平和国からコンニチハアナタノコトガスキデス

萌え妄想のまま走るいろいろ創作小説の予定。苦情無断転載禁止。

… [社R18]元カノのピンチは救えるのか??


 

平和国からコンニチハ16

「キセキ視点」


父❍どうも…
君の従兄妹の交際相手と、我が義弟嫁――妙子さんは…
破局させたいらしい。

 今日は、
君の従兄妹―タリア君が見合いをする日らしい❍
(平和国語)

母❍…❍

❍つまり…えっと…。

オレンジワンピで
黒いオカッパ髪の背が低くてグラマラスなウーマンが、
アタシの従兄妹…タリアのガールフレンドで…。

二人を別れさせたいのね、白着物なタリアのママ―――妙子(たえこ)さ んは…。
あと…。

黒袴なタリアと
黒髪ショートカットで青いノースリワンピな女性を…
白着物なタリアのママ―妙子(たえこ)さんは…
ゴールインさせたいってことなのね?

コレで…パパ、合ってる?❍
(平和国語)

父❍そう言う話だ❍
(平和国語)

❍あの人たちの名前はなんていうの?
アタシの従兄妹(いとこ)の名前が、
月神(つきがみ)タリア”って知ってるけど…❍
(平和国語)

父❍ママの弟はアリオで、その妻は…妙子(た えこ)
君の従兄妹は…タリア。
それ以外は聞き逃した・・・。
 だから、状況説明になる❍
(平和国語)

❍もう、パパ・・しっかりしてよ!❍
(平和国語)

父❍それにしてもだ。

 ちょっと…
大変な時に来てしまったかもしれない。

 可哀そうに…
あのオレンジワンピの女性を見てごらん?

 泣いてるよ。

 別れさせるようだ、
不憫(ふびん)にもなって来る❍
(平和国語)

母❍…❍


❍ねえ、パパ…
アタシたちで何か出来ないのかしら?

アタシ、ヘルプしてみたいわ❍
(平和国語)


マリアとその父、2人の会話だけが…平和国語で弾んでる…。
マリアの母や祖母たちは黙って、マリアと父を大人しく眺めてるだけだ。
これがタリアの親戚なのか…。
タリアに似てる、性格がだ。
月神家は本当に無口なのか…。

||「ちょっとそこの二人?
私が平和国語が理解できないとでも思い?
久しぶりじゃない?
何の用事かしら?
苛めたりなかったかしらね?
ココに戻って何をする気かしら?
目的は何かしら?
ウチの可愛い息子タリアちゃんに変な情報を与えてみたら…。
タダじゃおかないわよ?
何?
私に逆らう気?」||(平和国語)

タリアの母が才女らしいのは耳にしたが…。
平和国語が喋れたらしい。
白着物で神社内部、黄畳に立つタリアの母は…鬼のような怒り形相へ変化した。

しかし…この会話内容、怖い。
いったい、昔…この人たちの間で…何があったのか…。

❍タリアちゃん!?
アタシの従兄妹、
20歳は既に越えてるわよ…❍
(平和国語)

父❍どうも、
一人しかいない愛息子を
死ぬほど激愛してるらしい…。
妙子(たえこ)さんは…。

 これは大変そうだ。
 説得するのがだ…。

ママ、怖いのかい?
さっきから震えてるが…❍
(平和国語)

母❍…❍

||「うちの主人は今、神父の仕事で忙しくて…。
ミサへもう行ったわよ?
泉の妖精様を奉納する儀式が…ターシャ泉で、あと数時間もすれば行われるからね?
ココにはいないわよ?
帰ってくれないかしら?
邪魔だわ。
和解する気なんて私にはないわよ?

ウチのタリアちゃんの見合いが終わったら…私たちは色々、用事が詰まってるんだから!
今日は行事事で忙しいんだから!

それから知ってるかしら?
実はね・・・。
ウチの可愛い息子、タリアを狙う悪い女の元々の許婚いいなづけ)は… そこにいるウチの息子の親友だったのよ

元鞘(もとさや)に戻させてあげようかしら?って 思ってるのよ?
その方がタリアの未来に良い筈だからね?」||
(平和国語)


「キセキの解説 ターシャ祭(始)」

ターシャ祭では…泉の巫女様の任期が降りて以来、違う祭りと化している。
ターシャ泉へ神父が行き。

父『ターシャ泉の精霊様、ターシャ神様。
早く次の神童様がどうぞ泉より降臨しますように。
村に災いが起きませんように、無病息災(むびょうそくさい)で ありますように…』

と神父がターシャ泉へ向かって、祈祷するのだ。
次、泉から降臨される神童様は…巫女様なのか?神子様なのか?
まだ、性別すら謎な状況だ。
ターシャ人系なのか、平和国人系なのか、邪神人系なのかも…不明だ。
これもランダムに毎回、違うらしい…。

僕の知り合い、TVーNEWS解説番組にも出演される著名な学習博士から聞いた台詞を、そのまま拝借(は いしゃく)すれば…。

~~~元々、人間は一つの人種だったから…。
別世界から降臨される泉の神童様がどういう容姿かは予想不可能なのじゃ。
平和国や邪神国より…ターシャ国の歴史の方が一番、長いからのぉ。

大昔は…平和人も邪神人もターシャ国民に属していたのじゃよ。
そういう名残で…別世界から降臨される神童様がどういう系統なのかは毎回、不規則にランダムなんじゃよ。

それにしても…現在、降臨なさってる泉の巫女様は…超絶別嬪(べっぴん)さ まじゃの。

次も女性が良いのぉ…フォフォフォ♪♪

ウヘウヘウへ♪♪♪~~~

―――ということらしい。

結局…僕の親友、タリアは…。
実家がターシャ神社なのにも関わらず…説明してくれなかった。

高校時代、僕は平和国へ留学する直前…僕からタリアへこの話を伝えたら…。
タリアはそれを聞いて、『…………』と、瞬きをしてただけだった。

それに反して、マナナは。
「そうなの!キセキって、物知りね!さすが、キセキ!頼りになるわ!」
と僕を()(た た)えていた。

ターシャ泉の前には大きな竹が飾られ、隣で絵馬が1つ500円で販売されている。
巫女様からの祈祷料は1回1000円だった。
絵馬なら半額になると言うことらしい。
意外にこれが人気がある。

巫女様にお祈りが出来ない代わりに、ミサ施設の隣へ飾られた竹の笹の葉に…。
それぞれの願い事を飾る祭りになっている。
ミサ施設や飾られた竹はターシャ泉の目前にある。
泉の下からも妖精様が…竹に飾られた絵馬が見えるという算段らしい。

観光客はこの日だけ自由に入館できるミサへ入り、書物を読んだり・・。
ターシャ泉をバシバシと写真撮影したりしている。
あそこは天然記念物が多いから、ゴミだけは捨てないように注意書きの看板が立っている。
年に一回の動物園状態だ。

草むらで寝てるタコとかが人気らしい。
犬イルカは相変わらず、人気者だ。
それ以外にも、空飛ぶ魚などに観光客が驚愕しまくるらしい。

確かに、メロンの木やトマトの木があって…かなり、ターシャ泉は環境が変わってる。
タイや金魚まで泉には混浴してる。
ジャンピングマイマイと言う名前の蛇にカタツムリの殻が付いたようなジャンプする危険生物もいるが…。
見てると、楽しいのは確かだ。

神や精霊が宿る湖とされてるが…生物が独自の進化を遂げているのも、見ものだ。
あの下から、泉の妖精様が湧き出て来るらしい。
次の泉の妖精様はいつ出現するのか?
村人たちの間で噂になっている。

確かに、泉の巫女様は僕も数回会ってるが…全身が発光していて、瞳の奥まで色々な光を放ってる。
人間ではない存在だったと思う。
村では妖精様の存在が、ターシャ神話そのものだと信じ受け継がれている。
この村から妖精様が二度と降臨しなくなったとき、災いが起きると…ターシャ教の聖書では載っている。
現在が平和すぎて、僕には実感がないが…。
僕の実家もターシャ教を信じ、ターシャ国は国境がターシャ教だ。
僕もターシャ神を信じてるし、レイカさんも信心深い。
マナナは熱狂徒だ、僕の親友タリアは実家がターシャ教関係のターシャ神社だ。
僕が知る限り、ターシャ人で無信教なのはミルルだけだ。

それと、神父からの祈祷もあるらしいが…これは、要予約制らしい。
ターシャ祭りのとき、周辺の屋台では七夕に因んだカラフルな綿飴などの菓子が売っている。
一応、花火も上がる。
今日は、神父なりに忙しいかもしれない・・。

「キセキの解説 ターシャ祭り(終)」


平和国語で会話をするマリアとその父へタリアの母が平和国語で威嚇をし始めてる。
僕はタリアの母の言い分に色々な理由から納得しかけた。

その時だ、神社の内部…黄畳の奥の部屋から…神父姿の中年男性が目に映った。
タリアのお母さんの背後にいる、見えてる…ココにいない訳がない。
あの人に決まってる!

父『…』←※神父服を着たタリアの父??※

僕の勘では神父服を着た中年男性が、タリアのお父さんだ…。
今のマリアたちの説明によれば…アリオって名前らしい、初耳だ。

見るからに温厚そうで静かそうな容姿はその辺にいそうな雰囲気の人だ。
じっと静かに現場を見守ってる。
僕は唖然とした。

マナナは会話の内容に付いていけてないようだ、ターシャ語で僕に翻訳を懇願してきた。

「あの…お義母さん、私には何をしゃべってるのか…謎なんですが…。
私、平和国語なんて分からないので…。
えっと、キセキ…。
あの人たち、何喋ってるの?
訳してくれない?
誰なの?
あの金髪の外人、まさか…噂のタリアの従兄妹さんなのかしら?
キセキからはLINEで聞いたことあったけど…。
キセキ、合ってる?」

オレンジワンピなマナナが黒袴なタリアに抱擁したまま、僕へ救いの手を求めて…視線をコチラへ向けて来た。
タリアの表情は相変わらず、死んでいる…仏頂面だ。

『…』←※黒袴なタリア※

タリアが僕へ送る目線が…いつの日からか…冷たい気がするが・・気のせいなのかもしれない。
僕は母国語、ターシャ語でマナナに説明した。
平和国で現在、留学をしてるとはいえ…やはり母国語の方が僕としても、喋りやすい。

「マナナ…あそこにいる金髪碧眼の女性がタリアの従兄妹、”月神マリア”で…。
その他、4名はマリアの両親と祖父母だ。
マリアは君と同じでターシャ語が理解できないから…マリアの父に君たちの会話内容を説明してもらってる。
それだけの話だ」

「そうなの。
キセキ…解説をありがとう、助かるわ」

『…』

どうせ、タリアの学力なら平和国語は理解は出来てる筈だ、彼も無口だ。
会話に参加しようとしてないだけだろう。

その時、僕の隣に最初からいた…青ワンピに黒髪ショートカットの美神敏子さんが…オドオドと声を発した。
もちろん、ターシャ語だ。

❂えっと…。
私には何を喋ってるのか分かりませんわ?
平和国語なんて分からないので…。
で、でも…キセキ先輩、もうこんな怖いところから去りましょうよ。
私は…この縁談をお断りします ❂

||「キセキ君…来年は来ないでちょうだいね?
タリアの見合いを邪魔しに来ないでちょうだいね?
まあ、来年にはタリアから別れてる可能性の方がこの分じゃ、高そうだけど…。
ウチの可愛い息子、タリアちゃんは常に私の味方なんだから…。
で、キセキ君?
ウチの息子を狙う悪い女と元に戻る気はあるかしら?

あの人、元々…キセキ君の許婚いいなづけ)だっ たんでしょう?
ウチの月神家にはどうしても…向こうの家と合わないのよ、家風(かふう)が ね?
あの家とこれから先、親交があると思うと…呪い殺しそうな域だわ?
キセキ君のお母さんと、あの女の母とは…友達なんですって?
キセキ君…今年もまさか、ウチのタリアちゃんの縁談を壊しに来たのかしら??」||

白着物なタリアの母が…言語を母国語…ターシャ語に変え、僕へ語りかける。
怒りまくった般若顔だ、僕はゾクリと身震いをした。

父❍あの白着物女性の背後にいる…神父服の人は…。
ママの弟―アリオ君だろ?
ママはアリオ君に何か言わないのかい?

君は生まれ育ちがターシャ国なんだからターシャ語は喋れるだろう?
そんなに怖いのかい?
弟嫁の妙子さんが…❍
(平和国語)



母❍…❍

❍そうかい。
ママは怖いのかい。
それにしても…。

君の弟―――アリオ君も…
(よめ)妙子(た えこ)さんの尻に敷かれ過ぎてる…。
言いなりだ…。

元々は温厚な弟さんだったのに…。
結婚してから、嫁の言いなりだ…❍
(平和国語)

母❍…❍

父❍そうかい?
ココはもう去りたいのかい?
君は本当に…昔から静かだな…。
僕の前でしか…君は喋らない。
そこが良いところでもあるが・・・❍
(平和国語)

母❍…❤❤❍

タリアの叔母様なのだろうか…。
平凡な容姿の見るからにおとなしそうな中年女性は頬を赤くさせた。
まあ、マリアの父がダンディーな白人系男性なのは認めよう。
マリアは父親似らしい。
タリアの叔母様がぞっこんなのは理解できる。
マリアの言葉の語尾に❤❤が付くのは…母親譲りだったようだ。

マリアはそこで目をキラキラさせた。

❍決めたわ!
アタシ、良い案があるの!❤

ねえ・…パパ、
これからみんなで一緒に役所に行って、
あの人たちの入籍届を出してあげましょうよ。❤❤
可愛そうだわ、見てられないわ。
別れさせられそうなのでしょう?❍
(平和国語)

父❍そうだな…それはマリア。
 良い案だ。
 あんな怖い母――妙子(たえこ)さんがいる家へ
嫁ぐ嫁などそうそういないだろう❍
(平和国語)

母❍…❍

祖父❍…❍

祖父❍…❍

父❍ しかも…。
君の従兄妹はマリアと違って、容姿まで全然、冴えてない。
義弟嫁ー妙子さんに容姿は似たらしい…。

義弟のアリオ君に容姿が似れば、
ママのように
まだ平凡なりとも愛らしいターシャ人になれたものを…❍
(平和国語)

母❍❤❤❤❤❤❤❤❤❍

マリアの母…平凡な容姿の中年女性は、褒められたかのように顔を薔薇色に染めた。
きっと、そう言う意味なのだろう…喋ってくれないから、推測の域だが…。

まあ…確かにマリアの父が言うとおり、タリアは本気で容姿は母似だ。
タリアの父は・…平凡で温厚そうな見た目だ。
タリアの叔母様も平凡だが…温厚そうだ。
タリアの祖父母も人並みだが…温厚そうな雰囲気が漂ってる。


僕は友達だからタリアの容姿に関しては説明しないが、映画俳優に似てるとは言い難い。
温厚そうか?
と尋ねられるとココは否定はする…タリアの容姿は母親に似てる。
これだけしか、僕には言えない…。
彼の容姿はよく、冴えない容姿と表現されている…これが一番、しっくりくる表現だ。
それからタリアの母も確かに冴えない容姿だ、ココは認める。

タリアの従兄妹、マリアに関しては映画女優並みなのは不思議だったが…父似らしい。
タリアの叔母様が夫にゾッコンらしい、見ていて伝わって来る。


父❍ さらに…あのレベルの無口さだ、
あれは月神家直系血筋の性格を受け継いでる…❍
(平和国語)


母❍…❍

祖父❍…❍

祖父❍…❍


父❍マリア…。
ママ…。

みんな…。
あれであの子を逃して、他に来ると思うかい?
更にいうなら…この家は絶対、同居な筈だ❍
(平和国語)


母❍…❍

祖父❍…❍

祖父❍…❍

 父❍我が娘、マリアよ…。
君はあんな怖い姑――妙子(たえこ)さんがいると ころへ
嫁ぎたいかい?❍
(平和国語)

❍パパ、
ジョークは止めてよ❤
マリアはキセキと言う人が
もう既にフィアンセなんだから❤❤

嫌に決まってるじゃない。
従兄妹同士婚なんて冗談じゃないわよ。

グランマとグランパが…
見合いで、
はとこ結婚なんでしょ!?

それで、
アタシが従兄妹のタリアと結婚なんてしたら…
血が濃すぎるでしょ!

そんな和解方法、求めてないわ。
マリアはキセキと結婚するのよ❍
(平和国語)❤❤

知らなかったが、マリアとタリアの祖父母は…ハトコ同士見合結婚。

曾祖父母の曾孫(ひまご)同士がハトコだ、遠縁と もいう。

それで…マリアとタリアの祖父母、両方が無口な理由が判明した。
両方とも月神家出身らしい…。



父❍誰なんだ?
 そのキセキって男は・・・❍
(平和国語)

母❍…!!❍

祖母❍…!❍

祖父❍…?❍

❍あのお賽銭(さいせん)箱 の前で立ってる
ブラウン☆ヘアーにブラウンな瞳のクールガイよ❤

隣に黒髪ショートカットで
ノースリのブルー☆ワンピな女性といるナイスガイよ❤❤

マリアのダーリンなの♪❍
(平和国語)❤❤

父❍何だって!?

 あのチャラそうな
緑色アロハTシャツの男がなのか?

 隣に女の子を侍らしてるじゃないか…❍
(平和国語)

母❍……・…・…・…❍

祖母❍……❍

祖父❍…❍

❍違うわ、
キセキは常にモテるイケメンなの。❤❤
仕方ないのよ…。

モテるから…
エヴィリタイム、ウーマンが隣にいることは。
でも、今ではもうマリアのフィアンセなの♪。❤❤

パパもギブアップして、
キセキを認めてちょうだい❍
(平和国語)❤❤

父❍分かった…。
 マリア、今からするべきことが見つかった。

 あの子を逃すと
君の従兄妹は結婚が一生、出来そうにない。

 父さんもマリアの手伝いをしてやろう。
 今すぐ、役所へ走ろう・・。
 ココから去ろう。

 二人の入籍を
あの義弟嫁――妙子(たえこ)さんが妨害する前に だ❍
(平和国語)

母❍…❤❤❤❤❍

祖母❍…❍

祖父❍…❍


マリアとその父、二人は…平和国語で勝手に話が弾んでる。


 ||「なんですって!!??」||

父『…』

白着物なタリアのお母さんがターシャ語で大声を上げ、魘されそうな恐ろしい表情へ豹変した。
妙子さんって名前らしい…人生で初めて知った、タリアは教えてくれない…。
タリアの母の背後にいる神父姿をしたタリアの父は…静かにタリアの母を暖かく、柔和に見守ってるだけだ。

マリア一族全員が怯え始め、ガタガタブルブルし始めた。
マナナは不思議そうに黒袴なタリアを抱き締めてる。
タリアは目が点になってる。

神社に来てる参拝客の全員が…お賽銭箱の向こう側、屋敷の黄畳にいる白着物なタリアの母へ注目した。

❍善は急げだわ、行きましょう…。
パパ。
ココは怖いわ❍
(平和国語)

父❍そうだな…マリア。
 まだ、和解は難しそうだ。

ママ、ごめん…。
僕は役に立てなかった。
許してくれるだろうか…。

君と弟のアリオ君が和解することすら、無理だった。
次こそは頑張ろう…❍
(平和国語)

母❍……………❍

祖母❍…❍

祖父❍…❍

マリアの母は地面を向いて、そのあと…マリアの父の顔へ視線を注いだ。
無言で何かを訴えてるようだが…。
あれはどういう意味なんだろうか?
解説が欲しい。


マリアの背後にいる祖父母達は…嬉しそうなオーラだ。
これは…ココから去れることに関して、喜んでいるのだろうか???

元々はマリアの祖父母達が・…このターシャ神社で暮らしていたらしい、それを追い出したのが…タリアの母らしい。
マリアの祖父母は…タリアの祖父母でもある訳で…純潔のターシャ人だ。
見るからに温厚そうな雰囲気が漂う老夫婦だ。

❍キセキ!、
マリアは今からガンバってくる。❤❤

マリア、キューピッドになるわ?☆❤❤

マイスウィート☆ダーリン♪

キセキも
役所に走って来ても良いのよ?
元カノにリターンなんて止めてよね?
スッパリ縁切ってよね?❍
(平和国語)❤❤

父❍マリア・・。
 行くぞ、時間がない。
 アイ ハド ノー タイムだ。
ママ、すまない。
役に立てなくて❍
(平和国語)

母❍…❍

マリアの母は、マリアの父を見詰めてる。
マリアの祖母たちは…先に石段を降り始めた。
最後まで…この3名、喋らなかった。

それから・…タリアの背後にいる神父服を着たタリアの父も…傍観者(ぼうかんしゃ)(てっ)し てるだけだ。

父『…』←※神父服のタリア父※

さらに言えば…オレンジワンピなマナナから、ずっとギュッと抱擁されてる黒袴なタリアも…。
今回、一度も声を発さなかった…。

『…』←※黒い袴姿のタリア※

❍パパ、
焦らなくても役所は閉まらないわよ❤❤
(平和国語)❤❤

こうして、5名のマリア家族はターシャ神社から去って行った。
マリア一家は最後まで平和国語しか話さなかった。
聞いた話では…昔、マリアの母も父もターシャ国で暮らしていた筈だから…普通にマリアの両親はターシャ語も喋れる筈なのだが…。

というか、マリアの母と母方祖父母は純潔のターシャ人なのだが・・。
最後まで、ターシャ語を喋らなかった、よほど…タリアのお母さんが怖いと想像できた。

僕の勘かもしれないが…喋ってくれないと、何を考えてるのか・・推測の範囲でか判断が下せない。
ただ、マリアの一族は猛烈におびえた表情で顔から冷や汗を流していたから…
(そうなのだろうか?)と察しただけの話だ。

僕の隣には…清楚系美女、美神敏子さんがいる。

ターシャ神社の賽銭箱向こう…屋敷内にはタリアに抱擁するマナナ。
その隣に白着物なタリアの母、その表情は…タリアの母は石のように固まってる。
黒袴なタリアもポケーとした顔してる、マナナだけが不思議そうな顔してる。

「ねえ…キセキ。
あの人たち、何を言ってたの?
私の方ばかり見てたけど」

マナナが黄畳から僕を(うかが)い見て質問し た。
マナナに抱擁されてるタリアは…去って行ったマリアの方角を見詰めて(ほう)け た表情だ。

『…』

僕の親友、タリアも最後まで僕とは実に1年ぶりの再会だと言うのに…一言も声を発してないが・・。
いったい、何を考えてるんだ?
君は…。
昔はもう少し、僕に対して喋っただろう?
マナナからのLINEによれば…彼も普段は、もう少し寡黙なりにも喋るらしいが・・。

「何故か、キセキが来るとタリアは緊張して…今では喋れないらしいのよ」とマナナから弁解がLINEで来てた。

「タリアなりに…本命のミルルを諦めて…、言い寄られた女性―――キセキの元カノからの交際を受け入れてしまった件について、懺悔心があるんだって思 う…。
私はそう察してる…」とマナナからLINEで推測(おくそく)が 来ていた。

真相は謎だ。
まあ、確かにあの事件は僕の中でもシコリになってる。
しかし、あれから実に5年も流れてしまった。

「喜べ、君はタリアの従兄妹…マリアに気に入られたらしい。
あの5人の会議で正式に月神家へ嫁ぐことが決定したらしい。
あの5人が今から根性で役所へ行き、入籍させるらしい、君たちのだ。
タリア…君は僕に何か喋らないのか?
昔は喋っただろう?
どうしたんだ?
喋ってくれよ、タリア…」

僕はオレンジワンピを着て、黒袴(くろばかま)な タリアへ抱擁し続けてるマナナへ状況説明した。
タリアは嫌そうに目の下を膨らませた、喋るのが嫌らしい…。

『…』

「それ、本当なの!!
嬉しいわ!!
やった!!!」

『…』

オレンジワンピのマナナが黒袴(くろばかま)のタ リアを抱き締めたまま、飛び上がった…。
その弾みに、マナナの肩揃えな黒髪が宙へ舞い、胸がプルンと揺れた。
白着物なタリアのお母さんが頭を抱え、髪を振り乱して慌てだした。

||「なんですって、こんな小娘が…ウチの可愛いタリアの嫁になるですって!?
納得なんていくわけないでしょう?
ハア?

タリア!
これから先、何があっても平和国になんて旅行は駄目よ!
分かってるの!!
あの人たちが喋った話は全部、大嘘よ!

お母さんの話を信じないって言うの!
お母さんはあの人たちに苛められてるの!
分かる?
私の(いと)しのタリアちゃん!」||








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