アナタノコトガスキデス

萌え妄想のまま走るいろいろ創作小説の予定。苦情無断転載禁止。

イルカ先生の学級日誌



〜イルカ先生視点〜


俺が…アカデミーの先生になって。
2年が経つ。
俺はまだまだ新米だ。

ナルトは6歳。
俺は一回り上18歳。
16の頃、何とか中忍試験をギリギリ受かり…17の時、何とかギリギリアカデミー師範試験に合格できた。
あの試験は…と言っても…能力よりも…性格が重視された気がする。
精神面での考慮が大きかった。
俺が…先生の人格にふさわしいと認められたんだ。

その証拠に俺のライバル、ミズキは落ち、ミズキは上官の道を現在…歩んでる。
上忍試験に受かったらしい。

俺は昔、アカデミーでは常にドベだったが…。
ずっと先生になることを憧れていた。
その俺の根性と夢が…試験管にも伝わって、合格になれたらしい。

実は能力ではミズキに激負けだった。

何故、今、ミズキのことを話しているのかと言えば…。

今、受け持ってるクラス。

ナルトとサスケの関係に…。

俺とミズキの関係は…似ているような気がしてならないのだ。

☆☆☆

「昨日の一番は…キバ、おまえだな。
手本として3本同時に投げてみろ」

俺は毎朝、トップの順番に…手裏剣を投げさせてる。
投手は的から3メートル離れ…他の連中は投手の後方3メートルに待機させてる。
ここは野外だ。

●おうよ。
サクラ、見てくれよ●
●バウ!●

キバはいつも通り、肩に赤丸を乗せたまま…、手裏剣を投げた。
まあまあ…当たったかな?

●アカマル…みたか?●
●くーん●


●また、オレがトップだといいな●
●くーんん!●

まあ…少しだけ外してるが…良い線だ。

「次、シノ。
3本同時に投げてみろ」

{ムシは使えんのか?
トビムシを使えば…楽なのだが}

「飛行する虫で手裏剣を移動させる気だろうが…体術のみで頼む。
今回は反則とする」

{仕方ない。
さくら、俺を見ろ}

眼鏡を光らせて…シノは3メートル離れた的に手裏剣を当てた。

上手になってる…日々。

「次、シカマル。
3本同時に投げてみろ」

【めんどくせえ…】

「うるさい、早く投げろ」

【あらよ。
サクラみとけよ】

手裏剣はフラフラしながら…少し外れた的に当たった。

「次、チョウジ。
3本同時に投げてみろ」

◎このオヤツ、たべおわってからでも…いいか?◎

「菓子を食べるのは後にしろ、手裏剣投げろ」

◎わかった…。
サクラ見ろよな◎

見事だ。
ビンゴ。

その瞬間、女子の目が輝いた。
サクラだ。
この子は手裏剣が命中するたびに目を輝かせてくるのだ。
どうもしっかり、全員の応援をしているらしい。
毎回…今日の一番は変わるが…。
そのたびに、一番の子に目を光らせる。

いつも女子とつるんで、無口な子で。
内気で泣いてばかりいるようだが…手裏剣の観戦が好きなようだ。
俺が『今日の一番は…』と説明する前から、目を輝かせてる。
素直で分かりやすい子だ。
心の中で褒めてるらしい。

たぶん、サクラは…心の中で「すごいね」と褒めているのだろう…。
サクラの目は…お星さま一杯キラキラだ。

オデコはアカデミーに入ってから…出すようになったらしい。
噂によれば…アカデミー前はいじめられてたらしい。
ナルトから聞いた。

「チョウジ、今日はお前が一番だ。
よくやった」

俺はチョウジに激励を掛けた。

◎え?
めちゃうれしいって!
たくさん…たべるぜ!!
ごほうび、ごほうび!
サクラ、見たか?◎

チョウジは嬉しいのか、お菓子をボリボリ食べまくってる。
ウカールというスナック菓子だ。

「まだ…他の連中もいるから分からんが…」

俺はそのあとも数人の男子どもに指導した。

最初の…
・いつも肩に”赤丸”と言う犬を乗せた…キバ
・体に虫を飼う眼鏡男シノ
・ダルそうな顔のシカマル
・太っちょのチョウジ…。
この4人の実力は……互角だとみてる。
常に順位に変動がある。

他の連中は…知らん。
この4人とは下のランクで…ドングリの背比べだ。

それから…現在、ドベを争うのは…サスケとナルトだ。

サスケ…あいつの兄…イタチが強かったのは…俺は嫌と言うレベルで知っている。
俺よりイタチの方が強いだろう。
俺は18歳、イタチは11歳なのにだ。
17歳の中忍試験でイタチには俺は会ってる。
イタチはその時、10歳だった…。

サスケには…6歳だが…俺は期待してるのにだ、ドベから2番目…。

つい、クラスで文句を言いそうになるが…文句を言うのを上から止められている。
そこも腹が立つ。
サスケの兄…イタチのことは…アカデミーでは黙らねばならんらしい…。
今頃、極秘任務に明け暮れてるだろう…イタチは…。

「次、サスケ。
3本同時に投げてみろ」

俺は怒ってる、おまえが弱いわけないと言う意味だ。


≪サスケくーーん!
がんばりなさいよ!!!≫

イノが大歓声で、サスケの後ろから応援をしている。
イノは…サスケの顔面が好みらしい。

その間、サクラとイノが離される…。
サクラは女子軍団から離されて寂しそうだ。
あの子だけ一人なのか…。
そこがまた良い。

そこへ今日の一番、チョウジがサクラに声を掛けてる。
昨日は…シノがトップだから声を掛けてた。
サクラは瞳は光らせ頬は真っ赤だが…返事はせん。
本当に内気な子らしい。
あまり、男子から話しかけられると・・・泣くらしいな…。

イノ以外の女子軍団の歓声もうるさい。

[キャー、頑張って]

これは現在、2番の料理忍者を目指す女の子だ。
俺は…悪いが、クラスの成績に貢献するサクラと。
俺の相棒ナルトを慕う女子、日向。
それとクラスbPの実力者イノしか…名前を憶えてない。
おまえもクラス主席になったら名前を憶えてやる。
教官として依怙贔屓してるのは分かる…実は頭がよくない。
暗記は大嫌いだからだ。
ナルトと俺はそっくりだ。

[サスケくーんファイト!!]

[やれやれ!!]

[やっちゃえ!!]

[ファイトファイト]

3番以下の女子どもも…後ろの方で応援してる。

サスケが出て来たとたん…女子どもの歓声がうるさい…。

サスケの顔面が…女子どもは好きらしい。


サスケは…前方に出てくる。
その間…後ろは全く振り返らねえ。
視線は…3メートル離れた的にある。

男子女子どもには…サスケからは3メートルは離して…後ろで待機させてる。


「なんだってばよ?
アイツだけさ…。
へったぴなくせに。
オレのことも…みれってばよ!
スキになれってばよ!!
サスケってば…しけたヤツで、オンナとなりにいて…いけすかねえってばな。
イルカせんせい??」

ナルトの文句だ。

【このクラスの女…めんどくせえ】

シカマルだ。

◎アホらしい。
オカシ…たべよ◎

今日の一番、チョウジだ。
サクラに話したが…瞳光らされ、頬を染めてくれたものの…。
あまり喋ると泣かれたらしいな…。
ま、もっと精進して認めてもらうんだな、サクラに。
俺は男子どもの成績が上がることを熱望してる。

{ふんっ}

虫使いのシノだ…眼鏡だけ光らせた。

●はやく、おわらせろよ●
●バウバウ●

キバと赤丸だ。
赤丸は吠えてる。


「サスケ、慎重に投げろよ、
3本同時に…続けてなげろ」

俺は指導する。

『分かった』

サスケの声が響く。
低い声だ。
サスケは手裏剣を構えて…。

3本同時に投げる…。

一本目は少し前に跳ぶが宙を回転して…後方へ向かう。
そこで。
泣きながらサクラがイノの元へ走り出す。

「イノ、あぶない…」

≪サクラ?≫

サクラがイノを押したおかげで…少しイノがずれたようだ。

…イノの足の前、地面に激突した。

≪いたっ、サスケくん、ファイト≫

イノの足に少しのかすり傷だ。
サクラが動かしてなければ・…どこに当たってたのかは不明だ。

2本目は…横にそれて…それからブーメランのように飛び…チョウジの地面に当たった。
地面に亀裂が入った。

◎ごえっ。
ちゃんと、なげろよ!
サスケ◎

チョウジがビビってる。

それから3本目は…真後ろに跳んで…ナルトの前に当たった。
ナルトの靴が傷ついた…。
あれは・・・新調しなおさなければならんかもしれん。

「サスケ!
オレのクツ…やぶれたってばよ!
しっかり、なげろってばよ!!!」

--ナルトが激怒してる。

【めんどうくせ…。
アンナ…下手なヤツ。
俺始めて、見た】

--シカマルだ。

◎どこへ…とぶか。
おっかねえぜ!
オヤツくうぜ!◎

--チョウジだ。

{こっち来ず、助かった…。
ま、虫たちのお蔭で…だいたい、分かるが…}

--シノだ。

●なんで…まっすぐ、まえに…なげれねえんだよ。
いいメイワクだぜ●

--キバだ。

●バウバウ!うう!●

--小犬…赤丸も吠えてる。

「そこまでだ、サスケ。
放課後、しっかり俺が指導しよう」
俺は溜息を吐いた…。


『たのんだ』

サスケは後ろは振り向かん。

女子どもがサスケに寄って行く。

≪サスケくん、ファイト。
だいじょうぶ…サスケくんなら、できるわよ?。
わたし、…サスケくんへ、ずーっと、エールおくるからね?
きっと、わたしのおかげで…うまくなるわよ、サスケくん!≫

サスケの手裏剣でかすり傷を負ったというのに…イノは一番最初に…サスケへベッタリ引っ付いている。

今日の観戦が怖くてたまらなかったのか…。
サクラは泣いている。
さっきまで…チョウジに「すごいね」と褒めるかのように瞳を光らせていたのに。

「っ…、つ」

サクラは何も語らず…号泣して震えてる。

女子どもは全員…イノのあとにサスケへ近寄ってる。

[サスケくん、ドンマイよ。

私たちがいるから]

[そうよ、ずっと愛してるわ?]

[見守ってるわよ、ファンだから]

[そんなサスケくんも…痺れるわ…]

[サスケくんってどんな子が…好みなの?]

[教えて…教えて…]

[髪はロングとショート…。

どっちが…良い?]

[私、サスケくんに…会わせちゃう…]

[えへへ。

サスケくんは…みんなのモノ]

モテる男は…俺は羨ましい、サスケはすかん。
女子どもも6歳だ、人生経験も浅い。
そのうち、顔ではなく能力の強い男に群れるはずだ。
顔だけの男は…大嫌いだ、俺は。

「ほんとう…ハラたつってばよ〜」

--ナルトは怒ってる。

俺も同感だ。

日向だけは…怒ってるナルトを見詰めている。
ナルトの靴にサスケの手裏剣が当たった時だけ…日向は狼狽えていた。
分かりやすい子だ。

「次、ドベのナルト。
3本同時に投げてみろ」


「おうってばよ!!」

ナルトは手裏剣を持つ。
だが…手から手裏剣を落とした。

もう一度持つ。
それから投げたが…10センチしか飛ばんかった。

クラス中が白けた顔で見てる。
日向だけが…何故か頬を染めてる。

「今日も…サスケとナルト。
放課後残るように」

「ちぇってばよ…。
オレはガンバるってば。
そしていつかオレ、ホカゲになるってばよ!」

ナルトはいつもどおり、全員の前で宣言してる。

サスケは離れてイノや他の女子どもとつるんでる。
その間も一方的に女子から会話されてるらしい。
俺はモテる男はすかん。

やはり…ナルトの味方だ、俺は常に。

サクラは涙を抑えてる。

≪サクラ、ともだちよね…わたしたち?
ちょっと…コッチにきて、くれるかしら?
ないてないで…はやく≫

「イノ…まって・・・。
キズだいじょうぶ?」

サクラはヒクヒク泣いてる。

≪へいきよ。
サクラ…?
わたしとサスケくんのコイ…おうえんしてね。
ともだちでしょ?≫

「うん…」

サクラとイノは親友らしいな。

≪わかったなら…こっち、きなさい…?
わたしがサクラの、めんどうを…みてあげるから…≫

「イノ…ありがと」

ナルトの情報では…以前、いじめられてたらしいサクラを…集団の輪に入れてあげたのは…イノらしい。
イノは面倒見の良い出来た女の子らしい…。

サスケから離れて…イノがサクラに接近し…二人で遠いところへ行ってしまった。
どうも…サクラとイノは仲良しらしい。

現場にはサスケとその他女子が…仲良く一緒にいる。

日向だけがナルトをうっとりと遠目に見詰めてる。

【本当、このクラスのオンナ。
めんどくせえ…。
のこったの…よこせって。
もうサクラしかいねえか…。
サクラ…はやく…おちろ…。
オレは…トップめざす。
サスケきらいだ…よわいくせに、モテやがってよ…。
3日前は…オレのこと、見てくれたよな?】

シカマルが溜息だ。

◎オレもガンバってんのによ。
なんだってんだよ、オンナどもは。
もうオンナは…サクラしかもういねえな…。
サクラはつよいオトコがすきらしいな。
オレにも望みあるかな?
今日、オレみて…瞳、光ってたな。
やったぜ!
オヤツくうぜ◎

チョウジが顔を真っ赤にして…バクバク、ポテチ食べてる。

「ほんとう、イヤなヤツだぜ。
コノハのオンナ、ほとんど…ひとりじめかよ。
のこったオンナ、オレに…よこせってばよな。
サクラちゃんと…ヒナタぐらいしか、いねえってばよ…。
ほか、いるってばか…?」

ナルトだ。
それは俺も同感だ。

{サクラと…ヒナタか…。
ムシたち…いったい、どちらがオレにあう?
サクラだな…?
サクラは一昨日、オレに光の目線をくれた。
希望あるよな?}

体内の虫と会話を始めたのは…シノだ。
眼鏡がギラギラ光り出してる…。

●オレのいやしは…アカマルだ。
のこったオンナ、よこせよな…。
サクラでも…ヒナタでもいい。
しかし…昨日、サクラはオレに目を光らせた。
オレはつよくなる!
サスケは…だいキライだがな。
な、シカマル…●

●バウバウ●

キバは相変わらず…赤丸と会話か。


「よし、オトコども。
オレらみんなで…イノの”サスケくんファンクラブ”…こわすための、”サスケだいきらいクラブ”つくるってばよ!!。
コノハのオンナ、とりもどすってばよ」

【めんどくせ〜〜〜】

シカマルだ。

そこは男子全員白けてる。

「どうしてだってばよ?
シカマル…のってくれってばよ?
チョウジ…トモダチに、なってくれってばよ!!
みんな、かまってくれってばよ〜〜。
オレってば、いつになったら…トモダチできるってばか???」

ナルトは…サスケに対抗心マックスらしい…。
それは理解できる。
俺も男だ。

男子どもはしきりと…サスケの悪口をいってる。
これはいつものことだ。
大抵は嫉妬だな…これは。
あと…唯一…里に残された何色にも属さんサクラを…モノにしたくて男子どもはたまらんらしい。

日向は最初から、ナルトしか、見とらんことが…ナルト以外の人間には…ほぼ判明してるからだ。
まだサスケ派にもナルト派にも属してないサクラを…自分の力で落としたいらしい…。
良い傾向だ。
お蔭で…男子どもは必死になって修行をしてやがる。
この半年で相当、強くなってる。
他の学年の成長度とはけた違いだ。

サクラが何も言わず、瞳を光らせ褒めてあげる行動が…男子どもの成長威力を高めてるらしい。
俺の実績にサクラは多大に貢献してもらえてる。
良い女の子だ。
俺としては…このまま、続けば良い。
この里から…里の勇者を選出できそうだ。
エリートを育てられそうだ、男子どもの必死さが全く違う。
やっぱり花が必要らしいな…。

俺の日常なんてこんなものだ。

これを仲良くさせるのが俺の仕事で・・・。
全員をまっとうな道へ指導するのが俺の任務だ。

全員のために俺は頑張らなければならん。
そこは理解してる。

特に子供は…分かりやすい。
本能のままに、みんな行動してやがる…。

しかし…サクラは良い子だ。
俺が面倒見てやりたい…。
このまま誰色にも染まらないことを俺は祈る…。

☆☆☆





本音はだ。



俺はサスケの手裏剣修行に付き合ってるが…。
ヤツが弱いとも思えん。
ヤツの手裏剣は…わざと宙を回転して物凄いスピードで飛ぶ…。
それなのに軌道を外して…遠くへ飛ぶ。
それは大抵…誰かの前の地面に激突する。
威力もある…。

サスケのことを一番、応援するイノに傷がつくことはよくある。
今日も…足に切り傷だ。
それでもイノは健気にサスケを応援してる。

サスケの手裏剣の軌道が余りも怖いから泣いてる女子もいる。
サクラだ。
いつ見ても泣いてる女子で。
女友達は出来ているが…。
日向と同じで…サスケファンクラブには所属してないらしい。

俺は日向は見てると…どうもナルトに気があるような気がしてならない。

俺は今、サスケに付きっ切りで、手裏剣修行をしてるが…。

どうも…アイツを見てると…ミズキを思い出す。

ミズキは…昔から学年一番だった。
それからとてもモテた。
その中で猛烈に求愛してくれた…椿と言う女子がいたが…。
あり得ないレベルで物凄く冷たい。
椿はそれでも好きらしい…。

ミズキが椿に折れるかは知らん。

だが…。

ミズキは一度…俺の仲間…男友達を…任務中に見殺しにしたのだ。

そこが減点されて…アカデミーの師範としては相応しくないとして…去年、師範試験には…落とされたらしい。

俺はどうしてか…サスケとは合わないらしい。
ナルトにつきたい。
しかし、ナルトの手裏剣は…人畜無害だ。
飛びもせんし…すぐに落下する。

しかし、サスケの手裏剣は…見ていて危なっかしくてたまらない。
全員がビビるのも仕方ない。

サスケのファンの女子どもは…寄ってたかってサスケに応援して…近寄るが…。
近寄り過ぎれば…サスケの軌道を離れた手裏剣が…女子にかすり傷を負わせるのだ。
毎回。

一番、被害にあってるのはイノだ…。

サクラ辺りは…怖いのか…泣いてる…。

それから…現在トップの野郎の前にも…激突してる。
それが…毎回なのだ…天文学的確立だと思う。
被害を受けたくないのか…現在トップの生徒は…サッと逃げやがるが…。

この現在トップと言うのが…曖昧な言い方になるのは…毎日微妙に順位が変わるからだ。
いつも肩に赤丸と言う犬を乗せたキバ、
体に虫を飼うシノ、
面倒くさがり屋のシカマル、
お菓子ばっか食べてデブのチョウジ…。

この4人の実力は俺は…互角だとみてる。
他の連中は…知らん。

この4人の順位が…毎日変動して目まぐるしい。
まだ入学して日が浅いからかそこまで差が付いてないのだ。
サスケとナルトだけ明らかに…手裏剣が下手すぎて…俺は手を焼いてる。

サスケの軌道を外れた手裏剣は…ナルトの前にも飛んでくことがある。
見ていて、危なっかしくて仕方ない…。
俺は…サスケが手裏剣を持つたび…ハラハラしながら、成長を見守ってる。

それから…日向はナルトしか見てない…。

サクラは…強い男が好きらしい。
現在、トップの野郎が手裏剣を命中するたびに目がキラキラだ。
アレは分かりやすい。
素直ないい子だと思う。
まあ、忍者社会…強い男に女が弱いのは知ってる。
俺も女子にモテたくて…頑張って来たのだから。
『凄いね』と褒めているんだろう。
見ていて癒される子だ。

イノは可愛そうに…。
サスケは…もしかしたら…イノが好きなのかもしれん。

俺のライバル、ミズキも昔は…椿をいじめてばかりだったからだ。

俺はたぶん、ミズキは…椿に脈があると…最近、感じてる。

サスケが…どうなるかは知らん。

しかし…どうも教え子だが…サスケと俺は…全く別人種な気がして…ならん。

アイツは”うちは一族”だ。

サスケの兄イタチは人より1年早く5歳で入学して…たった一年後6歳で…既にアカデミーなど卒業し…。
俺がやっと17歳で受かった中忍試験を…。
イタチは10歳で合格しやがった。
その試験会場で…俺はイタチと会ってる。
試験会場でも…イタチは10歳なのにアイドルのように17歳の女子からモテてた。
本当にムカついて仕方なかった。
俺だってモテたい。

因みに…イタチはアカデミーでも上級生の女子からもモテてたのだ。
そこも気に食わん。

イタチが6歳の時…12歳の女子からモテるということが…。
俺はその頃、13歳だった…。

悔しい。

それ以外にも…サスケの両親ともに飛び級だ…『うちは一族』は強いのだ、全員。
そこも腹立つ。
俺は必死で努力しまくって強くなって…最近になってモテつつあるのだ。
俺は…どうもサスケが弱いとも思えん。
モテるのも腹立つ。
どうせ…俺が指導しなくても勝手にサスケは強くなるだろう。
ここはモテない男の僻みなのかもしれん…。
ナルトと俺は似てる。
俺は常にナルトの味方だ。





〜サスケの日誌〜



今日もだな、嫌なヤツになら制裁を食らわしてやった。
イノとチョウジとナルトだ。
投げる前から決めてた。
後ろの配置もだ。

イノは俺からサクラを奪った。
チョウジは…サクラの目線でムカついた…しかも俺に隠れてコソコソ会話しやがって。
ま、サクラはムカつくことに目を光らせ頬染めてたが…チョウジに迫られ泣いてたのは、好印象だな。
嫌がってたんだと、俺は理解してる。
ナルトは俺のサクラに、俺の悪評だ…「女侍らす嫌な野郎」…サクラに俺は止めとけと言わんばかりだな。
ばれない様に罰を与える気だった。

しかし…今日は邪魔が入った。
少し軌道がずれた。
イノを殺す気にはなってなかった。
しかし…切り捨てたいとも願ってた。
殺意が芽生えてたのも確かだ。
頬を狙ってた。
顔をかすらせれば…女だから少しはこたえるかと…。

サクラに邪魔されたのは今回、初めてだ。
サクラも段々、魂胆が読めてるのかはしらん。

今日は最強に詰まらん。

最近、ずっとだ。

サクラは何故、空気が読めん。
アホか。
俺はイノを嫌ってる、それなのに仲介に入りたいらしい。
ほんとう、サクラは馬鹿すぎだ。

背後は…さすがに読めんから、もうこれも潮時かもしれん。
後ろを読む術もあるらしいが…アレはさすがに今の俺の力では無理だ。
かなりのスキルがいる。

サクラの体に傷を、つける訳にもいかん…。
サクラも空気を読んで…イノから離れて俺へ帰ってくればいいものを…。
イノを庇うなど馬鹿なことを…。
サクラは鈍い。
俺はいつも事が終われば、教官にどう言い訳しようか。
そのことで頭がいっぱいだ。

なるべく下手っぴなフリをして…狙わねければならん。
かなりスキルがいる。
スピードを出し過ぎてもいかんし…力を弱めりゃ…どこに飛ぶか分からん。
毎日、大変だ。

クラスメイトを見た瞬間、どこに投げるか・…写真記憶で覚えて…。
皆に背を向け…。
クラスメイトの動きを予想して、それから、下手な構えで…。
強さを調節して、投げれないふり…。
後ろに飛ぶふり…俺は毎回ずっこけて…足に擦り傷…。
かなりの演技だ。
そうとう難しい。
特に予想外の動きには弱い…大きく動かれると…危険が隣り合う…。

手裏剣ならほぼ…自由自在だ、軌道なんぞ。

投げ方もワザと下手くそな構えで、腕を思いっきり振ってる。
こけそうな演技だし、脱力することもある。
バレたらどれだけ叱られるかぐらい…分かってる。
本当に危険と隣り合わせだが…それがまたスリルだ。
後ろの足音には細心の注意を払ってる。
俺は知らなかったが…こういうイタズラが大好きらしい…。

みんなが困った顔で…俺に注目する。
それが楽しくて面白い。
サクラの泣き顔は可愛い、早くすがればいいものを…俺に。
帰って来い。
軽いストレス発散にはなれてる…。

まあ、サクラは弱い。
俺の元へ帰れば、イノの女子軍団にボコられそうだが。
俺なりに優遇する、待ってる…。
手裏剣、下手なのにどうして女子どもも俺に群れるのか。
サクラが寄りにくいだろうに。
他の男子どもの視線が痛い。
俺は道化師だな、滑稽だ。

ここ最近は…自宅に帰れば。

俺は責められてばかりだ。
手裏剣など早くうまくなれ…進級しろ。
そして一族会議に参加できる能力をつけろ…。

両親にそればかり。
兄さんは俺に一言も語らん。

サクラは今日も…俺が帰宅するとき…かならず尾行してくる。
何が魂胆なのか?
イノに…俺への情報を渡してるのか?

どれだけ下校中に振り返って、尋問してやりたいかとも願うが。
俺には出来ん。

望まぬ回答は要らん。
俺は一つの言葉しか求めてない。
だから、聞かん。
別に知りたくはない。
傷つきたかねえ。

サクラに尾行されるのも悪くはねえ。
学校はつまらん。

黙ってれば着いてくるだろう。
俺は最近、暗い。
おまえは…俺の家の前の家紋が拳で亀裂が入ってるのが…。
見えるだろうか?

おまえはペーパー得意なのに、実践は下手すぎる。
鈍いから…気が付いてないのか?
おばさんの顔も最近、暗いだろう。
少し、みんな変だ。

シスイ兄さんが亡くなってから。

兄さんと父さんは喧嘩ばかりだ。
会話しようともせん。

本当はおまえが友達なら…俺は、相談したかった。
しかし、おまえにはイノという親友が出来た。
全く話してくれなくなって不思議だったが。
おまえはイノと俺の恋に協力させられてるらしいな。
それで…イノから、おまえと…俺を引き離されたことなどすぐ分かった。
どうせ裏でイノに恐喝でもされてるのだろう。
俺と会話するな、私の恋に協力しろと。
サクラは泣き虫だ。
従ってるのだろう。
イノは勝気だ、くの一bPの実力者だ。
やりかねん。
俺にあからさまに好意を見せるのも証拠だ。

俺には手に取るように分かる。
サクラとイノの関係が。
おまえは弱すぎる。
強くなるべきだ。
おまえはいつもイノの隣で泣いている。
断れない性格なのか?
俺の隣ではそこまで泣いてなかった…里抜けの道でだ。
おまえとイノの関係は親友ではなく…まるで苛められてるかのように俺には映る。
おまえの本心は、どっちなんだ?
どうしてイノの隣で笑わねえ?

俺はおまえのことを心配してる。
弱けりゃ、この忍者社会、死ぬしかない。
おまえが長生きできるかも心配だ。
イノに負けるな、サクラ。
俺はそう願ってる。

それが俺の望む予想だ。

饅頭目当て…兄さん目当て…イノへ俺の情報を渡すため…俺への好意。
いろいろな可能性はあるが…他の答えは要らん。
聞く必要もない。
俺はおまえを試してる。
おまえの落とし方なら知ってる、おまえは強い男に弱い。
俺が強くなれば、簡単に屈服するだろう。

だが…その前に、試してる。
おまえの俺への友情はどれほどのものか…。







純粋な心(サスケ)6歳「俺は……」

目次

イルカ学級日誌【うちは事件後】



















inserted by FC2 system