平和国からコンニチハアナタノコトガスキデス

萌え妄想のまま走るいろいろ創作小説の予定。苦情無断転載禁止。

… [社R18]今年のターシャ祭にも課題が。元カノのピンチを救うべく立ち上がるキセキ。


 

平和国からコンニチハ13


☆「レイカ(24)視点」


☆「可憐さん…。
はあ…マリアさんのですね、従兄妹の実家が…ターシャ神社らしくて。
マリアさんはターシャ神社の分家にあたるらしいのですが…本家とは絶縁関係にあるみたいなんです。
それで…マリアさんがですね…本家と仲直りするために、マリアさんはターシャ語が(しゃべ)れ ないし…キセキ君に。
ターシャ祭りではターシャ神社へ一緒に来てほしいと頼んだわけなのよ」

♞ターシャ神社!
マリア、そんなに実家が良いですか?
超ビックリだわ♞


❍本家よ、本家。
アタシのパパはママへ養子…。
アタシ、分家。
分家は普通…超ノーマル❍

☆「マリアさんの御婆様が…元々、ターシャ神社で暮らしてたみたいなのね?
それなのに…本家の嫁に追い出されたみたいで…。
それ以来、二つの家は絶縁状態みたいで…。
マリアさんは仲直りをさせたいみたいなの・・。
難しい話でしょ?」

♞うーん…。
本気で難しそうですね。
そんなことをマリア…する気なのですか?
キセキ先輩…手伝うの止めましょうよ♞

☆「それがね…キセキ君の幼馴染らしいの、さっきも言ったけど…マリアさんの従兄妹がね?
つまり、キセキ君の幼馴染がターシャ神社で暮らしてるらしいの。
マリアさんは…従兄妹に会いたいのよね? キセキ君の幼馴染でもあるらしいけど?」

❍まあ、アタシの従兄妹…アタシに全然、似てない。
正直…顔は微妙。
でも、アタシの従兄妹。
一回は会ってみたい、興味。
キセキのオールド☆フレンド…どんな人か気になる。
キセキとアタシを繋ぐ重要なキーパーソン❤❍

「タリアは・・猛烈に無口だ」

☆「こういう話なのよ。
来たいのかしら?
可憐さんも…」

♞行きます!
キセキ先輩がいる所なら、どこまでもです!
頑張ります!
負けるわけにはいきませんからね!
7月7日…ターシャ神社へ朝10時集合ですね!
走って行きますわ!!♞

❍アタシはNO!。
  可憐は!NO NEED!
要らないわ!❍

☆「私は…可憐(かれん)さんが来ないと参加しま せんわ」

「可憐、来て欲しい・・。
頼む。
君が来ないと…レイカさんが来ないらしい…。
僕も行く。
マリア、可憐を許してくれ」


❍What、何ですって?
可憐まで…!!???
キセキとアタシのラブラブデートなのに…!!??
Well…えーと、OK?
キセキが言うならね?…。
ハアア❍

♞ターシャ祭りが楽しみですわ!!
いったい、どうなることやら…。
キセキ先輩とデートが出来るなんて…夢のようです!!
7月7日…ターシャ神社へ朝10時集合!!
メモしておきます!
今すぐ、スマホに!!♞

❍NO!
アタシとキセキのラブラブデート!!
間違い!❍

「はあ…レイカさん、今回は…婆ヤさんはなしで、来てくれるって本当ですか?」

☆「一回ぐらい行っても良いわよ?
その代り、マリアさんと可憐(かれん)さんが来な いと…行かないから」


「そうですか・・。
分かりました。
僕は楽しみにしてますね」

☆☆☆

キセキ君は嬉しそうね。
でも…何故かしら?
騙されてるような気がしてならないと言うか…いまいち、キセキ君が何故、私を好きなのか?
謎すぎるのよね?
私は一緒に暮らすなら安心感がある男性の方が良い気がするわ。
キセキ君に言い寄られても…何故か、ピンと来ないって訳でもないけど。
本気で不思議だわ、私の方が年上だし…。
これだけの人間から言い寄られてる訳でしょう?
真面目にどこが良いのかしら?

私は2歳年下のイケメンと2歳年上のイケメン…同じ条件なら、年上を選ぶわ?
その方が浮気しそうにないし安心でしょう?
私目線では上下2歳なんてあまり歳の差が分からないわよ?
男性ってその辺、気にするみたいだけど‥若い方が良いみたいだけど…。

私は敷いて言えば…愛されてると感じる人へいくわ?
キセキ君にはそれが足りないわけ。
キセキ君って見てると…優柔不断なのか、気が多いのか…優しいんだけど…。
全員に優しいのよ。
私にだけっていうのが伝わってこないわけ。

私はいったい、誰と一緒になるのかしら?
茶髪茶目長身緑アロハTシャツ…オランダ人系クォーター。
キセキ君の容姿については通過はしてるのよ?
でもね…チャライのよ、彼は…漂う雰囲気もだけど。
何故か、そう…。
私に対する愛や真剣さが伝わってこないわけ。
私の勘違いなら良いけど…彼、まさか…迷ってるんじゃないの?

あれは…少し前の話、私がいつもどおり塾で受付嬢をしてたら…。

「今、女性たちの白熱する攻防(こうぼうせん)戦 が酷過ぎて…。
平和国に来てから、僕は…一度も女性を部屋にあげたことはなくて…。
レイカさん、今日こそ…僕と付き合うことを承諾してくれないでしょうか?
いったい、僕の何が不服なんでしょうか?

レイカさんには現在、見たところ…本命はいらっしゃらないみたいだし。
取りあえず、軽い気持ちで付き合ってみませんか?
堅苦しいことは言わず…もっと柔らかく。
きっと楽しい思い出が増えますよ」

って、私へ弁解がましくキセキ君が態々…宣言してたけど。
信用ならないわよ。

この平和国に来てから…って言うのが、引っかかって。

☆「ターシャ国にいた頃は女性を部屋にあげたことがあったのかしら?」

って尋ねてみたのよ。
そしたら・・。

「えっと…幼馴染の異能マナナっていう子へ勉強を教えるためだけに部屋へあげたことはありますが。
僕と彼女は(ちか)って何もありません。
僕は彼女とは元カノですが、振られた関係です」

って返事が来たのよ?

☆「まさか、未練あるのかしら?
別にどうでも良い話だけど…」

「未練なんてないです。
僕はレイカさん一筋人間で」

この台詞ですら…何故か、チャらく聞こえるし・・疑うのよね?
元カノ…何名いるのかしらね?
どうでも良い話よ?

☆☆☆

もう少し、キセキ君が私に対して…根性を出してくれたら、変わるのかもしれないけど…。
私は疲れるのは嫌だわ。
これじゃ、毎日…疲れそうな気がするわ?
キセキ君、いったい・・何名、女性がいるのかしら?

私はキセキ君といると…常に怒ってばかりいるわ?
キセキ君が女性から言い寄られる度、ブチ切れかけてるわ。
疲れて来るわよ。
もう見合いで私だけを愛してくれそうな人へ行く方が楽なんじゃないかしらって?
思うレベルだわ。

ハッキリ言って・・キセキ君といると楽しいって感情よりムカムカするわけ。
モテすぎる男性と一緒になるのは…疲れ果てそうな気がするわ。
やっぱり楽な方が良いんじゃないかしら?
常に他の女性が(から)んで来るわけでしょう?

私は一応、ミスターシャ王立女子大には君臨できたけど…こういうのには耐えられないわ。
ちょっと、今日も無理そうかもしれないわ…。

私だけを愛してくれる人に会えたらいいのに。
はあ…。
誰なのかしら?
それって??

☆☆☆

そろそろ閉店の時間だって言うのに…騒がしいわ?
良いのかしら?
これって…。
他のお客様達…全員からコチラへ視線を感じるんだけど…。
確かに、キセキ君が来てから商売繁盛なのよ?
マリアさんを他とするお客様は増えたわ?
ただね、ここはホストクラブじゃないの。
列記としたターシャ会話教室なのよ?



「キセキ(22)視点」


僕が平和国へ留学してから…実に5年の月日が流れるらしい。
僕もいつの間にか…大学4回生、22歳になってしまった。

僕は2年前の9月にターシャ国へ帰国した際…英子さんと言う女性から逆ナンに会った。
オカマにしか見えない英子さんから逃れるため…。
1年前は帰国は1回だけ、7月7日に開催されるターシャ祭りしかしてない状況だった。

帰国した時に、マナナからは英子さんが僕のことを聞きまくってた様子を教えてもらったが…嬉しくなかった。

オカッパ黒髪な低身長巨乳女性―――僕の幼馴染(おさななじみ)、 マナナは相変わらず、タリアのお母さんと茶華道師範(さかどうしはん)ナ デシコに(しつけ)まくられてるらしい。
タリアは去年も僕とあまり会話をしてくれなかった。

☆☆☆

去年、9月に実施されたSP試験の実技はヘリからパラシュートだった。
これも僕は落ちてる、SP試験もどんどん過激化してる気がする…。

あと二日で…7月7日になる、僕の母国ターシャ国ではターシャ祭りが開催される。
僕はもちろん、今年も帰国するつもりだ。

今、浮き足が立ってる…。
理由は…本命のレイカさんを交えて、婆ヤさんなしで…女性3名に挟まれて、ターシャ神社へ行けるからだ。
両手に花とはこのことだ。

今年のターシャ祭は楽しくなるだろう。
タリアの月神(つきがみ)家本家と…従兄妹のマリ ア、月神家分家が…25年ぶりに和解をしたいらしいが…。
僕はあまり興味がない。
どちらかと言えば…頭の中にあることはレイカさんと初めてのデートになると言う事だけだ。

頭の中はそれしかない。
僕はターシャ会話教室塾が閉店すると…。
いつも通りに茶髪ゆるフワ巻きに水色ワンピなレイカさんが…僕へ向かって、手をヒラヒラと上品に振り…。
車係さんと…白髪でメイド服を着て腰が曲がった婆ヤさんに、連れられ…レイカさんが黒いベンツへ入り込み。
レイカさんを乗せた黒いベンツが去っていく様子を見送り…。

そのあと、月神マリアや馬髪可憐(うまがみかれん)と 途中まで帰ることになる。
女の夜道は物騒だから、ミルルが平和国ヴァカンス島で邪神教集団から拉致された事件を期に…僕は一応、僕を(し た)う女性を見送るようになった。

僕を間に挟んで…。
渋色ワンピに黒髪直毛ポニーテールの美人系後輩馬髪可憐と、マリンモローに似た金髪碧眼巨乳白いドレスの月神マリアが…喧嘩をしてる。
平和国ヴァカンス島は…夜は星が(きら)めき、 海風が流れ…潮の香りがして、ヤシの木が道なりに続く。
平和国際大学行きのバスに職場から乗れば…30分しないうちに目的地へ到着する。
職場が平和ヴァカンス空港付近で、繁華街(はんかがい)だ。
遊ぶところは多いが、少しあの近辺だけ…治安が悪いとも聞くから、最近では一緒に帰るようになった。

レイカさんはどこで暮らしているのだろうか?
僕の勘では、大きな庭園があって…庭には巨大な噴水(ふんすい)や 泉があって…家も大きすぎるお屋敷なのだろう。
レイカさんのペット、犬イルカは小さい浴槽などでは育たない生物だと聞いたことある。
犬とイルカ…それからカンガルーの間の生き物だ。
狭いスペースで飼育できるわけがない。

ターシャ国にある本宅は僕も大昔、住所がばれない様に…目隠しを車の中でされて、連れて行ってもらったが…。
それは想像絶する宮殿だった。

最近、レイカさんから…ペットの犬イルカ、ラッシーの話を僕は聞かないが…。
自慢のペットだった筈なのに…。
ラッシーはどうしてるのか?
ラッシーは僕とレイカさんの仲を裂くライバルな関係だった筈だ。
まさか、病気になっているのか?
ラッシーは…。
ラッシーの話を僕が聞くと、レイカさんは最近…悲しそうな顔をするようになった…。

馬髪可憐と月神マリアと分かれ道が来た。
馬髪可憐はこの道を左折してすぐだ、月神マリアもこの道を左折した先だ。
二人の暮らしてる場所は近い。
僕だけこの道を右折した先…ターシャ国際大学すぐ近くのオレンジ煉瓦な賃貸マンションだ。

馬髪可憐は実家で一緒に暮らしてるらしい、両親と一人娘の3人家族らしい。
月神マリアは実家が、平和国だ…父方祖父母や両親、マリアの5人家族らしい…。
最近、僕の周りでも一人っ子が多い。
僕も一人っ子だ、しかし…マリアや可憐が、僕の第二の兄妹になりつつある。

僕は曲がり角を左折して…一応、マリアや可憐の自宅前まで行った。
僕は自分でも呆れるレベルにフェミニストだと思う。
モテるためなら手段を選ばない。
体力的には疲れるが…この10分程度の疲れで、モテが手に入るなら、頑張るしかない。

♞キセキ先輩…飛行機の出発は何時なんですか?
私は…朝6時のフライトで・・。
実家から車で飛行場まで行くんですが…キセキさんも時間が一緒なら…。
私の実家の車で一緒に平和ヴァカンス空港までどうでしょうか? ♞

❍NO!
キセキ、時間違う。
朝6時フライト…アタシと同じ!
キセキ…フライト時間はいつなの?
教えて!!❍

「時間に関しては秘密だが…時間が違うのは本当だ。
それでは僕の見送りはココまでだ」

❍シー☆ユー☆アゲイン!
グッパイ☆キセキ!!
スゥアンキュー♪

キセキはジェントルマンね♪
ナイス☆ガイ!

アイラビュ→キセキ!!XXX
バイバイ♪❍

♞キセキ先輩、今日も送っていただいてありがとうございます!!
もう私、キセキ先輩にベタに()れそうで す!!
キセキ先輩って本当に優しいです。
女の夜道は怖くて…。
助かります!!
明後日のターシャ祭り、楽しみにしてますね!!♞

「別に普通のことをしたまでだ。
女の夜道は大変だ。
僕は昔、幼馴染(おさななじみ)がそのせいで事件 に巻き込まれた過去がある。
失敗は二度と繰り返さないと心に決めてる。
サヨナラ、マリアと可憐」

これだけ告げて、僕は荷物を持ったまま…岐路(きろ)へ と着いた。
少し、回り道になった…時間にして、10分だが…。
これだけの労力でこれから先もモテ続けるのなら…まあ、これぐらいなら良いかと思った。
苛められるよりかはモテる方が遥かに生きていて気分が良い。

渋い色合いのワンピを着た黒髪ポニーテール色白美女ーーー馬髪可憐も…。
白いドレスに金髪碧眼巨乳美女―――月神マリアも…。
二人とも女性に見える。
両方とも申し分ない花だ、捨てがたくもある。
しかし…タリアの許婚"頑丈英子"さんは論外だ、性別が女な筈なのに・…見送る気になれなかった。

オレンジ煉瓦(れんが)のマンションへ到着した。

もう右手に私立平和国際大学がある。
このマンションを入れば…6階が僕の暮らす部屋。
その下の階、5階が僕の幼馴染、眼鏡ミルルが暮らす部屋だ。
ミルルは背丈165cm、茶髪は腰まで伸び…手足が華奢(きゃしゃ)で、 眼鏡が良く似合い…世界的女優が勤まるレベルの美貌だ。
顔も目元は涼し気で、鼻は細く高く…。
唇は薄く、2年前に放送されたミルル映画では入浴シーンで何故か胸の谷間が出来ていた。
ミルル公式プロフィール体重は嘘な気がする…。

ミルルブームが現在、去りつつある。
僕が予想してたことが起きてる。

2年前、猪突猛進型なミルルが…浅黒い肌に緑眼、黒髪長身の外人ゼロへターシャ国籍をあげるんだと、そんな目的で…。
ミルル20歳の誕生日、翌日辺りに…二人は入籍を強引に果たしたらしい。
やることが、彼女らしい…。

その後、もちろん…当たり前だが、芸能界から大スキャンダルになって。
ミルルはアッサリ芸能界を引退した。
ミルルがキャリアー志向だと思ってたから、もうビックリした。
ミルルはいろいろな意味で予想を(くつがえ)し て来る、絶対・・・・晩婚タイプと信じていた。

ミルルが言うには…

《ミルルは考えてみたら…お母さんも食べさせて生きてきたし…。
ゼロさんへも亡命金を払うために生きてきたし、一回ぐらい普通に生きてみたいとも思うし。
これからゼロさんに恩返ししてもらおうかって思ってるのよ…猛烈に働きまくって生きてきたからね。

もうあまり御色気シーンを映画で演じる気になれないのよね?
今…。
際どいレベルの水着写真集を出しといて何だけど…ミルル、実はエロ・・大嫌いで。
耐えて来たのよね…恋愛映画や恋愛ドラマになって来るとちょっと嫌なわけよ。
ビジネスキスとか…俳優との抱擁シーンとか。
ファンクラブの結成とか握手会とか…あれがねぇ…》

と言っている。

まあ、それも良いかとは思ったが。
確かに僕の幼馴染ミルルも考えてみれば…不憫(ふびん)な 境遇の女だった。
ゼロとミルルが破局するのは時間の問題かと僕は思ったが。
ミルルが猛烈に好きみたいだ。
ゼロは現在、亡命金10億タ$分の恩返しのため…大学に行かず、平和国で警官になったらしい。

警官になれると思わなかったが…確かに、彼は成績優秀高校でもテストに関してはパーフェクトだった。
元々、邪神国では軍人だったから…実技も普通に出来るらしい。
邪神国で軍人だった経歴も考慮されたらしい。
それにしても…国籍が現在、ターシャ国な筈なのだが…平和国で二人は一生、生きる気らしい…。
平和国のヴァカンス島から泳げる距離に邪神国があるのは有名な話だ。
ゼロが隠れて邪神国と平和国のスパイをしてないか…僕はそれが心配だし。
完全に邪神国と切れているのか…常に見張る気ではいる。

僕とゼロは気が合わないが…、ミルルがゼロを好きな様子が伝わって来る。
僕にはもう、見守ることしか出来ないようだ。
まあ、10億タ$は人間、一生を通じても返済できないだろう・・僕でも無理そうだ。
ゼロが亡命目的でミルルに接触したとしても…彼なりにミルルへ恩は感じてるのだろう。
そう言うことにしておこう。
じゃないと、ミルルが不憫すぎるだろう。

ミルルは最近、普通のスーパーでパスタをよく買ってる。
ゼロがパスタが好きらしい。
少しミルルに主婦臭が漂ってる。
ミルルはまだ大学4回生だ、ミルルにもまだ貯金があるらしい。
元々20億タ$分の亡命金が半額にされた分、何百万タ$かなら貯金があるとミルルは話していた。

ミルルは本気でしっかりしてる…。
ただ、惚れた男に弱すぎるみたいだ、疑おうとは一回もしないし…僕はミルルからゼロの悪口を聞いたことがない。

巨乳低身長オカッパな黒髪―――僕の元許婚(もといいなづけ)関 係でもあるマナナからは

「タリアはお母さんの言いなりよ!
お母さんの前で無言なの…あれ、どうにかしてほしいわ」

とタリアの悪口も聞くと言うのに…。
確かに、僕の幼馴染(おさななじみ)タリアは会話 するのが(めずら)しすぎるレベルにおとなし い…昔から知っている。
予想、出来ていたことが起きてるだけの話だ。

それに反して、茶髪ロング眼鏡系美女――ミルルはゼロを無条件に完全信用してる…。
大丈夫なのだろうか?

《ゼロさんが悪い人じゃないってミルルは知ってるわよ。
理由はね、ミルルがゼロさんを好きだからよ。
それしかないに決まってるでしょう。
ミルルがこれから(しつけ)けていくから大丈夫 よ。
やあね、心配してくれてるの?
キセキさん?》

ミルルは常にこの調子だ…猛烈に()れた男に 甘すぎてる。
そこだけ、僕は心配になって来る。

ミルルへはゼロとどういう経緯で交際が始まったのか…僕は大学でよく聞くが…。

《ごめんなさいね。
それは言えないわ?
とにかく、これだけは言えるわ?
ミルルがゼロさんを有り金費やして、買ったの!
そういうことよ!
ミルル、頑張ったわ》

ミルルは眼鏡の奥から嬉しそうな瞳で…これしか言わない。

「君は…邪神国へ男を買いに行っただけだと言うのか?
酷い目にあわなかったのか?
君は…邪神国で…」

《ごめんなさい。
それは話せないの…。
キセキさん、察してちょうだい。
もう、縁を切りましょう…》

ミルルは大学内でもこれしか答えない…。
僕には謎だらけだ。
どうも何が起きたかについては…邪神国から圧力がかけれらてる様子だ。
事件性を感じてしまう。
ミルルはいったい、どんな事件に巻き込まれたと言うのか?

「君は集団レイプにあって…男性不信になって、帰って来たと言う噂まで流れてるが・・。
本当にそんな国なのか?
邪神国は…。
君はそんな目にあったのか?」

《キセキさん、聞かないでくれないかしら?
本当に空気が読めないのね?
はあ…。
ミルルに何があったとしても良いでしょう?
終わった事なんだから。

ミルルは大丈夫だったわよ?
こう言えば…信じる訳?

嘘でもこう言うでしょ?
本当でもこう言うでしょ?
そういうものでしょ?

でも…ミルルはこうやって、今…ここにいて、生きてる事実に感謝してるわ?
それだけで良いでしょ》

「そうだな、それも正論だ」

やはり、生きて帰れたことが奇跡に近いと暗に言われてる気がする。
そうだろう。
ミルル以外にも拉致(らち)被害者は…大勢いると 言う噂だが…。
平和国人、ターシャ人の行方不明者のうち、いったい何名が被害にあってるのかも不明だとされてるが…。
誰一人として、邪神国から帰って来てないと言う話だ。

ミルルのことは僕は警戒してる。
ミルルが邪神国の情報を他人へ話そうものなら…邪神国から刺客(しかく)が 送られてきて、ミルルが抹殺(まっさつ)されかね ない。
その刺客がゼロの可能性だってある訳だ。
ミルルはいったい…邪神国で何を見て来たのだろうか?
僕なりにまだ、彼女のことは心配してる。
僕はフェミニストだ。

☆☆☆



ミルルの部屋の表札にはいつの間にか…2年前からゼロの表札まである…。
ミルルが勝手に自作したシールが貼ってある。

ミルルは最近、僕に冷たくなってしまった。
ゼロのことしか頭にない様子だ。

☆☆☆


LINEがマナナから来てる。
僕の元カノマナナとは今もLINEを通じて(つな)が る仲だが…。
一向に親友のタリアからはLINEが来ない。
僕はいったい、いつからタリアと疎遠(そえん)に なってしまったのだろうか?
昔は、僕にタリアはミルルへの密かな恋心を相談して来たり…。
それから、僕へエロ本まで貸してくれたり…普通に仲良しだったのだが。

僕がモテ始めてからな気がする…。
僕とタリアは中学2年生を境に疎遠になり始めてるような気がするが。
これは僕の気の性なのだろうか…?

確かに、中2を境にタリアの本命、ミルルが…僕へ猛烈にアタックし始めた。
ミルルが僕へアタックする前からタリアから僕はミルルへの恋心について相談を受けていた。
見ていて…冷や冷やした瞬間だった。

今では高2に突然、留学生としてやって来たゼロとミルルがスピード結婚までしてしまったが…。
当時…きっと、彼は面白くなかったのだろう。
今、タリアはどうしてるのだろうか?
ミルルを諦め、マナナを選んだ未来について…どう考えてるのだろうか?
僕は今でも本命レイカさんを諦めきれずにいる。
レイカさんを諦め、馬髪可憐や月神マリアに行けずにいる。

いつになったら僕も成長が出来るのだろうか?
僕もそろそろ腹をくくって、一人に絞るべきなのかとは思う。
僕の中で順位が高かった女性ほど、だんだん…僕から距離が離れて行ってる。
マナナやミルルは遠いところへ行ってしまった。
僕はタリアとの仲を戻せたら、本命を諦めた時の彼の心境などを聞いてみたいものだ。
レイカさんには連日、ふられっぱなしだからだ。

まず、本命のレイカさんは僕以外にも複数の相手からアタックされてるが…彼女は断り続けてる。
それから月神マリア、彼女も意外に大学内では好評だ…他の男に奪われる可能性がある。
それ以外にも馬髪可憐、1歳下だが…下の学年から好評らしい…他の男に(ころ)ぶ 可能性もある。

僕が論外な頑丈英子さんだけ…誰からもまだ言い寄られず…そんな可能性なんて全くない。
しかも、未だにターシャ国内で男を(あさ)り、 逆ナンを連日してるらしい。
凄いヴァイタリティ−な事だけは認めよう。
いつか誰か強引につかまりそうな気がする…。
彼女の力に屈折(くっせつ)する犠 牲者(ぎせいしゃ)が出現するのも…もう時間の問題かもしれない。

僕は一人に絞らないと…このままでは残り者同士、頑丈英子(がんじょうえいこ)さ んと未来を共にしてしまう可能性がある。
時間の問題かもしれない、(あせ)ってる。

タリアにも、僕が月神マリアか馬髪可憐に心変わりできるように協力してもらいたい気分だ。
いったい、どういう経緯で本命のミルルからマナナへ行けたのか…。
僕も本命を諦め、月神マリアか馬髪可憐に行った方が未来的には幸せなのか…。
そう言うことを聞いてみたい。

僕は溜息を吐いた。

スマホに来てる…マナナからのLINEを読んでみた。

☆☆☆
異能マナナ

☺ ---「キセキ。
今年のターシャ祭も帰るんでしょ?
聞いてちょうだい!
私、やっと花嫁学校まで…今年、卒業できそうなのに…。
この()(お よ)んで、タリアのお義母さんが私を||「別れさせる」||って怖いのよ。
タリアがもう言いなりで。
私はどうしたら…」---

既読
---「君は…
去年も一昨年も、同じことを言ってなかったか?

一昨年は
「タリアが許婚いいなづけ)の英子さんと見合い になる」
と言ってたが・・。

あれ、
破談になっただろ?

またなのか?」---

☺ ---「キセキ…どうしたらいいのかしら?
はあ・・。
私なりに戦ってるんだけど…全然、タリアはお義母さんが(から)む と無言なのよ。
困ったわ…。

このままじゃ、私・・結婚なんて一生出来ないのかしら?
タリアのお義母さんがまた||「タリアへ見合いの相手を見つけて来た」||って言うのよ。
どうしたら…。
はあ…。

聞いてくれるかしら?
タリアのお義母さん、私とタリアを別れさせたいがために…。
キセキの本命、レイカさんとまでタリアを見合いさせるって言い始めてたのよ。
ついこの間よ」---

既読
---「は?
嘘だろ?
確かに、レイカさんは連日、見合いで忙しいらしいが…。
僕はそんな話、一回も…」---

☺ ---「そうでしょうね?
それはさすがに…レイカさんの実家から丁重にお断りが来たみたいなのよ。
コッチへ興信所(こうしんじょ)が付けられて全 部、資産から全てを調べ上げられて…。
最後に、学生時代から交際が続いてる私の存在が先方にバレタみたいで…。
それをネタにレイカさんの実家から丁重にお断りが来たみたいだわ‥。

知らなかったけど・…キセキの本命、レイカさんの家って・・。
凄い家なのね?
ターシャ王の末裔(まつえい)の家なんですって ね?
あれでは釣り合う家なんて中々ないわよ。

タリアのとこ以上に、あの家…うるさそうよ?
キセキ、勤まるの?
ビックリしたわ、電話係さんや車係さんやメイドさんや複数のSP達までが…。
ターシャ神社に詰め寄って来て…私へも質問攻めで。
すぐに向こうから破談になったわ。

でね…タリアのお義母さんが
||「次こそは…タリアに美人で、しかも実家に何不自由がない見合い相手を斡旋(あっせん)し て来たから」||
って…。
うるさくって…。
アタシはどうしたら…。

今回は…私立ターシャ学園幼稚舎(ようちしゃ)か らエスカレーターで上がって来た…私立ターシャ短大ではミス私立ターシャ学園短大まで(つと)め た…女性みたいで…。
美神敏子さんって人みたいで…1歳年下の女性なの。

もう私、胃が痛くて…。
またなの?

タリアが普通に見合いに行くみたいで…。
どうしたら…」---

既読
---「ミス私立ターシャ学園短大か…。
今回は猛烈に美人そうだな。
レイカさんはミス王立ターシャ女子大だ。
確かに、ミスコンに優勝しただけあって類まれなる美貌だ。
君も大変だな…。
同情する…。
今回、タリアが期待に燃える気持ちも僕は男だ、理解できる…。
僕でも興味が沸いてしまう」---

☺ ---「またなの?
大和ナデシコ茶道、教室に通ってくるガングロ金髪サーファー男の学習イッチ―ね‥。
あいつも、{今度の美神敏子(みかみびんこ)さん が気になってたまらないっス}ってウルサイのよ!
ナデシコも(あき)れてるわよ。
キセキ…(なぐさ)めになってないわよ…。

本当に嫌になるわ…。
いつまでこれが続くのかしら?
タリアは何を考えてるのかしら?
私が不服なのかしら?

私…キセキと一緒になった方が幸せなのかもしれないわ。
そんな気がするの…本当は…。

ねえ、キセキもレイカさんなんて大変そうよ。
だって、レイカさん・・ターシャ王の末裔(まつえい)の 家柄なんでしょう?

キセキ・…もし、今回…私がタリアと別れたら・・。
私と寄りを戻してくれる気なんてある?

それとも、レイカさんに行く気?
どっちなの?(;;)」---
















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