「キセキ視点」
☺ ---「そうよ、今だって…タリアのお母さんに
もう、私…参ってるわよ!
精神的によ?」---
既読
---「君も大変だな…。
タリアと英子さんが見合いなのか…」---
---「君も大変だな…。
タリアと英子さんが見合いなのか…」---
☺ ---「うるさいわね!
私はキセキが帰って来るの待ってるわよ!!!
タリアに
既読
---「彼に僕の叱りが効くとは思わないが…」---
☺ ---「どういう意味よ?」---
既読
---「まあ、キミたちが別れれば元鞘
に戻るのも良いかもしれない」---
---「まあ、キミたちが別れれば
☺ ---「
キセキ…私のこと、怒ってない?」---
既読
---「どうだろうか?
怒ってる」---
---「どうだろうか?
怒ってる」---
☺ ---「そう…。
ごめん、キセキ…。
レイカさんとうまく行くように祈ってるわ」---
既読
---「元鞘
はあり得ないのか?」---
---「
☺ ---「タリアの返事次第よ。
でも、お母さんの言いなりなのよ・・。
なんとか、ならないのかしら?」---
既読
---「君も大変だな」---
☺ ---「明後日の昼、3時までには来てよね?---「君も大変だな」---
タリアと英子さんの見合い、邪魔してよね?」---
既読
---「最善を尽くす。
間に合わない可能性もあるが・・」---
☺ ---「何よ!---「最善を尽くす。
間に合わない可能性もあるが・・」---
役に立たないわね!
根性でも飛んできてよね!」---
既読
---「保証はないが・・努力はするつもりだ。
君ももうそろそろ腹をくくるべきなんじゃないか?」---
---「保証はないが・・努力はするつもりだ。
君ももうそろそろ腹をくくるべきなんじゃないか?」---
ここから1時間してもLINEは止まった。
マナナが混乱してる様子が伝わって来た。
確かに二人の関係はマナナが告白をして、始まった関係だ。
マナナも不憫で仕方ない。
僕はどうするべきなんだろうか…。
と言うか、3年前…、僕には本命のレイカさん…タリアには本命のミルルがいた状況で…。
考えてみれば…、僕と交際してもつまらないからと…マナナは僕に告白をして交際開始したのにも関わらず…。
タリアに告白をして、僕は振られた形だ。
と言うか…いつからマナナはタリアを好きになったのか…。
僕は幼稚園時代からマナナには求婚までされてた関係だ。
しかし、何故か…マナナは僕にもタリアにも本命が要るにも関わらず、僕と付き合っても…僕が上の空だと…。
そう言う理由で、タリアと交際を開始したのだ。
当初はすぐに別れると予想をしていた。
しかし、今の話を聞いてると、マナナはタリアが好きらしいが…。
タリアはマナナをどうでも良いふうにあつかってる雰囲気が伝わって来た。
タリアは酷い男だ。
僕は猛烈に迷ったが…タリアへもLINEで伝えておくことにした。
タリアからは…本当にレスがこない。
昨日、僕が送ったLINEメッセージは既読が付いてると言う事は・・読んでる筈なのに。
何の連絡もない。
☆☆☆
月神タリア
既読
---「マナナから聞いた。
君は英子さんと言う許婚
と見合いをするのか?
もう少し彼女を大事にしたらどうだ?
まだ、ミルルに未練があるのか?
それも聞きたい。
あと…マナナが君と別れたら、僕と元鞘
へ戻りたいと今日…LINEで来てる。
それでも君は良いのか?
なんで、僕に返事を送らない。
マナナへも送ってあげてるのか?」 ---
---「マナナから聞いた。
君は英子さんと言う
もう少し彼女を大事にしたらどうだ?
まだ、ミルルに未練があるのか?
それも聞きたい。
あと…マナナが君と別れたら、僕と
それでも君は良いのか?
なんで、僕に返事を送らない。
マナナへも送ってあげてるのか?」 ---
思いのたけを送ったが…。
タリアからは返事がない。
既読
---「僕には君の考えが読めない。
なんで、読んでる筈なのに…放置をしてる。
英子さんがそんなに気になるのか?
マナナが不憫だろ?
さすがに僕も怒ってる、君に対してだ」 ---
---「僕には君の考えが読めない。
なんで、読んでる筈なのに…放置をしてる。
英子さんがそんなに気になるのか?
マナナが不憫だろ?
さすがに僕も怒ってる、君に対してだ」 ---
しかし…僕のLINEメッセージは連絡がなかった…。
既読
---「今日は日曜日で…来週と言う事は明日だ。
僕はターシャ国へ飛行機で乗り継いで帰国する。
君にも実際、会いたいと思う。
友達に対して、なんか言うことはないのか?
僕と君は親友だろう?
タリア…。
どうしてるんだ、今・・君は…」 ---
---「今日は日曜日で…来週と言う事は明日だ。
僕はターシャ国へ飛行機で乗り継いで帰国する。
君にも実際、会いたいと思う。
友達に対して、なんか言うことはないのか?
僕と君は親友だろう?
タリア…。
どうしてるんだ、今・・君は…」 ---
これだけ書いても…タリアからは返事が来ない。
僕は
マナナが言うとおりだ。
本気で…タリアはマナナと別れる気なのかもしれない…。
確かに…タリアは大昔から、マナナと交際する以前から…。
『アイツは
本気で良いところが思い浮かばない…結婚するなら最悪の女だ、ミルルが好きだ。
何もかも恵まれすぎて、しかも美人だ。
ミルルと協力してくれ…頼む』
タリアは常にこう言っていた…。
考えてみれば…今、タリアのお母さんと言ってることと…全く同じことを言っていた。
これは仕方ないが…避けられない未来なのかもしれない…。
「タリアは不細工だし、何考えてるか分からないわよ、根暗よ。
苦手だわ。
キセキ、私と結婚しましょうよ。
物凄く、好みの顔をしてるの…キセキって」
こういうふうに僕へアタックしてたマナナが…いつからタリアを好きになったのか謎だが…。
僕が留学してる3年間のうちに…変わったのかもしれない。
当初は僕と付き合っても構ってもらえないから…マナナは罰ゲーム感覚な軽い気持ちでタリアへ告白をしたのかもしれない…。
そう言えば、マナナは『キセキと付き合うと女子から
それをチェックするのを僕は怠っていた。
今ではマナナがタリアを好きになり、・・タリアが冷めて、別れの危機に瀕しているのかもしれない…。
タリアに倦怠期が訪れてるのかもしれない…。
僕はそれをターシャ国で見守らなくてはならない役目な可能性もある…。
いったい、今…ターシャ国では何が起きてると言うのか…心配でたまらない…。
タリアは何を考えてるのか…。
それから、僕はまさか…両親公認な
まだ、人生を一人へ
いったい、この先…どうなるのか??
異能マナナとは肉体関係を持つなら…もちろん合格ラインだが……。
僕と先に付き合っていたのに、僕より親友のタリアへ心変わりをして…僕を捨てた過去がある。
今回、マナナがタリアに捨てられて…帰ってくる場所と言えば…僕の腕の中なんだろうが。
どう考えても、精神的に微妙すぎる…結婚を決断するのは、まだまだ先な気がする。
僕の親友、タリアと交際していた過去は消せないが…これから消去するぐらいの気で僕は生きなければならないらしい…。
僕は懐が大きい人間を演じてるが…実はそこまで広い心でもない。
マナナからはなるべく僕と付き合うなら、タリアと交際してた時代に関することは一切聞きたくないし…。
マナナの精神からタリアをすっぱり未練切れしてからにして欲しい。
当たり前の話だ。
と言うか…僕がターシャ国にいた高校時代、二人がデートしてるのなんて見たこともないが…。
どこまで3年間で関係が進んでるのか?
まさか、寡黙なタリアのことだから…あのままなのか?
それは聞く気になれない。
敢えて聞こうとも思わない…。
僕はマナナと交際するなら、それは聞かずに交際した方が…やはり、楽かもしれない。
飛行機のネット予約が・…やはり9月とは言え、大学はまだ夏季休暇の中にある。
満席で、翌朝フライトは取れなかったが…明日の夜からの便は予約出来た。
ホッと、胸を撫で下ろした。
飛行機で平和国のヴァカンス島からターシャ国までは日付変更線を越えて、半日以上かかる。
…ターシャ国へ到着するのは明後日の昼ぐらいになるだろう。
何とか、タリアと英子さんの見合いに間に合いそうだ。
明後日の昼3時にタリアと英子さんの見合いが開始されるらしいからだ。
僕も大変すぎる。
マナナも人づかいが荒くないか…?
☆☆☆
僕は自宅で明日の用意に備えた。
飛行機に乗って、ターシャ国へ帰国する気だ。
パスポートや着替えなど詰めている。
僕の両親も最近は…ターシャ国と平和国の両方を行き来するような感じだ。
現在、僕の両親は仕事の関係で、平和国本土の社宅に暮らしてる。
僕の母が言うには…社宅は大変らしい、中元歳暮、挨拶、掃除など近所付き合いがだ…。
母から泣いて電話がかかって来た…。
平和国の本土は大陸で広い…。
そこから、平和海を飛行機で飛んだ距離に平和国ヴァカンス島がある。
僕の大学は平和国ヴァカンス島にあるから、平和国本土社宅に入ってる両親とは離れることになった。
ターシャ国は9月。
そろそろ涼しくなっただろうか?
僕が3年前までターシャ国で暮らしてた実家は…現在、人に貸してる。
庭の手入れも大変だし、賃貸したら収入になる…ということで両親が人に貸してる。
だから、帰国する際は…僕の父方祖父母宅に寝泊まりすることになる。
父方の祖父母に関しては…ターシャ国のターシャ村で暮らしてる。
僕がかつて暮らしていた実家付近から徒歩10分以内の距離にある。
僕の母方については…祖父母は平和国の本土にいる。
母は平和国人とターシャ人とのハーフだ。
休暇に両親や祖父母に会いに行くことも多い。
因みにターシャ国にいる僕の父方祖父母も、涙もろい性格だ。
明日の出発の前に・…ミルルへも一応、伝えておきたい。
僕とミルルの仲で黙ってるのも変な話だ。
それに、ミルルもタリアとマナナが別れの危機に瀕してる件については・・驚くはずだ。
どうせ、僕の下の階で…今、ゼロといることは知っているが…。
一応、報告することに決めた。
☆☆☆
眼鏡ミルル
既読
---「ミルル…君がゼロと交際した件に関して…マナナにも伝えた。
マナナは君とゼロの件について、黙認に近いらしい…。
それから、知ってるだろうか?
マナナとタリアがもうすぐ別れそうらしい…。
その件で僕は明日、ターシャ国に帰国する気だ。
今日一日で、昔の旧友から凄い話ばかり聞いてる。
君とゼロのことについては僕は大反対だが…。
マナナには「無理やり別れさせるのは駄目よ」と叱られた。
君も早く目を覚ますべきだと思うが…。
僕は君のことも本当は少し心配だ」---
---「ミルル…君がゼロと交際した件に関して…マナナにも伝えた。
マナナは君とゼロの件について、黙認に近いらしい…。
それから、知ってるだろうか?
マナナとタリアがもうすぐ別れそうらしい…。
その件で僕は明日、ターシャ国に帰国する気だ。
今日一日で、昔の旧友から凄い話ばかり聞いてる。
君とゼロのことについては僕は大反対だが…。
マナナには「無理やり別れさせるのは駄目よ」と叱られた。
君も早く目を覚ますべきだと思うが…。
僕は君のことも本当は少し心配だ」---
暫くして、ミルルからレスが来た。
☺ ---《ごめんなさいね。
ミルル、今…猛烈に忙しいの。
ゼロさんとイチャイチャタイムだから、邪魔しないでね。
暫く、ラインしないでね》---
既読
---「分かった…。
しかし、僕はマナナとタリアも心配だが…。
君のことも正直、心配でたまらないんだ」---
---「分かった…。
しかし、僕はマナナとタリアも心配だが…。
君のことも正直、心配でたまらないんだ」---
ここからミルルからの返事は来なかった。
僕は溜息を吐いた。
それから、連絡するなら早いうちが良い。
僕の父方祖父母は9時には寝るからだ。
国際電話で通話料が高くなるが…電話することにした。
♪PRUUUUUUUUUUUUU♪
☏婆「もしもし、こちら灯台ですけれど…。
どちらさまでしょうか?」
☎「もしもし、僕だ、僕…」
☏婆「その声は…キセキ君なのかい?
懐かしいね?」
☎「国際電話だから手短に話すが…明後日の昼ごろ、おばあちゃんの家に僕は帰ろうと思う・…」
☏婆「何だって?
キセキ君」
☎「明後日、僕はそちらに寄る…」
☏婆「そうかい?
それは嬉しいね」
☎「それだけだ…。
待っていて欲しい」
☏婆「うれし泣きしそうだよ、婆ちゃんは…。
じゃ、明日の昼はカレーにしようかね」
☎「明後日の昼だ…。
ありがとう…。
じゃ、切るから」
☏婆「国際電話だからね…また、明日の夜だね?」
☎「明後日の昼だ…」
ここで電話が勝手に向こうから切れた。
猛烈に心配だ。
国際電話は電波が通じにくい…。
一応、父方の祖父母の鍵まで僕は渡されてる。
最近、父方祖父母は耳が悪いらしい…。
翌日になった。
今日は夜のフライトでターシャ国へ帰国しなければならない、トランクケースに荷物なら必要最低限、収納した。
自宅で昼食を終えた後・…。
ミルルへ一言、告げようかとも思い、マンションの部屋から出発するときに、わざわざ下の階へ寄った。
それから、ミルルの部屋の前で、インターフォンを押したが…反応がなかった。
ミルルも自分勝手な女だ。
僕も心配して、こうやって…見にきてやっていると言うのに…。
マナナからはミルルが邪神国へ拉致されないか監視してくれと頼まれてる。
このマンション…本気で防音が効いてて幸いだ。
ミルルとゼロの関係は…いったいどこまでなのか?
僕が寝てる最中に、まさか…ミルルのエロな声が下の階から聞こえたら・…。
さすがに、僕は引越しを考えてしまいそうだ…。
というか…少し、怒りも沸いてくる。
誰が考えても、ミルルがゼロに
もう事件性まで
マナナも自分のことで精一杯で・・ミルルのことがどうでも良くなってる様子だ。
僕はマンションのエレベーターに乗り、フロントの自動ドアを越えて…外へ出た。
平和国のヴァカンス島はヤシの木が道に続き、空は青く…平和な景色だ。
空の上に飛行機が飛んでる…僕はあれに今から乗らなければならない。
平和国ヴァカンス空港行きのバスに、飛び乗った。
バスで空港まで30分程度だ。
マナナとタリアの件についても心配だ。
マナナをどう慰めれば良いのか・・。
タリアへどう説得すべきなのか・…。
僕は今、混乱してる。
☆☆☆
飛行機に乗れば…今まで3年間の思い出が蘇る。
飛行機の窓から平和国が小さく見える。
空の上まで来れば・・窓の景色は、雲しか見えなくなる。
平和国に残してきた女性達…。
僕の本命、レイカさん…。
茶髪ゆるフワミディアム、女子アナタイプで水色ワンピを着た2歳上の女性。
昨日も振られた…。
ミスターシャ王立女子大になるレベルに恵まれている。
真面目でほんわかした雰囲気がどこか漂って見える。
申し分なさ過ぎるレベルに良家の子女だ。
あと…僕の幼馴染、女優の眼鏡ミルル…。
悪い男にたぶらかされているのに、まだ自覚してないらしい…。
腰まで伸びた茶髪、眼鏡の長身美女。
目元が切れ長で鼻筋が細く高く口元が薄く、顎が小顔シャープで手足が長い。
気性は荒いのに…意外にガラスのハートだったらしい、僕は知らなかった。
マナナがミルルを繊細だって言ってる…本当なのか?
それから、大学で出会った旧友…タリアの従兄弟、月神マリア。
昔、流行った女優マリーンモローに似た…金髪碧眼巨乳平和国人系美女。
金髪はクルクルで肩に掛からないレベル、目元が涼しくまつ毛がクリンとして、唇が赤くポッテリしてる…巨乳だ。
あと、大学の後輩でバイト仲間、馬髪可憐。
黒髪ポニーテール直毛釣り眼、華奢で長身色白和風美人。
それから…今から行くターシャ国。
僕の幼馴染で友達、異能マナナ。
巨乳低身長黒髪オカッパ…そこら辺にいそうなヒョウキン顔。
巨乳で巨尻で物凄くお腹がくびれてる、太ももがムチムチしてる…。
マナナの顔は不細工ではなく、僕も並みだと思う…。
どこかで見たことあるような親近感が沸いてくる顔だ。
僕の親友、タリアと別れの危機に
僕とマナナは性格が一番、あう気がする…一番、LINEが続く女性だ。
僕もマナナが失恋したら…僕の失恋をマナナに慰めて貰おうかと…今、思ってる。
マナナは昔…ミルルに苛められて、泣いてる僕を…よく慰めてくれた。
僕にとってマナナはお母さんに近い。
他にもターシャ国で僕を崇拝する女性が。
難波カンサイ。
低身長ロリ華奢体型、ツインテール…超童顔。
地方大学へ行ってしまった。
今回は会えないだろう…。
僕の友達…頭にアニメしかない超女好きの男、学習二イ〜がアタックしてるらしいが…。
まだ、僕を慕ってるらしい…。
大和ナデシコ。
標準的なターシャ女性代表、身長体重体脂肪まで平均だ。髪はストレートロングで顔がアッサリしてる。
僕の友達…頭にサーフィンしかない超女好きの男、学習イッチーがアタックしてるらしいが…。
まだ、僕に未練があるらしい…。
いろいろなことを思い出す。
飛行機の中では。
僕はいったい…誰と一緒になるのか…。
僕には候補が現在、7名いる…。
マナナとタリアを協力すべきなのか?
そこら辺も謎になって来る。
マナナは可哀そうだ、もうマナナも諦めるべきなのではないのか…???
☆☆☆
飛行機の中で機内食を終えて、夜を跨いで…飛行機でスチュワーデスさんから毛布を貰い、寝る。
ビジネスクラスだが、割りと飛行機は快適だ。
いろいろ考えてるうちに…時間と言うものはあっという間に経過し…。
ターシャ国際空港に到着したらしい。
ターシャ国の港町にターシャ国際空港がある。
空港前のバスに乗り、ターシャ国立公園ミサ前のバスに乗る。
バスで20分程度乗れば…ターシャ村ターシャ神社へ到着する。
このバスの終点は…ターシャ国立公園ミサ前だが、一駅前がタリアの実家…ターシャ神社前で…。
4駅ほど前が、ターシャ成績優秀高校前で…その一駅前がマナナの母が通ってた母校、低脳中学だ。
ターシャ成績優秀高校前と低脳中学の中間地点に僕の父方祖父母の実家がある。
僕はターシャ成績優秀高校前で下車した。
タリアが昔のクラスメイトには絶対、騒がれるから黙ってくれと言っていた意味も分かる。
タリアの実家、ターシャ神社は…ターシャ国の世界遺産にまで登録されている。
猛烈に広大な敷地で、被災者の方をそこで寝泊まりさせれるレベルの畳数は優にある。
2000年ぐらい前からある建築物らしい。
神社と言うか…協会にも似てるし…神社と協会を合体させたような建物だが…。
やってることは同じだ。
僕はタリアの実家を付きとめて以来、こっそり何回か自宅へ上げて貰ってるが…そこら中に絵画が飾られている。
良い家だと言う感想だが…マナナが今、苦しむのも理解できる。
僕も成人になったから世間体と言うモノがある程度、分かる。
あれは…猛烈に嫁入りするなら大変そうだ。
朝5時のお勤めどころではないだろう…。
クラスメイトで旅行と言うモノを経験したことがないのは…タリアだけだった。
幼稚園時代から一度も彼は日帰り以外の旅行をしたことがないと言った。
しかも、学校の行事でも修学旅行を他とする泊まり行事はほぼ休んでいた。
タリアが小学4年生時代…。
臨界合宿の1日目で…『夜5時から親戚の法事がある』と言って、タリアだけ一端…帰宅をした頃から不思議に感じてた…。
ターシャ国立自然公園内の臨界合宿だった。
それから…臨界合宿の翌日、タリアは普通に…臨界合宿へ戻って…クラスメイトと一緒に学校へ戻ったのだ。
班でカレーを作る行事だったが…タリアだけ合宿に泊まらず、一端・・自宅へ帰った。
それ以外にも…。
修学旅行は遠方のものは結局、僕の記憶では…5〜17歳まで一度も彼は宿泊旅行と言うモノを経験してない筈だ。
学校でも噂にはなってた、泊まりの度に休むタリアについてだ。
あまりにも不思議だから・・・タリアに内緒で僕はタリアの実家にまで押しかけて、タリアの母に聞いたことがある。
あれは僕が10歳の頃の話だ。
「キセキ10歳当時の回想(始)」
「何故、タリアは…泊まりの行事は全部、休んでいるのですか?
僕には謎です」
ターシャ神社の庭にいるタリアのお母さんに直接、聞いてみた。
タリアのお母さんは…木の箒を片手に庭を掃き掃除してるみたいだった。
庭には枯葉が何枚も落ち、そろそろ冬の気配が香る頃の話だった。
その時に…タリアのお母さんから帰ってきた言葉だ。
||「それがね?
神社の行事ごとでどうしても夜の7〜9時には休まずに出席しなくてはならなくて…。
このことはクラスメイトには黙ってちょうだいね…」||
「まさか・・タリアは夜の7〜9時は…本当は行事ごとじゃなくて、勉強をしてるのですか?
本当に行事なのですか?
どんな行事なんですか…それは…
本当のことを話してください・・何の行事なんですか?
修行でもあるのですか?」
||「ああ…キセキ君に嘘は通用しないわね…。
分かったわ、ココだけの話よ。
本当はタリアには毎日、縄で縛り上げて…机で勉強させてるの、夜の7〜9時には・…。
神社の跡取りって大変なの。
クラスメイトに苛められないように、キセキ君…黙ってあげてね。
タリアのためにも…。
ちょっと
月神家が路頭に迷う訳には行かないから…。
絶対、みんなには内緒よ?」||
「分かりました。
僕はタリアの親友ですから。
タリアのことを応援してます」
||「それで…タリアに好きな子って、いるかしら?
タリアに何回、聞いても教えてくれなくて…。
タリアも自分のことはよく分かってる筈だから。
まさか、
タリアのお父さんがね、若い頃…おたふく風邪にかかったみたいで…。
二人目が望めないみたいなのよ…。
まあ、こう言う話はキセキ君にはまだ早いわよね?
はあ…」||
「タリアは
僕は彼とミルルの仲を全面協力してます。
でも…タリアは、その大好きなミルルとは全く
||「そうなの?
眼鏡ミルル・・・あら?
子役でヒットしてる子じゃないの?
”風と共にミルル”は叔母さんも見たわよ?
で…キセキ君から見て、どんな子かしら?
宗派は何なの?
確か…実家が弁護士で精子バンクだってことはもう知ってるわ。
タリアね…好きな子と全く会話できてないの?
まあ、あり得そうだわ…ウチの子なら…」||
「ミルルは無信教です。
それ以外に欠点がない女子です。
タリアがぞっこんです。
クラスでもみんな知ってます!」
||「確かにミルルちゃん、ミサには全く来ないものね。
無信教なの…」||
「おばさんもミサへ?」
ミサと言うのは…タリアの実家、ターシャ神社付近にある施設だ。
ミサは…赤い6角錐のテントで出来た鉄筋の建築物だ、これも世界遺産だ。
ミサ内部には机があって、常に”泉の巫女様”と呼ばれる人が座ってる。
”泉の巫女様”は金髪碧眼で長身痩身な少女だった。
”ターシャ教のアラ人神”とも村人からは呼ばれてるし…。
正直、暮らしてる世界が違う雰囲気の人だった。
"泉の巫女様"は…体中の肌が、青や緑や橙や桃や赤や黄色…いろいろな色へと不規則に発光して…。
次に何色に光るかは誰にも予想できないし…。
その発光の仕方が、まるで深海に暮らすクラゲのようにユラユラしていて・…。
何処か浮世絵離れした人だった。
肌だけではなく瞳の奥まで発光しているのは驚いた。
ミサ内部では連日、願い事を祈ってもらえる。
”泉の巫女様”は18歳までの神童とされており…彼女に願い事を祈祷してもらうと、確率がゼロでも成功率が6割に上がると言う事で、いろいろな雑誌に掲載 されて有名だった。
祈祷料が1回につき、1000円だが…ターシャ村の観光名所ともなっていた。
縁結びを祈る人もいれば、商売繁盛、家内安全…色々な悩み事を村人の女性は祈祷してもらっていた。
ミサは…普段、女性しか通えない神聖なる場所だが…。
年に一度のターシャ祭の時だけ、男性客もそこへ通える。
その当時、僕はターシャ祭では…毎年、
「クラスでモテるようになれますように…。
女子からどうか、これ以上苛められませんように…」
と真剣に祈っていた。
||「あのミサに通えるのは女性のみだからね…。
たまにね?
覆面被ってバイトの人のふりして参加するのよ」||
「そうなんですか」
||「タリアがミルルちゃんを…好きなんて。
それなのに、困ったわ…無信教なのね…。
邪神教を宗派改心させるより楽かもしれないけれど…。
そこだけが問題だわ…」||
平和国からコンニチハ5
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平和国からコンニチハ6