平和国からコンニチハアナタノコトガスキデス

萌え妄想のまま走るいろいろ創作小説の予定。苦情無断転載禁止。

 

タリアのマナナ躾帳K

『タリア視点』




☺---「そうだろうか?
 僕はもう充分、特別扱いしてるつもりなんだが…。
 告白もしたし。
 他に何が足りないんだろうか?
 デートにも誘っているし 」---
 

既読
---「うーーん…。
 キセキはモテすぎるのよね?
 あれって、私…。
 元カノ時代大変だったわ?」
 


☺---「大変だったのか? 」---
 

既読
---「 他の女性から私が悪口散々でね。
 そういうの含めてレイカさん、守ってあ げてるの?
 レイカさん以外の女性から距離置いてる?
 キセキってね、モテ過ぎるからチャラそうに見えるみたいよ?
 もっと真面目なのをレイカさんにアピールし てみたら?
そういうのがタリアと一緒になってから、全くなくなって…私は嬉しいけどね?
 そこもタリアの長所だわ」---
 



☺---「僕は…
 チャラそうに見えるのか? 」---
 

既読
---「チャラくないけどね、
 キセキの回りって常に最低、一人は女性がいるじゃない?
 それでよ。
そう思われてるのかもよ?
また、それが良いって女性も多いんだけど…。
昔、高校時代に女子たちがしてた会話よ、これ…。
常にいるでしょ?
 女性が、常に」---
 



☺---「それはそうだ。
 まるで神がかり的にだ」---
 

既読
---「キセキならできる!
 応援してるわ! 」---
 


☺---「今のLINE、君の隣でタリアが…全部、読んでるのか?
 
君たちは今、
 英子さんやナデシコやカンサイ…
 学習双子兄弟と
 ターシャ泉で花火を見てるのか??」---
 

既読
---「そうよ。
 どうして?
 そんなことを、もう一回聞くの?
 キセキ? 」---
 


☺---「君の隣でタリアは僕について何か言ってないか?
 どうして、僕に彼は冷たいのか?
 昔はもう少し僕へ喋ってくれた筈だ」---
 

既読
---「タリアは何も言ってないわ。
 静かに私の隣で今のLINEを読んでるわ。
 おとなしいわよ?
 ねえ?
 キセキ…いつ、平和国へ帰る気なの?
 今回は・…」---
 



☺---「そうか・・。
 タリアは…おとなしいだけなのか。
 僕の誤解なら良い
 僕の気国は・・明日、早朝7時のフライトだ。
 フライト時間が14時間もかかる。
 ターシャ祭りだからと言って、平和国は別に休暇じゃないからだ。
 僕のバイト先の塾だけは臨時休校だが」---
 

既読
---「そうよね…。
 ナデシコとカンサイが猛烈に悲しがってるわ。
 もしかしたら…。
 明日、空港まで見送るかもって話してたわ」---
 


☺---「そうなのか…。
 彼女達らしいな。
 君はまさか、僕のフライト時間を二人に伝える気なのか?」---
 

既読
---「駄目かしら?
 黙って欲しいなら、黙るわよ?
 キセキも本命に絞るべきだとも思うし…。
 
でも、今…キセキが来ないことに関して…。
 ナデシコとカンサイがまるで、お葬式のように暗いのよ。
 
私、頑張って…二人を説得するべきなのかしら?
 どう思う?」---
 


☺---「いや…別に、言っても良いが…」---
 

既読
---「そう…?
 
今回、英子さんがいるせいで…キセキ、ターシャ泉へ来れなかったものね?
 はあ…でも、悩むわ?
 学習イッチーと学習ニイ~のために黙るべきなのか…。
 キセキもそろそろレイカさん、一人に絞るべきだとも感じるのよ」---
 



☺---「そうだろうか?」---

既読
---「う―――ん。
 はあ、今回は黙っておくわ?
 カンサイやナデシコには可哀そうだけど…。
 黙るのも優しさだと思うのよ?
 キセキに会うと、二人ともキセキへ再熱する可能性があるでしょ?
 キセキ、どうせ…ナデシコやカンサイへ転ぶ気がないんでしょ?
 可哀そうよ、あの二人も…キセキに未練があるのが伝わって来るの。
 そろそろ他に行くべきだと思うの」---
 



☺---「そうか。
 それは正論かもしれない…」---
 

既読
---「もしかして…空港までナデシコやカンサイが見送ってくれるの、期待してたの?
 来てくれないと寂しかったりする?
 キセキって」---
 



☺---「一理あるかもしれない」---
 

既読
---「もう、困ったわね。
 じゃ、伝えてあげるわ。
 見送りだけにしてあげてね。
 ちゃんと、決別するのよ。
 二人の未来のために」---
 



☺---「分かった。
 君も僕を送迎してくれないのか?
 また来年まで・・僕はこの国へ帰って来ない」---
 

既読
---「はあ…。
 本当に手がかかるわね。
 タリアと一緒に行っても良いわよ?
 タリアは来ないかもしれないし…。
 今、聞くわ」---
 

☆☆☆

長すぎるLINEやり取りを一端…置いて、マナナが俺へ視線を送った。
マナナは花火を完全無視して、俺が座る隣でキセキとLINEをしてる。
二人は白熱に盛り上がってる…。
文章内容は悪くないが…ちょっと長すぎないか?

「タリア・…どうする?
来てくれるの?」

『良い…』

二言返事だ。

☆☆☆

既読
---「来ても良いらしいわ。
 ということで、同窓会じゃないけど4名で見送るわ。
 待ち合わせ、6時30分?
 ターシャ国際空港行きバス停ね。
 猛烈に早いわよ…」---
 



☺---「マナナ、ありがとう。
 君は本当に優しい。
 
それにしてもココだけの話…
 君は本気でいつからタリアが好きになったんだ?
 僕には謎が残る」---
 

既読
---「うーんとね?
 最初はタイプじゃなかったのよ?
 本気で何考えてるか謎なキャラだったしね、そんなイメージしかなかったわ?
 根暗に見えたし。
 
でも、付き合ってからタリアの性格を知ってね?
 割りと味があるじゃない?
 気に入ったわよ?
 罰ゲーム的なノリで、モテるキセキから敢えてモテないタリアで落ち着いてしまったけど…。
 今では欠かせない存在だわ?
 不思議なものだわ?
 交際って、そういうものよ…キセキ。
 タリアってキセキが言ってた通り、良い奴だと思うわ、何故か楽しいのよね?」---
 



☺---「そうか…。
 そういうものなのか?
 僕には分からないが…交際って」---
 

既読
---「思い返してみれば…好きになった境目が自分でも謎なのよ。
 交際してからな気がするわ?
 いつ、好きになったのかしら?
 実際に付き合ってみないと分からないことの方が多いんじゃないかしら?
 キセキがレイカさんとゴールできるように祈ってるわ。
 私は今、満足よ」---
 



☺---「そうか…。
 
その言い方だと、タリアも罰ゲーム的なノリで付き合ったが…
 今では君で落ち着いてるのか?」---
 

既読
---「そうじゃないかしら?
 あまりそう言うこと全然、言わないし…見合いにまで、私がいるのに勝手に参加して…。
 もう今回こそ、ブチ切れそうになったけど。
 タリアはね、まるで…私を試してきてるような気がしてたまらないわけ。
 そんなふうに…今では映るから不思議だわ。
 
正直、何を考えてるのかは…現在でも謎が多いわよ。
 けど、不思議だわ。
 ココで落ち着くのよね?
 腹はもう括ったわ、タリアのお義母さんだけが大変そうよ…私」---
 



☺---「タリア、そこにいるんだろ?
 君もこれを読んでるんだろう?
 マナナがどれだけ君に関して…困り果ててるか…。
 伝わっただろ?
 さすがに…。
 マナナをあまり、苛めるなよ。
 可哀そうだろ?
 女性は大切にしろ」---
 

既読
---「本当に同感だわ…私が初恋のミルルならもっと大事にしてくれたのかしら?
 って疑うレベルよ、これ。
 因みにタリアは全く、キセキが聞くような話を聞いては来ないわ?
 もうね?
 今でも不満はあるわよ!
 お義母さんに反抗してちょうだいよ!
 いっぱい、あるわ」---
 



☺---「タリア、僕は毎回…これをマナナから聞かされてる。
 聞かされる方の身になってみろ。
 君もそろそろシッカリしろ。
 
確かに、君のお母さんは僕も怖い。
 君の縁談を破談にさせた件で僕に怒り狂ってる、君のお母さんがだ。
 君からもキセキは良い奴だと、君のお母さんに伝えて欲しい・・」---
 


既読
---「本当よ、タリア。
 お母さんの前でおとなし過ぎるわ、マザコンなの」---
 


☺---「そうか。
 僕はタリアのお母さんがタリアを死ぬレベルに激愛してるのは知ってる。
 実はタリアのお母さんから聞かされていた」---
 


既読
 ---「今でも課題だらけよ?
 ハアアアアアア…。
 
でもね?
 
まあ、弁解じゃないけど、私も幼少時代は躾がなってなかったし、言いたい放題だったし…。
 けど、意外に良い奴だわ…タリアって。
 どっちかと言えば…。
 私はキセキへ子供の頃、走って行って…タリアはキセキの隣にいる、キセキの友達って認識が強かったのよ?。
 
タリアは四六時中、ミルルを崇拝して…キセキと恋愛話で盛り上がってるし、私はキセキと仲良くなりたいのに。
 タリアはそれよりキセキと一緒に、私を避けてミルルへの恋愛話をしたいみたいだし…。
 正直、全然…範疇外だったわ?
 
でも、じっくり付き合えば、また違う発見があるわ?
 成り行きで付き合ったけど、いろいろ新鮮だわ。
 付き合わないと分からないことだらけよ?」---
 



☺---「そうなのか?
 僕には謎だが、そこら辺が…」---
 


既読
---「だいたいね?
 タリアっておとなし過ぎるわ…最近、そう感じるわよ?
 昔は私に反抗的で、ミルル崇拝が凄かったけど…キセキの見る目は正しいわ?
 タリアはおとなしくて良い奴だわ?
 少しだけ庇ってあげるわ、そこだけは…」---
 


☺---「そうだろう。
 僕はそう感じてる。
 タリアによろしく言ってくれ。
 タリアは未だにモテる僕に対して怒ってる様子だからだ」---
 

既読
---「それは私も感じたわ?
 まあ、タリアの中では理解できるわ?
 ミルルがキセキを好きになるより前から、タリアはミルルに目を付けてたのよ?
 それがミルルはキセキしか見ず…キセキが教室でハーレムなんだもの…。
 私としても二人の和解を望んでるわ?
 
タリアだって、子供の頃はいつも
 『キセキは俺の友達だ、
 俺はこれからキセキと二人っきりでミルルへの恋愛相談をするんだ。
 邪魔な女はアッチへ行け』
 って言ってたもの。
 認めてるわよ、きっと。
 
それにしても…何も言わずに私の隣で、これ…読んでるわよ。
 本当に何考えてるのか?
 時々、謎よ。
 まさか…目を開けて寝てるのかしら?」---
 



☺---「タリア。
 今こそ、君とも和解できることを願う。
 君の崇拝したミルルは今や人妻で…。
 僕ももう悪い人間でもない筈だ。
 そろそろ仲直りできないのか?」---
 

既読
---「もうタリアがミルルを好きだったのはクラスメイトどころじゃないわよ。
 町内中、有名だったわよ…。
 本当に不思議な感覚だわ。
 
タリアって幼少時代、私の記憶では…ミルルを崇拝してる台詞しか蘇って来ないのよ。
 確かに、留学生のゼロくんの存在で…悲しいけど、タリアは長年の初恋に終止符を打ったみたいなのよ。
 
キセキもレイカさんが誰か意中の相手が出来るまではド根性で頑張ってみたら?
 私はキセキなら出来るって信じてるわ。
 キセキはモテるんだから…簡単な気がするんだけどね?
 
そろそろ花火がフィナーレだわ?
 これ、見たいからLINEはココまでね?」---
 



☺---「分かった。
 またあとで。
 僕は何故か君とのLINEが一番、続く。
 不思議な話だ」---
 

既読
 ---「それは私もよ?
 でも、話が続くと交際ってまた別物だわ?
 キセキのこと、応援してるわよ?」---
 



 ☺---「そうなのか??
 エール、ありがとう」---

☆☆☆

『………………』

長すぎるLINEのせいで…花火がフィナーレへ近付いてる。
沈黙を続ける。
…文章内容に感動する箇所もあるが。
二人はまだ距離が近過ぎる。
他の男とLINEする時だけ絵文字がない件は高評価だ。

「不思議だわ。
幼馴染って、何故か子供時代に戻ってしまうのよね?
明日来てくれるのね、タリア…ありがとう。
えっと…ナデシコやカンサイへはあとからLINEで伝えるわ…」

英子さんへ分からないように連絡をするという意味だろう。

「今日はこの花火が終了してから私は大仕事だわ。
タリアも少しぐらいは協力しなさいよ。
私のこと…」

『…』

☆☆☆


花火が終了し、サーファー風、Tシャツ短パンサンダル姿な金髪顔黒男――イッチーと・・…。
アニメ服を着た白デブ眼鏡―――ニイ~の学習双子兄弟は…オカマに見える赤い振り袖姿な英子さんに…気に入られたらしい。

二人は執拗に追いかけられて…英子さんと共に、3名で去って行った。

残された…女性3名。

紫な和装服に黒髪を上で結った大和ナデシコ…。

萌え系薄桃色なワンピースを着た小柄な難波カンサイ…。

あと、上は巨乳な白衣と…下は赤袴を着た…オカッパ黒髪で巫女装束なマナナ…。

3者は秘密会議を開始した。

「明日の早朝なんだけど…。
キセキが見送って欲しいみたいで…。
えっと…ターシャ国際空港、6時半に来れるかしら?」

Uウチ、もちろん…行くで!
キセキ君のためなら!U

カンサイははにかんだ笑顔を浮かべた…。

||あたしもよ!
有益情報をありがとう!||

ナデシコはしっとりと微笑んだ。

「えっと…タリアと私も見送りとして、来ることになるから…。
学習兄弟も…キセキの友達みたいだけど‥。
どうしようかしら?
彼らにも伝えるべきだと思う?
一応、奴らの電話番号ならキセキから聞いたこともあったし…。
勝手に今では奴らに電話帳へ入力をされて…登録されてるんだけど。
昔、ミルルを邪神国から返還するために募金活動を募った際には、奴らにも協力はしてもらったのよ。
キセキ…喜ぶかしら?
同窓会がしたい気分らしいのよ」

Uええ?
アイツら呼ぶん?
止めといたら?
ウチラだけでええんとチャウン?U

||う――ん。
キセキ君が果たして、喜ぶかしら?
あたし一人で喜びそうよ||

「キセキは英子さんだけは呼ぶなって…連絡があったのよ。
一応、奴らにもLINEで連絡をしようかしらって思うのよ?
だって、キセキ・…年に一度でしょう?
村が恋しいみたいなのよ」

Uええ?
そうやなぁ…。
キセキ君が寂しいんやったらしゃーないけど…。
アイツら要らんでU

||あたしも同感よ。
ハッキリ言って。
あたし一人で十分よ||

「一応、機転を利かせておくわ?
じゃ、集合場所は…ターシャ国際空港の市内循環系統バスの待合室でね?
今日はありがとう。
ナデシコ、カンサイ。
カンサイはひさしぶりだったけど…。
あまり変わってないわね」

Uどうもやで♪
ウチ、めっちゃ明日は楽しみやでU

☆☆☆

この調子で…二人の女性…。
ロリ萌え系桃色ワンピな難波カンサイと…。
紫着物に黒髪を結い上げた和風顔な大和ナデシコは…ターシャ泉から去って行った。

やっと、二人きりになれたが…。
マナナはまだスマホで学習イッチーや学習ニイ~とLINE連絡するらしい。

『…』

「忙しいわ…。
キセキのために同窓会をセッティングしなきゃ…。
明日は忙しいわね?
タリア…」

一応、隣で監視をしてる。

☆☆☆

学習イッチ―



既読
 ---「イッチ―お願いがあるの。
明日、キセキがこの国から出て行くらしいの。
ターシャ国際空港市内循環バス前、6時半集合で…私とタリアと…。
ナデシコとカンサイが集合するんだけど…。
同窓会として、イッチ―も来てくれないかしら?」---
 


☺---{了解っす!!
行くっす!!}---
 

二言返事だ。

☆☆☆

学習ニイ〜

既読
 ---「ニイ~…えっと…。
明日なんだけど…。
キセキが平和国へ戻るらしいのね。
で…私とタリアと…。
ナデシコとカンサイ…イッチーも集合するんだけど…。
ターシャ国際空港市内循環バス前、6時半集合は駄目かしら?
ニイ〜も来て欲しいの。

キセキが同窓会をしたいみたいで…」---
 


☺---◎分かったよん!!
いくよん!!
いひひひひひ。
ありがとう!◎---

ノリの良い双子兄弟だ。
英子さんが気に入る理由が分かる…。

☆☆☆
 
「これで良しだわ。
物わかりが良い双子兄弟で助かるわ…。
じゃ、タリア…。
一緒に帰りましょうか?」

『…』

「もう、なに黙ってるのよ?
今日から一緒に暮らすんでしょう?
ターシャ神社へ帰るのよ。
お義母さんへの対応をチェックしてるわよ」

『…』

「本当に…タリアって、お義母さんの話になると塞ぎ込むんだから…。
ああ、結婚生活…どうなるのかしら?
私…心配だわ…」

『…』

花火が終了した後、夜空は暗い。
7月7日…織姫と彦星が出会うらしいが・・・。
あまりロマンチックな話には興味もない。
初夜らしいが、エロはやり続けてる。
不思議な感覚だ。
同じ家へ帰るらしい…。

☆☆☆


歩いて数分もしないうちに…我が家、ターシャ神社へ到着した。
境内では白着物姿な母親が仁王立ちして待機してた。

俺はまだ見合い着なままで…黒袴姿だ。
母親の背後に隠れる父は・・神父服姿で静かに佇んでる。
背景と化してる。
父親の思考回路は…俺ですら半分程度も理解できない。

表情からして、母親は大反対らしい。

「お義母さん…私は今日からこの家へ居候すると決意しました」


||「信じられないわ?
マナナさんの御両親からは何の連絡も来ないようだけど…。
本気でウチで今日から暮らすつもりなのかしら?」||

「そうです。
あ…今から一応、実家へ連絡をします」

『…』

マナナがスマホ着信音を鳴らした。

「もしもし…お母さん。
今日から私の結婚が決まって、ターシャ神社で暮らすことになったから。
え?
あそこのお母さん…うるさそう?
そうね?
納得だわ…。
でも、大丈夫よ。
もう入籍なら果たしたから。
じゃ、さよなら。
ありがとう」

マナナは静かな表情でスマホを切った。

「連絡が終わりました。
これで大丈夫です」

||「は?」||

「今、両親は祭で浮かれてるみたいなんです。
…一人娘のことはどうでも良いようなノリなので・・・。

えっと、私の家は…放任主義なんです」

||「ハアアア?」||

鬼母が口をあんぐりと開けて、金切り声を上げた。

「あ…。
一応、父へも連絡をします」

マナナが平然とした表情で再度、スマホを鳴らす…。
しかし、繋がらないらしい。

連絡が付かない状況みたいだ・・。

「あ…祭で浮かれて…同僚と飲んでるみたいです。
私のお父さんはお酒大好き人間なので。
まあ、あとから母が伝えてくれるので、大丈夫な筈です。
これからこの家でお世話になります。
よろしくお願いします」

||「ターシャ語を喋って頂戴。
納得なんていってないわよ!
私は」||

『…』

「あ…。
夕飯のお手伝いをします。
お義母さん、ササ…。
一緒に料理をつくりましょう!
これから私たち、同居ですから」

||「帰って頂戴。
認めてないわ。
どこぞの卑しい馬の骨が我が家の敷地内を跨ぐなんて。
アリオさんも何か反論してちょうだいよ。
タリアちゃん…早く目を覚ますのよ」||

『…』

神父着姿な父は困った笑みを浮かべてる。
いつも通りだ。

☆☆☆

こうして、マナナはその日から勝手に、居候へ転身した。

根性だけは認める…。
しかし、マナナの実家からは何時間経過しても…連絡が来ない。

マナナの母には何度も会ってるが…究極に放任主義だ。

ちょっと、世間一般と照らし合して…ドン引きレベルでもある。

||「ウチとしては…マナナさんのお宅へ連絡ぐらいはしたいのが筋ってものだけど…。
全然、マナナさんのお宅へは電話が繋がらないわ?
何回掛けても留守電になるんだけど…。
いったい、どうなってるの?
昔の連絡網を辿って電話をしたけど…電話番号が変更されたのかしら?」||

「いいえ。
電話番号は…大昔から変更されてません。
多分…今日はターシャ祭なので、テレビのスペシャル番組を見てて…それどころじゃないんだと思います。
私の母親は常に自由を愛してます。
心配には及びません、お義母さん」

||「私は嫌味を言ってるのよ?
さすが、元AV女優の母親は価値観が違うわ。
本気で…その鞄をウチの息子が暮らす部屋へ持ってくるつもりなのかしら?
私はまだ承諾なんてしてないんだけど…。

帰って頂戴。
実家の御両親と面会するまでは…ウチで同居なんて認めないから。
タリアからも何か言ってちょうだい。
あり得ないわ。
マナナさんの御両親は…本気で、どういうつもりなのかしら?」||

『…』

「大丈夫です!
お義母さん。
私の両親は究極の放任主義です!
私の決断に常に従ってくれる素敵な親です!
私は家族を愛してます!
不満なんてないです!

さっき、電話で一応、連絡しましたが…。
きっと、アレは猛烈に喜んでました。
そう言う意味だと思います。
そういうことで…私は、今日からこの家で食べさせてもらいます!」









タリアのマナナ躾帳J

目次

タリアのマナナ躾帳L










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