平和国からコンニチハアナタノコトガスキデス

萌え妄想のまま走るいろいろ創作小説の予定。苦情無断転載禁止。

 

平和国からコンニチハ14

「キセキ視点」



既読
---「うーん…。
そうだな…。
僕もレイカさんにはふられっぱなしだ。
それでも良いのかもしれない。
君たちが完全に別れるのなら、僕とマナナでもだ」---

☺ ---「興味本位で聞いただけよ!
失恋したら…私はしばらくは恋する気になれないわよ。
もうあと5年はしたくない気だわ…。

はあ…。
また見合いなの…?
はあ…」---

既読
---「元気を出せ、マナナ。
そうだ、今年…。
タリアの従兄妹、月神マリアがターシャ神社へ行くらしい。
僕も帰国する」---


☺ ---「タリアの従兄妹?
何の用事なのかしら?
また…お母さんが||「従兄妹同士で婚姻させます」||なんて言い出さないかしら?
私、元気がないのよ…。
最近」---

既読
---「マナナ、元気を出せ!
君が元気がないなんて珍しすぎる」---


☺ ---「さすがに見合いなんてされると、こたえるわよ…。
私がいるのに断ってちょうだいよ。
タリアもいったい何考えてるのか不思議よ。
私は今年も頑張って、破談にさせるんだから」---

既読
---「君も大変だな。
君の苦労が報われるように僕は祈ってる」---

ここで…マナナからのLINEが来なくなった。
我が友、タリアは…いったい、何を考えてるのか?
もっと、女性を大事にしろ。
僕は本命なレイカさんを諦めて…一瞬、楽な方へ流されかけた…。
マナナへ少しモーション掛けしてみたが、まだマナナがタリアへ未練がましいことが伝わって来た。
これ、猛烈にやりにくい…。
マナナは僕の選択肢から外すべきなのか…。
マナナもいったい、タリアの何が良いのか?

というか…僕の親友、タリアは何を考えてるのか?
奴はミルルが大好きだった…絶対、僕には分かる…今回、期待しまくってるに決まってる。
合コンで美女が来ると聞けば、喜ぶ…当たり前の話だ。
僕はタリアへ連絡をすることにした。

☆☆☆

月神タリア
既読
---「マナナから連絡が来た。
君はまたお義母さんの言いなりで…見合いなんてするのか?
もっとマナナを大事にしろ。

ミルルじゃなくマナナなのがそんなに不服なのか?
君のせいで英子さんに絡まれ2年前は酷い目にあった。
本当なら君が英子さんと一緒になる運命だったのに・・。

僕が英子さんからカツアゲにあった。
あれは死ぬかと思った」---

既読
「今回も2年前と同様に・・マナナが
「もし、私がタリアと別れたら…私と寄りを戻す気がある?」
って聞いてきた。

君もシッカリしろ。
早く、一人に絞れ。

マナナが君の無口さに呆れ果てて…僕へ転びたい気持ちも理解はできるが・・。
僕は見てられない。
僕としては、どうすれば良いのかマナナから尋ねられて一瞬、返答に困ったが…。
一応、元カノだ。

「君たちが完全に別れるのなら、元鞘に戻っても良いかもしれない」と言ってしまった…。
君たちのことを心配してる。
マナナが可哀そうだろ?
何を考えてるんだ、君は…」---

既読
「僕は正直、君の気持ちが理解はできる。
今年はミス私立ターシャ学園短大だ、美神敏子さんは美人に決まってる。
君が期待を込める気持ちも分かる。
君とマナナは今年、破局するのかもしれない…。
僕とマナナが一緒になるのかもしれない。
マナナも僕と一緒になった方が幸せだとLINEでも来てた。
確かに、僕は同感する」---

既読
「そうだ、今年は…。
僕を慕う女性…君の従兄妹、月神マリアもターシャ祭に来るらしい。
マリアは…僕とマリアを繋ぐキーパーソン、つまり君に興味が沸いてるらしい。

僕は…君の従兄妹のマリアからは連日、アタックされてる。
それなのに本命のレイカさんには振られてる。
あ…レイカさんもターシャ神社へ来るようだ。

それから、僕を慕う後輩の馬髪可憐も、今年はターシャ神社へ来る。

僕はレイカさんとマリアと可憐と一緒に、ターシャ神社へ参拝に行く予定だ。
君ともそろそろ仲直りがしたいとも願ってる。
君は今、どうしてるんだ?
何を考えてるんだ?」---

今回も僕は思いの丈を送信した。
しかし…何時間経過しても…LINEレスはなかった。

いつものノリだ。
それにしても…美神敏子さんか・・。
僕の親友―――タリアが気になる気持ちも理解は出来る。
絶対、ミス私立ターシャ学園短大まで勤める女性だ、美女に決まってる。
マナナが不憫だ。
マナナが黒目を涙で潤ませ、オカッパ黒髪を首ごと下ろし…地面を見詰める映像が脳裏に浮かんだ。
今年の帰省も一昨年同様に、大変なことになりそうだ。

タリアの許婚いいなづけ)、英子さんは論外だっ た…オカマにしか見えない人だった。
しかし・…今年の相手は、美人だろう。
僕がもし、仮に敏子さんから絡まれても…嫌な気はしないだろう。
僕の女性群…選択肢に入る可能性もある、実家は良家で、美女らしい…少しは気になる。
ミス私立ターシャ学園短大・…その美貌についてだ。
タリアの気持ちが理解できるからこそ…マナナが不憫になって来る。

☆☆☆

ターシャ祭は目前だ。

僕は帰国の支度を開始した。

パスポートさえあれば…何とかなる。
バイトは帰国の飛行機代のためにしてるようなものだ。

飛行機の予約なら…もう1ヶ月以上前からしてる。
ターシャ祭りは盛大な祭りで大抵、満席になるからだ。

レイカさんはいつもどうやって、ターシャ国へ戻ってるのだろう?

因みに、僕の下の階に暮らすミルルは…今年も、ターシャ祭だが、ターシャ国へ帰らないらしい。
去年も帰らなかった…。

ミルルは親に勘当されてしまったらしい。
ミルルの母、眼鏡花子さんからゼロと入籍の件に関してだ。
まあ、悪いが…僕が親でも反対はするだろう。

その後、ミルルの母は・・あれは、ミルルが入籍を果たしてすぐに…66歳にして、老いらくの恋に嵌まったらしい。
後妻さんとして、奥さんに先立たれた家へ結婚してしまって…。
ミルルの母が現在、苗字が違う…後妻花子と言う名前に変わった。
後妻花子さんも初婚だから、もう嬉しくてたまらないのか…急に、ミルルを忘れた様なノリだ。

ミルルは入籍を完了してから、ミルルがゼロを母へ紹介しに行くと…。

[邪神人を眼鏡一族に入れるなんてお母さんは大反対です。
今すぐ…籍を抜いてください!
戸籍が汚れるわ!]

《抜く訳ないでしょう?
そんなこと言うなら絶縁してやるわよ!》

[芸能界はどうする気なの?
これがバレたら大スキャンダルも良いところよ!
ミルル!
今すぐ、離婚しなさい!
ミルルの夢は平和国で大女優になることでしょ!
お母さんは認めません!]

《ミルルの意志じゃないわ!
お母さんが言うから頑張っただけよ。
お母さんには今まで仕送りだってし続けてたでしょ?
もう終わりにして欲しいわ》


[ミルル!!
口答えする気なの?
育ててもらった恩を忘れて!
この、親不孝者!]

《ミルルはお母さんよりゼロさんが好きなの。
さよなら》

[チッ!
このっ、親より男を取った女!
お母さんを捨てる気なの?
ミルル!
それだけじゃないわ、ミルル!
邪神人となんて一緒になったら、殺されるわ!
絶対、コンクリート詰めにされて…海に沈められるわ!!
お母さんまで殺されても良いの?
別れなさい!
どんだけ恐ろしい国か分かってるの!
分からず屋!!]

《うっさいわね!
もう二度とこの国に帰らないわよ!
バイバイ。
ミルルなしで食べて行ってね?
ミルルが子役から稼いで食べさせてきたんだから!》

[育てたのはお母さんよ!
何なの?
その口は…。
どこで覚えて来たの?
土下座をして謝りなさい!
今すぐに!
この床へ!

さあ、床へ頭を付けて、手を付いて謝罪しなさい!
お母さんに!
さあ、早く!!]

《稼いだのはミルルでしょ?》

[何ですって???
分かったわ…?
絶縁しましょう…。
今日限り、ミルルはお母さんの子じゃないわ。
どこぞ河原で拾って来た子よ。
お母さんはミルルを捨てるわ!]

《別に良いわよ、清々するわ!
この守銭奴!》

[もう二度と、お母さんなんて呼ばないでくれるかしら?
それならお母さんにだって、考えがあるわ!
二度と帰って来ないでちょうだい!]

とドンチャン騒ぎな大喧嘩になったらしい。
彼女の性格なら…こうなりかねないとは予想がしてた。
ミルルも数奇な運命に生まれついてる女性だ。
ミルルの人生そのものがまるで、ドラマのようだ。
ミルルは自分の親に関して、いっさい語ろうとしない。

元々、ミルルが反抗期だったのは知ってるが…とうとう、親から離縁されてしまったらしい。
これで良いのか?

眼鏡花子さんが後妻花子と…名前変更した代わりに…。
ゼロが…印度ゼロから眼鏡ゼロと、眼鏡家の養子になった。
不思議な関係だ、あの家は・・。
ゼロには眼鏡一族の血が一滴も流れていないのに…。
眼鏡一族の血が流れてるミルルの母が、ゼロの代わりに違う苗字になってしまった。

ミルルは…不憫だ、もう二度と本気で実家と和解できそうにない・・。
ミルルの母は結婚をしてしまった…。
違う家庭がある、戻れない橋になってしまってる…。

ただ、ゼロは気楽そうに映る。
そりゃ、そうだろう…。


翌朝、僕は自室のマンションから出て…平和国際大学前のバス亭でバスを待ち、平和国際空港行きのバスに乗車した。
時間にして30分程度で、平和国際空港へ到着する。
僕の飛行機は朝7時発だ。

マリアや可憐が予約してる飛行機の時間と、僕の時間とは違うらしい。
これは幸いだ…彼女達がいると飛行機内でスチュワーデスさんへ熱視線は送れない。
行動に対しても制限が入ってくる。

僕にも自由な時間が必要だ…。
常に、本命でもない女性から絡まれ続けてる…居場所がない。
ココまでモテすぎると、たまには自由行動がしたくもなる。
確かに、モテるのは楽しいが…一人の時間が最近、全くない。
常時、馬髪可憐と月神マリアからは…大学内でもバイトでも、監視されてる状況で…帰り道までそうだった。
僕の暮らすマンションでも、アポなし訪問で押し掛け女房のように二人に迫って来られそうにもなった。
現在、怖いから…女性は部屋へ上げてない。

金髪巨乳美女の月神マリア…。
黒髪ポニーテール色白美女な馬髪可憐…。

彼女たちは、何をするか分からない状況だ。
モテるのはもちろん嬉しい…。
しかし、度が過ぎると…時々、嫌気が差してくる瞬間もあるらしい。

マリアは家族全員でターシャ祭に行くらしい。
可憐も実家に一度、戻るらしい。

僕の実家は現在、人に貸してるから…泊まる場所は父方祖父母宅になる。
父たちは平和国本土で仕事に忙しい。
たまに、冬季休暇や夏季休暇を募って、平和国本土へ遊びに行くこともある。
平和国本土には父と得意先の家もある、両親が暮らす社宅もある。

得意先の家では、僕は毎回…その家で住む姉妹から熱烈に求愛されてる。
僕は何故か、理由は謎だが…中学2年生以来、ずっとモテ街道一直線だ。
大昔、ターシャ祭りで泉の巫女様に「絶対に将来、女性からモテますように」と毎年、祈り続けたことが・・。
こんなにも叶っているらしい。

僕と同じ歳な幼稚園児から小学生にかける人間達が違うことを祈ってる中で、僕だけ必死に毎年…祈祷してもらったが。
最近、あまりにも色々な女性から言い寄られ過ぎて、女性全員の名前が覚えにくい。

父の得意先にいる双子の姉妹はまだ5歳だ。
僕は興味がない女性は覚えられないらしい…。
二人の名前は何て名前だったか…何回、聞いても忘れてしまう。
両親に会いに行くたびに、僕は社宅近所で暮らしてる5歳児の双子から

ーまだ誰も恋人がいないなら…私たちが付き合ってあげようか?
キセキ御兄ちゃん。
彼女いないの寂しいでしょ?ー

…と、カラかわれるが…さすがに、僕は5歳児は論外だ。
奴ら、意味を理解してない…ある意味、無邪気だ…。
興味ないから、名前すら覚えられない。

僕は女性全員殆ど例外なく愛してると公言できるが…5歳児に変な感情が沸かないと実感した。
それから…両親が暮らす社宅に入ってるマダム連中から僕は異常なレベルでモテまくってる。
毎回、両親へ会いに社宅へ向かうたびに手作りのクッキーをマダム連中から配布されてしまう。
それから娘の縁談にどうかと毎回、聞かれてしまう。
離婚してバツイチな親子ほど離れてるマダムからも…積極的にストーカーされてる…。
両親に黙ってるだけで…いったい、どれだけ僕が被害にあってるのか…自分でも数えきれない。

モテるのは嬉しいことだ。
もう何人、僕のファンがいるのか…正直、把握してない。

さすがに5歳児は論外だ。
しかし、タリアの見合い相手…美神敏子さんは、会っていないと言うのに一瞬で暗記した。
そういうものらしい。

歳は21歳、私立ターシャ学園幼稚舎通い、私立ターシャ学園短大卒、ミス私立ターシャ学園短大…。
実家はターシャ村にある良家の子女。
いったい、どんな女性なのだろうか?

僕でも気になるんだ、やはり・・タリアも今回は同じなんじゃないだろうか?
本気で…今回こそ、タリアとマナナは破局するのかもしれない。
タリアはミルルが好きなぐらいだ、面食いだ…女優並みの人がタイプだ。

ただ、今回は英子さんほど凄い学校ではないみたいだが…英子さんはターシャ王立女子大学だった。
しかし…なんか、タリアが期待してる気がして仕方ない。

ミルルは勉強も出来、美貌にも恵まれ、運動神経抜群…猛烈に稼ぎまくれるレベルで能力値にもたけてる。
貶すところは気性が荒い…惚れた男に弱すぎる…ただ、それだけの女性だった。

タリアがミルルが初恋だった理由は誰でもわかる…ミルルはクラスで一番、モテる女子だった。
しかし、僕の勘では…タリアは能力か容姿かどっちか選べと言われたら…容姿を優先しそうな気がして仕方ない。
タリアが美神敏子さんに本気になる可能性が高い。
僕は…そんな未来も覚悟してる。
マナナがそうなった場合、不幸すぎる。

どうなるのだろうか?
僕はどうすれば良いのだろうか?
敏子さんはどれほど綺麗な女性なのだろうか?

それが気になってたまらない、飛行機の中でもそれを思うと・・寝にくい。
僕は気が多い男だ、それは認めよう。
月神家の和解話より…本命のレイカさんとのデートより一瞬、他に気を取られていた。
まだ見たこともない女性に対する憧れの情だ。
レイカさんのことは本命だ。
しかし、興味は沸いて来る…ミス私立ターシャ学園短大、どんなに可憐な女性なのか。
そう言えば、馬髪可憐は高校が私立ターシャ学園だ。
可憐も…幼稚園から私立ターシャ学園に通ってると言ってた。

知り合いの可能性がある。
そこまで美貌が凄い女性なら、学園内で噂にならない筈がない。
いろいろ、想像を巡らせる瞬間が楽しくてたまらない。

☆☆☆

飛行機の窓から平和国の上空が映る。
14時間もすれば…ターシャ国へ到着するだろう。
僕は欠伸をした。
美神敏子さんのことを考えてると…2年前の嫌な思い出が蘇って来た。
頑丈英子さんと言う女性に絡まれた事件のことだ。
飛行機の中ではミルルブームが去り、ミルル映画が流れてない。
僕は2年前は…。
飛行機の中のTVで…。
ミルル映画を見てたのに。

腰まで伸びた茶髪をアップにして、うなじを見せ…ミルルが眼鏡を外し、素顔で入浴するシーンは…胸の谷間も大スクリーンに映し出され、大反響があった。
今では流れてない、これが寂しくもある。
実はエロが好きではないミルルが演じるお色気シーンだからこそ見甲斐があったのに…。
切ない気持ちになって来る。

☆☆☆

飛行機は14時間は…猛烈に長い。
飛行機がターシャ国際空港へ到着すると、足が痛くなりかける。
エコノミー症候群にならないように頻繁に手洗いになどは行ってるが…それでも14時間は長い。
朝7時フライトで到着は21時になる。
夜12時以降はさすがにバスがなくなって来る。
父方祖父母を待たせる訳にはいかない。

ターシャ国際空港から出てるターシャ神社行きのバスに乗り、成績優秀高校前で下りた。
僕の父方祖父母宅は成績優秀高校と低脳中学のちょうど中間点にある。
成績優秀高校前で降りる訳は…低脳中学付近は不良がたむろして、学校の窓ガラスが割れて…学級崩壊という噂だからだ。
噂では中学の廊下を自転車でやってくる不良グループがいるらしい。
僕は怖いのは苦手だ…ここら辺は物騒で不審者もいるらしい。
そういう場所は避けて、歩いてる。
マナナの母が通ってた母校がそこだ。

☆☆☆

父方祖父母宅に到着し、呼び鈴を鳴らした。

♪ピンポー―――ン♪

婆「こんな時間に誰ですか?
フワァ。
もう寝るつもりだったわ。
灯台ですが」

「お祖母ちゃん、僕だ僕。
一か月以上前からターシャ祭の前日に帰宅するって話してた筈だ。
国際電話だからあまり伝えてないが…」

婆「キセキ君かい?
そう言えば…そんなこと言ってかね?
お祖母ちゃん、思い出したような気がするよ」

「僕は毎年、ターシャ祭では帰って来てる筈だ」

婆「そうかい・・。
今、玄関へ行くからね。
まっててね」

インターホン越しから御祖母ちゃんの眠そうな声が聞こえてきた。

婆「まあ、本当に大きくなって…。
大きくなったね」

「僕は去年と身長が変わってない…」

婆「そうかい…おばあちゃんから見たら、キセキ君はいつも大きいよ。
いつ見ても大きくなったように思うよ」

爺「キセキ君、来たんかい?
で…今年こそ彼女出来たかい?
お祖父ちゃんに平和国にいる金髪巨乳美女を紹介してくれるんかい?
どうなんだい?」

「僕は勉強に忙しい、恋愛は捨ててる…」

婆「まあ、キセキ君…照れちゃって。
お祖父ちゃん、キセキ君はいても言いませんよ。
そう言う性格です」

爺「そうかい…それはつまらんのう」

「お祖母ちゃん、夜は飛行機で機内食が出た」

婆「そうかい…。
ふわあ、お祖母ちゃんもお祖父ちゃんも夜の9時には寝るんだよ。
今、何時かい?
ヒャア…10時かい?
泥棒さんかと思ったよ」

「お祖母ちゃん、それは悪かった」

婆「キセキ君…悪いが、お祖母ちゃん・・寝ても良いかね?
キセキ君の顔が見れて嬉しいよ。
また、毎年…来てちょうだいよ」

「僕は毎年、来てる」

爺「キセキ君、悪いの。
年寄りに夜は辛いんじゃ。
寝させて貰うからな」

「お祖父ちゃん、お祖母ちゃん…。
ありがとう。
おやすみだ」

お祖父ちゃんとお祖母ちゃんは、既に寝巻を着てた。
起こしてしまったらしい。
僕は一応、合いかぎまで渡されてる仲だ。
しかし…飛行機で14時間は長い。
僕も寝室で勝手に寝させて貰うことにした。

明日のターシャ祭に備えて、体力を備えなくてはならない…。

☆☆☆

僕は欠伸をしながら、スマホでアラームをセットしようとした。
その時、僕充てにLINEが来てることに気が付いた。
いつものことだ。

3件、来てる。
マナナと…馬髪可憐…それと月神マリアだ。
読むだけ読むことにした。

☆☆☆

月神マリア

☺ ---❍ウふん❤
キセキのスウィート ハニー、マリアよ!❤❤
明日のターシャ フェスティバル!
ラブラブデート、ターシャ神社でね?
朝、10時!
金髪巨乳美女は好きかしら?
ねえ…?❍---


馬髪可憐

☺ ---♞キセキ先輩!
今年も私の元親友、英子からキセキ先輩のことを尋ねられましたが…。
今年もターシャ祭りにキセキ先輩は来ないと言っておきましたよ。
ライバルが一人増える訳にはいきませんからね☆
今年こそ、私を結婚相手として選んでくださいね…。
あと、悲しい話なんですが。
今年のターシャ祭、私は行けないかもしれないんです。
グスン…。
今度、別にデートしてくださいね…、グスン↓♞---

この二人の文面を見て、僕は馬髪可憐から来たLINEの方に興味が沸いた。
可憐には聞きたいことがある。


既読
---「…どうして、今年は来れないんだ?
一応、聞こうか?」---

☺ ---♞それが…。
私のターシャ国にいるおじい様の容態が悪いみたいで…その時間帯は見舞いに行く話に。
それで、どうしても…生死を分けるみたいで…。
長いこと、帰国してなかったうちに元気をなくしてしまったみたいで♞---




既読
---「そうか。
それはそっち優先にするべきだ。

あと…。
君は確か、私立ターシャ学園の幼稚舎から通ってた筈で…。
ターシャ国では、高校も私立ターシャ学園だった筈だ…。
美神敏子という女性を君は知らないだろうか?

君と同級生で、私立ターシャ学園の幼稚舎から通い、
エスカレーターで私立ターシャ学園短大を卒業した女性だ。
ミス私立ターシャ学園短大を勤めた経歴がある女性らしいが…
知ってるだろうか?」---

☺ ---♞キセキ先輩…本当に悲しいです。
約束の時間、10時にターシャ神社に行けないなんて・・。
グスン。

美神敏子なら、知ってますわ?
私の元親友のうち、一人です。
私と英子と敏子で3人組だったんです…幼稚園時代から。
で…何故、キセキ先輩が敏子のことを知ってるんですか?
何故、ですか?♞---

既読
---「ターシャ祭りの日、僕の旧友と見合いするらしい。
それで…ちょっとどんな女性か君に聞いてみようかと思った」---


☺ ---♞ああ、そう言う魂胆でたの?
そうですね…。
敏子は勉強は次点でしたが…何故か、死ぬほどモテてましたね?
それでよく不細工から勘違いをされてストーカー被害にあって、泣いてましたね?
それぐらいですかね?
彼女、男性には酷い目にずっとあって来てるので…軽い男性恐怖症になってると思います。
ずっと、連日…男性からストーカー被害が連続してましたから…♞---

既読
---「そうか…。
それだけ聞きたかったんだ。
可憐、ありがとう」---

☺ ---♞ターシャ村のミサでは巫女様に不細工ストーカーから逃げられるように力を貰ってましたね?
祈祷してもらってましたよ。
そのせいで、現在でも男性恐怖症が酷いのか…まだ、モテるのに男性経験が一人もいないみたいで♞---

既読
---「そうなのか…。
そんなに美神敏子さんは・・モテる女性なのか…」---


☺ ---♞キセキ先輩・・。
まさか、敏子に興味が沸いているんですか?
レイカさんに告げ口しますよ?
キセキ先輩の弱点はレイカさんですよね?
私も怒ってますよ!!♞


既読
---「…そう言う意味ではない。
親友の見合い相手だから悪い人間ではないかどうか確かめるためだけの目的だ…。
君のお祖父さんはそんなに容態が悪いのか?」---


☺ ---♞お祖父ちゃんはどうなのか・・まだ分からないんです。
ただ…最近、会ってないから…心配ですね。

キセキ先輩って女性には優しいですね。
もしかして、女好きなんじゃないですか?♞---

既読
---「いや、僕は別に誰にでも優しいだけだ。
人間として当たり前のことをしてるだけだ」---


☺ ---♞そうですか?
あまり信用にならないですけど。

それにしても、敏子も…あんなに男性不信になってたのですが、腹をくくったんですね。
彼女は酷いストーカー被害のせいで、スカート捲りにもあい…痴漢にもあい、物取りにもあい…。
ファックスで嫌がらせ電話や、留守電に怖い伝言を入れられたり…。
もう彼女、恋愛自体が怖いんでしょうね。
だからこそ、ストーカーされるよりは…見合いで落ち着くことに決めたのでしょうね…。

敏子も少し不憫ですね♞---

既読
---「まるで…その話は僕の幼少時代みたいだ。
そうか、敏子さんはそんな不幸な境遇の女性なのか」---


☺ ---♞え?
キセキ先輩もそんな目に?♞---


既読
---「今の話は聞かなかったことにして欲しい」---

☺ ---♞キセキ先輩と私だけの秘密ですね♪
今日はキセキ先輩とLINEが続いて嬉しいです♪

いつも放置してる瞬間がありますが…。
何してるんですか?♞---

既読
---「僕は忙しい、常にスマホになんて張ってられない。
そろそろSP試験対策本にも集中しなければならない」---

☺ ---♞そうですか…。
キセキ先輩、お勉強頑張ってくださいね。
いつか絶対、私を是非ともお嫁さんにしてくださいね♞---


ここでLINEが終わった。
マナナからも来てる。
寝る時間が削られるが…読むべきだろう。
可憐は明日、来ないらしい。










平和国からコンニチハ13


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平和国からコンニチハ15










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