平和国からコンニチハアナタノコトガスキデス

萌え妄想のまま走るいろいろ創作小説の予定。苦情無断転載禁止。

…社RQ躾帳JK人を許す勇気。マナナの罪は流れるのか?マナナが結婚に至るまでの努力話。

 

タリアのマナナ躾帳J

『タリア視点』


叔母様は赤面した…。
おとなしそうな性格をした人だ…どことなく父にも似てる。
さすが姉弟だ…特に顔立ちが瓜二つだ。
実は…母が嘘を吐いてることぐらい、何となく悟ってた。
母が姑に苛められる魂ではない。
反対なら理解できる。

母は女子高時代、クラスで2番目にボスを貼り…クラス中女子を従え、学年中を仕切っていたらしい。

母を密かに怖がり怯える旧友は多いと聞く。
苛められるとか…冷静に考えて、あり得ない。

因みに…当時、bPボスに君臨してた母とライバル関係な頑丈サンと言う女性は…女子高時代、生徒から絶大にモテてたらしい…。

頑丈サンは…ド根性な脅迫まがいをして、男を落としたらしいから。
その娘、頑丈英子さん―――俺の許婚もどうせ、何処かで男を墜落させるんだろう。
弱肉強食な世の中だ。


金髪碧眼巨乳な美女―――従兄妹マリアは青目を光り輝せた。
俺に似てない従兄妹だ…。
同じ血が通ってると思えない。
どういう遺伝の法則か??


❍決めたわ!
アタシ、良い案があるの!❤

ねえ・…パパ、
これからみんなで一緒に役所に行って、
あの人たちの入籍届を出してあげましょうよ。❤❤
可愛そうだわ、見てられないわ。
別れさせられそうなのでしょう?❍
(平和国語)

父❍そうだな…それはマリア。
 良い案だ。
 あんな怖い母――妙子(たえこ)さんがいる家へ
嫁ぐ嫁などそうそういないだろう❍
(平和国語)

母❍…❍

祖父❍…❍

祖父❍…❍

父❍しかも…。
君の従兄妹はマリアと違って、容姿まで全然、冴えてない。
義弟嫁ー妙子さんに容姿は似たらしい…。

義弟のアリオ君に容姿が似れば、
ママのように
まだ平凡なりとも愛らしいターシャ人になれたものを…❍
(平和国語)

母❍❤❤❤❤❤❤❤❤❍

叔母様は頬を薔薇色に染めた。
それにしても…酷い言われようだ。
俺に関してだ…。
母は弟婿から恨まれてるらしい。


父❍さらに…あのレベルの無口さだ、
あれは月神家直系血筋の性格を受け継いでる…❍
(平和国語)


母❍…❍

祖父❍…❍

祖父❍…❍


父❍マリア…。
ママ…。

みんな…。
あれであの子を逃して、他に来ると思うかい?
更にいうなら…この家は絶対、同居な筈だ❍
(平和国語)


母❍…❍

祖父❍…❍

祖父❍…❍

 父❍我が娘、マリアよ…。
君はあんな怖い姑――妙子(たえこ)さんがいると ころへ
嫁ぎたいかい?❍
(平和国語)

❍パパ、
ジョークは止めてよ❤
マリアはキセキと言う人が
もう既にフィアンセなんだから❤❤

嫌に決まってるじゃない。
従兄妹同士婚なんて冗談じゃないわよ。

グランマとグランパが…
見合いで、
はとこ結婚なんでしょ!?

それで、
アタシが従兄妹のタリアと結婚なんてしたら…
血が濃すぎるでしょ!

そんな和解方法、求めてないわ。
マリアはキセキと結婚するのよ❍
(平和国語)❤❤

祖父母が…ハトコ同士見合結婚なのは初耳だ。

曾祖父母の曾孫(ひまご)同士がハトコで、遠縁 だ。

それで無口な理由は判明した。

血が濃いのか…。


父❍誰なんだ?
 そのキセキって男は・・・❍
(平和国語)

母❍…!!❍

祖母❍…!❍

祖父❍…?❍

❍あのお賽銭(さいせん)箱 の前で立ってる
ブラウン☆ヘアーにブラウンな瞳のクールガイよ❤

隣に黒髪ショートカットで
ノースリのブルー☆ワンピな女性といるナイスガイよ❤❤

マリアのダーリンなの♪❍
(平和国語)❤❤

父❍何だって!?

 あのチャラそうな
緑色アロハTシャツの男がなのか?

 隣に女の子を侍らしてるじゃないか…❍
(平和国語)

母❍……・…・…・…❍

祖母❍……❍

祖父❍…❍

❍違うわ、
キセキは常にモテるイケメンなの。❤❤
仕方ないのよ…。

モテるから…
エヴィリタイム、ウーマンが隣にいることは。
でも、今ではもうマリアのフィアンセなの♪。❤❤

パパもギブアップして、
キセキを認めてちょうだい❍
(平和国語)❤❤

父❍分かった…。
 マリア、今からするべきことが見つかった。

 あの子を逃すと
君の従兄妹は結婚が一生、出来そうにない。

 父さんもマリアの手伝いをしてやろう。
 今すぐ、役所へ走ろう・・。
 ココから去ろう。

 二人の入籍を
あの義弟嫁――妙子(たえこ)さんが妨害する前に だ❍
(平和国語)

母❍…❤❤❤❤❍

祖母❍…❍

祖父❍…❍


従兄妹マリアとその父、二人は…平和国語で勝手に会話が弾んでる。
ファザコンなのか?
マリアは…。


||「なんですって!!??」||

父『…』

隣で、仁王立ちしてる白着物な母がターシャ語で大声を上げた。
その背後で神父服な父は…静かに見守ってるだけだ。
父は傍観者に徹すると宣言してた。
成り行きに任せるらしい…。

従兄妹やその父――祖父母全員が怯え始め、ガタガタブルブルし始めてる。
母は番を張れるぐらい強い、負けるわけがない。
番犬も母に睨まれると退散する。

マナナは不思議そうに俺を腕で包み続けてる。
俺は…目が点になった。
これで長年に渡る決着が付くらしい…。
不思議な感覚だ。

神社に敷き詰められた砂利を踏みしめ、観賞してた参拝客達は…一斉に神社黄畳、俺の隣に君臨する母へ注目した。
野次馬根性だ。

❍善は急げだわ、行きましょう…。
パパ。
ココは怖いわ❍
(平和国語)

父❍そうだな…マリア。
 まだ、和解は難しそうだ。

ママ、ごめん…。
僕は役に立てなかった。
許してくれるだろうか…。

君と弟のアリオ君が和解することすら、無理だった。
次こそは頑張ろう…❍
(平和国語)

母❍……………❍

祖母❍…❍

祖父❍…❍

叔母様は地面を向いて、それから…従兄妹の父へ視線を注いだ。
俺の父にも似た仕草がある…大丈夫って意味だろうか?
そうじゃないかと…推測してる。

父が何を考えてるかは親子だが…意思疎通は難しい。
いろいろ変わり過ぎてる人だからだ。
理解に苦しむこともあるが、自分も同じ血が流れてると…節々で感じる。


祖父母達が…急に嬉しそうにホコホコ無邪気に笑い始めた。
きっと、早くここから去りたい意思表示だろう。
危険な場所に留まりたいと誰しも願わない。

同感だ。

❍キセキ!、
マリアは今からガンバってくる。❤❤

マリア、キューピッドになるわ?☆❤❤

マイスウィート☆ダーリン♪

キセキも
役所に走って来ても良いのよ?
元カノにリターンなんて止めてよね?
スッパリ縁切ってよね?❍
(平和国語)❤❤

父❍マリア・・。
 行くぞ、時間がない。
 アイ ハド ノー タイムだ。
ママ、すまない。
役に立てなくて❍
(平和国語)

母❍…❍

叔母様は、従兄妹の父をジットリ見詰めてる。
俺の父も常にコレだ…背後から母を見守る役目だ。

祖母たちは…先に石段を嬉しそうに降り始めた。

父『…』←※神父服のタリア父※

神父服を着た俺の父が懐かしそうな表情で…両親を見送ってる。
少しは、思うことがあるのか?

『…』

確かに、父にも似た性格をした人達だった。


❍パパ、
焦らなくても役所は閉まらないわよ❤❤
(平和国語)❤❤

金髪碧眼巨乳美女――― 従兄妹のマリアは最後にこう言い残して…マリア家族はターシャ神社から、小走りに去って行った。

マナナは…相変わらず、オレンジワンピから巨乳を…俺の黒袴胸元へ密着させて、俺をキツク抱き締めたままだ。
隣にいる白着物な母が石になった。

俺はボーとした。
展開が速くて頭がついて行ってない。
マナナはキョトンとしてる、首を傾げてる…肩揃えな黒髪を揺らした。

「ねえ…キセキ。
あの人たち、何を言ってたの?
私の方ばかり見てたけど」

俺は去って行った一族の方角を神社黄畳から眺めてる…。
視線先は神社鳥居だ。
思えば…今日が初対面だ。

『…』


「喜べ、君はタリアの従兄妹…マリアに気に入られたらしい。
あの5人の会議で正式に月神家へ嫁ぐことが決定したらしい。
あの5人が今から根性で役所へ行き、入籍させるらしい、君たちのだ。
タリア…君は僕に何か喋らないのか?
昔は喋っただろう?
どうしたんだ?
喋ってくれよ、タリア…」

キセキが茶色い瞳を見開き…茶色い眉を潜ませた。
今、感傷に浸りたい気分だ…。
俺は目下を膨らませた、『喋りかけるな』という意味だ…。

『…』

「それ、本当なの!!
嬉しいわ!!
やった!!!」

『…』

オレンジワンピを着たマナナがを抱き締めたまま、飛び上がった…。
その弾みに、マナナは肩揃えな黒髪を宙へ舞いあがらせた、胸がプルンと揺れた。
何か…柔らかい感触が胸元に密着してる。
しかし、今は冷静な気分だ。
衝撃が強くて…エロな気分は湧き起らない。

白着物な母がワナワナと頭を抱え、黒髪を振り乱して血相を変えた。

||「なんですって、こんな小娘が…ウチの可愛いタリアの嫁になるですって!?
納得なんていくわけないでしょう?
ハア?

タリア!
これから先、何があっても平和国になんて旅行は駄目よ!
分かってるの!!
あの人たちが喋った話は全部、大嘘よ!

お母さんの話を信じないって言うの!
お母さんはあの人たちに苛められてるの!
分かる?
私の(いと)しのタリアちゃん!」||

『……………………………』

いつも通りだ、聞き流す。

毎日、これが恒例だ。

生まれた時からこのノリだ。

母は元気だ。

☆☆☆

緑アロハTシャツを着たキセキが茶髪をボリボリと掻き毟りながら、茶目を動かした…。
キセキは神社から退散し、赤い鳥居をくぐり…石段へ向かう。
ココから去るらしい。

賽銭箱、鐘を鳴らす紐前…キセキの隣に寄り添う清楚系美女、美神敏子(みかみびんこ)さ んが…漆黒な瞳を左右に振動させた…。

❂あの…えっと私は…その❂

それから、敏子さんは黒髪ショートカットを風に揺らしながら、青いノースリワンピを翻して…走り去る。
脱兎と同じ速い逃げ足だ。
途端に…俺の隣にいる母が…ワナワナ怒り始めた。

||「………」||

沈黙ほど、恐ろしい瞬間はない。
母は白着物姿で固まったまま、怒りに身を震え…戦慄いてるらしい。
神父着な父が心配そうに…背後から伺い見てる。



☆☆☆

「やったわ!
私が勝ったわ!
タリア、喜びなさいよ。
嬉しいわ!」

マナナはオレンジワンピ胸元から身を寄せて…嬉しそうに俺へ密着をして抱擁した。
頬には肩揃えな黒髪が張り付いて…感涙に咽び、号泣をしてる。

『…』

「私、これから誠心誠意入れ替えて頑張るわよ!
こう見えても…根性ならあるんだから!
お義母さん、私は今日からこの家で暮らします!」

||「何言ってるの?
貴女?」||

「今日はターシャ祭を手伝います!
任せてください。
タリア…頑張ったわよ。
褒めてちょうだいよ。
私のことを…。
もう、本当に…お義母さんの前では黙るんだから!
タリア、マザコンなの?」

『…』

マナナは人から平凡な容姿と酷評をされてるが…蓼食う虫も好き好きで。

俺は割りと可愛い容姿をしてると…最初から思ってる。

オカッパな黒髪は多少癖なのか、時々…静電気を発生したようにボサボサになることもあるが…。

背は低く、別に痩せてる訳でもなく…胸が大きい以外、その辺に生息してそうな体型で…。

本気で他に長所が見当たらないヤツだが…。

不思議と最初から色んな意味で忘れられない人間だ。

年々、少しずつ過去の恨みは消えて行ってる。

された方は忘れられる訳もなく…。

した方は忘れてる。

それが世の中だが…。

俺はただ、愛されたかっただけで・…それ以外に、求めてるものは何もない。

マナナへ不信感が残る限り、コイツの愛を信用など出来る訳もないだろうが…。

心の底から許せた日に話そうかとも思う。


『…』

||「タリアちゃん。
お義母さんは認めません、今日はターシャ祭で忙しいから…。
あの一家を追うことが出来ないけど、絶対…認められる訳もないわ!!
貴女に出来る仕事なんてないわ!
どうぞ実家へ帰って頂戴!」||

母親は鬼に憑りつかれた様に怒り狂ってる。

俺の代わりに、母親は…長年、マナナの悪口を…俺の隣で語ってた。

父『…』

神父服を装着した父親は情けなさそうに…白い着物姿な母親を凝視してる。

☆☆☆

こうして・…マナナは入籍を果たしたが…。

その日は…ターシャ泉でマナナが上着が白衣、下は紅袴な神社伝統巫女装束を身に付け。
それから、絵馬や煎餅を売り捌く手伝いをしただけで・・。

特に祝うこともなく…終了した。

☆☆☆

日没後――夜8時頃から開始される”ターシャ祭花火大会”をターシャ泉付近で鑑賞する。
毎年、行われるが…今年も凄い賑わいだ。
現場は人間で混雑してる。
泉の中央に船が浮かび、花火を空へ打ち上げる。
黄色菊模様や朝顔などが連続で空へ煌めき描かれる。

いるメンバーは昔馴染みで…。

俺の親友キセキを崇拝する女子達で埋まってる。

Uいやあ…結婚したんかいな。
なんか、実感沸かへんわ?
月神くんがミルルを諦めてから何年たつん?
今日は久しぶりに地方からこっちへ帰ってきたで。
花火、綺麗やな…。

で、キセキくんは…いいひんの?
ウチのLINE、全然・・キセキくんから返事が来おへんけど…。
どうなってるん?
ほんま、一度…尋問してみたい気分やでU

ロリ系難波カンサイは…今日も萌え系なワンピースだ、華奢で低身長童顔だからこそ似合ってる。

||キセキ君ね…。
今日は来ると信じてたんだけど…。
悲しい話だわ?
あたしのLINEもレスが来ないのよ…どうなってるのかしら?
キセキ君は…。
毎日、勉強で忙しいみたいで…恋愛どころじゃないみたいだけど‥・。

マナナとは連日、茶華道の稽古で会うけど…月神君と結婚できたのね。
取りあえず入籍おめでとう。
あそこのお義母さん、大変そうだけどあたし応援してるわよ。
マナナがキセキ君へ寝返りしなくて本気で良かったわ?||

それから…大和ナデシコは…今日は艶やかな着物姿で黒髪を結ってる。

「本当に…どうなることかと思ったけど‥。
何とか、ラッキーだったわ。
私が今着てる…この巫女装束、似合うかしら?」

マナナはオカッパな黒髪を照れたように触った。
上は白衣で巨乳が強調され、ウィストは細い赤帯で締められ…下は紅袴な神社伝統巫女衣装だ。
自分が着てる衣装を指差して、マナナは微笑みを浮かべてる。

それから…赤い振袖姿で正装した・・オカマにしか見えない英子さんまで、今日はいる。

♂ウホホホホ。
えっと…キセキ君、いないのかしら?
探してるんだけど…。
アンタたち、知り合いなんでしょう?
キセキ君は…♂

「えっと…キセキは…その。
今日はこの場所にはいないわ?」

オカッパ黒髪を手で触りながらマナナが上目づかいだ…。
オカマにしか見えない赤い振袖姿な英子さんが鬼へ豹変する。

♂分かったわ?
んじゃ、そこにいる…男二人でも良いわよ?
間に入るわよ?♂

赤い振袖姿な英子さんは…金髪ピアス顔黒男な学習イッチーと白デブ眼鏡な学習ニイ〜の間に座った。
双子兄弟は嫌そうな表情をし始めた。

{人妻はそそるっすね…マナナ、巫女装束衣装、超似合ってるっスよ!
ナデシコも、その着物…めっさ、いかすッス!
それから…カンサイも萌え系ワンピが激ナイスっす!

にしても…噂のタリアっていう男は…コイツっすか。
予想以上に冴えないッスね。
キセキから聞いてたっスが…無口なの本当なんっすね。
反応が薄いっす・・。

英子さん…。
えっと・…今日は俺、忙しいっすので…}

金髪ピアス顔黒男―――学習イッチーとは面識がある、毎度…酷い言われようだ。


◎ああ。
俺にも春が来てほしいとは思うよん。
えっと・…今日はこれから深夜は漫画喫茶泊まりで…アニメ見るよん…。
英子さん、俺も忙しいよん…。
残念!!

このあと、すぐ電車で地方へ帰るよん・・。
あヒヒヒヒヒ◎

白デブ眼鏡、イッチーの一卵性弟は…未だにアニメ服だ。
頭にアニメしかないらしい。

♂もう、二人とも!
弱気なんだから!
こんな素敵な女性が言い寄ってるんだもの!
喜びなさいよ!!!
二人とも私の恋愛対象に入ってるのよ!
ノリもよく、生きが良いピチピチな男は…好みよ?
光栄に思いなさい!♂

赤い振袖姿な性別が男にしか見えない英子さんは吠え始めた。
俺は幸運なことに…英子さんから見て恋愛対象に入ってないらしい。
喜ばしき話だ。

まだ、俺は見合い着…黒袴衣装のままだったりする。
確かに、俺は冴えない容姿だし…全身から根暗オーラが漂ってる。
それから無口が酷く、性格はかなりひねくれてる…。
あと、地味を愛してる。
悪目立ちするほど嫌いなこともない。

冷静に考えてても…モテる要素は皆無だ。
自覚はある。
しかし、絡まれるよりかマシかもしれない。

オカマにしか見えない赤い振袖姿で筋肉隆々な英子さんは――――金髪顔黒サーファー男な学習イッチーと、白デブ眼鏡アニメオタクな学習ニイ〜―――の双子 兄弟へ熱視線だ。

何かが始まりそうな桃色空気が現場に漂ってる。

『…』

その時、マナナがスマホを作動し始めた。
夜空天井では花火が音を奏でて上がり…観客共は感嘆を漏らし、そちらへ意識が集中してる。
花火音が胸へ鳴り渡る。

マナナは一応、隠さず…スマホを俺が座る隣で弄ってる。

「確かに、今日は頑張ってくれたし…、ヤツに礼だけ送っておくわよ?
感謝の礼状を送るべきでしょう?」

スマホ画面を注視したが…予想通り、奴へ送るらしい。
どれほど、親密な仲なんだ?
コイツら…。


☆☆☆

灯台キセキ

既読
---「今日はありがとう。
 助かったわ。
 それにしても…今日はナデシコやカンサイもターシャ泉にいるのよ?
 二人ともキセキと会いたがってるわ?
 私にキセキのことばかり聞いて来るのよ…。
 キセキを呼んで頂戴ってうるさいわ、ナデシコとカンサイ。
 
確かに…キセキの苦手な英子さんもいるけど、二人へも会いに行ってあげたら?
 同窓会の気分で。
 それから、今・・私の隣にタリアもいるわよ」---
 


☺---「僕はモテすぎてることは自覚してる。
 そろそろ絞ろうかと思い始めてる。
 体力的にも大変だ。
 四六時中、来る女性からのLINEだけでも時間が取られて・・。
睡眠不足になりかけてる。
 同時進行は大変だ。
 
タリアもいるのか…。
 タリアにしっかりしろと伝えてくれ。
 僕は君たちのことを心配してる、今でもだ」---
 
確かに、同時進行は…体力、金銭、時間、精神…全てにおいて大変だろう。
想像に値する。

キセキは昔から多動児だが、俺より遥かに体力も兼ね備えてる。
そこも…モテる要素かもしれない。
いったい、奴に寝てる時間はあるか?
そこが不明だ。

それから平和国からターシャ国まで交通旅費代。
バイトで稼いでるらしい…。
モテるためなら何でもする男だ…キセキは。
服も女性受けで揃えてるらしい。

テクニック本まで必死に買ってるらしい。
昔、キセキが暮らす自宅本棚に並んでた。
読ませてもらった瞬間、頭痛を起こした。
あれをパーフェクトに出来れば、そりゃモテそうだが…。
無理過ぎる話ばかり溢れてた。
下手な鉄砲も数を打てば当たる。
ナンパ指南書だ。

爽やかに下心を隠して、女性へ接近するべし。
極力、優しく。
ばれない様に複数と関係を続ける。

体験談と性病云々を含めたリスクなどが永遠と綴られてた。
あれは中学生が読む代物ではない。
奴は中学ぐらいからセッセと…ナンパ指南書を買い込んでた。

一度、関係を持った女性と別れる瞬間…上手に対処しないと相手が自殺する話など。
地上で楽園を築くことは精神的にも苦痛を伴いそうだ。
それでも嵌まる人間は多いだろう。
そう言えば…平和国俳優、ハン=サムは地上でハーレムを築いてる噂だ。
俺は草食系かもしれない…。
俺よりマナナの方が遥かに性欲が強い気がする。
毎回、搾り取られる。


いったいキセキが…モテるためにどれだけ裏で投資してるか?
常に動機が不純だ。
根性は認めてる。

アイツは…女性がいる前で爽やかを演じる癖に…内心、邪過ぎなのが問題だ。

既読
---「そうなの。
 それはありがとう。
 タリアに伝えておくわ。
 
…そうよね?
 えっと、キセキって何人の女性とLINEしてるの?」---
 


☺---「はあ…。
 LINE名簿には女性からのアドレスが100件は越えてる。
 勝手に女性から入れられてる。
 電話番号を通じて、友達に設定されるのも問題だ。
 一人のLINEで1時間もとられることがある。
 1日3名すれば…3時間になって来る」---
 

既読
---「そうなの。
 それは大変ね。
 
私はタリアとキセキくらいよ?
 ミルルは返事くれないし…。
 タリアも結構、ほったらかしだけど…。
 何故かキセキとは昔のノリになってしまうのよ。
 今、この文章・・隣でタリアも読んでるわよ」---
 


☺---「タリアも読んでるのか?
 君たちは今、ターシャ泉の前で花火を見てるのか?
 カンサイやナデシコもいるのか?」---
 

既読
---「学習イッチ~や学習ニイ~もいるわよ?
 花火が上がるからみんなで見てるわよ。
 そこにキセキを待ち伏せしてる英子さんまでいるわよ。
 学習イッチ〜と学習ニイ~から英子さんは不人気みたい…」---
 


☺---「それは・・そうだろう。
 僕は今年、棄権する」---
 

既読
---「そうなの…。
 ナデシコやカンサイが悲しむわね?
 ナデシコやカンサイのLINEレスをサボってるんでしょう?
 二人から尋問されたのよ、私。
 で、代わりに打ってる訳よ」---
 


☺---「ナデシコやカンサイもこのLINEを読んでるのか?」---
 

既読
---「キセキが100名以上の女性アドレスがスマホに入っていて、LINEに忙しい話は黙っていてあげるわ。
 私なりのナデシコやカンサイに対する優しさよ」---
 


☺---「スマホとは便利なようで不便だ。
 それにしても…何故、タリアからは全く僕へ連絡が来ないんだ。
 今、君の隣で読んでいるんだろう?
 この内容を」---
 

既読
---「タリアは私へも割りとサボるわ?
 悪気なんてないと思うわ」---
 


☺---「君はどうしてそこまでタリアが好きになったんだ?
昔はあんなに悪口散々だったじゃないか?
生涯をタリアに捧げる気になった理由はなんなんだ?
 今日、一日大変だった筈だろ?
 君は?」---
 

既読
---「タリアはね…。
ああ見えて、
 キセキといるときより、お母さんといる時より、
 私といるときの方が喋ってくれるのよ。
そういうところが好きかしらね?

それでも何考えてるのか謎な瞬間が多いけど。
慣れれば勝手にこう考えてるのかしら?って推測するのよ。
もう、ペットみたいなものよ。
タリアといるとね。
たまにしか、声出してこないから」
 


☺---「君にとってタリアは…ペットなのか?
 そうか…」---
 

既読
---「 とにかく、女の人って特別扱いに弱いものよ。
キセキもレイカさんに特別扱いしてみたら?
キセキは女性全員に優しすぎるんじゃないかしら? 」---
 


☺---「僕は逆だ、
 レイカさんにだけ緊張し過ぎて普通にしゃべれない」---
 

既読
---「タリアもミルルの時はそうだったわ。
初恋ってそんなものなのね…。
タリア、そのせいで失敗してるけど…キセキもなのね。

でも大丈夫。
キセキに落とせない女性なんていないわよ。
一人だけ特別扱いをしてみて。
レイカさんにもきっと届くはずよ」---
 


 







タリアのマナナ躾帳I

平和国シリーズ目次

タリアのマナナ躾帳K



いやあ、序盤のマナナがあまりにも性格が最悪で作者としても不満がありました。

(これは恋愛小説的にヒロインとしてどうなのだろうか…)と悩む域でした…。

そう言う訳で…改心をさせるためだけに、この話を綴りました。

ギャグなのですが…作者的にも執筆してて面白い話でした。

キャラ作成に当たっては…全員が同じキャラだと話が進まないので。
マナナは躾がなってない子と言う設定でした。

再読してみて。
まだ、マナナがタリアへ悪口散々が治ってない気がしたし…。
マナナの気持ちが余り伝わって来ないと感じたので。
後半戦へ突入しましたね。

マナナも悪気はないのですが…。
親が全くマナナに甘く放任主義なので言いたい放題ですね。
ココに至る5年間で…相当、タリアが躾けたと言う設定です。

創作第一話辺りから序盤のマナナはタリア目線でも本気で悪い女でありました…。


あと、2話ぐらいで終了ですね。

マナナには成長を願って、試練を与えてみたわけですが…作者的には面白かったです。








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