アナタノコトガスキデス

萌え妄想のまま走るいろいろ創作小説の予定。苦情無断転載禁止。

 

番外の外

《ミルル視点》


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【ただし条件がアル】
《何なの?
ゼロさん…。
何でも言って》
【この部屋でイチャイチャは許すガ。
潜水艦内で寝る時は控エロ。
常識ダ】
《どうしてなの?
もう20歳だから人前でイチャイチャするのダメだって言うの?
潜水艦で駄目なの?》
【アア…。
勃つからヤメテホシイ。
公衆の面前で恥かくわけにはいかねえダロガ、コラ。
あほカ。
生理現象ダ、オレは悪くネエ。
そういうモンダ。
あの潜水艦は狭イ…】

事を終わったあとに言われて…。
ミルルは目をぱちくりした。
今、眼鏡は外してる。

《理解できないわ。
そういうものなの?》
【そういうモノダ】
《もう今、終わったから大丈夫でしょ》
【オレが恥をかく、止めてホシイ】
《つまらないわ、イチャイチャができないなんて…。
ミルルは女だし全く理解できないわ、イチャイチャしたいのに。
ダメなの?
勃たないでしょ?
そんなことぐらいで》
【それなら止めダ。
潜水艦に乗るのはダ】
《え!!
嫌よ!
分かったわ、ミルル…。
イチャイチャしたいけど我慢する。
寂しいわ…何とかならないの》

男の人の体って不思議だわ。
ミルルには謎だらけでサッパリ。

【支度シロ。
コラ。
あほガ】
《服着てるんだから大丈夫だって思うんだけど…。
ミルル的には添い寝とか抱き枕とか…したいんだけど。
久しぶりの再会でしょ…。
軽いタッチよ、平和国では挨拶でキスや抱擁だし…。
ちょっと心配しすぎじゃないの?
ゼロさんも…。
潜水艦で夜寝る時の話なの?
駄目?》
【チ、ウゼエ。
ジャ…。
この話はナシダ】
《ええ!
分かったわ。
我慢する。
せっかくのデートなのにイチャイチャが出来ないなんて…》
【これからはダ。
少しは外でも距離置きやがれ、コラ】
《え!
ミルルが…。
成人になったからっていうの?
そんなぁ…》
【ウゼー、
家で良いダロ?
イチャイチャは…。
テメエはアホか。
少しは賢くナレ、ボケが。
保健体育を一から教育しなおして来イ。
頭、足りねえノカ?
ハア?】
《だって、ミルルが…。
家でイチャイチャしたら、いつもミルルの苦手なエロが始まるじゃない?
外なら始まらないから。
服を着てるから大丈夫よ、心配することは起きないわよ。
ゼロさんは公衆の面前で恥なんてかかないわよ》
【チッ。
モウ…。
別れヨウカ…?
アアー。
もう無理ダ。
有りえネエ。
ハア…】
《わかったわ、ミルル!
外では頑張る、耐える。
我慢するわ!
だからゼロさんも家ではエロを耐えて》
【チ、
ジャ…。
行くぞ、コラ】
《待って、支度するから…。
ゼロさんって短気ね。
ミルル、困るわ…》

ミルルは……一端、ゼロさんから離れた。
服を着こみ、それから……仕方なしに荷物を詰め始めた。

▣◙▣◙▣◙▣◙▣◙

出発の時刻が近付き、スマホを覗けば。
キセキさんからラインが届いてる。
ミルルも……昔と同じじゃない。
共演俳優ハン=サムの卑猥な日常を目にするにつれ、キセキさんとも距離を置きたいと願ってる。
男の人って何人好きな人がいるか不明だから…。
キセキさんは……未だに、ミルルがキセキさんを好きと信じてる風潮。
ここが不思議。
今では完全に吹っ切れてる。
ミルル的にはあれは……黒歴史。
甘酸っぱい過去でもない。
女は強い、過去は乗り越える。
背後なんて……振り返らない。
未練もない。

▣◙▣◙▣◙▣◙▣◙

灯台キセキ

☺---「ミルル…君がゼロと交際した件に関して…マナナにも伝えた。
マナナは君とゼロの件について、黙認に近いらしい…。

それから、知ってるだろうか?
マナナとタリアがもうすぐ別れそうらしい…。
その件で僕は明日、ターシャ国に帰国する気だ。
今日一日で、昔の旧友から凄い話ばかり聞いてる。
君とゼロのことについては僕は大反対だが…。
マナナには「無理やり別れさせるのは駄目よ」と叱られた。
君も早く目を覚ますべきだと思うが…。
僕は君のことも本当は少し心配だ」---

既読
---《ごめんなさいね。
ミルル、今…猛烈に忙しいの。
ゼロさんとイチャイチャタイムだから、邪魔しないでね。
暫く、ラインしないでね》---



☺---「分かった…。
しかし、僕はマナナとタリアも心配だが…。
君のことも正直、心配でたまらないんだ」---

☆☆☆


ココでラインは放置した。
勘違いされてる―――。
もう、ミルルは高校時代と同じじゃない。
ミルルの初恋は終了してる。
あれをバネに……次のステップへ飛んでる。

▣◙▣◙▣◙▣◙▣◙


それから……マンションの一室を出て、ロビーにある自動ドアを通過した。
その先は秋はつるべ落とし…。
日没が過ぎて、時刻が8時を越えてる。
外は……空は暗く、ネオンが煌めいてる。
夜道を歩く。
道なりに続くヤシの木は……電柱に照らされ、明るくライトアップされてる…。
道脇から見える海は……漆黒。
その上に、船が遠目に煌めく。
辺りには潮風が漂う。
秋なのに平和国は暖かい。
扇風機を回したくなる域。
夜だけ歩きやすい。
昼間は日差しが高く、9月なのに汗をかいてしまう。
黒装束を身に纏い、褐色な肌と緑の瞳――アラビア系男性、ゼロさんはエキゾチック……。
街灯に照らされれば……まるで映画の一コマみたい。
ミルル的にはツボ。
ゼロさんに連れられて……(どこへ進むのかしら?)
と思えば…。
…赤に黄色でカジノと表記された光る看板。

▣◙▣◙▣◙▣◙▣◙

卑猥で真っ赤な水着姿のバニーガールが受付に立ってる。
お尻にはウサギみたいな尻尾が付着して、胸の谷間をチラつかせた……オレンジ髪な女性。

ーーいらっしゃいませ〜♪ーー

《ゼロさん!
駄目よ。
ミルルの誕生日なのにこんなところで遊んじゃ!
ミルルにはカジノするお金なんてないわよ!
ゼロさん…。
まさか、こんなところへ普段通ってるの?
賭け事する趣味が…》
【チ…。
黙レ。
声を潜メロ】

ーーいっぱい遊んでいってね♪
うふん!
胸の谷間で挟んじゃう♪
チップくれるかしらん?ーーー

《チップ、渡す金なんてないわよ!》

網タイツと赤い水着服着たバニーガールが…。
胸の谷間に、大漁の平和$紙幣をつめて、こっちへ接近してくる…。
ゼロさんからチップを戴くのが目的みたいで。
ぶちギレそうになる。
いったい、どれだけのお客様からチップを戴いたんだろう…。
妙な色香が、バニーガールからは漂ってる。
黙々と黒装束を着たゼロさんがカジノバーの最奥へ進む。
ミルルはサングラスしたまま、キョロキョロ首を動かした、茶髪は団子頭にして変装してるつもり。
白いドレスで来てるけど…。
カジノなの?
行く場所がいきなり…。
ゼロさんが……白壁の前で、突然止まる。
それから、カレンダーをめくり…。
その下にある――パソコンモニターへ番号を入力した。
すると、隣にあった”関係者以外立入禁止”と表記された灰色のドアが開いた。

《ゼロさん…。
えっと…》
【静カニシロ…】

ゼロさんは灰色の扉をくぐり、道を進む…。
ミルルもついて行けば…。
その先は……いきなり階段で、下へ続いてる。

《このカジノ…。
地下があるの?
あのモニターは関係者以外使えない仕組みなのね。
普段は…。
カレンダーで隠してるなんて…。
手の込んだことを…》

【進んだ先に潜水艦邪神号がアル】
《え…》
【階段を降りればトンネルがアル】
《そうなの?
てっきり、カジノで入り浸りするのかと。
誤解して悪かったわ。
もう少し説明してよ?》
【チ…。
時間がネエ。
グズグズすんナ。
走レ。
遅いのは最低ダ】
《もう…。
ゼロさん…。
ココへよく通うの?》
【仕事ダ。
それ以外に用もネエ】
《あのバニーガールさん達のこと、どう思ってるの?》
【ウゼエ。
黙レ】
《ミルルよりあの人達に会ってたの?
ねえ!》
【時間がネエ。
行クゾ。
チッ…】
《もう…。
ミルル、怒るわよ?
ここがトンネルね…》

トンネルを結構歩いた。
その先に……登り階段があったから、そこも通過した。
そこまで来て、海の香りが周囲に立ち込めた。

《ちょっと何なの?
ここは…。
もしかして…洞窟なの?
あの海の上に浮かんでるのが…。
もしかして…。
邪神号なのかしら?》

ミルルは絶叫した。
だって…さっきまでカジノにいた筈だから。
階段を下りて、また上って……10分程度、先を進んだと思う…。

【アア。
ソウダ、あれダ】
《海抜が低いの?
ここ?
大丈夫なの?
雨とか降ったら…》
【一度地下へ行き、秘密通路を越え、上へ登ッタ。
駅の通路と同じ仕組みダ】
《そうなの。
長い道だったわ》
【ココは人口洞窟ダ。
ハア…】
《そうなの…。
自然の洞窟ではないのね。
上がカジノだものね…》

まさか、カジノ地下に…牢屋みたいな檻があって…その先に海へ繋がるなんて。
予想もしないわよ。
鉄筋作りの階段を降下すれば…。
視界に海が見え、船着き場がある…。
暗い海に……灰色な巨大潜水艦が浮かんでる…。
ここは洞窟の中で、石壁には電灯が連なって、視界は明るい。
風が通り抜けて、潮の香りが漂う。
平和国は島国だし、海の気配はどこでもするけど。
ココは、鍾乳洞のような涼しさよ。
カジノの下には、カラクリがあることが多い…よく聞く。
でも、週刊紙のデマかと思ってたわよ。

《勝手に乗っても良いの?》
【船員全員、オレの仲間ダ。
大丈夫ダロウ。
許可も要らネエ】
《そうなの?
お邪魔します…。
鍵は?》

潜水艦扉にモニターがある。
そこへゼロさんが数字を入力した。
すると、潜水艦の扉が開いた。

《鍵じゃないのね、ここ。
カラクリだらけね》
【今頃、仲間は貿易中ダロウ】
《そう…》

ゼロさんと共に潜水艦内部を進む…。
潜水艦に乗るのは、初めてだけど。
穴の開いた窓が連なる廊下。
それから……進んだ先にある個室は、まるでカプセルホテルみたいな雑魚寝部屋。
奥域190pぐらいかしら?
見た感じ、かなり狭そう。
不思議に感じ、疑問をゼロさんへ尋ねた。

《ここは6人部屋なの?》
【ソウダ】
《ミルルはどこで泊まるの?》
【オレの場所がひとつ開く分、そこしかネエ…】
《ゼロさんと一緒のベッドなのね!
やん!
嬉しいわ!》

かなり狭そうな空間になりそう。
ちょっと嬉しくて、声を上げた。

【チッ。
まだ分からネエ…。
仲間が反対するカモシレネエ】
《イチャイチャしてもいいの?
ねえ!》
【駄目ダ。
さっき、言ったダロウ?
ボケか、オメエは】
《何でなの?
ねえ!》
【オレはやっぱり廊下で寝ル。
サヨナラだ】
《駄目よ!
ミルルと一緒にこの狭いベッドで寝るの!
決定事項よ!
これは》
【離れねぇなら廊下ダ。
選べ】
《離れるわ!
頑張って距離を置くわ!
だから、廊下なんて悲しいこと言わないでよ!
今日はミルルの誕生日なんだから》
【チッ…。
ハアアア】



番外の外2


目次

番 外の外3




初期はやる気マックスで更新速度もサクサクだったのですが。
再読してみて、1ページあたりの文章量が多いんじゃないかと見直してる最中です。

今日から一日に更新できる文章量は半分ぐらいが限界じゃないかな?ということで、更新量を減らしてみました。
愛読ありがとうございます。
番外の外Bから次話です。



✩✩✩

今までのあらすじ。

売れっ子アイドルの《眼鏡ミルル》は、高校時代アラビア系留学生【印度ゼロ】に一目惚れを果たし……根性でストーカーの上、落とす。
その後の話。





《眼鏡ミルル》

売れっ子アイドル。



【印度ゼロ】

高校時代、邪神国から留学して来たアラビア系男子。



眼鏡花子……ミルルの実母



〈将軍〉……精子バンクを介した
ミルルの父。幼名;ミール。







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