イノだ…、今にも密着して来そうだが。
『ウザい』
断った。
強い者の意見に従え…、俺はイノより強い。
[ええ]
[私、密着したいな]
[サスケくんはみんなのアイドルだから]
[お願い、引っ付かせて]
女子どもから非難轟轟な悲鳴か…。
「サスケくん…私もひっつきたい」
サクラだ。
耳触りが良い。
『そうだな…。
授業の移動中ぐらいに控えろよ』
折れてやる。
≪サスケくん、サクラのあとに喋らないでくれる?
私が…話した後で≫
イノだ。
文句言ってるな…。
『勝手にルール作んなよ。
どのタイミングで話そうが良いだろ。
女子全員の意見、聞いてからにしてるんだから…」
俺は大きく溜息を吐いた…。
[そうよね]
[イノばっかり喋って前からムカついてた]
[どうしてイノばかりサスケくんと話してるのか]
[不平等すぎよね]
女子は大賛成らしいな。
『サスケくん…ありがとう』
サクラは感謝してる…。
『密着するときも成績順じゃなく、平等に面積…譲り合えよ。
俺はあの戦い、いつも見苦しい…。
幻滅してる、おまえらに。
暑苦しい』
本音だ。
≪ええ。
サスケくん…そうなの?
お気に召さなかったの?
読みが外れたわね≫
イノが焦ってるな。
俺に従え。
勝手な掟つくるな。
強い者へ…巻かれろ。
俺が…この中で、ダントツに一番強い。
[私は…平等じゃない方が良いけど…。
サスケくんに幻滅されるのは…]
[私はどっちでも良いけど…。
サスケくんに好かれるなら]
[私は…それでも良いかな?]
[私もその方が良いかも]
[サスケくん、ありがとう]
ここは賛成:反対=6:4か…。
上位の奴らも俺に『幻滅される』という単語で…。
少しは効いてるらしいな…。
「しゃーなろ!
嬉しい」
サクラは大喜びらしいな。
当たり前だな。
『俺は課題に集中するから…遊びたいなら向こう行けよ。
変なルール裏で作るなよな、俺の気持ちも尊重しろよな』
正論だろう。
≪サスケくん…ごめんなさいね?
理解が届かなくて…≫
イノも、やっと謝罪し始めた。
[私たちのこと、好きになってね?]
[悪気はなかったのよ?]
[今日はご機嫌斜めなのね]
[去りましょうか?]
[サスケくん、目が冷たいし…今日は離れましょう?]
[サスケくん…頑張ってね、課題]
サクラぐらいだな…求めてる言葉をくれてるやつは…。
他の奴らは…俺のお伺いを立ててるだけらしい…。
俺は…お代官様なのか?
偏見も良いとこだ…。
『イノ…。
俺は…おまえがつくった掟に対して歯向かう者に…。
集団リンチするやり方は気に入ってない。
あれは取りやめろ』
≪サスケくん…どうしてそれを…。
そんなつもりじゃ…≫
イノ、堪えたか?
おまえは…俺の部下同然だ。
[サスケくん、だって…]
[えと…その…]
[あ…]
[ウ…]
「サスケくん…」
サクラだ。
『掟をつくるなら仲良くやれ。
俺はイノが作った掟は好いてない。
どうでもいい…。
誰ともつるむ気はない…。
ウザすぎる…』
≪サスケくん…えとえと…私、そんな気じゃ…。
ええ…。
サスケくん、私のこと…好きじゃないの?
喜んでないの?
まさか…好きな子苛め?
サスケくん…≫
イノだな。
俺がイノを好いてると言う噂を信じて疑わないらしい。
まあ、良いだろう…。
お蔭で女子から連日喧嘩を受けてるらしいから。
[サスケくん…嫌いにならないで]
[悪かったわ。
課題や修行の邪魔して]
[これからは控えるから]
[つるみ過ぎないから]
「サスケくん…私、サスケくんと一緒にいたい…。
ダイスキ…」
サクラだ。
今日ほど、ドベで良かったと思う日もねえ。
『たまでいい…。
今は集中したい、去ってくれ』
おまえがドベだから…。
おまえのあとに会話できる。
いちいちイノが横から入るの…疲れてた。
≪サスケくんがこう言ってるのですもの…。
仕方ないけど…去りましょう、みんな?
あと…掟の方も…サスケくんの意見を導入しましょう。
私は物わかりのいい出来た女だからね?
サスケくん…?≫
勝手に女子全員、リードしとけ。
本当、頑丈な神経を持ってやがる…嫌味も通じねえ。
[悔しいけど幻滅されたら負けね。
受け入れるわ]
[サスケくん、私を見てね]
[応援してるわよ]
[ファイトサスケくん]
[今日も素敵ね。
サスケくん]
[さらに惚れるわサスケくん]
[サスケくん…大好き]
サクラだな。
女子どもは全員、俺の前から去っていた。
俺はこれから課題や一学年上の教科書を眺めたり…忙しい。
ボケボケしてると…ネジとの差が付きまくる。
最近、甘ったれてるせいで成績が以前ほど上がらん。
一年上をキープするだけでも本当、必死だ。
まあ…あれぐらいの台詞なら…。
きっと…女子どもにサクラも制裁を喰らわんだろう。
魂胆も読めてはおらんだろう…。
☆☆☆
次の授業は…課外授業だな。
芝生が生え…。
木が生えた運動場みたいな好条件な修行場だ。
空は雲一つない快晴だな。
良い空気だ。
手裏剣の数が…前は三本だったが…。
少し大型の手裏剣一本に変更された。
これを3メートル離れた的に命中させる…。
それだけだ。
悪いが…簡単だな…。
手本が出来るぐらいだ。
しかし…ナルトは苦戦してるらしい。
サクラも飛び術は苦手らしい…。
俺はいつもサクラを見守ってる。
俺だけ女子から絡まれる前に…教室へ向かう。
少しはこたえたのか…。
イノも…すぐにはこっちへ来ない。
これは正解だ。
俺は殺気立ってるからだ。
☆☆☆
先に帰った。
教室で一人だ。
つるむより…一人の方が楽だ。
男子たちは…課外でつるんでやがる。
ナルトは…イルカ先生とだべってやがる…。
芝生が生えた…課外でだ。
イノと女子軍団は…俺を落とすための作戦を練ってるらしい。
≪密着線は『暑苦しい、幻滅してる』と断られたね?
…次はどの手で落とす?
みんな案が会ったら、この私に言ってね??≫
このことに、ついてだ…。
どうでも良い会議だ。
俺だけ一匹オオカミだな…。
☆☆☆
昨日は、いろいろな方法を考え巡らせた。
イノに嫌いになってもらう方法だ…俺のことを。
俺がボコる方法程度で、イノは折れん。
精神力が並大抵ではない…根性が座ってる。
イノは強く勝気だ。
イノを俺が倒そうが…他の女子もいる…。
徹底的に冷たくして、嫌ってもらうしか方法もねえらしい。
サクラにだけ甘いと…女子たちの怒りが…サクラに向く。
イノをボコれば…サクラもボコらねば…。
あとでサクラが嫉妬されて、ボコられる。
そんな連鎖が始まるだろう…。
この問題は…サクラが女子を制圧できる力を得る以外で…。
解決が困難だ。
女子ども全員、殺そうが…俺が里に裁かれる。
里からサクラだけ連れて出て行こうが…。
現在の俺では自分だけでも、のたれ死ぬ…。
サクラは即死だ。
いろいろ策を練ってた。
俺はこういう揉め事が一番苦手だ。
いっそ、力で制圧出来たら楽なのに。
俺だけの掟が作れたら…楽なのに。
そう感じた。
しかし…女子ども、完全には従いそうにもねえ。
俺はサクラの護身術が上がるのを見守るしかねえのか?
毎日、悩み続けてる…。
☆☆☆
俺が教室で一学年上と二学年上の術式を眺めてた…。
最近では、一学年上だけではぬるい…。
ネジは恐らく一学年上の首席だ…どうせ、さらに上の術式を覚えてる。
どこまでも覚える気でいる…。
集中してたら…。
最初に到着したのは…サクラだ。
サクラは…イノの設立したファンクラブに加入してねえらしい。
俺はそこは嬉しい。
「サスケくん…」
『サクラか…』
机の上には術式の教科書広げたままだが…。
サクラがすり寄って来た。
「サスケくん、後ろから密着しても良い?
幻滅しない?」
『…』
俺は大きく溜息を吐いた。
サクラは無理やり…うしろから抱擁してきた。
俺が里抜けしようとした日以来…。
2回目だな。
本当に女子が邪魔すぎて。
久しぶりだな、二人で会話できるのが。
「サスケくん…最近、冷たいね。
怒ってる…?」
『…』
「昔は…優しかったよね。
私のモーション、怒ってる?」
『…』
「サスケくんは…私と…友達に戻りたいのかな…」
『…』
「でも、できない。
私、サスケくん…大好きだから。
サスケくんが男子に嫌われて…男友達欲しがってるの、知ってる。
協力してあげられなくてごめん…。
私が…サスケくんに行ってから…余計に男子たちが…サスケくんの悪口言ってるの、知ってる。
私は…どうすればいいんだろ…。
サスケくんは…私、迷惑?
もう分からなくて…」
『うざい』
「サスケくん?」
『自分で考えろ』
「え?」
『俺に聞くな』
「サスケくん…。
えと…。
私、好きでいても良い?」
『うっとうしい』
「いつか私のこと、お嫁さんに」
『うざすぎる』
「サスケくん…」
『早く体術上げろ、修行してろ』
「サスケくん…。
そうだよね…。
サスケくん、強い女の子、好きだものね。
私、頑張る。
だから…私のこと、好きになってね」
後ろの人肌が離れた。
「時間あるから…そとの課外広場で…木をボコってくる。
私、絶対、強くなるから。
サスケくんに認めてもらうために頑張る。
サスケくん大好き」
サクラは手を振って去って行った。
今回も肝心なことは話せんかった。
俺の家族についてや…。
今の状況説明だ。
二人っきりになれたら…余程、
『兄が一族を殺して現在、孤児だ。
俺は頼れる人間を失った。
気力に乏しい』
伝えたかった…。
貴重なチャンスだったのにだ…俺はサクラとの和解より…。
サクラが俺のために戦ってくれることを、激望みしたらしい…。
またとない機会だったのに…。
サクラは鈍いな…、言わなくても察してくれれば楽だが…。
教室で溜息が出た。
次にやって来たのは…女子軍団…。
今日は俺が集中して読書してるのを察して…。
色目線は送るが…接近はせん。
それから男子集団。
女子達から俺への歓声を…今日も嫌そうな目で見つめてる。
それから…ナルトとイルカ先生のペアーだ。
サクラは今頃、木をボコっているのか?
どこらへんまで体術が付いたのか…。
頑張れよ、サクラ。
とりあえず、女子に力喧嘩で勝てるレベルは望む。
【サクラ視点】
☆☆☆
サスケくんは私が…
里抜けの道でサスケくんを待ち伏せして…。
「サスケくんがダイスキなの。
しょうらい、サスケくんのおヨメさんになりたい!」
「サスケくんと…かぞくになりたいから…。
今日から…ガンバるね?
それだけ…」
って…宣言した日から…ずっと冷たい。
確かに…昔も私が泣いてる話を聞いてくれる程度で…。
サスケくんからって訳でもなく。
平等精神の強いサスケくんは…私に普通にしてくれただけ。
お蔭で私は…女子軍団の輪に入れた。
それはサスケくんの力があったからこそ。
それは理解してる。
私がしてることは…邪魔なんじゃないかって…いつも不安になる。
サスケくんだって…本当は男子の輪に入りたいかもしれないのに…。
私が壊しているんじゃないかって。
だって。
私たち6歳だもの…サスケくんだって、男友達欲しいはず。
私にはライバルだけどイノって言う友達もやっと最近できたし…。
私に何かできないかっていつも考えてる…。
男子たちはサスケくんを理解してない。
敵にしか思ってないみたい…。
私はサスケくんに認めてもらえるために強くなりたいけど…。
集団の輪に入れてもらえた恩返しもしたい。
泣いてばかりいた私を変えてくれたのはサスケくん。
サスケくんがいなければ…私は今でも学校で一人だった。
きっと泣いてるだけの子だった。
サスケくんのために何が出来るんだろう…。
家に帰ると…私は…ペーパーを覚える。
私は飛び術はてんでダメ。
それから術式も不器用すぎてダメ。
印を結ぶのすら…不器用でタイミングがずれる…。
そんな私が出来ることは…暗記と…。
木を殴る練習ぐらい…。
あとは…唯一の読書…。
お母さんから生まれて初めて買ってもらえた”里の英雄伝説”。
これが…本当に好き。
何故かはわからない。
私の生れてはじめての少女漫画で…。
私も夢が見たいからなのか…。
何回でも読み返してしまう。
サスケくんに…受けなかったのが…ショック…。
サスケくん、少女漫画は苦手みたい…。
サスケくん、家でいつも何やってるのかな?
漫画とか読んだりしないのかな…。
サスケくんに漫画って似合いそうにないよね…。
術式の本しか読んでないのかな?
本当にサスケくんって真面目だよね…。
女子たちはサスケくんが冷たい人間みたいに言ってるけど…私は知ってる。
サスケくんはとっても暖かい。
蔑んだ態度なんてしない…。
私は今日もサスケくんに突き放されたけど…。
だけど、諦めきれない。
理由は分からない。
【サクラ視点】「里の英雄伝説」
私は「里の英雄伝説」って少女漫画がとても気に入ってる。
まだ6歳だけど…。
割りと…大人っぽくて好き。
主人公の年齢が高いけど…ドラマチックな話で。
映画みたいだなって…。
他の女子たちは、理解してくれないみたい…。
イノの”転校生はスパイ”って、少女マンガの方が好きみたい…。
コッチの方が…主人公も16〜18歳くらいだよね?
分かる。
でも何かシックリこない…。
転校生が…レディーファーストなのが…イノに激受けみたいだけど…。
サスケくん…”里の英雄伝説”本当にしっかり読んでくれた?
読むの滅茶苦茶早かった。
すっ飛ばされたような気がして仕方ない…。
私の超お気に入りなのに…。
ショボン…。
私は、この漫画の主人公に…私…。
この漫画の勇者に…サスケくんを…。
感情移入してるんだよ?
知ってた…?
サスケくん…。
この漫画の勇者役…性格は全くサスケくんに似てないけど…。
でも…顔の雰囲気が少し似てて…表紙でビビってきて。
お母さんに買ってもらえるように、おねだりしたの…。
主人公の性格も私に完全一致なわけでもない…でも。
サスケくんに似た顔が配役に出演する漫画ってだけで…私は十分、癒されてる。
☆☆☆
主人公は…泣いてばかりの女性。
とても夢見がちで、恋に恋するタイプ。
いつも就寝前は自室の窓外に映るお月様を眺めて…。
(運命の人に出会えますように…)
手を組んで、ホロホロ泣きながら祈ってる。
宗教儀式のように何年も連続して行われてる。
夜空の星を眺めれば…主人公の瞳に星が灯る…。
反射して…煌めきだす。
主人公は…本当に夢見がちな女性。
年齢は20歳前後?
童心を忘れない女性。
それを終えると寝台につく。
髪も今の私と同じ肩揃え。
泣くことでしか感情を伝えられない女性。
主人公が外を歩けば…世界は煌めいている。
いっぱい素敵な男の人だらけ街角に歩いてる。
毎日、
(誰と私は…将来、一緒になれるの?
結婚できるの?)
と期待に胸を膨らませてる…。
でも、女性は…語りかけることすら出来ない。
とてもシャイだから。
いったい、主人公に何人ストライクがいるのか分からない…。
この漫画の中の男性はみんな魅力的。
主人公は出会えるたびに喜んでる。
そこも私のツボの一つ…。
主人公にモーション掛ける昔なじみの男性もいる。
主人公には憧れの男性もいる…。
でも、両方…何かが違う。
恋に恋してる感覚がして…、仕方ない日常。
全力で突き走りたいのに…どこか、空虚が襲う…。
(私の運命の人は…誰なの?)
周りを見渡せば素敵な男性ばかりで…目が動いてしまう…。
毎日、寝室で夜空へ祈り続けてる…。
主人公は…本気の恋を探し続けてる…。
ある日のこと、里に危機が現れる。
鬱蒼と暗い空から…全身黒の人影のような強敵が数万体…降り落ちてくる…。
世界は暗闇に襲われ…主人公に命の危機が…。
もう絶体絶命って言うところで。
主人公は叫び始める。
(まだ私は独身。
死ぬわけにはいかない…)
主人公は死にきれないみたい…。
「キャア誰か助けて」
そこへ超絶主人公の好みドストライクな男性が現れる。
20歳前後の男性。
「キャア!
里の勇者様!!」
名前も知らない男性に…主人公は胸が高鳴り…一気に恋に落ちる。
里の英雄が…現れた途端、黒い人影のような敵は…どんどん消えて行き…。
世界に平和が訪れる…。
「キャア!
素敵!
格好良い!!!」
主人公はもう大歓喜。
背景に光がともされる。
世界を覆う黒雲は消失し、天から太陽光が燦々と降り注ぐ。
周囲は、栄光の拍手喝采と歓声で溢れかえる…。
日差しの良い昼間へと急変する。
地面にはたくさん連なるコスモスの花…。
しかし…主人公と同じことを思った女性は…たくさんいたみたいで…。
そこから…バトルが始める。
まわりにいた女性全員が…その名もなき”里の英雄”を視界に入れた途端、虜になってしまう。
登場も…仕草行動も全部、格好良すぎるから。
≪勇者様!≫
[強くて凛々しい]
[格好良い]
[痺れる!]
[里を守ってくれて…ありがとう…]
[アナタは英雄よ!]
[里の平和に万歳!]
女性全員が…里の英雄に抱き付きに行ってる…。
里の英雄は、しかし…紳士なのか…デレデレしてない。
仕事を終えた表情で…眉ひとつ動かしてない…。
英雄の顔が日光に照らされる…。
凛々しく颯爽としてる。
天からの風来児のようだ。
神々しくもある。
そこが主人公の胸を更にトキめかせる。
主人公は(泣き虫で根暗な私なんて相手にしてもらえない…)
と…。
遠目に眺めてるだけ。
しかし顔がポオオとしてたまらない。
今まで見た男性の中で一番…素敵すぎるみたい…。
ライバルだらけみたいだけど…。
主人公がボケーとしてたら…。
信じられないことに里の英雄が…主人公に向かって…甘い言葉を投げかける…。
『おまえの瞳に惚れた。
天使だ。
これからも…おまえを守る』
「え?
そんな?」
主人公がもうタジタジ…。
それから…主人公の瞳には億万の星。
『俺は去る』
「待って!
去る前に私の…ファーストキスをアナタにあげたいの。
命の恩人だから」
主人公は受け入れてくれないと諦めてたけど…捨て身タックルで頑張る。
『いいだろう…』
主人公の申し出に勇者が承諾した瞬間、数名の男性が激怒し始める。
主人公にモーション掛ける脈のない男性と…、
主人公が憧れてた男性…他数名が…里の英雄と闘うことになる。
この主人公、意外にモテてたみたい…。
今頃、気が付いて少し喜びつつ、戸惑う主人公…。
『この女は俺のモノだ、勝ち目などない。
君たちに催眠術を掛ける…諦めろ、他に目を向けろ…』
勇者は制圧する。
主人公の前で…主人公を巡る戦いの劇が幕開く。
しかし、里の英雄の強さは超人並み。
誰一人叶わず…数秒で無傷で相手をノックダウン。
主人公を慕う反抗する男性たち他数名は…一瞬で気絶させる…。
道端に横たわるのは…安らかに寝息を立てて眠る…男性たち。
なんだか…催眠術に掛かったみたい…。
主人公は…ハラハラドキドキ…アタフタしてる…。
本当に…里の英雄は強いみたい…それからカッコいいみたい…。
時間が流れ…全ては終える。
こうして里の英雄と主人公は軽いキスをする。
このシーンも割りと私は大好き。
背景には…西の空に紅色の夕日がポッカリ浮かんでる。
黄昏が夜風を染めていく。
赤トンボが列を連ねて空を舞う。
主人公の髪も…勇者の髪も…茜色に煌めいて揺れている。
それから…里の英雄の名前を主人公は教えてもらう。
周りの女の子たちは嫉妬してる。
でも主人公はその瞬間から強くなることを決意する。
里の英雄は誰にも渡さないって。
頑張ることを決めるみたいで・・・。
内気で泣き虫だったのが…。
「あの人だけは渡さない…。
あなた達も脈はないと諦めて。
私のことがスキだって言ってくれてる」
って宣言して頑張ってる…。
周りの子たちは。
≪納得いかない。
どうしてあなたが…あの人と≫
[里の英雄は私のものよ]
いろいろ文句轟轟。
「理由はないのよ。
恋はそんなものでしょ」
主人公は強気に出てる。
それから…。
「私、生きてて良かった」
主人公、死ぬほど嬉しそう…頬が最高潮に真っ赤。
ここも私の感動のツボ。
秋はつるべ落とし…、日は急いで完全に暮れ。
空に月が上がり…星が煌めく…雲一つない世界。
主人公は積極的に里の勇者と手を繋いで…森の中に誘い出す。
外は濃紺の夜空……満月が大きく広がる。
地面は緑の草むら…。
虫の音がリンリンと鈴の音を合唱してる…。
風流なムード。
主人公のカバンの中に白いお団子が入ってたみたい。
今日は…中秋の名月みたいで…。
(月にうさぎが映ってるね…)
主人公はウットリしながら…平和な情景を見詰めてる。
隣には今日、出会ったばかりの里の英雄。
初めての本気の恋。
ファーストキスの相手。
『君の瞳に完敗だ…一目惚れだ…天使だ』
「勇者様…」
『俺に敬語は止めろ。
今夜、君を抱かせてくれないか?』
「それは…えと…」
『明日早朝、発つ』
そのあと…主人公は里の勇者を自宅に泊める。
歓迎する主人公の家族。
もう家族ぐるみの付き合いになってる。
一夜を明かし…何事もなく…勇者は主人公とは別の部屋で寝てるみたい。
主人公は…勇者と一緒に暮らすことを夢見て仕方ない。
今日一日で電撃的に…恋に落ちたみたいで…。
しかし…。
翌日…。
主人公が起きてみれば…両親から里の勇者が止めるのを聞かず…。
旅に出たと諭され、青ざめる主人公。
慌てて…里から外へ抜ける一本道まで走る。
何とか間に合ったみたいで…。
そこに勇者様がいる。
空は朝焼けに染まってる。
赤、桃、紫、水色…マーブルに混ざってる。
「行かないで」
『俺には世界中の危険を守るという仕事がある…。
ここにいれば俺が原因で事件が起きる。
今日は小さな収穫があった。
本音は君の側にいたい…。
愛してくれてありがとう…』
主人公はそこで涙を流す。
「いかないで。
お願い。
私のファーストキスを忘れないで…。
私の瞳に惚れたって話…本当?
私を弄んだだけ?」
ボタボタ泣いてる。
「これからも私を守るって言ってたくせに嘘つき」
主人公は咽び泣いてる。
『嘘ではない…。
死ぬ気で守る。
君の情報なら常に張り巡らせる…』
「勇者様…」
『今は耐え忍んでほしい…。
俺も辛い…でも耐える。
死ぬほど愛してる』
「いつかきっとまた会えるよね?」
『こんな美しい女性を忘れられるわけなどない…。
絶対帰ってくる…。
君は、俺の人生の希望の光だ…』
里の英雄は…主人公と…涙の別れのキスをして…。
颯爽と…里の外へ去って行った。
主人公はその日を境に…強くなることを決意する。
寝る前にはカーテン開き、寝室にある窓の外からお月様に…。
(勇者様が私の元に帰ってきますように…)
毎晩、手を組んで…祈り続けてる。
(例え、素敵な女性が現れても…心変わりが起きませんように…)
ずっとだ。
☆☆☆
主人公を陰ながら慕ってくれた男性は深い昏睡から既に覚め…それぞれ別の道を歩む…。
勇者の…催眠術が効いたみたい。
主人公が憧れてた男性は旅に出たみたい…。
主人公に積極的にモーション掛けてた昔なじみは…里に留まり他の女性に気変わり…。
仕事に没頭してる男性もいる…。
それぞれの道を歩んでる。
意外にモテる主人公みたい…。
少女マンガだけに…逆ハーレムなのかな、この漫画…。
その後も主人公は…違う人にナンパされてるけど、全く相手にしてない。
女子から主人公は冷たい目線。
毎日、苛められる日々。
季節は冬に移り変わる…。
窓に冷気がこもり、水滴が…滴る。
主人公は里に留まっているに飽き足らず…勇者様を自分から探しに行く。
命懸けで…。
深い森の中へ…ある晩、里の住民に黙って旅に出る。
事前にみんなに承諾を得たかったけど…
+おまえの力量では無理だ。
勇者のことは諦めろ+
と里中全員に猛反対を受けた上での苦渋の決断。
主人公にとってはこれが初めての旅。
お供の者も連れずに…出かけた。
命知らずも良いところな主人公。
護身用に…お札は…服の裏いっぱい張り巡らせて。
眠り薬など…鞄に詰め込み…旅に出る決意。
空から小雪がちらついてる。
外には白い野兎が走ってる。
雪が少し積もってる。
里の勇者様がいない日常は主人公にとって…死に近いみたい。
主人公は…あの甘いキスが忘れられないみたい…。
冒険に胸が高鳴ってる…。
深夜人目を忍ぶ一人旅。
毛皮のマントで…身を隠し…忍び歩く。
懐中電灯を頼りに…ヒッソリ動く。
雪に主人公の足跡が残される…。
吐く息が白い。
しかし…外の小道で、全身黒いポンチョのマント…顔は仮面マスクで武装した…不気味な格好をした夜盗集団に襲われる。
命と貞操の危機が訪れた時、里の勇者が現れる。
もう主人公は黄色い悲鳴大歓声。
空気も冷たい…何も見えないレベルの暗闇。
「勇者様」
『里の外には出るな。
危険がたくさんだ。
俺は今回、里に落ちる隕石を破壊するついでに立ち寄った。
異世界からの侵略者を制圧するためにだ。
俺がいなければ君は今頃、無事では済まなかった…』
「会えて嬉しい」
『君は美しすぎる…狙われる…。
君を狙う夜盗どもは…瀕死にしといた。
君が見てる前で…人殺しは出来ない。
現在、外は危険すぎる。
君の体が傷つかなくて良かった…』
「助けてくれて嬉しい。
心より慕ってる…だいすき…」
主人公はもう…涙を流して…里の勇者の胸に縋り付いている。
主人公の瞳は…月光に照らされキラキラ輝いてる。
頬は外の冷気で赤い。
「勇者様…。
私以外に女遊びしてない?」
『してない…。
…眼中にない…。
君だけで充分だ』
勇者様は…本当に紳士的。
主人公は…今回も決意を固める。
次、いつ会えるか分からないから。
「私の胸、触っていいよ?
私の思い出、どうか忘れないで…」
『良いのか?』
「私は勇者様に命を助けられたあの日から。
勇者様に全部捧げる決意だから…。
これぐらいなら平気だから…」
主人公は色仕掛けで一生懸命、勇者を惹きいれようと必死だ。
勇者は…。
服の上から触り…、主人公にキスだけする。
なんだか…深いキス…。
おとなな話…。
「勇者様…」
主人公と勇者様は…里の外、夜の道で…。
立ちながら…抱擁し合って…。
主人公は勇者様の胸元に寄せ合って…。
惚けた顔。
星影がそれを照らす。
「私のこと、覚えていて…。
だいすき…」
『素敵なものを…ありがとう…。
今回全部欲しいが……』
「勇者様…えと」
『またな』
「次、いつ会えるの?」
『きっとまた会えるだろう。
ここに俺がいれば…それが原因で事件になる…。
慕ってくれてありがとう』
それだけ告げて…勇者様は里まで…主人公を紳士的に送り迎え…。
夜の暗い森へと去っていく。
主人公の顔は真っ赤。
唇と…胸をふれられた感触が忘れられないみたい。
里に着くなり…脱力して…座り込んでる。
勇者様は平然と颯爽と凛々しい…。
それからも…主人公は指折り勇者様が帰ってくるのを待ってる。
里の住人には…。
||止めときなさい、私はあなたのことがただ、心配なの。貴女さえ幸せになってくれたらそれでいいのよ||
≪キスもだけど…服の上から胸まで触らせたの?
きっと遊ばれてるだけよ≫
[ハードルが高過ぎよ、他にも女の子わんさかいるわ、弄ばれて捨てられるだけだって]
[アンタも軽すぎだわ]
U止めとけよ、本気で体目的だってU
特に女性たちの苛めが酷い。
嫉妬もあるみたい。
Uウチだって…里の外で出会ったら…してもらえたんだから…。
何よ。
体だけなの理解しろよ?U
[アンタのこと、本気でもないわよ]
いろいろ非難いっぱいで泣きそうになる主人公。
しかし…たった2回しか出会ってないというのに…主人公は命の恩人。
里の勇者様がどうしても忘れられないみたい。
『愛してる』
と囁かれたことも…。
もう…虜になってるみたい…。
捨てるものなど何もないと…。
里にいても…
[里の勇者に遊ばれてるだけ…体に飽きたらすぐ捨てられる。
何人…女がいるか分からない…]
と中傷される日々に疲れ果てた。
主人公…。
☆☆☆
季節は春を巡る。
山の雪も溶ける。
木に桜が咲く…満開だ。
温泉宿に行くと言って…目的は勇者様に出会う…。
それだけ…。
勇者様の約束を破り…、今度は日中に里の外へ。
うららかで…もんき蝶が飛んでる。道端にはタンポポ。菜の花畑。
隣の里へ何とか到着したみたいだけど…勇者様の情報は…乏しい。
ただ、全員、知ってるみたい。
[英雄ね。
確かに格好良いし、凛々しくて私も助けられたわ]
||たまに見かけるけど…殆ど立ち寄らないわ||
≪遊ばれてるんじゃない…?≫
U諦めろよ?U
[私が落としたいわ]
みんな勇者様目当てみたい…。
泣きそうになる主人公。
主人公に残されたものと言えば…最後の貞操ぐらい…。
次こそ、全部を捧げようと決意する主人公・…。
[止しときなさい。
相手にされないわよ]
[体が傷つくだけよ]
[もっと現実に目を向けなさい]
[やり捨てポイよ…アンタなんて]
みんなに思いとどまられて…切ない主人公。
日が暮れる前に次の里へと出発する主人公。
深い森で…太陽の光すら…下に届かない。
夜桜が綺麗だ。
ジメジメした空気で…不穏な空気が漂う。
主人公は若草色のマントを被り…身を隠しながら…慎重に歩いてる。
そこで…。
野獣が現れる…。
森に生息する獣だ。
主人公はもう…アタフタして仕方ない。
ガタガタ…クナイは持つけど…。
起爆弾は周りに巻くけど…。
頭が混乱して…体が動かないみたい…。
また…命の危機に見舞われて…。
神出鬼没で現れるのは…。
勇者様。
勇者様が…目の前の獣を…拳でなぎ倒す。
大熊がバタリと倒れた。
「勇者様」
『俺は今回、里に反乱を起こす隊を討伐するために…近くへ寄っただけだ。
繰り返す…。
里の外には出るな。
理解しろ』
「会いたくて…。
勇者様」
主人公は頬を染め…瞳はひかり煌めく。
主人公が…勇者様にキスをせがむ。
勇者様はキスしてる。
「勇者様…。
私の初めてを貰って…。
アナタは私の命を3回も助けてくれた…。
私はアナタに人生を尽くすから…。
ね?
隣里の旅館へ一緒に泊まろう…」
主人公は強気だ…。
勇者は溜息を吐く。
『君が大好きだ。
ずっとだ』
そこで抱擁が始まり…二人は隣里の温泉旅館で泊まることに…。
シーンはカットされ…。
朝に変わってる。
主人公が寝ぼけ眼で…隣を確認すれば…勇者はいない。
主人公は慌てふためく。
机の上には…ラブレター。
『初めて見た時から、君のことがビビって来た。
それからずっと好きで…ずっと付けていた。
今日、会えて…とても嬉しい。
君は俺の初恋だ。
どうか一緒に結婚してほしい…。
君じゃなきゃ嫌だ。
君が他の男にいけば…俺は呪い殺しそうになる。
君がいないと…俺は死ぬ。
今、断れば…俺は暴れる。
とても愛してる…大好きだ。
これからも里を守り続ける。
君のことを命懸けで守る。
俺にしろ』
読んだとたん、主人公は驚いて…涙を流す。
主人公は慌てて…外へ出る…。
勇者はもう出発の準備。
「勇者様…あれ、本当?」
主人公が感激して、里の英雄に抱き付く。
『そうだ。
君が俺に注目する前から、俺は君に目を付けてた…』
「私も愛してる…。
アナタが大好き」
『今度こそ里で留まってくれ。
俺は去る』
勇者様は里から出て行く…。
主人公は慌てて後を追う。
「待って…」
勇者は主人公を手で抱きかかえ、里へ送る。
一瞬だ。
「勇者様、ありがとう…」
もう主人公は幸せいっぱいだ。
主人公と勇者は軽いキスをして離別をする。
『また帰る』
「待ってる、ずっと…」
主人公はもうとってもウットリ。
背景にはサクラの花が満開だ。
主人公は顔が真っ赤だ。
帰宅してからも…3回しか会ってない…勇者のことが忘れられないみたい。
本当に電撃的な恋の物語・・・。
☆☆☆
それから…3か月も経過した…。
燃える夏。
主人公に…子供が身ごもったことが判明する。
そのときになって、主人公は…あわてだす。
でも産む決意をする。
大好きな勇者様の子だから。
主人公は…畳に寝そべり、扇風機の前で汗だくになりながら涼んでる。
勇者様の子を身ごもったことが里中に知れ渡る。
里中が主人公の身を案じる中…。
また里に危機が…主人公の知らないところで起きたらしくて…。
勇者様が帰ってきて…すぐに討伐してくれたらしい。
勇者様は…主人公のいる居間へ面会して…。
『里の脅威は撤退させといた…。
しかし、また懲りずに…何度でも襲い来るかもしれない。
奴の無念も…理解はできる…敢えて完全に殺さん…力の差は歴然だ。
生きている限り、暴れれば良い…。
俺は…表の世界を生きる。
奴は…裏の世界を…さ迷うのかもしれん…。
奴を見れば…自らの過去が映る。
素直になれず嘘ばかり吐いてた頃。
君の存在を知りながら…伝えることも出来ず…修行に明け暮れた時代をだ。
俺は長旅を通して自分を変えた…色々な人から愛の伝え方を教わった…。
多くの犠牲をもとに現在がある…。
この里には…何物にも変えがたい宝がある…。
俺の宝は…君だけだ…。
俺はこの里に留まり、永久に君を守る。
俺と結婚してほしい、愛してる…昔から。
俺の人生は君にやる』
と手を握り、言う。
「ありがとう…。
里の脅威って?」
主人公は承諾する。
『知らない方が良い…。
時間が解決するはずだ…』
そして里中が…お祭り騒ぎになり…。
二人は盛大に祝われて…終わる。
みんなが盆踊り。
それから先は…勇者様も里に留まることを決意するみたい。
最後のオチは…。
二回目…主人公を襲った全身黒いポンチョのマント…顔は仮面マスクで武装した…不気味な格好をした夜盗集団。
三回目、里に反乱を起こした隊。
4回目主人公が知らぬところで起きた里の脅威…。
そのすべてが…主人公を陰から慕う男性が起こす反乱行動だと…。
全く知らない主人公。
主人公を力付くでもモノにする気みたい…。
主人公の貞操を今でも狙ってるみたい…。
『男はオオカミ』って言う教訓を…この少女マンガ…教えてるのかな??
私は…。
6歳だし…。
まだ難しいかも…ここら辺は…。
私、一度も感じたことないけど…そんな道徳漫画みたい…。
里の勇者様は大変みたい…。
何回読んでもすごく甘いロマンスで…ウットリな話。
私は好き…この話。
凄い逆ハーレムな漫画だけど…少女マンガだし、フィクションだし。
そこは割り切ってる…。
メインキャラがサスケくんの顔に似ているのが一番ツボ。
性格はサスケくんとは正反対もいいとこだけど…。
顔見るたびに癒される。
サスケくんの方がずっと格好良いけど…表紙が特にお気に入り…。
毎日、サスケくんに家の中でも会えてる気分に浸れる。
サスケくん…大好きだよ?
☆三角関係…始まりの予感6歳「人間不信」「サスケくん?何故?」「俺がサスケは潰すってば!」
☆目次
☆第二の家族…俺の妹