アナタノコトガスキデス

萌え妄想のまま走るいろいろ創作小説の予定。苦情無断転載禁止。

純粋な心(サスケ)



”エロ”の意味はアカデミー前は知らんかったが、学級入ってすぐ分かった。
俺にはまだ遠いが…。
自来也のしてること全てらしいな。
今のところ、全く興味ねえ。
兄さんが”おまえには早い”と言ってた意味がよく分かる。
そんな兄貴も最近、構ってくれねえ。
俺にとっての唯一の癒しは…俺の可憐な女の子…サクラだ。
サクラは…俺に「友達になってくれる?」と言ってきた。
すべて順調に事が運んでいると喜んでいたのに…。

☆☆☆


俺は聖人君子ではない。
最近、イライラが募って仕方ない。

俺の計画が狂ったからだ。

俺はアイツを憎んでる。

俺とサクラを引き裂いた女だ。

サクラの前では出来た男を演じてるが。
サクラが女友達を求めてたことは知ってた…だから…決死で耐えたが…。

もう、ムカついてたまらない。

サクラの隣で、ヤツが笑うたび…怒りが沸きだす。

面倒見の良い女づらしてるのも腹立たしい。

俺の役を奪った、あの女。

俺の人生の計画が…数段狂ったらしい。

俺は…最初からサクラと深い友情を永久に続け、
他者を廃絶し続け…最後にゴールインすることを夢見てた。

それまで…激しい友情を続ける気だったのに…。
サクラの面倒は…俺が見る気だったのに。

お節介な女がしゃしゃり出てきた。

俺は…アイツを殺してやりたいと願うが…。

家族のために耐えてる。
俺が事件を起こせば…家族も悲しむ。

毎日、喪失感から痙攣が起きそうだ。

俺の予定が…計画が狂った。

このまま二人で閉鎖された環境を構築して…関係を深める予定だったのに。

友情化計画を…ヤツに奪われた。
怒り心頭だ。

俺は…男友達なんて要らん。
学級、入って分かったが。
ドイツもコイツも女のことしか言っておらん。
サクラのことしか狙っておらん。
奴らとつるむ気にもなれん。

俺に妄信的な凶悪なイノと…その他の女共。
絶対的にナルトを陰から愛してるのがすぐ分かる日向。
まだ…誰にも染まってないサクラ…。
学級の男共は…サクラしか狙ってない。
俺は毎日、痙攣が起きそうになる…早くイノからサクラを戻したい。
毎日、男子どもは…裏では…サクラのことしか話してない。
早く…自分へ落とそうと…ヤッケになってる。
俺が最初に…公園で助けたのに。
今頃になって…焦ってるらしい。
憎くてたまらん、男子もだ。

俺はサクラに近づきたいのに…女子に邪魔ばかりされる。
男子は積極的に…俺のサクラを…手がけようとしてる。
イライラして来る。
サクラは、イノのいないとこでは…男と会話してる…。
イノが俺といるときは…男がサクラにアタックしてる。
俺がサクラに近づこうとすると…イノがサクラを連れて…逃げる。
女子が俺を止める。
もう限界に近い。

サクラも女などにつるまず、
俺と友情を深めりゃいいものを。

イノなんかに転びやがって。
これは誤算だった。

毎日、俺はイノをにらんでる。
アイツは俺の敵だからだ。

しかし…サクラの手前、耐えてる。
俺のはじめての友達を力付くで奪いやがった、あの女が。

俺は憎くてたまらない。

サクラは…イノと友達になって以来、オレに一度も話しかけてもくれん。
近づいてもくれん。
全部、イノのせいだ。
俺は…どうでもいい奴らばかりに絡まれ。
暴れそうになってる…それでも品行方正を保ってる。

全力でだ。
失態を見せる訳にはいかん。
サクラにも幻滅される。

サクラは…顔すら見せてくれん。
見ようとすると…邪魔な女共が…割り入ってくる。

遠目に見れば…泣いてるサクラの隣にいるのは…イノ。

イノの役は…俺の役だ。

泣くサクラを慰めるのは俺の役だった。

殺したい、潰したい、憎んでる。

手裏剣を披露する気だったが。

今はそれより…イノを強烈に恨んでる。

毎日、死にそうなぐらい俺は孤独だ。

サクラの俺への友情はどれぐらいのレベルか…。
そこまで軽かったのか。

俺は男友達も作らず、人生をサクラの血みどろの友情に青春を過ごす気だったのに。
サクラのために命を懸ける気ぐらいだったのに。
サクラの護衛をこれからも引き受ける気だったのに。
あの…女に奪われた。
他の配役は要らん。
花もねえ。

最強に機嫌が悪い、最近だ。


サクラが泣いて、俺が慰めて…。
サクラが俺に甘えて、俺を崇拝して…。
それから何年も…ずっと共に過ごして…。
いろいろ相談し合って…熱い友情の上、誰にも邪魔されず、ゴールインする…。

サクラに近づく虫は裏でぶっ潰し…。
すんなり二人だけの世界を作り上げ…最後まで俺だけを見させる…俺の素敵な夢を…あの女に奪われた。


俺はたまらなくムカついてる。
殺意に近い…。

俺の『サクラと二人っきりで…熱く激しい友情化計画』をあの女に壊された。
俺は…イライラしてたまらない。
どうして俺だけが、耐え忍ばねばならないのかと…。

俺の性別が男で…イノとサクラは女だから…。
耐えなければならんのかと…。
イノとサクラの関係は異常だ。
どうして…俺に…サクラは全く接近すら出来ん…。
サクラは…どうして俺に前のように甘えてこん?
喋ろうともせん。

全てイノの策略に決まってる。
アイツはサクラをダシに俺を落とそうとしてる。
俺のサクラを惹きいれようとしてる…自分の元へ。

サクラは俺の友達だ。
イノから取り返したい…。

正攻法で戦えば…イノは死ぬだろう。
俺は裏からそれとなく…イノを攻撃する。

早く離れれば良い。
おまえはずっと、サクラを苛めとけ。
サクラに近寄るな。
サクラに嫌われろ…。
サクラは俺だけの友達だ。

サクラを俺に返せ。
俺は全く癒されてない…。
痙攣が起きそうだ。

ある日を境にサクラを引きはがされ…もう一か月は…越えてる…。
俺は…孤独だ。



☆☆☆

アカデミーが終われば…。
自室に帰る。
窓の外から…眺めれば…ヤツが饅頭を買ってる。

俺の可愛い癒しの飼い猫だと以前は信じてた。
しかし最近少し躾がなってねえ…。

どうしてヤツはまだ尾行してくるのか。
カーテン越しだ、気が付かんだろう。

(サクラか…)

疎遠になってからも、ずっとそれが続いてる…。
ヤツが街を去れば、俺は居間へ戻る。
アイツは…饅頭か…、兄さんか…。俺なのか…。何が目当てか…。

☆☆☆

少し前まで…一族会議と任務に、両親は明け暮れ…全く自宅におらず、構ってくれなかったのに…。
そこに、ここ数週間…いつも…父さんがいる。
最近は…一族会議に忙しいのか…連日だ。
それとも暇なのか…俺には分からん…。

俺の”うちは一族会議”はある程度の…強さを…一族から認められたものしか…参加できないのだ。
俺はそれに参加したいためにも…日々、頑張って来た…。
兄…イタチは…既に4〜5歳で参加してたのだ。

一族会議内容はよほど…緊急なのか…。
父さんの表情だけは…日々、だんだん…硬くなってる。
父さんと兄さんが喧嘩して…家の前の壁”うちは一族”の家紋が…兄さんの拳で崩された日から…。
父さんの様子は…おかしい。

どうして二人は…喧嘩してるのか…。
犬猿の仲になったのか…。
それは…俺だけ能力が低く、一族会議に参加させて貰えてないから…教えてもらえてない。
阻害されてる…。
一族全員に…跳ね子にされてる…。
俺だけ”うちは一族”の人間であることに…一族全員からまだ認められてないのだ…。
悟ってる。

「サスケ、おまえ…手裏剣の腕は上達したか?」

俺はアカデミーが終わって…自宅に着けば…いつも父さんに尋問される。
顔を合わすたびに…毎度だ。

『ぼちぼち・・・』

「苦手など…つくってはならん!
父さんも母さんも…おばさんもアカデミーぐらい、みんな飛び級で卒業してるんだ。
イタチだけは、人より1年早く入学して…1年で卒業したが…。
おまえも…早く成長しろ。
手裏剣ぐらい、父さんの子なら…簡単だろ」

「アナタ…言い過ぎですよ」

優しい母さんはフォローしてくれる。

「すまん、サスケ。
怒り過ぎた。
父さんは、おまえが早く…強くなり、進級レベルの力を手に入れ…。
一族の会議に…参加してくれることを祈ってる。
まずは…飛び級しろ」

『分かった。

父さん、俺…頑張る』

理解してる。

「あなた…。
サスケには…まだ一族会議は早いんじゃ」

「俺の子だ、絶対強くなる。
俺には分かる」

俺は…父さんも母さんも大好きだ。
認めてくれてる。
知ってる。

「サスケ、期待してるわね。
手裏剣の修行頑張ってね」

『うん、母さん…。

兄さんは…今、要る?』

「暗部に入ってから…忙しいみたいでね…。
暫く帰ってこなかったけど…。
ココ何日かだけ滞在してくれるみたいよ。
明日の早朝には会えると思うわ」

『兄さん、偉いな…。

頑張ってるんだな…』

俺の兄さんは偉人だ。
11歳で…大人顔負けの任務を、請け負ってる。

「おまえも、頑張れ。
俺は…サスケが一刻も早く、飛び級してくれることを祈ってる。
サスケとイタチは…俺の宝だ」

「アナタ…。
あまり言い過ぎると、サスケにプレッシャーになりますよ」

母さんが父さんを制止する。

「言い過ぎるぐらいで良い。
この乱世。
強さが必要だ…強さは即ち…生命線だ。
強くなければ…大切な存在も守れん…己も死ぬ。
サスケとイタチには誰よりも強さを祈る。
里で一番になってくれ」

これが父さんなりの愛の言葉だ。
分かる。

『父さん…。

ありがとう』

「手裏剣頑張れよ。
父さんは、おまえが…学校で残されたと聞いて…失望してる。
父さんを…悲しませないでほしい。
父さんは、おまえの能力を…信じてる。
おまえは”うちは”の子だ」

父さん、今日はいつになく…熱弁だ。

「母さん、父さんの言葉は悪いけど…。
父さんも、母さんも…それから…おばさんも…。
シスイも…最近、亡くなったけど…。
それから…一族全員も…。
そして…もちろん、イタチも…。
サスケのことを…愛してるのよ。
きつく責めて…ごめんなさいね…」

母さんは常に優しく慎ましい。

『ううん。

オレ、強くなる。

絶対…』

俺は両親に約束した。

「遊んでないで。
修行…行って来い」

父さんに叱られた。

『分かった、

父さん』

俺は出発することにした。


途中、屋敷の前で…饅頭屋を営むおばさんにも会った。

;サスケくん、修行頑張ってね。
強くなってね;

『分かった、

ありがとう。

おばさん』

☆☆☆

俺は…森へ向かい…。
その日も日が落ちるまで…手裏剣の修行に明け暮れた…。






☆☆☆

俺は手裏剣の練習なら毎日している。

一年前のネジのレベルには、もう既に到達した。
”うちは一族”は強い。
母さんも父さんも、飛び級でアカデミーなど卒業してる。
兄さんだけは異例の強さで…5歳で入学して、6歳には…全てを終えて卒業してるが…。
おそらく、俺の手裏剣の腕は…既に…一学年上の中ぐらいだろう。
流石に…一学年上では、トップを取れるかは知らんが。
ネジ…アイツは相当、強いからだ。
しかし、同年齢では予想通り…敵なしだろう。

兄さんに与えられた課題をこなした甲斐あった。
俺はついうっかり『同年齢では一番だ』と言ってしまった、自分の能力も分からないのに。
そこはだ。
サクラに「嘘つき」呼ばわりされる訳にもいかん。
…この一年は頑張った…。

俺は猫又肉球スタンプの任務や…クナイの持ち方…それから手裏剣の投げ方なら、既に優秀な兄さんから手ほどきを受けた。
アカデミーはつまらないので、常に一学年は上の術式を暗記してる。

ネジ…。
アイツにサクラを奪われる訳には…いかねえからだ。
サクラもあんな愛想の悪い、しけた野郎に…黄色い歓声あげてんじゃねえよ。

俺は最近、学校に…とにかくイラついてる。
本音は…サクラの前で手裏剣なら披露する気だったが。
もう、止めた。
切れてるから、アカデミーが終われば…毎日、自分に与えた課題をこなしてる。
手裏剣の軌道訓練だ。
どれだけ背後が分からず…動かせるか…。
どれだけ…下手なふりをして…相手に攻撃できるか…その練習だ。

俺は嫌な人間に、下手くそなフリをして…制裁をする気でいる。
俺の友達を奪った人間にだ。
その時に、サクラだけは…傷つけるわけにはいかん。
手裏剣の授業では、常に前を見ねばならん。
後ろが分からん。
しかし…見えない後ろを…上手に当てるのは…。
恐らく…普通に的を当てるよりも、更に能力が要求されるだろう。

他人の目を騙す修行にもなる。
これは忍者の世界では必要な能力だろう。
兄さんも…そう語ってた。

”奥の手は最後に見せろ”って。
”それが忍者界においては…生死を別ける”って。
”自分の実力全部、バレたら…弱点がすぐバレて策を練られてしまう”って。

兄さんは毎日、大変らしい。
俺はイタチ兄さんの体調を気にしてる。
俺が生まれてから…イタチ兄さんはだんだん…凄い隈で。
とうさんよりも…目の下に皺で…それから…痩せて行ってる。
子供心に…心配してる…。
隣で見てれば…それがよくわかる…。

俺は…自分が一年上の能力値であることは…既に悟ってるが・・・。
先公に知らせる気にはならねえ。
サクラのいるクラスも、まあ…気に入ってるからだ。
能力があれば…アカデミーは、すぐに卒業させられるだろう。
他に楽しみもない。
ここで留まってるのも…良いだろう。
しかし…兄さんは”うちは一族”始まって以来の稀代の奇才だ。
隣のおばさんも絶賛してる。
俺も崇拝してる…兄さんの人格もだ。
それには遠く及ばねえが…。

兄さんが…俺の越えなければいけない壁であることも…理解してる。
俺は絶対、兄さんの力を超える…決めてる。
稽古も頼んでる。
全力のだ。
毎回、忙しいのか…交わされてるが…。

でも…俺はまだ進級したくねえのだ…。

しかも、下手なふりをすれば…兄さんにも構ってもらえるし…。
母さんも、大事にしてくれるし…。
先生にも、目を掛けてもらえる。
俺の望むこと…全部、手に入りそうだ。
このままでも良いか…とも願うが…。
ネジに…負けるわけにはいかん。
父さんの期待に応えるために…更に強さを願う。
一族の会議に出席するためにも、飛び級レベルなら…目指し続けていたが…。

一学年上に癒しはない。
偵察したが…そう感じた・…。

俺は一瞬…一族の会議と…現在の学級とを…天秤に掛けたが…。
飛び級したとこで…俺の人生に癒しなどない…。
兄さんを見てれば…それがよく分かる…どうせ里に扱き使われるだけだろう。
俺は弟だから…よく分かる。
イタチ兄さんは最近、疲労のせいか…大きな隈が出来てる。
従兄弟のシスイ兄さんも年齢に見合わない仕事を任されてるようだ…。
血色が悪すぎる…。
最近…亡くなった、成人まで…生きられなかった、シスイ兄さんは…。

最近、学級に甘えだしているのは自覚してる。
思考回路まで”うちは一族”の落ちこぼれであることも分かってる。
”うちは一族”は常に強見を目指し…欲を捨てなければならんこともだ…。
でも…俺は構ってほしいのだ…自分なりのやり方で。
ナルトのようにウザく、口で言いまくって…ひけらかすわけには…いかん。
しかし…6歳だ…、まだまだ遊びたいのだ。

命を懸けて人を殺すのが怖くてたまらない…。
任務に行きたいとも思わない…。
父さん、母さんには…申し訳ないと思う…。
兄さんにもだ…。
低能ですまねえ…。
俺は…怖がってる…忍者世界で…人を倒すのがだ…。
自分の命を張ることも…。

俺は…一族のように…自己犠牲の精神で、いられねえ…。
自分のことしか、考えられねえ…。
絶対、長生きしたい…自由でいたい…死にたくはない。
一族より、私欲のために生きたい。
里など、どうでも良い。
俺の人生は、俺のモノだ。
自分の…幸せのために生きる。
そう決めてる。

弱いフリして嫌な任務から逃げ…自分の命が狙われたときだけ…。
敵を倒す…誰よりも長く生きたい。
俺が助けるヤツは…もう決めてる。
それだけでいい…楽しく生きたい。

兄さんの話によれば…

”A級任務だと依頼されて…実はS級任務だったってことはザラだ…。
その際、能力がそこに到達してなかったヤツだけ亡くなるのが世の常だ…。
サスケ、強くなれ。
どんな手段を用いてでも…醜く、生に執着しろ。
卑劣手段でも多少は仕方ない。
運も手伝う…”

俺はいつも兄さんからそんな話ばかりだ。
俺にとっての”おとぎばなし”は一族の任務土産話だ。
兄さんはいつも…決死で生死すれすれで生き延びてきたらしい…。
その間に、何人もの仲間が戦死したらしい…。
この世界は厳しいのだ…。

俺には奥の手なんてない。
兄さんは語る…。

”この世界には…内部に寄生する…能力系の野郎もいる…。
奴らは恐ろしい…凄まじいパワーがある。
それから…実力を隠しまくってるヤツもいる…。
本性を隠しまくってるスパイも…ザラだ…。
おまえは…常に他人を警戒しろ…。
それが、おまえの命運を別ける…。
己は常に…おまえの身を案じてる…。
おまえは、純粋すぎるからだ…。
弱肉強食は…世の理だ”

俺には特別な能力を持ってる訳でもない。


父さんや母さんや兄さんの任務話を聞くたびに…。
今日の仕事内容を聞かされるたびに…。
俺はどうして…兄さんや父さんや母さんが…そんなに簡単に…人を殺められるのか…命懸けなのか。
不思議でならねえのだ…。
里のためだけに…どうしてって…。

確かに…里に対して…悪い野郎なんだろうが…里もだから…闘え…って要求するんだろうが…。
怖いんだ、俺は…血を見るのが、死を悟るのも…人を殺めるのも…。
それをするのを…少しでも逃げたいと願ってる…。
飛び級すれば…それが早くなる…上に従わなければならなくなる…。

イタチ兄さん、父さん、母さん、シスイ兄さんも…きっと俺と同じで嫌なのかもしれねえ。
時々、嫌そうな顔はしてやがる…。
それなのに…俺はどうして…両親や兄貴に”強さ”を求められるんだろう。

いつも

”この乱世、強くないと早死にする。
おまえには誰よりも強さを願う”

と俺は懇々と説教されてるが…自覚してる、一族の意見も正しいことが…。
俺は長生きのために…強さに執着してる…強ささえあれば…欲しい者も手に入る。
それから強ささえあれば…大切な存在が守れる…。

俺は甘ったれてる…分かってる…。
でも…俺は自由が欲しいんだ…。
反抗してみたいんだ…。

手裏剣なら更にうまくなる。
能力値なら更に上げる。
どれだけ…ナチュラルに下手なふりをして…相手に威喝を掛けられるかに…全力を注いでみたいと願う。
父さん、母さん、兄さん…わがままで…すまねえ…。
俺は…父さん、母さん、兄さん…みんなが大好きだ。
ネジの学年に、上がりたいとも思えん…。
あそこは灰色だった…。

俺は確かに…能力値はあるが…そこまで精神年齢が高いとも思えん。
兄さんみたいに…人に尊敬されるような人格者でもねえ。
俺は同年齢より…劣ってる気がしてならねえ…。
精神年齢がだ…対人スキルはゼロだし…。
すぐ喧嘩して暴れそうになる。
友好を持ちたいとも全く思えねえ。

俺は…ナルトに嫉妬してる。
能力もないのに…人間を惹きつけてるアイツがだ。
いつも、先生に目を向けてもらってることも。
男共もなんやかんや言いつつ、俺よりアイツの味方だ。
俺は…孤独なんだ。
今、出来ないふりして皆に指導してもらえて…やっと、交わってもらえてるが…。
きっと強くなれば…更に敵だらけになる…まわりにだ。
俺には出来ない芸当があるヤツを俺は…ムカついてる。

俺だって世間の6歳と同じように…楽しく”遊戯ごっこ”をしてみたいんだ…。
俺は…一度もしたことねえ…。
学校では浮いてる…全く会話してねえ…。
仲間づくりには…参加してねえ。
しかし…殺戮のために生を全うしたいとも思えん…。

学級には癒しがいる…。
俺はソイツを俺の力で惹きいれる気でいる。

分かってる…。
俺が”一族”で最弱なことも…。
でも…飛び級したくねえんだ…。
甘えてはいけねえこと、知ってる。
だけど・・・。
すまねえ…。
兄さん、母さん、父さん。
非力な俺を許してほしい。



サクラとの出会い6歳(サスケ辺)「友達になって…」


目次



イルカ先生の学級日誌手裏剣授業。












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