アナタノコトガスキデス

萌え妄想のまま走るいろいろ創作小説の予定。苦情無断転載禁止。

再会のあと…



大蛇丸の術で暴走を起こしそうなサスケを連れて、
サスケと大蛇丸とカブトは…アジトに帰還した。

場の空気が張りつめたように…燃えてる…。
掛ける言葉が二人とも思いつかないほどに…。


「…」

(サスケくん、さっきから何も話さないわね…)

(空気が不穏ですね…)

大蛇丸とカブトは冷や冷やしてた。

「久しぶりの再会どうでしたか…。
楽しめましたか?
里が恋しくなりましたか?」

大蛇丸より先にカブトが、サスケに感想を尋ねた。

「楽しくなどない。
俺には憎しみだけだ」

サスケにはいつもどおり表情はない。
しかし、二人には心情は察せてる。

「…」

(恐れてたことが起きたわねえ。
イタチの目論見、外れたわね。
だって、あの場所にはもう…サスケくんの居場所がないものねぇ?)

「俺は復讐のために生きてる。
兄への復讐のためだ。
それ以外は捨てた。
未練などない」

(俺は俺からサクラを奪った世界への復讐のために生きてる。
兄はサクラを殺す危険因子だ、潰す。
それ以外は捨てた。
復讐するのに未練はない)


「そうですか…」

(嘘ですね)

カブトは見破った。


「サスケくん、今日は疲れたでしょうし、休んでもいいのよ?
ここ一週間、一人で偵察任務ご苦労だったわね…」

(サスケくんには失恋休暇をあげるわ。
私なりの優しさよ。
アジトで暴れられても困るからねえ…)

大蛇丸はねぎらいの言葉をサスケに掛けた。

「要らん。
俺は疲れてなどない、更なる力が欲しくなっただけだ。
復讐のためにも俺は力を求める…」

サスケはいつもの調子だ。

「…」

(素直じゃないですね…)

カブトと大蛇丸の目が合った。

「…」

(もう私たちにはバレてるのにね…)

「誰にでも忘れられない過去はあるものよ…、
自分の心に素直になって今日は部屋へ戻っても良いのよ」

大蛇丸の口調は優しい。

「俺に時間などない。
俺は強さを求める」

「…」

(サスケくん。
アジトでは暴れないでくださいね。
前回、負傷者を治療するのにどれほど時間がかかったか…大変でしたよ…)

カブトと大蛇丸は地面を見詰めた。

「…」

(面倒くさいことになって来たわね。
ここは早くサスケくんの体を私が乗っ取って、サスケくんの暴走を止めたいわね)

☆☆☆


その日、サスケはアジトで暴れたり…一点、空を見詰めて、無になったり…暴れたり…で、怖がって誰も近づけなかった。

剣を振り回す腕にも容赦がなかった。

(何があったのか?)と…。

誰もが固唾を飲んで見守っていた…。





【翌日のサスケ視点】

昨日は久しぶりにサクラに会えた。
そのわりに全く会話は進まなかった…。

昨夜はサクラにガムテープと縄縛り、蝋燭攻め、貞操帯を想像で着けて抜いた後、
猫耳サクラの妄想もした。

サクラは要するに猫だ。
俺の瞳には俺に反抗して、殴りに来るサクラが子猫に見えた。
力の差は歴然だ、アイツの顔は俺の好み、ドンピシャだ。
一度は恨んでやろうか…と思ったが、サクラを殺す気になれないのが証拠だ。
俺はサクラを信じてみる。
俺も幼少期は構ってくれない人間に対して拗ねた行動を起こしたこともあった。
自分に当てはめて考えてみたら、答えはすぐ分かった。
他人の行動が理解に苦しむときは、自分の経験から答えを導き出すしか方法がないものだ。
この解釈で合ってるかは知らんが、サクラを殺す気になれないのが本音だ。

逆目線で考えれば…俺の前から断りもなく、サクラが突然、蒸発すれば…。
次、再会した時まで2年も経ってれば…俺は逆切れを起こすだろう。
そういうことだ。

さすがに…2年も帰ってこなかったから、寂しさの頂点を越えて、怒りが湧いてきただけだろう。
俺の帰りが遅すぎたから拗ねているのだろう。
俺の力を見れば、また崇拝の瞳を取り戻し、甘えて来るはずだ、可愛く。
少しサクラは寂しいかもしれんが、待ってもらおう。
そう結論付けた。
それが証拠にサクラに猫耳はよく似合う…。

サクラが俺から心変わりなどするはずもない。
俺には絶対的な確信がある。
アイツは俺のモノだからだ。
随分昔から決まってる。
猫だと思えば納得もいく。
相当、拗ねてるらしい…。
サクラは今でも俺に絶対的に服従してる筈だ。
俺の力で認めさせればいい。

☆☆☆

自分の立場になって考える…で、思い出したことがある。

兄だ。

俺は兄に復讐することに決めた。
サクラにも危害が加わるからだが。
腑に落ちないことがある。

何故、兄が一族を殺したか。

俺がもし、サクラの家族を殺したとすれば…それはサクラの家族がサクラを殺すことが分かってる場合に限るだろう。
そのあと、別にサクラから去ることもせん。
おまえは両親から命を狙われてたと…話すだろうか?
それともサクラに遠慮して内緒にするだろうか…。

兄が一族を殺した理由は本当に己の強さを図るためだったのか。
そんな馬鹿げた理由だったのか。
俺は現在、15歳になり、兄が一族を殺した11歳をとうに超えた。
15歳と11歳では感覚が違うのかもしれんが…。

兄は…一族を殺した後、泣いてたのだ。
すっかり忘れてたが…そうだった。

俺は何か隠されたことがあるような気がしてならない。
この話には裏があるのではないかと…最近、勘ぐってしまう。

しかし、俺は全く一族に命を狙われてるようには感じなかった。
愛を一身に受けてた。

兄はどうして狂乱を起こしたのか。
本当に力のために…一族を抹殺したのか。
かつて俺は6歳で、その話を信じたが…本当に、兄が11歳まで6年間、俺へ与えた愛情は…偽りだったのか…。
今頃になって気になって仕方ない。

兄は確かに俺を殺そうとしたが…。
俺も今日、サクラを殺すふりをしたが魂胆は全く違ってたからだ。
最近になって、兄が最後に俺へ語りかけた言葉を鵜呑みにしていいものか疑問に感じ始めてるのだ。

俺は何か重要なことを見逃しているのではないだろうかと…。

☆☆☆

大蛇丸アジトに着いてからの俺は…うれしさと悔しさと感慨の狭間にいた。
昨日はサクラの行動の考察ばかりで…頭があまり働かなかった。
やはり、強くなるまで恋愛は、俺の成長にとって最大の邪魔でしかないらしい。
ここは会わずに耐え忍ぶしかないようだ。
昨日でそれを実感した。

誰がサクラを変えたのか。
あの場所で一番、俺の力があることはサクラに誇示したはずだ。
俺は明らかにナルトより強かったし、サイにも勝ったし。

それからサクラたちの上官、ヤマトにも傷を与えられた筈だ。
それなのにサクラは一度も甘えては来なかった。
サクラは何度も言うが強い男が好きなはずなのだ。

あの場所にいなかったのはカカシだった。
その線は考えたことすらなかったのだが、サクラはカカシと出来ているのだろうか?…
疑惑が湧いた。
カカシは昔モテたらしいし、顔は見せてもらったことないが、良いという噂がある。
サクラ年上でもよかったのか?
守備範囲が広かったのか?

俺は今、カカシに殺意が湧いてる。
カカシとイタチならイタチの方が強かったはずだ。
やはり、イタチは俺が倒せねばならないようだ。

イタチを倒し、カカシに致命傷を与えられた暁には、サクラもきっと俺への崇拝の瞳を取り戻すだろう。
俺が出来ることと言えばこれしかない、力で認めてもらうしかないのだ。
俺は更なる強さを目指さねばならないようだ。

一度会ってみて分かったことがある。
サクラは…綺麗になった、それなのに無愛想だが。
サクラに歯向かわれても可愛い子猫が唸ってる程度にしか俺には見えないのだが、
俺のサクラが甘えてこんのが気に食わん。

いつのまに誰になついたのか?
俺のいない間に、誰をご主人だと思ってるのか。
サクラは叩く気になれんが、少し懲らしめたい、触れたい。
それからちょっかい出した野郎には制裁を食らわす、

俺はサクラの方を見るのが緊張するらしい…。
野郎どもを見たかったわけでもないが、近寄りにくかった。
俺はかなり服がはだけた格好なのに、俺の色仕掛けもサクラに効かなかった。
以前のサクラならこれだけでも顔を赤らめたはずだ。
野郎どもの裸をどこで見慣れたのか。

俺はくやしい。
誰がサクラを変えたのか。
変えたヤツはぶっ殺す。
俺にとっては念願叶った再会だった。

俺が昔、髪の長い女が好みと噂を流したが、サクラの髪は今回短かった。
それはいい。
似合ってる、俺はあの首に噛みつきたい。

俺の服装を見て動揺しなかったのが気になって仕方ない。
サクラはもう処女ではないのか…清らかな乙女ではないのか…それだけが気になってしかたない。

俺もこんな服してるが実はこの服、なぜかすぐはだける、浴衣の癖に中に結ぶ紐がない。
もう慣れた。

闘えばいつもはだける。
普段はどうでも良いから気にしてなかったが、どうしてかサクラの前では気になった。
どうでも良い人間の前ではどうでも良いのだが。

☆☆☆

今回もサクラには男共との戦いの途中で、割り入ってきた。
本当にサクラは空気が読めない。
昔、ナルトと千鳥vs螺旋丸で勝負した時にも感じたが…そういうとこがある。
俺はサクラがいるときは、相当注意を払って、戦闘しなければならないようだ…。

次回はいつになるのか知らんが。
日々、敵を殺すことだけに専念してみよう。

俺に口説き落とす能力なんて存在はせん…そんなことするのはナルトぐらいのものだ。
俺はナルトとは違う、リーとも違う。
そんな劣等人種ではない。
これ見よがしにうるさい奴らと同類とも思われたくもない、馬鹿らしい。
答えは右か左の二択で良い。
世の中、力が全てだ。
力付くで物事は進めるべきだ。
ナルト、リー、サイ、カカシ辺りは俺の敵だ、最初に潰そう。
サクラも全員まとめての強さより、俺の方が強けりゃ少しは見直すだろう。
それ以外、方法もある訳もない。
力が全てだ、力さえあれば大抵の物事は手に入る、解決できる、俺はまだ非力なのだ…。
憎しみで頭を満たし狂気に駆り立て…死を恐れず、バサバサ敵をなぎ倒し、今は「力」を求めよう。

☆☆☆

それにしても…。
最近、俺の部屋に置かれる…この

『近いうちに戦争が勃発する可能性がある。
それまでナルトは殺すな。
おまえのサクラが死ぬ。
他言はするな』

というメモ…。

俺が読めば…すぐに燃え尽きてなくなる…。

俺が読むまで誰にも読めんように術が施されている。

俺は誰からのモノか知りたくて…残留思念をいろいろな術を駆使して読み取ろうとするが…、判別できねえ。
これは…消されている?
そうとうの術の使い手のようだ。

水月や、大蛇丸傘下にいる俺の部下では出来ない芸当だ。
たちの悪い悪戯かと最初は無視してたが…。
気になって仕方ない。
俺の術をもってしても、誰からか分からんということは。
俺より強い誰かだ。

俺はこのメモの相手が分かる程度には強くなりたい。
世界中の誰より強くなる気でいるからだ。
俺よりまだまだ強い奴らがいるらしい。

甘えてる暇などない。

今日も修行だ。





【イタチ視点】


恐れてたことが起きた、己は毎日…悩んでる。
ダンゾウの件だ。

サスケには全てが終わったら、里に返す予定でいた。

それなのにダンゾウがサスケを里の処刑リストとして確定したのだ。
抜け忍だけでも死罪だから、そうなることはあり得るが、
己はずっと圧力を掛けてきたが。

「10年以上前にあった里の情報を他里に流されたところで、
痛くもかゆくもない」

と今回、強きに来られたのだ。

確かに己が木の葉の上層から情報を頂いたのは…もう10年にもなってくる。
この10年間でたくさんのことが巻き起こり、情報も相当古くなってくるのだ。
ということは。
脅しの種には使えない。
里に戻れば、サスケが差別されるかもしれんのだ。
差別どころか、殺されかねん。

あのダンゾウならやりそうだ。

己の読みが甘かったと毎日、頭を悩ませてる。
ダンゾウを殺せば、解決しそうだが…クーデターがそこから起きて、
戦争に繋がりかねん。

だから己は一族を葬ったのだから。

実は最近、マダラの情報を調べ続けている。
己は認めたくないが…近いうち戦争が起きそうだという噂が闇世界で流れている。
ここのところ、忍者界で不穏な動きがあるのだ。

己は夜中、サスケの部屋の前で、術でサスケの頭へ…

『近いうちに戦争が起きる可能性がある。
ナルトはそれまで殺すな、おまえのサクラが死ぬ』

とメッセージを送ってる。

それから、書置き手紙もサスケがいないとき、部屋に置いた。
効力があるかはしらんが。
己は戦争には反対だ。

ダンゾウは殺したいが。
アレを殺せば、いますぐにでも戦争が勃発しそうな雰囲気だから、
耐え忍んでいる。

サスケには里の英雄になってもらうことを祈る。
今は抜け忍だが…里を守り、里の勇者になれば…刑期も減らされる筈だ。
この線で行こう。

己は根性で生きてる。
カブトあたりから薬はいただいてるが…。
次、戦争が起きるまで生きてられるか保証がない。
それまでにサスケには戦死しない程度の実力を持ってほしい。
そういう噂が…闇世界であるのは確かだ。

大蛇丸にはサスケの体は乗っ取らないよう圧力をかけてたが…。
もう…これしか方法がないのか…。
サスケが親友を殺し、万華鏡を開眼することで、絶大なパワーを持つことを己は期待してたが…。
その方が死にはしないからだ。
大蛇丸に体を与えれば…相当のリスクがサスケにある。

まあ、いいだろう。
サスケが大蛇丸に乗っ取られようが…俺は大蛇丸より遥かに強い。
サスケ内部の大蛇丸は消し殺し去ってやろう。

そうすれば、サスケはパワーだけ手に入るはずだ。

このことは大蛇丸には黙っておこう。
大蛇丸は否定してるが…大蛇丸の考えそうなことぐらい、己は最初から予測できてる。
サスケに力を与えると言いながら、ヤツはサスケを利用して己を殺し、世界征服をする気だ。

己はそうはさせん。

自分の手の内は最後まで隠すものだ。

そういう術を己が施せることは大蛇丸には黙っておこう。
大蛇丸がサスケの精神を蝕もうが…己は全てが終わったら、大蛇丸だけサスケの魂から抜き殺し去ってやる。

そういう術を知ってる。

他にもしなければならないことが山積みだ。
サスケには里の勇者になってもらうことをひたすらに願う。
戦争は起きないことを望むが…そういう噂が裏からあるのも確かだ。
最近、平和とは言い難いのもある。
ここのところ、事件ばかりだ。
少しでも戦争が開始されるのが長引くことを祈る。
それまでにサスケに力をつけたい。




【サクラ視点】

サスケくんと別れてから2年も経つ。
この2年いろいろあった。
イノと同じく医療忍者を目指したり…本当に頑張ってた。
私は恋は捨てて、サスケくんのために…サスケくんとナルトの足手まといにならないために…。
全てを懸けて修行に専念してる。

サイがサスケくんの代わりに入って来たけど、サスケくんの代わりになる訳なんてない。
入って来たとき、悲しかった。
サスケくんじゃない人間が第7班に入ることが。
イノはサイを見て、

「サスケくんに似てる」

なんて言ってたけど、まったく似てない。
ずっと、サスケくんに会いたくて必死で私は頑張ってきた。

それなのに…。
いざ会ってみると、いろいろな感情がこみ上げてきて…。
サイを高台から殺そうとするサスケくんを目撃して…。
私は何も声掛けが出来なかった。

変わってしまったサスケくんを見てショックになりつつ、どうしても諦められない。
サスケくんの服装が凄すぎて反応が遅れたというのもある…。
サスケくんがナルトもヤマト上官も本気で殺しにかかってたこともある。
私目掛けて、戸惑うことなく剣を向けてたこともある。
私は今回もサスケくんを命懸けで止められなかった。
ただ、ナルトに頼んでただけ。
見てただけ。

今回はサイやヤマト上官まで傷ついた。
自分だけ頭が呆然として出遅れて…見てただけだった。
ダイスキなサスケくんを前に…私は…嬉しさと悲しさで…。
何も出来なかった…。

私はどうすれば良いんだろう。

最近、サイにうるさく

「君はナルトが好きなんだろ。
サスケくんは信用に値しない。
僕は実際、会ってみて分かった。
君とナルトがいうような人間ではない。
君のためにも忠告する。
君はナルトを好きになった方が幸せになれる」

とうるさい。

それからお母さんまで

「最初はね…九尾を持ってるし、お母さん、ナルト君に偏見があったの…。
でもね、実際、良い子じゃないの?
サクラの命を毎回、助けてくれてるみたいだし…強くなって来たみたいだし。

娘の命の恩人にはお母さん、無下にできないわ。

ナルト君はサクラのこと、好きなんでしょ?

噂流れてるわよ。

ナルト君にしときなさいよ。

それからね。

もうサスケくんのことは諦めなさい。。

サクラも殺そうとしたし、ナルト君も毎回傷まみれだし…。
抜け忍で死罪だし。

お母さんはね、ただ、サクラの将来が心配でたまらないのよ。

親心だと思って、聞いてちょうだい」


とうるさくてたまらない。

それなのに…私はサスケくんのことが…今でも好き。
昨日会ってみて分かった。

サスケくんを前に頭があまり動かなかったのが証拠。

今までの思い出がいっぱい頭の中に流れて…。

私は遠くからナルトやサイやヤマト上官が…サスケくんと闘っているのを…。
ただ停止して…見てただけ…。

今回もみんなの役には立てなかった…。

私にいったい、何が出来るんだろう…。




【サイ視点】

僕はダンゾウ様の命を受けて木の葉の里にやって来た。
今回初めて、サスケくんと言う…僕が第7班に所属する前にいた人間とあってきたが、期待外れだと判断を下した。

ナルトやサクラが言うような人間ではない。
サクラが以前、サスケくんを好きだったらしいという情報はナルトから聞いた。
サクラは相当、男の趣味が悪いらしい。

僕はサクラの将来が心配でたまらない。
僕はサクラのことを

「ブス」

だと貶したが、ナルトが言うにはサスケくんと一緒にいたことにはそれなりに色気があったらしい。
全く想像もつかない。
サクラは僕の目からは男同然だ。

その頃はサクラはモテてたらしい。
ナルトが言ってるが僕には理解が出来ない。
ナルト君がいなくなってから、サクラは「おかん」同然になったと…ナルトが説明するが…僕はサクラに色気の毛の字を一度も感じたこともない。
たいてい、サクラは僕を見ても、嫌そうな顔しかしてない。
どうもサスケくんじゃなく、僕が第七班に入ってきたことに関して、歓迎してない節がある。
しかし、最近、ナルトとサクラと友情が芽生えつつあるのは実感してる。
僕は、男だから理解できる。
サスケくんは相当、劣悪な人種だ…。
思考回路は相当変わってる。
女性には受けがいいのか知らんが、僕には何故、サクラがサスケくんを好きなのか理解に苦しむ。
ナルトにしとくべきだと、強く思う。

因みにイノも昔、サスケくんを好きだったらしい。
サスケくんは僕の敵でもあるらしい。
イノに作り笑いで

「美人だ」

と褒めたが…僕はイノのことを気に入ってる。
サクラとは比べ物にならないくらい、イノの方が色気がある。

サスケくんは僕が殺しに行く。
どういう人間か判断は最初に僕の考えで下す。
だから、誰より先に僕はサスケくんの居場所に接近した。

木の葉の里で居場所がなかった僕に対して、最初から優しかった人間はイノくらいのものだ。
頬を染めて嬉しそうに熱く歓迎してくれた。
僕は正直、イノが昔、好きだったらしいから…サスケくんに興味が湧いたが…。
あれは止めとくべきだと感じた。
僕とはとても相性が悪い。

イノの男性の趣味も悪いらしい。
僕はイノの未来も心配でたまらない。

ダンゾウ様のスパイとしてこの里に送り込まれたが…最近、この里に留まることに未練がある。

癒しがあるからだ。






【ナルト視点】


最近のサクラちゃんには色気がない。
恋する乙女のアレな。
サイがサクラちゃんのこと、

「ブス」

だって貶してるけどよ。
サスケがこの班にいた頃は…

(サクラちゃん、黄金時代かよ?)

ってくらい、ナンパばかりでモテてたんだってばよ。
サイは

「絶対、君はうそを言ってる」

と否定して仕方がねえが。
本当なんだってば。

俺はさ、サクラちゃんに恋心を取り戻してくれるように

「デートの計画するからよ、サクラちゃん」

とかいろいろ、頑張ってるんだけどさ。
サクラちゃんってば、ずっとおかん。
もうさ、実は…俺、最近、日向のことがちょっと気になるんだけどさ。
サクラちゃんの前では恋愛の字なんて出せないわけ。
サクラちゃん、恋愛捨てて頑張ってんのにさ。
ぶっ壊した当の本人だけ浮かれるなんて…俺には出来ねえってばよ。

相変わらず、サスケはあの調子だし。
サクラちゃんの中のフェロモンって言うか…女心が消えてしまってよ…。
俺は、サクラちゃんが不憫でならねえ。

昔はさ、ヒタムキで馬鹿やってるサクラちゃんが見てられなくて…。

(サスケが冷たすぎるし、俺が強くなった時にゃ、サクラちゃん、目を覚まさせて、こっち向かせてやろう)

ぐらいの気でいたんだってばな。
物わかりが悪いくらいのサクラちゃんが俺は好きだってばな。
サスケの前で顔赤らめたりモジモジしたりな甘えたりで、いつもサクラちゃんってば凄かったってば。

でもさ。
サクラちゃん、最近…色気がねえの。
サスケのこと、大好きアピールしてるとき以外さ。
女って言うより、もう、おかんだってば。
平気で男殴るしさ。
照れたりとかしねえし。

もうすこし、サクラちゃんも色気出て欲しいってばな。
俺の好きなサクラちゃんは…映画の中のヒロインのようにひたむきな愛で溢れてるのによ…。

俺、最近、サイとそんな話ばっかりしてるってばよ。
それにしても…サスケの服が凄かったわ。
あれでいつもアイツ、修行してるんってばか?

アイツも復讐しか頭にねえみたいだが…大蛇丸に乗っ取られるって何度も俺、説得してるんだが…。
全く、聞きはしねえ。
強くなってることだけは認めるがよ。
俺はサクラちゃんが不憫でたまんねえってば。
サスケ、早く目を覚ましてくれってばよ。

サクラちゃんを女にできるのはオメエぐらいしかいねえみたいなんだってばよ。
俺もさ、サクラちゃんに女心を戻すためにいろいろやってるんだけどよ。
無理っぽいってば。

サイからも

「あれは女ではない」

ってブーイング出てるってば。
サスケの野郎は何考えてるんだか。
何で、あれだけ説得しても、聞きゃしねえのかもう分からねえが。
乗っ取られるってことは死ぬって意味なのによ。
俺はサクラちゃんが俺に頼んだから、サスケを戻すわけじゃねえ。
俺なりに、サスケをカラかって力がないことは焦らせたのは自分だって後悔してるからだってば。

あの当時のサスケは…スランプだったてばな?
能力のだ。
俺は絶好調で、つい自慢ばかりしてしまったてば。

サスケ、兄への復讐なんて止めて、里へ帰って来いってばよ。

それにしても今回、サクラちゃんの前でも剣を向けてるとこに…ヤマト上官が庇って怪我したけどよ…。
アイツ、サクラちゃんのこと、どう思ってるんだってば?
俺はな、サクラちゃんが不憫で仕方ねえってばな。
サクラちゃんに傷与えなかったのは、幸いだ。
でもな、サスケがサクラちゃんに傷一つでも与えようものなら、その前に俺がサスケはぶん殴る。
黙って見てる訳なんてねえ。
そんな隙なんて絶対に与えねえ。

サクラちゃんは俺にとって家族も同然だ、俺が守るってばよ。
まあ、恋とはちと、味が違うが…サクラちゃんは…俺にとって肝っ玉母ちゃんだ。
サクラちゃんに傷与える気で近付くなら…絶対、指一本触れさせねえってばよ。











力付くでもモノにする(再会)「会いたかった」15歳。

目次

高みの見物久しぶりの顔見せだけの再会



















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