アナタノコトガスキデス

萌え妄想のまま走るいろいろ創作小説の予定。苦情無断転載禁止。

 

キセキ2

「キセキ視点」

「僕が悪かったから…君は去ったんだろう…悪かった。
僕が君からのビジネスキスを受けておけば…こんなことにならなかったんだ。
僕のせいで君は…」


「邪神国は恐ろしかっただろう?
君は…ゼロに会えたのか?
僕が悪かった、僕のせいで…君は…。
僕が君の気持ちを知りながら…怖いばかりに適当に振ったからこんなことに…」

僕は必死に謝罪をしたが…。
ミルルは眼鏡の奥から冷たい瞳で僕を見据えて、言ったのだ。

《キセキさん…。
邪神国で何があったかについては…聞かないで頂戴。
これから一生よ》

「ミルル…君は…」

《それだけよ…。
距離を置きましょう…》

「ミルル…僕が悪かった…。
一つだけで良いから聞きたい。
君は…ゼロとは会えたのか…」

《ごめんなさい。
何も聞かないで頂戴。
頼むわ、キセキさん…。
ミルルを困らせないで頂戴…》

「分かった。
僕が悪かった。
僕が…」

僕は涙を流して謝罪をした。
何回土下座しても気が済まない気分だった。

僕から涙が溢れて来た。

この台詞から察するに、ミルルはきっと邪神国でよほど…酷い目にあって来たんだろう。
僕の元カノ、マナナが言う通りなのかもしれない。
生きて帰って来れたことが奇跡だ。
集団レイプもあったかもしれない。
僕は浅はかだったと自責した。

[よく、帰って来たな!
ミルルちゃん!]

[ミルル様、本気で心配してたぜ!]

[ミルルさん…笑って欲しいな、募金に協力したからさ。
今回は…]

数名の黒い学ランを着た男子生徒達も大歓喜で、ミルルを歓迎した。

眼鏡の奥から覗くミルルの瞳が猛烈に暗い…こんなことは今までなかった。

ミルルの眼鏡の奥の瞳が覇気なしだ。
顔も前より若干、焼けて黒くなってる…女優として美白に燃えていたミルルにはあり得ないことだ。
それ以上に何があったのか…僕は聞けずにいたが、頭の中でいろいろアアだコウだと妄想を張り巡らせた。
良い想像が湧き起らなかった。

Uミルル大変やったな…。
ホンマ、よう死なんと帰って来れたな。
ライバルやけど、そこは認めたるで。

で…邪神国はどうやったん?
ゼロくんにや、会えたんかいな?
ウチ、気になるで。

キセキくんもや、ミルルのこと・・心配してたみたいやで。
ウチも最近、やっとターシャ病院から退院して、単位が危ないけど‥頑張ろうな。
ウチは…ゼロくんもキセキくんも好きやけど…。
ゼロくんは本当に…転校したんやろか?
ウチの親戚、担任のアニメ先生もそう言ってるんやけど…なんか、引っかかるんや。U

痩せ低身長黒髪ツインテールの難波カンサイも心配そうだ。

||そうよね?
ゼロ君は…本当に転校なのかしら?
どうして、ミルルは…邪神国に行ったの?
やっぱりそれが目的なの?
で、ゼロ君には会えたの?

キセキ君もあたしは好きだけど・・。
気になるわ・・クラス中でゼロ君の件についても噂になってるみたいだから。
とにかく、無事で何よりよ、ミルル…。

あたしもね、カンサイと同部屋で1ヶ月も入院してたのよ。
単位が大変よ。
マナナからノートに関しては借りが出来てるわよ。
ミルルも頑張りましょう?||

腰まで伸びた黒髪ストレートな和風系女子…大和ナデシコ。
この女子も僕を崇拝してた。
ナデシコもミルルへ近寄った。

《うるさいわね。

邪神国については何も聞かないでちょうだい。
これから一生よ。

ナデシコ、カンサイ。
分かったかしら?

もうゼロさんのことに関しても聞かないでちょうだい。
ハア…。
頼むわよ・…》


ミルルはナデシコとカンサイに絡まれて…眼鏡の奥から怒った瞳で溜息を吐いた。
ミルルの腰まで伸びた茶髪がその拍子に揺れた。

「ミルル…えっと…。
本当に帰って来れたことが嬉しい。
肌、ちょっと焼けたわね…」

ミルルを心配げに見詰めていた女子は他にもいる。


僕の元カノ、マナナだ。
ミルルを慰めに行った。

《焼けた肌は仕方ないわ。
また美白に燃えなきゃね…。
ミルルは…これから、平和国にすぐにでも留学して…女優になる気よ。
遊んでる暇なんてないわ…。
きっと忙しくなるわ…》

「え?
ミルル…もう行くの?
少し…ゆっくりして行ったら…。
無理はダメよ」

マナナは心配そうに上目づかいでミルルを見詰め、それから目を泳がせた。

隣で、長年ミルルが好きだったらしいタリアは呆然とそれを見守ってる。
ナデシコとカンサイも瞳を瞬きをした。
僕も固唾を飲んで見守ってる。

というのも…マナナとミルルは険悪な仲で長年、通ってるからだ。
全員が二人の様子を…静かに見守った。

『…』

タリアは僕が察するにかける言葉が見付からない様子だった。
長年、好きだった女子が集団レイプの可能性があると聞けば…全員、パニックにはなるだろう。
タリアはそんな心境なのだろう。

《さよなら。
マナナ。
ミルルは…ターシャ国は捨てるわ。

それだけよ。
今はまだ暗いの、あまり絡まないでちょうだい…》

「ミルルと私、お別れなの?
私はミルルの大ファンよ。
ねえ、サイン貰えないかしら?」

《良いわ?》

その時、珍しいことが起きた。
ミルルがマナナへサインを書くと言い出したのだ。
マナナは大歓喜して飛び上がった。
その拍子に、マナナの肩揃えな黒髪が横揺れし、水色セーラー服から突き出た胸とスカート裾が揺れた。

「嬉しいわ!
やったわ♪
待ってた甲斐があったわ」

マナナは鞄からサイン色紙を出してきて、ミルルへペンを渡した。
ミルルはマナナから受けとった白紙へサインをした。

「これで、ミルルと私…友達ね?
私、今回は…ミルルの募金活動も必死に頑張ったのよ。
ミルルに何があったかは…聞かない。
でも、ゼロくんに会えたの?
それだけでいい。
聞かせて欲しい…」

《仕方ないわね?
友達とは認めてやるわよ。

でも、それ以外は何も聞かないでちょうだい…》

「分かったわ。
ミルル、私も聞くのを堪える…。
ミルルが留学しても…応援してるから…」

マナナは涙を流した。
ミルルは困ったような表情になって、また暗く沈黙した。

ナデシコやカンサイも更に絡みに行った。
こんな調子で1ヶ月が流れた。

☆☆☆


ミルルがターシャ国へ無事、帰還してから1か月後…。
僕は傷心のミルルと共に平和国へ旅立ったが…。
ミルルはもう以前のように僕へは笑いかけない…。

冷たい表情だ。
それから異様に色気が出始めた。
この時ぐらいを境にミルルのことに関しても女だと認知はしてる。

しかし、本命は2歳年上の王族レイカさんだ。
そのレイカさんにはふられっぱなしだ。

ミルルは現在、女優として成功してるが…。
キスシーンや…ベッドシーンまで演じる女優になった。
これも僕のせいだ。

僕はミルルが暮らすマンションの上の階に暮らすが…。
ミルルに関しては大きな罪悪感がある。
過去は聞かないが…。
きっと、想像以上に邪神国は酷い国だったんだろう。

僕は傷心のミルルを慰めるべきなのか・・。
それとも至難技の王族レイカさんへこのまま、告白し続けるべきなのか…。
それとも、元カノとはもう寄りは戻せないのか?

あらゆる煩悩と常に戦ってる。

僕はあらゆる種類の女性が…僕を悩まして、誘惑してくる件について、困り果ててる。
この世の中は魅力的な女性で溢れすぎてる。

女性心理は本気で謎だ。

だからこそ、僕は女性大好き人間なのかもしれないが・・。
多くを追い過ぎて、まだ…1匹も捕まえきれない状況だ。
僕はどうすれば良いのだろうか…???

今年で成人だ。
今年こそ、童貞も捨てたいと思ってるのだが・…。
本命のレイカさんからはふられっぱなしだ。
ガツガツしてるのが、原因なのか?

大学内でもモテてると言うのに。
一応、レイカさんに絞ればこの様だ。

また昔と同じことを繰り返すが…。
大学内で適当に付き合うべきなのか?

しかし、ある日…突然、女の勘で見透かされて…寄りにも寄って、僕の親友へ告白をして…僕が振られた陰鬱な過去のせいで。
もう、それをする気に僕はなれない。

元カノ、異能マナナからは盛大に応援されてる。
いったい、どうするべきなのか?
レイカさんは…高嶺の花だと認めようか?

それなら、僕へ昔…告白してくれた傷心のせいで心を開かなくなったミルルへ。
心のアフターケアを兼ねて、距離を接近するべきなのか。
ミルルはいつの間にか、ベッドシーンまで演じる凄い女優になってしまった。
雑誌では男性経験が0だと表記されてるが、多分…嘘だろう。
勘では邪神国で酷い目にあってる。

僕はどうするべきなのか…??

「キセキが平和国へ留学してから3年間の軌跡(了)」





朝はバタバタしてる。
僕の大学は夏季休暇が8月初頭〜9月中旬もしくは9月いっぱいまであり、今は9月。
年間の3分の1が休みだ。
今はちょうどまだ夏季休暇の最中だ。

この余暇を利用して、僕はバイトに励んでだり…明日…日曜日に実施される試験対策をしてる。
明日は年に一度の王族財閥SP試験の日だからだ。
連日、王族財閥SP試験対策テキストを睨めっこしたり忙しい。

僕の通う大学には、金髪碧眼巨乳美女、"月神マリア"や…
後輩の黒髪ポニーテール釣り眼で和風清楚系な"馬髪可憐"が僕のファンとして君臨してるが…。
この件については後述する。
それから、眼鏡ミルルもクラスにいる。
ミルルと僕は切って離せない縁らしい。

夏季休暇はバイトに行く前に、ミルルと一緒に同じマンションを出て、職場に向かうのが日課になりつつある。

僕のバイト先は…僕が通う平和国際大学付近のマンションからバスで30分程度で着く塾だ。
平和国ヴァカンス空港目前の商業ビル内が職場だ。
王族財閥ターシャ会話教室塾と言う名前で…僕の本命、レイカさんの実家が経営している。
僕は塾でターシャ語を教えてる。

僕を崇拝する月神マリアや馬髪可憐も…大学が夏季休暇で絡まれる事もない。
大女優までノシ上がったミルルが…また平和国ヴァカンス島で…邪神教集団に拉致される訳にはいかないからだ。

☆☆☆

《ミルル、明日は…二十歳のお誕生日なのよ。
ココへ来て、3年だけどいろいろなことがあったわね。
ミルルも取り巻きが最近、大変なのよ。
キセキさん…ボディーガードを頼んだわよ?》

今、ミルルと会話をしながら歩いてる。
ミルルは芸能人プロダクション事務所へ…。
僕はバイトへ通う途中だ。

ミルルの芸能プロダクションも偶然にも平和国ヴァカンス空港近辺にある。
空港の近くまで来ると開けてくる。


平和国のヴァカンス島はどこまでもヤシの木が続き、空が明るい。

平和国鳩が空には飛び交じり、屋台ではアイスクリームを売ってる。
ミルルはアロハ調な柄のワンピースを着て、僕はアロハ調なTシャツだ。
長年の幼馴染で服のセンスまで似て来てる。

ミルルは目にはサングラスをしてる。
最近、大物女優となったミルルはこうでもしないと外を歩けないらしい。
変装ではないが・・染めた茶髪を後ろに団子にしてまで、歩くときは警戒してるらしい。
男性から絡まれると…もう、対応に困ると話していた。
ミルルは一応、清純系女優で売ってるからだ。
それだけではない・…邪神教集団にさらわれた一件以来、ミルルは軽い男性恐怖症すらあるみたいだ。

「君も大変だな…」

《黙ってくれないかしら?
キセキさん…》

もう昔のノリではない。
あの事件でミルルは…邪神国から帰って以来、僕に冷たくなった。

平和国ヴァカンス島には金髪巨乳系美人から、スレンダーでオレンジ髪の白人系美女から、黒人系の尻が上がった縮毛な美女まで、街角に露出をしながら歩いて る。
ここは、全くターシャ国と違うところだ。
一瞬、スタイルと美貌の素敵な女性へ目線を写しかけた。
僕は平等精神に溢れた男だ。

見るぐらい別に良いだろう。
好きな女性がたとえいたとしても…僕は素敵な女性がいれば目で追ってしまう。
そんな人間だ。
レイカさんがココにはいない、何をしても自由だ。
幼馴染のミルルがいる隣では素になってしまう。
レイカさんの前ではさすがに控えてる…減点の対象になりそうだからだ。
今日も素敵な日だ。

《キセキさん…。
お迎えありがとう。
このあと、ミルルは仕事があるから…》

「そうか・・」

ミルルはあの邪神教の一件以来、男性恐怖症まであるらしい。
どうも共演のハンサムな男性ですら、ミルルはもう以前のように目を光らせたりしない。
男性から距離を置いてるらしい。
全ての男性にだ。

それから僕への態度もあの一件以来、豹変してる。

「頑張れよ。
ミルル」

《じゃ…》

サヨナラすらない。
邪神国で何があったかは…予想も付く。

あのイケメンに熱狂的だったミルルが。
芸能界でイケメンに出会っても男性から距離を置くらしい。
絶対、酷い目にあったに決まってる。

「君は…えっと、あのハン=サムって名前だったか…。
そういう名前の俳優をどう思ってるんだね…」

《キセキさん、空気が読めないの…。
昔からなのね》


「えっとだ…。
映画にラブシーンまであったが…。
彼は…現在、平和国でイケメン俳優NO1にノミネートされたが…。
ハン=サムは君の好みなんじゃないのか?」

”ハン=サム”は…目元が涼しげな金髪碧眼系の男だ。
いかにもミルルが好きそうなタイプで鍛えられた体躯をして、長身だ。
ミルルはそういう系が好きな気がする。


《キセキさん?
何も聞かないで頂戴。
サムはただの良い友達よ。
それから…ミルルをあまり困らせないで。

じゃ、見送りだけで良いわ。
バイバイ…》


ミルルは目元にサングラス、染めた茶髪は団子にして・・アロハ調の柄なワンピース姿のまま、事務所へ入って行った。
あの、ダサそうな服装では…誰もミルルと思わないだろう。

外へ出る時はサングラスがデフォルメになってる。

ミルルは言語に関して超能力並みの才能があるらしい。
平和国言語はほぼそう言えば…ターシャ国での成績優秀高校で常に主席だった。
僕以上にミルルの方が上だろう。
僕のお祖父様は平和国人でペラペラだが、僕はそこまでではない。

しかし、ミルルは化学や数学に関しては平均より少し上な程度だった。
僕の方が若干、そこは良かった。
平和国で留学を決意するについて…高2の9月から突然、現地人学校へ2年ほど行ったが。
ミルルは平和国言語が全てパーフェクトだから、授業について行けたのだろうが。
僕としては初期、猛烈に大変だった。

偶然にもミルルと受かった大学まで同じ学校だ。
最近に入って、僕も平和国言語に慣れてきてる。
平和国際大学と言う名前の言語に力を入れてる学校だ。
ラッキーなことに外人枠があった、生徒に外人を入れることで大学側としてもメリットがあると言う意味だ。
ミルルは推薦も合して、ココにした。
ミルルに合わせる訳ではないが、気が付けば…僕も楽な方へ流れてた。

レイカさんは良家の子女で平和国言語は子供時代から複数回以上、滞在してて・・。
ペラペラらしい。
ターシャ王立女子大から…2回生で、平和国際女子大へ編入をして…今は、平和国際女子大学院へ入ってる。
国際大学のメリットは…ラッキーなことに受験の第二か国語をターシャ語にすれば、当たり前だが…満点だと言う事か?

ここを卒業したら、ターシャ国のヴァカンス島は映画、HEIWAウッドも有名で、カジノもあるが…。
それ以外にも観光産業として、栄えてる。
現地人への通訳になれるらしい。
まあ、楽そうな仕事だ。
意外なことにこの国でターシャ人があまりいない。
ターシャ国から平和国ヴァカンス島まで…飛行機で半日以上掛かる。
しかし、観光として・・ターシャ人はよくココへ遊びに来る。

ここは娯楽の島だ。

☆☆☆

突然、留学が決まり…どうなることかと不安に思ってたが。
何とかなった。

レイカさんの自宅要人のSP試験は今まで何回か受験してるが…落ち続けてる。
今年こそ、受かりそうな気配がする…明日の日曜日に実施される。
あれの方が更に難関過ぎる。

試験が猛烈だ。
何故か・・化学薬品も出るし、それから…もちろん、地理や歴史。
ありとあらゆるものについて出題される。
ルミノール反応式まで書かされる。
警察の上級試験なのかと思う級だ。
僕の苦手な邪神語まで出題範囲だ。
基礎知識とは…第三国語が話せたうえで、ある程度の応急処置が出来て…。
医療知識もあり、度胸もあり…。
難関過ぎる。
法律まで入れられると…さすがにグッタリする。
あれ、大変すぎてる。

試験会場へ行くたびにレイカさんに会うなり…告白もしてるが。
受からない。
告白をしない方が受かるのか?
面接だけではない。
筆記試験を他として…体術試験。
僕には至難技過ぎる。


夏季休暇は真面目に・・バイトに通う。
しかし、真の目的はそこにない。

平和国ヴァカンス空港から…徒歩一分の距離に…。
平和国のヤシの木が連なる道に面する巨大な白い建物。
看板に王族財閥経営傘下ターシャ会話教室というビルがある。

エレベーターを上がった3階にフロントがある。
ここでは客の平和国人に向けて、現地のターシャ人スタッフがターシャ語を生で会話するのが売りだ。
テキストも売ってある。

平和国人で、第二言語に邪神語を選ぶ人間は殆ど存在しない。
邪神国だけは世界中から謎に包まれてる国だからだ。
覚えたところであまりビジネス上、需要がない。
大抵の平和国人が、第二言語をターシャ語へ指定してくる。

お蔭で…ターシャ国に存在する平和国会話教室並みに認知度がある。
ターシャ国でも全国各地に平和国会話教室はあるが、特に王族財閥平和国教室は有名だ。

ターシャ国の王族財閥平和国会話教室が僕が高校時代に通っていた塾だった。
あそこの受け付けは当時は王族レイカさんだったが。

現在、王族レイカさんがこのターシャ国会話教室のフロントで受付嬢をしてるのだ。

「えと…レイカさん、今日も綺麗ですね。
告白の返事なんですが…」

☆「バイトの方は…すぐに席についてくださいね?
お客様の邪魔ですわ?」

レイカさんは水色のシフォンワンプを着て、茶髪のゆるフワ巻きがミディアムで肩に少し掛かる程度だ。
女子アナも努められる級の容姿で…ターシャ国ではミスターシャ王立女子大だった。
幼稚舎からのエスカレーターで、実家が申し分なさ過ぎるレベルに良い人だ。
きっと、僕の両親も反対する訳ないだろう。
しかし、高嶺の花ということだけが…問題だ。

「今度、御茶でもどうでしょうか?」

☆「私は今、仕事中ですから…私情を挟まれるのは困りますわ?」

この調子で、これが目当てでバイトに来てると言うのに。
全く相手にされてない。
レイカさんの表情が気のせいか引き攣ってるのは…僕の見間違いなのか?

「あの…僕の何処が駄目なのでしょうか…。
治せるなら治しますが…。
この、アロハTシャツ…レイカさんのセンスに合わないでしょうか?」

☆「別に私服は自由ですわ?
さあ、もうお客様がお見えになってますわ?」

「そうですか…。
あの、毎日・・告白してるのに、断ると言う事は…。
論外なのでしょうか…。
電話番号の紙も渡したはずなんですが」

☆「私は忙しいですわ?
あまり絡むと、ここのバイトをリストラしますわよ?」

「申し訳ないです…。
えっと…すいません。
明日こそ、頑張ります。
明日、実施される王族財閥のsp試験問題…教えて貰えないでしょうか?
今年は何が出題されるとか…裏で情報、流れてませんか?」

☆「教える訳ないです。
試験は正々堂々、戦ってくださいね。
では。
もうお客様が来てますから」

僕は…もうレイカさんは諦めて、傷心の有名女優ミルルを慰めるべきなのか?
ミルルも女優で高嶺の花になりつつある。
それともクラスにいる僕の女性ファンにするべきなのか…。


☆☆☆

今は…夏季休暇で大学へ通ってないが…。
僕の大学では…何故か、馬髪可憐と言う名前の後輩が、猛烈に僕を慕ってる。



同じく、ターシャ国際大学へ入って来たターシャ人の女子で。
1回生だ、直毛のストレート黒髪は頂点でポニーテールにした釣り眼気味な和風美人で…手足が長く色白だ。

♞ 私、ターシャ国にいた頃は高校…私立ターシャ学園だったんですよ。
  制服上下ピンクのセーラーだったんですよ?
  うふ?

  実は…ターシャ王立女子大希望だったんですが。
  推薦は、他の人に譲って、平和国に来て正解ですわ!

  先輩、超・・好みです。
  名前、何って言うんですか? 
  私、馬髪可憐ですわ?
  可憐って呼んでくださいね!
  先輩!! ♞

「私立ターシャ学園か…。
ということは、君はお嬢様なのか?
ターシャ王立女子大は…僕の知り合いが通ってた学校だ」

♞キャア!
 そうなんですか!
 運命を感じます!
 キセキ先輩!
 私のことは、可憐って呼んでくださいね!
 これから毎日、昼は…手料理持って行きますわ!!
 クラブ、どこに入る気ですか?♞

「僕はクラブより苦学生だ…どうしてもやりたいことがある」

バイトに決まってる。
レイカさんがいるバイト先へ走るつもりだ。
だいたい、部活もミス平和国際大学が所属するクラブにしか所属する気はない。
僕の動機は常に不純で満ち溢れてる。
建前なら述べて、弁解しまくってるが…ずっと、それを貫き続けてる。
ある意味、僕はぶれない人間だ。

♞キセキ先輩にはどうしてもしたいことがあるんですね。
夢がある人って素敵だと思います。
いったい何をしたいのですか? ♞

「それは秘密だ」

バイト先に来られる訳にはいかない。

♞ああああ…。
平和ウッド俳優…抱かれたい男N01のハン=サムも気になるけど…!!
キセキ先輩も大ファンです!
私、部屋にはハン=サムの写真を貼ってるのですが…。
キセキ先輩の写真を部屋に貼っても!! ♞

「勝手にしてくれ…」

♞ツーショット写真どうですか?
それとも…キセキ先輩の写真だけを隠し撮りしても!! ♞

「僕は芸能人ではない。
隠し撮りは止めてくれ。
それは犯罪だ」


その他、同じ大学にいる金髪碧眼巨乳系美女の月神マリアに…僕は猛烈にアタックされてる。

❍ YOU、ベリー…ナイスガイ!❤
  ワンダフル!❤❤
  ひゅ〜♪

  アタシ、月神マリア♪
  アイラブYOU→♪❤❤

  ターシャ国人と平和国人のハーフ!!❤
  金髪巨乳美人は…好きかしら?
  Do you love me?? 

  まさか・・同じクラスに、ベリーなナイスガイがいるなんて! 
  ワーウォウ!
  名前、教えて?
  ユアー ネーム プリーズ!!!w ❤❤❍

「月神か…、珍しい名字だな。
ハーフなのか…。

僕のターシャ国にいる親友が、月神タリアで君の名前に似てる。
僕の名前は灯台キセキだ」

❍ キセキ?
覚えたわ、アイキャンよ!❤

月神タリア…知ってるわよ?アイノウ!❤

アタシの従兄弟!!

うっふん♪
サービス、サービス♪ ❤❍

「はあ…」

僕は目が点になった。

月神マリアは…金髪巨乳美女だ。

僕へこれ見よがしに胸の谷間を白いドレスから見せ付けてニヤリと笑った。

「全く似てない」

❍ アタシ…父似。
苗字が月神なのは、父養子。
マイルームにグランマとグランパもいるわ。
祖父ちゃんと祖母ちゃんのことね?

もちろんファザーのママよ?❤
グランマ、ターシャ国にいる息子の嫁に苛められて…暮らす家を失くして、ここまで逃げて来たって…。
言ってたわ。
オー、マイ…ゴット!❤

そう…ママの弟がターシャ国でまだいるって知ってたわ。
月神タリアは多分、アタシの従兄弟。
ターシャ国で、アタシと同じ歳でしかも…月神ってネームは珍しい。
こんな偶然があるのかしら?
不思議ね?
ミステリー?

うふん?❤ ❍

「そうなのか…。
僕の携帯にタリアの連絡先ならある。
君の写真をタリア充てに…送信しても良いだろうか…?」

❍ 良いわよ!グッド!

ワーオ!
大感激よ!
うふん?
送って頂戴よ!
プリーズ!❤❤ ❍

月神タリアは金髪美女だ、胸の谷間をチラつかせて、ジャンプした。
そのはずみに胸がプルンと揺れた。
全く似てない。
本当にタリアの親戚なのか?

知らなかったが…僕の旧友、月神タリアの従兄妹なのかもしれない…。
全然…衝撃的なレベルに似てない。
月神マリアの方が数段、容姿が良い。

初めて知ったが…タリアの叔母さんの娘な可能性がある。
マリアの父は金髪碧眼らしくて、こんな容姿になったらしいが…。
全くタリアに似てない。

これ、タリア…知ってるのだろうか?
マリアの話が本当なら…タリアの母が…姑を苛めて、自宅から追い出してたと言う話だ。
なんか、凄い話だ。
そんな話…僕は旧友、タリアから実に5歳から17歳までの12年間は親交があったが、一度も聞いたことがない。
デマ情報なんじゃないか?

そう思って、月神マリアと遭遇した時…珍しい名字だから、疑問に思って…送ってみた。
スマホから僕の唯一無二な大親友…タリアへLINEで。
3年前までLINEデビューもスマホも僕は持ってなかったが。
最近に入って、LINEやスマホは必需品となりつつある。
少し遅れてるのは認めようか?

それに反して、女優のミルルは常に最新機械だ。









平和国からコンニチハ序章


目次

平和国からコンニチハ3




ターシャ国シリーズの方も手直しを少しずつしてる最中です。

初期なのでオリジナル小説創作になれてないせいで、色々訂正箇所を発見し…大変でした。
まず創作に当たっては色々なキャラの性格だけは被らないように努めて執筆してきたので、ストーリー自体は手直しはないのですが…台詞チェックが多々、手直 し箇所だらけで。

どちらかと言えば、邪神国シリーズの方が後から書いてるので、創作に少しは慣れ、キャラの性格などが固定してるせいか…手直しする箇所が少なかったのが幸 いです。
今まで二次創作しかなかったわけですが…二次だと、このキャラならこう動くはず・・と想像つくので、書きやすかったのですが・・。

創作自体、初めてなので…それがないので、キャラの性格などを固定するのが大変でした…。

これだけキャラブレが酷いのに、ターシャ国シリーズの方も愛読してくれてる方がいらっしゃったのか…と感慨深い感じです。

時間を置いて読むと、また違う味わいがありますね。
いつも愛読、ありがとうございます。
精進します。






inserted by FC2 system