アナタノコトガスキデス

萌え妄想のまま走るいろいろ創作小説の予定。苦情無断転載禁止。

強く清く格好よく



俺は”うちはサスケ”。
5歳。
最近、手裏剣の練習をしてる。
この頃、公園で仲が良い子が出来た。
名前はサクラだ。

割りと泣いてばかりだ。
最初は、見てただけだったが。
女子どもに苛められてるらしい。
俺の兄さんは…イジメや偏見が大嫌いなのだ。
優しい男だ。

俺も兄さんの意志を受け継ぎ…仕方なしに、面倒を見てやることにした。
サクラはいつ見ても、ひとりでいる。
俺を見れば、
たいてい泣き出す。
泣いてばかりの子だ。

女子どもがウルサイので、ひとりの時を見計らっていくことが多い。
最近、大抵里抜けの道の前にいる。
ここは…あまり人が寄り付かないからだ。
外から侵入者がやって来たときに、一番、襲われるところだ。
女子たちは少し離れたところにいる…。

今日も仕方ないし、様子を見に来てやった。
俺は…面倒見が良いだけだ…。

俺は兄さんを、常に理想をしている。
兄さんの嫌がることは、しない気だ。
差別偏見イジメは、大嫌いだ。

「サスケくん…」

『サクラか…』

相変わらずと言うか…また一人で花輪を作って、遊んでたらしい。
きっと楽しくはないだろう。

隣に座ってやった。

「ありがとう…」

これはサクラの声だ。

『別に…』

俺はこれぐらいの会話だ。
兄さんと同じ距離では…話せない。
俺とサクラは…親と子の関係だ。

「サスケくん…いつも優しいね」

『俺で良いなら、かまってやる』


俺は…サクラと共に、里抜けの前の草村でしゃがみ込んだ。
花と草の香りがした。
今は昼間で、外は晴れ…良い空気だ。

「サスケくん…」

そこから話が進まない…。

サクラといると、俺は大抵…緊張するらしい。
そこが不思議だ。
同年代の人間とは、慣れてないらしい(赤)
いつもそう言えば…両親親戚か兄さんとしか話してない。

『おまえも…もうすぐアカデミーなんだな』

苦し紛れに会話を繋いだ。

「うん…。
サスケくんもだよね…」

『そうだ…』

そこから…サクラが急に黙り始めた。

サクラの視線を見れば…向こうの方で木に向かって…手裏剣をしている男の子がいる。

…ネジー…

と呼ぶ女の子の声がする。

アカデミーの額をしている。

上級生らしい。

愛想の悪そうな男の子だ。

呼ばれても返事をしていない…。

(愛想のない、冷たそうなやつだ…)

隣のサクラを見れば…固まってる。
それから…瞳がキラキラだ…。

(なんだ?
これ…)

サクラは俺の存在を忘れてる…。

「サスケくん、すごいね…」

『ああ…』

俺の声が低くなった。
別に意味はない。
確かに…あの手裏剣の腕は…相当だ。
まわりながら、コントロールが出来るらしい。
軌道まで…。
確かに手裏剣の数も…一つ同時ではなく…複数を生きているかのように自在に扱ってやがる。
只者ではねえ…。
アイツ…強い。

「アカデミーって、すごいな…。
私も強くなれるかな‥‥」

サクラの顔が…真っ赤だ。
何だろ?
前、公園で…男子どもの集団と…出くわした時と…。
サクラの反応が…全く違う気がする。

『まあな…』

一応返事した。

そこへだ…。

「自来也…、こら〜」


何か怒られてるオッサンが…俺らの視界を素通りした。
後ろから男が、そのオッサンを呼んでる…。

木の葉の額あてをしてる。

『自来也』と言うらしい…。
そう言えば…イタチ兄さんから聞いたことがある。
強いらしい。

「女遊びしにいってくるぜ、げへへへへ。
女体女体。
女の裸。
温泉、うへうへうへ…」

自来也が嬉しそうに笑ってる。

「おまえ、またそんなことばっかり…」

後ろの男は自来也と一緒に微笑んでる。

「混浴温泉宿の外から望遠鏡で覗けば…女共の裸、丸見えだ…。
うへへ。
ヒヒヒヒ…」

「おまえ、本当…女好きだな♪」

二人仲良く男共は…里の外へ出て行ったらしい…。
温泉に真昼間から行くらしい…。

途端にサクラの目が元に戻った。

俺は会話を続けた。

『アカデミーに入ったら…俺も今より強くなるだろう』

「サスケくん…強いの?」

『まあ。
同級生では敵なしのはずだ』

ここは軽く自慢だった。
自信はあった。
しかし…一族では最弱なのが…ネックだった。

「そうなんだ。
すごい!」

根拠はないけど…サクラは褒めてやがる…。
たぶん、そうだと思うが…。
まだ…見せびらかしていないというのに。

『ああ』

(アカデミーでも最弱だったら…。
これは…少し困ったな…。
多分、そうだと…願いたいが…)

何だか。
物凄くプレッシャーだな…これ。
自分の実力が分からねえが…一族では俺は…ヘッポコレベルだ…。

俺の実力が達してないせい理由から、一族の中で俺だけ…一族会議に参加させて貰えてないのだ。
兄さんは…俺の年頃では…既に参加して…抗弁権があったらしいのに…。
5歳で一族の未来について…議論を述べられたらしいのに…。
俺は…跳ね子にさせられてる…一族に…。
それもあって、サクラのイジメを見てられなかった。
俺も…一族の会議に参加したい…。
アカデミーに入るまでに、修行に明け暮れなければならない…。

そこへ。

「キャー。
カカシさん」

「カカシ…構ってよ」

何だか…18歳前後の男がやって来た。
同じく木の葉の額あてをつけてる。
そう言えば…兄から聞いたことがあるかもしれない…。

”カカシ”って言うらしい…。
強いらしい。
顔は眼帯で隠されていて片目しか見えない。
どんな容姿なのか判別は付かねえが…細く長身なのだけ分かった。

「今日の腕さばきも凄かったね」
「私の修行にも付き合ってくれるかな?」

良く知らん女共二人が…カカシにモーションを掛けてるらしい…。
何故あの18歳ぐらいの女二人はカカシに黄色い声なのか…。
仮面の下の素顔が良いのか?
俺には分からん。

『俺、いそがしいから…帰るわ』

カカシはスタスタ逃げてるらしい…18前後の女二人がそのあとを付け狙う。

「ええ…」
「そんな…でも…そこもしびれる…」

なんだか…物凄くアホらしいことを言ってる。
俺は…18歳前後の女二人集団を軽蔑しながら見ていた。
俺は5歳だが…自分があの歳になって…あんなふうにすがりたいとも願わない。

そんなことを考えてたが…サクラの反応がないから…隣を見れば…。

顔が真っ赤だ。
しかし…目はキラキラではない…ココは…カカシの容姿が見えなかったからなのか?
それは俺も同感だ、あれではアイツの顔面偏差値が分からない…、雰囲気も読み取れん…。
あの眼帯と口元を大きく覆うマスク、それから…頭のターバンで…ことごとく容姿は隠されてる…。
マスクの下は酷いタラ口かもしれないし…口裂け男かもしれないのだ…。

何なんだ?
それなのに…ホッペは紅色だ…。
今の話…、どこが受けたのだろうか?

『サクラ…』

俺は訳が分からず、声掛けた。

「サスケくん…すごいね。
あの人…凄腕…なんだって」

『そうらしいな…』

「いいな…。
わたしも大きくなったら…格好いい人と一緒に歩きたいな…。
はやくおおきくなりたい…」

俺は、サクラの感覚には…ついていけない。

しかし…カカシに見惚れて顔を赤面したのではないらしい…。
サクラは…”凄腕”と言う単語から”格好いい人”と言ってるのだ。
サクラにとって…”凄腕”は”格好いい人”なのだ。
その証拠にサクラの瞳は…今回は輝いてない。
サクラは…”凄腕”の人と…将来、歩きたいらしい…。

確かに…。
この忍者社会、主席と言うだけで…容姿不問でモテるのだ。
それは…実感してる、日々だ。
忍者社会において容姿などあまり関係もない…実力が全てだ。
出世街道も走れる。
女は強い男に弱い…生まれて五年でだんだん感じ始めてる…。
母さんも強い人をべた褒めしてる、能力を褒めているのだ、パワーをだ…。
父さんも

『男は強くないとダメだ。
女を守れぬ力もない男など屑同然だ、能力のない人間は…この乱世、死ぬしかない』

と口酸っぱく言ってる…。

サクラの顔は真っ赤だ。

そこへ…男の子がやって来た。

「構ってくれってばよ…」

今日も男子たちに言ってる。

【ナルト…俺はめんどうくせえ…】

「どうしてだってばよ…。
シカマル…。
一緒に、遊ぼうぜ。
俺、エロ本、持ってるからよ」

【俺、興味ねえ…】

「おもしろいって…。
俺もよく分かんねえけどよ…すごいってばよ、チョウジ…」

◎俺、文字読めねえし…。
オヤツ食べてえ◎

「俺もよめねえけどよ…おとなのきぶんが味わえるってば…。
友達になってくれってば…」


おませな子だな…。
と俺は見詰めてた。
”エロ本”の意味は…分からなかったが…男の子が持ってるのは…おとなの気分が味わえる本らしい…。
この前、公園で必死に男子集団に声を掛けてた子は…”ナルト”と言う名前らしい。

隣のサクラを見た。
サクラは、花輪を作ってる。
少し嫌そうな顔をしてる。
そのあと…泣き出した。

「サスケくん…」

『どうした…』

サクラの目が…涙が出てる。

『何かあったのか?』

動揺して尋ねた。

「サスケくんは一生、エロいことに…興味、持たないでね。
私、あんな子、きらい…」

はっきり、サクラは告げて泣いてた。

俺は将来のことは…わからないが。

『分かった』

とだけ答えておいた。
全く、今…興味もないし、言われても意味も分からない。
我が家ではそんな単語すら出てこない…。
”エロ”って…何だろう?
サクラが顔をしかめて嫌がってるみたいだから…よくないものだと理解した…。
サクラに何かは聞けなかった。
知ってるふりをした。

知らないということは…無知と言う意味だ。
馬鹿にされる…。
ナルトも意味を…知ってるらしい…。
俺だけ遅れてるらしい…。

どうも…サクラはナルトが嫌いらしい…。
それだけが丸一日で理解した…。

そろそろ時間が経過した。
ここで、遊ぶ暇などない。
兄との修行の時間だ。

『じゃ、俺、帰るわ』

「サスケくん…」

『修行してくる』

☆☆☆

ココにいれば…すぐ女子どもに絡まれる。
あと…披露してもないのに…強いと言ってしまった。
兄に猛特訓してもらわねば…ならない。

俺には…俺よりまだまだ強い奴がいる。
俺は兄を越えるべき壁だと認知してるが…。

アカデミーに入って…成績が悪いと…。
サクラに嘘つきだと判を押される。
しかし、あの場所では…アアとしか…言いようもなかった。

つい、ウッカリ口にしてしまった。

多分、強いと…兄は褒めてくれるが…。
俺はまだ一度も戦闘をしたことがない…。

あわてて…自宅に帰って…兄の帰還を待った。

やっと…手裏剣が一本、投げれるようになったくらいだ…。
他の奴らは…もっとダメらしいが…。

俺は甘えてる暇もない。

今日の俺より少しだけ年上の男は…手裏剣の軌道までコントロールしていた。
自由自在に…。
その手裏剣の数も半端なかった。

これは兄から出された課題でもある…。

クナイは出来たが…。

俺は手裏剣だけ苦手なのだ。

ある日、突然、出来るようになって…兄をびっくりさせる計画でいる。

”サスケ…”

『イタチ兄さん』

”ちゃんと修行してたか?”

『うん、俺、頑張る』

そうだ。

負けてられない。
俺は来年にはアカデミーなんだから…。

”そうか…。
今日は術を教えてやろう”

『ありがとう、兄さん』

兄さんは…優しい。
俺の理想の男だ。
現在10歳で…既に忍者隊長の能力がある。
兄さんは…”うちは一族稀代の奇才”だ

俺は兄さんを崇拝してる。

俺の兄さんも強く…けがわらしいことを言わない。
俺は兄さんのように…強く、気高く、潔癖でありたい…。
俺は…兄さんが…だいすきだ。

兄さんに”エロ”の意味を聞いてみたいと思ったが…。
我が家では一度も会話に出たこともない…。

俺だけ知らないらしい…。

聞こうか、止めようか…悩んだ。

結局、聞いた。

『兄さん、エロってなんなの?

どういう、意味?』

”サスケ、そんな単語…どこで覚えた?”

『いや…』

サクラのことは黙っておいた。

”友達が出来たか…。
一丁前に…”

友達と言えるのかは謎だった。

”サスケにはまだ早い”

俺は兄さんにゴンとデコピンをされた。

『いっで・・・』

兄さん、今回は痛かった…。
知らない方が良い単語らしい…。
目をパチクリと俺はした。

”そのうち、アカデミーに上がれば嫌でも分かる。
男子どもから聞くことになる…。
それまで、おまえは忘れて修行しとけ”

兄さんが微笑んでる。
怒ってないようだ。

『兄さん』

”強くなれ、サスケ”

『うん。

わかった。

オレ、頑張る』

俺は修行だ。

遊んでる暇などない。

単語の意味は知らんが。
アカデミーに上がれば…勝手に男子どもが教えてくれる類の単語らしい。
まあ。

来年だから。
それまで忘れて、強くなることに専念しようと決めた。

今日は何故か…イライラする。
思いっきり暴れたい気分だ。
特にあのネジって野郎は…俺が壊す壁の一つだと断定した。
何故か…ネジに対して殺意が俺は芽生えてた…。

一日、イライラしながら自宅の庭で手裏剣の練習を汗だくになりながらした。
そうしてイタチ兄さんに止められ、俺は寝室へと戻った。

翌日もまだ腹が立ってた。
自分の弱さにだ。
アカデミーでは俺より年が近いって言うのに…強い奴がウジャウジャいるらしい…。
グズグズしてられねえようだ…。











サクラとの出会い←既読の方、スルー(時系列を正すために分割)


目次


サクラとの出会い5〜6歳(サスケ辺)「サクラ、強くなれ」


































































































































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