アナタノコトガスキデス

萌え妄想のまま走るいろいろ創作小説の予定。苦情無断転載禁止。

三角関係…始まりの予感(6歳)



【サクラ視点】

私は最近、毎日自宅で泣いてる…。
それは今日も…。


サスケくんは…教室で自分の椅子に座ったまま…。
正面からイノがべったり…。
まるでキスが出来る距離。


≪あらら?
イルカ先生に没収されたみたいね?
私が…サスケくんの全てを…一歩リードする気だったのに…≫

それから後ろにも女の子たちがいっぱい。

[今日からサスケくんの反応見れないわ…]

[って言っても毎回無反応だったけどね…]

[サスケくん、反応薄いからつまんないわね…]

[今日は何して落とそうかしら?サスケくんを]

[サスケくんは私のものよ]

[サスケくんはみんなのモノよ。

独り占めしたらボコる]


私は一度、肩を触れただけ…。
成績順で触れるのが決まってるみたいで…。
それを見るたびに泣きそうになる…。
本当は反抗したいのに…喧嘩してトイレでリンチに合った。
私は誰より…強くなりたい。

「サスケくんには…まだ早すぎだったと…思うの…。
サスケくん、ごめんね…。
サスケくんはいつまでも…清いままでいてね…。
サスケくん、大好き」

私だけ…サスケくんの机の前にいる。
接近すらあまり許された訳でもない…。

≪イルカ先生に…エロ本は没収されたし…、
恋愛小説は読めない漢字ばかりで、イラストぐらいしか分からないし…。
今日は…漫画と保健体育の教科書を持ってきたわ…。
家にあった両親の古いやつだけど…≫

イノだ。

「えと…。
私も漫画持ってきたわ…。
サスケくんには…。
エロはまだ早いって気がして」

イノにだけは負けたくなくて家から愛読書を持ってきた。
私は何故か…この漫画が大好きで…。

[サクラの漫画なんてサスケくんが気にいる訳ないでしょ?]

[ドベの癖に]

[生意気よ]

[イノが持ってきた奴だけで良いわ…]

以前なら、この言葉だけでも泣いてた。
「デコ」って言われただけで…去年は泣いてたから。
でも…私は内部に強気なサクラを飼ったから大丈夫…。

(イノに負けるな!泣くな!しゃーなろ!)

私は叫んでる…。

≪みんなこう言ってるでしょ?
発言権は私にあるのよ?
分かったかしらサクラ…≫

イノだ。

「サスケくん…。
アクションものだし…。
気に入ると思うんだけど…」

一生懸命、アピールした。

≪私がサスケくんに聞いてからにしてあげるわ…。
サスケくん…。
サクラの漫画なんてどうでもいいでしょ?≫

イノが…そういったら…。

『そうだな…』

サスケくんが同意して…私はズキリと来た。


≪ほら?
サスケくんこう言ってるじゃない?≫

イノだ。

「ええ?
そんなぁ…。
せっかく持ってきたのに」

泣きそうだったけど。

(泣くな!
イノに負けるな!
しゃーなろ!)

心は叫んでた。

≪サスケくん…。
どうでもいいでしょ?≫

イノがサスケくんに尋ねる…。


「家に漫画ないから二冊読んでもいい…」

ここは嬉しかった…サスケくん、やっぱり優しい…。
ありがとう…ドベの私のマンガ読んでくれるなんて…。

≪サスケくん…。
無理しなくてもいいのよ?
サクラの漫画なんてショボいわよ…≫

イノだ。
すごく悔しかった。
早く成績上がりたい…。

『…』

サスケくんは黙ってる。

[そうよ、そうよ…]

[サクラが持ってきたと言うのが気に入らないわ]

[私も持ってくれば良かった…漫画]

[ドベの分際で…]

女の子たちの中傷が凄い…。
ドベの癖に漫画を読んでもらえることを嫉妬してるみたい。
へん、しゃーなろ!

「忍者文庫の漫画で…結構人気なんだけどな…。
‘里の英雄伝説‘っていう少女漫画で…。
サスケくん…知らない?」

少しうれしくて…わたしったら甘えたい。

相変わらず、イノはサスケくんに正面密着…。
もう悔しくてたまらない…。
わたしだって…サスケくんに正面から甘えてみたいのに…。

私だけ、サスケくんの机…正面で立ってるだけ…。

『…』

サスケくんからの返事はない。
去年とは大違い…。
どうしてこんなことになってしまったんだろう?
私は…どうすれば良かったんだろう?
あのとき…。
どうして…イノとサスケくんの恋を…一度でも応援して…イノの友人になることを望んでしまったんだろ…。

あれをしてなければ…私は今頃…サスケくんの隣で笑ってられたの?
もう分からない…。

≪サスケくん…。
ドベとは喋らなくても良いのよ?
みんな…。
この漫画どう思う?≫

イノが椅子に腰かけたサスケくんに正面密着したまま…語りかける。
アアア。
引き離したい

[まあまあ有名ね。

私も家に持ってるわ]

[ちょっと王道だけどね]

[ベストセラーだし…。

今回は許してやってもいいわ]

[サクラが持ってきたって言うのが気に食わないけどね]

サスケくんの横や後ろにへばりついてる女の子たちも…。
うるさい。


「しゃーなろ!
サスケくん…。
読んでみて。
えへへ」


私は…読んでもらえるだけでもうれしい。
だから、ガッツポーズした…。
サスケくんの口元が少し綻んだ?
あれ?

≪みんなのお許しが出て良かったわね?
サスケくん…蔑んだ笑顔になってるけど。
両方読んでみて。
サクラが持ってきたっていうのがムカつくけど…。
この漫画…。
私も家に一応あるから。
ま、参考までにね?≫

イノに蔑んだって説明された…。

(ドベの癖に御厚意で読んでやるよ?って意味?
でもね…。
イノ、勘違いしてる。
サスケくんはそんな冷たい性格じゃない。
とっても温かい性格なんだよ…。
違うよ…きっと…)

(サスケくんは差別や偏見や跳ね子は大嫌いな…性格だって、去年言ってたよ。
だから…私を助けてくれたって…。
イノ、サスケくんの性格、誤解してるよ…。
サスケくんはとっても優しい性格だよ…)

『俺は知らなかった…。

読んでみる…』

サスケくんが机の上に漫画を広げて…パラパラ読んでる。

イノが椅子に腰かけたサスケくんに正面密着しながら…説明だけしてる。
サスケくんの背後にも女の子が密着。
私は30センチ離れたところでそれを眺めてるだけ。

サスケくんの机に…私は手を付けて…正面からサスケくんの様子をソッと見守ってる。

≪この”転校生はスパイ”って漫画のあらすじは…。
突然やって来た美少年はとってもレデイーファースト♪
とにかく優しいってお話よ?。
歯の浮くような台詞で…主人公の美少女をベタ褒めまくりなんだけど。
さあ?
モテそうなヤツを落とすのは…誰かしらねぇ?
っていうお話ね?
どう面白いでしょ?
サスケくん?≫

サスケくんとほぼキスが可能な距離で…腰かけたサスケくんに正面密着で…イノは…語りかけてる。

[どう思う?]

[結構イカスでしょ?]

[その漫画。

私、まだ持ってない]

[やっぱり癒しは少女マンガよね?]

[サスケくん、生まれて初めての漫画はどう?]

[感想、聞きたいな?]

女の子たちは…椅子の後ろから…スリスリ。
もう悔しい。

「私は…その漫画より‘里の英雄伝説‘の方が好きで…。
えとね…サスケくん」

サスケくんが…私の漫画、気に入ってくれること…物凄く祈ってる。

「…」

イノの漫画にはサスケくん、反応なかった。
可もなく…不可もなくなのかな?
分からない…。

≪反応ないわね。
じゃ、私の家にもある…。
この漫画ね。
サクラのだけど…。
私が生まれて初めて読んだ漫画なのよ?
感想はまあ、ありきたりね≫

イノは…サスケくんに正面密着。

[ありきたりだけど…。

ベストセラーだから私も持ってるわ]

[私もあるわ]

[王道過ぎるけどね]

[まあ、入門書よね?

これ?]

女子たちは…サスケくん横後ろ…密着。

「私、大好きで…何回も読んでて…。
気に入ってくれたらいいな…サスケくん」

私だけ接近が許されない。

でもね…顔が火照って来た、今、微笑んでる。
喜んでくれるといいけど…。

私ね、その漫画のキャラ、里の英雄がね…顔の雰囲気がサスケくんにちょっとだけ、似てる気がして仕方ないの。
だから…好き。
サスケくんの方が格好良いけどね。

☆☆☆

それとね…。

この”里の英雄伝説”はね?

ラブレターのシーンが一番、気に入ってるの。

里の英雄が…。

主人公にね…。


『初めて見た時から、君のことがビビって来た。
それからずっと好きで…ずっと付けていた。
今日、会えて…とても嬉しい。
君は俺の初恋だ。
どうか一緒に結婚してほしい…。
君じゃなきゃ嫌だ。
君が他の男にいけば…俺は呪い殺しそうになる。
君がいないと…俺は死ぬ。
今、断れば…俺は暴れる。
とても愛してる…大好きだ。
これからも里を守り続ける。
君のことを命懸けで守る。
俺にしろ』

っていう凄いラブレターを…貰うシーンが気に入ってるの。

主人公がそこで感激して、里の英雄に抱き付く場面は…もう何回、私…涙を流して感激したか…分からない…。

良いお話だよね???

☆☆☆

≪この漫画はね?
主人公が敵に襲われ…命の危機になるの…。
そこへ里の英雄が突然、現れて…。
恋に落ちるって話ね。
甘い台詞を語り合って…キスしてゴールインってね?
ありきたりよね?≫

イノが説明してる…。
相変わらず…サスケくんにベッタリ正面密着…。

[似たような話。

あり過ぎて]

[斬新さに欠けるわよね]

[転校生物の方がサスケくん…好みかしら?]

[サスケくん…頭を押さえてるわ…?

やはり…サクラの漫画は気に入らなかったのね…]


女の子たちは横後ろ密着。

「サスケくん…ダメだった…。
ショボーン」

私だけ…。
離れてる。

しかも…サスケくん、気に入ってくれなかったみたいで…。
私の漫画を読んで頭を抱えてる。
今、とってもショック…。

サクラの瞳が潤んでる…。

(イノに負けるな!しゃーなろ!)

心は叫んでる。
だから…泣かない…。


≪サスケくん、感想なんていらないわ?
サクラの漫画には…。
それにしても…余程、嫌がってるのね。
サスケくんが頭を抱えるなんて…≫

イノが教室の椅子に腰かけたサスケくんに正面から密着…したまま…。
サスケくんに甘えてる…。

『俺は疲れた』

サスケくんが…頭を抱えたまま、感想を述べた。

(ショックだ…。シャーナロ!)

私、またイノに負けたの?

私は何をすれば…イノに勝てるの?
毎日、焦り続けてる…。

サスケくんのためにリンゴの皮むきの練習だってしてる…。
強くなるために体術も練習し続けてる…。
鏡の前で…強い人見ても…キラキラの目線にならない練習だってしてる…。
サスケくんに…フシダラな女だって思われたくないから…。
私は毎日、必死…。

それなのに…全部、イノに…今のところ…。

私だってサスケくんに甘えたいのに…。

絶対勝つ!

(しゃーなろ!!
倒す!)

[サクラの漫画は疲れたらしいわ。

やっぱり…イノの漫画の方が良いのね]

[サスケくんには両方、難しいかもね]

[サスケくん、無理させてごめんね]

[私たちのこと好きになってね]

[私たちはいつでも、サスケくんの味方よ]

「サスケくん…」

もう泣きそう…だし、困ってる。

でもイノの前では泣かない!
絶対、負けない!

(しゃーなろ!
勝て!
サクラ!
泣けば負けだ!)

≪次、保健体育の本ね?
私が持ってきたわ…。
ママとパパの本棚からね?
私は常にサスケくんをリードしてあげる気でいるわ?≫

イノが床に置いた鞄から…保健体育の教科書高学年の部を取り出してきた。
古いのかしてホコリがかぶってる。

イノが考えることは毎回、私の想像を逸脱しすぎてる…。

勝てる気がしないんだけど…絶対、勝つ!

まずは…サスケくんと一度でいいから…正面密着したい…。

[イノ、凄い…]

[イノそれ高学年のモノよね?]

[サスケくん、今回は反応してくれるかな?]

[サスケくんの困った顔や照れた顔、私たちみたいな…]

[サスケくん、いつも無反応だし…]

[実は私もあんまり知らないのよね…イルカ先生のエロ本で知ったけど…]

サスケくんの横後ろに密着した女子がうるさい…。

『サスケくん、嫌がってるんじゃ…』

私はサスケくんにそんなことは覚えさせたくない。
変なことに目覚めて…これ以上、敵が増えたら…私では抑えきれない。
今でも私はアップアップ。
サスケくんは清いぐらいで絶対にいい…。

≪サクラ、男は色仕掛けに弱いのよ?
私がこれから、サスケくんをリードしてあげるわ?
だってもうほぼ、サスケくんは私のことが好きなことは確定だからね?≫

イノがさらに…正面からサスケくんにすり寄って私に見せつけてる。

[イノは潰す]

[イノ、叩く]

[イノと今日も喧嘩する]

[イノはリンチする]

サスケくんの後ろ横に密着した女の子も…イノを敵って認めてるみたい。

「しゃーなろ!イノは倒す!」

私だって…絶対、倒す。
ドベでも根性だけは同じ…


≪サスケくん?
この本凄いでしょ?
私もよく知らなかったけど、大人になるとこんな体になって。
それから子供作る方法まで書いてあるわ?
妊娠月齢期まで載ってるわよ?≫

イノは…相変わらずサスケくんに正面密着。
サスケくんは…机の上の教科書眺めてる。
私も一応、それを覗いてる。

くやしいけど…成績一番の女の子しか…サスケくんに話しかけれない。
全部、イノの策略で進んでる。
反抗すると…女子軍団から制裁に合う。
これから逃れるには…私が強くなるしかない…イノを超えるしかない…。

[すごい、イノ?]

[私も知らなかった]

[文字が読めないのだけ辛いけど]

[図だけね]

[これ本当なのかしら?]

サスケくんの後ろ横密着の子たちも驚きみたい。

「私も初めてで…。
サスケくん…えと」

実は私もビックリ。
サスケくん、私が…イノの立場なら…こんなことはしないよ?
一緒にのほほんと…甘いデートがしてみたいだけ…。

≪サスケくん、これでも反応してくれないの?
困ったわね?
次に何しようかしら…?≫

イノがサスケくんに正面密着してるのを離したくてたまらない…。


[料理はどうかしら?]

[前、食べてくれなかったわよ]

[サスケくんって何したら…落ちるのかしら?]

[イノはとりあえず、今日もなぐり合う!]

女の子たちもみんな…イノを倒す気満々みたい…。


「サスケくんには…エロは…まだ早いと思うの…」

私には分かる…サスケくんはそんなキャラじゃない…。
サスケくん、絶対、嫌がってる。
イノに…やめさせたい…。


≪明日も私は頑張るわ?
サスケくんが…私のリードに負けて、落ちる日はもうすぐね?
まあ、ファンクラブのメンバーには、お蔭で毎日殴り合いの喧嘩になるけど。
喧嘩上等よ。
掛かってらっしゃい?
どうせ、アンタたちはヘボなんだかね?≫

イノが喧嘩を受けてる。

[きーーー]

[イノ潰す]

[イノ倒す]

「しゃーなろ!
サスケくんは私のもの!!」

イノは絶対に潰す。
私の敵!





【サスケ視点】


いつも感じることがある。
この里の女子は本当に俺が好きなのかと…ただ”アイドル追っかけごっこ”をしてるだけではないかと。
ライブに行けば、それなりにお金もかかる。
身近にいるので、”恋愛ゲーム”を楽しんで遊んでるだけではないかと。
どうして人間として接してこないのか。
俺の気持ちになって行動しないのか…いろいろある。

俺が求めてるものと違うものばかりだ。
この女子ども全員が…俺が道を間違えば…俺を捨てそうでならない。
俺は空虚だ。
感情の交わりがない…俺の心を尋ねようともせん。
今、一番望むものは…どの道に転んでも愛してくれる存在…失った家族を愛して止まない。

サクラもだ。
イノとの戦いが見ていて甘く感じる。
リンチされるのが怖いのは理解できる…けど、授業以外で一度も…イノと本気でやり合ってるのを…俺は見たこともない。
大抵、兇悪な口喧嘩の範囲内だ。
つって掛かって挑むような喧嘩でもない…。

イノに逆らえば…サクラは女子共から制裁に合うらしいが…。
サクラは…俺にイノがへばり付いているのを見てどうして…何もしないのか……。
あとで狂気が走らないのか…あんなに冷静なのか、俺の争奪戦は成績を争うぐらいだ…俺の存在は、成績だけで手に入るものなのか…。
そんな戦い方では納得できない。
俺はサクラも試してる。
もっと真剣さが欲しい…。

ナルトのように自発的に構ってアピールが出来るわけでもない。
サクラが…俺の元に自ら走るのを見て喜んでる。
もっと戦えば良い…どうして黙って眺められるのか…不思議だ…毎日なのに。


もっと困って泣いてくれればいいのに…目の前で。
泣いて暴れてくれれば…俺は救われるのに…別に成績順で落ちる訳ではない…。
感情を求めてる。
この里に…俺の失った家族に等しい存在の人間はいるのか…寂しさが襲う。
俺がいなくなって、どれだけの人間が泣いて悲しむのか…試してる。

俺に、絶対的な味方がいるのか…試し続けてる。
ナルトが羨ましくてたまらない…イルカ先生に親レベルで愛されてる。
俺には…そんな人間がいるのか…不安でたまらない…。
サクラはどこまでなのか…俺の親に匹敵するレベルなのか…失った家族と同等なのか…試し続けてる…。
もっと、気が狂うぐらい愛してくれれば良いのに。
今でもまだ足りない…へばりついてる女は、引きはがしに来れば良いのに。
もっと、泣いて醜くすがってくれればいいのに…俺の前で。

「お願い、サスケくん…戻ってきて。
友達だったのに…イノに行ってゴメン。
イノと今日は殴り合うから…命懸けで。
だから…許して」
と暴れれば良いのに…。

今のはただの”アイドル追っかけごっこ”の範囲内だ。
だんだん何かを求めてる…毎日…ますます…不満が募る。
どうしてなのか…これ以上、何を求めてるのか…。

サクラは…俺がドベになれば、捨てそうな気がしてたまらん。
ナルトはドベの癖に…イルカ先生もヒナタもいるのに…。
俺はそんな気がして仕方ない、この里に俺のことを…無償で愛してくれる人間はいるのか…。
ずっと試してる。
サクラは嫌ってはおらん…しかし、甘い。
闘い方もだ…、それから軽い。
ナルトもヘラヘラ女に会釈がうるさいが…。
サクラも同じ人種だ…誰でも良いのかと思う面がある。
ヒナタが不憫だ…いつもナルトを見てやがる、ナルトはヘラヘラでどの女に行くか予想付かん。
サクラも同じだ…軽い、俺は感じる…博愛主義すぎる…。

最近、たくさん求めすぎている…家に帰れば誰もいない。
手紙一通来ない。
教室に行けば…ウザいレベルだが、ひと肌で温もりは戴けるが…それでも満たされない。

俺の反応を見たいがために、色んなジャンルの本を見せては面白がってるらしいが…。
俺のカバンや…俺宛てに”ラブレター”一通寄越さないクラスメイト達に対してもだ。
からかわれてるだけな気がして…たまらない。
女子どもには家族がいる…俺にはいねえ。
俺は愛のいっぱい詰まった…机の上にはラブレターという光景に憧れを抱いてる。
女子どもがくれるのは…反応を見るだけの行動で…そういった類でもない…。

一度も俺はまだ…誰からも真剣な告白をされたこともねえ。
女子どもは寄ってたかって…俺がどんな反応するか…。
誰に落ちるか戦ってるらしい…。
成績はどうでもいい。
そんなものを競ったとこで、俺は落ちもせん。
弁当の差し入れも食いたいと願ったが…裏で[薬を盛ったわよ、これで私の虜になるかしら?]と聞こえた…俺は耳は異常に良い。
だから止した。
普通に来てくれることを願ってる…。

俺は求められることは好きらしい…大勢に。
それなのに…真剣さが足りないと判断すると…自分の存在価値について考え始める。
全員が注目してなくても、誰かが理解してくれれば穴が埋まるのか。
愛してた者から裏切られたトラウマから…抜け出せるのか、それも知らない。
どうして他人からの愛が信じられなく…疑ってしまうようになったのだろう…。

あの事件以来…そうだ。

兄が言ってた。

”見抜けなかったおまえが悪い。
己は演技をしてただけだ…おまえを愛してるフリをした。
騙されたおまえが悪い…忍者として失格だ”

あれから兄の術に嵌まったのか…感情が…誰の愛も受け入れられない。
その癖、愛を試してしまう…。

こんなに他人からの愛情を求めてるのに…甘えることすら…信じることすら…出来ない。
人を愛することが恐怖で仕方ない。
一人でいたいのに…孤独になって…教室へ行けば。
花がいる。
癒されてはいる…。
猫にも近い存在だ…。

どうすれば…いいのか分からない。
俺はとにかく強さを求めたい…それしか認めてもらえる方法もないらしい。
言葉が教室では、ほとんど出ない…笑顔も忘れた…あの事件以来。
人は怖い、だが…愛されたいと願う…。

ずっと、この調子だ。






【ナルト視点】

俺は毎日、サスケを観察してるってば。

弱点あるか…見逃さねえようにだってば…。

とにかくよ…。
信じられねえほど、女侍らせてる。

何歳なんだよ、おい。

その中に一人だけ…可哀そうに…接近すら許されてねえ女子がいるってば。

俺を、毎日…積極的にボコりに来るサクラちゃんな?

昨日、男子から
赤丸とキバから

●女に殴られるだけでもマシだ。
俺なんて、触ってすら…もらえてねえ●
●バウバウ●

と叱られた。

{おまえはドベで優遇されてる!}

--虫使いのシノにも説得されたってば…。

{ドベの癖に…。
口答えするな!
俺たちは感傷に浸ってるんだ}

--シノに…蜂を飛ばして威嚇されたってば。

●俺とお前は人種が違うんだ、
ドベは去ってろ●
●バウバウ!!●

--赤丸とキバに怒られたってば…。

【めんどくせー。
おまえはあっち行ってろ】
【めんどうくせ…。
みんな、どっかずらかろうぜ】

--シカマルは機嫌が悪かったってば…。

◎オメエは邪魔だって、オカシ食うからあっち行ってろ◎
◎おまえはうるさい、ドベのくせに。
俺たちは腹が立ってる。
イルカ先生のところへ行っとけ!
菓子、食べる◎

--チョウジもだ…。

●ドベ、あっちいけ。
俺たち4人は仲間だが…。
おまえはドベだ。
これ以上語らん●
●バウウウウウウウ!!●

--赤丸とキバには…吠えられた…。


シカマル、チョウジ、シノ、キバと…俺との違い…。

要約すれば…。


---おまえはドベなのに優遇されてる。
女子に積極的にボコりにアタックされて…触ってもらってる。
俺たちは一度もねえ---

ってことだってばか…?

あれから…少し、サクラちゃんのことを…俺はドキドキ見詰めてる…。

サクラちゃんを…観察すれば…。

サクラちゃんは、ヒタムキな…良い女の子なのに…。

信じられねえほど、血も涙もねえ男…サスケに…。

可哀そうになるレベルで…サクラちゃん、モーション掛けてるってば?

サクラちゃん、弄ばれてる…。

俺さ…サクラちゃんは…まだ知らねえみてぇだけど…。

サスケが、髪の長い女が好みだって噂聞いたんだってば。

たぶん、イノだってば?

イノさ、くの一で…成績bPだし。

しかも…イルカ先生も

「サスケはたぶん、イノが好きだ…。
俺の勘が正しければ…」

って言ってたてば?

サクラちゃん、最近、ドベから脱却しつつあるけど…勝ち目なんて…もう、ないに等しい。

それなのに必死で頑張ってる…。

サクラちゃんって、根性のある…本当に出来た女の子だって…俺、見直してるってば。

それなのに…何だあれ?

サスケってば、常時、女侍らせて。

イノが好きなら…もう一人に固めとけよ。

どれだけ…優柔不断な男か分からねえ。

里の女共全部、自分の手中にする気かってば?

男子どもも…全員、怒ってるってば。

俺は絶対、サスケを倒す。

サクラちゃんもあんな…しけた面して女侍らす冷たい男、止めときゃ良いのに。

趣味悪いな…。

何でアイツあんなにモテるんだってば?

俺には全く理解できねえ。

アイツの顔面、滅茶苦茶悪く見えるのによ…いつも表情少ねえし…人を小馬鹿にしたような面してるしよ…。

俺にとっちゃ、イルカ先生の方が…よっぽどイケメンだってば。

ちゃんと、感情、通ってるのかよ?アイツ…。

なんか、イライラするってば…。

サクラちゃんの純情な乙女心をだ…アイツ、弄んでるってば。

本当、オトコの風上にもおけねえ…最低野郎だってば。

俺は確かにドベだが…俺を必死で愛してくれる人がいれば…絶対、悲しませねえ気だ。

サスケの行動は…俺をイライラさせるってば。

ひとりに固まってるなら…他は断れってば。

男子どもにも、女子を渡せってば。

絶対、俺は…サスケだけは抜かす。

そして木ノ葉の女子は…俺のモノにする。

俺は里中全員幸せにする…。

アイツは俺の強敵だってばよ…。










里の英雄伝説6歳「メルフェンだな…」

目次

言葉にできない6歳




































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