アナタノコトガスキデス

萌え妄想のまま走るいろいろ創作小説の予定。苦情無断転載禁止。

サクラとの出会い(既読の方スルー)←時系列が滅茶苦茶になるので訂正



サスケとサクラの出会いから始まる話



サスケ視点


俺は5歳。
俺の…イタチ兄さんは…10歳、俺より5歳上だ。
とても優秀で賢い。
うちは一族で、一番の将来有望な人間だ。

;うちは一族始まって以来の稀代の奇才だ;

俺の親戚のおばさんは…いつも褒め称えている。
俺の屋敷の手前には。
おばさんの家があって”うちは饅頭”が販売されてる。
”うちは一族”の土地は広く…俺の屋敷の周りは数えきれないほど多くの家が並んでるが…。
みんな親戚さんだ。
この辺りは”うちは一族”の城だ。
俺は”うちは一族”を誇りに思う。
みんな実力者だ。

俺の両親は…”うちは一族”同士で結婚した。
きっと俺もそうなる…。

俺の兄さんにも…いい名づけがいる…。
まだ、兄さんは会ったことがないが…13歳ぐらいに面会だけする…。

俺は兄さんが誇りだ。
俺に優しい。
いつも俺が兄さんに話すと、兄さんは俺のデコを指でキツメに突く。
俺は兄さんのデコピンが好きだ。

『いっでぇ…』

と痛がるが…嬉しい。

忙しいのかあまり構わんのが、ネックだ…。
俺は兄さんが大好きだ。

この前は…猫又の肉球スタンプを押しに行った。
兄さんが俺のために与えた課題だ。
俺は兄さんが大好きでたまらない。
でも…最後の判子だけ押せなかったのが…心残りだ。

しかも兄さんがつくってくれるカレーはおいしく…。
俺は兄さんを崇拝してる。

いつか俺も兄さんぐらい強くなるのが夢だ。

しかし、母さんには…。


『お父さんは…兄さんと俺、どっち…好き?』

と尋ねる。
兄さんのことは大好きだが、俺は甘えたい。
兄さんが強すぎて、ときどきコンプレックスがある。。
毎日、火遁龍火の術を練習してる。

兄さんは俺の歳には戦場に出て…写輪眼を開眼した。

今、俺の兄さんは10歳で、既に中忍試験は合格だ。
忍者の隊長の能力値だ。

すごいな、兄さんは…。

☆☆☆

今日、初めて公園に行った。
いつも兄さんとよく遊ぶが、たまに同世代と遊んでみる…。

お父さんは一族の会議で忙しい。
お母さんもいろいろ準備で忙しい。
自宅は無人だ。
俺は寂しい。

実は。
緊張してた。

行けば…。
砂場に…泣いてる女子が見えた。
桜色の髪は肩程度。
白い肌に華奢な体躯。
前髪はおろした女の子。
愛らしいのに泣いていた。
女子集団の中で浮いてるらしい…。
背中を揺らしてすすり泣いてる。

それから。
ブランコには…俺と同じ年頃の男子集団と…一人、集団から外れた男子が…。
一生懸命、みんなの輪に入ろうと必死だ。
強い子だ。
と俺は感じた。

俺には出来ない…。

もう既に男子でグループが出来てた…。

公園には…ブランコや滑り台やジャングルジムがある。

砂場にいる女子集団が……俺を見るなり…近寄る…。
俺は普段、兄さんか大人としか会話せん…。
一瞬、反応に困った。

ブランコをこぐ男子グループから…冷たい気配を感じた。
怖いから目を合わさない。

俺の兄さんは学校で激モテだ…。


お母さんが、いつも嬉しそうに、食卓で自慢する。

でも…。
俺も…モテるのか…。
たぶん、そういう意味なのか…。

どこがいいのか?
俺の?

俺に無理やり、女の子が引っ付き。

≪なまえ、おしえて?≫

[格好良い!]
[素敵…!]

と言ってきた。

俺は困った。
ブランコにいる男子集団から…冷気を感じた。
そちらは見ない。
もう男友達が出来ん。
敵認知された…。

【だれだ?アイツ?】
「しけたヤロウだってばよぉ…!」

◎ムカつくぜ…◎

遠方から俺の悪口が聞こえた。

『うちはサスケ』

一応、名前は告げたが。
ココに俺の居場所はない。
楽しくない。

兄さんと修行してる方が余程楽しい…。

≪わたしは、イノ≫

[私は…]

何か言ってるが…。
耳に入らん。
それより俺は…先ほどから…違うトコ、見てる。

俺は今、女は興味ない。

砂場に一人…女子がいる。
泣きそうな瞳をしてる。
それなのに…。
公園に入って、一番最初に目に付いた。

目がうるんでる。
頬が真っ赤だ。
瞳から涙がボタボタだ。
こちらを見詰めてる。
砂場から。
その子だけがこちらに来ない。
仲間に入れてもらえないのか?
何故か気になった。

この中で一番、輝いてる。
あんなに輝いてる子は初めてだ。

…女集団から…嫌われてる。
すぐ判明した。
可愛すぎだ。
自分に来る女子は無関心だ。
顔面偏差値が男レベルだ。

俺の兄さんやシスイ兄さん、母さん、父さんの方が…どう見ても…良い顔だ…しかも能力もある。
俺は一族を愛してる。
この女共の顔面偏差値は低すぎだ。

凶悪すぎる性格も顔も幻滅してる、まさか…あの子を苛めてるのか?

その子に聞いた。


『おまえ…』

とてもかわいい…。
ビックリだ。

『名前は…?』

「…。
春野サクラ」

『サクラか…』

あとは無視。

アカデミーに通うのも悪くない。

サクラか…。
可憐だ。
春が来た。

面と向かって言う勇気ない。

顔はいい。
名前の通りの子だ。
名前負けしてない。

☆☆☆

その後、俺に引っ付く女子からサッと離れ、公園は出た。
帰宅して術の練習でもしよう…。

ここにいても強くなれん。

俺は兄さんを目指して強くなる。
公園は楽しくないが…。
サクラは…すごくかわいかった。
うっとりだ。



☆☆☆

兄さんが帰ってきた。

俺の兄さんは長い黒髪を下の方で一つに束ね…常に着物に近い…。
髪を切る時間などないほど忙しいらしい…。
最近、任務が酷いのか…目に隈が現れてるのを…俺は心配してる。
俺の一族は全員、容姿端麗の能力者だ…俺は一族を、深く愛してる。


『イタチ兄さん。
おかえり』

”サスケ…。
お迎え感謝する…”

『今日は…何、教えてくれる?』

”クナイの持ち方とかどうかな?”

『イタチ兄さん!』

”お前に構ってあげられなくてすまん。
多忙極めて…”

『次。
どこ…連れてって、くれる?』

俺は兄さんが大好きでたまらない。
俺の兄さんは優しい男で、成績優秀で、聖人君子で…それから…とっても愛嬌があって。
女にもモテモテで。
最高のイケメンだ…俺も兄さんがモテるのは、とってもよく理解できる。
兄さんには、非など存在しないからだ…。
俺より5歳上で…こんなに優しい兄貴を持って俺は幸せだ。

俺は兄さんを誇りに思ってる…”うちは一族”の宝だと、向かいの饅頭屋を営むおばさんは言ってる。
おばさんは少し太っちょだが…若かりし頃は絶世の美女だったらしい。
とても優しくて面倒見の良い…愛想が良いおばさんだ。

”サスケ、今日。
公園に行ったらしいな。
母さんから伝達された。
どうだ?
友達出来たか?”

『ううん…。

俺、兄さんといるの…楽しい』


”そおか…。
公園で友達作りより、己との修行が楽しいんだな。
また一緒に遊びに行こうな、この前も断ってすまん…。
時間が取れなくて…”

『でも。

また行く…』

”ん?”

『兄さん、かまわん…とき』

”そうか、そうか…”

正直、楽しくねえが。
サクラがかわいかったし…行こう…。
どう見ても…サクラが女集団に苛められているのが判明した…。
俺は差別や偏見する野郎は大嫌いだ。
俺の崇拝する兄さんも否定してる。
俺は兄さんの信念に従う。

☆☆☆


翌日も兄さんは構ってくれん…。
俺はクナイの持ち方や手裏剣の練習。
その他、
火遁龍火の術を極めてた。
火遁龍火が一人前に出来るようになってこそ。
始めて”うちは一族”と認められる…。
父さんが言ってた。

庭にある湖目掛けて口から火を吐く。
俺は…これがあまり出来ん。
兄さんは5歳で既に写輪眼を開眼したのに大した違いだ。
公園へ遊びに行く暇などない。

それなのに…。
なぜか…苛められてたサクラが…気になる…。
アイツ…泣いてた…大丈夫か?と…。

☆☆☆

それから一週間後、公園に行ったが…サクラはいなかった。
俺は全くつまらない、すぐ去った。

森で修行した。
そしたら、里抜けの森付近で…。
俺の予想通り、サクラが「デコ」と言われ…苛められてるのを目撃した。
見ていて気持ちよくない…。
女子どもが去ったあと、声を掛けた。

「サスケくん?」

『サクラ…苛められてるのか…?』

はっきり聞いた。

「…」

サクラは急に泣き出した。
俺はとても困った。

「うう…」

とてもかわいい子だ。
しかし泣き虫だ。

『サクラ…』

「え…」

『強くなれ…』

「サスケくん…」

慰めた。
それでもサクラは泣いてた。

☆☆☆

そこへ女集団が来た。
俺目掛けて接近した。
そして…サクラから引きはがされた。
俺は全く眼中にない…。

何故か泣いてるサクラが…気になって仕方ないが…。
ココで遊んでると強くはなれん…。

☆☆☆


女子どもの集団を引き離し…自宅への道を急いだ。
俺は修行に専念せばならん。
お母さんに認めてもらう…。
俺は兄さんのように強くなる…。

すぐ自宅に帰った。
兄さんの与えられた課題をこなしたい…。

帰宅後、俺は手裏剣の練習だ。
手裏剣を何本か同時に的が当てる…。
それを兄さんに早く披露する…。
兄さんが与えた課題だ。

☆☆☆

修行が終わり…しばらく経ち…兄さんが帰ってきた。
俺は手裏剣をしまった。
俺は兄さんに隠れて修行をしてる。
兄さんを驚かせるため…。

その日、兄さんが食卓にいるが…サクラのことを考えてた。
初めての経験だ。
サクラ…女子から苛められずに済んだか…?
心配だ。

兄さんには

”何か起きたのか?
困り顔だが…”

とは尋ねられたが…。

『なにも…』

何故か話せん。
これも初めてだ。

☆☆☆

それから一週間が流れ…。
また里抜けの道に俺は行った。
修行のためだ。
手裏剣修行を外でする…。
どれだけ遠くまで飛ばせるか…自分の限界に挑む…。

遠目にサクラが見えた。
やはり泣いてた。
女子たちがいる前で…サクラに声掛けする気になれん…。
絡まれるのも毎度、嫌だ。

サクラの姿だけ見て…夕暮れまでは修行した。
5時頃が門限だ。
その頃、また見た。

サクラは相変わらず、ひとりで花を摘んでた。
やっと女子の集団も離れた…。

俺は近づいた。
サクラは俺の顔見たら泣き出した。
本当によく泣く女だ。

「サスケくん」

『サクラか…』

サクラはボタボタ泣いてた。
なぜか…言葉が思い浮かばん…。
泣き顔、可愛い。

『泣くな』

「ちがうの。
サスケくんに…はなして…もらえて…。
ウゥ…。
わたしね、うれしくて…」

俺はこういうときどうすべきか…。
俺の兄貴はどうするのか?
別に俺は女子達を倒す気になれん…。

『サクラ…寂しいか…?』

「うん」

『たまに、構う……』

「え?」

それだけ伝えて俺は去った。

☆☆☆

何故かすごく疲れた。
緊張した。
綺麗な女だ。

俺は強くならなくはいけない…。
どうしたのか。

人間関係は苦手だ…。

家に帰ってから溜息ばかりだ…。

☆☆☆


数日後…。

俺が家に入ろうとすると。
帰宅後、俺の兄さんが嬉しそうな顔だ。
何かあったか…?

『兄さん、どうした??』

”おまえ、モテるんだな…色男…”

『へ?』

”むかいの…うちは饅頭…を販売してるおばさんが、
サスケを尾行して、饅頭を買いに来た女の子がいた…。
って俺に絡んできた”

『え?』

”心当たりあるか?”

正直、俺は心当たりがありすぎて困った。
いつも女子どもから接近されるから…。
サクラはたぶん、ありえん。

『さあ…』

”おまえ、公園に行った日に、そうとうモテたらしいな。
そおかそおか”

何故か兄さんがカラかう…。

『兄さんも、モテる…。

オレ、どうでも良い…』

内心は照れた。
それにしても、誰か…。
サクラだったらいい…、と思ったが。
あの泣き虫はあり得ん。
どうせ俺にくっつく女子どもだ、眼中にない…。
ストーカーされてるのは気が付かなかった…。
俺も修行が足りん…。

☆☆☆

それから翌日…。
”うちは饅頭”を販売してる向かいの親戚の叔母さんに声掛けられた。

;サスケくん、今日も修行かい;

”うん”

;そうかい、そうかい。
サスケくん、モテるんだね。
昨日ね、サスケくんのこと…つけて、小さな女の子が買いに来たのよ;

『おばさん……別に…』

;そうかい。
サスケくんはそんな話、嫌いかね?
今は修行しか興味ないかね?;

『…うん…』

;そうかい。
でも…とっても愛らしい子だったよ。
…うちは…は代々、血族婚が多いけど…サスケくん、あの子と一緒になるのもいいかもね;

『どんなやつ?…』


つい聞いた。
おばさんが愛らしい子と言ったから…期待を込めて…尋ねた。

;うーんとね。
髪が綺麗なピンクでね、それから…;

最後まで聞く前に俺は去った。

『おばさん、サヨナラ・・・』

;サスケくん…お父さんとお母さんにもよろしくね…。
修行、頑張ってね!;

内心はすごくうれしかった。
顔に出そうになった。
だから去った。
俺目掛けて来る強引な女どもではなくて良かった。
いつストーカーされてのか?
これからは背後に注意する…。

☆☆☆

俺はその日も手裏剣修行に精を出す。
何故か…頭がボーとした。

でも俺は浮かれん…。
イタチ兄さんよりも強くなる…。

お母さんやお父さんに認めてもらう…。
サクラに会いたいが…。
週に1度だけ一瞬切りだ。

早く強くなる…。

浮かれる暇などねえ…。

☆☆☆

おばさんから情報を聞いて以来、一週間ぶりにサクラと再会した。
里抜けの森で…。
いつ見ても苛められて泣いてる。
成長のない女だ。
そこも愛らしい…。

おばさんから聞いて以来…俺は声掛けにくい。
照れる。
視線は合わせたが……その日は離れ…背後を気にした。

静かに後ろの足音に注意すれば…これは…ついてきてる…。
初めて知った。

そして、そのまま、俺は自宅の屋敷に入った。
…とても外が気になった。
カーテンの隙間から外を覗けば…サクラが向かいの饅頭屋で饅頭を買ってた。
サクラはどうも饅頭屋の常連客になったのか…。

俺は浮かれる暇などねえ。
今より強くなって認められたいからだ…。
みんなにだ…。

俺は”うちは一族”なのに…落ちこぼれぐらい、弱い。
父さんも…兄さんと比べて…そんな態度で、接してくる…それが悲しい。

母さんは常に慎ましげで…父さんをそっと支えてる。
深い愛を胸に秘めた儚げで美しい女性だ。
黒い長髪を背中までたなびかせ、いつもしっとりと現れる。
和服がよく似合う絶世の美人だ。

父は厳格で…表情を頑なに変えないが…長身の良い男だ。

俺は家族を愛してる。
誰一人として…”うちは一族”は最高の人間ばかりだ。
いつも誇りに感じてる。

母さんは俺に遠慮して、

「父さんは、いつもサスケのことばかり褒めてるわよ」

と言うが…。
俺は…父さんの背中から、それをヒシヒシ感じるのだ。
だからいつも俺は、母さんに

『母さんは…兄さんと俺、どっちが好き?』

と不安で尋ねる…。
母さんは俺に遠慮して

「サスケよ…」

と即答するが…俺は非力さに嘆いてる。
俺は…この一族で認められるためにも頑張りたい。
隣のおばさんにも…俺が強くなることを…期待されてるのだ…。

☆☆☆

それからまた一週間ごとにそんな日々が繰り返された。
ほとんど会話はしてねえが…俺は後ろからついてくるのを待ってた。
おばさんの言葉が気になり…俺は声掛けられなくなった…。

いつも屋敷から窓の外を見てた…。

兄さんは、あまり家にはいねえから知らねえだろうが…おばさんや母さんには…相当、からかわれた。

俺は…内心、おばさんの言葉通り…一族婚ではなく…サクラが嫁なら…と一瞬、考えた。

それでつい、どうして母さんと父さんが血族婚か…。
母さんに聞いた。

『かあさん…』

「サスケ?
どうしたの困った顔ね」

『かあさんも、とうさんも…おばさんも…。
みんな…。
ミアイだろ…?』

「お見合いよ。
親戚同士の結婚よ」

『それ、なぜ?』

「え?」

『チ……まもる…ため?』

「うちは一族の血を守るためではないんだけど…」

『おしえて…』

「そうね…サスケには早い気もするけど…」


そしたら…母さんはとても悲しそうな顔になった…。

「それはね…。
来る時が来たら、きっと言わなくても分かると思うわ。
それまで…母さんが生きてたらね」

『かあさん…!?』

母さんの口から不吉な言葉だ。
生きてたらの単語に反応した。
俺はビックリだ。

『かあさん…びょうき?』

「母さんは元気よ。
ごめんなさいね、物のたとえが悪くて…。
そうね。
きっと、サスケにも分かる時が来るわ」

『どういうこと?
にいさん…しってる?』

「知ってるかもね。
知らないかもね」

『かあさん…』

「母さんもモテたのよ。
父さんも里で一番でモテたの。
でもね…」

『でもって…どういうこと?』

「なんでもないわ。
母さんは父さんと一緒になれて、今、嬉しいわ。
父さんも同じ気持ちよ」

『かあさん…??』

「ごめんなさいね。
ま。
サスケにはまだ難しい話だわ。
修行に専念しなさい」

はぐらかされた。
俺はとても気になって仕方なかった。







【サスケ母親視点】

サスケには変なことを言ってしまったわ…。
母さんもね、モテたのよ。
学生時代。
父さんと一緒になれて今、嬉しい。
それはその通り。

”うちは一族”は…。
その強大な力から…里には不遇なのよ。
結婚とか就職が大変なの。
”うちは一族”をこの里の忍者は化け物扱いで。

子供の頃は意味が分からないから仲良くしてくれるけど。
ある程度の年齢を超えると、みんな距離を置き始めるのよ。

こんなに強い力を秘めた一族なのに。
うちは一族の血継限界を…力があり過ぎるがために……差別してるの。

母さんや父さんは…来年にはそのことを訴えるためにも、この里を潰して、”うちは一族”の里をつくることを計画してる。
母さんは殺人狂と呼ばれても良い、一族を守るためなら何でもしたい。

今、そのために。
イタチには…里へのスパイを依頼してるの。
来年、暗部に行ってもらう気でいるから…。

これぐらいしか…。
未来、”うちは一族”が栄える方法はないの。
それぐらい、血継限界は他里でも異常に差別されるの。
バレタ瞬間、殺人兵器としての指令しか下りてこないの。
特に”うちは一族”は…差別されてて…母さんはこの里を変えたいの。
頑張っても出来て当たり前って態度で評価もされず…。
それからちょっとしたことでも死罪を言い渡されたりで…。
今まで耐えて来たけど…一族ももう怒りが限界なの。

里に不遇なのは…明らかなの。
現在、サスケがそれを感じないのは…イタチや…。
その他諸々の一族が…上層部には強力に圧力を掛けてるからなの。

その代り、いっぱい精神的苦痛を味わう嫌な仕事ばかり引き受けさされてるわ。


サスケの未来のためにも。

自由に恋愛や職業が選べる社会を作りたいの…。

今日は変なことを言ってごめんなさいね…。







【サスケ視点】

修行中もサクラを考えてた。
先ほどの母さんは…。
変だ。
最近、兄さんも忙しいのか全く構ってくれん…。
それも関係してるのか…。

頭が混乱だ。
どういう意味だ…。

俺は怖くなった。

兄さんが帰ってくる時間まで修行に明け暮れ、手裏剣を飛ばした…。
手裏剣は段々、上達してる。

兄さんにビックリしてもらう…。

☆☆☆

兄さんが帰宅した。

『にいさん』

”サスケか…”

何だか…。
表情が暗い?
気のせいか?

『兄さん、えとさ…』

俺は兄さんに…母さんから先ほど聞いた話を…詳しく説明してほしいと願った。
でも…母さんの前では聞けねえ…。
だから、部屋に誘った。

『にいさん。
オレのヘヤ、きてよ?…』

”良いだろう…”

なんか…テンション低い…。
来年の暗部所属が決まったあたりから…どうも乗り気じゃねえらしい…。
兄さんは、すごい。
10歳で忍者の隊長クラスで…来年には暗部配属。
俺も頑張る…。

”サスケ、己は…お前にはあまり構ってやれん。
来年には暗部配属が決定した。
これから忙しくなる”

『いじわる』

俺の思惑が間違った。
いつも通りの兄さんだ。

『にいさん、あのさ…』

”何だ?”

『とうさんと…かあさんは…ミアイだ…』

”親戚同士の見合い結婚だ…”

『それから…むかいのおばさんも…そうだよな』

”同じだ”

『ここらへん…みんなそうだ』

”そうだな。
…うちは一族は…本当に血族婚だらけだ”

『どうして?
にいさんも…オレも…そうなの?』

”己は面会してないが…多分な…”

『にいさん…。
モテてるのに…どうして?』

”決まってるからだ”

『え?』

”自らの定めには逆らわない気でいる”

『にいさん…』

俺はサクラを思い出した。
それから向かいの叔母さんの話も思い出した。

『そおか…』

”どうして…そんな話を尋ねる?
疑問に感じた?
サスケ?”

『なんでもねえ』

”本当か?…”

『にいさん…』

”何だ?”

『ほかの…うちも…そう?』

俺は他を知らないから比べようもねえが。
尋ねた。

”サスケはまだ世間を知らないんだな。
そおか。
公園では友達が出来なかったか。
深く家族について語り合わなかったか…”

『え?」

”そのうち…他の家族との差を実感するだろうな…”

『どういうこと?
みんな、ちがうの?』

”サスケには話すべきか…。
まだ幼いしな…。
理解も難しいだろう…”

『にいさん?』

”だが、己はお前が大好きだ。
お前への愛として真実を話そう。
あまり良い話でもないが…。
うちは一族は能力が強すぎるから…里の住人に嫌われる節があるのだ。
それが結婚の時に汚点になる”

『いみ、わからん。
つよいのは…イイだろ?』

”そうだが。
嫉妬もあるんだろうな。
忍者社会はそういうものだ。
己はそういう差別のある社会は大嫌いだ。
偏見ってヤツだ”

兄さんは俺のデコをトンと…指で叩いた。

”それから戦争も大嫌いだ。
お前は里の勇者になって輝いて欲しい。
己はお前が大好きだ”

”イタチにいさん…”

兄さんは戦争が本当に嫌いなのだ。
いつも戦争で亡くなった友達の話をしては…どれほど戦争が嫌なものかと俺に伝えてくる。
兄さんは俺が生まれる前に起きた戦争に…今でも心を痛めている。
俺は兄さんが理想とする社会を実現させたい。

『オレ、にいさん…だいすき』

”サスケ、ありがとうな。
己はこれから…課題やる。
母さんと父さんには今日の話は、黙れ。
分かったな”

『うん』

兄さんが去って行った。

俺は実は兄さんの言葉は難しすぎて理解できん…。
どうして…力があるのを差別する…?
俺は里で一番を目指す…。
兄さんがいつも言う話と矛盾だ…。

俺は…。

一瞬、サクラが頭に過った。

サクラと一緒になれんのか?






デコをさらけ出して頑張るとき3〜6歳(サクラ辺)「しゃーなろ!強くなる!」

目次

強く清く格好よく「サスケくんお願い…」5歳













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