『タリア視点』
俺はまだマナナが過去に犯した罪を許したわけでもない。
執念深い自覚はある。
確かに、最近…やっとマナナも少しは可愛げも沸いて来たが…。
長年、人の顔を見れば「不細工」だと貶し続けられた過去が消える訳もない。
まだ少し不信感が残ってる。
帰宅すれば…開口一番、母親が尋ねる決まり言葉は―――これだ。
||「タリア、おかえり。
ねえ・…タリアもそろそろ、彼女とか出来たかしら?
もし、いたら…一番最初に母さんへ紹介してちょうだいよ?
母さんがちゃんと悪人かどうか選別するからね…」||
『・・・』
||「だいたい、最近…一人旅ばかり…勝手に、家を空けてしてるけど…どこを放浪してるの?
いろいろ、神社に関することを…タリアにも家業をそろそろ手伝ってもらいたいんだけど…。
一ケ月に1週間も旅行して…それも2か月連続で。
そんなに遊び呆けられたら困るわ…。
弾けたい年頃なのは理解してるけどね、母さんも…。
ちゃんと将来的なことも考えて…ビシッと、シッカリして頂戴よ!」||
『…』
||「で…本題に入るけど…。
今、どうなのかしら?
タリアが長年、大好きだった眼鏡ミルルちゃんが留学した話は聞いてるわ?
まさか…あの子と一目会うために平和国へ遊びに行ってるなんて魂胆なら…母さん、怒るわよ。
ミルルちゃんは女優だし、派手だし、無信教だし…ウチには無理よ。
それと、平和国へだけは…何があっても足を踏んでは駄目よ。
あの国には…母さんを苛めた怖い御婆さんがいるんだから。
タリアは母さんの味方でしょ!!
分かってるの?」||
『……』
||「本当に温厚さんで…返事がないんだから。
母さんは心配してるのよ?
タリアのことを…常によ。
タリアが長年、交流してた…大親友のキセキ君も平和国へ留学したし…。
タリア、学校では寂しい思いをしてるんじゃないの?
大学ではどうかしら?
友達や彼女が出来たかしら?
タリア、普段…異常なレベルで物静かだから心配してるのよ…。
母さんがタリアの未来なら用意してるからね。
もうすぐ、タリアは許婚 と見合いを
することになるから。
変な女が…もし、いるようならキッチリ清算しておくのよ?
分かってるの?」||
『…』
||「眼鏡ミルルちゃんが平和国へ留学した件に関しては…母さんも同情的よ?
でも、仕方ないわ?
ミルルちゃんは…無信教者だもの。
ウチの神社へは宗派変更しない限り、嫁げないわよ?
スキャンダルまみれよ、女優なんだから…。
タリアもまさか、平和国にまでストーカーしに行ってるなら。
母さんは命懸けで止めるわよ。
我が息子を思えばこそ、時に…心を鬼にするのよ。
まあ、心配しなくてもタリアちゃんの相手なら、母さんが根性でも発見するから」||
『…』
||「提出レポートがあるのよね?
最近、忙しそうね。
たまには…母さんへも有益情報を頂戴ね…。
最近、貴方…筋肉痛みたいだけど…どういうことなのかしら?
まさか…裏で隠れて、変なバイトでもしてるの?
前は高熱出して風邪ひいて帰宅したじゃない?
一人旅のあと…」||
『…』
||「母さんにもたまには説明してちょうだいよ。
ある日、何も言わずに…突然、家を空けて…。
警察へ捜索願を出そうかとも思ったのよ。
蒸発じゃあるまいし…。
タリアからの自主的な連絡で、一人旅だと判明して…ホッとしたけど‥。
ウチはするべきことに溢れてるんだからね。
たまには手伝ってちょうだいよ、母さんのために…。
次も一週間旅なんて、駄目よ。
怠慢してる暇なんてないんだから。
分かってるの…。
来週に許婚 の英子さ
んとタリアは見合いをする
んだから」||
『…』
この調子で母さんからは常に尋問がされてる。
俺は帰宅するなり、自分の部屋へ籠るのが続いてる。
夜に近くなる、部屋で寝転がり…スマホを見れば、だいたい…来てるのはマナナからだったりする。
マナナは…幼稚園以来から続く腐れ縁ともいうべき幼馴染だ。
3年前…高2の夏に、マナナから真剣告白を数奇なストーリーで受けて…交際開始して、今に至る。
馴れ初めのあらすじは省略したが…色々なことが今まであった。
マナナは低身長巨乳スタイルで、黒髪オカッパを貫いてる…。
最近、以前より化粧気づいたかもしれない。
マナナからは週1レベルにLINEが来る。
3行メールが毎日1通来る程度だ。
異能マナナ
☺---「タリア。
学校が離れてから寂しいわ。
以前なら毎日エッチが出来たのに…。
最近、出来ないでしょ?
タリアはどうなの?」---
マナナはこんな感じに毎回、超積極的過ぎる・・。
お蔭で自宅では絶対にスマホ画面を母親にだけは見えるようにできない。
マナナのレスは大半が…下ネタだ。
夏季休暇はマナナの処へ親に内緒で、ひとり旅へ出る話にして…。
マナナの下宿先に1ヶ月のうち、1週間は泊まったが…。
ほぼエロだけだった。
アレも楽しいが、体力的に大変だった…。
7月、8月はエロだけで終わってる気がする。
こうとしか、レス仕様もないが…マナナはこういう女だ。
☺---「したいに決まってるでしょ!
次のデートはいつなのよ!
溜まってるわよ!
ね、離れ離れになったからって言って…。
私のこと、捨てないでちょうだいよ!
タリアはどうなの?
エロしたくないの?」---
☺---「もう!
こう言う時は正直に言うモノでしょ…?
前回のデートからいったい、何回ぐらい抜いたの?
ねえ、私…今、生理中でオナりたいのにオナれないのよ。
だって、布団に血がつくでしょう?
タリアは何回、抜いたの?」---
こんな内容を親に見せられる訳もなく…スマホはずっと持ってたりする。
☺---「キャア!
今回は溜めてないのね!
キャア!
ああ、LINEしてるだけでムラムラしちゃうわ…。
早くエロがしたいわ。
やっぱりLINEより生で会うのが一番ね」---
どちらかと言えば、マナナからずっと下ネタになってる。
☺---「次は来週なの?
楽しみにしてるわよ。
エロが出来まくれることをよ!
タリア、最近…忙しそうね?
私のことを忘れないでよ?
環境が変わったから、寂しい思いしてるのよ。
ねえ!ねえ!
どの体位が良かったの?
私の騎上位、少しは上達したかしら?
ねえ、ねえ!
今回・・バックも萌えたよね?
楽しかったわ…」---
☺---「どうなることかと思ったけど…。
何とか、飛行機を隔てて離れ離れの遠距離恋愛にはならなくて満足だわ。
タリアのお蔭よ」---
俺の努力はむなしく…マナナは共学は無理だったが、何とか…地方ではない場所に通えた。
それだけでも良かった。
当初は離島になるか、地方になるか…絶体絶命だった分、大した成長だ。
飛行機を隔てて遠距離恋愛になるのは…さすがに御免だと感じだ。
しかし、マナナは何故か…勉強になると眠たくなる性格らしい。
これを叱りつけて机に向かわせるのに…どれだけの労力がいったかは省略する。
まず勉強が嫌いだからなのか…よく教科書を忘れる。
読書すれば、30分以内に眠り始める…。
勉強時間が殆ど俺へのエロ時間に剥奪されてそれどころではなかった・…。
とにかく、電車で会える範囲内の近所へ行けて良かった。
そこは褒めてるが…レズをこじらせてないか、そこら辺が未だに謎だったりする。
それにしても…マナナとは関係を持って長いが…もう子供が出来てもおかしくないレベルなのだが…。
未だに出来てない。
ということは、マナナか・・俺のどちらかに性的に何か不遇があるんじゃないかとも思う。
すぐ出来るよりマシだし、まだ若いからピンと来ないが…。
少し引っかかる。
今のところ、一応…ピルは飲んでもらってるが…マナナはウッカリ飲み忘れることもあるらしいが。
何故か、運が良いのか何なのか・…子供は出来てない。
ということは?
もしかして、俺の子種がないか…マナナがちゃんと排卵してないか…どちらかなんじゃないか?
まあ、俺の家もマナナのところも一人っ子だし…お互い、出来にくい体質なのかもしれない。
と時々、ふと…思ったりする。
☺---「キセキともたまに連絡があるけど…。
タリア、全然…キセキへレスしてないでしょ?
サボっちゃ可哀そうじゃないの?
たまにはレスしてあげなさいよ」---
☺---「ええ!
どうしてなの!?
夏季休暇中は…月に一週間はいてよ!
エロするんでしょ!!
どうしてなのよ!
生で正常位…タリア、好きでしょう?
エロ、したくないの?
嘘でしょ!!!」---
☺---「そうなの…悲しいけど…。
耐え忍ぶわよ…。
今回、3日なの…。
そんな…。
エロを死ぬほどやりまくりたいのに…。
たった3日間だけなの…。
そんなぁ…悲しすぎるわ。
涙が出てきそうよ、私…」---
そろそろ、親がどこへ一人旅へ出かけてるのか…怪しみ始めてる。
さすがに何も言わずに出て行けば…猛烈に何なんだろうか?
と疑われまくってる。
あと、帰ってから変な場所の筋肉が痛い…。
家でやらなくてはならないことが山積みにある。
☺---「今回のエロはたった3日なのね…。
悲しすぎるわ。
ショボ―――――んよ、しょぼぼぼボンも良いトコよ・…。
はあ…。
アア、元気失くしたわ…一気に…!
体力ないのね、ハアアア…。
仕方ないわ、耐えてあげるわ…ハアアアア…。
で…。
どう?
LINE慣れてきた?
タリアってリアルでも静かだから・・。
どうなの?」---
☺---「体調整えてね。
いっぱい次回もエロをしましょうね」---
実は最近…1日に一回が限界になってたりする。
さすがに10代じゃないから、毎日何回もはキツイ・・・。
マナナに会えば、連日…搾り取られてる状況だったりする。
エロは好きだが、体力値だけが問題かもしれない。
☺---「じゃ、そろそろお風呂だから。
LINEはここまでね」---
☺---「そうよ。
そろそろ肌寒い季節ね。
風呂の季節だわ。
あたたまって来るわ」---
既読
---『そっか、じゃ』---
☺---「おやすみなさい」---
既読
---『おやすみ…』---
溜息を吐いた。
スマホにはキセキからもLINEが来ていたりする。
これは…自他共に認める俺の大親友で…腐れ縁と言える幼馴染だ。
俺は正直、距離を置きたいと願ってるが…事あるごとに構ってオーラ-を発してくる友人だ。
茶髪茶目オランダ系クォーター長身、モテ男で…本音を話せば私生活が全て自慢に聞こえてくる。
長年のノリで言いたい放題だが…もしかすると、空気が読めない男なのかもしれない…。
大昔は泣き虫な多童児で事あるごとに人へヘルプを求める精神的に遅れた奴だった。
いつの間にか自活できたらしい。
灯台キセキ
☺---「マナナとのLINEは続くが…君とのLINEは全く続かない。
というか、レスをしてくれない。
僕は寂しい思いをしてる。
マナナとは仲良くいってるか?
マナナへは君のことをよく聞いている」---
特に、レスをする気にならない。
いつになれば…マナナとキセキの関係は完全に切れるのか…。
もうそろそろ…キセキが留学してから結構の月日が流れるし、完全に疎遠になってもおかしくないと思うが。
俺の彼女――マナナと、俺の親友―――キセキは…。
二人は元許結で、交際までしていた。
しかし、二人の交際は一日でスピード破局し…あれから…3年も月日が経過してる…。
マナナはキセキの方がLINEが続くらしい。
あまり良い気がしてない。
奴ら大昔から何故か魚と水の関係だ。
やはり、マナナには躾けなければならない気がする。
今日もキセキからのLINEは放置した。
そろそろ、空気を読んでくれても良い気がするが…キセキも天然なのかもしれない…。
俺は…マナナとデート中に、マナナがキセキとLINEをしてる姿を見たことが数回はある。
マナナは俺へ内容を見せてくれてるし、変な文章はないが…。
何故か、見てると…どうもマナナとキセキの方が未だに会話が弾むらしい。
余り良い気がしない。
それがハッキリと伝えにくい…。
俺はマナナとLINEが週1だが…マナナとキセキの方が頻度が多い…そのことが発覚した。
幼稚園児のノリじゃないし…、 そろそろ…幼馴染関係も終わってもいいんじゃないかと思うが…。
どうなのか?
マナナは何故か俺のLINEの時だけ、風呂やそろそろ眠いからとか…そろそろ夕飯だからとか…理由を付けて、終了してる気がするが…。
これは気のせいなのか…。
少し溜息が漏れた。
確かに、キセキの方が会話がうまい…と言うか、アイツ…話題に尽きない奴だ。
四六時中、言い寄られてる女性達の内容で…LINEが進んで行く。
マナナも読んでいて、新鮮で面白いのだろう…。
マナナとはこんな調子で、…交際したのちも…ずっと、何故かエロ以外で…会話が盛り上がらない・…。
お互いの本心は謎に包まれてる。
そろそろ寝ることにした。
それにしても…交際して、3年目になるが…最近、電話がかかって来ない。
まあ、電話なんかされても俺も無口が酷いし、会話が弾むわけでもない…。
マナナは電話に関しては・・キセキとも国際電話は通話料が馬鹿にならないから、全くしてないみたいだし…別に良いが。
そろそろキセキとの仲を完全撲滅させても良い気がする…。
どうなのだろうか?
大学には行ったが…俺は相変わらず、全くモテてない。
というか、大学にいる女子が少なすぎる…。
どうも、俺が所属する大学内の奴らは大抵がそこらにいる他校の女子大生とつるんでるらしい。
コンパへ参加する気には今のところなれず、二次会は断ってる。
しかし、キセキは留学してからもやはり…モテまくってるらしい。
この格差は何なのか?
キセキが通う大学内は…花で溢れてるらしい。
要するに、女子の容姿レベルが高いらしい。
俺の従兄妹もどきは…スマホへ送信された写真で初めて見せてもらったが…。
勘では、平和国にいる月神という苗字は…俺の従兄妹なんだろう。
俺の叔母さんが生んだ娘なんだろうが・・。
俺には全然、似てない。
古典派女優マリンモローに似た女性だ。
クリクリな金髪は肩で切りそろえられ…赤いポッテリした唇に涼しげな青眼、巨乳系美女だった。
ハーフらしいが…外人にしか見えない。
その従兄妹…月神マリアまでキセキを崇拝してるらしい。
キセキは、現在…留学先の大学でファンクラブが結成されたり、大変なことになってるらしい。
勤めてるバイト先も…キセキが通う大学に所属する女子大生ファンが軒並らしい。
キセキ目当てで通う女性客ばかりらしい…。
この話、全部…俺はマナナから伝え聞いてる。
マナナはキセキから平和国の情報をLINEで教えてもらってるらしい。
あまり、面白いわけもなく。
そろそろ離別へ向かうべきだと感じるが…どういうふうに持って行けばいいのか?
マナナも少し、躾けてみたい気にもなる。
色々、考えてると疲れた…。
今日は寝ることに決めた。
今週末、マナナと会うだろう。
実に1ヶ月ぶりだ。
マナナとは最近…月1で会う関係になってる。
遠距離でもないんだからとも思うが…マナナが通ってる短大はココより少し遠い。
マナナは短大付近で現在、下宿してる。
電車で通えば…自宅から2時間半、片道でかかってしまう場所にマナナが下宿してる場所はある。
電車で2時間強+バス時間も含めて…そうなって来る。
俺はターシャ神社付近にある場所へ通ってるが…まあ、飛行機を隔てて遠距離よりマシなんだろう。
キセキは未だに本命のレイカさんとは進展がないらしい。
どうなるのか…?
アイツ、まさか…最期までレイカさんとは交際できないんじゃないか…。
この期に及んで、そんな気がし始めてる。
☆☆☆
デートの日になった。
電車で乗り換え2回が必要な距離だ。
俺は片道2時間半…電車で乗り継いで向かわなければならない。
かなり体力値が要る。
待合の駅でマナナからメールが来た。
✉異能マナナ
件名; ごめん
本文;30分、遅刻する!
待合室で待っておいて…。
ちょっと…これはショックだったかもしれない。
まあ、マナナならあり得そうだが…。
異能マナナ
☺---「ごめん!!
スマホのアラームを登録した気だったけど…。
寝る前に充電をし忘れてて…。
で…。
ごめん…」---
既読
---『分かった。
待ってる』---
理由をグダグダ言われるよりか進んでほしい。
☺---「すぐ…そっちに向かうから。
きっと、30分ぐらいだと思う。
暇でしょ?
今」---
既読
---『まあ…』---
☺---「ごめん!
うっかりやってしまったの…!
待ってて。
今日は雨ね?
知ってた?」---
既読
---『雨だ。
LINEしてる余裕はあるのか?』
そこからLINEレスが来なくなった。
30分だろうが待つことになった…。
毎回、こんな感じで本気で躾がなってない。
昔から教科書を忘れたり、居眠りしたり…いろいろ散々、悪行を見て来たが…やはり、今でも素行は完全には治ってない。
いろいろ、あり得ないことの連続だったりする。
自宅の鍵をかけ忘れてないか…毎回、俺に聞いて来る。
下宿してる時、一回…鍵をせず、そのまま寝てたこともあるらしい。
マナナらしいが…毎回、俺が隅々まで見渡さなくてはならない…。
待合室は9月だが、まだ暑かったりする。
マナナらしいとは思うが…。
その時、数分もしないうちに…駅の待合室、ドアが開いた。
見知った顔だ。
と言うか…顔が走って来たのが、すぐ分かるレベルに真っ赤だった。
肩揃えな黒髪がボサボサになってた。
今回の服も…半袖紫ワンピに黒いベルト…ただそれだけなのに…胸元から谷間が丸見えだ。
マナナはどの服を着ようが・・絶対に胸元が丸見えになるらしい。
Gカップは凄すぎる、そこは認めてる。
いつも丸見えなのか…デートの時だけなのか…聞いてみたが、いつも丸見えらしい。
ターシャ祭でも、キセキが…マナナの胸元を見てた…。
マナナはセーラー服の時は流石に見えなかったが、私服では常時…胸の谷間が目につく。
「タリア!
走って来たわよ!
本気でごめん・・。
えっと、30分待たせるとか言ったけど…15分で済んだでしょう?
えっと…はあ…走ったから苦しいわよ?
怒ってない」
『…』
怒ってるが、もう何も言えない。
「ごめんね。
ちょっと、隣で座っても良いかしら?
走ったから、今…心臓バクバクよ。
ここまで真剣に走ったのは久しぶりだわ?」
『まだ時間があるから良い』
「そう・・。
ありがとう。
許してくれて・・。
怒ってたら、どうしようかと思ったのよ。
私…」
悪いけど、怒ってる。
次はないに決まってる。
『…』
「タリアはココへ来るまでどれぐらいかかったの?
朝、早かったでしょう?」
『三時間足らずで着いてる』
「ヒャー。
頑張って来てくれたのね。
それは歓迎しなきゃ♪」
マナナは常にこのノリだ。
「ここの待合室…誰もいないわね?
これは歓迎すべきことだわ?
でも…さすがに駅の待合室でイチャイチャは出来ないわよ?
この駅、猛烈にローカルでしょ?
走ってる電車の窓から見えてるかも知れないし・・。
私の下宿先でイチャイチャしましょうよ」
『まだここにいるのか?』
「もう少しここでゆっくりしましょうよ。
私、走って来たし…。
汗もかいたし」
それでも良いかと思えた。
今回も勘では…。
マナナからエロを誘われるのだろう。
そんな運命に俺はある、ここは喜ばしくもある。
「ねえ…今回はたった3日間しかないって本当なの?
何とか、根性で伸ばせないの?
9月末までは夏季休暇なんでしょ?
駄目なの?
ねえ」
『……』
親が猛烈に監視してうるさい。
たった、3日間でも今回ばかりは…危険な匂いがする。
目を光らされてる状態にもある。
「ねえ…タリア…。
駄目なの?
寂しいわよ。
たった3日間なんて」
『3日間もあれば十分だろ。
ほら、下宿先へ行くぞ』
「ええ…。
駄目なの?
こんなに交渉してるのに…」
遅刻しておいて、交渉をしてる…。
「じゃ、いつも通り…まずはスーパーマーケットに行くわよ」
『…』
ココの食材は毎回、俺もちになってる。
下宿してる分、ホテル代はかからないが…。
やっぱり、マナナには良いように利用されてるようにも時々、思う。
しかし…まあ、良いかとも思ってる。
「今回は何が食べたいの?
ねえ?」
『適当に楽なので良い』
「そう!」
スーパーへ入った。
田舎のスーパーって安いかと思えば・・割りと高かったりする。
『…』
「えっと…何にしようかしら?
ここ、牛肉が…グラム250タ$以上からしかないのよ…。
はあ」
『…』
買い物はマナナに任せてる。
今回は3泊な分、費用が収まるんだろうが・・。
それ以上に自宅に残してる母親の姿が目に浮かんだ。
母には今回も一人旅へ出かけた話にしてる。
キセキがいる留学先…平和国へミルルを追って、行ってないか…母親は怪しんでる。
「はあ…それと、牛乳と卵は必需品ね。
野菜も欲しいわ。
最近、トマトが値上がりしてて困るのよ…」
何か、色々言ってるが…勝手に終われば良い。
早く下宿先へ行きたい。
マナナがレジへ向かい…会計は…今回は2800タ$か…。
俺が清算したら、マナナはそのまま…普通の顔でレジ袋へ食材を詰める。
もう、こんなノリで…マナナは感謝すらしてない様子になってしまってる。
時々、マナナはどう思ってるのだろうか?
とも思う。
まあ、これぐらい良いのかもしれないが…。
「こんだけあれば…3日間はいけるわよ。
それにしても…はあ。
今回はたったの3日間なの?」
『……』
「まあ、良いわ?
下宿先へついてからにするわ。
せっかく来てくれたんだもの」
『…そうだな』
こんな調子で進んで行く。
マナナはスーパーの袋を半分、持ち・・・俺もスーパーの袋を半分、持って…下宿先へ向かう。
外は雨が降ってる。
傘を差せば、道は一列に並ばないと…後ろから車が来る。
危険だ。
「タリア、元気そうで何よりよ」
『マナナも元気そうだ』
時刻はもう既に正午を回ってる…移動時間が長い分、こんな時間になってしまった。
マナナも遅刻をして来るからだ。
待ち合わせ時刻も早いわけでもないし、シッカリしてくれとは言いたくもなる…。
☆☆☆
マナナの下宿先へ着いた。
まあ、一人で暮らす分にはこれで十分な広さだろう。
別に泊まれれば…どこでも俺は良いが。
マンションだったのが幸いだ。
アパートだと…マナナの喘ぎ声が周囲に聞こえまくりそうで仕方ない。
マナナは結構、情事中に声が出るタイプだ。
買い出ししたスーパーのレジ袋を冷蔵庫へ入れた。
暫くして、椅子へまず座り…。
マナナが冷えたお茶を俺へ入れてくれた。
「遠方、遥々お疲れ様…。
疲れたでしょう?
ほら、氷が入った御茶よ」
『…』
御茶を黙って飲んだ。
少しだけ精神が落ち着いたような気がした。
マナナは隣の椅子に座ってる。
テレビをつけようかと思った。
俺は本気で会話が苦手だったりするからだ。
寡黙なのは生まれつきかもしれない…。
父親も実はそうだ。
『…』
テレビをつけて、NEWSを流す・・・。
割りと少し前までは邪神教のNEWSばかりだったが・・。
この頃、見かけない。
落ち着いたらしい。
そんなふうに考えてると…。
マナナは突然、俺へ抱擁して来た。
マナナは…相変わらず、黒髪オカッパで…化粧気は出てる。
それから、紫の胸元が開いたワンピースを着てる。
俺はオリーブ模様の長袖Tシャツと、黒いズボンを履いてる。
「タリア・・会いたかったわ!
ねえ、溜まってるの?
ねえ、反応してるかしら?
ここは…。
私に会えなくて、寂しかった?」
『…』
マナナはこの調子で俺に会えば…ずっとズボンをまさぐって来たり、する。
もう、どれだけエロが好きな女なのか…分からない。
『まだ早くないか?
夜まで待てないのか?』
「夜なの?
ええ…。
じゃ、まず…キスだけでもしましょうよ」
マナナは俺の隣席へ腰かけて、嬉しそうにニコニコ笑ってる。
『キス…』
「ダメなの?
キス?」
『…』
マナナは俺が黙ってても、勝手に座ってる俺へキスをして来る。
キスをすれば、俺は反応する訳で…。
マナナが勝手にズボンの上から俺の下半身をまさぐり始める。
「キャア!
やったわ!
反応したわ!
嬉しいわ!
ねえ、今回は溜まってるの?
ねえ」
『…』
エロが始めるらしい。
「どうなの?
ココはどうなってるのかしら?。
ちょっと確認しても良いかしら?」
『そんなに…ここが好きなのか?』
「イヤン!」
マナナとはこんな感じに下ネタしか進まないが…。
意外に癒されてたりする。
「やん!
なにするの!!
夜もするんでしょ?
出すのは駄目よ…。
出すのは私の中でよ…。
パイずり、好きでしょ?
気持ちが良い・・?」
『そうだ』
「じゃ、入れようかしら?
ここで出すのは駄目だから。
ずっと、エロ…したかったのよ。
会えない時、どれほどムラムラしたか…。
今回、3日なのね…」
マナナが自分の膣へ俺の股間を押し当てて…かなりキツイが入る。
マナナは常時、何故か濡れてる。
「アア…どうなの?
きついでしょ?
最初は…。
私も濡れ濡れでしょ?」
『はあ…少し、緩めて欲しい…』
「これからでしょ?
アア・・気持ちが良いわ」
マナナはゆっくり騎上位で繋がったまま、俺の顔付近へ自分の手を置き、俺の胸元へ最大に密着するような形で腰を廻し始める。
俺の胸元にマナナの巨乳が当たってる訳で…。
良い眺めではある。
平和国からコンニチハ20
目次
タリアのマナナ躾帳A
執念深い自覚はある。
確かに、最近…やっとマナナも少しは可愛げも沸いて来たが…。
長年、人の顔を見れば「不細工」だと貶し続けられた過去が消える訳もない。
まだ少し不信感が残ってる。
帰宅すれば…開口一番、母親が尋ねる決まり言葉は―――これだ。
||「タリア、おかえり。
ねえ・…タリアもそろそろ、彼女とか出来たかしら?
もし、いたら…一番最初に母さんへ紹介してちょうだいよ?
母さんがちゃんと悪人かどうか選別するからね…」||
『・・・』
||「だいたい、最近…一人旅ばかり…勝手に、家を空けてしてるけど…どこを放浪してるの?
いろいろ、神社に関することを…タリアにも家業をそろそろ手伝ってもらいたいんだけど…。
一ケ月に1週間も旅行して…それも2か月連続で。
そんなに遊び呆けられたら困るわ…。
弾けたい年頃なのは理解してるけどね、母さんも…。
ちゃんと将来的なことも考えて…ビシッと、シッカリして頂戴よ!」||
『…』
||「で…本題に入るけど…。
今、どうなのかしら?
タリアが長年、大好きだった眼鏡ミルルちゃんが留学した話は聞いてるわ?
まさか…あの子と一目会うために平和国へ遊びに行ってるなんて魂胆なら…母さん、怒るわよ。
ミルルちゃんは女優だし、派手だし、無信教だし…ウチには無理よ。
それと、平和国へだけは…何があっても足を踏んでは駄目よ。
あの国には…母さんを苛めた怖い御婆さんがいるんだから。
タリアは母さんの味方でしょ!!
分かってるの?」||
『……』
||「本当に温厚さんで…返事がないんだから。
母さんは心配してるのよ?
タリアのことを…常によ。
タリアが長年、交流してた…大親友のキセキ君も平和国へ留学したし…。
タリア、学校では寂しい思いをしてるんじゃないの?
大学ではどうかしら?
友達や彼女が出来たかしら?
タリア、普段…異常なレベルで物静かだから心配してるのよ…。
母さんがタリアの未来なら用意してるからね。
もうすぐ、タリアは
変な女が…もし、いるようならキッチリ清算しておくのよ?
分かってるの?」||
『…』
||「眼鏡ミルルちゃんが平和国へ留学した件に関しては…母さんも同情的よ?
でも、仕方ないわ?
ミルルちゃんは…無信教者だもの。
ウチの神社へは宗派変更しない限り、嫁げないわよ?
スキャンダルまみれよ、女優なんだから…。
タリアもまさか、平和国にまでストーカーしに行ってるなら。
母さんは命懸けで止めるわよ。
我が息子を思えばこそ、時に…心を鬼にするのよ。
まあ、心配しなくてもタリアちゃんの相手なら、母さんが根性でも発見するから」||
『…』
||「提出レポートがあるのよね?
最近、忙しそうね。
たまには…母さんへも有益情報を頂戴ね…。
最近、貴方…筋肉痛みたいだけど…どういうことなのかしら?
まさか…裏で隠れて、変なバイトでもしてるの?
前は高熱出して風邪ひいて帰宅したじゃない?
一人旅のあと…」||
『…』
||「母さんにもたまには説明してちょうだいよ。
ある日、何も言わずに…突然、家を空けて…。
警察へ捜索願を出そうかとも思ったのよ。
蒸発じゃあるまいし…。
タリアからの自主的な連絡で、一人旅だと判明して…ホッとしたけど‥。
ウチはするべきことに溢れてるんだからね。
たまには手伝ってちょうだいよ、母さんのために…。
次も一週間旅なんて、駄目よ。
怠慢してる暇なんてないんだから。
分かってるの…。
来週に
『…』
この調子で母さんからは常に尋問がされてる。
俺は帰宅するなり、自分の部屋へ籠るのが続いてる。
夜に近くなる、部屋で寝転がり…スマホを見れば、だいたい…来てるのはマナナからだったりする。
マナナは…幼稚園以来から続く腐れ縁ともいうべき幼馴染だ。
3年前…高2の夏に、マナナから真剣告白を数奇なストーリーで受けて…交際開始して、今に至る。
馴れ初めのあらすじは省略したが…色々なことが今まであった。
マナナは低身長巨乳スタイルで、黒髪オカッパを貫いてる…。
最近、以前より化粧気づいたかもしれない。
マナナからは週1レベルにLINEが来る。
3行メールが毎日1通来る程度だ。
☆☆☆
異能マナナ
☺---「タリア。
学校が離れてから寂しいわ。
以前なら毎日エッチが出来たのに…。
最近、出来ないでしょ?
タリアはどうなの?」---
マナナはこんな感じに毎回、超積極的過ぎる・・。
お蔭で自宅では絶対にスマホ画面を母親にだけは見えるようにできない。
マナナのレスは大半が…下ネタだ。
夏季休暇はマナナの処へ親に内緒で、ひとり旅へ出る話にして…。
マナナの下宿先に1ヶ月のうち、1週間は泊まったが…。
ほぼエロだけだった。
アレも楽しいが、体力的に大変だった…。
7月、8月はエロだけで終わってる気がする。
既読
---『エロがしたいのか?』---
---『エロがしたいのか?』---
こうとしか、レス仕様もないが…マナナはこういう女だ。
☺---「したいに決まってるでしょ!
次のデートはいつなのよ!
溜まってるわよ!
ね、離れ離れになったからって言って…。
私のこと、捨てないでちょうだいよ!
タリアはどうなの?
エロしたくないの?」---
既読
---『……』---
---『……』---
☺---「もう!
こう言う時は正直に言うモノでしょ…?
前回のデートからいったい、何回ぐらい抜いたの?
ねえ、私…今、生理中でオナりたいのにオナれないのよ。
だって、布団に血がつくでしょう?
タリアは何回、抜いたの?」---
こんな内容を親に見せられる訳もなく…スマホはずっと持ってたりする。
既読
---『2回だ』---
---『2回だ』---
☺---「キャア!
今回は溜めてないのね!
キャア!
ああ、LINEしてるだけでムラムラしちゃうわ…。
早くエロがしたいわ。
やっぱりLINEより生で会うのが一番ね」---
どちらかと言えば、マナナからずっと下ネタになってる。
既読
---『……』---
---『……』---
☺---「次は来週なの?
楽しみにしてるわよ。
エロが出来まくれることをよ!
タリア、最近…忙しそうね?
私のことを忘れないでよ?
環境が変わったから、寂しい思いしてるのよ。
ねえ!ねえ!
どの体位が良かったの?
私の騎上位、少しは上達したかしら?
ねえ、ねえ!
今回・・バックも萌えたよね?
楽しかったわ…」---
既読
---『私立ターシャ宗教女子短期大学は楽しいか?』---
---『私立ターシャ宗教女子短期大学は楽しいか?』---
☺---「どうなることかと思ったけど…。
何とか、飛行機を隔てて離れ離れの遠距離恋愛にはならなくて満足だわ。
タリアのお蔭よ」---
既読
---『そうか…』---
---『そうか…』---
俺の努力はむなしく…マナナは共学は無理だったが、何とか…地方ではない場所に通えた。
それだけでも良かった。
当初は離島になるか、地方になるか…絶体絶命だった分、大した成長だ。
飛行機を隔てて遠距離恋愛になるのは…さすがに御免だと感じだ。
しかし、マナナは何故か…勉強になると眠たくなる性格らしい。
これを叱りつけて机に向かわせるのに…どれだけの労力がいったかは省略する。
まず勉強が嫌いだからなのか…よく教科書を忘れる。
読書すれば、30分以内に眠り始める…。
勉強時間が殆ど俺へのエロ時間に剥奪されてそれどころではなかった・…。
とにかく、電車で会える範囲内の近所へ行けて良かった。
そこは褒めてるが…レズをこじらせてないか、そこら辺が未だに謎だったりする。
それにしても…マナナとは関係を持って長いが…もう子供が出来てもおかしくないレベルなのだが…。
未だに出来てない。
ということは、マナナか・・俺のどちらかに性的に何か不遇があるんじゃないかとも思う。
すぐ出来るよりマシだし、まだ若いからピンと来ないが…。
少し引っかかる。
今のところ、一応…ピルは飲んでもらってるが…マナナはウッカリ飲み忘れることもあるらしいが。
何故か、運が良いのか何なのか・…子供は出来てない。
ということは?
もしかして、俺の子種がないか…マナナがちゃんと排卵してないか…どちらかなんじゃないか?
まあ、俺の家もマナナのところも一人っ子だし…お互い、出来にくい体質なのかもしれない。
と時々、ふと…思ったりする。
☺---「キセキともたまに連絡があるけど…。
タリア、全然…キセキへレスしてないでしょ?
サボっちゃ可哀そうじゃないの?
たまにはレスしてあげなさいよ」---
既読
---『また機会があれば…。
今回は3日ぐらいでダメだろうか…?』---
---『また機会があれば…。
今回は3日ぐらいでダメだろうか…?』---
☺---「ええ!
どうしてなの!?
夏季休暇中は…月に一週間はいてよ!
エロするんでしょ!!
どうしてなのよ!
生で正常位…タリア、好きでしょう?
エロ、したくないの?
嘘でしょ!!!」---
既読
---『体力が欲しい…。
今回は3日にしてもらえないだろうか?
風邪をひいてる』---
---『体力が欲しい…。
今回は3日にしてもらえないだろうか?
風邪をひいてる』---
☺---「そうなの…悲しいけど…。
耐え忍ぶわよ…。
今回、3日なの…。
そんな…。
エロを死ぬほどやりまくりたいのに…。
たった3日間だけなの…。
そんなぁ…悲しすぎるわ。
涙が出てきそうよ、私…」---
既読
---『きっと、
3日間でも同じぐらい楽しいから…』---
---『きっと、
3日間でも同じぐらい楽しいから…』---
そろそろ、親がどこへ一人旅へ出かけてるのか…怪しみ始めてる。
さすがに何も言わずに出て行けば…猛烈に何なんだろうか?
と疑われまくってる。
あと、帰ってから変な場所の筋肉が痛い…。
家でやらなくてはならないことが山積みにある。
☺---「今回のエロはたった3日なのね…。
悲しすぎるわ。
ショボ―――――んよ、しょぼぼぼボンも良いトコよ・…。
はあ…。
アア、元気失くしたわ…一気に…!
体力ないのね、ハアアア…。
仕方ないわ、耐えてあげるわ…ハアアアア…。
で…。
どう?
LINE慣れてきた?
タリアってリアルでも静かだから・・。
どうなの?」---
既読
---『少しは…』---
---『少しは…』---
☺---「体調整えてね。
いっぱい次回もエロをしましょうね」---
実は最近…1日に一回が限界になってたりする。
さすがに10代じゃないから、毎日何回もはキツイ・・・。
マナナに会えば、連日…搾り取られてる状況だったりする。
エロは好きだが、体力値だけが問題かもしれない。
既読
---『そうだな』---
---『そうだな』---
☺---「じゃ、そろそろお風呂だから。
LINEはここまでね」---
既読
---『風呂なのか?』---
---『風呂なのか?』---
☺---「そうよ。
そろそろ肌寒い季節ね。
風呂の季節だわ。
あたたまって来るわ」---
既読
---『そっか、じゃ』---
☺---「おやすみなさい」---
既読
---『おやすみ…』---
溜息を吐いた。
スマホにはキセキからもLINEが来ていたりする。
これは…自他共に認める俺の大親友で…腐れ縁と言える幼馴染だ。
俺は正直、距離を置きたいと願ってるが…事あるごとに構ってオーラ-を発してくる友人だ。
茶髪茶目オランダ系クォーター長身、モテ男で…本音を話せば私生活が全て自慢に聞こえてくる。
長年のノリで言いたい放題だが…もしかすると、空気が読めない男なのかもしれない…。
大昔は泣き虫な多童児で事あるごとに人へヘルプを求める精神的に遅れた奴だった。
いつの間にか自活できたらしい。
☆☆☆
灯台キセキ
☺---「マナナとのLINEは続くが…君とのLINEは全く続かない。
というか、レスをしてくれない。
僕は寂しい思いをしてる。
マナナとは仲良くいってるか?
マナナへは君のことをよく聞いている」---
☆☆☆
特に、レスをする気にならない。
いつになれば…マナナとキセキの関係は完全に切れるのか…。
もうそろそろ…キセキが留学してから結構の月日が流れるし、完全に疎遠になってもおかしくないと思うが。
俺の彼女――マナナと、俺の親友―――キセキは…。
二人は元許結で、交際までしていた。
しかし、二人の交際は一日でスピード破局し…あれから…3年も月日が経過してる…。
マナナはキセキの方がLINEが続くらしい。
あまり良い気がしてない。
奴ら大昔から何故か魚と水の関係だ。
やはり、マナナには躾けなければならない気がする。
今日もキセキからのLINEは放置した。
そろそろ、空気を読んでくれても良い気がするが…キセキも天然なのかもしれない…。
俺は…マナナとデート中に、マナナがキセキとLINEをしてる姿を見たことが数回はある。
マナナは俺へ内容を見せてくれてるし、変な文章はないが…。
何故か、見てると…どうもマナナとキセキの方が未だに会話が弾むらしい。
余り良い気がしない。
それがハッキリと伝えにくい…。
俺はマナナとLINEが週1だが…マナナとキセキの方が頻度が多い…そのことが発覚した。
幼稚園児のノリじゃないし…、 そろそろ…幼馴染関係も終わってもいいんじゃないかと思うが…。
どうなのか?
マナナは何故か俺のLINEの時だけ、風呂やそろそろ眠いからとか…そろそろ夕飯だからとか…理由を付けて、終了してる気がするが…。
これは気のせいなのか…。
少し溜息が漏れた。
確かに、キセキの方が会話がうまい…と言うか、アイツ…話題に尽きない奴だ。
四六時中、言い寄られてる女性達の内容で…LINEが進んで行く。
マナナも読んでいて、新鮮で面白いのだろう…。
マナナとはこんな調子で、…交際したのちも…ずっと、何故かエロ以外で…会話が盛り上がらない・…。
お互いの本心は謎に包まれてる。
そろそろ寝ることにした。
それにしても…交際して、3年目になるが…最近、電話がかかって来ない。
まあ、電話なんかされても俺も無口が酷いし、会話が弾むわけでもない…。
マナナは電話に関しては・・キセキとも国際電話は通話料が馬鹿にならないから、全くしてないみたいだし…別に良いが。
そろそろキセキとの仲を完全撲滅させても良い気がする…。
どうなのだろうか?
大学には行ったが…俺は相変わらず、全くモテてない。
というか、大学にいる女子が少なすぎる…。
どうも、俺が所属する大学内の奴らは大抵がそこらにいる他校の女子大生とつるんでるらしい。
コンパへ参加する気には今のところなれず、二次会は断ってる。
しかし、キセキは留学してからもやはり…モテまくってるらしい。
この格差は何なのか?
キセキが通う大学内は…花で溢れてるらしい。
要するに、女子の容姿レベルが高いらしい。
俺の従兄妹もどきは…スマホへ送信された写真で初めて見せてもらったが…。
勘では、平和国にいる月神という苗字は…俺の従兄妹なんだろう。
俺の叔母さんが生んだ娘なんだろうが・・。
俺には全然、似てない。
古典派女優マリンモローに似た女性だ。
クリクリな金髪は肩で切りそろえられ…赤いポッテリした唇に涼しげな青眼、巨乳系美女だった。
ハーフらしいが…外人にしか見えない。
その従兄妹…月神マリアまでキセキを崇拝してるらしい。
キセキは、現在…留学先の大学でファンクラブが結成されたり、大変なことになってるらしい。
勤めてるバイト先も…キセキが通う大学に所属する女子大生ファンが軒並らしい。
キセキ目当てで通う女性客ばかりらしい…。
この話、全部…俺はマナナから伝え聞いてる。
マナナはキセキから平和国の情報をLINEで教えてもらってるらしい。
あまり、面白いわけもなく。
そろそろ離別へ向かうべきだと感じるが…どういうふうに持って行けばいいのか?
マナナも少し、躾けてみたい気にもなる。
色々、考えてると疲れた…。
今日は寝ることに決めた。
今週末、マナナと会うだろう。
実に1ヶ月ぶりだ。
マナナとは最近…月1で会う関係になってる。
遠距離でもないんだからとも思うが…マナナが通ってる短大はココより少し遠い。
マナナは短大付近で現在、下宿してる。
電車で通えば…自宅から2時間半、片道でかかってしまう場所にマナナが下宿してる場所はある。
電車で2時間強+バス時間も含めて…そうなって来る。
俺はターシャ神社付近にある場所へ通ってるが…まあ、飛行機を隔てて遠距離よりマシなんだろう。
キセキは未だに本命のレイカさんとは進展がないらしい。
どうなるのか…?
アイツ、まさか…最期までレイカさんとは交際できないんじゃないか…。
この期に及んで、そんな気がし始めてる。
☆☆☆
☆☆☆
デートの日になった。
電車で乗り換え2回が必要な距離だ。
俺は片道2時間半…電車で乗り継いで向かわなければならない。
かなり体力値が要る。
待合の駅でマナナからメールが来た。
✉異能マナナ
件名; ごめん
本文;30分、遅刻する!
待合室で待っておいて…。
ちょっと…これはショックだったかもしれない。
まあ、マナナならあり得そうだが…。
異能マナナ
☺---「ごめん!!
スマホのアラームを登録した気だったけど…。
寝る前に充電をし忘れてて…。
で…。
ごめん…」---
既読
---『分かった。
待ってる』---
理由をグダグダ言われるよりか進んでほしい。
☺---「すぐ…そっちに向かうから。
きっと、30分ぐらいだと思う。
暇でしょ?
今」---
既読
---『まあ…』---
☺---「ごめん!
うっかりやってしまったの…!
待ってて。
今日は雨ね?
知ってた?」---
既読
---『雨だ。
LINEしてる余裕はあるのか?』
そこからLINEレスが来なくなった。
30分だろうが待つことになった…。
毎回、こんな感じで本気で躾がなってない。
昔から教科書を忘れたり、居眠りしたり…いろいろ散々、悪行を見て来たが…やはり、今でも素行は完全には治ってない。
いろいろ、あり得ないことの連続だったりする。
自宅の鍵をかけ忘れてないか…毎回、俺に聞いて来る。
下宿してる時、一回…鍵をせず、そのまま寝てたこともあるらしい。
マナナらしいが…毎回、俺が隅々まで見渡さなくてはならない…。
待合室は9月だが、まだ暑かったりする。
マナナらしいとは思うが…。
その時、数分もしないうちに…駅の待合室、ドアが開いた。
見知った顔だ。
と言うか…顔が走って来たのが、すぐ分かるレベルに真っ赤だった。
肩揃えな黒髪がボサボサになってた。
今回の服も…半袖紫ワンピに黒いベルト…ただそれだけなのに…胸元から谷間が丸見えだ。
マナナはどの服を着ようが・・絶対に胸元が丸見えになるらしい。
Gカップは凄すぎる、そこは認めてる。
いつも丸見えなのか…デートの時だけなのか…聞いてみたが、いつも丸見えらしい。
ターシャ祭でも、キセキが…マナナの胸元を見てた…。
マナナはセーラー服の時は流石に見えなかったが、私服では常時…胸の谷間が目につく。
「タリア!
走って来たわよ!
本気でごめん・・。
えっと、30分待たせるとか言ったけど…15分で済んだでしょう?
えっと…はあ…走ったから苦しいわよ?
怒ってない」
『…』
怒ってるが、もう何も言えない。
「ごめんね。
ちょっと、隣で座っても良いかしら?
走ったから、今…心臓バクバクよ。
ここまで真剣に走ったのは久しぶりだわ?」
『まだ時間があるから良い』
「そう・・。
ありがとう。
許してくれて・・。
怒ってたら、どうしようかと思ったのよ。
私…」
悪いけど、怒ってる。
次はないに決まってる。
『…』
「タリアはココへ来るまでどれぐらいかかったの?
朝、早かったでしょう?」
『三時間足らずで着いてる』
「ヒャー。
頑張って来てくれたのね。
それは歓迎しなきゃ♪」
マナナは常にこのノリだ。
「ここの待合室…誰もいないわね?
これは歓迎すべきことだわ?
でも…さすがに駅の待合室でイチャイチャは出来ないわよ?
この駅、猛烈にローカルでしょ?
走ってる電車の窓から見えてるかも知れないし・・。
私の下宿先でイチャイチャしましょうよ」
『まだここにいるのか?』
「もう少しここでゆっくりしましょうよ。
私、走って来たし…。
汗もかいたし」
それでも良いかと思えた。
今回も勘では…。
マナナからエロを誘われるのだろう。
そんな運命に俺はある、ここは喜ばしくもある。
「ねえ…今回はたった3日間しかないって本当なの?
何とか、根性で伸ばせないの?
9月末までは夏季休暇なんでしょ?
駄目なの?
ねえ」
『……』
親が猛烈に監視してうるさい。
たった、3日間でも今回ばかりは…危険な匂いがする。
目を光らされてる状態にもある。
「ねえ…タリア…。
駄目なの?
寂しいわよ。
たった3日間なんて」
『3日間もあれば十分だろ。
ほら、下宿先へ行くぞ』
「ええ…。
駄目なの?
こんなに交渉してるのに…」
遅刻しておいて、交渉をしてる…。
「じゃ、いつも通り…まずはスーパーマーケットに行くわよ」
『…』
ココの食材は毎回、俺もちになってる。
下宿してる分、ホテル代はかからないが…。
やっぱり、マナナには良いように利用されてるようにも時々、思う。
しかし…まあ、良いかとも思ってる。
「今回は何が食べたいの?
ねえ?」
『適当に楽なので良い』
「そう!」
スーパーへ入った。
田舎のスーパーって安いかと思えば・・割りと高かったりする。
『…』
「えっと…何にしようかしら?
ここ、牛肉が…グラム250タ$以上からしかないのよ…。
はあ」
『…』
買い物はマナナに任せてる。
今回は3泊な分、費用が収まるんだろうが・・。
それ以上に自宅に残してる母親の姿が目に浮かんだ。
母には今回も一人旅へ出かけた話にしてる。
キセキがいる留学先…平和国へミルルを追って、行ってないか…母親は怪しんでる。
「はあ…それと、牛乳と卵は必需品ね。
野菜も欲しいわ。
最近、トマトが値上がりしてて困るのよ…」
何か、色々言ってるが…勝手に終われば良い。
早く下宿先へ行きたい。
マナナがレジへ向かい…会計は…今回は2800タ$か…。
俺が清算したら、マナナはそのまま…普通の顔でレジ袋へ食材を詰める。
もう、こんなノリで…マナナは感謝すらしてない様子になってしまってる。
時々、マナナはどう思ってるのだろうか?
とも思う。
まあ、これぐらい良いのかもしれないが…。
「こんだけあれば…3日間はいけるわよ。
それにしても…はあ。
今回はたったの3日間なの?」
『……』
「まあ、良いわ?
下宿先へついてからにするわ。
せっかく来てくれたんだもの」
『…そうだな』
こんな調子で進んで行く。
マナナはスーパーの袋を半分、持ち・・・俺もスーパーの袋を半分、持って…下宿先へ向かう。
外は雨が降ってる。
傘を差せば、道は一列に並ばないと…後ろから車が来る。
危険だ。
「タリア、元気そうで何よりよ」
『マナナも元気そうだ』
時刻はもう既に正午を回ってる…移動時間が長い分、こんな時間になってしまった。
マナナも遅刻をして来るからだ。
待ち合わせ時刻も早いわけでもないし、シッカリしてくれとは言いたくもなる…。
☆☆☆
マナナの下宿先へ着いた。
まあ、一人で暮らす分にはこれで十分な広さだろう。
別に泊まれれば…どこでも俺は良いが。
マンションだったのが幸いだ。
アパートだと…マナナの喘ぎ声が周囲に聞こえまくりそうで仕方ない。
マナナは結構、情事中に声が出るタイプだ。
買い出ししたスーパーのレジ袋を冷蔵庫へ入れた。
暫くして、椅子へまず座り…。
マナナが冷えたお茶を俺へ入れてくれた。
「遠方、遥々お疲れ様…。
疲れたでしょう?
ほら、氷が入った御茶よ」
『…』
御茶を黙って飲んだ。
少しだけ精神が落ち着いたような気がした。
マナナは隣の椅子に座ってる。
テレビをつけようかと思った。
俺は本気で会話が苦手だったりするからだ。
寡黙なのは生まれつきかもしれない…。
父親も実はそうだ。
『…』
テレビをつけて、NEWSを流す・・・。
割りと少し前までは邪神教のNEWSばかりだったが・・。
この頃、見かけない。
落ち着いたらしい。
そんなふうに考えてると…。
マナナは突然、俺へ抱擁して来た。
マナナは…相変わらず、黒髪オカッパで…化粧気は出てる。
それから、紫の胸元が開いたワンピースを着てる。
俺はオリーブ模様の長袖Tシャツと、黒いズボンを履いてる。
「タリア・・会いたかったわ!
ねえ、溜まってるの?
ねえ、反応してるかしら?
ここは…。
私に会えなくて、寂しかった?」
『…』
マナナはこの調子で俺に会えば…ずっとズボンをまさぐって来たり、する。
もう、どれだけエロが好きな女なのか…分からない。
『まだ早くないか?
夜まで待てないのか?』
「夜なの?
ええ…。
じゃ、まず…キスだけでもしましょうよ」
マナナは俺の隣席へ腰かけて、嬉しそうにニコニコ笑ってる。
『キス…』
「ダメなの?
キス?」
『…』
マナナは俺が黙ってても、勝手に座ってる俺へキスをして来る。
キスをすれば、俺は反応する訳で…。
マナナが勝手にズボンの上から俺の下半身をまさぐり始める。
「キャア!
やったわ!
反応したわ!
嬉しいわ!
ねえ、今回は溜まってるの?
ねえ」
『…』
エロが始めるらしい。
「どうなの?
ココはどうなってるのかしら?。
ちょっと確認しても良いかしら?」
『そんなに…ここが好きなのか?』
「イヤン!」
マナナとはこんな感じに下ネタしか進まないが…。
意外に癒されてたりする。
「やん!
なにするの!!
夜もするんでしょ?
出すのは駄目よ…。
出すのは私の中でよ…。
パイずり、好きでしょ?
気持ちが良い・・?」
『そうだ』
「じゃ、入れようかしら?
ここで出すのは駄目だから。
ずっと、エロ…したかったのよ。
会えない時、どれほどムラムラしたか…。
今回、3日なのね…」
マナナが自分の膣へ俺の股間を押し当てて…かなりキツイが入る。
マナナは常時、何故か濡れてる。
「アア…どうなの?
きついでしょ?
最初は…。
私も濡れ濡れでしょ?」
『はあ…少し、緩めて欲しい…』
「これからでしょ?
アア・・気持ちが良いわ」
マナナはゆっくり騎上位で繋がったまま、俺の顔付近へ自分の手を置き、俺の胸元へ最大に密着するような形で腰を廻し始める。
俺の胸元にマナナの巨乳が当たってる訳で…。
良い眺めではある。
平和国からコンニチハ20
目次
タリアのマナナ躾帳A