アナタノコトガスキデス

萌え妄想のまま走るいろいろ創作小説の予定。苦情無断転載禁止。

日常(サクラバージョン)結婚2日目 



綱手の任務から解放されれば夕方頃。
忍者医療班を抜ければ結構な時間になっていた。
今日は新婚ホヤホヤ二日目だ。

(昨日は初夜が終わり何だか変な気分。
今日は体が火照ってる。
今夜もなのかな…?
ポッ…)

野暮な妄想をしつつサクラは慌てて家路へ向かう。
その道中、サスケがいた。

「サスケくん?」

『ちょうどこの辺通りかかったから』

サスケ君は何だか暗部の仕事らしくて…極秘任務のため教えてはくれない。
昨日が新婚だというのに…来週にはまた一週間ほどここを経つらしい。
悲しい話だ。

「サスケくん、えへ。
背中の家紋がお揃いだね?
今日、職場でみんなにこの服ビックリされた。
この服、便利だね?
言わなくても、うちは一族に嫁入りしたって分かってもらえるみたい」

『…うちは一族は代々、背中に家紋を背負った服を着る…。
全員だ』

「ねえ、サスケくん。
これから私と夜のデート、しない?」

『帰るぞ』

「ぐすん…」

(結局私はサスケくんとデートをしたことがないのだ。
やっぱりしてみたいな、本音は)

「ねえ、ダメかな?」

『何が?』

「だから、デート」

『俺、来週にはここ旅立つから時間は有効利用したい。正直、俺ら昨日結婚したとこだし俺飽きるまではセックスしたいんだけど』

「エ…」

何言われたのか一瞬理解不能でサクラの頭が真っ白になった。
しかし合致してサクラは赤面した。

(そだよね、来週長期だものね。
サスケくんの言う通りなのかもしれないけど…)

「私、ずっと昔からサスケくんとデートするのが夢で…」

『昔、任務でナルトなしで二人で敵と戦ったこともあっただろ。
ほら、帰るぞ』

(あれは断じてデートじゃない、任務だ。
しゃなろー)

サクラは悶絶した。

「イジワル」

『じゃ、寄るか?』

「どこへ?」

『お前の実家、顔見せだけ』

「うん」

月明かりが綺麗だ。

「サスケくん、手、繋ご」

『帰宅後だ』

「え」

『子供じゃないんだから諦めろ』

「…」

サクラはブウ垂れた。

「サスケくん…」

『何?』

「私のことどう思ってる?」

『帰ってからで良い』

「サスケくん。
酷い…。
プロポーズ、私からだし自信ないのに…。
ね。
サスケくんって、もしかして…。
体目当て?
結婚してからエッチなことしか言わないから、私、不安で」

『お前うざいな…。
ほら、着いたぞ』

(久し振りというか、二日ぶりの実家だ)

今日、電話でサクラは母と会話したとこだったりする。

『すぐ帰るから。
顔見せだけな』

「ぐすん…」

サクラはインターホンを押した。

ーーはあい?
春野ですけど、どちら様?

ーーお母さん、開けて。
ーーサクラ?今、開けるわね。

サクラの母は慌てて、玄関のドアを開けた。

||あら、サスケくんも一緒なの?
上がって||

『いや…。
これから自宅で残務課題があるので。
渡したいものがあって来ました』

||そうなの?||

サクラの母が落胆する。

「お母さん、ごめんね」

サクラがフォローした。

||そうなの。
サスケくん、どこ所属?||

『暗部に決まりました』

||あそこは大変ね。
分かったわ||

サクラの母は納得した。
暗部はかなり実力者揃いだがその分、極秘任務が多くかなりハードなので配属されるのを嫌がる場所だと聞く。
それに遠征も多いらしい。

「また来るから…」

サクラは母に謝罪した。

『この御手洗団子ささやかな物ですがどうぞ…。
サクラのお父さんと食べてください』

サスケは鞄の中から名物の御手洗団子を出して手渡しした。

||あら?
これ、すごく人気商品なんでしょ?
良いの?
並んだでしょ?||

サクラの母が喜ぶ。

『どうぞ』

「サスケくん、良いの?」

『サクラの分もあるから』

「わーい♪
ありがとう、サスケくん」

サスケの口元から微笑が漏れた。

||この御手洗団子、主人の大好物なのよ、サスケくん、ありがとう||

『いえいえ。
それではこれから仕事があるので。
お母さん、また来ます』

「お母さん、またね」

サクラが小さく手を降る。
サクラの母が嬉しそうだ。

||分かったわ。
また来てね。
サクラと仲良くしてやってね||

『はい…。
それでは』

サスケはクルリと背を向けた。
サクラはその後を追う。

「お母さん、それじゃね」

||サクラ、サスケくんと元気でね||

サクラの母は玄関先からニコヤカに手を降っていた。

家の前から遠く離れてから、サクラはサスケにお礼を述べた。

「サスケくん、ありがとう」

『良いんだ。
これぐらい。
俺はこの里から非常に冷遇されてるから。
少しでも点取っとかないと』

「サスケくん…。
そんなことないよ。
今日、お母さんから電話があって、サスケくんのこと、良い人だってお母さん、誉めてたよ」

『そっか。
でもお前のお父さんの方が俺は攻略難しそうだ』

「そんなことないよ。
電話ではお母さん、お父さんも喜んでたって」

『そうだと良いが』

(サスケくんはこの里で頑張ってる、私の家族にも認められようと必死だ)

サスケの背中が小さく見えた。
サクラはサスケの背中を後ろからそっと抱き付いた。

「サスケくん、ありがとう」

(お団子ありがとう)

『…』

サスケからの返事はなかった。

その時、通りの向こうから熱い声がした。

<サクラさん!>
「リーさん」

サクラは慌ててサスケの背後から離れて照れ笑いした。

リーはサクラを発見するなり、にじり寄ってきた。

<サクラさん、結婚したって本当ですか?>

どうやらリーにも噂が伝わっていたらしい。

「サスケくんと…。
昨日ね…」

サクラは頬を赤らめた。

リーにフツフツとした怒りが沸いてきた。

<サスケくん、今から僕と勝負しませんか?>
『…』

サスケは表情ない顔で眺めてる。

「リーさん、サスケくんは今、里の住人との戦闘を禁じられていて」

あの戦争以来、サスケの任務外の戦闘は謹慎刑が出てたりする。

<サクラさん。
すいません。
黙っていて下さい。
でも僕は納得いかないんです。
僕が刑に処されてもこれは引けないんです。
男の戦いです。
サスケ君、引き受けてくれますね?>

リーは怒りで胸が震えていた。

サクラはおどおどした目でサスケを見詰めた。
サスケはリーのもとへと歩み寄った。
サクラはハラハラしながらサスケに止めに入った。

<君は里を襲った犯罪者だ。
絶対に…僕は許しません。
里は君の一族を奪った。
それから君も処刑する気だった。
どうして帰って来たんですか?

香燐さんが里で…サスケくんのことを言って泣いてました。
君は女泣かせな酷い男です。
君は闇世界の方が似合う。
僕はあれから強くなりました…サクラさんに認めてもらうために…ずっと修行してました。

今の君を越えてる自信もあります。
役職も僕の方が上です…君は僕より下です…僕は里で認められ、両親もいるし…将来性もあります。
ガイ先生にも愛されてます。
里の住人も君をまだ歓迎してません…僕だけじゃない…サイも、君を疑ってます。
他にもアカデミーや忍者学校の出身の…僕の男友達数名が…君を疑ってる…。

里は君をまだ認めてない…僕を憎んでいいです。
闘ってください。

僕と真剣勝負しましょう…。
僕には分かる…里をまだ、君は恨んでる筈です…。
ナルトに負けたから…留まっただけだ…。
その証拠に…ナルトの結婚式には、君は来なかった。
ナルトの結婚式で集合写真にも映ってない。
木の葉の額宛てもしていない…。

僕はここで…君と力比べします…。
闇世界に帰って下さい…。
君は…期を伺って里崩しを決行する気です。
額宛てを未だにしてないのが証拠です。
里はまだ完全に君を認めてません。
君の居場所はここにはありません…。
僕は既に忍者学校の教師です、君とは全く違います…里で全員に認められてます>

(信じられない。
リーさんがこんな悪い男だったなんて。
サスケくんの心の痛みが分かってないみたい…。
私はどうすればいいんだろう…。
サスケくんはこんなに必死に里で認められようとずっと頑張ってるのに…)

「サスケくん…」

『分かってる。
少しだけ退いてくれ。
そして後ろを向いてくれ。
数秒で済む』

「サスケくん!
駄目よ。
お願い止めて…」

「里の全員が認めてなくても…私はサスケくんを認めてる。
私はサスケくんの味方…。
お願い…サスケくん…怒らないで。
サスケくんは頑張ってる。
分かる…みんなに認められるために必死なことも…。
サスケくんのお兄さんに…サスケ君以外の一族を全員…処刑させた悲しみは…きっと、受けた人しか理解できない悲しみ。
それからずっと、サスケくんは…家族もおらずに…一人で寂しくて、あんなことした気持ちも私には分かりつつある」

「サスケくんの屋敷には墓ばかり。
リーさん。
サスケくんを責めないで。
サスケくんは子供のころからみんなに認められるために必死だったの。
サスケくんは何人の大切な人を里に殺されたのか分からない…甘える人間もいず…ずっと頑張って来たの。
リーさんもサスケくんのこと、認めてあげて…里もサスケくんに酷いことしたの…これ以上、サスケくんを悲しませないで。
お願い、戦わないで…サスケくん…。
リーさん、どうして…こんなひどいことを、サスケくんに…」

「ナルトは話が分かるのに…サスケくんの心の痛みが理解できてるのに…。
どうしてリーさんは分からないの?
私の知ってるリーさんはこんな男じゃない…もっと心が温かくて・・・正論しか常に言わない熱血な人。
お願い、サスケくんを許してあげて。
認めてあげて。
リーさん…」

サクラの瞳から涙が流れた。
リーはそれでも怒った顔だ。
サスケは無表情だ。

『信じろ。
勘違いするな。
かつての俺ではない。
背後向け』

サスケに命令されてサクラは不安になったが、グッと胸を堪えて後ろを向いた。

(サスケくん、千鳥だけは止めてね。
ううん。
昔のサスケくんじゃない。
私、信じてる…)

サクラの背後から二人の会話が聞こえてくる。

『悪かった』

<何言ってるんですか?>

『今まですまなかった』


<僕は先生と懸けていたんです。サクラさん、どうして、サスケ君なんですか?
サスケ君よりきっと僕の方が将来性だってあります。
僕は今、凄く悔しいです>

『許してほしい』


<君のせいで僕のガイ先生は僕に職業を譲ると言ってきたんです。
僕はどうすれば>

『申し訳ない…』

<もう良いです。
今の君に何言っても無駄ですね。
このっ腰抜け野郎です。
心まで弱くなったんですね。
サクラさん…どうしてこんな奴と?
僕には…理解できません…。

分かりました…。
僕の敗けです。
しかし、君がサクラさんを泣かせたら僕は君の顔をボコボコにします…。
サクラさん…ひっく…

サスケくんは罪人で殺人者だと…サクラさんとは釣り合わないと…僕は悔しい…。
君は君がいない時、サクラさんがどれだけの男性にアタックされてたか知ってるんですか?


--罪人のサスケくんより俺にした方が幸せになれる--
みんなこう言ってアタックしてました…。
アカデミーや忍者学校時代の男性で交際してない人は、ほとんど全員です
君ほど男の敵もいません…。
帰ってきてそうそう…罪を全部償う前に…サクラさんの純情を利用して…体を奪う。
最低です。

君は自分の身分を弁え、ここから帰るべきです。
僕は里で「うちは一族」復興なんて認めません>

『ありがとう…』


『リーの顔見てやれ』

サスケの声がする。
二人の話し合いが終わったらしい。
サクラは振り替えって、困り顔でリーを見た。

<サクラさん、さようなら。
僕は今日から仕事一筋人間になります!>

リーはそのまま違う方向へと走り去っていった。
リーの瞳から大粒の涙がアスファルトにこぼれ落ちた。
サクラは心が痛くなった。

「…。
サスケ君、私の代わりに対応してくれてありがとう…。
本当は…リーさんには私が断らなきゃダメなんだって知ってた。
でも逃げてた…。
サスケくんが…私の代わりに謝ってくれたんだよね?」

『良いんだ。
俺は贖罪の旅のせいで土下座ぐらい慣れている。
経験上、ああいうケースはあれが一番効いた』

「サスケくん…」

サクラは感動した。

『リーにも未来がある。
プライドを挫く方法が一番諦めがつく。
中途半端に断るよりそれが一番効いた』
「…リーさんがあんなに…人の心の痛みが分からない酷い男だって私、知らなかった。
リーさんはいつも…正論しか言わない熱血な人だって信じてたのに…。
傷ついたサスケくんに…さらに追い打ちをかけるような…あんなこと、言うなんて…。
サスケくんが里から一族を奪われてどれほど傷ついてずっと生きて来たか…。
考えたら…あんなふうに責めるべきことでもないのに…。
リーさんがあんな人間だったなんて…」

『お前が悲しむことない。
あいつはお前の幸せを願っている』

「もしかして香燐さんにも?」

『したさ。
50回はした。
他のヤツらにも最低3回した。
思い出すと疲れる。
帰るぞ』

二人とぼとぼ家路へ向かう。

「サスケくん、手つなご」

『服の上から胸触らせてくれたらな』

「…」

サクラはドン引きしつつ了承した。

「少しだけね…」

サスケは少しだけ膨らみを触って、サクラの手を引っ張った。

『早く帰るぞ』

「うん…」

サスケの手が暖かい。
サクラは耳まで茹でタコになった。

そして自宅につくなり玄関でサスケからキスが始まった。
サクラは慣れないが応じてみる。

そのまま、下駄箱に体を崩した。

「サスケくん、ストップ。
今日も風呂がまだ」

『うざい』

「サスケくん…」

『サクラ、前から思ってたけど…』

「何?」

『お前、俺のどこら辺すきなの?』

サスケがサクラの服を脱がし掛かってる。

(どこらへんって…)

サクラは考えた。

「格好良いから。
あと優しいし。
それから強いし。
あとは…」

『もういい。
ありがとう』

サスケはサクラにキスをした、深いキスだった。
サスケの手がサクラの髪にかかる。
サクラの脳内が桃色になる。

「サスケくんはどうして、私と?」

『…。
サクラ、分かるだろ?』

「何が?」

『…………』

サスケは無言でサクラのおでこを指でつついた。
サクラは瞬きした、何故かドキドキした。

『そのうち分かる。
人間なんてそういうもんだ…』

サスケはサクラの首もとを甘噛みした。

「サスケくん…」

サクラには分からなかった。
だけどサクラはサスケが昔から理由なく好きだった。

『サクラ、これからよろしくな』

サスケがサクラの胸を撫でた。
二人の胸の鼓動が伝わった。
二人とも胸が高鳴っているのが分かった。
そのまま二人は深くまで行って、夜も更けた。
























































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