アナタノコトガスキデス

萌え妄想のまま走るいろいろ創作小説の予定。苦情無断転載禁止。

 

ゼロから見た世界

【ゼロ視点】




☆☆☆

ミルルが去ってすぐの話だ。
牢獄へ3日間収容された後、釈放されてから…将軍様からミルルへ手紙の返事を強要サレタ。
文面を見られながら、やり取りを交わすのは毎度のことダ。
ターシャ国や平和国に関する情報もついでに収集して来いと言う要望ダ…。
考えるのも面倒臭イ。
適当で良イ、投げやりにナル。

手紙とかは実は得意でもネエ。

ミルルが去ってから確かに全く面白くネエ。
それだけは認めようカ?

将軍様の隣で手紙を綴れと…注文まで来テル。
悪いが…殆ど、将軍様の願いを丸写しにも近イ。
亡命金の回収が目的ラシイ。
確かに、我が国にとって…20億タ$は大金ダ。

オレからも釈放金として、200万邪$を巻き上げておいて…。
やはり、将軍様は本気でアクドイ御方ダ。
その件については臥せろと命令が下ッテル。
真実全てを手紙の文面では伝えられねえ事も多々アル…。


―――《ゼロさんへ。

 理由はないみたいだけど、好きみたい。
きっと必ず、救出するから・・ミルルを信じて欲しい。

ありがとう》ーーー
 
ーーー【亡命金の件、感謝シテル。
これから3年に渡り、手紙を交わすことになるダロウ…。
どっちの結果に転んでも…不服はネエが、その前に…。
ターシャ国や平和国に関することを聞いてミタイ・・。
帰還後の話についてダ】ーーー

将軍様に睨まれながら…机で手紙を書くのは、最高にプレッシャーにもナル。
しかし、すけこまし時代から悪いが常にコレだ。
途中で反逆がネエか、しっかりチェックが入ってる。
電話の内容に関してもソウダ。
我が国で軍内で亡命成功者など御蔭でイネエ。

〈この文面なら良しとしようか?
それから…もう少し、我が国の情報について…。
そうだな、ノアの話についてだ…含めたまえ。
ノアがミルルを女帝として迎える日を心待ちにしていることをだ。
それからだ、将軍様は良い方だとアピールしてくれないか?
ボクへの評判を上げるためにだ〉

【了解ダ】

悪いが…将軍様のアピールポイントが全く思いつかネエ。
オレを牢獄へ3日間、放り込んだのち、200万邪$を王族への性犯罪と…将軍様への軽反逆罪の罰金として徴収された件については…。
黙秘を貫けと注文が下ッテル。

ーーー【ノアがオメエについてウルサイ、ウンザリだ。
将軍様はよくミルルに関してオレへ絡んで来ル。
ミルルが平和国で女優として成功する件について待望ナサッテルようだ】ーーー

これ以上、悪いが…思い浮かばねえ、限界ダ…コレガ。

〈ボクへのアピールポイントは…ミルルが女優として成功する件を応援してる事かね?
まあ、良いだろう。
大幅にミルルの中で株が上がりそうだ〉

【以上ダ】

〈まあ、短文だが…。
こんなもので良いだろう?
目的は・・別にあるのだから。
手紙が目的でもない。
ミルルを通じて、どこまでも情報を探り寄せろ。
それにしても…ミルルは体内に内蔵されたマイクロチップをどうも大破したらしい。
これは残念だ。
ミルルへ手渡す情報ではなかった。
情報は命綱だ。
どんな些細な情報でも良い。
何かの種になりそうだ…。
探って来い〉

【御意】

この調子で…週1〜月1ぐらいで…手紙が往復するのダロウ。
別にフリーメールでも良いのだが…。
手紙も味はあって、良いダロウ。

ミルルが去ってから、あの貨幣製造工場にも休日が週休2日、与えられるようにナッタ。
体調を崩した人間が現れたからダ。
我が国は基本、何かが起きてからしか対処しねえ。
将軍様の一言ですぐに法律を改正できるが・…。
週休の二日間を手紙を書くために見張られるのは、最悪だ。
手紙もすぐに何も考えずに書イテル。

これが終われば、ヤット自由ダ。

チッ…。
亡命を本気でするのも良いかもシレネエ。
どんどん不満が溜まってるカラダ。
いろいろ突っ込みドコロが有り過ギダ。

将軍様から現在は危険な仕事には回されてネエ。
オレには3年に渡り、ミルルから情報を盗む仕事がアル。
その間にオレの身になにかあれば…他の人間に代筆が難しいと考えてるカラダ。

そろそろ、平和国への密漁任務カ。
ターシャ国内への潜入任務に移りたいと思ってるガ…。
週1レベルで手紙が来る状況で、無理ソウダ。

国内では未だ…塩や水の利権を巡って…3宗派が対立してると言うのに…。
裕著な話ダ。
しかし、この絶対王政。
将軍様へ反抗する者は皆殺しダ。
誰もそんな冒険を軍内でする人間はイネエ。

退屈ダ。

☆☆☆

こうして、ミルルから渡された手紙の続きを…平和国ヴァカンス島”ハーブ酒屋”と言う店を経由して送ッタ。
そこが邪神教集団の素屈でもあることなら知ッテル。
近所にパチンコ屋があり…その地下に潜水艦ジャシドン号が来る港もアル。
昔は麻薬密漁船…ジャシドン号に乗ったこともあったが、現在は謹慎処分の元…偽造貨幣工場の監視員として、廻されてる。

将軍様は…どうもミルルとオレが接点を持つ件を嫌がってる節がアル。
未だに引き離そうとしてるような雰囲気が流れて来テル。
気のせいなのか?
ドウナノカ?

ハーブ酒屋の店主は近所のテントで出刃包丁やライターなど日常品でも危険物として使えそうな物をワザと売ッテル。
あれも邪神教集団には需要があるからダ。
店主は鷲高な赤鼻でオレンジの髪に白人系の腹が出た中年男性だと聞ク。
ハーブ酒屋からミルルの手紙も到着し…それを近所のパチンコ店地下から出向する潜水艦…ジャシンドン号に詰めて輸送してモラウ。
こんな形で3年は流レタ。

あれから3年流れたラシイ。

3年間いろいろなことがアッタ…。


☆☆☆


ミルルは祖国へ帰ってすぐに1ヶ月もしネエ内に…。
初恋の男、灯台キセキとか言う…オランダ系クォーターな野郎と仲良く、平和国へ留学したラシイ。
全く、良い気分ではネエ。
しかも留学先も同じクラスで…入ってる部屋まで賃貸マンションらしいガ…。
同じマンションらしい…。

ここで、発狂しかけたが…。
ミルルから来た手紙文面に寄れば…ミルルの初恋の相手は、平和国にいる女へ猛烈にアタックしてるラシイ。
キセキより2歳上の大富豪家の一人娘ラシイ。

本当なのかは知らねえガ…。
キセキは…親の得意先が住んでる家にも遊びに行くラシイ…。

手紙に何故か、キセキに関する情報が…未だに多イ。
なんで、前好きな男の話が・・オレとのヤリ取りで出現シテル?
オレは全く過去の女は話さネエ。

将軍様へも、ミルルからオレ宛ての手紙を引き継ぐガ…。
ニンマリしてる。

〈ミルルは気が多い女だったのか…。
まだ初恋の相手が・・・この文面に寄れば、吹っ切れてない様子だ。
ミルルの上の階に…キセキと言う男が暮らすのか…。
そうか…〉

この調子ダ。

☆☆☆

邪神国内のミルルファンどもは…猛烈に悲しんではイタ。
特に…男性7名はウルサイ。

邪神国内戦の性で邪神教異端集団から顔を焼き尽くされ、常に全身黒装束で顔を隠した男。
将軍様の好意で、男性寮寮の見張りと送迎バスの監視役をしてる、門番や…。

褐色の肌にサンタクロース調な立派な髭を生やしたコックや。
褐色の肌にスキンヘッドとサングラス、黒装束衣装に名札をした…5つ子兄弟…。


ミルルファンは…全員、男ばっかダ。
あと、ノアが…未だにミルル女帝説を唱えてウルサイ。

牢獄出た後…200万邪$支払えば…。
ミルルとの手紙任務を渡された。
偽造貨幣工場の任務は引継ぎダ。

オレの同僚、5つ子兄弟を他とした連中に…ミルルへの性犯罪者と将軍様への軽反逆罪とレッテルを張られて…。
お蔭で嫌な噂が流レタ。

オレはミルルを汚したようなノリで…全員、見て来ル。
猛烈に、ウザいが…。
未だにミルルの隠し撮り写真は…軍内で売れてるし、それからたまに信じられねえことに・・。
将軍様が、他の政府から無許可でミルルのドラマを放送ナサル。
お蔭で今やミルルは国内でアイドル状態ダ。

多分、著作権を他国で払ってねえが…海賊版のDVDまで流れテル。

”風の共にミルル”と言うのが…ミルルの処女作で、子役時代のヒット作らしいガ…。
コレも邪神国のテレビで流レタ。
子役時代から、やはり光ってたのは認めヨウカ?

☆☆☆

まず第一に確かに、ミルルのことも今でも文通を通して、繋がってるが…。
将軍様への監視下にオレはアルが…。
正直、これはオレの性癖なのか不明だが…完全に切れてもうサヨナラが確定するまでズリネタにはしねえ・・・。
ミルルもエロが嫌いなのも悪イ。
いろいろ限界値に届きつつアル。

隣に見知らぬ若い女が…座って来ただけで容姿不問で体が火照ル。
しかし、それがノアだと幻滅に至ル。
浮気願望はネエが、最近…エロを渇望してるが、将軍様がうるさそうダ。
慎んデル。
別にミルルが嫌いになったわけではねえが、もうこれは生理現象でもアル。

ミルルはどうなのかと…。
将軍様が監視してる手紙では聞きニクイ…。
ミルルの思考回路は謎過ギル・・・。

この国が悪イ、だいたい娯楽が何もなさ過ぎダ。
特に年に一度の邪神祭り…。
あれは、従軍慰安婦を軍人も買える日ダ。
アレを耐えるのが相当辛くナッテル…。
オレは薄情なのかもしれないガ…エロがないと死にそうダ。
酒飲むのガ、唯一の楽しみダ。

ミルルもたまには手紙で下ネタを話して欲しいと願うが…。
どうなのダロウカ?
将軍様に見張られてる手紙で、オレがミルルへ下ネタを触れる訳もネエ…。
色々制限された内容でしか、手紙は書けねえ…。

☆☆☆


現在、平和国で女優として…スパイ映画モノ連作2シリーズが…。
邪神国TVで流れたガ…。
邪神国内男連中、特に門番やコックや5つ子兄弟が…絶叫シテル。

清純系女優だった筈なのに…。
画面で固マッタ…。
この映画、キスシーンがアル…。
ベッドで…信じられねえが……裸は見えねえが、男と寝テル。
しかも…寝てるシーンでは眼鏡をしてねえ。
素顔ダ。

全員が大反論にナッテル…。

ミルルには悪いが…もう映画女優は止めて欲しいと願ッテル…。

相当、堪エタ…。

ミルルはどう思いながら…あの映画を演じているノカ…。

【別に返還金、要ラネエ。
オメエは生キロ、オレは別に未練ネエ。
元々、自殺未遂した身ダ。
オレのことは忘れて仕事頑張レ。
サヨウナラ】

手紙にはこう綴ッテル…。

ミルルからは手紙も来てる。

《これから先、辛いことがあった時は…。
きっと何回も思い出すから。
そしたら、その瞬間を抜け出せそうな気がするから。
記憶に何回も蘇らせるから。
それまでゼロさんも耐えてみて。
きっと、心の痛みが軽減するはずだから》

何故かいろんな意味で溜息が出そうになる文面ダ。

この手紙、将軍様にも一度…通してから送ってるが…。
将軍様もミルルのキスシーンに関しては…感慨深げな表情ダ。

〈ボクはね…。
ミルルへはビジネスキスも耐えられない様では…ロミオとジュリエットも…。
ハムレットも無理だとは言ったがね…。
まさか、あの子が人肌脱ぐとはね…。
まあ、ヌードは見えてないがね…〉

仕事辞めろとは手紙に書きニクイ・・。
ミルルの夢は平和国で女優になることだからダ…。
しかし、布団で男と裸で寝てるシーン・・。
裸の上には布団が被ってるが…どうなってるノカ?
あの下は・・。

そして、二人はキスして…。
翌日になったという演出なのだが…。
スパイ映画だから、仕方ねえのかもしれねえが…。
さすがにリアルタイムで今、交際してるという話なのに…。
アレハ……。

ネット上でも猛烈に反論が来てるラシイ…。
ミルルは週刊誌では…男性交際経験が0となってる…。
今までに未経験と言う意味で、清純系の今年、20歳の女性だと…。
悪いが…0ではねえ。
オレと関係があったのが証拠だ。
ミルルがそう話したと・・ドキュメンタリーであるが…。
嘘だ。
週刊誌はデマ情報もアル。

その週刊誌には…ミルルは清純系に見えて…かなり気が強く、裏でファンによって態度を豹変するともアル。
これは…悪いがそうかもシレネエ。
性格悪しとも叩かれてる。

まあ、ソウナノか?
オレにはそう見えねえが…相手にしてもらえねえ奴らにはそう映るんダロウ。
ミルルも会釈する相手は選んでると…情事中に話してタ。
勘違いされると後が大変らしいからダ…その通りダ。

ミルルはそのお蔭で、今のところ悪質ストーカーファンがいねえ。
事件性には発展しねえが…。
週刊誌には、キスをした映画俳優とは…。
演技に関して、毎回…意見が食い違い…映画の中では仲良しに見えて…最悪の仲で…。
シリーズ3作目については…降板の恐れがあるとも書いてアル。
オレはその方が良い。

と言うか…2作ともベッドシーンがあって…。
沈黙にナッタ…。

1作目は…ベッドで布団をして…裸で寝てる、キスして翌日と言う演出…。

2作目は…温泉で二人で入ってるシーン・・。
両方とも、ミルルは眼鏡をしてねえ…邪神国人は初めて見る筈ダ。

ミルルの肝心の胸は見えねえが…一応、週刊誌にも作成秘話としては水着で撮影してるとアルガ…。
キスシーンは本物ラシイ…。

アレは心臓に悪イ。
入浴シーンも別に要らねえ…。
裸は見えねえが…良くねえに決まってる…。

まさか…これを一生、耐えなければならねえのか・・。
猛烈に陰鬱感が漂っテル…。

お蔭で…オレの亡命金は完済出来たラシイガ…。
将軍様は喜んでるが…。
さらにエスカレートしそうでナラネエ。
映画の内容もダ。

オレは仕事について、反対できねえノカ?

将軍様は鬼ダ…。

しかし、将軍様ですら…スパイ映画の内容については…。

〈あのミルルがね…。
キスシーンだけではなく、ベッドシーンまでか?
それから…温泉シーンまでか…。

もうボクがキミについて反対することもないらしい…。
きっと、あの俳優とミルルは出来てる筈だ。
週刊誌の情報は大抵、デマだ。

まあ、あの俳優なら将来有望で高収入だ。
しかも前科もない。
良いだろう。
ミルル女帝ではなくてもダ。

キミの亡命金に関しては…律儀な娘だ。
全額返済した。
キミはどこぞへなり行っても良いだろう。
許可をしてやろう…。
ボクは有言実行な男だ〉

今日…こう言われたところだ。

【ハン?
任務完了カ?
チ…】

〈今日は…奇しくもミルル20歳の生誕日らしい。
プロフィールではそうだ・・。

まあ、キミを責めるのも止めダ。

ミルルから20億タ$も巻き上げておいてなんだが…。
ミルルは幸せになってもらいたい…。

しかし、2作目も凄い映画だった…。
ボクはこれでよかったのだろうか?
貞淑なる我が娘が…派手な世界へ自ら飛んで行ったようだ…。
あの俳優と一緒になるだろう。

キミを責めて悪かった。
まあ、あの俳優の方がさすが…平和国映画だ、男前だろう…。
フ〉

【ウゼ】

一応、言葉にするが猛烈に暗い。
将軍様も性格最悪なのも知ってるガ…。

反論のしようがネエ。

〈キミは本気で運が良い男だ、そこは認めヨウ。
キミがこの国をあの子をダシに乗っ取ることはコレで不可能となった。
ノアもそれを危惧してた…。


これは…ターシャ国に伝わるコトワザだかね?
”女の心は秋の空”だ。
予想が付かないとはよく言ったものだ。

キミにはミルルから律儀に金を戴いたし、亡命は許すが…情報を他国に漏らそうものなら、すぐにキミを始末に行こう。
今や…ミルルにとって20億タ$は微々たるものだろう・・。
あの映画俳優はもっと稼いでると言う噂だ…。
あの映画俳優がミルルへ貢いでる可能性もアル。
しかも…子役時代からミルル以上に人気らしい。

まあ、予想外の結末だが…、さすが我が娘だ。
良い男を落としてきたと、褒めようか?

ハハハハハ〉

【オレは頼まれた用件をこなすだけダ・・。
後のことには関心ネエ】

〈まあ、週刊誌で恋愛中ではないと否定する話は良くある話だ。
二人が恋愛中だと知るや否や…人気がガタ落ちになり、仕事に支障が出るのが芸能界だ。

嘘も方便と言うヤツだ。
これもターシャ国で伝わるコトワザだ…。

ミルルが男性関係を週刊誌で否定してるのと似てるが…。

キミの魂胆はボクには最後まで分からなかったが・・。
キミは少しでもミルルに私情を挟んでたのか?

キミほど完璧に任務をこなす人間も…思えばいなかった。
我が国の忠実なる犬だったとは認めようか?
亡命はボクからのプレゼントだ。
喜べ〉

【御意】

〈それにしても…ミルル出演映画2作目、”スパイ007U”のシーンだが…。
温泉宿に二人で泊まって…入浴するシーンではミルルに胸の谷間が出来てたが。
あの子に谷間などあっただろうか?

あれはHEIWAウッドの特殊メイクなのだろうか?
胸は揉まれると大きくなると言うが・・・きっと、あの俳優と出来ているのだろう。
同じ俳優とまたそういうシーンだ…。

それにしても、映画で娘のアレは困るよ…。
応援はしてるがね?
ミルルの名誉のためにロビーに週刊誌は飾ってるがね?
邪神語で訳もして、わが国でも売っている。
キミは読んだかね?〉

【チ】

〈女優の家族と言うのも大変だね…。
脚本家には少しそこら辺も考えてもらいたいものだね…〉

【将軍様と邪神国に幸アレ】

 〈キミが望むのなら、ボクからは斡旋しない。
現状は予想外に転んでる可能性もある。
キミの暮らす世界はココからも知れない。
フッフフフ。

まあ、邪神国はキミを歓迎しようか?
キミは有能なる部下だからだ。
ミルルの手前…約束は守るが。
別れとは惜しいものだ〉

【自由とは素晴らしき物ダ】

〈良い言葉を残すね?
まあ、いつもで戻ってくることに関しては歓迎しようか?
自由に帰って来てくれてもいいんだよ?
フフフフフ。
それとね、ミルルの誕生日には…僕からも一つ、サプライズを残してる。
ミルルの喜ぶ顔が目に浮かぶようだよ。
フフフフ〉

【何ダ?ソレハ…】

〈サプライズと言うのは…話しては意味がないモノだ。
まあ、ミルルが喜ぶだろうね?
僕の勘ではね?
フフ…〉


☆☆☆

こうして、オレは解放されて…潜水艦ジャシドン号へ乗った。
平和国に着けば…絶対、背中に内蔵されてるマイクロチップは取り除く。

全員がこのノリで最近、オレへ絡んで来る。

今日はハーブ酒屋でミルルと会うと手紙でやり取りをしてるが…。
邪神国内で…スパイ映画の恋人役の俳優と出来てるともっぱらの噂だ。
映画の中のミルルは…猛烈に熱視線を送ってるからダ。
あれが演技と思えねえと…全員…言ってヤガル。
陰鬱で仕方ねえ。

今日、読んだ週刊誌の内容だ。
将軍様がミルルの週刊誌を輸入までして、ロビーに飾ってらっしゃる。


=地上に残された最後の清純系女優へ
根性レポ子より突撃インタービュー…♪
週刊誌に初掲載のコーナーです。

今年、眼鏡が一番似合う女優TOP10内にランクインしましたよね?
眼鏡ミルルさん、おめでとうございます♪=

《いえいえ》

=眼鏡ミルルさんは、眼鏡に関して思い入れはありますか?
今日は赤い眼鏡ですが…。
それから、眼鏡ミルルさんはもうすぐ二十歳ですよね?=

《もうすぐ合法的にお酒が飲めますね。
インタビューは緊張します。

眼鏡については…CMに出演して以来、眼鏡屋の眼鏡を好き好んで使ってます。
しかし、他のも是非挑戦してみたいです》

=そうですね。
眼鏡ミルルさんは本当に眼鏡が似合いますよね?

それから…眼鏡ミルルさんはお酒に興味ありますか?=

《あまりないですね。
嵌まると大変そうなイメージがありますので…》

=そうですか。
ターシャ人で平和国映画で主演まで取れたのは珍しいですよね。
ミルル様が主演を取れた理由は何だとご自分ではお考えですか?=

《ミルルは運が良かったと思っています。
無信教ですが…。

あと、ミルルの発音がたまたま良かったからだと思います。
映画でたまたまスパイ映画ということで、平和国人ではなく…。
相手女優が外国から来た不審な女性と言う設定だったのが幸いでした》


=そうですか。
平和国の方は無信教が多いんですよね?
眼鏡ミルルさんは突然ですが…。
今まで交際経験とかありますか?
男性経験は…=

《0です。
ミルルはそういうのはちょっと…》

=そうですか・・。
まだ未経験なんですね。
それでは…男性の好みは…=

《年齢は不問です。
優しい方なら誰でもです》

=今、上映中”スパイ007U”では…。
前作”スパイ007T”と同様に…。
同じ共演者とラブシーンまでありましたが…。
二人の仲は…=

《ミルル、ビジネスキスは初めてで…”スパイ007U”では、猛烈に緊張したのですが…。
彼とは良いお友達です。

それから・…実は、彼とベッドで寝てるシーンは水着をしてて…。
彼と入浴してるシーンも水着してます。
よく質問されるのですが…》





こんな調子の週刊誌だ。
将軍様は今日のこの記事を読んで、ホッとした表情ラシイ…。
これが発売されるまでは…全員、陰鬱な雰囲気が漂ってた。
誰もが裸で演じてるのだと思っていた…それぐらいに、演出が凝った映画ダ。

しかし…将軍様の話も一理、筋が通ってるのが…気に食わねえ。
週刊誌が真実なのか…。
ドッチなのか?
判別が付かねえ…。

ノアは…オレが書く手紙に、無理やり自分の手紙も混入して来て、将軍様へ頼み込み。

〔ミルル様…失敗したら、どうぞ私と一緒に邪神国へ。
その時はよろしくですわ?〕

と言う内容の文面をココ3年に渡り…送り続けてきたガ…。

ただ、もうミルル女帝説を将軍様が、考えなくなったラシイ・・。

☆☆☆

3年ほど前は…ミルルからオレへの亡命金を巻き上げた後…すけこまして、この国へ連れ戻し…。
ミルルを女帝にとも将軍様もおっしゃってたが…。
スパイ映画の男性俳優と出来てると信じて疑わねえラシイ…。
スケこましの依頼は終ワッタ…。

オレも別に亡命する気もまた薄くナッテルが…。
これは邪神国民なら泣いて喜ぶべきことの筈だ。
ミルルとはどんな女にナッタか3年ぶりに再会してみようかと思ウ。

映画が衝撃的過ギタ。
キスシーンが酷くて…人間不信に近い気分ダ。

ミルルから最近、来た手紙で…。

《ミルルは平和国で予想以上に順調で毎日忙しくて。
仕事も取れたの。
ゼロさんの亡命金も揃ったわ。
再会できるの楽しみにしてるわよ。
まさかこんなにトントン拍子に出世できるなんてミルル、思わなかったわよ。
ここに飛んできて良かったわ。
ゼロさんも元気かしら?
待ってるわよ。
ミルル、20歳の誕生日にね?》

邪神語でこう来ていた。
ミルルへインタビュー特集の週刊誌では嘘しか吐いてネエ。
まず、男性経験0と言うのは嘘だし…。
イケメンが好きでなくて、超年上でも誰でも優しい人ならというのも大嘘だ。
手紙もあまり信用ナラネエ…。





☆☆☆

邪神国はまだ熱期の中にある。
超高層山を越える山道は冷房が効いた車以外で移動など不可能だ。
それも日が昇る前に車も動き出す。
日中は50〜60℃近い気温にナルカラダ。
超高層山だけ気温が20℃も低く、日中でも30〜40℃…日が昇らねえ朝は、10〜20℃強風。
肌寒く乾燥した山だ。
そこにはサボテンがウヨウヨ生息するし・・自然の山羊が山から湧き出た海水を飲んでる姿が月明かりに照らされる。
まだ日が昇っていない。
9月になれば、急に朝が遅くなり…日が落ちるのが早いのだけは幸いだ。

その超高層山頂上にそびえ立つ御殿が…偽造貨幣工場に勤務する5つ子兄弟の実家ラシイガ…。
褐色の肌にスキンヘッドとサングラスと黒装束な個性のねえ5つ子兄弟は…最近、邪神国内でライブを開いてる。
”クインテット (quintet) ”というバンド名でダ。

5つ子兄弟で音楽をハモってる。
売ってる土産が、ミルルの隠し撮り写真なのは…壮絶だが…。
実家を継ぐ気があまりねえラシイ。

奴らとも決別ならして来た。
オレが亡命する話は…黙秘してるが。
心の中で、【サヨナラダ】と伝えた。
必死にミルルのブログへ書き込みまでしてるらしいが…。
たまにコメント承認されない件について不満を漏らしていた。
ブログのコメント欄も承認制らしい。
いったい、コメントが反映されるのは…どういう審査なのか?
野郎共、何を書いたノカ?

アアアア…。
それから…これは言うべきナノカ?

ミルルなきあと、金銭苦に陥ったノアが…ネズミチュウ太郎と仕方なしに折れて出来た事か?
ハア…。
オレは知らねえが、あの二人の子供が…ターシャ国の赤ちゃんバンクにいるらしくてダ。
ネズミチュウ太郎が何を持っても引き取りに行って、認知スルとノリ気なんだが…。
我が国で認知スルということは…結婚って意味なんだろうガ・…。

アレ、どうなるんダ?
ミルルに話すべきなのか?
この件もだ…。

しかし、あんな性悪女の何処が良いノカ…。
ネズミチュウ太郎は真面目に不憫な野郎だと同情もスル…。

☆☆☆

邪神海まで車が到着すると…。
貝特有の香りが日が昇らない海から漂う。
ミール貝をそこら辺で養殖してるからだ。

潜水艦邪神号は、目前に有る。

船の内部に入れば…。
3年ほど前の記憶が蘇る。
大麻がそこに収納されてる。
今日はこれを向こうへ売りさばき…。
連れの人間が、小麦と砂糖に変えて…。
あとは金銭に残して帰るだろう。

☠ちょ、今日はお前だけ平和国で解散かいな?
別件の任務を将軍様から言われたのかいな?
今日はマグロ漁船だ、ココで下りて物々交換で平和国から食材を入手したら…。
そのあとにワテらは、夜の9時にココを出港して…ターシャ国へも寄る予定になっとる☠

【ソウカ…】

☠翌日、ターシャ国へ着けば、米を仕入れて来る話でな。
そのあと、邪神号を邪神国まで動かさなければならない…。
その途中で、いったん…平和国に船を止めて…また平和国鳩も最後に捕獲して来いと命令が下ってるがな。

将軍様の娘、大女優ミルル様の祝誕祭として・・・来週から軍事メニューに卵かけごはんが出る可能性があるらしい。
ミルル様の好きな平和国の唐揚げまで出すらしい。
将軍様からの命令だ☠

【頑張レ】

☠何の任務かいな?
大忙しになるがな。
大変でっせ☠

【暫しの別れダ、長期任務にナリソウダ】

☠そうか、そちらも頑張れ。
邪神国と将軍様に幸あれ☠

【ジャシドンについては何か聞いてねえか?】

☠さあ?
ターシャ国へ落とす話…。
まだジャシドンの軌道修正がちゃんとなってないという話らしい。
ワテらもあまり知らんがな☠

【ソウカ…】


オレだけ、平和国ヴァカンス島…パチンコ店地下で降ろされて…解散となるダロウ。

我が国で亡命など出来るのは…恵まれた事ダ。
それは認めようか?
将軍様が許可するとはどういう風の流れか…。
ミルルから返還金を戴いても、逃げるケースもあるかと予想してたが・…。
将軍様は約束は守る方ラシイ。
意外に有言実行だ。

ジャシドンのことだけが心配だ。
まさか、有言実行で落とさねえかと…。
それだけ記憶の片隅にアル。

それと…将軍様が、ミルル20歳の誕生日にするサプライズとは…何なのか?
そこも疑問に感じてる…。
何となしに、悪い予感がする。






ゼロから見た世界4


目次

ゼロから見た世界6



さて…この話もLASTに近付きました。
全く違うキャラで書けたかな?
と…今でも振り返ってみたり??
平和国キセキ編ではマナナタリアその後とミルルゼロその後ももちろん、書いてみたいとは願っています。
時間が足りないのが難点ですが…。
全く違うキャラも書いていて面白かったです☆。

この番外の外もいつか書きたいと願いつつ、現状は平和国シリーズのあらすじをまとめてる最中ですね。

恋愛話って引っ付くとエロエロな展開に突入しそうなので…・。
それをタリアマナナ話では学習しましたね。
いや…結構、エロを書くのが照れたりするんですね。
いつもありがとうございます♪






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