平和国からコンニチハアナタノコトガスキデス

萌え妄想のまま走るいろいろ創作小説の予定。苦情無断転載禁止。

…根性で見合いをぶち壊そうと必死なマナナ、タリアは何を考えてるのか?複雑な思考回路とは?

 

タリアのマナナ躾帳H

「マナナ視点」




{いや…その時間は無理っす。
そうっすか…。
それは泥沼っすね。
美神敏子さん…俺、聞いた瞬間に暗記したっス!
毎日、マナナから聞くたびに気になるッス!!
夜の花火は是非…敏子さんと見たいっスね!}

「はあ…元気を失くしたわよ?
イッチ―は気楽でいいわね?
どうせ、頭に女しかないんでしょう?
いったい、どうなるのかしら?
私は…」

||大丈夫よ。
マナナ。
月神君でしょ?
悪いけど…そんな花手の女性からは振られるに決まってるわよ。
向こうから。
月神君にとっては浮かれて仕方ないでしょうけど…||

「そうよね?
そうであることを祈るわよ」

{俺も見合いすべきなんっすかね…。
悩むッス。
美神敏子…覚えたっスよ!!
でも、まだ結婚な気分じゃないっすがね。
まだまだサーフィンとかして、遊びまくりたい気分っすよ。
俺}

「そう…。
イッチ―は良いわね…。
毎日、楽しそうで…。
きっと、悩み事なんてないんでしょう?」

||イッチ―君に悩み事がなんてあるわけないでしょう?。
キセキ君は…しかも、面倒見まで良くて気が利くのよ、彼!
体も軽くてすぐに動いてくれるし、融通も良いし!
イケメンの不意に流す涙!
これに落ちない女なんていないわよ! ||

「えっと…ナデシコ?
あのぉ…」

||今日は久しぶりにキセキ君への熱が戻って来たわ!
彼が帰って来るのね!!
しかもまだあるのよ!
モテるのに、彼は究極のフェミニストなのよ!
絶対に、女性を泣かせるようなことはしないわ!
ナンパもしないのよ、彼!
もうキセキ君、一押しに決まってるわ!
そこも素敵なところなのよ!
すぐでも…ハーレムを地上で築けるはずなのに、それをしないの!
そういうところも大好きなのよ!||

「あの…えっと…。
今日は稽古は…」

||もちろん、茶華道稽古もするわよ!
でも今、あたしは興奮してるのよ!
だって、彼が帰って来るのよ!
あたしは平和国俳優抱かれたい男No.1に君臨してるハン=サムより、キセキ君だわ!
理由はね?
週刊紙の噂ではハン=サムには20名の彼女がいるらしいし。
セフレも同然らしいわ?
そういうのは幻滅よ?
あたし的には。
俳優のハン=サムは私生活がハーレムらしいのよ。
キセキ君はああ見えて、あたしがどれだけ言い寄っても落ちなかったわ?
そこら辺も良いのよね?
あのままでいてくれると…良いんだけど。
キセキ君は、あたしの中ではライバルも多いけど王子様よ?||

「ごめんね。
ナデシコ。
ここでカンサイなら、ノリが良く賛同するんだろうけど。
別に私はキセキが王子様に見えた事なんて一度もないから…」

||ノリが悪いわね。
マナナは。
ああ、早く帰って来ないかしら?
キセキ君||


{本当、信じられねえっス。
据え膳、食わぬは男の恥じっすよ。
アイツ…。
まさか、ホモなんっすかねー。
俺、理解できねぇっすよ。
まだハン=サムの方が共感できるっす}

「キセキはホモ受けも良いみたいだけど、それはないと思うわ。
私の隣でも…女性のランク付けばかり言ってたから。
まあ、フェミニストなのは納得いってるわ。
じゃなきゃ、私今頃…。
友達を解雇してるわ?
ただ、気が多すぎるのも知ってるわ?
何名も好きな人がいるみたいで…。
毎日、誰にすべきかって真剣に悩んでたみたいだけど…」

{そうっすか…}


||その選択肢に…あたしは入ってるの?
ねえ!
マナナ、どう思う?||

「どうかしら?
きっと、ナデシコも…入ってるんじゃないかしら?
自宅に一応、ナデシコとキセキのツーショット写真も飾られてたから…」


||嬉しいわ!
やる気が出たわ!
あたし!||

着物姿なナデシコはホコホコと満面の笑みを浮かべた。
ナデシコって意外に一途なのね…?
キセキが留学してから何年になるのかしら?
今年で…5年よね?
ある意味、尊敬するわ?
年に一度のターシャ祭でしか会ってないと思うんだけど…。
ターシャ祭は7月7日。
まるで、七夕だわ?

それに対して…カンサイは…。
行動派で、何度か平和国までバイトで貯めた有り金費やして…。
冬季休暇に一人で飛んで行ってるって、聞くけど…。
キセキからは何の連絡も…それに関してはないし…。
まるで、なかったようなノリ。

今のところ、カンサイは…まだキセキを落としてないみたい…。
キセキも、連日色々な女性から言い寄られ過ぎて…忙しい話は聞いてる。
自分へやって来る女性を…カウントするのも大変みたい。

{本当に気の多い男っすね。
理解はできるっすが。
モテ男はやることが違うっすね。
自宅の部屋へ…複数の女性のツーショット写真を飾るとか。
俺のオカンが見たらうるさいっすよ。
絶対、変に勘違いされるっす。

俺もすべきっすかね?
で、ナデシコとマナナ。
とりあえずツーショット写真でも撮らないっすかね?
俺を間に挟むスリーショット写真でもOKっすよ!}

||嫌に決まってるわ!
キセキ君とツーショット写真は撮っても。
他の生徒さんへ頼めば?||

「私となの?
遠慮しとくわ。
どうしてもと言うなら別に良いけど」

{本当っすか!
よっし!
やっと、一人…。
ゲットっす!
んじゃ、スマホで撮るから一応、こっちへ寄るっす!}

「ええ。
スリーショットなら考えたけど。
ナデシコが来ないなら、ツーショット写真は遠慮するわ。
キセキとはよく撮ったけど。
今や一応、彼氏がいる身だし」

||あたしは撮らないわよ!
キセキ君とだけ撮るの||

「ごめんね?
イッチー?
今の話はなかったことに」

{今回も無理っすか。
世の中は非情っすね。
一人の男が複数をかっさらってくっす!
俺は諦めねえっす!
ど根性で頑張るっすよ!
海の男は強いっす!
嫌なことなら酒でも飲んで忘れるっすよ!}

「イッチーはいいわねぇ。
悩み事が少なそうで…。
単純ね」

||あまり、あたしの営業妨害しないで頂戴ね。
はあ…。
キセキ君は今頃…。
どうしてるのかしら?
全然、lineのレスが来ないんだけど。
悪い女に迫られて貞操を奪われてないか…。
それだけが、あたし…。
心配よ。
はあ…||

「あ…そう言えば…。
ナデシコはミルルのこと、どう思ってるの?
知ってる?
留学生のゼロくんとミルルが一緒になった話。
テレビで知って衝撃的だったんだけど…。
ミルル芸能界、どうするつもりなのかしら…?」

ミルルは眼鏡が似合う腰まで伸びた茶髪が綺麗な絶世の美女…少し前まで超売れっ子女優だった。
私の幼稚園以来な幼馴染。

それから…ゼロくんは突然、高2夏に留学生として邪神国からやって来た…。
浅黒い肌に長身、緑眼と漆黒の黒髪が特徴的なアラビア系男子だった。
何故か外人なのに…ターシャ人受けが好評だった。
カンサイとミルルとナデシコの女子3人組が特に気に入ってた。

私的には死ぬほど、ビックリしたわ?
ミルルとゼロくんが結婚した件についてね?
キセキは…既に知ってたみたいだけど、私にもLINEで教えなさいよ。

最近、ミルルがテレビ出演を断ってる話なら…風の噂で聞いてたけど…。
ミルルのお母さんは…二人の結婚を知ってたみたいだけど、黙ってたらしくて…。
というか、ミルルのお母さんが結婚して籍が変わった話も…私は週刊誌で知ったんだけど…。

||ゼロ君ね…。
非情に残念だわ。
でも、これでミルルとキセキ君が一緒になる線は消えたけど。
あたしの唯一な第二候補でもあったから…ゼロ君は…。
失恋休暇が欲しい気分ではあったわ…高校時代の恋が消えた気分ね…。

それにしても、ミルルとカンサイは…あたしにとって、男を取り合う仲なだけで…。
友情とは言い難かったわよ…。
三人とも男の趣味が同じで喧嘩になるのよ…。
女友達は大変だわ。
それ以外は話が合うんだけど…本当に残念ね。

マナナとは全然、思考回路が合わないんだけど…男の趣味が違うことだけ好評価ね。
今回のターシャ祭、カンサイが帰って来ないと良いんだけど…||

「そう。
意外にゼロくんに関しては…アッサリしてるのね。
もっと悲しむのかと…」

||別れたら次の男よ。
あたし的にはゼロ君が消えた分、目が覚めたわ。
あたしにはキセキ君しかいないって||

{本当にどこが良いんっすかね??
あの…俺は21歳ぐらいでナデシコとは知り合ってるんっすが。
どうっスかね?}

||あたし的には付き合いが古いキセキ君が重要だわ?
キセキ君とは15歳以来の付き合いよ?
ゼロ君とは17歳で出会ったけど…。
キセキ君、一押しね||

「あの…今日の稽古は…ないの?
ナデシコ・・・。
一応、授業料を私、払ってるんだけど…。
記憶力が悪くてもやる気はあるのよ?私」

こんな調子で御稽古が進んだ。
ナデシコはキセキの話が出れば…稽古がそっちのけになる。
普段は割りと慎まし気な処もあるのに…。
今年はどうなるのかしら?
キセキ、ちゃんとタリアと敏子さんの見合いを破談にしてくれるかしら?



☆☆☆
 
帰宅すれば…キセキのことを思い出した。
今日、確か…キセキはターシャ国へ帰って来ると私に話してた。
キセキとは年に一度…ターシャ祭で毎年、会ってるけど…。
茶髪茶目長身はそのまま・・・見た目が若干、チャラそうになってたわ?
アロハTシャツが良く似合うのよ。

必殺遊び人な雰囲気が流れてるんだけど…あれはどうしてなのかしら?
キセキって、何故か第一印象が真面目そうに見えないのよね。
意外に…性格は紳士なんだけど…。
一応、連絡をすることに決めた。

☆☆☆

灯台キセキ

既読
---「キセキ…。
 明日のターシャ祭、来てくれるのよね?
 助かるわ‥。
えっとね、美神敏子さんと…タリアの見合いが…明日の…朝、10時なの。
もう私は…どうしたら…。
なんでこんなことに…
キセキからも言ってもらえないかしら?」---



☺---「僕からもタリアに一生懸命今回こそ、説得をする…」---

やっぱり…キセキって…この調子で基本、優しすぎる性格だと思う。
私の過去をすんなり許してる。
私は直接会って、キセキへ別れ話をする勇気もなく…メール一通で振ったのに…。
キセキは…ここまで協力的に私のために動いてくれる。
ここまで献身的な男性ってなかなかいないと思う。

私が悪かったのに…私のことを家族のように、今でも心配してくれてる…。
キセキがモテる理由は、節々で分かる。
お蔭で…私はこの件に関して、救われた。

そこで…ふと、タリアなら同じ立場になれば…どういう行動をするかしら?
と頭に巡らせた。
タリアなら…もしかしたら、根深く恨み…一生、許してくれないかもしれない。
タリアって、心が狭い気がする。
これって…私の勘違いかしら?
何か、そんな気がするの…。


既読
---「本当?
 私・・まさか、今回は本当に…。
もう、元気がないの」---


☺---「マナナ、元気を出せ。
 タリアの気持ち…悪いがそれは僕も理解できる。
 つい、美神敏子について興味が沸いて…僕は情報を調べてしまったが…。
 彼女は本物だ。
 本当に美女でモテるらしい」---

既読
---「そんな…。
じゃ、まさか…。
 私は…」---

☺---「マナナ…元気を出せ。
 君が不憫になる。
 もし、タリアが君を捨てたら、僕は君と一緒になっても良いが。
 その代り、君は完全にタリアを忘れられるのか?」---

既読
---「キセキ、ごめん。
まだ分からないわ。
 今、元気がないだけよ。
ごめんなさい」---

☺---「そうだな…。
 分かった。
 君のために僕は全面的に今回の見合いが破談になるように協力しよう」---

既読
 ---「キセキ…ありがとう」---



☆☆☆

ここでラインを終了した。
キセキは優しい性格だって知ってる。
でも、戻る気になれない。
キセキもそこは知ってると思う。
私はどうすべきなんだろう?
溜息を吐いた。

キセキの心が寛大で広いのは知ってる、器も大きそう。
タリアが何を考えてるのかは…未だに不明で、ヤツは静かすぎる。
意思疎通が図れない。
それなのに…何故か、気になるのはタリア。
これはどういうことなのかしら?
手がかかりそうな子供の方が心配になるのかしらね?

男と女の関係は分からないわ?
今回はキセキへ未練がましく元鞘に戻ると言う気にもなれなかったのよ・・。
キセキは本当にモテてるわ?
ナデシコは未だに崇拝してるみたいで…。

奴の感情は掴めない…。
未だに、陰湿なところがある、根暗なイメージを拭い去った訳でもない。
第一印象が更なる確定へ進んでる…。
それなのに、気になるのは…ヤツで。
意味不明だけどタリアに惹かれてるらしいのよね?
何なのかしら?
これは?

キセキの方が長所が多くて、タリアの方が欠点を探せるのに…。
私が好きなのはタリアだったりする訳よ?
ヤツが何考えてるのか不明だけど…会うと楽しいのよね?

明日の見合い、キセキがぶち壊してくれることを期待してるわよ?
キセキなら、出来る。
信じてる。




『タリア視点』

山のようにスマホへLINEが来てる…。
まずは昨日読んだが…マナナとLINEでやり取りする前に送信されたものだ。

☆☆☆


灯台キセキ

☺---「マナナから連絡が来た。
君はまたお義母さんの言いなりで…見合いなんてするのか?
もっとマナナを大事にしろ。

ミルルじゃなくマナナなのがそんなに不服なのか?
君のせいで英子さんに絡まれ2年前は酷い目にあった。
本当なら君が英子さんと一緒になる運命だったのに・・。

僕が英子さんからカツアゲにあった。
あれは死ぬかと思った」---



☺---「今回も2年前と同様に・・マナナが
「もし、私がタリアと別れたら…私と寄りを戻す気がある?」
って聞いてきた。

君もシッカリしろ。
早く、一人に絞れ。

マナナが君の無口さに呆れ果てて…僕へ転びたい気持ちも理解はできるが・・。
僕は見てられない。
僕としては、どうすれば良いのかマナナから尋ねられて一瞬、返答に困ったが…。
一応、元カノだ。

「君たちが完全に別れるのなら、元鞘に戻っても良いかもしれない」と言ってしまった…。
君たちのことを心配してる。
マナナが可哀そうだろ?
何を考えてるんだ、君は…」---



☺---「僕は正直、君の気持ちが理解はできる。
今年はミス私立ターシャ学園短大だ、美神敏子さんは美人に決まってる。
君が期待を込める気持ちも分かる。
君とマナナは今年、破局するのかもしれない…。
僕とマナナが一緒になるのかもしれない。
マナナも僕と一緒になった方が幸せだとLINEでも来てた。
確かに、僕は同感する」---



☺ ---「そうだ、今年は…。
僕を慕う女性…君の従兄妹、月神マリアもターシャ祭に来るらしい。
マリアは…僕とマリアを繋ぐキーパーソン、つまり君に興味が沸いてるらしい。

僕は…君の従兄妹のマリアからは連日、アタックされてる。
それなのに本命のレイカさんには振られてる。
あ…レイカさんもターシャ神社へ来るようだ。

それから、僕を慕う後輩の馬髪可憐も、今年はターシャ神社へ来る。

僕はレイカさんとマリアと可憐と一緒に、ターシャ神社へ参拝に行く予定だ。
君ともそろそろ仲直りがしたいとも願ってる。
君は今、どうしてるんだ?
何を考えてるんだ?」---


☆☆☆

信じられない話だが・・。
またマナナはキセキへ寄りを戻そうかと縋ってるらしい。
やはり、調教し直さなければならないらしい。

返事をしてないというのに…。
今日も矢のように来てる。
一応、読む。

☆☆☆

灯台キセキ


☺---「タリア。
少しはマナナの気持ちになれ。
君が敏子(びんこ)さんに期待を寄せる気持ちは… 僕でもわかる。

しかし…はあ。
君は何を考えてるんだ?

マナナからは僕に相談ばかり来てる。
マナナが好きなら断れ。
マナナが可哀そうだろ?

僕が言う話も正論な筈だ。
君はどうしたんだ?
そんなに自分のお母さんが怖いと言うのか?

君が無口な性格でずっと生きてることは知ってる。
君が何を考えてるのかサッパリだが、僕は君を信じてる。

マナナを泣かすな。
どうして君はマナナを泣かすことをする。
別れたいのか?」---



☺ ---「毎回…マナナを慰めるのが僕の役目なのか?」---



☺---「君のお母さんが猛烈に怖い性格なのは…
2年前の君と英子さんの見合いで僕は理解してる。

君が無口な性格なことも知ってる。
こうなることは予想付いていた。
でも、君はマナナをどう思ってるんだ?
マナナは毎回、僕へ泣き付いて来る。
それで良いのか?

月神家が全員、突然変異が起きない限り…無口な性格なのは。
君の従兄妹…月神マリアから聞いたし、今では知ってる。
しかし、君は無口なりに何か考えてる筈だ。

君は母が怖いのか?

マリアの祖父母も君の母を怖がり、マリアの両親も君の母を怖がり…。
マリアの実家は…マリアの父とマリア以外、喋れない性格だと聞く。

君が母の言いなりになるのも…仕方ないのかもしれない」---



☺---「僕はマナナに協力するが、最終的に決めるのは君だ。
君の考えは何なんだ?
僕には分からない」---



☺---「君が死ぬほど好きだったミルルは今では結婚までして…もう君には選択肢などない筈だ。
その中に美神敏子(みかみびんこ)さんを入れる気 なのか?
君は本命を諦め、言い寄られた女性を受け入れて交際が今でも続いてるが…。
現在、幸せなのか?
それとも後悔してるのか?
そう言うことも含めて、僕は聞いてみたい。
君との親交を取り戻したい。

昔はもう少し、僕とも喋ってくれた筈だ。
エロ本、貸してくれたり…それから、ミルルへの恋心を相談してくれたり。
どうしたんだ?
君は最近、もしかして…鬱なのか?
大丈夫か?」---



☆☆☆


鬱ではないが返事をする気力が沸かない。
本当の魂胆はキセキとマナナの距離を離すことにある。
奴ら…幼馴染の分際に甘え過ぎて、距離が近すぎる気がする。
これを他人へ相談すれば器が小さいだの批判が来ることも知ってる。
しかし、まさか…結婚後も連日、奴らはお互い・…LINEをしあってるのか?
そろそろやめるべきじゃないのか?

いつもエロしてる最中もコイツからマナナのスマホへLINEが来る。
楽しい訳もない…そろそろ撲滅へ向かうべきだと感じるが…。
この文面からして、まさか…未だにヤツの候補へマナナが入ってるのか?
そこら辺が謎だ。

いったん、スマホは置いた。
明日、来るらしい。
明日こそ、マナナがキセキをキッパリ断れるか…そこを見定める。
マナナも見てるとガードが弱い。
キセキがこんなふうに未だに未練がましいのも・・マナナの優柔不断が過ぎてる。

それにしても…。
マナナからLINEへの連絡が今日は来ない。

メールは来てる・…3行メールだが…。

☆☆☆

✉♂件名;マナナ

本文;
「明日の見合いよろしくね、キセキが来るから。
今は大和ナデシコ御稽古教室から帰った処よ。
タリアは結婚して毎日エロがしたいと思わないの?(><)」

☆☆☆

一応、レスをする。

✉件名;

本文;
『そうだな…。
明日来るのか。
稽古、お疲れ様』



☆☆☆

俺の無口さに合わせて…交際から5年が実に経過してるが…。
いつの間にか、一日一回3行メールが恒例のように…義務付けられるようになった。
マナナからは下ネタが大半だったりするが…逆に、下ネタの方が付いていきやすい。

長電話とか無理だからだ。
あれほどの苦痛もなく…次に何を話そうか…と悩み、頭が停止する瞬間だったりする。
表情仕草が見えない分、余計にタチが悪いが…テレビ電話を導入する気には全くなれない。
相手の顔が見える分には嬉しいが、自分の姿が相手へ流れることを思えば…嫌気が差す。
電話ですら、マナナが下ネタを振ってくれるから…相槌を打って、喜ばせて終了するが。
マナナの会話も大半が下ネタワールド満載だ。

この3行メールが…マナナなりに俺への配慮であることは知ってる。
実際、俺は喋るほど面倒くさいこともなく…仕方なしに合わせてる関係だったりする。
首を縦に振れば…全ての会話は終了する。
物事全て、マニュアル通りの台詞で締めくくる。
色々、しなければならない用事に追われてる。
無駄なことに時間を費やす気になれない。

男とは無言で簡素に返事を終えるべきだ…女の他愛無い会話について行く気にもなれない。
会話を聞く…あれほどの苦痛はなく、その瞬間は別のことを考えて…適当に相槌してることも多い。
この日課になってる3行メールでも自分的には頑張ってる方だし、評価してもらいたい。
だいたい、毎日ネタを考えるのも大変だったりする。
やるべき作業に追われてる。
暇人でもない。
時間があれば・・読書がしたい、自分一人で楽しめる趣味が最高の娯楽だったりする。
よく勘違いされるが…それでも愛情が薄い訳でもなく、それなりに慕ってる。
自ら孤独へ追い込む性格だが…マナナの存在には癒されてもいる。

マナナは昔から何故か…俺よりキセキの方が話が弾むらしい。
ここら辺は面白い訳もない。
キセキは話題豊富で…何故か事件に絶えない…。
刺激的な日々を送り、ハプニング勃発で…会話術に長けてる。
俺は地味に単調を愛してる。
ノリが悪く…テンションが低いことも自覚ある。

今回こそ、奴らが永久撲滅へ向かえば良いが…。
それは難しそうだ。
少しはキセキとマナナの距離が…離れるように祈ろう。
マナナはキセキを…自分の弟だと感じてるらしいが…。
キセキは果たして、マナナを姉と思ってるのか?
なんか…これを読む限りでも下心が伝わって来るが…。
嫌な芽は今から摘むべきだろう。

マナナとキセキがつるめば…テンションが高すぎる。
あれについて行くのも…難しかったりする。
奴ら水と魚な関係だ。

それから・…実は、まだ許せてないことがある。
マナナの過去について不信感がまだ残ってる。
今回で…それがハッキリすれば良いが・・。

マナナのレズは治ったのか?
あと、昔・・俺へ散々、文句批判が酷かったが…。
今現在、どう考えてるのか?
そこら辺も分かれば良いが。
行動で判断したい。

☆☆☆

翌日になった。
2年前と変わらぬことが起きてる。
帰宅するなり…黒い袴に着替えて、見合いに備える。
今回の美神敏子さんが美女であることは写真からも知ってる。
マナナには悪いが…期待は上がる、残念だが…そこはそうだ。
美人に会えると聞いて嫌がる人間がいる訳もない。
これで嫌がれば、余程…好みが変か女性嫌悪症か、ホモでも喜びそうだ…。
アイドルに会えることは喜ばしくある。

しかし、自分の身分は弁えてるし…たい逸れたことはする気もない。
二兎を追う気にもならないし…今のところ、マナナとエロが続いてるし…別にそちらへ走る気もないが。
美人に会えることは単純に嬉しいに決まってる。

支度を終えるなり、ターシャ神社へオカッパな黒髪を振り乱してマナナが突入してきた。
関係者以外立ち入り禁止のドアを通過し、神社境内の黄畳へ立つなり…これだ。
マナナはオレンジワンピに丸襟な服装で突進してきた。

「どうして、断らないのよ!
まさか…期待してる訳?
怒ってるわよ」

マナナはカンカンに怒ってる。
マナナの巨乳を胸元へ付き付けられる。
少し、悪いことをしてる気分になる。

『……』

「敏子さんが美人だからって…まさか、そっちに乗り換える気?
良い度胸じゃない?
こっちから、ぶち壊してあげるから!
見合なんてね!」

マナナがブチ切れてながら、俺の背中へ手をまわして抱擁してる…顔が上目づかいに怒ってる。

『…』

||「また来たのね??
ウチの子が、今回の見合いについてはどれほど期待してるか…。
帰って下さらないかしら?
マナナさんは…」||

『…』





タリアのマナナ躾帳G

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タリアのマナナ躾帳I











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