アナタノコトガスキデス

萌え妄想のまま走るいろいろ創作小説の予定。苦情無断転載禁止。

 

判決7

〈将軍視点〉



ボクの娘はボクに似て優秀らしい。
どうせ20億タ$を稼いでくることなら計り知れる。

そのためにこの1ヶ月、見張っていたが。

あっという間にこの邪神国で男性ファンが軒並みに増えた。

まあ、これほどの実力があれば、芸能界など楽勝だろう。

なんせ、本当の父が邪神国と言う国を従える器の人間だ。

ミルルは普通ではない。

きっと、20億タ$を諸外国から稼ぎ出すだろう。
それを我が国に入金されれば良い。

しかし…問題はゼロだ。
我が国としてはミルルを稼がせて、そのあと…。
ミルルにはターシャ国や平和国へスパイになってもらう方が得策なのだが。
ここが残念だが。
彼女はボクの言うことは全く聞かないらしい。

となれば、彼に任務を頼むしかないだろう。

ボクは彼へ電話をした。
あまり気乗りではないが。

【用件は何ダ?】


〈ゼロ、君へは任務を頼もうか?
ミルルの母国、ターシャ国からミルルの返還金16億タ$が我が国へミルルと交換条件として、受け渡されることが決定した。

明朝、5時にはそこを出て…ミルルはヘリで、平和国ヴァカンス島へ輸送しろ。
運転係は君に任せよう、君は去年頃にはヘリから爆弾を落とした経歴もある…出来るだろう?

ミルルの側近、ノアへは…後からボクが連絡する。
どうせこの時間帯は寝てる筈だ、彼女には深夜にも研究レポを依頼してるからだ。

ノアには…君の監視役として一緒にヘリに乗ってもらおう…。
君は変なことは考えるな。
ヘリには監視カメラを他とした爆弾装置もある。
まあ、ノアが監視するなら君が逃げることもないだろう。
ノアは君に敵意があるらしいからだ。

それから、何故かミルルは君の命令にしか従わない…。
不本意だが、君が輸送しろ〉

【御意】

〈平和国ヴァカンス島にはターシャ国の外交官がいるだろう。
金だけ受け取って…ミルルは殺さず相手へ渡せ。

それから…。
これから3年、君は手紙でミルルとやり取りをすることになるが、ターシャ国や平和国の情報を聞き出してこい。
君が得意な分野だ。
ミルルは君を疑おうともしないらしい。
君にはこの線で行こうか?〉

【了解】

〈しかし、今回…ミルルへ手出しした件に関しては依頼外だ。
情報収集しろとは依頼を頼んだが…、そこはボクは喜んでる筈もない。
キミへはそれなりの処罰を与える気だ。
ミルルはターシャ国へ返還されることが決まった。
キミの亡命金のためにミルルは祖国を通じて20億タ$を稼ぐと宣言してる。
キミは上手に手紙を送り、彼女から金を巻き上げれば良い。

まあ、ボクは別にミルルは殺す気になれなかった。
キミはそれなりに罰を与えようか?
どういう魂胆だ?〉

【うぜえ】

〈まあ、今日は最後の晩餐としてミルルをもてなすが良い。
ボクは悪いが、反対してる。
ミルルは女帝の器がある女だ。
この国から逃れられる筈もない。
あれは…ボクの王家に入れるべき女だ。
まあ、20億タ$の件に関しては、小さな課題だ。
そのあとのことは知らない〉

【で、何すりゃ良イ?
手短に話セ】

〈どこまでも情報を探り止せ、ミルルを邪神国へ誘い込め。
キミが説得すれば…ミルルは乗り気になるだろう。
フフッフフフ。

キミはある意味、邪神国に貢献はしてる。
しかし、今回はあまりおもしろくない。
ボクのお気に入りのオモチャが汚された気分に近い。
やってることは今までと同じだが…。
ミルルは丁重に扱え、薬は売りつけるな。
いちいちボクも言わないが、察するべきだろう。
ボクは機嫌が悪いし、キミを処刑しても良いぐらいだが…。
ミルルの手前、耐えようか?〉

【邪神国と将軍様に幸アレ】

〈ミルルから誘うことはないだろう、固く慎ましやかな女性だからだ。
キミは何を考えてる?
ミルルをダシにこの国の頂点へ君臨するつもりかね?
これは別に遊女へ抱く気持ちとも違うがね?
ボクは手元にミルルを置いときたい気分でもあるんだがね…〉

【オレは任務に忙シイ】

〈そうかい?
君が何を考えてるかについてはサッパリ謎だ。
これは周りの連中も同感らしいが。
しかし、任務は忠実に守っていることだけは褒めようか?
下手な薬を使わずとも、あの娘は君の虜らしい。
情報を聞き出して来い、それまでは生かしてやろうか?〉

【有難キ御言葉…】

ボクは電話を自ら切った。
まあ、邪神国は熱期に関しては長期休暇だ。
しかし、ボクだけターシャ国の外交官と会談をしたり、それから…”邪神美女ドル”の歌劇を鑑賞して、テレビ出演をしたり…。
その他、朝晩の邪神会議で日々…忙しすぎる状況だ。

これでボクの駒は揃った。
あとは…どう転がしていくべきか?
それが課題だ。


どうしたものか・・




《ミルル視点》



ゼロさんが帰宅するのは9時頃。
ミルルはそれまでは部屋内部に王家の墓がある棺桶部屋にいる。
ノアは嬉しそうに冷房が効いた部屋で寝てるだけ。
幾ら産後で、授乳が勝手に出て大変だからって。
いつも最近、ノアは昼間に寝てるみたいで…。
女子寮ではほとんど寝てないとか言ってる。
女子寮で課題のレポートを作成したりしてるみたい。
何の課題なのかは教えてくれない。

ミルルはこの国に来てから本当に暇だったけど…やっとやるべきことが与えられたみたい。
ただ、ゼロさんとお別れするのは悲しすぎる。
ミルルには自信ならあるけど、3年も離れて…ゼロさんがミルルを忘れないなんて保証はない。
そこが一番、心配かもしれない…。

☆☆☆

ノアは昼飯が終わったら、ずっと部屋で寝てる。
夜が徹夜だからってつまらないから、ミルルはいつも外へ出て図書館を探索する。
図書館では大人しく本なら読んでるけど…。
それも今日で終わりみたい。
ジャシドンに関する書物ばかり揃ってるし、現在は熱期休暇で外が暑過ぎるのもあるけど…。
人が少ない。
熱期になれば、通常の邪神人は冷房が効いたところで、昼間に寝て夜に働くみたい。
朝晩だけ気温が30℃台に下がるから。

思い返してみて、ここまで走って来たけど…。
ミルルは本気で運が良かったと思う。

ミルルは今、冷房が効いた図書館の机で手紙を綴ってる。

《ゼロさんへ。

理由はないみたいだけど、好きみたい。
きっと必ず、救出するから・・ミルルを信じて欲しい。

ありがとう》

とメモに綴ってる。

意外にこれ以上、言葉が浮かばないみたいで…。
手紙はここまで…これを今夜、渡しておこうかなって思ってる。
自信はある。
3年遅れるみたいだけど…まあ、それぐらいなら大丈夫でしょ?

図書館に供えられていたメモ用紙を折り返して…畳み、手紙を書いた。

☆☆☆

6階にある図書館を出て、綴った手紙を手に持ち…渡り廊下の最奥、ミルルの棺桶部屋に行けば。
ドアを開いてすぐ、ノアは大の字でベッドで寝てる。
いつの間にか酒瓶が散乱してる。

夜の9時頃…ミルルはいつもはこれぐらいの時刻から寝てるけど。
今日はつかの間のお別れになると思う。
ミルルは昼寝を大目にして、待つことにした。
ノアがベッドで大の字で寝てる隣で、ミルルは添い寝をした。

〔ミルル様…やっぱりお酒は良いですわ?
飲みませんか?〕

《結構よ…》

〔それなら、ヒック。
たくさんゼロに関する情報を与えましょうね?
フフフフフフフ。
私なりの手土産ですわ?〕

ミルルはベッドに横になって、瞬きをした。

☆☆☆

ノアからは散々、絡まれて…たくさんのゼロさんに関する情報を教えてはくれた。
いっぱい聞いたけど…衝撃過ぎて…ミルルですら、頭が停止して…。
記憶が空白になりそうになった。
そこら辺が飛んでる。

知らないフリしてただけで…いっぱいノアは知っていたみたいで。
どれも悪い情報ばかり。
ノアらしいし、ミルルも藪蛇なのは最初から身構えてたけど。
どんどん情報が集まってはいる。

敢えてゼロさんには知らないフリして接してみたいとも思う。
ミルルは何故か、ゼロさん本人には聞きづらい。
ゼロさんは去年、空の上から枯葉剤に似た成分を落として…町ごと、消滅さしたみたい…。
全く、そんなニュース…ターシャ国には伝わってなかったんだけど‥。
この国にはいろいろ起きてるみたいで…。

ノアが言うにはゼロさんは将軍様の犬状態で…将軍様のためなら何でもやりかねないって…。
いろいろ聞いてはいるけど…。
いったい、何人…殺してるのか知らないレベルだとも…。
ちょっと大げさなんじゃないの?
って思うぐらい、ノアからは懇々と絡み酒されたけど…。

ノアの話が全部、本当なのか…謎だけど…。
ノアは、ミルルとゼロさんが離れることに関して大賛成だとずっと言い寄って来るけど。
何故だろう?
ミルルは騙されてるのなら、最後まで騙されていても良いかとも思ってる。
敢えて、ゼロさん本人へは聞きたくないかもしれない…。
そう思う。

☆☆☆

ミルルはノアからのゼロさんに関する昔話を聞いてる途中で…。
眠ってしまったみたいで…。
それからあまりにも衝撃的な話の連続で…頭が停止して…。
一瞬だって思ったけど、寝てたみたい。

黒い大型携帯フォン”王宮電話”の午後8時50分を告示するアラームが鳴り渡った。
これはミルルがセットしたもの。

ーーーピピピピピーーー

アラーム音だけは世界共通。
それを消して、ミルルは部屋を退散することにした。
もう、バスが王宮へ着く時刻。

ノアは相変わらず、寝てる。
出掛ける前に床に散乱した酒瓶はゴミ箱へ捨て、ベッドで寝転がってるノアをミルルは背中に負ぶさって…。
それから、廊下へ出した。

〔ミルル様…。
今日もダメなんですか?
私もココで一緒に添い寝をしても??〕

《ミルルは忙しいの、部屋に帰って頂戴》

ノアは部屋の前の赤い廊下でスヤスヤ寝てる。
今日はゼロさんがこの部屋に入る前に出してみた。
ゼロさん、ノアと仲が悪いみたいだし…部屋が散らかってるの好きじゃないみたいだから。

そのまま、ミルルは赤い渡り廊下を駆け抜けて、エレベーターに飛び乗った。
ゼロさんとは暫くのお別れになるみたいだけど。
自信ならある。
けど、実はエロだけがどうしても慣れない。
今日こそ、ゼロさんと添い寝でどうだろう?ってミルルは思うんだけど…。
ダメなのかな?

別に結婚するまでエロって必要ないと思う。
ゼロさんはAVの見過ぎじゃないの?とも…。
いろいろ考えてると、溜息も出る。
ミルルは性的に潔癖な筈なのに・・かなり性的に緩いらしい人間と付き合ってるみたい…。
今日はゼロさん、どうして怒ってたんだろう?
フェラなんて無理に決まってる。
男の人は不思議、どうしてエロなんて好きなんだろう?
エロのために犯罪へ走るんだろう?
ミルルには全く理解できない。
どう考えてもエロして損するのは女。
ミルルには付いていけない。
この国の価値観は特に…。
それでも、何故かゼロさんが好きみたいなんだけど?
どうしてなのかしら?

ミルルはエレベーターに映る全身鏡を見詰めた。
そこにミルルが映ってる。
将軍様もノアも一目でミルルが惚けた顔してるって話して、関係が進んだの…ばれちゃったけど。
ミルルってそんなにわかりやすいのかしら?
自分で見ても、その差は謎。

ただ、この国に来て良かったことは…。
当初の目的、ファーストキスは好きな人って言うのは達成できたし、これからきっと恋愛ドラマも演じられる筈っていうこと。
でも、やっぱりエロは無理。
ドラマでエロとかNGだわ。

いろいろ考えてるうちに、エレベーターは1階へ到着して、扉が開いた。
1階の王宮ロビーへ足を勧めれば…窓から夜の闇に送迎バスが今、まさに水色の建物…王宮男性寮前に停留しようとしてる姿が見える。
ミルルは慌てて、シャンデリアが光るロビーを走り出した。
今日もいつも通りにエレベーター目前に温水プールはあるし、ミルルと同じ身長1.65mのアメジストの原石が飾られて、冷房がガンガンに効いた王宮ロビー の透明な扉を開けた。
その途端、外へ出て…砂嵐が吹き荒れる。
外は生ぬるい36度程度の風。
でも、歩けるレベル。
視界は暗いけど、黄色い3階建てのバスから光る照明のお蔭で王宮の庭園は歩ける。

水色の建物、王宮男性寮へ向かって…ミルルはジャンプして、窓へ向かって両手を振ってみた。
きっと、一番最初に降りて来るのがゼロさんだから。
バスの一番前の窓…黒いカーテンが今日はしてないから、ゼロさんが見えた。
手は振ってはくれないけど、常と同じ死んだような無機質な表情をしてる。
ミルルだけ両手を振ってる。

こんな状態がずっと続いてる。

☆☆☆

バスからゼロさんが降りて来て。
ミルルは真っ先にゼロさんへ抱擁をした。
ゼロさんは黒装束に身を包み…それから緑の瞳がミルルと全然、違って魅力的で…。
髪質も全く違う。
それから男らしい肩幅の広さに…あと焼けた素肌が魅力的で…。

ミルルはいつの間にか、やっとこの王宮の規則にも慣れて、黒いフードを頭まで被ってる。

そこで、ちょっと涙が出た。
嬉しいからじゃなく、悲しいからだと思う。
ミルルは女優だから、泣き落としとも言うかもしれないわ‥?

いろいろな思い出が…瞼へ浮かんでは消えて来てね?。

《さあ、今からミルルとイチャイチャするわよ》

【ウザ】

無機質な特徴のある緑色の瞳のゼロさんの手を引っ張って、王宮ロビーまで歩いて行った。
外の砂嵐には…やっぱりまだ慣れない。
眼鏡が砂埃で曇って来る。

ゼロさんへは将軍から伝えると昼間、説明を受けた。
ミルルは根拠ないけど猛烈に自信がある。

玄関のロビーへ着いてから、ミルルは語り出した。

《ゼロさん?
暫くのお別れみたいね?
それはとても悲しいわよ?
ミルルのこと、忘れないでよね?》

【ハア…】

ゼロさんは溜息を吐いてる。
大人しく、ミルルに抱擁されてる。

《まあ、悪いけど‥自信あるわよ?
ミルル、絶対…ゼロさんを救い出してみるから?
処刑なんてさせないわよ、安心して頂戴》

【ウゼ…】

ミルルはゼロさんの手を握ってみた。
男らしくて、大きな手をしてると思う。

《ゼロさん、何かあったら…ノアを頼って頂戴ね?
頼んどいたから》

【無理過ギダ】

ゼロさんは急に怒った口調。

《ミルルがいない間…。
3年も開くなんて…。
心配だわ…。
ゼロさんのことがよ?
絶対に自殺未遂なんてしないでね?
処刑なんて絶対、止めてみるから…》

【ウゼ…】

ゼロさんはミルルに大人しく触られたまま、ミルルはゼロさんの掌を握ったり触ったりしてる。
ゼロさんの視線の先は…エレベーターの階数を数えてる。
これはいつも同じ。

癖なんだと思う。

6階に到着して、長い赤色の渡り廊下を歩み続けた先に…棺桶部屋がある。

棺桶部屋の玄関前の廊下に・…。

ノアはまだ、寝てた。

ミルルは少し呆れたかもしれない。

《ノア、まだ女性寮へ帰ってないの?》

〔今日は何としてでも、ミルル様とゼロを引き裂きますわ?
ミルル様、御考え直してくださいませ。
ターシャ国へなど帰らず、女帝になって…。
是非とも私をこれから先も側近に…〕

【帰レ、コラ】

《二人とも喧嘩は止めて頂戴。
ミルルは残念だけど…女の友情より男なの。
ノア、サヨナラ》

〔ミルル様、酷いですわ?
どこがいいんですの?
こんな奴の?〕

【チ…】

《容姿に決まってるでしょ!
ジャネ?
バイバイ》

ミルルは棺桶部屋の扉を閉めた。
外でノアがまだ何か言ってるけど。
無視。

これからミルルとゼロさんはしんみり肩を寄せ合って…将来のことについて語り合うんだから。
まあ、3年後なんてすぐよ?
大丈夫でしょう?
今から、フィアンセとして認知してもらう計画でいるんだから。

《ゼロさん、邪魔者は退散させたわ。
ねえ…これだけ恩は売ったんだから。
もちろん、ゼロさんはミルルをフィアンセ認知してくれるわよね?
当たり前だけど‥ミルルがいない3年間は、浮気なんてしないわよね?
約束したわよね?
ミルルと関係持ったら、無条件で付き合うって話にするって。
今度は恋人から婚約者に昇格よね?
約束してよね?
分かってるの?》

【ウゼ…】

《じゃ、ゼロさん…。
寝ましょう?
もう遅い時刻だわ。
ちょっと今日はショックすぎて・・・頭がね?
賢者タイム降臨なわけ。
上手く働いてくれないのよ?
大丈夫よ、ゼロさんの命なら救出して見せるから》

【ウザ…】

《ミルルが好きなら…。
今日は婚約者になれた暁として…。
結婚するまで、エロはなしってことで良いかしら?
ミルルが本気で好きなら…。
それぐらい出来るよね?
お願い、ゼロさん…。
もちろん、今朝怒ってたみたいだけど…。
フェラとかミルルはAV女優じゃあるまいし?
論外なんだからね?
さあ、明日に備えて寝ましょう?》

【オメエ、天然チャンか?】

《え?》

ミルルはベッドの布団に入って…今、まさに寝ようとしてた。
まさかだけど…。
また、逃げられない気配が漂ってる。

《ターシャ国ではね?
そうなのよ?
本気で好きなら、結婚するまでエロを耐えることが男には義務付けられているのよ。
さあ、怒らずに寝ましょうよ。
その方が良いわ》

【フェラは良いから、ヤルゾ。
コラ】

《え?
待ってよ。
ミルルのこと、好きなら耐えて欲しいわよ。
ミルルはね。
悪いけど未成年で。
ターシャ国ではね?
未成年同士の性交渉は禁止されていて・・。
ミルルが通う成績優秀高校では…退学なのよ?
バレたらね?
それから…ミルル、一応…ターシャ国では清純系アイドルだし、事務所でもエロは禁止されてるのよ。
ミルルはターシャ国人なんだから。
ターシャ国の法律に従わなきゃ。
じゃ、寝ましょう?》

ミルルは布団を頭まで被った。
どう考えても無理。
エロなんて、未成年がして良いモノじゃないし…。
結婚までしなくて良いと思う。
ミルルは全然、フシダラな人間じゃないし…。

なんで、しなきゃダメなのか。
真面目に分からない?
ミルルはエロよりファッション雑誌や、それから見た目の良い人が大好きなだけ。
エロは男のためにある産業でしょ?
なんで、交際とセットなのか分からない??
全然。

ミルルが言うこと筋が通ってると思う。

間違ってる訳ない。



それなのに…このあと、恒例のように・・。
勝手にエロが始まった。
ミルルは乗り気じゃなかったけど…。
仕方なく、応じた。
一応、電気は消してほしかったけど。
ゼロさんって電気消すと興奮しにくいのか…長くなるみたいで…。
まだ、ちょっと痛いし…早めに終わって欲しいから、電気付けたままで何とかお勤めは終わった。

また時間が取られた。
ミルルの貴重な睡眠時間まで削られた。
ゼロさんはいろいろな技を駆使しようとしてるみたいだけど、それよりミルルは早く終わって欲しい…。
エロよりまったりが良い。
だいたい、子供が出来ないように避妊までして、子供を作る目的でもないのに…エロする意味が分からな過ぎる。
だって、ミルルはまだ満17歳にもなってない…来月、やっと17歳になるところ。
やらなくて良いと思う。
ゼロさんは全然、ミルルを労わってはいない。
ここも躾けたいとも思う。

ミルルとしては…エロより睡眠にまわしたい。
ミルルはやるべきことが他にある。
事後の腕枕は好きかもしれない。

男の人って不思議だわ。
好きじゃなくてもエロが出来るんでしょう?
ミルルは好きでもエロとかどうでも良いわよ、それよりファション雑誌や服を見てるのが好きなの。
男の人の感性は…不思議過ぎて、付いていけないわ?
女性でもビッチもいるみたいだけど…あれも付いていけないわ?
だって、ミルルは清純系女優なのよ?
一応、世界に残された唯一の汚れなき乙女で売って来たんだから…。
それなのに、こんなことに…。
エロは余計だったわ?
事務所には内緒にしておかなきゃ。



信じられないことに…ゼロさんって今まで、ゴムを着けてやったことが…ミルル以外にはないみたいで…。
ゴムすると出せないとか言われて…長いことしまくられてた。
そんなこと、してるから…子供出来るのよと突っ込みたくなったけど、そこは耐えた。
邪神国人って全員、ゴムなしが普通みたい…割りとゴム自体が高価らしいけど…。
そんなことしてるから、平均出産年齢14歳でエイズが蔓延するのよ!
学校とかで習ってこないわけ?
そりゃね?
戦死や病死や餓死、熱中症で平均寿命が17歳とは聞いてるわよ?
でも、そんなに生き急ぐことないでしょう!?
ミルルの場合は子供が出来ないように全員から言われてたからゴムしたとか言い出してた。
しかも、ゴムなしで外出しを頼まれたけど断ったわよ。

お蔭で寝れない。
ミルルは痛かったし。
ゼロさんはゴムを外して…最後、自分で逝った…。
ゴムなしとか絶対、ミルル無理過ぎ。
これも考慮して…3年エロはお預けになるけど…良かったんだって思ってる。
ゴムしたら全然、感触が違うとか言われたけど…そんなの悪いけど、都市伝説だって思う。
邪神国制のゴムが分厚いからとか弁解されたけど…絶対、嘘だと思う。
ミルルは足蹴りしてでも、そこだけは思いとどまらせた。
本気でミルルは勇者だと思う。
ゼロさんに関しても、いろいろモラルと言うものを躾けなきゃダメだって落胆してる…。
お互いの価値観が違い過ぎる…。


これではミルルが好きなのか…エロだけしたかっただけなのか…謎すぎる。
ミルルが好きなら、もっと労わって欲しい。
生なんて言い出すなんて、人間として最低。
ゼロさんの容姿は好きだけど…今、そこに失望してる…。

ミルルは男のエロにはついていけない…。
3年、エロなんてする気にならないけど…ゼロさんは分からない。
ちょっとさすがのミルルですら、心が傷ついたわよ?
ミルルはね?
ゼロさんのためにこれから3年は働いて来るんだから、絶対に今…妊娠なんてするわけにはいかないんだから。
男はエロに関してアホだと覚えたわよ?

ミルルは貞操感に関してはシッカリしてるんだから。
ミルルはゼロさんが好きだから、エロとかどうでも良いけど…耐えてあげてるのよ?
それなのにさらにハードルを上げて、生なんて。
やっぱり3年の期間があいて良かったわよ?
結婚するまでエロなんていらないんだから!!
ミルルは自分の身は自分で守るんだから!

まさか…これからしばらくお別れの夜に、ミルルがゼロさんを足蹴りするなんて思わなかったわよ!
でも、生でするとかアホなこと言い出したから、さすがに背中を足で一回蹴ったわよ!

躾がなってないわよ!
ミルルの恋心を利用してね…調子に乗ってんじゃないわよ!

【出来たら認知スルカラ】とか言われたけど…これが嘘なのは常套手段よ、ドラマではね?
だいたいの男はこれ言って、逃げるの…。

芸能界でもね?
恋愛禁止なのに…こういうことして中絶なんてしたアイドルはね?
その後、スッと画面から消えるのよ?
ミルル、何人もそんな被害者…見て来てるんだから。
絶対、その子達は…だいたい、出来たら結婚するとか言われてる訳。
でも、認知すらせず、突然…男は逃げ出すのよ?
仲間の何人に泣き付かれたか分からないわ?
これは氷山の一角よ?
だいたい、自分のことを正直に話す人間ほど…すぐに消える世界だから…。
仲間が今、誰と付き合って…何やってるかなんて、全部は知らないわよ!
売れば…週刊誌のネタになるでしょ、これ?
芸能界って、派手な世界だからね?
隠れて、同時進行とかしてるアイドルも結構いるしね?

そのせいで…数えきれない回数、学習してから…。
自分の過去は隠して…認知してくれそうな滅茶年上とパトロンも兼ねて付き合うアイドルがいるみたいだけど‥。
ミルルは顔面至上主義よ?
それは理解できないわ…。
いろいろセクハラまがいにはあうけどね?
交わしてるわよ?

こんなに顔面至上主義なミルルでも…TVの前では《男性の好みは、滅茶年上の男性でも大丈夫です》
って、事務所に言わされてるのよ?
あれ、全部…事務所が考えて、言わさされてるわけ?
ミルルも商売だって思って、そこは割り切ってるわよ?
ミルルのマネージャー…根性レポ子さんはね?
それは厳しい人でね?
ミルルに対して、=絶対…イケメンが好きってことは黙って下さいね?=
って圧力を掛けられてるの、発言権すらないわよ!

ミルルがテレビの裏で態度が悪いとかネット上では流れてるけどね?
ミルルほどの美貌があれば…勘違いなんてされたら大変なわけ?
ちゃんと、貴方に興味はありません!ってアピールしてるの。
ちょっと会釈しようものなら…番組終了後、自宅に誘い出した後…絶対、エロを誘って来るんだから…。
知ってるわよ?

ミルルはゼロさんが大好きだけど…さすがにそこだけは見抜いたわ?
出来ちゃった結婚なんて、恥ずかしすぎて生きていけないわよ?
マナナの母じゃあるまいし…ミルル、そこら辺に関しては固いんだから!
本当、エロなんてどうでも良いからね?

それより綺麗なものを眺めて、ウットリして…。
ムードが漂う高級レストランでイチャイチャしてる方が好きに決まってるわよ。
男の人は不思議だわ…なんで、エロが好きなのかしら…?



今、隣でゼロさんはミルルへ腕枕をしてる。
裸でベッドに二人寝てる訳だけど…。
事が9時から始まって、もう12時はすでに超えた気がする。
だけど…これ以上、責める気になれない。
途中、頭がヒートアップして言いたいことを言いまくってた気もするし…。
寝ぼけてるから何を言ったのか…あまり覚えてない。
もしかしたら…思ってることのほとんど全部、台詞にしてぶちまけたのかもしれないし…。
どうなのか…眠気で正常な判断が出来ないわ?
でも、怒りから急に猛烈な悲しみが押し寄せて来た。
瞼から涙が溢れそうにもなる。

《ゼロさん、ミルルは本気で悲しいのよ。
ミルルがターシャ国へ行って…国外を離れ離れでしょう?
本当はね、こんなに遠方を離れるのが悲しくて仕方ないわけ。
それから…ミルルが祖国や残してきた母を捨てて、ここで暮らすこともまだ迷ってるの。
確かにミルルが成功すれば…ゼロさんはミルルの元にやって来るわ?
でも、離れるのがただ、寂しいの…》

【アリガトナ】

《生で出来なかったこと、ごめんなさい…。
ミルルはどうしてもそう言う価値観だけは付いていけなくて。
離れるのが本当はただ、嫌なの…。
それは分かって欲しい》

【ソッカ…】

ゼロさんは事後はとても静か。
ミルルの顔は見ずに疲れた表情で天井を見詰めてる。
ミルルはゼロさんの腕に顔をうずめてる。
同じ枕で寝てる…。

ゴムがあるとゼロさんは逝けないとか言ってたけど…。
確かに、ミルルで逝けなかったし、自分で最後はゼロさん処理したみたいだけど…。
どうしてだか、それでもミルルはゼロさんが好きみたいで…。
ミルルだけ邪神国から海外へ出る形になって…。
ゼロさんと離れることがこんなにも悲しくてたまらない。
ミルルは本気でゼロさんのことは好きだと思う…。















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