アナタノコトガスキデス

萌え妄想のまま走るいろいろ創作小説の予定。苦情無断転載禁止。

イルカ学級日誌【うちは一族事件後】






〜イルカ先生の学級日誌〜


俺はイルカだ。

ナルト達にはイルカ先生と呼ばれている。
まだアカデミー教師二年目18歳で分からんことだらけだ。
6歳児のお守りは予想以上に大変だ。
毎日が精神勝負だな。
喧嘩ばかりで見てられん。
みんな本能のままに生きてやがる。
建前ってもんを知らねえらしい。

あとだ、女はまだ世間を知らんのか。
弱い男に群れず、顔だ。
忍者社会、強い男に惚れねば、長生きすら望めんのに。
俺は、自分の顔がいけてるとは全く思えん。
モテるためだけに昔から頑張って来たんだ。
クラスの女子どもを見てるとイラッてくることは、たびたびだ。

俺の中ではサクラと日向だけは優遇してやってる。
依怙贔屓はいかん…のは理解してる。
あとの女子が…あまりにも凶悪すぎて教官として見てられん。

俺は自分が内気でだ…。
あまり言いたいことの言える性格でもなかった。
でも、昔から子供は好きだった。
だから、この職業に幼い頃から憧れて、アカデミー時代からなると決めてた。
昔、アカデミー時代の教官には親同然に面倒も見てもらえた恩返しのつもりだ。
しかし、想像と…してからでは…違うと感じることが…たくさんある。

俺は人格者だと、俺にはそれしかねえと…。
ずっと努力して頑張って来たが。
ときどき、依怙贔屓を明らかにしてるらしい。
特にナルトが好きらしい。
その証拠にナルトにだけラーメンを奢ってしまうのだ…。
これは…良い教官と言えるのか?
他のクラスメイトにはしたこともねえ。
ナルトは俺の癒しだ、子のや弟のようにも思ってる。

教官を目指し前は平等な精神を貫く気だった。
しかし、私欲が時々、湧くらしい。
俺も人間らしい…。

ナルトには毎回、相談に乗ってやってる。
アイツとは何故か話が合う。
アイツの体内に九尾があり…俺は九尾に身内を殺された過去を持つ。
最初は…偏見もあった、ナルトにだ。
アイツも九尾と同じで人格が変で。
いつ人を殺めるかもしれんと。

しかしだ。
明らかにドベ。
あれで…俺たちを殺戮できる能力もあるとも思えん。
俺は教官だから生徒の能力など分かる。
アイツはいつもモテねえのに必死だ。
友達作りも全力で望んでる。
そこら辺も好感度が高い。
まるで昔の自分を見てるようだ。

それからだ。
授業終わったあとのアイツの文句は…俺はほとんど同意してる。
しかし、教官と言う立場上、教育と道徳によくない。

「ナルト、怒るな」

と説得はしてやってるが…ナルトが怒ることは…俺のクラスでの不満だ。

俺は毎日、癒されなどしねえ。
唯一、癒されてるのは…隣のクラスの女教官…アスマだな。
この女だけは…俺は美人だな…と日々いやされてる。
隣の女教官にも良いところを見せるためにも…俺は日々、良き先生を演じ続けるつもりだ。
本音を語る訳にもいかん。
優しく良い先生を演じてるが…考えてる思考回路はほとんどナルト寄りだ。
俺はモテる男が嫌いだ。

アスマは…今のところ、ミズキに転んでねえらしい。
俺の同期女連中は…ほとんど…ミズキに取られ、俺もずっと悲惨な状況で、戦ってきた。
もう俺には女が残されず…一生、結婚も無理かとは諦めてたが…。
教官になって、隣のクラスにアスマがいる。
この里に残された貴重な女だ。
この里の女は一人の男に群れすぎる。

銘々…違うところへ行けば平和になるものを…。
仲良くみんながまとまるものを…。
そのうち、このクラスの女子どもも、世の中を悟り…来年頃から、つよい男に群れ始めるだろう。
里の勇者に女はことごとく弱い。

俺は自分の顔面偏差値が良いとは全く思ってない。
だから、まあ。
能力で人を判別するサクラにはとても好印象だ。
日向はナルトのどこが好きなのかは知らん。
が…ナルトは骨のある男だ。
ど根性の座ってる男だ。
俺から見れば、いつも絶賛してる。
だんだん九尾のことがどうでも良いレベルでだ。

ミズキはどうも…ナルトを嫌ってるらしいな。
ナルトの話題が出るたびに、九尾の話をして…ことどとく、貶してる。
里の連中も九尾に命を奪われた人間も多い。
ナルトに会う前から、悪口散々だが。
まあ、ナルトに会えば分かるだろう。
優しい心のど根性ガエルだ。
俺はナルトの味方だ、好いてる。

ミズキのアレは…嫉妬もあるのか?
アイツは自分より強くなる因子の男が嫌いらしい。
ことどとく、潰そうとして来る。
そういう意味で教官には合わんな。
自分がモテたいのか?
もうモテてんだから…それ以上、欲出すなよな?

逆を言えば、ナルトのことを認めてるんだろうよ。
九尾だけじゃねえ、ナルトの親は火影だ。
九尾をナルトに封印して自らは天に逝きやがった。
上は知ってるが、ナルトには隠蔽してる。
ナルトはどんどん強くなる素材のはずだ。

あと…。
ミズキは、サスケのこともイヤがってるらしい。
まあ、アイツは男の敵だ。
男でアイツの味方になれるヤツはいねえだろう。
アイツも勝手に強くなるだろう。
そんな境遇の野郎だ。
俺はサスケの兄、イタチと…中忍試験では同じ試験会場だったのだから…。
そのとき、アスマもミズキもいた。
アスマが

「かわいらしい男の子ね。
まだ10歳なのね」

とイタチを褒めてたことを…俺は激ムカついてる。
俺は腹が立ってる。

見ていて俺は非常にムカつく。
俺もモテたかったからだ。

隣のクラスのアスマ教官には…俺は一度も声を掛けたこともねえ。
美人だと癒されているが…どうも高嶺の花らしい。
俺以外にも何人もの男共が狙ってるのが見て取れる。
俺の中の密かなアイドルだ。
俺は割りと内気だ。
そこはナルトと違う。
本性を現さん。

思うことはナルトと似てるが…遠目に見詰めてる。
いつか、俺の教官としての実績が認められ…落ちれば良いなと夢見てる。
自分からこのクラスの幼児共のように声掛ける気にはなれん。
クラスの女子どもは凶悪すぎる。
男子どもはかわいそうに…里の女子を諦めてるらしい。
しかし、他里の女子との交遊は…許されておらん。
忍者の世界には掟がある。
他里と交流すれば…里の情報が漏れる。
学年上か下程度に留めるべきだな…。
同情はしてやる。

ここ半年間は…男子どもは里に残された唯一の何色にも染まらぬ女子。
サクラの取り合いだった。
これは良い傾向だ。
サクラは強い男の子の前で自然と目が光るのだ。
その瞳が欲しくて男子どもはここ半年で急成長を遂げた。

日向は何故かナルトを最初から好きっぽいし。
日向とサクラ以外の女子は…サスケに夢中だからだ。

最後の望みに掛けて…男子どもは必死で修行に明け暮れてた。
俺はそれをホッコリ眺めてた。

あとは。
女子どもにどうやって…サスケを諦めさせ、他の男に目を映らすか…説得する。
それが俺の仕事だ。

サクラが誰か男子一人に渡った後…また、戦争が起きるのは目に見えてる。

俺は里の平和を祈ってる…。
醜い喧嘩なんぞ見たくもねえ。
それが俺の教官としての仕事だ。
あとはこのクラスから里の勇者を出す。
これで俺の実績もアスマ辺りに認められる筈だ。
毎日そんなことを夢見てる…。
このクラスの狂暴すぎる女子どものようにアスマに声掛ける気にはなれん。
俺なりのモーションだな、これが。
良き教官を目指す。

☆☆☆




〜イルカ先生の学級日誌〜

俺はアカデミー入ってからと言うものの、半年間。
放課後は毎日、ナルトとサスケの手裏剣修行に付き合わされていた。
ナルトは飛びもせんが。
サスケは飛び過ぎて…周りに被害が出る。
クラスの怯えた顔も手伝い、サスケに付きっ切りだった。
しかし、本音はナルト寄りだ。
俺はモテる男が嫌いだからだ。


それから…。
アカデミーが始まって半年後…。
大事件が起きた。
起きた時は…絶句した。
俺は…中忍試験で、サスケの兄…イタチには会った。
あの…イタチが…サスケの一族を皆殺しにしたと。
頭が動転した。
クラスメイトには話すなと上から圧力は掛けられた。


サスケの表情は暗い。
俺は教官としてかける言葉が見つからなかった。
クラスの女子どもが近寄っても…サスケは逃げるように、去る。
俺は黙ってみてないで、接さなければならないのに。
頭が混乱してた。

なるべく配慮から…サスケが言葉が出ないことは知ってたし…。
サスケの朗読に回ると…次の奴に順番を譲ってた。



その日も午後は手裏剣授業だ。

昨日の一番は虫使いのシノ…。

今日の一番は…シカマルだった。

サクラの瞳が遠くからいつものように光った。
「すごい」と伝えてくる瞳だ。
これに俺はいつも癒されてる。

男子どももこれを望んで…成長しようと頑張ってる。
サクラは何色にも染まらぬ、クラスの花だ。
男子たちのアイドルだな。
このクラスの女子は恋愛しすぎてる。
このままで俺は良いと思う。

これを見てから…最近では、生徒に激励を掛けることも多い。

「シカマル、今日のトップは恐らく、おまえだ」

【めんどくせえ。
嬉しい….。
サクラ、見たか?】

女子はまだアカデミー一年目だからか能力より顔らしい。
サスケの隣を死守しようとするが…サスケは全力で遠くに逃げてる。
足が凄まじく速い。
女子よりもだ。
女子は一度も接近できてないらしい。

≪サスケくん!
私の美貌に屈してちょうだい!≫

イノだ。
女子軍団で一番最初に声掛けるのは…イノだな。
どうも…。
この声掛けも毎回、微妙に順番が変動がある。
女子どもの仲で独自のルールが結成されているらしいな…。

[こっち向いて]

[今日、どうして?

冷たいの?]

[ねえねえ]

[こんなに大好きなのに]

サスケは無表情のまま、手裏剣の授業から去って行った。
今日は参加しねえ気分なのか。
それも許してやろう。
さすがに昨日のあの事件のあと…かわいそうだ。

「おい、女子たち。
サスケは今日は体調が悪い、
腹の調子がだ」

≪ハラのちょうし?
何の話かしら?≫

イノだ。
ずっと…相変わらず女子では、主席だ。

[オナカ、下してるの?]

[だから…カオまっさおなの?]

[近づいたら…離されるの、

そういうことなの?]

俺は嘘を吐いた。
本当のことは話すなと上から言われてるからだ。
サスケはその証拠にトイレにこもることが…今日は多い。
これでいい。

「おまえら女子も…。
おなかの調子の悪いときぐらい、察してやれ。
近づきすぎるとサスケに嫌われるぞ。
便所の中までついていく気か?」

≪言わなくても分かってたわ?
私はくの一bPの出来た女よ…。
察してあげるわ?≫

イノだ。
少しはこたえたか…。

[キラワレル??

ええ]

[私たち、大好きなのに]

[どうして。

サスケくん]

「プライバシーってものがあるだろ。
陰から見守る。
それがいい女ってものだ。
トイレにはついていくな!
サスケに捨てられたくなければだ」

≪そうよね…。
ま、サスケくんは私にぞっこんでしょうけど…?≫

イノは納得したらしい。
その間…サクラは遠目にいるな。
イノとサクラの関係が分からん。
親友なのか?
その割には…いつも一緒ってわけでもないらしい。

サクラは…シカマルに声を掛けられてる。
なんて会話してるのかは知らん。
イノがサスケを応援してる間は…サクラは離される。
その隙に今日の一番の男子がサクラに声を掛けてるらしいな…。
だが、サクラは…無言だな。
内気な女の子だからな…。

[ショボーン]

[そっか…サスケくん、タイチョウ悪いのか]

[シューン]

[サスケくん…]

これでいいだろう。
少しは察してやれ、女子ども。

「バチがあたったんだってばよ、サスケのヤロウ、モテすぎだってば」

事情を知らない、ナルトはいつもの調子だ。

【ああ、めんどくせー】

--シカマルだ。

サクラに声は掛けたが…瞳光らされて、頬染める反応だけで…終わったらしいな。
昨日はシノが同じことをしてたな…。
サクラは一位になれた男子には平等に接している。
博愛精神に溢れた良い女の子だ。
サクラは…このクラスの成績に大いに貢献してくれてる…。
クラスに残された…唯一の何色にも染まらぬ美しい花だ…。
男子どもの希望の星だな…。

◎オヤツくうぜ◎

--チョウジだ。

{ウイルス、オレに…映らないか?
虫たち…教えてくれ}

--シノだ、体内のムシに聞いてる。

●テンバツだな●
●バウバウ!●

--キバと赤丸だ。

いつも通りの学級だが…。
俺は暗い。

そのあとは…サスケ抜きで手裏剣を数人進めた。

最後にいつもなら、サスケの番になって…。
サスケが現場に戻ってきた。

≪サスケくん、ファイトよ?
うふーん?≫
イノだ。

[オナカノ調子が悪いんだって?]

[大丈夫?]

[ねえねえ?]

[私たち、見守ってるわよ]

[出来た女だから、サスケくんのトイレへはついてかないわよ]

[サスケくん、今日はごめんね]

[私たちのこと、キライにならないでね]

「これからもオウエンしてるわよ」

[きょうはセッキン控えるから…]

[サスケくんのオナカのためにも]

[早く元気になってね]

[サスケくん、私たちを好きになってね]

[エガオ…よ!

ファイト♪]

全員、いつもの調子だ。
モテる男は俺がいなくても…相談相手もいるらしい。
少しつまらない気分だな…。

サスケは無表情で俺の前に立つ。
俺が…相手しなくてもコイツには強力な女子軍団がいる。
良いのかもしれん。


「次、ドベから2番目のサスケ。
手裏剣、3本同時に投げてみろ」

いつもの口調で俺は接するが…今日は暗い。

サスケは返事もしねえ。

『…』

≪サスケくん、ファイト!
応援してるわ≫

--イノだ。

[トライよ!サスケくん]

[サスケくん、今日もイカス]

[サスケくん、ゴーゴー]

[今日は、ボイス聞かせてくれないね]

[サスケくん、声出して!]

[痺れる]

[笑って、笑って]

[顔固いよ…]

--女子どもの声がうるさい。
毎度ながら凄い歓声音だ…。
サスケは…里の女子共のアイドルらしい。
あれだけの人間が全員、サスケを励ましてる…。

サスケは何も言わずに…。
手裏剣を持ち…ほぼ無表情で…3本同時に、3メートル離れた的へ投げた。
俺は…悲惨な被害が出ないかとアタフタしてた。
いつもどこに飛ぶか分からんからだ。
昨日まで、そうだった。
人命に関われば…その前に、庇う。
それが俺の教官としての務めだ。

しかし…3本同時にまっすぐ…ビンゴ。
それは…的が折れるレベルの素晴らしい腕だった。
亀裂が入ってた。
威力が凄まじい。
進級しても良いレベルだろう。

俺は…呆気にとられて…しばらく言葉を失ってた。

クラスの女子どもの歓声がいつもにも増して上がった。

≪キャアアアアア。
サスケくん!
すごいわ!
サスケくん、強いのね!!≫
イノだ。

[これは、サスケくんダントツよ!]

[ねえ!

凄すぎる?]

[もしかして…

奥の手、取ってたの?]

[私たちを…ビックリさせるために!]

[私、これからもサスケくん応援するね]

[ねえねえ、サスケくーん。

大好き!!]

[今日から、サスケくんのストーキングもガンバルカラ!]

[ファイト、サスケくん]

[レッツゴー!サスケくん]

サクラの目も輝いていた。
サクラの頬も赤い…。
クラスの女子が…寄ってたかっていつも以上に接近する。

サスケは離れてすぐに去る。

『…』

俺にはもう教えることはない…。
やつは一年上の学級でも良い。
逃げてしまった。

しかし…抱えきれない問題だった。
俺は精神的に強くはないのだ。
だから、ナルトに相談してしまった。

☆☆☆

「サスケが…。
おまえの寄宿舎に入る…」

「サスケ、オレのとこ…くるってばか?」

「ああ。
寄宿寮に入ることになった」

「どうしてだってばよ?」

「このことは皆には黙っていてくれ。
男と男の約束だ。
わかったか?」

「おう…。
アイツ…に、なに、あったんだってばよ?」

「それは話せん、ナルト、すまない。
本当は寄宿舎に入る話も黙ろうかとも考えたが。
もうすぐ来る。
くれぐれもクラスの皆には言わないように頼む」

「わかったってばよ…。
でも…」

「ナルト、すまない。
察してくれ。
上からの命令だ。
俺も話せば職が危ない。
おまえの担任でありたい。
それ以上聞くな」

「イルカせんせい…」

「ナルト。
ひとつ教えとく。
忍者社会において…掟は絶対だ。
わかったな」

「おう」

「一流の忍者になるんだ」

「おうってばよ」

「ナルト、ありがとうな。
おまえも絶対他言するなよ。
これは俺からの任務だ」

☆☆☆

ナルトに話すとスッとした。
自分一人で抱えきれなかった。

☆☆☆

そんな日常が数日続いた。
サスケは相変わらず、接近する女子から逃げる。
女子は

≪そろそろサスケくん、おなかの調子。
よくなったでしょ?≫
イノだ。

[引っ付いても良い?]

[私、サスケくんと…スリスリしたい]

[甘えさせて!]

[強いサスケくんスキ]

連日ウルサイ。
最初はサスケに同情してたのに。
だんだん、怒りが沸いてきたのだ…俺は。
どうしてヤツはあんなにモテるのかと。
俺も青春時代、モテたかった。

「なんだってばよ。
きょうも…クラスのオンナ…ひとりじめかってばか?
ほんとう、オトコとして、さいていヤロウだってばよぉ…」

ナルトも同感らしい。
羨ましすぎる…。
ムカついてくる…。
ナルトはサスケのメンタルケアする気満々だったらしいが…。
これを見て削がれたらしい。

【アアア。
めんどくせー。
ヤル気、失くすわ。
コノハのオンナ…かわいくねえ。
おとすキにも、なれねえ。
サクラかヒナタしか…もういね~。
サクラ、こっち見ろよ】

--シカマルだ。

{ムシ達。
俺は…ヒナタかサクラを…落とせると…思うか?
サクラは俺に落ちるよな?}

--シノだ。
また虫に聞いてる。
眼鏡が光った。

●なんだよ。
ここをなんだと、おもってんだよ…サスケは。
サクラとヒナタだけは…オレのものだからな。
サクラはオレにくるはずだ…●
●ううううう。バウ!ワン●

--赤丸とキバだ。

◎オカシくうぜ。
サトにオンナのこせよな。
ヒナタとサクラか…どっちにしようかな…。
サクラか…。
コレのがすと…ほかのサトしか…ねえのかよ。
でもオキテあるし…ムリなんだろな。
つまらねえ、たべまくるぜ◎

--チョウジは、ストレスで…やけ食いだ。

俺は…。

(あの調子だ、大丈夫だろう)

サスケのメンタルケアは…女子どもに任すことにした。
何人、サスケには絶対的な味方がいるか分からん。
それに対して、だれにも相手されず幼少のころから耐え忍んできたのは…。
俺に似ているナルト…。
だんだんナルトが不憫だ。
ナルトだって、親は生まれつきいない。
それでも…ど根性で耐え忍んできたんだ。
サスケも…ココは忍耐すべきだ。
あれだけ…女子から相手にされてりゃ、俺はいらんだろう。
そう思えた。
学級がピンクになる。
サスケが来ると。
俺は平和を求めてるのにだ。

男子どもも…サクラに期待を掛けてるらしい。
それなのに…今日はサスケに崇拝の目を取られて…全員ガックリ来てるらしい。

日向は最初からナルトしか見とらんのが明らかで。
サクラと日向以外は全員、サスケ派だからだ。

俺はサクラがこのまま、何色にも染まらぬ純朴な花であることを祈ってる。

少しぐらい競争がある方が…成長威力につながる筈だ。

このクラスからエリートを生み出し、アスマ教官に認められ、惚れられるのが…俺の夢だ。

☆☆☆

翌日、サスケはやっと…接近する女子集団から諦めたのか…。
適当に昔のように女を侍らせてた。

そこへ…とうとうサクラまで落ちたらしい。

サクラは確かに強い男が好きだった。
ここ数日…連続サスケがトップだった。
前はキバ、シノ、イノ、シカマルの順位変動が…目まぐるしかったが。
最近、サスケが断トツだ。
アイツは…進級しても良いレベルだろう。
教えることもない。

他の男子どもに同情する。
男子どもの顔が今日は暗い。
とうとう、希望をまた一つ、失ったらしい。

俺の仕事は…女子どもにどうやって、他の男に目を映らせるか。
それも課題だ。
木の葉の平和を俺は祈るからだ。

男子どもは…これから…勉強に励んでもらえるだろうか?
俺はそんなことしか頭にない…。

全てはクラスの成長。
しいてはアスマ教官に「すごいね」と認めてもらうためだ。


☆☆☆

午後、手裏剣の授業が始まる。

「昨日のトップ、サスケ…投げろ」

『…』

サスケは相変わらず…言葉も発せねえ。

「しけたヤロウだってばよ」

--ナルトの声だ。

【とうとう、またひとり、おちたってか?
サクラかえせよ。
めんどくせー。
ほかのサト、あさりてえ】

--シカマルだ。

◎サクラいねえってか。
もう、カシたべまくるわ。
ほかのサト、いきてえ◎

--チョウジだ。

{ムシ達…サクラはもう…俺に戻らないのか?
日向だけなのか?}

--シノは虫と相談中か。

●サクラ、オレにおちろよな。
オレも…ほかのサトいきてえ。
アカマル、オレをいやしてくれよ●
●くおおーん…わん!●

--赤丸とキバだ。

ヒナタは…ずっと最初からナルトしか見てない。
ナルトは気が付いてないが…他の男子どもは全員知ってる。
クラスの男子どもにとっては…これは壊滅的な状況だろう。

これは…今日から…ナルトと他の男子どもの仲が…険悪になりそうな予感がする。
ナルトに伝えるべきなのか…。
それはヒナタがすることだろう。


サスケが3本手裏剣を同時に投げた。
見事に回転しながら最後は的に当てて…的は折れた。
どう見てもアレは…進級レベルのスキルだろう。
俺に教えることもない。


「サスケくん。
スゴい!!
カッコウいい!!

キャーーーー!!!
すてきぃ!!!」


可愛い女の子だったのにサクラは目を輝かせて大声だ。

≪サクラ…ドベの癖に私より先に声掛けしてんじゃないわよ…あとでどうなるか?
わかってるわね…?

サスケくん!!
ファイト、わたしのガンバリがあったから、つよくなれたのよね?
わたし、しってるわよ!
わたし、サスケくんがくれた、このアシのかすりキズわすれない!
だんだん、きえちゃったけど。
きっと、私のことが好きだからサスケくんは…!!!≫

イノも猛烈に応援してる。
そう言えば…1か月前までしきりと…サスケは…。
イノにばかり、手裏剣を投げてた。
俺の同期のミズキも昔は椿をいじめてばかりだった。
更にいうなら今日…小耳に挟んだ。
サスケは・…髪の長い女が好きらしい。
まさか…サスケはイノが好きなのか?

[あとで順番守れないサクラには…どうなるか?
わかってる?
サスケくーん!
ファイト]

[私たちを差し置いて生意気よ、サスケくん。
大好き]

[ここでは言えないけどあとで見てなさい?
サスケくん、愛してる]

[サクラ…ドベの癖に…私より先に会話を・・・。
サスケくん!イカス]

[サクラ…忍者は掟絶対よ…。
サスケくん、ラブ♪♪]

イノは髪が長い、サクラは短く、日向も短い。
他にも髪の長い女はいるが…俺は…どうもサスケはイノに気があるような予感がして…たまらない。
俺にはサスケの愛は全く理解が出来ん。
おそらく俺とサスケは別人種だ。

今日は男子どものサスケ批判がないな…。

よほど、サクラをサスケにとられてショックと見て取れる。

これが俺の日常だ。
毎日、生徒共はアホらしい戦争だ。
幼児なだけに分かりやすすぎる。
これを平和にまとめて…、この中から里の英雄を生み出すのが…俺の仕事だ。
俺の癒しは…隣のクラスのアスマ教官と。
俺の子分、ナルトだけだ。








イルカ先生の学級日誌手裏剣授業。

目次

うちは事件の里抜け計画























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