アナタノコトガスキデス

萌え妄想のまま走るいろいろ創作小説の予定。苦情無断転載禁止。

……社RQターシャ泉の巫女@(改)タリアは泉の半径1KMで性転換する特異体質。本命との成就は果たせるか?

ター シャ泉の巫女@





「ターシャ泉の巫女様!!! 会いたかった……」

 ここは、特別な行事を除き……女性しか侵入が許されない神聖なる湖だ。  
 頬を染めて、瞳まで輝かせ……俺へ近寄って来る信者がいる。  
 肩揃えな黒髪に、膨らんだ胸と低身長な背丈。 俺が所属する学校に通うクラスメイトの女子だ。
 名前は――――異能 マナナ、17歳。 見た目は普通の女子だ。 顔に特徴なんてない。
  『ダイエットするなら、お菓子を食べるな』……とは叱りたくもなる。
  目鼻立ちも、まあ良いのかもしれない。 しかし、性格がダメ過ぎる。 もう最悪も良いところだ。
 クラスでは割りと男には好評だが。 俺は大嫌いだ。 ずっと本気でドン引きしてる。
  クラスでは仲が険悪で……仕方ないが。
  俺は今、黄色い後光が差す"泉の妖精"で、華奢な金髪碧眼系女神に変貌してる。

『…』  

 いつも通り無視する。 俺はクラスで……マナナが大嫌いで通ってる。

☆「ターシャ泉の巫女様。マナナのことなんてどうでもいいわ。私と話してくれる? えと。もうすぐ試験なんだけど合格するように祈ってくれるかしら?」  

 今日、お祈りに来た お客さんらしい。 マナナもよく来てるが、このお客さんも数回目だ。 俺より2歳上で19歳の女子大生らしい。
  茶髪で胸元まで伸びてるユルふわ巻きだ。 服は普通でピンクシフォントップスに、下はデニムのスカートだ。 スピチュアルが大好きらしい。
  週に1度……巫女様姿へ変貌した俺からの祈祷を 求めて、訪れる程度な固定客だ。

『祈ってあげましょう。汝に幸せが訪れるように』
☆「ありがとうございます。本当にいつ見ても女目線でも惚れ惚れする美人だわ! ターシャ泉の巫女様って! さすがターシャ神に選ばれるだけあるわ…。私とは格の違う人間って感じね……?」  

 他にもいろいろな人達が、俺が出勤する赤いテントへ訪れる。

[もうすぐ娘に子供が生まれて来る予定です。その時、安産でいてくれるように祈ってくれないでしょうか? ターシャ神に選ばれたターシャ村の巫女様! ターシャ泉の妖精様! 私に力をください! お願いします!]  

 今回は中年の太っちょな叔母様だ。

『お祈りいたしましょう。心を込めて』  

 正体がばれない様に。 今だけは女言葉をつかってる。
 体も女に変身してるから、声も女声だ。  
 俺は今、16〜17歳程度の女だ。 華奢な純白のドレスを着てる。
  頭から伸びた長い金髪は、橙色と金色の間で星のように輝く。 体は華奢で、人形によく例えられる。 "ミロのビーナス"に似てるらしい。 あれより華奢な手足かもしれない。 "ターシャ泉の巫女"とは……村にとって、捧げ モノみたいな儀式だ。
  この役目を嫌がってる。 "ターシャ泉のミサ"へ村に暮らす女性達は頻繁に足を伸ばす。
 ここで心を洗う気らしい。 他村や世界中から女性軍団が……"ターシャ泉ミサ仕事場"へ悩み事だけ吐き捨てて行く。 
  俺はターシャ村のために……。 必ず、どんな日も……。 台風が来たとしても……。 熱が出ても……。 夜7〜9時はココに立つべき村の守り人だ。  

「しょぼーん……」

 一番客……マナナは、俺が会話しないことに対して……今日も諦めたらしい。
 悲しそうな声をヒョウキンに出して、離れ去った。
  肩で息を吐いた。 マナナの姿がミサ施設内に見えない。 一端、外へ行ったらしい……。
 それか、勝手に帰ってくれたのかもしれない。
  どうせ好奇心目的なんだろう。 アイツがする悩みは毎回……。
 ――――「テストの点数が上がりますように!!!」―――― それぐらいだ……。
  俺に祈る暇があれば、家で勉強をすれば良い。
 俺は勉強する時間まで、ミサ祈祷仕事で奪われてる。 これが……俺の家に掛けられた呪いだ。

  「ターシャ泉の巫女様。私と友達になってくれます? 同じ歳ぐらい……ですよね?」
 『……』  

 そこで不意を突いて、肩揃えな黒髪に低身長巨乳系女子――同じクラスメイトなマナナが、俺へ近づく。
  どこかに隠れてたらしい。 マナナは時々、こういうイタズラをして面白がる。 人の反応が見たいらしい。
  俺の後光が赤く光り、それから紫に変わる……。 そのあと緑だ。

『……』

 今日は日曜日だから、マナナは私服で ラフだ。
  白いシフォン調丸襟ワンピースの胸元から……乳房の谷間が覗いてる……。
 マナナの肩揃えな黒髪が揺れて……上目遣いで、黒い瞳は潤んでる。
 マナナの白いワンピース……俺が現在、着てる純白なドレスに似てる……。
  わざわざ似た洋服を選んだのか? まさか。

 『…』  

 俺はガン無視だ。
  俺は今、ターシャ泉の不可思議な力で性転換をし……金髪美人に化けてるが。 マナナは好きではないからだ。
 俺の普段は……黒髪短髪で、冴えない容姿をした男だが……。
 ターシャ泉に近付けば……色素が薄い肌に、淡い金髪へ変貌し、瞳からもほとんど色が消え青くなる…。 それから女性の体躯へ移り変わる。
  天へ向かって祈りを捧げる。 村が永続的に平和であるようにと。 そこへ女性達が集まる。

「本当にいつ見ても"ターシャ泉の巫女様"は綺麗ですね? 私も尊敬します!!!  毎日、ここでお祈りを…村のためにしているんでしょ?」
 『…』

 馴れ馴れしい。
  俺の後光が、赤に変わり……緑にもなり、濃い紫へと変わる。
 まるでクラゲみたいに後光が変色する。 見た目が妖精な不思議生物だ。 溜息を吐いた。

「美しい金の髪に白い肌。金髪美人ですね」
 『……』
 「体全身から出るランダムな光り方も本当に綺麗。さすが泉の妖精って感じです!」
 『……』
 「夢のような美しさですね」
 『……』
 「あの……。反応してくれないんですか? 家はどこなんですか? やっぱり…泉の下なんですか…?」  

 呑気に尋ねてくる。 興奮してるのは伝わって来る。
 後光は今、緑色だ……。 この後光が珍しく、リピートする客も多い。

『私は忙しいのです。今、構っている暇などございません。他にお客様がたくさんいらっしゃいますから』

――(早く帰れ、去ってくれ)―― と言う意思表示をした。 ずっとこんなノリが続いてる。

 「そうですよね。お仕事の邪魔したらダメですよね。私、機転が効かなくてすいません」
 
 肩揃えな黒髪を振動させて、マナナは困ったような表情をした。 黒目を左右に動かして上目遣いに伺い見てる。 マナナが着てる白いワンピ―スの丸襟は、胸元が大きめに開いて……谷間が覗いてる。 マナナは私服の露出が激しめな系統が多い気がする。
  これは勘違いで、流行ってるからなのかもしれない。  

『……』

 俺はマナナは嫌いだ。 顔を見れば不機嫌になる。
 今、赤い後光に包まれてる。 ……それから紫にも変わる……。  冷たく睨んだ。

「ごめんなさい。邪魔して。私のお母さんも”ターシャ泉の巫女様”ファンで。毎回、聞いてるのですが……お名前ってあるんですか?」
 『…』  

 一切、無視して次客へ対応する。

『来てくださってありがとうございます。今日の御用件は何でしょうか?』
 [良いのですか? 隣の女の子。何やら……"ターシャ泉の巫女様"に話しかけていますが。先に私が語りかけても]
 『良いですわ。私は、なんびとにも平等ですから』  

 今日は特に人が多い。 10人ぐらい捌いたら帰れると予想してたのに…。 今、金髪美女に変身してるが…。ドンヨリする。

「私、帰ります……。また明日も来ても良いですか? 私のテストの点数、上がりますか? "ターシャ泉の巫女様"には特別な力があると……村の人から聞いてます。友達になれたらなあ……」  

 マナナは隣でまだウルサイ。 ずっと執拗に絡んで来る。 仕事が他の客へやりにくい。 営業妨害も同然だ。

  『要件をお願いします。ミサは時間が決まってるので……』
[えっと……夫が病に伏せていて。それで……病が治るように祈ってもらいたいのです。 お願いします……。ターシャ村の泉に住むという、神々しき巫女様の力を借りれば。 万事治ると聞いて遠方からやって来ました。それにしても本当に……妖精のようですね。 肌が光ってると言うか……]
 『分かりました。手を差し出してください。私が力を与えます』  

 これは本当に力を与えてるか謎だが…。 決まり文句だ。 ――――割りと何故か俺の元へ来た客はこんな雰囲気だ。 しかし、マインドコントロールか仕組みは謎だが…。 御利益は貰えてるらしい。 ……再度、効いたから訪れる人間が多い。

[力がみなぎるようですわ。また……何かあったら来ます。遠方ですが、効きそうです。巫女様の光る手から、私の元にパワーが沸いてきた気がします]  

 肩揃えな黒髪、白いワンピに巨乳低身長な女子――異能マナナは……帰って行ったらしい。  
 俺の後光が青い。 そこから水色になる……。
 この煌めきが効いて……誰もが妖精と信じて疑わない…。
 俺は溜息を吐いた。 今日の顧客名簿リストを眺めた。あと……6人も今日は客が残ってるらしい……。

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 6人は捌いた。 寄付も貰えるが…これが俺の家にとっては収入源にもなる。 しかし…"ターシャ泉の巫女"の正体については町中へ黙ってる。
 もうそろそろ、ミサが終了する時刻で、夜9時だ。 これのせいで塾すら通えない状況だ。
 
――(ミサが終われば…真っ先に帰宅して、課題に取り組まなければならない。  宿題も山積みだ)――  

 ミサ施設がある赤いテントを出れば、夜空に星が煌めいてる。
ターシャ泉に架かる橋――――”関係者以外立入禁止橋”を越えて、歩く。
それから、ターシャ泉の東――――”関係者以外立入禁止地区”にある、青いテントへ行く…。
 敷地面積は、6畳一間だ。 着替えるために存在するスペースだ。 一応、屋根は鉄筋造りで、高床式になっている。 見た目以上に、建物は頑丈だ。 これも重要文化財らしい。

『……』  

 青いテントへ入る…… 内部に、クローゼットがある。 "ターシャ泉の巫女"で装備する衣装が、収納されてる。 手前に全身鏡もある。 そこで、姿を確認する。 鏡の中に映る自分は、青い光に覆われた天女そのモノだ。 天使や"ミロのビーナス"。 そういう妖精的な類の生物に見える…。

――(今日もばれなかった)――  

 安堵しながら、着替えを済ませる。  

 ターシャ泉から1km離れれば、男へ戻る。 今日、日曜だから私服だ。 上は青いチェックのボロシャツ、下は普通の長ズボンだ。  父親は今頃、神社にいて神仏へ祈祷してるだろう。 村が平和であるように。  
 ここは、”ターシャ泉”……世界遺産にも登録された場所だ。 結構、広い湖だ。 遠浅な青い泉だが、中心が沼地になってるらしい。 ターシャ泉は、現在……女人しか入れない神聖地だ。 年に一度、開催される"ターシャ祭" だけ、男女共に通過が許可される。

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 俺が暮らしてる家は、ターシャ国立自然公園に複数ある…神社の一郭だ。 もちろん、ターシャ教を祀ってる。 立地条件はターシャ泉ミサ施設の隣にある神社だ。 実家……ターシャ神社は、屋根の上に十字架が乗ってる。 神社の目前には、赤い鳥居がある。 黒い玄関扉には……ターシャ教が示すシンボル……右半分がオレンジ色で笑顔、左半分が紫色で泣き顔――――そんな鬼面模様が描かれてる。 神社内部……廊下には、宗教画もたくさん飾られてる。  
――――帰宅する。

『母さん、ただいま』
 ||「おかえりタリア。今日は何人、お客様が?」||
 『31人…』 ||
「それは多かったわね? 日曜日なのに、大変ね。毎晩、7時から9時までお疲れ様」||  

 日曜は稼かせぎ時だ。

  『これ、寄付』
||「ありがとう…」||  

 こんな日常だ。

|「アナタ、眼鏡ミルルちゃんって子が好きらしいわね。タリアの幼馴染、キセキ君から聞いたわよ……。タリアにはもう既に許婚がいるのよ? タリアが勉強、頑張った暁には……タリアが20歳ぐらい頃、面会する話が決まってるけど……。ミルルちゃんはどんな子なの?」||
『……』
||「タリア、辛いでしょ? アナタも……。アナタのお父さんの、お姉さんも同じ役目だったけど……。一度、眼鏡ミルルちゃんって子をお母さんへも紹介し てね。……モデル体型の長身美人さんらしいわね。キセキ君から聞いたわよ? 頭脳明晰で、しっかりした子みたいだけど……宗派は何なの? タリア?」||
『もう二階上がる。夕飯、部屋まで持ってきてほしい』 ||
「分かったわ。また、はぐらかすのね? 母さんがあとで持っていくから。学校の宿題もあるんでしょ?||
『……』
||「絶対、眼鏡ミルルちゃんって子、母さん にも写真で教えてね。ウチの月神家へ嫁に来るかもしれない子なら尚更ね…」 ||
『……』  



 

 



 












小説目次








  次作の設定などを練ってる間に、一次創作処女作の改稿作業を行います。
一応、改稿前の元作品も……今までの読者のために残してます が……。
やはり、誤字凡ミスが多いので。
手直しすることを決断致しました。

 二次創作と違い、一から世界観を綴るのは大変でした。
いろいろ挑戦話でした。
特に……初期はオリキャラの名前と、個性的な台詞で混同してました。
 力量のなさを痛感しました。
さすがに、手直しさせて戴きます。
長年漫画しか読んでこなかったので、小説の基本を叩き直します。

綴ってた番外短編の続編は、WEB拍手お礼小説に掲載してます。
本気で文章力、精進したいです。


(2015/11/09)




登場人物など


≪眼鏡ミルル≫


「異能マナナ」
…月神タリアの幼馴染

☆「王族レイカ」
…スピルチュアルの好きな女子大生

 
『月神タリア』 (女体化)

 
「灯台キセキ」
…タリアの親友

 
U難波カンサイU
…キセキを崇拝する女子

 
||大和ナデシコ||
…キセキを崇拝する女子





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